JP5545117B2 - 静電型面スピーカ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、静電型面スピーカの構造に関するものである。特に、電子鍵盤楽器において楽音を出力するためのものである。
電気音響変換器として、厚みの薄い面スピーカが知られている。例えば、電極間に電圧を印加しクローン力を利用して駆動する静電型スピーカ(コンデンサスピーカともいう)や、圧電特性を有するフィルムを用いたものなどが知られている。
面スピーカは、平板の面積を広くとるほど、音の指向性が平板に垂直な方向に強くなり、その結果、音が遠くまで到達する。
このうち、静電型スピーカとして、最近注目されているものは、薄型フレキシブル(flexible)静電型スピーカである。これは、薄型・軽量であるとともに、柔軟性があるため、曲げることが可能で、曲げた後に応力が残らず、元の形状に戻りにくいという性質がある(特許文献1,2等参照)。
このような特徴を活用して、複数個の静電型スピーカを折り曲げ可能に連結することにより、カーテンスピーカを実現し、カーテン状に連結されたスピーカの開け閉め量を調整することにより、発音面積を変更し、音場を自由に制御できるようにしたものが知られている(特許文献2)。
電子鍵盤楽器において、従来はダイナミック型(動電型)のコーンスピーカが使用されているが、静電型スピーカのような面スピーカを、その特色を活用して採用するには、簡単な構成で、静電型スピーカの折り曲げ、折り畳みの繰り返しに対して耐久性をもたせる必要がある。
上述した特許文献2においては、複数枚の静電スピーカを第1及び第2の連結部材により横方向に連結することにより、互い違いに折れ曲がる(ジグザグ)カーテン状に一体化される。第1連結部材と前部多孔質絶縁層との重ね合わせ部が縫合されることにより、前部多孔質絶縁層同士を連結する。第2連結部材と後部多孔質絶縁層との重ね合わせ部が縫合されることにより、後部多孔質絶縁層同士を連結する。第1及び第2の連結部材は、前部及び後部多孔質絶縁層と同様な材質により形成されており、いずれも、一定方向に屈曲するように襞が形成されている。
しかし、折り曲げ部分においては、静電型スピーカとは別体の連結部材を設ける必要がある。かつ、連結部材を静電型スピーカの絶縁層と縫合する工程がある。そのため、構成が複雑で製造が容易でないという問題があった。
特開2010−68053号公報 特開2008−28652号公報
本発明は、上述した問題点に解決するためになされたもので、特定の部分における、折り曲げ、折り畳みの繰り返しに対して耐久性がある構成を、簡単に実現できるようにした静電型面スピーカ装置を提供することを目的とするものである。
本発明は、請求項1に記載の発明においては、静電型面スピーカ装置(図1の13、図9の111)において、音響透過性がある第1の固定電極シート(図6,図7の32)と、音響透過性及び緩衝作用がある第1の絶縁性シート(図6の33、図7の82)と、振動電極シート(図6,図7の34)と、音響透過性及び緩衝作用がある第2の絶縁性シート(図6の35、図7の83)と、音響透過性がある第2の固定電極シート(図6,図7の36)が順に積層され、前記第1の固定電極シート(32)の上に音響透過性がある第3の絶縁性シート(31,81)が積層され、前記第2の固定電極シート(36)の下に音響透過性がある第4の絶縁性シート(図6の37、図7の84)が積層された積層シートを有する静電型面スピーカ装置であって、前記積層シートは、複数のユニット(図5の511〜515、531〜534、図6の60A,60B、図7の80A,80B、図9の112A,112B)と、該複数のユニットのうち隣接するユニット同士を連結する連接部(図5の52,54a,54b、図6の60C、図7の80C、図9の112C)に区分され、前記連接部における積層シートは、前記第1の固定電極シート(32)の層、前記振動電極シート(34)の層、及び、前記第2の固定電極シート(36)の層が存在せず、かつ、少なくとも、前記第3の絶縁性シート(31,81)の層、及び、前記第4の絶縁性シート(37,84)の層が、前記隣接するユニットにおける同じ層から連続して存在するものであり、前記各ユニットにおける積層シートは、少なくとも一部の互いに隣接する層(33,34、34,35)の間に、間隔をあけて、当該少なくとも一部の互いに隣接する層同士を接着する接着層(38,39)が配設されたものである
連接部においては、第1,第2の固定電極シートの層及び振動電極シートの層が存在しないので、この連接部で、折り曲げたり折り畳んだりしても、電極シートが傷まないので、折り曲げ、折り畳みの繰り返しに対して耐久性がある。その結果、折り曲げて使用したり、コンパクトに折り畳んで収納したりすることができる。
連接部に存在する、少なくとも、前記第3の絶縁性シートの層と前記第4の絶縁性シートの層とは、隣接するユニットにおける同じ層から連続して存在する、言い換えれば、これらの層は、全てのユニット及び連接部に共通の連続した層である。そのため、連接部を設けるために、別の連結部材を設けたり、この連結部材と隣接するユニットを縫合等により結合したりする工程が不要である。
接着層により接着された互いに接する層は、層間に隙間ができたり、層間がずれたりしにくくなるから、積層体としての一体性が増し、静電型面スピーカとしての形状が崩れにくい。静電型面スピーカの全体を折り曲げたとき、積層シートの各層が破損しないようにしたり、ずれて皺ができないようにしたりする。接着層は、所定の方向に間隔をあけて配設されているため、音響透過性を妨げにくい。
特に、接着層により、振動電極シートが第1の絶縁性シートと第2の絶縁性シートに支持される場合は、振動電極シートと第1,第2の絶縁性シートとの相互作用を安定させる。
本発明は、請求項2に記載の発明においては、請求項1に記載の静電型面スピーカ装置(図7の80)において、前記連接部(80C)における積層シートに存在する複数の層(81a,82a,83a,84a)は、積層の順に、前記隣接するユニットの一方のユニット(80A)から他方のユニット(80B)までの長さが順次長くなるものとすることにより、前記連接部における積層シートを折り曲げやすくしたものである。
従って、連接部において、シートに無理な引張りや圧縮が加わりにくくなるので、静電型面スピーカを積層の一方側に曲げることを容易にし、かつ、折り曲げ、折り畳みの繰り返しに対して一層耐久性が増す。
本発明は、請求項に記載の発明においては、請求項1又は2に記載の静電型面スピーカ装置(図6の60)において、少なくとも1つの前記ユニット(60A)における積層シートは、前記第1の固定電極シート(32)の層、前記振動電極シート(34)の層、前記第2の固定電極シート(36)の層、のそれぞれと当該層に隣接する一方の層(31,33,35)とを接着する、第1ないし第3の導電性接着層(61,63,65)が局部的に配置されたものであり、前記第1の固定電極シート(32)、前記振動電極シート(34)、前記第2の固定電極シート(36)、のそれぞれに、駆動信号を供給する第1ないし第3の入力導体(62,64,66)を有し、前記第1ないし第3の入力導体の一端部(62a,64a,66a)は、それぞれ、前記第1ないし第3の導電性接着層(61,63,65)を介して、前記第1の固定電極シート(32)、前記振動電極シート(34)、前記第2の固定電極シート(36)に電気的に接続される。
したがって、第1ないし第3の接続導体を導電性接着層に圧着するだけで、駆動信号を供給する第1ないし第3の入力導体を、それぞれ、第1の固定電極シート、前記振動電極シート、前記第2の固定電極シートに簡単に電気的接続することができる。
第1ないし第3の入力導体として、FPC(フレキシブルプリント基板)や銅テープを用いることができる。
また、導電性接着層は、請求項に記載の接着層の機能も備えるから、積層体としての一体性を増すために配設される接着層の一部(例えば、静電型面スピーカの周縁部近傍)と置き換えることができる。
請求項に記載の発明においては、請求項1又は2に記載の静電型面スピーカ装置において、前記隣接する第1のユニット(60A)及び第2のユニット(60B)における各積層シートは、前記第1の固定電極シート(32)の層、前記振動電極シート(34)の層、前記第2の固定電極シート(36)の層、のそれぞれと当該層に隣接する一方の層(31,33,35)とを接着する第1ないし第3の導電性接着層(61,67,65)が局部的に配置されたものであり、前記第1の固定電極シート(32)、前記振動電極シート(34)、前記第2の固定電極シート(36)、のそれぞれを、前記隣接する第1のユニット(60A)及び第2のユニット(60B)同士を連結する連接部(60C)において接続する、第1ないし第3の接続導体(69,68,70)を有し、前記第1ないし第3の接続導体の一端部(69a,68a,70a)は、前記隣接する第1のユニット(60A)において、前記第1ないし第3の導電性接着層(61,67,65)を介して前記第1の固定電極シート(32)、前記振動電極シート(34)、前記第2の固定電極シート(36)に電気的に接続され、かつ、前記第1ないし第3の接続導体の他端部(69b,68b,70b)は、前記隣接する第2のユニット(60B)において、前記第1ないし第3の導電性接着層(61,67,65)を介して前記第1の固定電極シート(32)、前記振動電極シート(34)、前記第2の固定電極シート(36)に電気的に接続されるものである。
従って、連接部を間にして隣接する第1のユニットと第2のユニットとの間において、対応する電極同士を、第1ないし第3の接続導体を導電性接着層に圧着するだけで簡単に電気的接続することができる。第1ないし第3の接続導体として、FPCや銅テープを用いることができる。
上述した請求項1ないしに記載の静電型面スピーカ装置(図1の13)は、電子鍵盤楽器のスピーカとして使用すると好適である。
例えば、鍵盤部を備える楽器本体部を当該左右において支持する左脚体(2)及び右脚体(2)を有する電子鍵盤楽器において、前記左脚体(2)及び前記右脚体(2)の間に、前記請求項1から5までのいずれか1項に記載の静電型面スピーカ装置(図1の14、図5の50A,50B、図6の60、図7の80)が配設される。
上述した電子鍵盤楽器において、前記静電型面スピーカ装置(13)を沿わせて折り曲げる案内部材(24)と、前記静電型面スピーカ装置(13)の下端部に結合する結合部材(26)を有し、前記静電型面スピーカ装置(13)は、当該上端部が前記左脚体(2)及び前記右脚体(2)の間に固定され、当該下端部が自由端となるものであり、前記静電型面スピーカ装置(13)は、前記案内部材(24)に沿って折れ曲がった後に当該静電型面スピーカ装置(13)の下端部が前記結合部材(26,28)に結合することにより、面一を保持する形態(図2(a))から折れ曲がりを保持する形態(図2(b)、図2(c))に変化するものとし、前記案内部材(24)に沿って折れ曲がる部分に、前記静電型面スピーカ装置の連接部(52,54a,54b、60C、80C)が位置するようにする。
上述した各請求項の引用記載等において、「発明を特定するための事項」に付した括弧内の符号は、後述する「発明を実施するための形態」における、「発明を特定するための事項」に対応するものに付した符号である。この符号は、「発明を特定するための事項」とその一例との対応を示すにすぎない。「発明を特定するための事項」は、この符号により対応付けられた一例に限定されない。
上述した本発明によれば、連接部を設けたので、この部分における折り曲げ、折り畳みの繰り返しに対して耐久性がある構成を簡単に実現できるという効果がある。
その結果、静電型面スピーカ装置を折り曲げて使用したり、コンパクトに折り畳んで収納したりすることができる。この静電型面スピーカ装置は、電子鍵盤楽器のスピーカとして使用すると好適である。
本願発明の実施形態を用いる一例である、アップライトピアノ型電子鍵盤楽器の外観図である。 図1に示した実施形態における面スピーカの取付構造を示す説明図である。 図1に示した面スピーカの一具体例である静電型の面スピーカの構造図である。 図1に示した静電型の面スピーカの第2の具体例を示す部分平面図である。 図1に示した静電型の面スピーカの第3の具体例を示す部分平面図である。 図1に示した静電型の面スピーカの第4の具体例を示す平面図である。 図1に示した静電型の面スピーカの第5の具体例を示す部分断面図である。 図1に示した電子鍵盤楽器の機能ブロック図である。 本願発明の実施形態を用いる他の一例である外付け面スピーカパネルを示す説明図である。
図1は、本願発明の実施形態を用いる一例である、アップライトピアノ型電子鍵盤楽器の外観図である。
図1(a)は斜視図、図1(b)は図8(1)に示す面スピーカパネルの長手方向中央の垂直断面図、図1(c)は面スピーカパネルの変形例の長手方向中央の垂直断面図である。
図中、演奏者から見て左側において、1は脇側面板(側面部)、2は側面板(側面部)、3は前脚、4は前脚3と側面板2とを接続するステーである。同様の構造が図示右側にもあり、同じ符号を付している。
左右の脇側面板1の間に、鍵盤部が配置されているが、鍵盤蓋5が閉じているので見えない。図示の鍵盤蓋5は2枚折れタイプである。演奏時に、鍵盤蓋5は後述する上前板7の下部から楽器本体部の奥に収納される。
鍵盤部の演奏者側の前面は口棒6であり、鍵盤部の底面は棚板21(図2)である。鍵盤部の奥行き側の上部は上前板7であり、その中央に譜面受8が設けられている。上前板7、左右の側面板2、及び、背面板22(図2)の上部に天板9が掛け渡され、その中央に譜面板10(図示の状態は倒れた状態)が設けられている。足下にペダルユニット11が設けられ、その中央にペダル12が収容され突出している。
図示の左右の側面板(左脚体及び右脚体)2の間において、ペダルユニット11から鍵盤部の底板(棚板)までを、演奏者側から背面側に抜ける吹き抜けとしている。面スピーカパネル13は、この左右の側面板2の間に、その面スピーカ14部分が、面一を保持する形態で配設される。
面スピーカは、近似的に2次元面と見なせるような厚みの薄いスピーカであって、平坦で薄い平板形状であるが、薄い平板を湾曲させた曲面、さらには、任意の曲面や、折り曲げ面を形成した面スピーカなど、任意の形態の面スピーカも可能である。
面スピーカが、平坦で薄い平板形状である場合、平面波が発生するので、聴取位置が電子鍵盤楽器から遠ざかっても減衰が少なく、よく聞こえる。一方、聴取位置が電子鍵盤楽器の至近位置になってもうるさく感じられない。
面スピーカの音圧は、低音域が大きく減衰し、周波数が高くなるに従い音圧が大きくなるが、中高音域は面積干渉により平坦な周波数特性を呈する。ここで、面スピーカの面積(振動板の面積)を広くするに従って、面積分だけ低音域の音圧が上がる。
電子鍵盤楽器は、鍵盤部の鍵配列方向の幅が長い。そのため、面スピーカの一辺が鍵配列方向に沿うように、左右の側面板(左脚体と右脚体)2の間に、面スピーカを配設すれば、面スピーカの面積を広くとることができる。また、アップライト型の電子鍵盤楽器は、演奏者の身長に見合う高さがある。そのため、面スピーカの一辺が筐体の高さ方向に沿うように、面スピーカの上端を上部位置に配設すれば、面スピーカの面積を広くとることができる。
一方、湾曲面が形成された湾曲面スピーカである場合、湾曲面の凸面側においては、音波の指向角が広角になり、湾曲面の凹面側においては、音波が集束する。
図1(b)に示す面スピーカパネル13は、矩形の枠体15を矩形の面スピーカ14の前面にあてがうことにより、矩形の面スピーカ14が、矩形の枠体15の背面を覆うものである。これに代えて、面スピーカパネル13は、図1(c)に示すように、矩形の面スピーカ14の前面及び背面の周縁部が、1対の矩形の枠体15に挟まれたものでもよい。
なお、図1(b)、図1(c)のいずれにおいても、面スピーカ14の周縁部には、固定電極や振動電極を設けないようにすることが望ましい。また、枠体15として、面スピーカ14と柔軟性がさほど変わらない、軟質の合成樹脂製のものを用いる。
枠体15の下端部に、図示の例では、下端部の中央及び左右に結合部材16が固着されている。一方、ペダルユニット11の前面には第1の被結合部材17が設けられている。第1の被結合部材17は、面スピーカパネル13の下端部、具体的には結合部材16に結合するための部材である。図示の第1の被結合部材17は、例えば、フック、孔、溝などであって、突起片、貫通孔、リング等の結合部材16を掛止めする部品である。結合部材16を永久磁石とし、被結合部材17を鉄製の部材としてもよい。
面スピーカパネル13は、結合部材16が第1の被結合部材17に掛止めされることにより、その面スピーカ14が面一の状態から形態が変わらない。
図1(b)、図1(c)において、18は回動支持軸であり、枠体15の上端面に配置され、左右の側面板(左脚体及び右脚体)2の軸受穴23(図2(a))に回動可能に支持されている。
従って、面スピーカパネル13は、その上端部が左右の側面板(左脚体及び右脚体)2の間の上部位置に固定され、その下端部が自由端となる。
なお、面スピーカパネル13の上端部は、回動しない単なる固定軸によって、左右の側面板(左脚体及び右脚体)2の間の上部位置に固定されていたり、棚板21の下面に固定されていたりしてもよい。
再び図1(a)に戻って説明を続ける。ダイナミック型コーンスピーカ19,20は、上前板7をバッフル板として、その左右領域に分かれて設けられている。以下、ダイナミック型コーンスピーカを、単に「コーンスピーカ」という。上前板7の表面には、音響透過性のあるパンチングメタル板、ネット、又は、スピーカグリルが設けられる(図示省略)。
コーンスピーカ19、20には、ステレオの駆動信号が供給される。右側のコーンスピーカ20をなくして、鍵盤の低音域側に対応する左側のコーンスピーカ19だけにしてもよい。コーンスピーカ19,20は、上前板7に設ける場合に限らず、図示しない棚板にスピーカの前面開口部を下向きにして配置してもよい。
上述した脇側面板1、側面板2、天板9、棚板(底面部)21(図2)、口棒6、上前板7、背面板22(図2)が楽器筐体となる。これに、鍵盤部と内部空間を有するものが、電子鍵盤楽器の楽器本体部である。この楽器本体部に、前脚3、ステー4、ペダルユニット11、及び、面スピーカパネル13を加えたものが電子鍵盤楽器となる。
楽器本体部は、ユーザの鍵操作により楽音信号を生成する楽音信号生成部を内蔵する。
図2は、図1に示した実施形態における面スピーカの取付構造を示す説明図である。
図2(a)〜図2(c)は、図1において、右側の側面板2を除去したときに、右側面から、面スピーカパネル13と左側の側面板2とを図示している。
図面を簡単化するため、面スピーカパネル13における面スピーカ14及び枠体15の表示を省略する。
図中、図1と同様な部分には同じ符号を付している。
図2(a)は、面スピーカパネル13が、面一を保持する形態を示す説明図である。
図2(b)、図2(c)は、面スピーカパネル13が折れ曲がりを保持する第1,第2の形態を示す説明図である。
ユーザが面スピーカパネル13を手動操作することにより、上述した3種類の保持形態間で形態が変化する。
演奏者による演奏や自動演奏で楽音を発生させるとき、面スピーカパネル13(面スピーカ14)は、図2(a)〜図29(c)に示すいずれの形態であってもよい。
23は回動支持軸であり、面スピーカパネル13(枠体15)の上端面に配置され、左右の側面板(左脚体及び右脚体)2に設けられた軸受穴23に挿入されることにより、左右の側面板2に対し、直接的に回動可能に支持される。
24は、面スピーカパネル13を沿わせて折り曲げる案内部材であって、図示の例では、断面が円形の棒であり、左右の側面板2の間に架設される。
26は第2の被結合部材であり、27はこの被結合部材26の支持体であって、図示の例では、断面が矩形の棒であり、左右の側面板2の間に架設されている。
28は、第3の被結合部材であり、図示の例では、背面板22の裏面に設けられる。
図2(a)において、面スピーカパネル13は、その面スピーカ14を、左右の側面板(左脚体及び前記右脚体)2の間に面一を保持する形態で配設されている。
この形態で面スピーカ14を駆動すると、面スピーカ14の前面から、電子鍵盤楽器の前方に平面波が出力される。同時に、面スピーカ14の背面からも、電子鍵盤楽器の後方に平面波が出力される。
ここで、ユーザが、結合部材16と第1の被結合部材17との結合を外し、面スピーカパネル13の下端部を、案内部材24の向こう側(奥側)に通す。
図2(b)に示すように、ユーザが、案内部材24に沿って折れ曲がった面スピーカパネル13の結合部材16を第2の被結合部材26に結合することにより、面スピーカパネル13は、折れ曲がりを保持する形態に変化する。
この形態で面スピーカ14を駆動すると、案内部材24に当接する位置を境に、面スピーカ14のC1の部分の前面から発生する楽音が、演奏者の耳29により効果的に受聴される。
また、図1(a)に示す状態から、ユーザが、結合部材16と第1の被結合部材17との結合を外し、面スピーカパネル13の下端部を、案内部材24の向こう側に通すことなく、案内部材24に沿って折れ曲がった面スピーカパネル13の結合部材16を第3の被結合部材28に結合することにより、面スピーカパネル13は、図1(c)に示す折れ曲がりを保持する形態に変化する。
この場合、面スピーカ14のC1の部分の背面から発生する楽音が、電子鍵盤楽器の後方にいる聴衆に効果的に直達される。
図示の例では、折り曲げが1箇所であるが、複数の案内部材を用いて、複数箇所で折り曲げる場合は、背景技術で説明した特許文献2に記載の静電型スピーカと同様に、面スピーカパネル13(面スピーカ14)をジグザグに折り曲げたり、湾曲させたりすることができる。その際、電子鍵盤楽器の前方(演奏者のいる側)を凸面にすれば、面スピーカ14の前面から出力される音の指向角が拡がる。一方、電子鍵盤楽器の前方(演奏者のいる側)を凹面にすれば、面スピーカ14の前面から出力される音が集束する。図2(b)において、面スピーカ14のC1の部分が、自身の撓みのため、凹面となっている。この場合、面スピーカ14のC1の部分から出力される楽音が、演奏者の耳29の位置で、光に例えて言えば、凸状の円柱レンズのような集束効果が得られる。
図9(c)の形態は、面スピーカ14の不使用時に、面スピーカパネル13をつり上げて収容する形態とすることもできる。
さらに、面スピーカパネル13を折り曲げる角度を180度とすることにより、畳み込まれた状態を保持する形態にすることもできる。この畳み込まれた状態は、折れ曲がる形態の極限の形態である。
図3は、図1に示した面スピーカの一具体例である、柔軟性を有する静電型の面スピーカの構造図である。
図3(a)は面スピーカ30の積層構造を開いて見せた模式図、図3(b)は面スピーカ30の部分平面図、図3(c)は面スピーカ30の部分断面図、図3(d)は面スピーカ30の他の例を示す部分断面図である。
まず、積層構造の主要部を説明する。
図3(a)〜図3(c)において、音響透過性を有する第1の固定電極シート32と音響透過性を有する第2の固定電極シート36との間に、音響透過性を有する第1の絶縁性シート33と音響透過性を有する第2の絶縁性シート35とを介して、特に薄くて柔軟性を有する振動電極シート(振動膜)34が積層配置されている。
第1の絶縁性シート33、第2の絶縁性シート35は、薄くて柔軟性がある緩衝材(クッション材)である。また、上述した第1の固定電極シート32、第2の固定電極シート36も、薄くて柔軟性がある。
振動電極シート34の前面から出力された音は、第1の絶縁性シート33、第1の固定電極シート32を透過し、この静電型スピーカの前面から放出されるとともに、振動電極シート34の背面から出力された音は、第2の絶縁性シート35、第2の固定電極シート36を透過し、この静電型スピーカの背面から放出される。
31は音響透過性を有する第3の絶縁性シート、37は音響透過性を有する第4の絶縁性シートであって、これらは、静電型スピーカの背面を保護したり防水したりするとともに、感電を防止するためのカバーでもある。これらも柔軟性がある。
従って、この面スピーカ30は、全体としても、柔軟性のある薄型フレキシブル(flexible)静電型スピーカである。
上述した振動電極シート34を除き、他の第1の固定電極シート32、第2の固定電極シート36、第1の絶縁性シート33、第2の絶縁性シート35、第3の絶縁性シート、第4の絶縁性シート37は、通気性を有している。なお、第3の絶縁性シート31、第4の絶縁性シート37は、省略可能である。
38a〜38e,39a〜39eは、振動電極シート34を、第1の絶縁性シート33、第2の絶縁性シート35により、部分的に支持するための接着層であって、その幅は狭く、例えば、4〜10[mm]であり、柔軟性があり、その厚みは薄く、例えば、0.1〜0.5[mm]である。図示の例では、接着層として両面接着テープを使用している。
振動電極シート34は、接着層38a〜38e,39a〜39eにより間隔をあけて支持される。
この接着層38a〜38e,39a〜39eにより、振動電極シート34は、接着層38a〜38e,39a〜39eのない領域で、振動電極シート34に対し、第1の絶縁性シート33との間、及び、第2の絶縁性シート35との間が僅かに離間して支持される。
振動電極シート34、第1の絶縁性シート33、第2の絶縁性シート35は柔軟性を有するため、接触していても問題ない。第1の絶縁性シート33、第2の絶縁性シート35は、振動電極シート34を支持するとともに、振動電極シート34に適度な弾性応力を付与する。
接着層38a〜38e,39a〜39eは、静電型の面スピーカにとって必須のものではない。しかし、振動電極シート34は、緩衝作用のある第1の絶縁性シート33、第2の絶縁性シート35との間で相互作用を及ぼし合いながら、これらと一体となって振動する。
従って、接着層38,39は、スペーサというよりも、振動電極シート34と第1の絶縁性シート33、第2の絶縁性シート35との相互作用を安定させる機能がある。接着層38,39は、また、面スピーカ30の全体を折り曲げたときに、多層状に形成された積層シートの各層が破損しないようにしたり、ずれて皺ができないようにしたりする役目を果たす。
図3(c)において、振動電極シート34は、接着層38a〜38eにより、第1の絶縁性シート33に等間隔の第1の支持位置で支持されるとともに、接着層39a〜39eにより、第2の絶縁性シート35に同じ第1の支持位置で支持される。第1の支持位置の間隔は、1[cm]〜10[cm]とし、試作品では3.6[cm]とした。
図3(d)において、振動電極シート34は、接着層38f,38gにより、第1の絶縁性シート33に等間隔の第1の支持位置で支持されるとともに、接着層39f,39gにより、第2の絶縁性シート35に等間隔の第2の支持位置で支持される。第1の支持位置と第2の第1の支持位置とは交互に配置されるので、振動電極シート34は、交互に支持される。
なお、図3(b),図3(c)に示したように、面スピーカ30の端部(図示右端部)は、接着層38e,39e,38h,39hで支持することが好ましい。面スピーカ30の周縁部において、各シートの層間を、接着層38e,39e,38h,39hと同様な接着層(両面接着テープ)で相互に接着したり、接着剤を塗布したりして、層が離れないようにする。面スピーカ30の周縁部は、接着剤でまとめたり、図示しない枠体に取り付けられたりする。
上述した振動電極シート34は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)又はポリプロピレン(PP)等の、合成樹脂薄膜の両面又は片面に、アルミニウム等の導電性を有する金属を蒸着したり、導電性塗料を塗布したりしたものであり、その厚さは数[μm]〜数十[μm]である。
上述した第1の固定電極シート32、第2の固定電極シート36は、ポリエチレンテレフタレートの片面又は両面に、アルミニウム等の導電性を有する金属を蒸着したり、導電性塗料を塗布したりして、その厚みを貫通する多数の貫通孔32a,36aが形成されたパンチングメタルである。この試作品では、厚さが0.5[mm]である。
第1の固定電極シート32、第2の固定電極シート36は、パンチングメタルに代えて、金網を用いてもよいし、不織布にアルミニウム蒸着をしたものを用いてもよい。後者の場合、第3の絶縁性シート31と第1の固定電極シート32とを一体化し、第4の絶縁性シート37と第2の固定電極シート36とを一体化することができる。
上述した第1の絶縁性シート33、第2の絶縁性シート35は、例えば、発泡合成樹脂や不織布である。
上述した第3の絶縁性シート31、第4の絶縁性シート37も、例えば、発泡合成樹脂や不織布であるが、材料選択の自由度が大きい。
図4は、図1に示した柔軟性を有する静電型の面スピーカの第2の具体例を示す部分平面図である。
先の図3においては、接着層38a〜38e,39a〜39eを図示縦方向に並べて互いに平行配置していた。図5においては、加えて、接着層41a,41b,41cを、図示横方向に並べて互いに平行配置したものである。
図示の接着層41a,41bは、接着層38a〜38d,39a〜39dと同じ間隔で配置されている。
上述した縦方向、横方向に配置する2種の接着層に代えて、1枚の格子状接着層を用いれば、接着層の厚みが均一になる。
この面スピーカ40の積層断面構造は、接着層の配置を除けば図3(c)、図3(d)と同じであるので図示を省略する。
図3、図4に示した例では、接着層38a〜38h,…、41a,41b,41c,…により、振動電極シート34と第1の絶縁性シート33、振動電極シート34と第2の絶縁性シート35が接着されていた。
これらに加えて、第3の絶縁性シート31と第1の固定電極シート32との層間、第1の固定電極シート32と第1の絶縁性シート33との層間、第2の絶縁性シート35と第2の固定電極シート36との層間、第2の固定電極シート36と第4の絶縁性シート37との層間のうち、任意の層間を、図示しない接着層(両面接着テープ)で接着してもよい。特に、面スピーカ40の周縁部においては、全ての層間を接着層(両面接着テープ)で接着してもよい。
このようにすることにより、積層体としての一体性が増し、層間に隙間ができたり、層間がずれたりしない。図示しない両面接着テープによる接着位置は、図3(c),図3(d)、図4に示す接着層38a〜38h,…、41a,41b,41c,…の支持位置と一致させることが、音響透過率を下げないようにする点で望ましい。
しかし、層間によって、接着位置を異ならせてもよい。また、層間によって、縦方向に並べる1次元平行配置と、これに直交する横方向に並べる1次元平行配置の選択を変えたりすることができる。
図5は、図1に示した柔軟性を有する静電型の面スピーカの第3の具体例を示す部分平面図である。
この具体例は、図3に示した積層断面構造を有した面スピーカ30を1ユニットとし、複数のユニットを、間隔をあけて配置したものを、1つの面スピーカ50A又は50Bとして形成したものである。
すなわち、面スピーカ50A,50Bは、複数のユニットと、これら複数のユニットのうち隣接するユニット同士を連結する連接部に区分された積層シートである。
図5(a)においては、複数の面スピーカユニットを1次元配置し、図5(b)においては、複数の面スピーカユニットを2次元配置(縦横方向)している。
図5(a)において、静電型の面スピーカユニット511〜515は、図3(c)又は図3(d)に示した積層断面構造を有し、面スピーカ50Aの振動面となる。これに対し、スピーカユニットの連接部52の領域においては、図3(c)又は図3(d)に示した導電層(第1の固定電極シート32、振動電極シート34、第2の固定電極シート36)がなく、絶縁層(第3の絶縁性シート31、第1の絶縁性シート33、第2の絶縁性シート35、第4の絶縁性シート37)のみを残しており、これらが連接部52を構成する。
連接部52の領域においては、さらに、第1の絶縁性シート33、第2の絶縁性シート35をなくしてもよい。この場合、まず、各面スピーカユニット511〜515として、それぞれ、第1の固定電極シート32、第1の絶縁性シート33、振動電極シート34、第2の絶縁性シート35、第2の固定電極シート36、及び、接着層38a〜38h、39a〜39h、41a〜41cの積層構造を予め作成しておき、これらの面スピーカユニット511〜515の上面と下面とを、第3の絶縁性シート31、第4の絶縁性シート37で覆うことにより、面スピーカ50Aを形成することができる。この場合、第3の絶縁性シート31、第4の絶縁性シート37が連接部52を構成する。
このような工程で製造すれば、箇々の面スピーカユニット511〜515の面積が小さくても、広い面積の面スピーカ50A,50Bが得られる。
連接部52においては、第1,第2の固定電極シート32,36の層及び振動電極シート34の層が存在しないので、この連接部52で、折り曲げたり折り畳んだりしても、電極シートが傷まない。
ここで、連接部52に存在する絶縁性シートの層は、隣接するユニットにおける同じ層から連続して存在する。言い換えれば、これらの層は、全てのユニット及び連接部に共通の連続した層である。そのため、連接部を設けるために、別の連結部材を設けたり、この別の連結部材を隣接するユニットと縫合や接着等により結合したりする工程が不要である。
図5(b)において、各面スピーカユニット531〜534は、図5(a)に示した面スピーカユニット511〜515と同様の積層構造を有し、面スピーカ50Bの振動面となる。
この具体例では、面スピーカユニット531〜534は、横方向が連接部54aにより連接され、縦方向が連接部54bにより連接されている。連接部54a,54bにおける積層構造は、図5(a)に示した連接部52と同様である。
さらに、面スピーカユニット531〜534の周縁部54cも、図示しない枠体を取り付ける領域とするために、連接部54a,54bと同じく、導電層のない積層構造にしている。
上述した図5(a)の面スピーカユニット511〜515、図5(b)の面スピーカユニット531〜534は、各ユニットの各電極にリード線を接続し、これらのリード線をユニット毎に独立して駆動回路に接続する。又は、連接部52、54a,54bにおいて、隣接するユニットの対応する電極同士を短いリード線でつなぎ、各ユニットの各電極を共通のリード線で駆動回路に接続してもよい。
図6は、図1に示した柔軟性を有する静電型の面スピーカの第4の具体例を示す平面図である。
図6(a)は、面スピーカの平面図であって、面スピーカ内の固定電極シートの配置を加えたものである。図6(b)は、図6(a)に面スピーカ内の導電性接着剤の配置を加えた平面図である。
図6(c),(d),(e)は、それぞれ、図6(b)の矢視X-X,Y-Y,Z-Z方向を見た断面図である。図中、図3と同様な部分には同じ符号を付している。
この面スピーカ60は、モノラル(単チャンネル)用に、左右に2つの面スピーカユニット60A,60Bが中央の連接部60Cにおいて折り曲げ可能に配置されたものである。ほぼ左右対称構造であるため、左右の対称構成には同じ符号を付し、左側の面スピーカユニット60Aについてのみ説明する。
面スピーカユニット60A,60Bの間の領域が連接部60Cであり、面スピーカユニット60A,60Bを合わせたものの周縁部は、図示しない枠体を取り付ける領域となる。
図6(b)、図6(c)に示す61は、帯状の第1の導電性接着層であり、第1の固定電極シート32と第3の絶縁性シート31との両者の層間にあって、面スピーカ60の上縁の左半分に延設され、両者を接着する。導電性接着層は、例えば、導電性粘着剤自体や、金属箔テープの両面に導電性粘着剤を塗布したもので実現される。
図6(a)、図6(b)に示す62は、第1のフレキシブルプリント基板(Flexible Printed Circuit Board、以下FPCという)であり、絶縁フィルムの裏面に導体箔(図示されない)が被着されたものである。
第1のFPC62は、第1の導電性接着層61と同一の層間にあって、面スピーカユニット60Aの上縁の一端部に設けられる。第1の導電性接着層61の一端部61aと第1のFPC62の一端部62aにおける導体箔とは、面スピーカユニット60Aの上縁の一部において重なり合い接着される。第1のFPC62の他端部は、幅狭の第1の接続端子62bとなる。第1の接続端子62bの裏面にも導体箔が被着されている。第1の接続端子62bには入力線71の一端を挿入するための孔が開いており、挿通された入力線71の先端は、導体箔に半田付けされる。
図6(b)に示す63は、帯状の第2の導電性接着層であり、振動電極シート34と第1の絶縁性シート33との両者の層間にあって、面スピーカユニット60Aの左縁を縦方向に延設され、向きを変えて下縁の一部に至り、両者を接着する。
64は第2のFPCであり、絶縁フィルムの裏面に導体箔(図示せず)が被着されたものである。第2のFPC64は、第2の導電性接着層63と同一の層間にあって、面スピーカユニット60Aの左縁の上部に設けられる。第2の導電性接着層63の一端部63aと第2のFPC64の一端部64aにおける導体箔とは、面スピーカユニット60Aの左縁の一部において重なり合い接着される。
第2のFPC64の他端部は、幅狭の第2の接続端子64bとなる。第2の接続端子64bには、入力線72の一端を挿入するための孔が開いており、挿通された入力線72の先端は、導体箔に半田付けされる。
65は帯状の第3の導電性接着層であり、第2の絶縁性シート35と第2の固定電極シート36との両者の層間にあって、面スピーカユニット60Aの下縁に延設され、両者を接着する。
66は第3のFPCであり、第3の導電性接着層65と同じ層間にあって、面スピーカユニット60Aの下縁の一部から、方向を変えて左縁(第2の導電性接着層63の左側)を縦に延設される。第3の導電性接着層65の一端部65aと第3のFPC66の一端部66aにおける導体箔(図示せず)は、面スピーカユニット60Aの下縁の一部において重なり合い接着される。
第3のFPC66の他端部は、幅狭の第3の接続端子66bとなる。第3の接続端子66bには、入力線73の一端を挿入するための孔が開いており、挿通された入力線73の先端は、導体箔に半田付けされる。
図6(b)、図6(d)に示すように、連接部60Cは、この連接部60Cに隣接する面スピーカユニット60A,60Bの第3の絶縁性シート(前面保護シート)31、第1の絶縁性シート33、第2の絶縁性シート35、第4の絶縁性シート(背面保護シート)37のそれぞれと一体である、第3の絶縁性シート31、第1の絶縁性シート33、第2の絶縁性シート35、第4の絶縁性シート(背面保護シート)37を有し、かつ、面スピーカユニット60Aと60Bの第1の固定電極シート32、振動電極シート(振動膜)34、及び、第2の固定電極シート36を欠如したものである。
なお、連接部60Cにおいては、第1の絶縁性シート33、第2の絶縁性シート35も欠如していてもよい。
従って、図5に示した連接部82と同様に、連接部60Cに存在する絶縁性シートの層は、左右に隣接するユニット60A,60Bにおける同じ層から連続して存在し、全てのユニット及び連接部に共通の連続した層である。この連接部60Cで折り曲げたり折り畳んだりしても、電極シートが傷まない。振動電極シート(振動膜)34も、この連接部(折り畳み部)60Cに存在しないことになるので、折り曲げ使用時での振動を妨げないメリットもある。
次に、左右の面スピーカユニット60Aと60Bとの電気的結合構造について説明する。図6(b),図6(d)に示す67は、帯状の第4の導電性接着層であり、先に説明した第1の導電性接着層63と同様に、振動電極シート34と第1の絶縁性シート33との両者の層間にあって、面スピーカユニット30Aの右縁を縦方向に延設され、両者を接着する。
右側の面スピーカユニット60Bにおいても、上述した第4の導電性接着層67と対称配置(面スピーカユニット60Bの左縁を縦方向)で同じ符号を付した第4の導電性接着層67が設けられている。
68は第4のFPCであり、絶縁フィルムの裏面に導体箔(図示せず)が被着され、その一端部68aと他端部68bとは縦方向に延びた短冊状であり、両者は、縦方向上部において幅狭の連結部により連結された形状である。
第4のFPC68は、第4の導電性接着層67と同一の層間にあって、面スピーカユニット60Aの左縁及び面スピーカユニット60Bの右縁の上部に設けられる。左の第4の導電性接着層67の一端部67aと第4のFPC68の一端部68aにおける導体箔とは、面スピーカユニット60Aの右縁の一部において重なり合い接着される。同様に、右の第4の導電性接着層67の一端部67aと第4のFPC68の他端部68bにおける導体箔とは、面スピーカユニット60Bの左縁の一部において重なり合い接着される。
また、右側の面スピーカユニット60Bにおいて、上述した第1の導電性接着層61と対称配置(面スピーカユニット60Bの上縁)で同じ符号を付した第1の導電性接着層61が設けられている。
69は第5のFPCであり、絶縁フィルムの裏面に導体箔(図示せず)が被着され、その一端部69aと他端部69bとは横方向に延びた短冊状であり、両者は、同じ横方向の幅狭の連結部により連結された形状である。
第5のFPC69は、第1の導電性接着層61と同一の層間にあって、面スピーカユニット60A及び面スピーカユニット60Bの上縁に設けられる。左の第1の導電性接着層61の他端部61bと第5のFPC69の一端部69aにおける導体箔(図示せず)とは、面スピーカユニット60Aの上縁の一部において重なり合い接着される。同様に、右の第1の導電性接着層61の他端部61bと第5のFPC69の他端部69bにおける導体箔とは、面スピーカユニット60Bの上縁の一部において重なり合い接着される。
右側の面スピーカユニット60Bにおいて、上述した第2の導電性接着層65と対称配置(面スピーカユニット60Bの下縁)で同じ符号を付した第2の導電性接着層65が設けられている。
図6(b)、図6(e)に示す70は第6のFPCであり、絶縁フィルムの裏面に導体箔が被着され、上述した第5のFPC69と上下対称の形状をしている。
第6のFPC70は、第2の導電性接着層65と同一の層間にあって、面スピーカユニット60A及び面スピーカユニット60Bの下縁に設けられる。左の第2の導電性接着層65の他端部65bと第6のFPC70の一端部70aにおける導体箔70cとは、面スピーカユニット60Aの下縁の一部において重なり合い接着される。同様に、右の第2の導電性接着層65の他端部65bと第6のFPC70の他端部70bにおける導体箔とは、面スピーカユニット60Bの下縁の一部において重なり合い接着される。
上述した第4〜第6のFPC68,69,70により、面スピーカユニット60Aの電極と60Bの電極との対応する者同士が電気的に接続される。
面スピーカユニット60A,60Bの連接部60Cにおいては、上述した第4〜第6のFP638,69,70の幅を狭くすることにより、連接部60Cを折り曲げやすくしている。また、図5の連接部52を参照して説明したように、第1の固定電極シート32、振動電極シート34、第2の固定電極シート36が欠けている。
従って、面スピーカ60は、その中央部の連接部60Cにおいて、折り曲げ可能である。
上述した第1〜第4の導電性接着層61,63,65,67、及び、第1〜第6のFPC62,64,66,68,69,70は、面スピーカユニット60A、60Bの振動を妨げないように、その縁部又は縁部のさらに外側に配置されている。第1〜第3の接続端子62b,64b,66bは、いずれも、それぞれの層間において、入力線71,72,73に接続され、入力線71,72,73は、図示の例では、共通のプラグ74に接続される。
上述した面スピーカ60において、第4〜第6のFPC68,69,70を用いないで、面スピーカユニット60Bを、面スピーカユニット60Aと対称構造にし、面スピーカユニット60Bにも入力線71,72,73を設ければ、面スピーカ60がステレオスピーカとなる。
図1,図2に示した面スピーカ14として、図6に示したような、面スピーカユニット60A,60Bが、連接部60Cにより間隔を空けて連設された面スピーカ60を採用すると好適である。
この場合、面スピーカ60の上辺を面スピーカ14の右辺とし、面スピーカ60の左辺を面スピーカ14の上辺とし、各辺の長さは、図1に示した電子鍵盤楽器の寸法に応じた値になるように設計する。
さらに、連接部60Cの位置を、案内部材24に沿う面に形成されるように設計する。
連接部60Cは構造上、柔軟性を増すことが容易であるため、案内部材24による折り曲げの繰り返しに対して、十分な耐久性をもたせることができる。
図7は、図1に示した柔軟性を有する静電型の面スピーカの第5の具体例を示す部分断面図である。
図7(a)は、折り曲げ前の面スピーカ80、図14(b)は連接部80Cで折り曲げた状態の面スピーカ80の部分断面図である。
この面スピーカ80は、隣接する面スピーカユニット80A,80Bの連接部80Cを、折り曲げが容易な構造にしたものである。面スピーカ80の積層シートは、複数の面スピーカユニット80A,80Bに区分され、各面スピーカユニット80A,80Bの積層シート構造は図1と同一である。
原則として、図1と同様な部分には同じ符号を付しているが、絶縁性シートについては異なる符号を付している。81は第3の絶縁性シート、82は第1の絶縁性シート、83は第2の絶縁性シート、84は第4の絶縁性シート、85a,85b、86a,86b、87は接着層である。
積層シートは、連接部80Cにおいて、第1の固定電極シート32の層、振動電極シート34の層、及び、第2の固定電極シート36の層が欠如し、第3の絶縁性シート81の層、第1の絶縁性シート82の層、第2の絶縁性シート83の層、第4の絶縁性シート84の層が残存することにより、隣接する面スピーカユニット80Aと80Bとが連結されている。
なお、第1の絶縁性シート82の層、第2の絶縁性シート83の層もまた欠如していてよい。
81a,82a,83a,84aは、それぞれ、連接部における、第3の絶縁性シート、第1の絶縁性シート、第2の絶縁性シート、第4の絶縁性シートである。
図5に示した連接部52と同様に、連接部80Cに存在する絶縁性シートの層は、左右に隣接する面スピーカユニット80A,80Bにおける同じ層から連続して存在し、全てのユニット及び連接部に共通の連続した層である。
ここで、連接部80Cにおいて、隣接する面スピーカユニット80Aと80Bの一方から他方までの層の長さ、言い換えれば、連結距離が、第3の絶縁性シート81aと第4の絶縁性シート84aとでは異なるように形成されている。
図示の例では、第3の絶縁性シート81aの方が、連結距離が長い。その結果、第4の絶縁性シート84aが平坦であるときに、第3の絶縁性シート81aはたるんでいる。第1の絶縁性シート82a、第2の絶縁性シート83aの長さ(連結距離)については、第3の絶縁性シート81a、第1の絶縁性シート82a、の絶縁性シート83a、第4の絶縁性シート84aの順に連結距離を短くするとよい。
その結果、第1の絶縁性シート82a、第2の絶縁性シート83aも、ゆるやかにたるんでいる。
図7(a)に示した面スピーカ80を連接部80Cにおいて折り曲げると、図7(b)に示すように、積層シートの層中間を基準に、層中間よりも外側の層は連結距離が伸び、それよりも内側の層は連結距離が縮まる。
そこで、先に説明したように、連接部80Cにおいて、第3の絶縁性シート81aを最も連結距離の長いものにしておき、第4の絶縁性シート84aほど、連結距離の短いものにしておけば、連接部80Cにおいて、第3,第1,第2,第4の絶縁性シート81a〜84aに無理な応力が発生しない。
接着層85a,85bは、帯状の両面接着テープであって、面スピーカユニット80Aと連接部80Cとの境界領域、面スピーカユニット80Bと連接部80Cとの境界領域における、第3の絶縁性シート81と第1の絶縁性シート82の両者の層間にあって、連接部80Cの長手方向に、両者を接着する。この接着層85a,85bは、第1の固定電極シート32の層と同じ厚みのスペーサとなることが好ましい。
接着層86a,86bも同様に、帯状の両面接着テープであって、境界領域において、第1の絶縁性シート82と第2の絶縁性シート83の両者を、連接部80Cの長手方向に接着する。接着層86a,86bは、接着層38,39と振動電極シート34の層を合わせた厚みのスペーサとなることが好ましい。
接着層87も同様に、帯状の両面接着テープであって、連接部80Cの中央において、第2の絶縁性シート83aと第4の絶縁性シート84aの両者を、連接部80Cの長手方向に接着する。この接着層87は、第2の固定電極シート36の層と同じ厚みのスペーサとなることが好ましい。
連接部80Cは上述した構成にしなくてもよい。第3の絶縁性シート81から第4の絶縁性シート84まで、一様な分布構成(一様な連結距離)であっても、面スピーカ80を折り曲げて音を発生させるのに不都合はない。なぜなら、面スピーカ80の厚みが1[mm]程度であるから、曲げたときの最内層と最外層との伸縮差はごく僅かであるからである。しかしながら、1万回以上の折り曲げに耐える商品にするためには、上述した連接部80Cの構成にすることが望ましい。
なお、積層体の耐久性向上に最も寄与する要因は、折り曲げられる最外層のシート(第3の絶縁性シート81)が、そのすぐ内側のシート(第1の絶縁性シート82)に対してずれが少なくなるようにすることである。例えば、最外層のシートが1万回折り曲げの初期に、そのすぐ内側のシートに対し一方的にずれることがあれば、その積層体の耐久性は落ちると思われる。これに対し、さらに内側のシート(第2の絶縁性シート83、第4の絶縁性シート84)は、最外層のシートとそのすぐ内側のシートにて保護される。
従って、最外層のシートさえ保護しておけば、面スピーカの耐久性が上がると考えられる。
図8は、図1に示した電子鍵盤楽器の機能ブロック図である。
図1に示した鍵盤蓋5に隠れた鍵盤部90における各白鍵,黒鍵の操作、ペダル12の操作は、検出部91により検出され、検出信号が制御部92に出力される。制御部92は、演奏データを音源部93に出力する。この演奏データには、押鍵及び離鍵のタイミング、押鍵又は離鍵された鍵に対応するノートナンバ(音高)、ベロシティ(押鍵速度)、アフタタッチ量等のデータが含まれている。また、操作されたペダル12の種別、操作量のデータも出力される。上述した制御部92は、機器組み込みプログラムをCPUに実行させることにより実現される。
図1に示した電子鍵盤楽器には、鍵盤蓋5の下に、鍵盤部90とともに、操作パネルが設置され、ここに複数の操作子(ボタン、ノブ)94が配置されている。操作子94としては、例えば、楽器音色等の設定操作用スイッチや、自動演奏のための選曲、再生開始や再生停止等を制御するスイッチがある。
操作子94の操作は、検出部91により検出され、制御部92に出力され、制御部92では、各操作子94に割り付けられた機能を、電子鍵盤楽器に設定する。音源部93に対する設定の場合は、音源部93に音源設定データを出力する。
上述した電子鍵盤楽器は、自動演奏部95と曲データ記憶部96が内蔵されている。自動演奏部95は、操作子94の操作により、曲データ記憶部96に記憶された曲を読出し、MIDI(Musical Instrument Digital Interface)形式の演奏データを制御部92に出力する。上述した自動演奏部95も、機器組み込みプログラムをCPUに実行させることにより実現される。
MIDIインタフェース97は、パーソナルコンピュータや他の電子楽器から供給されるMIDI形式の演奏データを、背面板22(図2)に設けられた端子から入力し、制御部92に出力する。
音源部93は、制御部92から入力された演奏データに応じて、音色等の音源設定や、押鍵操作に応じた音高と強さのステレオ(L,Rの2チャンネル)の楽音信号を生成し、増幅器98L,98R,100L,100R、及び、混合部(ミキサー)102に出力する。図示の音源部93は、1つの楽音の発生用に、ステレオ用の左ソース、右ソースを使用する。これらの音源ソースは、図示しない音源波形メモリに記憶されている。
また、音源部93は、モノラルソースを使用するとし、操作された鍵の帯域等に応じて、左右の音量比を制御(音像定位制御)するものでもよい。
増幅器98L,98Rの出力は、それぞれ、ヘッドフォン用の外部出力端子99L,99Rに出力される。増幅器100Lの出力は図1に示したコーンスピーカ18に出力され、増幅器100Rの出力はコーンスピーカ19に出力される。
混合部101は、音源部93のステレオ出力を混合し、増幅器102に出力する。増幅器102の出力は、昇圧トランス103の1次コイルに出力される。昇圧トランス103の2次コイルには、図1に示した面スピーカ14の一例としての柔軟性を有する静電型スピーカが接続される。昇圧トランス103の2次コイルは、中点タップCTを有し、中点タップCTには、高圧のバイアス直流電源104と高抵抗の抵抗器105との直列回路が接続されている。上述した2次コイルの両端が端子106,107、抵抗器105の他端が端子108となる。
端子106は、図3(c),図3(d)に示した第1の固定電極シート32に接続され、端子107は、第2の固定電極シート36に接続され、端子108は、振動電極シート34に接続される。
ここで、静電型面スピーカの動作原理を、振動電極シート34を電位の基準にとって説明する。バイアス直流電源104により、第1の固定電極シート32及び第2の固定電極シート36は、E0=数百[V]の負に帯電し、振動電極シート34と第1の固定電極シート32との間、及び、振動電極シート34と第2の固定電極シート36との間に、互いに逆方向の静電吸引力が発生する。
この状態で、第1の固定電極シート32及び第1の固定電極シート36に、逆位相の楽音信号±e[V](eはE0より十分に小さい値)が印加されると、第1の固定電極シート32及び第2の固定電極シート36は、それぞれ、(E0+e)[V]、(E0−e)[V]で負に帯電する。その結果、振動電極シート34と第1の固定電極シート32との電極間、及び、振動電極シート34と第2の固定電極シート36との間の静電吸引力のバランスがくずれ、結果として、楽音信号e[V]に比例した静電吸引力が発生し、振動電極シート34は、楽音信号e[V]の正負に応じてプッシュプル駆動される。
上述した説明では、増幅器100L,100Rの出力を直接にコーンスピーカ18,19へ出力していた。コーンスピーカ18,19は、面スピーカ14の低い周波数側の音圧低下を補うために用いる。そのため、通常は、ウーファスピーカと呼ばれるものを使用する。そこで、コーンスピーカ18,19の周波数特性に応じた楽音信号を供給するために、低域通過型フィルタ回路を、増幅器100L,100Rの入力側又は出力側に挿入することが望ましい。
同様に、増幅器102の入力側又は出力側に、静電型スピーカの周波数特性に応じた楽音信号を昇圧トランス103に供給するための高域、又は、中高域通過型フィルタ回路を挿入してもよい。
上述したフィルタ回路の特性は、コーンスピーカ18,19から出力される音と面スピーカ14から出力される音とが、周波数特性上においてバランスするように設計する。
さらにまた、高域再生用のツィータスピーカ(例えば、ドーム型ダイナミックスピーカ)を設け、増幅器100L,100Rはツィータスピーカにも楽音信号を分配してもよい。面スピーカ(静電型スピーカ)14とツィータスピーカとを選択的に切替えていずれか一方を使用するためのスイッチを設けてもよい。
図示を省略したが、音源部93に、図1に示した面スピーカ14に専用のソースが用意されていてもよい。この場合、この専用のソースに基づく楽音信号を、増幅器102で増幅し、昇圧トランス103に供給する。
上述した分割された面スピーカ14を、左右のチャンネルに分けた場合、音源部93からステレオ信号の供給を受けて、混合部101にて混合することなく、増幅し、左右のチャンネルの昇圧トランスに出力する。
図9は、本願発明の実施形態を用いる他の一例である外付け面スピーカパネルを示す説明図である。
電子鍵盤楽器に対し独立して設置される外付け面スピーカパネル111を示す説明図である。
図9(a)は斜視図、図9(b)は枠体の上縁部113aにおける水平断面図、図9(c)は、枠体113の中間高さ位置における水平断面図である。
この面スピーカパネル111は、図1に示したような電子楽器の筐体とは独立して、筐体の外に、楽音信号に応じた音を出力するものである。
図示の面スピーカ112は、左側の面スピーカユニット112Aと右側の面スピーカユニット112Bとが連接部112Cにより連接されている。113は枠体であって、面スピーカユニット112Aを支持する左側の枠体と面スピーカユニット112Bを支持する右側の枠体に分離されている。両者は左右対称の形状であるので、左側の枠体113についてのみ、符号を付して説明する。114はネジ部材である。
上述した面スピーカ112として、図6に示した面スピーカ60が使用できる。その際、連接部60Cの構造として、図6に示した連接部60Cの構造そのもの、さらには、図7に示した連接部80Cの構造を採用することができる。
図9(b)に示す枠体113の上縁部113aにおいて、枠体113の一定の深さにおいて、細溝115が形成されている。図9(c)に示す枠体113の左縁部113b、右縁部113d、下縁部113cにおいても同じ細溝115が形成されている。右縁部113dの細溝115から、左側の面スピーカユニット112Aを挿入し、4箇所の取付孔116から、ネジ部材114を差し込み、面スピーカユニット112Aの縁部を貫通して、ネジ孔117に締め付ける。
左右の枠体113を図示のように、折り曲げることにより、自立構造の面スピーカパネル111となる。折り曲げの角度、面スピーカユニット112A,112Bを向ける方向を変えることにより、面スピーカパネル111から放音される音の指向性を変えることができる。
図示の例では、面スピーカユニット112A,112Bを2個とし、かつ、支持する枠体113を2個使用したが、連接する面スピーカユニット112A,112B,…の個数を増やし、枠体113の個数もそれに応じて増やしてゆけば、屏風型の面スピーカパネル111となる。
1…脇側面板、2…側面板、3…前脚、4…ステー、5…鍵盤蓋、6…口棒、7…上前板、8…譜面受、9…天板、10…譜面板、11…ペダルユニット、12…ペダル、13…面スピーカパネル、14…面スピーカ、15…枠体、16…結合部材、17…被結合部材、18…回動支持軸、19,20…コーンスピーカ、21…棚板、22…背面板、23…軸受穴、24…案内部材、25…床面、26…第1の被結合部材、27…支持体、28…第2の被結合部材、29…演奏者の耳、
30…面スピーカ、30A…面スピーカユニット、31…第3の絶縁性シート、32…第1の固定電極シート、32a…貫通孔、33…第1の絶縁性シート、34…振動電極シート、35…第2の絶縁性シート、36…第2の固定電極シート、36a…貫通孔、37…第4の絶縁性シート、38a〜38h,39a〜39h…接着層
40…面スピーカ、41a,41b,41c…接着層、
50A,50B…面スピーカ、511〜515、52…連接部、531〜534…面スピーカユニット、54a,54b…連接部、54c…周縁部、
60…面スピーカ、60A,60B…面スピーカユニット、60C 連接部、61,63,65,67…第1〜第4の導電性接着層、62,64,66,68,69,70…第1〜第6のFPC(フレキシブルプリント基板)、71,72,73…入力線、74…プラグ
80…面スピーカ、80A,80B…面スピーカユニット、80C…連接部、81〜84…第3,第1,第2,第4の絶縁性シート、81a〜84a…連接部における第3,第1,第2,第4の絶縁性シート、85a,85b,86a,86b,87…接着層、
90…鍵盤部、91…検出部、92…制御部、93…音源部、94…操作子、95…自動演奏部、96…曲データ記憶部、97…インタフェース、98L,98R、100L,100R…増幅器、99L,99R…外部出力端子、101…混合部、102…増幅器、103…昇圧トランス、104…バイアス直流電源、105…抵抗器、106,107,108…端子、
111…面スピーカパネル、112…面スピーカ、112A,112B…面スピーカユニット、112C…連接部、113…枠体、113a…上縁部、113b…左縁部、113c…下縁部、113d…右縁部、114…ネジ部材、115…細溝、116…取付孔、117…ネジ孔

Claims (4)

  1. 音響透過性がある第1の固定電極シートと、音響透過性及び緩衝作用がある第1の絶縁性シートと、振動電極シートと、音響透過性及び緩衝作用がある第2の絶縁性シートと、音響透過性がある第2の固定電極シートが順に積層され、前記第1の固定電極シートの上に音響透過性がある第3の絶縁性シートが積層され、前記第2の固定電極シートの下に音響透過性がある第4の絶縁性シートが積層された積層シートを有する静電型面スピーカ装置であって、
    前記積層シートは、複数のユニットと、該複数のユニットのうち隣接するユニット同士を連結する連接部に区分され、
    前記連接部における積層シートは、前記第1の固定電極シートの層、前記振動電極シートの層、及び、前記第2の固定電極シートの層が存在せず、かつ、少なくとも、前記第3の絶縁性シートの層、及び、前記第4の絶縁性シートの層が、前記隣接するユニットにおける同じ層から連続して存在するものであり、
    前記各ユニットにおける積層シートは、
    少なくとも一部の互いに隣接する層の間に、間隔をあけて、当該少なくとも一部の互いに隣接する層同士を接着する接着層が配設されたものである
    ことを特徴とする静電型面スピーカ装置。
  2. 前記連接部における積層シートに存在する複数の層は、
    積層の順に、前記隣接するユニットの一方のユニットから他方のユニットまでの長さが順次長くなるものとすることにより、前記連接部における積層シートを折り曲げやすくした、
    ことを特徴とする請求項1に記載の静電型面スピーカ装置。
  3. 少なくとも1つの前記ユニットにおける積層シートは、前記第1の固定電極シートの層、前記振動電極シートの層、前記第2の固定電極シートの層、のそれぞれと当該層に隣接する一方の層とを接着する、第1ないし第3の導電性接着層が局部的に配置されたものであり、
    前記第1の固定電極シート、前記振動電極シート、前記第2の固定電極シート、のそれぞれに、駆動信号を供給する第1ないし第3の入力導体を有し、
    前記第1ないし第3の入力導体の一端部は、それぞれ、前記第1ないし第3の導電性接着層を介して、前記第1の固定電極シート、前記振動電極シート、前記第2の固定電極シートに電気的に接続される、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の静電型面スピーカ装置。
  4. 前記隣接する第1のユニット及び第2のユニットにおける各積層シートは、
    前記第1の固定電極シートの層、前記振動電極シートの層、前記第2の固定電極シートの層、のそれぞれと当該層に隣接する一方の層とを接着する第1ないし第3の導電性接着層が局部的に配置されたものであり、
    前記第1の固定電極シート、前記振動電極シート、前記第2の固定電極シート、のそれぞれを、前記隣接する第1のユニット及び第2のユニット同士を連結する連接部において接続する、第1ないし第3の接続導体を有し、
    前記第1ないし第3の接続導体の一端部は、前記隣接する第1のユニットにおいて、前記第1ないし第3の導電性接着層を介して前記第1の固定電極シート、前記振動電極シート、前記第2の固定電極シートに電気的に接続され、かつ、
    前記第1ないし第3の接続導体の他端部は、前記隣接する第2のユニットにおいて、前記第1ないし第3の導電性接着層を介して前記第1の固定電極シート、前記振動電極シート、前記第2の固定電極シートに電気的に接続される、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の静電型面スピーカ装置。
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