JP5545237B2 - 固体電池 - Google Patents

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Description

本発明は、気体を用いて加圧される素電池を有する電池に関する。
リチウムイオン二次電池(以下において、「リチウム二次電池」又は「電池」ということがある。)は、他の二次電池よりもエネルギー密度が高く、高電圧での動作が可能という特徴を有している。そのため、小型軽量化を図りやすい二次電池として携帯電話等の情報機器に使用されており、近年、電気自動車やハイブリッド自動車用等、大型の動力用としての需要も高まっている。
リチウムイオン二次電池には、正極層及び負極層と、これらの間に配置される電解質層とが備えられ、電解質層に備えられる電解質としては、例えば非水系の液体状や固体状の物質が用いられる。液体状の電解質(以下において、「電解液」という。)が用いられる場合には、電解液が正極層や負極層の内部へと浸透しやすい。そのため、正極層や負極層に含有されている活物質と電解液との界面が形成されやすく、性能を向上させやすい。ところが、広く用いられている電解液は可燃性であるため、安全性を確保するためのシステムを搭載する必要がある。一方、固体状の電解質(以下において、「固体電解質」という。)は不燃性であるため、上記システムを簡素化できる。それゆえ、不燃性である固体電解質を含有する層(以下において、「固体電解質層」という。)が備えられる形態のリチウムイオン二次電池(以下において、「固体電池」という。)が提案されている。
このような電池に関する技術として、例えば特許文献1には、素電池を複数個組み合わせて組電池ケースに収納してなる組電池において、素電池をセラミックス粉体で包み、これをゴム膜袋の中に収納し、素電池ケース外で組電池ケース内の空間に液体を充填することで組電池ケース内に生じる静水圧を用いて、複数個のゴム膜袋を加圧するリチウム二次電池が開示されている。また、特許文献2には、集電体の一方の面に正極が形成され、他方の面に負極が形成された双極型電極を、電解質層を挟んで少なくとも2層以上直列に積層した双極型二次電池要素を、容易に変形するフレキシブルな外装材に密封してなる双極型二次電池モジュールにおいて、内圧を大気圧よりも低い圧力とすることによって得られる大気圧を用いた静水圧により双極型二次電池要素の上下を加圧する技術が開示されている。また、特許文献3には、溶融塩を用いてイオンを通過させる固体電解質を有し、耐蝕金属により構成された耐圧耐温構造より構成される単一セルからなる二次電池を複数集合させてなるモジュールを、耐圧容器に収納してなる二次電池用カプセルの内部の雰囲気を、循環ファンを用いて一定にする技術が開示されている。
特開平10−214638号公報 特開2008−140633号公報 特開平9−106831号公報
特許文献1に開示されている技術によれば、静水圧を用いて素電池を加圧するので、電池の局所的な劣化を抑制することが可能になると考えられる。しかしながら、特許文献1に開示されている技術において、素電池を加圧する際の圧力を高めると、組電池ケース内の圧力が高まるので、組電池ケース内外の圧力差が大きくなる。組電池ケース内外の大きい圧力差に耐え得る組電池ケースは、厚さを厚くしたり、金属等の重い材料を使用したりする必要があるため、体積エネルギー密度や重量エネルギー密度が低下しやすく、電池の性能を向上させ難いという問題があった。また、大きい圧力差に耐える組電池ケースが破損すると、組電池ケースの外側にガスが漏洩しやすく、また、組電池ケースの外側から内側へガスが流入しやすい。ガスが漏洩すると電池へと付与される圧力が低下し、また、ガスが流入すると、電池を構成している材料が劣化するため、電池の性能が低下しやすい。それゆえ、特許文献1に開示されている技術では、電池の性能を長期間に亘って維持することが困難であるという問題もあった。これらの問題は、特許文献1に開示されている技術と、特許文献2及び3に開示されている技術とを組み合わせたとしても、解決することが困難であった。
そこで本発明は、電池の性能を向上させることや、電池の性能を長期間に亘って維持することが可能な、電池を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段をとる。すなわち、
本発明は、正極及び負極、並びに、正極及び負極の間に配設された固体電解質層を有する素電池と、該素電池を収容する容器とを備え、素電池は、外装材に収容され、該外装材の内部に第1の気体が充填され、外装材の外部且つ容器の内部に第2の気体が充填され、少なくとも第1の気体を用いて素電池が加圧され、前記第1の気体の圧力は前記第2の気体の圧力よりも高く、且つ、前記第2の気体の圧力は前記容器の外部の圧力よりも高い、固体電池である。
ここに、「素電池」は電解質層に固体電解質が用いられている。また、「外装材の内部に第1の気体が充填され」とは、例えば、素電池の周囲に充填された第1の気体によって、気体を通過させない物質で包まれた素電池が外側から内側へ向けて加圧されるように、第1の気体が外装材内に充填されている形態をいう。このほか、素電池の内側に充填された第1の気体によって素電池が内側から外側へ向けて加圧される形態(例えば、円筒状に巻回された素電池の、円筒の軸に相当する部位に配設された、気体を通過させない物質内に充填した第1の気体によって、円筒の軸の中心側から外縁へ向けて、素電池が加圧される形態)であっても良い。また、「少なくとも第1の気体を用いて素電池が加圧されている」とは、第1の気体のみを用いて素電池が加圧される形態のほか、第1の気体及び第2の気体を用いて素電池が加圧される形態も含む概念である。
また、上記本発明において、第1の気体の分子が、第2の気体の分子よりも大きいことが好ましい。
ここに、本発明における分子には、単原子分子も含まれる。
また、上記本発明において、容器の内部に、第1の気体を対流させる対流手段、及び/又は、第2の気体を対流させる対流手段が収容されていることが好ましい。
本発明の固体電池では、第1の気体と容器の外部との間に、少なくとも、外装材と容器とが介在している。第1の気体を複数の物質で包む多層構造にすることにより、外装材の外部且つ容器の内部の圧力を、第1の気体の圧力と容器の外部の圧力との間に設定することできる。かかる形態とすることにより、本発明における外装材に相当する部材が存在しない場合と比較して、容器の内部と外部との圧力差を低減することが容易になるので、従来の容器よりも厚さを薄くすることや、軽くすることが容易になる。容器を薄くすることにより体積エネルギー密度を高めやすくなり、容器を軽くすることにより重量エネルギー密度を高めやすくなるので、電池の性能を向上させることが可能になる。また、容器の内部と外部との圧力差を低減することにより、容器の損傷を低減することが容易になる。容器の損傷を低減することにより、容器外部へのガス漏れや容器内部への物質の混入を低減することができるので、電池の性能を長期間に亘って維持することが可能になる。したがって、本発明によれば、電池の性能を向上させることや、電池の性能を長期間に亘って維持することが可能な、固体電池を提供することができる。
また、本発明において、第1の気体の圧力が第2の気体の圧力よりも高い形態とすることにより、電池を加圧するために必要な圧力を維持しつつ、容器の内部と外部との圧力差を低減することができる。したがって、かかる形態とすることにより、電池の性能を向上させることや、電池の性能を長期間に亘って維持することが容易になる。
また、本発明において、第1の気体の分子が第2の気体の分子よりも大きいことにより、素電池を加圧する第1の気体の漏洩を抑制することができる。第1の気体の漏洩を抑制することにより、素電池の性能を長期間に亘って維持しやすくなる。したがって、かかる形態とすることにより、電池の性能を長期間に亘って維持することが容易になる。
また、本発明において、第1の気体を対流させる対流手段や第2の気体を対流させる対流手段が備えられていることにより、第1の気体や第2の気体の温度を均一化することができる。温度を均一化することにより、容器の外側から素電池の温度を制御しやすくなる。温度を制御することにより、電池の性能を制御することが可能になるので、かかる形態とすることにより、上記効果に加えて、電池の性能を制御しやすくなる。
電池10を説明する断面図である。 電池10の製造方法を説明するフローチャートである。 電池20を説明する断面図である。 電池20の製造方法を説明するフローチャートである。
以下、図面を参照しつつ、本発明の電池が、固体電解質層を有するリチウムイオン二次電池である場合について主に説明する。なお、以下に示す形態は本発明の例示であり、本発明は以下に示す形態に限定されない。本発明の電池は、例えば、空気電池とすることも可能である。
図1は、第1実施形態にかかる本発明の電池10を説明する断面図である。図1では、対流手段8、9を簡略化して示している。図1に示すように、電池10は、素電池1と、該素電池1に接続された正極端子2及び負極端子3と、素電池1を収容する外装材4と、該外装材4を収容する容器5と、を有している。外装材4に収容された素電池1の周囲には、10気圧の窒素ガス6が充填され、外装材4の外部且つ容器5の内部には、5気圧の窒素ガス7が充填されている。さらに、外装材4の内部には窒素ガス6を対流させる対流手段8が備えられており、外装材4の外部且つ容器5の内部には窒素ガス7を対流させる対流手段9が備えられている。
図1に示すように、素電池1は、積層体1xを有し、該積層体1xがラミネートフィルム1yに包まれている。積層体1xは、正極集電体1aと、該正極集電体1aに接続された正極層1bと、該正極層1bと接触するように配設された固体電解質層1cと、固体電解質層1cを中心にして正極層1bの反対側に固体電解質層1cと接触するように配設された負極層1dと、該負極層1dに接続された負極集電体1eと、を有している。正極集電体1aには正極端子2が、負極集電体1eには負極端子3が、それぞれ接続されている。正極端子2及び負極端子3は、その一端が容器5の外部に位置するように、ラミネートフィルム1y、外装材4、及び、容器5を貫通するように配設されている。
このように、電池10では、窒素ガス6が外装材4の内部に充填され、この外装材4が容器5に収容されている。例えば、外装材4を用いることなく、10気圧の窒素ガス6を用いて素電池1を加圧すると、容器5の内部と外部との圧力差が9気圧になる。ところが、電池10では外装材4及び容器5を用いているので、10気圧の窒素ガス6を用いて素電池1を加圧しても、外装材4の内部と外部との圧力差を5気圧に抑えることができ、容器5の内部と外部との圧力差を4気圧に抑えることができる。すなわち、電池10によれば、外装材4を用いることで、素電池1を加圧する窒素ガス6の圧力を高めても、気体を隔てる部材(電池10では外装材4や容器5。以下において同じ。)の内外の圧力差を、従来よりも低減することができる。内外の圧力差を低減することにより、従来の電池に用いられていた容器よりも薄い物質や軽い物質を、気体を隔てる部材の材料として用いることが可能になる。容器の厚さを薄くすることにより、電池の体積エネルギー密度を高めることが容易になり、容器の重さを軽くすることにより、電池の重量エネルギー密度を高めることが容易になる。したがって、電池10によれば、電池の性能を向上させることが可能になる。また、気体を隔てる部材の内外の圧力差を低減することにより、外装材4や容器5の損傷を低減することが容易になる。外装材4や容器5の損傷を低減することにより、外装材4や容器5の外部へのガス漏れ、及び、外装材4や容器5の内部への物質の混入を低減することができるので、素電池1の性能を長期間に亘って維持することが可能になる。したがって、かかる形態とすることにより、性能を向上させることや、性能を長期間に亘って維持することが可能な、電池10を提供することができる。
さらに、電池10では、外装材4の内部に対流手段8が備えられており、容器5の内部に対流手段9が備えられている。対流手段8が備えられる形態とすることにより、対流手段8を用いて窒素ガス6を対流させることができ、対流手段9が備えられる形態とすることにより、対流手段9を用いて窒素ガス7を対流させることができる。窒素ガス6を対流させることにより、外装材4の内部に充填されている窒素ガス6の温度を均一化することが可能になり、窒素ガス7を対流させることにより、外装材4の外部且つ容器5の内部に充填されている窒素ガス7の温度を均一化することが可能になる。このようにして窒素ガス6や窒素ガス7の温度を均一化することにより、容器5の外側から加温又は冷却して素電池1を加温又は冷却する温度制御が容易になる。素電池1の性能は、温度と相関があるため、温度を適切に制御することにより、素電池1の性能を向上させることや、素電池1の性能を維持すること等が容易になる。したがって、かかる形態とすることにより、性能を制御しやすい電池10を提供することができる。
上記特徴を有する電池10の製造方法について、以下に説明する。以下の説明において、窒素ガス6及び窒素ガス7を、それぞれ、第1の気体及び第2の気体ということがある。図2は、電池10の製造方法を説明するフローチャートである。図2に示すように、電池10は、素電池作製工程(S11)と、外装材収容工程(S12)と、容器収容工程(S13)と、第1の気体充填工程(S14)と、第2の気体充填工程(S15)と、を経て製造される。図1及び図2を参照しつつ、電池10の製造方法を以下に説明する。
素電池作製工程(以下において、「S11」ということがある。)は、素電池1を作製する工程である。S11は、積層体1xを作製するステップと、作製した積層体1xをラミネートフィルム1yで包んで密封するステップと、に大別することができる。
積層体1xを作製するには、例えば、少なくとも正極活物質及び固体電解質を溶媒に分散して作製した正極スラリーを、正極端子2が接続された正極集電体1aの表面に塗布する過程を経て、正極集電体1aの表面に正極層1bを形成する。また、少なくとも負極活物質及び固体電解質を溶媒に分散して作製した負極スラリーを、負極端子3が接続された負極集電体1eの表面に塗布する過程を経て、負極集電体1eの表面に負極層1dを形成する。そして、固体電解質を溶媒に分散して作製した電解質スラリーを、例えば負極層1dの表面に塗布する過程を経て固体電解質層1cを形成した後、固体電解質層1cが正極層1b及び負極層1dで挟まれるように、負極層1dの表面に形成された固体電解質層1cの上に、正極集電体1aの表面に形成された正極層1bを配置する。その後、正極集電体1a、正極層1b、固体電解質層1c、負極層1d、及び、負極集電体1eの積層方向の両端側から圧縮力を付与することにより、積層体1xを作製することができる。
こうして積層体1xを作製したら、正極端子2及び負極端子3の全部を収容しないようにしながら、ラミネートフィルム1yで積層体1xを包む。そして、積層体1xが収容されているラミネートフィルム1yの内側を減圧しながら、積層体1xの周りに位置しているラミネートフィルム1yを加熱し熱溶着することにより、素電池1を作製することができる。
S11で素電池1を作製したら、引き続き、外装材収容工程(以下において、「S12」という。)を行う。S12は、素電池1及び対流手段8を外装材4に収容する工程である。外装材4としてラミネートフィルム1yと同様の物質を用いる場合には、S12は、例えば、正極端子2及び負極端子3の全部を収容しないようにしながら、外装材4で素電池1及び対流手段8を包んだ後、素電池1及び対流手段8の周りに位置している外装材4を加熱し熱溶着することにより、素電池1及び対流手段8を外装材4に収容する工程、とすることができる。このほか、外装材4として金属製の筐体を用いる場合には、S12は、例えば、従来の電池を製造する際に、容器内に素電池を収容していた方法と同様の方法によって、正極端子2及び負極端子3の全部を収容しないようにしながら、素電池1及び対流手段8を外装材4に収容する工程、とすることができる。
S12で素電池1及び対流手段8を外装材4に収容したら、引き続き、容器収容工程(以下において、「S13」という。)を行う。S13は、素電池1及び対流手段8を収容した外装材4と対流手段9とを、容器5に収容する工程である。容器5としてラミネートフィルム1yと同様の物質を用いる場合には、S13は、例えば、正極端子2、負極端子3、及び、外装材4に接続された第1の気体充填用の管(不図示。以下において同じ。)の一端側を収容しないようにしながら、容器5で外装材4及び対流手段9を包んだ後、外装材4及び対流手段9の周りに位置している容器5を加熱し熱溶着することにより、外装材4及び対流手段9を容器5に収容する工程、とすることができる。このほか、容器5として金属製の筐体を用いる場合には、S13は、例えば、従来の電池を製造する際に、容器内に素電池を収容していた方法と同様の方法によって、正極端子2、負極端子3、及び、外装材4に接続された第1の気体充填用の管の一端側を収容しないようにしながら、外装材4及び対流手段9を容器5に収容する工程、とすることができる。
S12で素電池1及び対流手段8を外装材4に収容したら(図2に示した形態ではS13が終了したら)、第1の気体充填工程(以下において、「S14」という。)を行う。S14は、外装材4の内部に第1の気体を充填する工程である。S14は、ラミネートフィルム1yの外部且つ外装材4の内部に、素電池1を加圧すべき圧力の第1の気体を収容可能であれば、その形態は特に限定されない。S14は、例えば、ガスボンベ内の窒素ガスを、外装材4の内部の圧力が10気圧になるまで充填し、窒素ガス充填用の管の弁(不図示)を閉じる等して窒素ガスの漏洩を防止する工程、とすることができる。
S13で外装材4及び対流手段9を容器5に収容したら(図2に示した形態ではS14が終了したら)、第2の気体充填工程(以下において、「S15」という。)を行う。S15は、外装材4の外部且つ容器5の内部に第2の気体を充填する工程である。S15は、外装材4の外部且つ容器5の内部に、第2の気体を収容可能であれば、その形態は特に限定されない。S15は、例えば、ガスボンベ内の窒素ガスを、外装材4の外部且つ容器5の内部の圧力が5気圧になるまで充填し、窒素ガス充填用の管の弁(管及び弁の何れも不図示)を閉じる等して窒素ガスの漏洩を防止する工程、とすることができる。電池10は、S11乃至S15を経て、製造することができる。
電池10において、正極集電体1aや負極集電体1eは、リチウムイオン二次電池の正極集電体や負極集電体として使用可能な公知の導電性材料によって構成することができる。そのような導電性材料としては、Cu、Ni、Al、V、Au、Pt、Mg、Fe、Ti、Co、Cr、Zn、Ge、Inからなる群から選択される一又は二以上の元素を含む金属材料を例示することができる。また、正極集電体1a及び負極集電体1eは、例えば、金属箔や金属メッシュ等の形状にすることができる。
また、正極層1bに含有させる正極活物質としては、リチウムイオン二次電池の正極層に含有させることが可能な公知の活物質を適宜用いることができる。そのような正極活物質としては、コバルト酸リチウム(LiCoO)等を例示することができる。また、正極層1bに含有させる固体電解質としては、リチウムイオン二次電池の正極層に含有させることが可能な公知の固体電解質を適宜用いることができる。そのような固体電解質としては、LiPO等の酸化物系固体電解質のほか、LiPSや、LiS:P=50:50〜100:0となるようにLiS及びPを混合して作製した硫化物系固体電解質(例えば、質量比で、LiS:P=75:25となるようにLiS及びPを混合して作製した硫化物固体電解質)等を例示することができる。このほか、正極層1bには、正極活物質や固体電解質を結着させるバインダーや導電性を向上させる導電材が含有されていてもよい。正極層1bに含有させることが可能なバインダーとしては、ブチレンゴム等を例示することができ、正極層1bに含有させることが可能な導電材としては、カーボンブラック等を例示することができる。また、正極層1bを作製する際に用いる溶媒としては、リチウムイオン二次電池の正極層作製時に用いるスラリーを調整する際に使用可能な公知の溶媒を適宜用いることができる。そのような溶媒としては、ヘプタン等を例示することができる。
また、固体電解質層1cに含有させる固体電解質としては、正極層1bに含有させることが可能な上記固体電解質等を例示することができる。また、固体電解質層1cを作製する際に用いる溶媒としては、正極層1bを作製する際に使用可能な上記溶媒等を例示することができる。
また、負極層1dに含有させる負極活物質としては、リチウムイオン二次電池の負極層に含有させることが可能な公知の活物質を適宜用いることができる。そのような活物質としては、グラファイト等を例示することができる。また、負極層1dに含有させる固体電解質としては、リチウムイオン二次電池の負極層に含有させることが可能な公知の固体電解質を適宜用いることができる。そのような固体電解質としては、正極層1bに含有させることが可能な上記固体電解質等を例示することができる。このほか、負極層1dには、負極活物質や固体電解質を結着させるバインダーや導電性を向上させる導電材が含有されていてもよい。負極層1dに含有させることが可能なバインダーや導電材としては、正極層1bに含有させることが可能な上記バインダーや導電材等を例示することができる。また、負極層1dを作製する際に用いる溶媒としては、正極層1bを作製する際に使用可能な上記溶媒等を例示することができる。
また、ラミネートフィルム1yは、リチウムイオン二次電池の使用時の環境に耐えることができ、気体を透過させない性質を有し、且つ、密封することができるフィルムを、特に限定されることなく用いることができる。そのようなフィルムの構成材料としては、ポリエチレン、ポリフッ化ビニルやポリ塩化ビニリデン等に代表される樹脂のほか、これらの表面にアルミニウム等の金属を蒸着させた金属蒸着フィルム等を例示することができる。
また、正極端子2及び負極端子3は、電池10の使用時の環境に耐え得る良好な電子伝導性を有する材料によって構成することができ、電池10の使用時に付与された外力にも対応可能な強度及び柔軟性を有する材料によって構成することが好ましい。そのような材料としては、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)等に代表される炭素繊維等を例示することができる。
また、外装材4及び容器5は、電池10の使用時の環境に耐えることができ、且つ、素電池1を加圧する窒素ガスの圧力に耐える強度を有する公知の材料によって構成することができる。そのような材料としては、アルミニウムやステンレス鋼等の金属のほか、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等に代表される熱硬化性樹脂等を例示することができる。このほか、外装材4及び容器5は、上記ラミネートフィルム1yと同様の材料によって構成することも可能である。
また、対流手段8は、第1の気体を対流させることが可能な機器であれば、その形態は特に限定されない。対流手段8は、例えば、機械的に気体を対流させる手段(例えば、パーソナルコンピュータ等に使用されているファン等)や、気体に温度差を形成することにより気体を対流させる手段(例えば、ペルチェ素子やヒートパイプ構造等に代表される熱源等)や、気体を振動させることによって気体を対流させる手段(例えば、超音波振動等を発生させる公知の振動付与手段等)等を用いることができる。
また、対流手段9は、第2の気体を対流させることが可能な機器であれば、その形態は特に限定されない。対流手段9としては、対流手段8と同様の機器を用いることができる。
本発明に関する上記説明では、第1の気体が10気圧の窒素ガス6であり、第2の気体が5気圧の窒素ガス7である形態について言及したが、本発明は当該形態に限定されない。第1の気体及び第2の気体としては、窒素ガス以外の気体を用いることも可能である。素電池が固体電池である場合、本発明で使用可能な窒素ガス以外の気体としては、ヘリウムガスやアルゴンガス等の不活性ガスを例示することができる。このほか、素電池が空気電池である場合、第1の気体及び第2の気体としては、上記不活性ガスのほか、酸素ガスや空気を用いることも可能である。
また、本発明に関する上記説明では、第1の気体及び第2の気体が同種の気体(窒素ガス)である形態について言及したが、本発明は当該形態に限定されない。本発明は、第1の気体及び第2の気体を別の種類の気体とすることも可能である。第1の気体及び第2の気体を別の種類とする場合、気体の漏洩を抑制し、素電池を拘束すべき圧力を維持しやすくすることによって、電池の性能を長期間に亘って維持しやすい形態にする観点から、第1の気体の分子(単原子分子も含む。以下において同じ。)は第2の気体の分子よりも大きいことが好ましい。例えば、容器内にヘリウムガス及びアルゴンガスを充填する場合、相対的に分子の大きさが大きいアルゴンガスを第1の気体とし、相対的に分子の大きさが小さいヘリウムガスを第2の気体とすることが好ましい。
また、本発明に関する上記説明では、略直方体形状の素電池1を例示したが、本発明で用いられる素電池は当該形状に限定されない。素電池は円柱形状や六角柱形状等、他の形状とすることも可能である。
また、本発明に関する上記説明では、ラミネートフィルム1yに包まれている形態の素電池1を例示したが、本発明で用いられる素電池は当該形態に限定されない。容器に収容された気体を用いて、何らかの物質で包まれた素電池が加圧される形態とする場合、素電池を包む物質は、気体の圧力を素電池へと伝えることが可能な、電池の使用時の環境に耐え得る物質によって構成されていれば良い。そのような物質としては、上記ラミネートフィルムのほか、アルミニウム箔等に代表される公知の金属箔等を例示することができる。また、本発明において、素電池は、第1の気体と直接接触するように、ラミネートフィルム等や金属箔等によって包まれていない形態とすることも可能である。ただし、容器に収容されている気体を用いて素電池を等方的に加圧しやすい形態にする等の観点から、素電池は、ラミネートフィルムや金属箔等によって包まれた形態とすることが好ましい。
また、本発明に関する上記説明では、素電池の外部に充填された気体によって、素電池が外側から内側へ向けて加圧される形態について言及したが、本発明は当該形態に限定されない。本発明は、素電池が内側から外側へ向けて加圧される形態とすることも可能である。そこで、かかる形態の電池について、以下に説明する。
図3は、第2実施形態にかかる本発明の電池20を説明する断面図である。図3では、便宜上、素電池21に接続されている正極端子及び負極端子の記載を省略しており、素電池21及び対流手段27を簡略化して示している。以下の説明において、内装材22側を「内側」、容器24側を「外側」ということがある。
図3に示すように、電池20は、円筒状に巻回された素電池21と、円筒状の素電池21の軸心部(内側)に配設された内装材22と、素電池21を収容する外装材23と、外装材23を収容する容器24と、を有している。素電池21の内側に配設された内装材22には、10気圧のアルゴンガス25が充填され、外装材23の外部且つ容器24の内部には、1気圧のヘリウムガス26が充填されている。さらに、外装材23の外部且つ容器24の内部には、ヘリウムガス26を対流させる対流手段27が備えられている。
図3に示すように、素電池21は、円筒状に巻回された積層体21xを有し、該積層体21xが外装材23に包まれている。積層体21xは、内装材22に接触している円筒状の正極集電体21aと、該正極集電体21aの外側の表面に配設された円筒状の正極層21bと、該正極層21bの外側の表面に配設された円筒状の固体電解質層21cと、該固体電解質層21cの外側の表面に配設された円筒状の負極層21dと、該負極層21dの外側の表面に配設された円筒状の負極集電体21eと、を有している。正極集電体21aには不図示の正極端子が、負極集電体21eには不図示の負極端子が、それぞれ接続されている。正極端子及び負極端子は、その一端が容器24の外部に位置するように、外装材23及び容器24を貫通するように配設されている。
電池20では、アルゴンガス25が素電池21の内側に配設された内装材22の内部に充填され、素電池21を収容した外装材23が容器24に収容されている。電池20では、外装材23及び容器24を用いており、外装材23の外部且つ容器24の内部には1気圧のヘリウムガス26が充填されている。そのため、10気圧のアルゴンガス24を用いて素電池21を加圧しても、容器24の内外の圧力差を従来の電池よりも低減することができる。したがって、素電池21が内側から加圧される電池20であっても、電池10と同様に、性能を向上させることや、性能を長期間に亘って維持することが可能になる。
また、電池20では、外装材23の外部且つ容器24の内部にのみ対流手段27が備えられ、外装材23の内部には対流手段が備えられていない。素電池21の内側から加圧する電池20では、容器24の内部に二層の気体を充填する場合、素電池21と容器24との間に充填されている気体を1種類にすることができるので、素電池21と容器24との間に充填されているヘリウムガス26を対流させることにより、温度制御を容易にすることが可能になる。温度を制御することにより、電池の性能を制御することが可能になるので、対流手段27が備えられる形態とすることにより、電池の性能を制御しやすい電池20を提供することができる。
このような特徴を有する電池20の製造方法について、以下に説明する。以下の説明において、アルゴンガス25及びヘリウムガス26を、それぞれ、第1の気体及び第2の気体ということがある。図4は、電池20の製造方法を説明するフローチャートである。図4に示すように、電池20は、素電池作製工程(S21)と、内装材配設工程(S22)と、外装材収容工程(S23)と、容器収容工程(S24)と、第1の気体充填工程(S25)と、第2の気体充填工程(S26)と、を経て製造される。図3及び図4を参照しつつ、電池20の製造方法を以下に説明する。
素電池作製工程(以下において、「S21」ということがある。)は、素電池21を作製する工程であり、具体的には、円筒状に巻回された積層体21xを作製する工程である。S21は、円筒状に巻回されていない点を除いて積層体21xと同様に構成される積層体21x’を作製するステップと、該積層体21x’を巻回して積層体21xにするステップと、に大別することができる。以下において、巻回されていない他は積層体21x(及び、該積層体21xを構成する各層)と同様に構成される構成要素の符号に、「’」を付すものとする。
積層体21x’を作製するには、例えば、上記S11と同様の方法により、正極集電体21a’の表面に正極層21b’を形成し、負極集電体21e’の表面に負極層21d’を形成し、負極層21d’の表面に固体電解質層21c’を形成する。そして、固体電解質層21c’が正極層21b’及び負極層21d’で挟まれるように、負極層21d’の表面に形成された固体電解質層21c’の上に、正極集電体21a’の表面に形成された正極層21b’を配置する。その後、正極集電体21a’、正極層21b’、固体電解質層21c’、負極層21d’、及び、負極集電体21e’の積層方向の両端側から圧縮力を付与することにより、積層体21x’を作製することができる。
こうして積層体21x’を作製したら、円筒状又は円柱状の芯材を軸にして、例えば、芯材の表面と正極集電体21a’とが接触するように積層体21x’を配設する。その後、芯材を軸にして積層体21x’を巻回し、巻回された状態を維持できるように巻回された積層体の端面同士を接合する等の過程を経て、積層体21xを作製することができる。
S21で素電池21を作製したら、引き続き、内装材配設工程(以下において、「S22」という。)を行う。S22は、S21で使用した芯材を除去して、該芯材が配設されていた箇所に内装材22を配設する工程である。
S22で内装材22を配設したら、引き続き、外装材収容工程(以下において、「S23」という。)を行う。S23は、素電池21及び該素電池21の内側に配設された内装材22を外装材23に収容する工程である。外装材23としてラミネートフィルム1yと同様の物質を用いる場合には、S23は、例えば、正極集電体21aに接続された正極端子、負極集電体21eに接続された負極端子、及び、内装材22に接続されている気体充填用の管(不図示。以下において同じ。)の一端側を収容しないようにしながら、内側に内装材22が配設されている素電池21を外装材23で包んだ後、素電池21の周りに位置している外装材23を加熱し熱溶着することにより、内側に内装材22が配設されている素電池21を外装材23に収容する工程、とすることができる。このほか、外装材23として金属製の物質を用いる場合には、S23は、例えば、従来の電池を製造する際に、容器内に素電池を収容していた方法と同様の方法によって、正極集電体21aに接続された正極端子、負極集電体21eに接続された負極端子、及び、内装材22に接続されている気体充填用の管の一端側を収容しないようにしながら、内側に内装材22が配設されている素電池21を外装材23に収容する工程、とすることができる。
S23で内装材22及び素電池21を外装材23に収容したら、引き続き、容器収容工程(以下において、「S24」という。)を行う。S24は、内装材22及び素電池21を収容した外装材23と対流手段27とを、容器24に収容する工程である。容器24としてラミネートフィルム1yと同様の物質を用いる場合には、S24は、例えば、正極集電体21aに接続された正極端子、負極集電体21eに接続された負極端子、及び、内装材22に接続された第1の気体充填用の管の一端側を収容しないようにしながら、容器24で外装材23及び対流手段27を包んだ後、外装材23及び対流手段27の周りに位置している容器24を加熱し熱溶着することにより、外装材23及び対流手段27を容器24に収容する工程、とすることができる。このほか、容器24として金属製の筐体を用いる場合には、S24は、例えば、従来の電池を製造する際に、容器内に素電池を収容していた方法と同様の方法によって、正極集電体21aに接続された正極端子、負極集電体21eに接続された負極端子、及び、内装材22に接続された第1の気体充填用の管の一端側を収容しないようにしながら、外装材23及び対流手段27を容器24に収容する工程、とすることができる。
S22で内装材22を素電池21の内側に配設したら(図4に示した形態ではS24が終了したら)、第1の気体充填工程(以下において、「S25」という。)を行う。S25は、内装材22の内部に第1の気体を充填する工程である。S25は、内装材22の内部に、素電池21を加圧すべき第1の気体を収容可能であれば、その形態は特に限定されない。S25は、例えば、ガスボンベ内のアルゴンガスを、内装材22の内部の圧力が10気圧になるまで充填し、アルゴンガス充填用の管の弁(不図示)を閉じる等してアルゴンガスの漏洩を防止する工程、とすることができる。
S24で外装材23及び対流手段27を容器24に収容したら(図4に示した形態ではS25が終了したら)、第2の気体充填工程(以下において、「S26」という。)を行う。S26は、外装材23の外部且つ容器24の内部に第2の気体を充填する工程である。S26は、外装材23の外部且つ容器24の内部に、第2の気体を充填可能であれば、その形態は特に限定されない。S26は、例えば、ガスボンベ内のヘリウムガスを、外装材23の外部且つ容器24の内部の圧力が1気圧になるまで充填し、ヘリウムガス充填用の管の弁(管及び弁の何れも不図示)を閉じる等して、ヘリウムガスの漏洩を防止する工程、とすることができる。電池20は、S21乃至S26を経て、製造することができる。
電池20において、正極集電体21a、正極層21b、固体電解質層21c、負極層21d、及び、負極集電体21eは、巻回されていない点を除いて、それぞれ、電池10の正極集電体1a、正極層1b、固体電解質層1c、負極層1d、及び、負極集電体1eと同様の物質を用いて同様に構成することができる。
また、内装材22には、ラミネートフィルム1と同様の物質を、外装材23には外装材4と同様の物質を、容器24には容器5と同様の物質を、それぞれ用いることができる。さらに、対流手段27には、対流手段9と同様の機器を用いることができる。
電池20に関する上記説明では、第1の気体が10気圧のアルゴンガス25であり、第2の気体が1気圧のヘリウムガス26である形態について言及したが、内側から加圧される素電池を有する形態の本発明の電池は、当該形態に限定されない。第1の気体として、アルゴンガス以外の気体を用いることも可能であり、第2の気体として、ヘリウムガス以外の気体を用いることも可能である。素電池が固体電池である場合、本発明で使用可能なアルゴンガス以外の第1の気体としては、窒素ガスやヘリウムガス等の不活性ガスを例示することができ、本発明で使用可能なヘリウムガス以外の第2の気体としては、窒素ガスやアルゴンガス等の不活性ガスを例示することができる。このほか、内側から加圧される素電池が空気電池である場合、第1の気体及び第2の気体としては、上記不活性ガスのほか、酸素ガスや空気を用いることも可能である。
また、本発明に関する上記説明では、第1の気体が10気圧であり、第2の気体が5気圧又は1気圧である形態について言及したが、本発明は当該形態に限定されない。第1の気体及び第2の気体の圧力は、気体を用いて素電池を加圧する形態の電池で採用可能な任意の圧力とすることができ、例えば、1気圧以上200気圧以下とすることができる。
また、本発明に関する上記説明では、第1の気体の圧力が第2の気体の圧力よりも高い形態について言及したが、本発明は当該形態に限定されない。第2の気体よりも内側に収容される第1の気体の圧力は、第2の気体の圧力以下とすることも可能である。かかる形態であっても、気体が二層に充填されているので、素電池を加圧する第1の気体の漏洩、及び、素電池を収容している外装材内部への物質の混入を抑制することができ、その結果、電池の性能を長期間に亘って維持することが可能になる。ただし、二層に充填されている気体のうち、外側に充填されている第2の気体の圧力を第1の気体の圧力よりも高くすると、容器5や容器24の内外の圧力差が大きくなる。それゆえ、容器5や容器24の内外の圧力差を低減し、容器5や容器24の破損を抑制することによって、電池の性能を向上させやすい形態にする観点からは、内側に充填されている第1の気体の圧力を、外側に充填されている第2の気体の圧力よりも高くすることが好ましい。
また、本発明に関する上記説明では、気体が二層に充填されている形態について言及したが、本発明は当該形態に限定されない。本発明は、気体が三層以上に充填されていても良い。例えば、電池10における外装材4と容器5との間や、電池20における外装材23と容器24との間に、気体が二層以上に充填されている形態(例えば、外装材4や外装材23の外部に充填される第2の気体が他の外装材に収容され、当該他の外装材の外部且つ容器の内部に第3の気体が充填される形態)とすることも可能である。
また、本発明に関する上記説明では、対流手段8、9を備えた電池10、及び、対流手段27を備えた電池20を例示したが、本発明の電池はこれらの形態に限定されず、対流手段を備えない形態の電池とすることも可能である。ただし、素電池の温度制御を容易にする観点からは、対流手段が備えられる形態とすることが好ましい。
また、本発明に関する上記説明では、固体電池である素電池が用いられる形態を主に例示したが、本発明は当該形態に限定されず、正極層と負極層との間に電解液が充填されている形態の素電池を用いることも可能である。ただし、電池の安全性を高めやすい形態とする観点からは、固体電池である素電池が用いられることが好ましい。また、固体電池は、層界面(例えば、正極層と電解質層との界面や負極層と電解質層との界面)におけるイオン伝導抵抗や、層界面(例えば、正極集電体と正極層との界面や負極集電体と負極層との界面)における電子伝導抵抗を低減するために、電解液が用いられる形態の電池よりも、拘束圧力を付与する必要性が高い。それゆえ、固体電池である素電池が用いられる場合に、本発明の上記効果が得られやすい。
また、本発明に関する上記説明では、容器に1つの素電池1、21が収容されている形態を例示したが、本発明は当該形態に限定されない。本発明では、1つの容器に2以上の素電池が収容されていても良い。
また、本発明に関する上記説明では、リチウムイオン二次電池である素電池1、21が備えられている形態を主に例示したが、本発明を適用可能な電池は当該形態に限定されない。本発明における素電池は、正極層と負極層との間を、リチウムイオン以外のイオンが移動する形態とすることも可能である。そのようなイオンとしては、ナトリウムイオンやカリウムイオン等を例示することができる。リチウムイオン以外のイオンが移動する形態とする場合、正極活物質、固体電解質、及び、負極活物質は、移動するイオンに応じて適宜選択すれば良い。
また、本発明の電池は、一次電池や空気電池が備えられる形態であっても良い。本発明の電池に一次電池が用いられる場合、一次電池は公知の材料を用いた公知の形態とすることができ、一次電池を収容する外装材の内部に第1の気体を、外装材を収容する容器の内部且つ外装材の外部に第2の気体を、それぞれ充填し、第1の気体を用いて一次電池が加圧される形態とすれば良い。また、本発明の電池に空気電池が用いられる場合、空気電池は公知の材料を用いた公知の形態とすることができ、空気電池を収容する外装材の内部に第1の気体を、外装材を収容する容器の内部且つ外装材の外部に第2の気体を、それぞれ充填し、正極層に酸素含有ガス(酸素ガス又は空気)が供給され、第1の気体を用いて空気電池が加圧される形態とすれば良い。
1、21…素電池
1a、21a…正極集電体
1b、21b…正極層
1c、21c…固体電解質層
1d、21d…負極層
1e、21e…負極集電体
1x、21x…積層体
1y…ラミネートフィルム
2…正極端子
3…負極端子
4、23…外装材
5、24…容器
6、7…窒素ガス
8、9、27…対流手段
10、20…電池
22…内装材
25…アルゴンガス
26…ヘリウムガス

Claims (3)

  1. 正極及び負極、並びに、前記正極及び前記負極の間に配設された固体電解質層を有する素電池と、該素電池を収容する容器と、を備え、
    前記素電池は、外装材に収容され、
    前記外装材の内部に第1の気体が充填され、前記外装材の外部且つ前記容器の内部に第2の気体が充填され、
    少なくとも前記第1の気体を用いて前記素電池が加圧され
    前記第1の気体の圧力は前記第2の気体の圧力よりも高く、且つ、前記第2の気体の圧力は前記容器の外部の圧力よりも高い、固体電池。
  2. 前記第1の気体の分子が、前記第2の気体の分子よりも大きいことを特徴とする、請求項1に記載の固体電池。
  3. 前記容器の内部に、前記第1の気体を対流させる対流手段、及び/又は、前記第2の気体を対流させる対流手段が収容されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の固体電池。
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