JP5545487B2 - ブレーキ制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両のブレーキ装置の作動を制御するブレーキ制御装置に関するものである。
自動車のブレーキ装置においては、負圧アクチュエータや電動アクチュエータを用いて、運転者によるブレーキの操作力を補助する倍力制御及びブレーキアシスト制御、あるいは、路面状態及び走行状態等に応じて車輪毎に制動力を調整することにより、制動時の車輪のロックを防止するアンチロック制御、アンダーステア、オーバーステアを抑制して操縦安定性を高める車両安定性制御等の種々な制御が行なわれている。
そして、特許文献1には、ブレーキペダルによって直接操作される入力ピストンと、ブレーキペダルの操作量に応じて作動する電動アクチュエータによって駆動されるアシスト部材とよってマスタシリンダ内に倍力されたブレーキ液圧を発生させ、この液圧をアンチロックブレーキ装置(以下、ABSともいう)の液圧回路を介してホイールシリンダに供給するブレーキ制御装置が記載されている。このブレーキ制御装置では、ABSの作動中にアシスト部材の移動を停止または制限することにより、マスタシリンダ内の過度の液圧変動を抑制してブレーキの操作フィーリングを改善するようにしている。
特開2008−239142号公報
上記特許文献1に記載されたブレーキ制御装置では、例えば、車両がABSの作動中に摩擦係数の低い道路(低μ路)から摩擦係数の高い道路(高μ路)に進入した場合、ホイールシリンダに供給する液圧が比較的高い値となるまで車輪がロックしないため、ABSは内蔵のポンプにより増圧動作を継続する。この際、ポンプはマスタシリンダの圧力室からブレーキ液を補給しているため、ABSの作動中にアシスト部材の停止または移動を制限していると、マスタシリンダ内の液圧が急激に低下してしまい、迅速な増圧要求に対処できなかった。
そこで、本発明は、アンチロックブレーキ制御実行中に、ブレーキペダルの操作フィーリングを改善しつつ、ホイールシリンダの増圧要求があった場合には、迅速に増圧が可能なブレーキ制御装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明は、ブレーキペダルの操作量に応じてアクチュエータを作動させてピストンを移動させることにより、マスタシリンダでブレーキ液圧を発生させ、そのブレーキ液圧をホイールシリンダに供給して制動力を発生させるブレーキ制御装置であって、
前記ホイールシリンダに供給されるブレーキ液圧を制御して車輪のロックを防止するアンチロックブレーキ制御を実行可能な液圧制御装置を備え、
アンチロックブレーキ制御実行中に、前記ピストンの移動を制限するように前記アクチュエータの作動を制御し、前記液圧制御装置が前記ホイールシリンダへの液圧を急増圧する急増圧作動状態となったとき、前記ピストンの移動の制限を解除して該ピストンを前進させることを特徴とする。
本発明のブレーキ制御装置によれば、アンチロックブレーキ制御実行中に、ブレーキペダルの操作フィーリングを改善しつつ、ホイールシリンダの増圧要求があった場合には、迅速に増圧することが可能になる。
本発明の一実施形態に係るブレーキ制御装置の概略構成を示す図である。 図1に示すブレーキ制御装置における制御を示すフローチャートである。 従来技術において、アンチロックブレーキ制御実行中に、車両が摩擦係数の低い低μ路から摩擦係数の高い高μ路に進入した場合のマスタシリンダ及びホイールシリンダの液圧の変化を示すグラフ図である。 本発明の一実施形態において、アンチロックブレーキ制御実行中に、車両が摩擦係数の低い低μ路から摩擦係数の高い高μ路に進入した場合のマスタシリンダ及びホイールシリンダの液圧の変化を示すグラフ図である。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本実施形態に係るブレーキ制御装置の概略構成を図1に示す。図1に示すように、本実施形態に係るブレーキ制御装置1は、自動車の制動装置に適用して、左前輪Wa、右後輪Wb、右前輪Wc、左後輪Wdの4輪の制動力を制御するためのものである。ブレーキ制御装置1は、マスタシリンダ2と、マスタシリンダ2に一体に組込まれたマスタ圧制御機構3と、マスタ圧制御機構3の作動を制御するマスタ圧制御ユニット4と、各車輪Wa、Wb、Wc、Wdに装着された液圧ブレーキのホイールシリンダBa、Bb、Bc、Bdに供給する液圧を制御する液圧制御装置であるホイール圧制御機構5及びホイール圧制御機構5の作動を制御するホイール圧制御ユニット6とを備えている。
マスタシリンダ2は、タンデム型マスタシリンダであって、ブレーキ液が充填されたシリンダ7内の開口側にプライマリピストン8(ピストン)が挿入され、底部側にセカンダリピストン9が挿入され、プライマリピストン8とセカンダリピストン9との間にプライマリ室10(圧力室)を形成し、セカンダリピストン9とシリンダ7の底部との間にセカンダリ室11を形成している。そして、プライマリピストン8の前進により、プライマリ室10内のブレーキ液を加圧すると共に、セカンダリピストン9を前進させてセカンダリ室11内のブレーキ液を加圧して、プライマリポート12及びセカンダリポート13からホイール圧制御機構5を介して液圧ブレーキのホイールシリンダBa、Bb、Bc、Bdにブレーキ液を供給する。プライマリ室10及びセカンダリ室11には、リザーバ14が接続されている。リザーバ14は、プライマリピストン8及びセカンダリピストン9が原位置にあるとき、プライマリ10室及びセカンダリ室11に連通して、マスタシリンダ2にブレーキ液を適宜補充する。プライマリピストン8及セカンダリピストン9は、戻しバネ15、16によって原位置に付勢されている。
このように、プライマリピストン8及びセカンダリピストン9の2つのピストンによってプライマリポート12及びセカンダリポート13から2系統の液圧回路にブレーキ液を供給することにより、万一、一方の液圧回路が失陥した場合でも、他方の液圧回路によって液圧を供給することでき、制動力を確保することができる。
プライマリピストン8の中心部には、入力ピストン17が摺動可能かつ液密的に貫通され、入力ピストン17の先端部がプライマリ室10内に挿入されている。入力ピストン17の後端部には、入力ロッド18が連結され、入力ロッド18はマスタ圧制御機構3を貫通して外部へ伸ばされ、その端部にブレーキペダル19が連結されている。プライマリピストン8と入力ピストン17との間には、付勢手段である一対の中立バネ20、21が介装され、プライマリピストン8及び入力ピストン17は、中立バネ20、21のバネ力によって中立位置に弾性的に保持され、これらの軸方向の相対変位に対して中立バネ20、21のバネ力(付勢力)が作用するようになっている。
マスタ圧制御機構3は、プライマリピストン8を駆動するアクチュエータである電動モータ22と、プライマリピストン8と電動モータ22との間に介装された回転−直動変換機構であるボールネジ機構23及び減速機構であるベルト減速機構24とを備えている。電動モータ22は、その回転位置を検出する位置センサ25を備え、マスタ圧制御装置4からの指令によって作動して、所望の回転位置が得られるようになっている。電動モータ22は、例えば公知のDCモータ、DCブラシレスモータ、ACモータ等とすることができるが、制御性、静粛性、耐久性等の観点から本実施形態ではDCブラシレスモータを採用している。
ボールネジ機構23は、入力ロッド18が挿入された中空の直動部材26と、直動部材26が挿入された円筒状の回転部材27と、これらの間に形成されたネジ溝に装填された複数の転動体であるボール28(鋼球)とを備え、直動部材26の前端部がプライマリピストン8の後端部に当接し、回転部材27が軸受29によってシリンダ7に回転可能に支持されている。そして、電動モータ22によってベルト減速機構24を介して回転部材27を回転させることにより、ネジ溝内をボール28が転動し、直動部材26が直線運動してプライマリピストン8を移動させるようになっている。直動部材26は、戻しバネ30によって後退位置側に付勢されている。
なお、回転−直動変換機構は、電動モータ22(すなわち減速機構24)の回転運動を直線運動に変換してプライマリピストン8に伝達するものであれば、ラックアンドピニオン機構等の他の機構を用いることができるが、本実施形態では、遊びの少なさ、効率、耐久性等の観点から、ボールネジ機構23を採用している。ボールネジ機構23は、バックドライバビリティを有しており、直動部材26の直線運動によって回転部材27を回転させることができる。また、直動部材26は、プライマリピストン8に後方から当接し、プライマリピストン8が直動部材26から離れて単独で前進できるようになっている。これにより、万一、電動モータ22が断線等によって作動不能になった場合、直動部材26が戻しバネ30のバネ力によって後退位置に戻され、このとき、プライマリピストン8は単独で移動できるので、ブレーキの引き摺りを防止することができ、また、ブレーキペダル19によって入力ピストン17を操作し、さらに、入力ロッド18を介してプライマリピストン8を操作することにより、液圧を発生させることができる。
ベルト減速機構24は、電動モータ22の出力軸に取付けられた駆動プーリ31と、ボールネジ機構23の回転部材27の周囲に取付けられた従動プーリ32と、これらの間に巻装されたベルト33とを含み、電動モータ22の出力軸の回転を所定の減速比で減速してボールネジ機構23に伝達するものである。ベルト減速機構24に、歯車減速機構等の他の減速機構を組み合わせてもよい。ベルト減速機構24の代りに、公知の歯車減速機構、チェーン減速機構、差動減速機構等を用いることができるが、また、電動モータ22によって充分大きなトルクが得られる場合には、減速機構を省略して、電動モータ22によって回転−直動変換機構を直接駆動するようにしてもよい。
入力ロッド18には、ブレーキ操作量検出装置34が連結されている。ブレーキ操作量検出装置34は、少なくとも入力ロッド18の位置又は変位量(ストローク)を検出できるものであり、入力ロッド18の変位センサを含む1つまたは複数の位置センサと、運転者によるブレーキペダル19の踏力を検出する力センサとを含むものであってもよい。また、マスタシリンダ2のプライマリポート12の近傍にはマスタシリンダ液圧を検出する液圧センサ45Aを備えている。
ホイール圧制御機構5は、マスタシリンダ2のプライマリポート12からの液圧を左前輪Wa及び右後輪WbのホイールシリンダBa、Bbに供給するための第1液圧回路5Aと、セカンダリポート13からの液圧を右前輪Wc及び左後輪WdのホイールシリンダBc、Bdに供給するための第2液圧回路5Bとからなる2系統の液圧回路を備えている。本実施形態では、ブレーキ装置は、液圧をホイールシリンダBa〜Bdに供給してピストンを前進させ、ブレーキパッドを車輪と共に回転するディスクロータに押圧して制動力を発生させる液圧式ディスクブレーキとしているが、公知のドラムブレーキ等の他の液圧式ブレーキでもよい。
第1液圧回路5Aと第2液圧回路5Bとは同様の構成であり、また、各車輪Wa〜WdのホイールシリンダBa〜Bdに接続された液圧回路の構成は同様の構成であり、以下の説明において参照符号の添え字A及B並びにa〜dは、それぞれ、第1液圧回路5A及び第2液圧回路5B、並びに、各車輪Wa〜Wdに対応することを示している。
ホイール圧制御機構5には、マスタシリンダ2から各車輪Wa〜WdのホイールシリンダBa〜Bdへの液圧の供給を制御する電磁開閉弁である供給弁35A、35Bと、ホイールシリンダBa〜Bdへの液圧の供給を制御する電磁開閉弁である増圧弁36a〜36dと、ホイールシリンダBa〜Bdから液圧を解放するためのリザーバ37A、37Bと、ホイールシリンダBa〜Bdからリザーバ37A、37Bへの液圧の解放を制御する電磁弁開閉弁である減圧弁38a〜38dと、ホイールシリンダBa〜Bdに液圧を供給するためポンプ39A、39Bと、ポンプ39A、39Bを駆動するポンプモータ40と、マスタシリンダ2からポンプ39A、39Bの吸込み側への液圧の供給を制御する電磁開閉弁である加圧弁41A、41Bと、ポンプ39A、39Bの下流側から上流側への逆流を防止するための逆止弁42A、42B、43A、43B、44A、44Bと、マスタシリンダ2のセカンダリポート13側の液圧を検出する液圧センサ45Bとを備えている。
そして、ホイール圧制御ユニット6によって供給弁35A、35B、増圧弁36a〜36d、減圧弁38a〜38d、加圧弁41A、41B及びポンプモータ40の作動を制御して、次のような作動モードを実行する。
[通常制動モード]
通常制動時には、供給弁35A、35B及び増圧弁36a〜36dを開き、減圧弁38a〜38d、加圧弁41A、41Bを閉じることにより、マスタシリンダ2から各車輪Wa〜WdのホイールシリンダBa〜Bdに液圧を供給する。
[減圧モード]
減圧弁38a〜38dを開き、供給弁35A、35B、増圧弁36a〜36d及び加圧弁41A、41Bを閉じることにより、ホイールシリンダBa〜Bdの液圧をリザーバ37A、37Bに解放して減圧する。
[保持モード]
増圧弁36a〜36d及び減圧弁38a〜38dを閉じることにより、ホイールシリンダBa〜Bdの液圧を保持する。
[増圧モード]
増圧弁36a〜36dを開き、供給弁35A、35B、減圧弁38a〜38d及び加圧弁41A、41Bを閉じて、ポンプモータ40を作動することにより、ブレーキ液をリザーバ37A、37Bからマスタシリンダ2側へ戻してホイールシリンダBa〜Bdの液圧を増圧する。
[加圧モード]
加圧弁41A、41B及び増圧弁36a〜36dを開き、減圧弁38a〜38d及び供給弁35A、35Bを閉じて、ポンプモータ40を作動することにより、マスタシリンダ2の液圧にかかわらず、ポンプ39A、39Bによってブレーキ液をホイールシリンダBa〜Bdに供給する。
これらの作動モードを車両状態に応じて適宜実行することにより、各種ブレーキ制御を行なうことができる。例えば、制動時に接地荷重等に応じて各車輪に適切に制動力を配分する制動力配分制御、制動時に各車輪の制動力を自動的に調整して車輪のロックを防止するアンチロックブレーキ制御、走行中の車輪の横滑りを検知して、ブレーキペダル19の操作量にかかわらず各車輪に適宜自動的に制動力を付与することにより、アンダーステア及びオーバーステアを抑制して車両の挙動を安定させる車両安定性制御、坂道(特に上り坂)において制動状態を保持して発進を補助する坂道発進補助制御、発進時等において車輪の空転を防止するトラクション制御、先行車両に対して一定の車間を保持する車両追従制御、走行車線を保持する車線逸脱回避制御、障害物との衝突を回避する障害物回避制御等を実行することができる。
なお、ポンプ39A、39Bとしては、例えばプランジャポンプ、トロコイドポンプ、ギヤポンプ等の公知の液圧ポンプを用いることができるが、車載性、静粛性、ポンプ効率等を考慮するとギヤポンプとすることが望ましい。ポンプモータ40としては、例えばDCモータ、DCブラシレスモータ、ACモータ等の公知のモータを用いることができるが、制御性、静粛性、耐久性、車載性等の観点からDCブラシレスモータが望ましい。
また、ホイール圧制御機構5の電磁開閉弁の特性は、使用態様に応じて適宜設定することができるが、供給弁35A、35B及び増圧弁36a〜36dを常開弁とし、減圧弁38a〜38d及び加圧弁41A、41Bを常閉弁とすることにより、ホイール圧制御ユニット6からの制御信号がない場合に、マスタシリンダ12からホイールシリンダBa〜Bdに液圧を供給することができるので、フェイルセーフ及び制御効率の観点から、このような構成とすることが望ましい。
次に、マスタ圧制御ユニット4によるマスタ圧制御機構3の制御について説明する。
ブレーキ操作量検出装置34によって検出したブレーキペダル19の操作量(変位量、踏力等)に基づき、電動モータ22を作動させてプライマリピストン8の位置を制御して液圧を発生させる。このとき、入力ピストン17に作用する液圧による反力が入力ロッド18を介してブレーキペダル19にフィードバックされる。そして、プライマリピストン8と入力ピストン17との受圧面積比及び相対変位によって、ブレーキペダル19の操作量と発生液圧との比である倍力比を調整することができる。
例えば、入力ピストン17の変位に対して、プライマリピストン8を追従させ、これらの相対変位が0になるように相対変位制御することにより、入力ピストン17とプライマリピストン8との受圧面積比によって決まる一定の倍力比を得ることができる。また、入力ピストン17の変位に対して、比例ゲインを乗じて、入力ピストン17とプライマリピストン8との相対変位を変化させることにより、倍力比を変化させることができる。
これにより、ブレーキペダル19の操作量、操作速度(操作量の変化率)等から緊急ブレーキの必要性を検知し、倍力比を増大させて迅速に必要な制動力(液圧)を得る、いわゆるブレーキアシスト制御を実行することができる。また、ブレーキペダル19の操作量(入力ピストン17の変位量)にかかわらず、電動モータ22を作動させてプライマリピストン8を移動させることにより、制動力を発生させる自動ブレーキ制御を実行することも可能である。これにより、各種センサ手段によって検出した車両状態に基づき、自動的に制動力を調整し、適宜、エンジン制御、ステアリング制御等の他の車両制御と組合わせることにより、マスタ圧制御ユニット4を用いて前述の車両追従制御、車線逸脱回避制御、障害物回避制御等の車両の運転制御を実行することもできる。
次に、液圧制御装置であるホイール圧制御機構5及びホイール圧制御ユニット装置6によってアンチロックブレーキ制御が実行されている場合のマスタ圧制御ユニット4の制御について説明する。
ホイール圧制御ユニット6では、制動時に各車輪Wa〜Wdの回転速度を監視し、車輪のロック状態に応じて、前述の「減圧モード」、「保持モード」及び「増圧モード」を適宜実行して各車輪の制動力を調整することにより、車輪のロックを防止する。このとき、ホイール圧制御機構5の供給弁35A、35B及びポンプ39A、39Bの作動等によりマスタシリンダ2内の液圧が変動し、その液圧変動が入力ピストン17を介してブレーキペダル19に伝達されてキックバックが生じる。
このとき、キックバックによるブレーキペダル19の操作量の変動がブレーキ操作量検出装置34によって検出され、これに基づき電動モータ22が作動してプライマリピストン8が進退移動すると、これにより、マスタシリンダ2内の液圧の変動が増幅されることになり、キックバックが過大になってブレーキペダル19の操作フィーリングが悪化する。
そこで、マスタ圧制御ユニット6は、アンチロックブレーキ制御実行中には、プライマリピストン8の位置を保持して、キックバックによるブレーキペダル19の操作量の変動に対してプライマリピストン8の移動を制限することにより、マスタシリンダ2内のブレーキ液圧の変動の増幅を抑制する。これにより、アンチロックブレーキ制御実行中に過大なキックバックを防止してブレーキペダル19の操作フィーリングを改善する。
このとき、マスタ圧制御ユニット4は、運転者によりブレーキペダル19が操作されて、入力ピストン17とプライマリピストン8との相対変位が所定の範囲を超えた場合、プライマリピストン8の位置の保持を解除し、電動モータ22を作動させてプライマリピストン8をブレーキペダルの操作量に応じた位置に移動させる。これにより、運転者によるブレーキペダル19の操作があった場合には、その操作量に応じてマスタシリンダ2で所定の液圧を発生させることができる。
さらに、マスタ圧制御ユニット4は、ホイール圧制御ユニット6がホイールシリンダWa〜Wdへのブレーキ液圧を急増圧する急増圧作動状態となったとき、すなわち、増圧モードに急速に移行したとき、プライマリピストン8の位置の保持を解除し、電動モータ22を作動させてプライマリピストン8をブレーキペダル19の操作量に応じた位置に移動(前進)させる。この急増圧作動状態では、ブレーキ液をホイールシリンダWa〜Wdに急速に供給することにより、マスタシリンダ2内が減圧されるので、本実施形態では、液圧センサ45A、45Bにより、マスタシリンダ2内のブレーキ液圧を監視し、このブレーキ液圧の急減圧によって急増圧作動状態を検知することができる。
これにより、次のような作用効果を奏することができる。
従来技術では、例えば、図3に示すように、ホイール圧制御ユニット6がアンチロックブレーキ制御実行中に、時刻t1で車両が摩擦係数の低い低μ路から摩擦係数の高い高μ路に進入すると、車輪のグリップの回復により、ホイール圧制御ユニット6が増圧モードに急速に移行する。これにより、ホイール圧制御機構5のポンプ39A,39Bからブレーキ液のホイールシリンダBa〜Bdへの供給が行なわれ、この際、ポンプ39A,39Bはマスタシリンダ2のプライマリ10室及びセカンダリ室11からブレーキ液を補給するため、図3の時刻t2でマスタシリンダ2のプライマリ10室及びセカンダリ室11の液圧が急速に低下してしまう。このとき、プライマリピストン8の位置が保持されたままであると、マスタシリンダ2内のブレーキ液圧の低下により、入力ピストン17が前進して入力ロッド18およびブレーキペダル19が引き込まれるという現象が生じ、ブレーキペダル19の操作フィーリングが悪化する。また、マスタシリンダ2からホイール圧制御ユニット6ひいてはホイールシリンダへのブレーキ液の供給が遅れるため、要求されたホイールシリンダ圧までに達する時間が時刻t3となり、制動力が不十分となる場合もある。
これに対して、本実施形態では、図4に示すように、マスタシリンダ2内のブレーキ液圧の急激な減圧を液圧センサ45A(または45B)により監視しているので、液圧が通常の変動範囲の幅以上に大きく変動した場合、M/C圧(実施形態)の折れ線の時刻t4にてこの液圧減少を検出して、プライマリピストン8の保持を解除する。これにより、電動モータ22が作動してプライマリピストン8がブレーキペダル19の操作量に応じた位置まで前進するので、マスタシリンダ2の液圧を急速に立ち上げて液圧の低下を抑制することができ、従来技術の時刻t3よりも早い時刻のt5にてホイールシリンダBa〜Bdに必要な液圧を迅速に供給することができる。これとともに、入力ピストン17の前進、すなわち、ブレーキペダル19が引き込まれることを防止して、ブレーキペダル19の操作フィーリングを改善することができる。これにより、ホイールシリンダBa〜Bdへのブレーキ液の供給を迅速に行なうことができるので、十分な制動力を発揮できる。
次に、マスタ圧制御ユニット4が上述の制御を実行するための制御フローについて図2を参照して説明する。
図2を参照して、ステップS1で、ブレーキ操作量検出装置34によってブレーキペダル19の操作量(入力ピストン17の位置を含む)を検出し、ステップS2で位置センサ25によってプライマリピストン8の位置を検出し、ステップS3でブレーキペダル19の操作量に基づき、通常のブレーキ制御時(アンチロックブレーキ制御中でない所定の倍力制御時)におけるプライマリピストン8の目標位置Aを決定して、ステップS4へ進む。
ステップS4で、ホイール圧制御ユニット6からの制御信号により、アンチロックブレーキ制御実行中か否かを判定する。アンチロックブレーキ制御実行中でない場合、ステップS5へ進み、ステップS3で決定した目標位置Aをプライマリピストン8の目標位置として設定する。アンチロックブレーキ制御実行中である場合は、ステップS6へ進む。
ステップS6では、ホイール圧制御ユニット6が急増圧作動状態か否かを判定する。この判定は、本実施形態では、マスタシリンダ2内のブレーキ液圧の低下を監視し、所定以上の急低下があるか否かによって判定している。マスタシリンダ2内のブレーキ液圧の急低下は、例えば、マスタシリンダ2近傍の液圧センサ45A、または、ホイール圧制御機構5の液圧センサ45Bで検出したブレーキ液圧の減圧量またはその減圧速度に基づき判定することができる。この場合、マスタシリンダ2内のブレーキ液圧を即座に検出することが要望されているので、マスタシリンダ2近傍の液圧センサ45Aの検出液圧を使用するのが望ましい。ここで、マスタシリンダ2内のブレーキ液圧の急低下がある場合(急増圧作動状態)には、ステップS5へ進み、マスタシリンダ2内のブレーキ液圧の急低下がない場合(急増圧作動状態ではない)には、ステップS7へ進む。
ステップS7は、ステップS1において検出した入力ピストン17の位置及びステップ2で検出したプライマリピストン8の位置等から、これらの相対変位ΔXを検出して、ステップS8へ進む。ステップS8では、入力ピストン17とプライマリピストン8との相対変位ΔXが所定の範囲内にあるか否かを判定する。相対変位ΔXが所定の範囲内にある場合は、ステップS9へ進み、所定の範囲内にない場合にはステップS5へ進む。ここで、アンチロックブレーキ制御実行中に、運転者がブレーキペダル19を操作した場合は、キックバックによるブレーキペダル19の変位に対して、入力ピストン17とプライマリピストン8との相対変位ΔXが大きくなるので、相対変位ΔXが所定の範囲内にあるか否かを判定することにより、ブレーキペダル19の変位が運転者の操作によるものなのか、キックバックによるものなのかを判定することができる。
ステップS9は、ステップS2において検出したプライマリピストン8の位置をプライマリピストン8の目標位置として設定して、ステップS10へ進む。プライマリピストン8の現在の位置を目標位置として設定することにより、プライマリピストン8の位置を保持することができる。
ステップS10で、ステップS9において設定した目標位置(現在のプライマリピストン8の位置)、あるいは、ステップS5において設定した目標位置(通常ブレーキ制御時の目標位置A)に基づいて、電動モータ22を作動させてプライマリピストン8を移動させる。
上述の制御を実行することにより、アンチロックブレーキ制御実行中において、ブレーキペダル19の過度のキックバックを抑制し、また、ブレーキペダル19が引き込まれるマスタシリンダ2内のブレーキ液圧の急速な低下を抑制することができ、ブレーキペダル19の操作フィーリングを向上させることができる。
次に、本実施形態の変形例について説明する。上記実施形態では、ステップS6でのホイール圧制御ユニット6が急増圧作動状態か否かの判定を液圧センサ45A(または45B)の検出液圧によって行なったが、これに代えて、入力ロッド18の変位量(ストローク)を検出するブレーキ操作量検出装置34の検出値に基づいて判定するようにしても良い。ホイール圧制御ユニット6が急増圧作動状態となると、マスタシリンダ2のプライマリ10室及びセカンダリ室11の液圧低下により、入力ロッド18が引き込まれるので、これをブレーキ操作量検出装置34で検出することで、液圧センサ45A(または45B)の検出による制御とほぼ同様な効果を得ることができる。但し、液圧センサ45A(または45B)で検出する方が直接的な検出であり、ホイールシリンダBa〜Bdへのブレーキ液の供給をより迅速に行なうことができるので、望ましい。
さらに、ステップS6でのホイール圧制御ユニット6が急増圧作動状態か否かの判定をホイール圧制御ユニット6から急速な増圧モードに移行する指令信号をマスタ圧制御ユニット4に通信することで判定することもできる。このようにすれば、ホイール圧制御ユニット6が急速な増圧モードに移行して液圧が減少したのを検出するよりも前に対応できるので、この通信を受けて、ステップS5にて、プライマリピストン8の保持を解除して、通常のブレーキ制御時における目標位置としてプライマリピストン8を前進させることができる。このため、図4のM/C圧(変形例)の折れ線のように殆どマスタシリンダ2の液圧低下を生じないように制御することができる。
なお、上記実施形態では、一例としてアクチュエータとして電動モータ22によってプライマリピストン8を駆動する、いわゆる電動倍力装置について説明しているが、本発明は、これに限らず、油圧ブースタ等の他のアクチュエータを駆動源として用いるものに適用することができる。
また、上記実施形態では、ステップS6でホイール圧制御ユニット6が急増圧作動状態であると判定した場合には、通常のブレーキ制御時における目標位置をプライマリピストン8の目標位置として設定したが、ホイールシリンダBa〜Bdへの供給が間に合うような目標位置であればよく、例えば、プライマリピストン8の現在位置から所定量前進した位置を目標位置とすることもできる。
1 ブレーキ制御装置、2 マスタシリンダ、5 ホイール圧制御機構(液圧制御装置)、6 ホイール圧制御ユニット(液圧制御装置)8 プライマリピストン(ピストン)、10 プライマリ室(圧力室)、17 入力ピストン、22 電動モータ(アクチュエータ)、Ba〜Bd ホイールシリンダ

Claims (3)

  1. ブレーキペダルの操作量に応じてアクチュエータを作動させてピストンを移動させることにより、マスタシリンダでブレーキ液圧を発生させ、そのブレーキ液圧をホイールシリンダに供給して制動力を発生させるブレーキ制御装置であって、
    前記ホイールシリンダに供給されるブレーキ液圧を制御して車輪のロックを防止するアンチロックブレーキ制御を実行可能な液圧制御装置を備え、
    アンチロックブレーキ制御実行中に、前記ピストンの移動を制限するように前記アクチュエータの作動を制御し、前記液圧制御装置が前記ホイールシリンダへの液圧を急増圧する急増圧作動状態となったとき、前記ピストンの移動の制限を解除して該ピストンを前進させることを特徴とするブレーキ制御装置。
  2. 前記マスタシリンダ内のブレーキ液圧を監視して、前記マスタシリンダ内のブレーキ液圧の急減圧によって前記液圧制御装置の急増圧状態を検知することを特徴とする請求項1に記載のブレーキ制御装置。
  3. 前記ブレーキペダルの操作により進退移動し前記マスタシリンダの圧力室に挿入されてブレーキ液圧を発生させる入力ピストンを備えていることを特徴とする請求項1または2に記載のブレーキ制御装置。
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