JP5545962B2 - 視覚再生補助装置 - Google Patents

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Description

本発明は、人工的に視覚信号を与えるための視覚再生補助装置に関する。
近年、失明治療技術の一つとして、眼内埋埴装置を眼内に設置し、網膜を構成する細胞や視神経繊維を電気刺激して視覚の再生を試みる視覚再生補助装置の研究がされている。このような視覚再生補助装置には、視神経乳頭に針状の電極を複数個刺し込んでその先端部分を埋植させておき、電極から電気刺激パルス信号を出力させて視神経繊維を刺激することによって、患者に視覚を与える視神経刺激型の装置が考えられている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−181100号公報
前述したような視神経刺激型の装置では、視神経乳頭に複数の電極を個別に突き刺して用いるものとしている。しかしながら、このような視覚再生補助装置の構成では、電極を1本ずつ視神経乳頭内に刺入する必要があるため手術時間が長くなり患者や術者に負担を与える事になる。また、このように視神経乳頭に刺入した電極やこれを繋ぐ線(信号線)は、その後の眼球運動等によって抜けてしまったり金属疲労によって断線してしまう可能性がある。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、複数の電極を効率よく視神経乳頭に取り付ける事ができ、長期間安定して扱うことのできる視覚再生補助装置を提供することを技術課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下のような構成を備えることを特徴とする。
(1) 患者の視覚を再生するための視覚再生補助装置において、患者眼の視神経乳頭に突き刺して使用するために所定の長さだけ延びた針状の複数の電極が形成された筐体であって,視神経乳頭の直径と略等しい径で形成される筐体と、前記電極を視神経乳頭に突き刺した状態を維持するために前記電極とは別部材であって前記電極が延びる方向と同じ方向に延びるように前記筐体に形成される針状の固定部と、前記筐体を把持するための把持部であって,前記電極が延びる方向とは反対の方向に所定の長さだけ延びるように前記筐体に形成される把持部と、を備えることを特徴とする。

本発明によれば、複数の電極を効率よく視神経乳頭に取り付ける事ができ、長期間安定して扱うことができる。
本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。図1は視覚再生補助装置の使用態様を示した図であり、図2は実施の形態で使用する視覚再生補助装置の概略の構成を示したブロック図である。図3は画像処理装置100の構成を示したブロック図である。
本実施形態の視覚再生補助装置1は、患者が使用する際に装着する体外装置10と、患者自身に予め手術によって埋植しておく体内装置20とから構成されている。体外装置10は、患者が掛けるバイザー11と、バイザー11に取り付けられるCCDカメラ等からなる撮影装置12と、外部デバイス13、一次コイルからなる送信手段14等にて構成されている。バイザー11は眼鏡形状を有しており、図1に示すように、患者の眼前に装着して使用することができるようになっている。また、撮影装置12はバイザー11の前面に取り付けてあり、患者に認知させる被写体を撮影することができる。なお、本実施形態では撮影装置12をバイザー11に取り付けて使用するものとしているが、これに限るものではなく、バイザー11を用いず撮影装置を患者に装着するようにしてもよいし、患者が向いている方向を撮影装置が撮影できる状態であればよい。
外部デバイス13は、撮影装置12にて撮影した被写体像を画像処理して視覚を再生するための電気刺激パルス用データに変換するための画像処理装置100と、視覚再生補助装置1(体外装置10及び体内装置20)の電力供給を行うためのバッテリー110からなる。図3において、制御部101はCPU等からなり、外部デバイス13全体の駆動制御を行う。制御部101には、撮影装置12や、撮影装置12からの画像信号を電気刺激パルス用データに変換するためのパルス信号変換手段102、刺激条件設定部103、記憶部104が各々接続されている。
パルス信号変換手段102は、撮影装置12からの被写体像を画像処理して視覚を再生するための電気刺激パルス用データに変換し、この電気刺激パルス用データを送信手段14にて体内装置20側に送る役目を果たす。刺激条件設定部103は、調整ダイヤルや各種スイッチ等からなり、後述する刺激電極部(以下、電極部)41から出力される電気刺激パルス信号の出力条件設定や、電極部41による単独刺激や複数の電極からの同時刺激等の組み合せ等の各種の刺激条件と、この刺激条件にて視神経を刺激したときに、患者に認知されるフォスフェン(光覚、閃光)と呼ばれる擬似視覚の発生位置とその形状を対応付けて設定することができるようになっている。
図4は刺激条件設定部103の概略構成を示す図である。103aは表示部であり、各種の設定条件や、フォスフェンの発生位置等を表示する。103bは出力電極指定部であり、電気刺激パルス信号を出力させる電極を指定するスイッチが用意される。103cは出力条件設定部であり、出力電極指定部103bにて指定した電極から出力される電気刺激パルス信号の出力条件を設定するスイッチや調整ダイヤルが用意される。103dはフォスフェン位置設定部であり、電極から出力された電気刺激パルス信号によって患者の視野内のどの位置にフォスフェンが生じたかを記録するためのスイッチが用意される。このような刺激条件設定部103による刺激条件設定については詳しく後述する。なお、記憶部104は、刺激条件設定部103にて設定した刺激条件と対応するフォスフェンとを対応付けて複数記憶する。
このような構成の外部デバイス13は、患者が持ち運び可能な大きさで用意されることが好ましい。なお、刺激条件設定部103を外部デバイス13とは完全な別装置としておき、必要に応じてUSB等の通信手段を用いて外部デバイスと13と刺激条件設定部103とを接続することもできる。このような場合には、刺激条件設定部103にて設定した条件を記憶部104に記憶させ、使用時には刺激条件設定部103を切り離すことにより、外部デバイス13をよりコンパクトにすることも可能である。
送信手段14は1次コイルからなり、パルス信号変換手段102にて変換された電気刺激パルス信号用データ、及び後述する体内装置20を駆動させるための電力を電磁波として体内装置20側に用意された受信手段21(2次コイル)に伝送(無線送信)することができる。また、送信手段14の中心には図示なき磁石が取り付けられている。磁石は送信手段14によるデータ伝送効率を向上させるとともに、後述する受信手段21との位置固定にも使用される。なお、本実施形態では電磁誘導を用いて無線伝送するものとしているが、これに限るものではなく、体外装置10と体内装置20とを直接つなぐようにしてもよい。
体内装置20は、図2に示すように2次コイルからなる受信手段21に信号線25を介して情報処理制御部22が接続されている。情報処理制御部22は、体外装置10側から送られた電気刺激パルス用データや電力を受け取り、受け取った電気刺激パルス用データに基づいて刺激部40(電極部41)から電気刺激パルス信号を出力させる役目を持つ。受信手段21には、送信手段14と同様に中心部に図示なき磁石が取り付けられている。
また、眼球の外側に配置される情報処理制御部22と眼球内に配置される刺激部40とは、ケーブル31,接続部32及び信号線34からなる接続部材30により電気的に接続される。図5は接続部材30及び刺激部40を示した構成図である。図5(a)は情報処理制御部22から刺激部40までの構成を示した概略説明図であり、図5(b)は刺激部40付近の拡大模式図である。図5(a)において、情報処理制御部22に接続されたケーブル31は眼球の外側に位置される接続部32に接続される。また、先端に電極部41が形成される信号線34は接続部32に接続されており、その大部分の領域は眼内に置かれる。これにより、情報処理制御部22からの信号が電極部41に伝達されるようになる。なお、図6に示すように、ケーブル31は各信号線34と接続される信号線31aが束ねられた上で螺旋状にまかれた状態で一体化されている。また、各信号線31aは白金等の金属線(単線)を複数本より合わせることにより、一本としたより線から形成されている。
ここで、刺激部40の詳細な構成について説明する。図5(b)において、刺激部40は視神経乳頭に刺し込んで電気刺激を与える為に必要な長さを有した針状の複数の電極41aからなる電極部41と、視神経乳頭に突き刺された電極部41の位置を固定するための針状の固定部42と、電極部41、固定部42が一体的に設けられた筐体44と、刺激部40を視神経乳頭に取り付ける際に術者が鑷子等を用いて筐体44を把持するための把持部43とから構成される。なお、本実施形態では、電極部41として5本の電極41aが筐体44に取り付けられているものとしているが、電極41aは少なくとも4本以上用意されていれば良い。なお、本実施形態では筐体44に接続される信号線のうち、電極41aを形成させずに参照電極(対向電極)として用いられる信号線35を設けてある。この信号線35は周辺部分が被覆されておらず、これを電極として使用するものとしている。
電極41aは、テフロン(登録商標)、ポリイミドやポリパラキシリレン等の生体適合性が良く、絶縁性を有する材料にて被覆された信号線34の先端部を用いており、筐体44を貫通した状態でその先端部が所定の長さだけ筐体44から延びた状態として形成され、その先端には絶縁被膜がされていない。本実施形態では、電極41a(信号線34)は、生体適合性を有する白金(Pt)とイリジウム(Ir)との合金で形成される(本実施形態では、白金90%、イリジウム10%の合金が使用されている)。これ以外にも、電極41aを形成する材料としては、視神経乳頭に突き刺すことができる程度の剛性を有すると共に、生体適合性、耐久性に優れた導電性の材料にて形成されれば良い。例えば、白金、酸化イリジウム、生体適合性を備えるステンレス等で形成されても良い。
各電極41aの形状は、視神経乳頭に突き刺し易い針状の形状であると共に、視神経乳頭に突き刺された状態で抜け難くなるようにその先端が形成されている。また、電極41aの直径(太さ)は、視神経乳頭に取り付ける際に不用意に折り曲がってしまわない程度の剛性を有する太さで形成される。本実施形態では、電極41aは50μmの直径で形成されているとするが、これ以外にも、電極41aは20μm以上100μm以下の直径で形成することができる。電極41aの直径が20μm未満であると、電極41aが視神経乳頭に突き刺される際に座屈により曲がり易くなってしまう。一方、電極41aの直径が100μmよりも大きいと、視神経乳頭に対する電極41aの占める割合が局所的では無くなることによって、神経が萎縮するなどの影響が生じる可能性が出てくる。
なお、電極41aの直径は電極材料の特性に応じて上記の特性を満たす大きさに決定されれば良いが、電極41aの直径が太くなると、視神経乳頭に取り付けることの出来る電極41aの数が少なくなってしまうので、電極41aはできるだけ細く形成されることが好ましい。また電極41aの長さd1(筐体44から延びている長さ)は、例えば、0.5mm以上2mm以下で形成される。電極部41の長さd1が0.5mmよりも短いと視神経乳頭に取り付けられた際に信号伝達に必要な深さまで達し難い。一方、長さd1が2mmよりも長くなると、視神経乳頭に突き刺されたときに座屈で折れ曲がり易くなってしまう。本実施形態では、電極41aの長さd1は1mmとしている。
また、本実施形態では、電極41aの先端から基端に向けて0.5mmまでの範囲を被覆せず電極として使用できるようにしている。視神経を局所的に刺激するためには電極の面積はできるだけ小さいことが好ましいため、本実施形態では、電極41aの長さd1に関わらず電気刺激に関わる面積(被覆されていない部分)が一定となるようにしている。
固定部42は、例えば、生体適合性、耐久性に優れると共に剛性の材料にて形成され、筐体44の電極41aと同方向に所定の長さだけ延びる針状の部材からなる。本実施形態では、固定部42は白金(80%)とイリジウム(20%)との合金で形成されるが、これ以外にもセラミックや硬い樹脂等で形成しても良い。また、固定部42の長さd2は例えば、0.5mm以上4mm以下の長さで形成される。なお、一旦視神経乳頭に刺し込まれた電極41aがその後抜けないように、固定部42は電極41aよりも長く形成されていることが好ましい。固定部42が電極41aと同程度の長さである場合には、固定部42に楔を複数個形成する等の形状による抜け止め処理を施しておくことが好ましい。なお、本実施形態では、固定部42の長さd2は、電極41aよりも十分に長く、3mmとしている。固定部42の直径(太さ)は、視神経乳頭に突き刺されたときに折り曲がらない剛性を有すると共に、神経に対して出来るだけ圧迫を加えないようなサイズであれば良く、例えば、50μm以上で200μm以下の直径となるように形成される。ここでは、電極41aの太さに対して2倍の直径約100μmに形成されているものとしている。
なお、固定部42を参照電極として使用することもできる。固定部42が参照電極として用いられる場合は、導電性を備える材料にて上記の特性を備えるように形成し、固定部42を情報処理部制御部22に電気的に接続させておけば良い。
把持部43は刺激部40を視神経乳頭に取り付ける際に、術者が鑷子等を用いて把持することができる形状で形成される。なお、図5では、固定部42と把持部43とが一本の棒形状として一体的に成型され、筐体44を貫通するように接合され、その先端側を固定部42として、基端側を把持部43として使用する例を示しているが、固定部52と把持部43とは別々に形成されていても良い。この場合、把持部43は筐体の側方の位置など、術者が鑷子等で摘み易い位置に形成されれば良い。更には、筐体44自体が保持し易い形状に形成されている場合は、刺激部40に把持部43を設けなくても良い。この場合、術者は鑷子等によって筐体44を摘むことで、刺激部40を視神経乳頭に取り付けるようにする。
筐体44はシリコンなどの生体適合性を有すると共に、生体内でその形状を保持できる程度の硬性を有する材料を用いてモールディング加工等でその形状が形成される。また、筐体44の厚さ方向には、上記の信号線34(電極41a)の取り付け位置に対応した図示を略す複数の貫通孔が、モールディング加工時に形成される。なお、信号線34(電極41a)が貫通孔に取り付けられた状態で、シリコン樹脂等によって固められることによってその取付け位置が固定されるようになっている。筐体44のサイズは、視神経乳頭の直径と略等しい程度に小型に形成される事が好ましく、これにより、筐体44で固定された電極41aを視神経乳頭上に均等に配置することができるようになる。また、筐体44のサイズを視神経乳頭に電極41aを配置できる程度に出来るだけ小さくすることで、眼球切開創の大きさを抑えて、筐体44(刺激部40)を眼内で取り付け易くできる。
なお、固定部42は筐体44の外周付近に取り付けられることが好ましい。このようにすると、電極41aを視神経乳頭の中央部に取り付けた状態で、固定部42を影響の少ない視神経乳頭の外周部に刺し込めることとなる。なお、筐体44からケーブル31に向かう複数の信号線34は適宜途中の位置でチューブ34aにて一つに束ねておくことにより、扱いやすくなる。チューブ34aにはシリコン等の生体適合性が良く柔軟性に優れた材料にて形成されたものを使用する。これ以外にも、複数の信号線34は生体適合性を有する樹脂にて固めることで取扱い易くすることも出来る。
また、本実施形態では、信号線34は所定の曲率で湾曲した形状に形成されている。本実施形態では、信号線34は筐体44からケーブル31に繋がる間に所定の曲率半径Rが28mm以上から38mm以下の湾曲形状を有するように形成されている。このようにすると、眼球の角膜輪部付近から眼内に入れられた刺激部40を途中で曲げることなく視神経乳頭付近に送り込むことができ、刺し込みがより容易になる。なお、信号線34の湾曲は予め信号線34を形成する材料(線材)を所定の曲率を持った円筒部材に強く巻きつけることによって形成される。
また、信号線34の長さは電極部41の先端からの直線距離で30mm以上38mm以下とすることで、眼球の外側に位置される信号線34とケーブル31との接続部32の取り付け位置を眼球の外側で好適に位置させることができるようになる(接続部32の取付け位置が眼球側から遠ざかると手術が困難となる)。なお、信号線34の長さは被検者眼の眼球の大きさに応じて決定されれば良い。
一方、情報処理制御部22に接続されるケーブル31は、白金とイリジウムの合金により形成された複数の単線(例えば、直径25μm)がより合わされることによって形成されるより線(信号線31a)の外側がパリレン等により絶縁コーティングされた後、シリコン等の生体適合性を有すると共に柔軟な絶縁材料に埋め込まれる(包埋される)ことで形成されている。複数の信号線31a全体が被覆された状態でさらにシリコン等により覆われることにより、個別に絶縁されながら一体化されると共に、外側が柔軟な素材とされることで生体への負荷が低減されるようになっている。
なお、本実施形態のケーブル31は、接続部32から所定の範囲(例えば、220mm)では、前述したように複数の信号線31aは螺旋状に巻かれている。視神経乳頭内に刺激部40が取り付けられた状態で眼球運動が行われると、ケーブル31に負荷が加えられる。そして、長期間負荷が加えられることによる劣化でケーブル31内の信号線が切れ易くなる。そこで、信号線31aをより線とするとともにケーブル31の負荷が加わる範囲(接続部32から所定の範囲にあることが知られている)における信号線31aを螺旋状にしておくことで、信号線の耐久性が向上し長期間体内装置20を安定して使用することができるようになる。なお、本実施形態ではケーブル31の一部の範囲の信号線31aを螺旋状にする場合を例に挙げているが、ケーブル31の全域の信号線31aを螺旋状に形成するようにしても良い。
以上のようなケーブル31(信号線31a)と信号線34とは接続部32で接続される。ここで、図6(a)は接続部32付近の模式図であり、図6(b)は接続部32の内部構成の説明図である。各信号線34とそれに対応するケーブル31の信号線31aとは、中空形状に形成されたパイプ60を介して個別に接続される。パイプ60は、プラチナ等の生体適合性がよい金属のパイプが用いられ、パイプ60内に信号線64の一端と信号線31aの一端とを差し入れた状態で溶接することにより両信号線が接合される。このようにパイプ60を用いることで、接続が難しいケーブル31の信号線31aと信号線34とを簡単に接続することができるようになる。
そして、信号線34と信号線31aとが接続された状態の各パイプ60は、生体適合性を有するエポキシ樹脂等による被膜層61で、絶縁を保つことができる間隔でまとめて固められる。これにより、信号線34と単線31aとが隙間無く接続され体液の侵入などが防止される。更に、被膜層61の外周がシリコン等の生体適合性を有すると共に柔軟な素材の樹脂等で固められる。これにより接続部32の外形62が形成される。なお、接続部32の外側を柔軟な素材とすることで、体内に加えら得る負荷が軽減されて、接続部32を好適に位置させることができるようになる。
以上のような構成を備える体内装置20は、手術で患者の体内に埋植される。ここで、体内装置20の埋植方法を説明する。図7は、電極部41の埋植状態を模式的に示した図であり、眼球Eの全体の断面図である。
まず、術者は鑷子等を用いて把持部43を把持し、水晶体が取り除かれた被検者眼の強膜部分に形成された切開創から刺激部40を挿入させ、そのまま送り込む。次に、術者は、把持部43を鑷子で把持した状態で刺激部40を視神経乳頭上に位置させ、電極部41を視神経乳頭の所定の深さまで突き刺して設置させる。この時、最初に電極部41よりも長く形成された固定部42が視神経乳頭の周縁に接しているので、それを突き刺すことによって、電極部41が視神経乳頭位置でより強固に固定される。また、一度に複数の電極41aが視神経乳頭に取り付けられる。なお、本実施形態では信号線34が眼内に沿って湾曲した形状となっているので、視神経乳頭付近にまで容易に送り込むことができ、手術時の負担が軽減される。なお、チューブ34aは図示を略すタック、若しくは、縫合等、その他の固定手段によって眼内に固定される。又は、必要がなければ固定させなくともよい。
一方、眼球の外側に位置された接続部32は、眼球の近傍での縫合等によってその位置が固定される。また、受信手段14及び情報処理制御部22は、図1に示すような患者頭部の位置において、皮下に信号線34(チューブ34a),25も含めて埋植される。なお、送信手段14は埋植された受信手段21の設置位置に皮膚を介して重ねるようにして置かれ、磁力によって保持される。
以上のような構成を備える視覚再生補助装置において、視覚再生のための動作を以下に説明する。眼の網膜を構成する細胞や視神経に電気刺激を与えると、フォスフェン(光覚、閃光)と呼ばれる擬似視覚が得られることが知られている。本発明は、電極を視神経乳頭に突き刺し、電極から所定の電気刺激パルス信号を出力させることで、患者にフォスフェンを認知させ、視覚の再生を図ろうとするものである。まず、事前準備として図4に示した刺激条件設定部103を用いて、種々の刺激条件に対する患者固有のフォスフェンの発生位置を確認する。はじめに、出力電極指定部103bにより、一の電極から出力させるか、複数の電極から同時に出力させるかを設定する。次に出力条件設定部103cを用いて電気刺激パルス信号を出力するとした各電極に対してそれぞれ出力条件を設定していく。出力条件設定部103cでは、電流値、周波数、パルス幅、電荷量、波形(単相波、2相波)、パルス間の刺激休止時間(interpulse)、パルス数等出力条件を単独、または2つ以上を組み合せて設定される。なお、その設定内容は、表示部103aに表示されるようになっている。
このようにしてフォスフェンを認知させるための刺激条件を設定し、図示を略す刺激開始スイッチを用いて、設定した刺激条件で電極41aから電気パルス信号を出力させて視神経を刺激する。電気パルス信号の出力後、操作者(術者)は患者に対して患者視野内のどの位置にどのくらいの大きさのフォスフェンが現れたのかを確認する。図8に示すように、表示部103aにはフォスフェンが現れた位置及び形状を表示するためのチャート200が表示されており、操作者はフォスフェン位置設定部103dを用いてチャート200上にフォスフェンの位置及びその形状を表示・記録する。
このような手法を用いて、患者の視野全域に渡って個々のフォスフェンが確認されるまで、刺激条件を種々変更して刺激を行い、チャート200上にフォスフェンのマッピングを行っていく。視野全域に渡ってある程度のフォスフェンの発生位置が確認されると、図示を略す保存スイッチを用いて、記憶部104に保存する。記憶部104には、個々のフォスフェンの形状及び位置情報と、これに対応する電気刺激パルス信号の刺激条件とが対応付けられて保存される。
以上のような事前準備を行った後、視覚再生補助装置1を動作させる。撮影装置12により撮影された被写体の撮影データ(画像情報)は、画像処理装置100に送られる。画像処理装置100の制御部101は受け取った画像情報と記憶部104に記憶されている患者固有のフォスフェンの形状と位置情報とをパルス信号変換手段102に送る。パルス信号変換手段103は、受け取った画像情報とフォスフェンの形状と位置情報とに基づいて、患者が画像(被写体)を認知するために必要なフォスフェンの形状と位置情報を抽出し、これに対応する刺激条件を設定して画像情報を視神経を刺激するための電気刺激パルス信号用情報に変換し、送信手段14より電磁波として体内装置20側に送信する。一方、バッテリー110からの電力は、視神経を刺激するための電気刺激パルス信号用情報とともに重畳的に送信手段14から受信手段21へ電磁誘導によって送られる。なお、電気刺激パルス信号用情報と電力とは時分割的に送るようにしたものであってもよい。
体内装置20側では、体外装置10より送られてくる電気刺激パルス信号用情報を情報処理制御部22が受け取り、電気刺激パルス信号を形成し電極41aから電気刺激パルス信号を出力する。電極41aから出力する電気刺激パルス信号は、その電極が突き刺された視神経乳頭から視神経を通って大脳を刺激し、患者は視野内に現れた複数のフォスフェンを認知することによって視覚を得る。このように本実施形態では、網膜に張り巡らされた神経線維が集中する視神経乳頭に電気刺激パルス信号を与え、さらに刺激条件を変えることにより、患者の視野内における広い範囲でフォスフェンを生じさせ、その結果、広い視野の視覚認識が可能となる。なお、本実施形態では、より多くの電極41aが視神経乳頭に取り付けられるようになっているので、患者に対して様々な条件でフォスフェンの発生状況を確認することができ、様々なパターンの視覚認識をさせる事が可能となる。
なお、上記では図5に示す構成の刺激部40を備える体内装置20を用いて、患者眼の視覚再生を行う場合を例に挙げて説明したが。これに限るものではない。図9に電極部の第2実施形態の概略説明図を示す。図9(a)は第2実施形態の刺激部40付近の拡大図である。図9(b)は網膜上での取り付け位置の説明図である。なお、図9において前述の視覚再生補助装置1と同じ構成には同じ図番号を用いて説明する。
この場合は、固定部42は筐体44に取り付けずに、筐体44と同じ材料で形成された保持部50に取り付ける。なお、保持部50には電極部41が視神経乳頭上に位置されたときに、固定部42が視神経乳頭の外側に位置されるように、筐体44と一定距離だけ離れた位置に固定部42が取り付けられるようになっている。このようにすると、固定部42で視神経乳頭を傷つけることなく、電極部41を乳頭位置に固定させることができるようになる。
なお、図9では保持部50に取り付けられた固定部42が一箇所のみに形成されている場合が示されているが、固定部42(保持部50)は2箇所以上形成されていても良い。
視覚再生補助装置の使用態様を示した図である。 視覚再生補助装置の概略構成を示したブロック図である。 画像処理装置の構成を示したブロック図である。 刺激条件設定部の概略構成図である。 接続部材及び刺激部の構成図である。 接続部付近の模式図及び内部構成の説明図である。 電極の埋植状態を模式的に示した図である。 刺激信号条件の変化によるフォスフェンの位置変化の説明図である。 電極部の第2実施形態の概略説明図である。
1 視覚再生補助装置
22 情報処理部制御部
30 接続部材
31 ケーブル
31a、34 信号線
32 接続部
40 刺激部
41 電極部
41a 電極
42 固定部
43 把持部
44 筐体
60 パイプ

Claims (1)

  1. 患者の視覚を再生するための視覚再生補助装置において、
    患者眼の視神経乳頭に突き刺して使用するために所定の長さだけ延びた針状の複数の電極が形成された筐体であって,視神経乳頭の直径と略等しい径で形成される筐体と、
    前記電極を視神経乳頭に突き刺した状態を維持するために前記電極とは別部材であって前記電極が延びる方向と同じ方向に延びるように前記筐体に形成される針状の固定部と、
    前記筐体を把持するための把持部であって,前記電極が延びる方向とは反対の方向に所定の長さだけ延びるように前記筐体に形成される把持部と、を備えることを特徴とする視覚再生補助装置。
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