JP5543795B2 - アンテナ装置及びそれを備えたrfidタグ - Google Patents

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本発明は、高い表面インピーダンスを有するシート状構造体とそれを利用したアンテナ装置及びRFID(Radio
Frequency Identification)タグに関する。
近年の機器の小型化により、例えば、グランドプレーン等の金属面とアンテナとの距離が短くなってきており、それによるアンテナ特性の劣化が懸念されている。また、RFIDタグを金属面に貼付すると、RFIDタグに含まれるアンテナの特性が著しく劣化し、RFIDタグが適切に機能しなくなることも知られている。これらの問題は、いずれも金属面の表面インピーダンスが低いことに起因している。金属面の低い表面インピーダンスが、入射電界と180度位相の異なる反射電界を生成し、逆相の反射波を生じさせる。それにより、金属近傍では合成電界が小さくなり、金属近傍アンテナ、タグの性能が著しく劣化する。逆に、表面インピーダンスの高いものをアンテナ近傍に配置することができれば、その高い表面インピーダンスによりインピーダンス面に入射したエネルギーが同相反射され、アンテナ性能を向上させることが知られている。
高いインピーダンスを有するシート状構造体としては、EBG(Electromagnetic BandGap)構造があり、その代表例として、従来、ビアを有する所謂マッシュルーム状導体の周期構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。しかし、特許文献1に記載のシート状構造体においては、ビアを形成する工程が含まれるため製造工程自体が複雑になる。そこで、電気的回路は変えないようにビアに相当する部位をパターンに埋め込むことで製造工程の簡略化を図ろうとする技術(例えば、特許文献2参照)も提案されている。
更に、上述したシート状構造体をアンテナ装置における同相反射板として用いることも提案されている(例えば、特許文献3参照)。詳しくは、特許文献3のアンテナ装置においては、シート状構造体の上にスペーサを介してアンテナ導体が配置されている。
米国特許第6,538,621号公報 特開2006−245984号公報 特開2008−131506号公報
しかしながら、特許文献3に開示されているような構造では、シート状構造体の同相反射周波数でアンテナ導体とICチップとの整合を図ることが困難であるという問題がある。
そこで、本発明は、上述した問題を解決しうるアンテナ装置及びそのアンテナ装置を用いたRFIDタグを提供することを目的とする。
発明者らは、シート状構造体自体がリークアンテナ動作をすることを見出した。そのため、シート状構造体の上にアンテナを置く必要はなく、ICチップとシート状構造体との間の整合をとるものをシート状構造体の上に置けば、無線タグになることを見出した。
本発明では、シート状構造体の上に、小さい導体ループパターンを実装して整合をとり、この導体ループパターンにICチップを実装することによって、無線タグ化する。
図1は、EBG構造体の分散特性図である。縦軸は周波数(Hz)、横軸はka/π、ただし、k:波数ベクトル、a:周期構造の周期、π:円周率である。波数ベクトルkは波長λとして、k=2π/λである。図1において、Light lineは自由空間の光の分散特性を表わしている。Light lineよりも上の領域では、位相速度が真空中の光の位相速度を超え、電磁波がリークしてくる。波数ベクトル0の点、即ちγ点付近がEBG構造タグの動作点である。このことから、理論的には、EBG構造体がリークアンテナ動作することが分かる。
さらに研究を進めた結果、発明者らは、アンテナの実装をやめても、EBG構造体のリークアンテナに直接ICチップを載せることで、タグ動作させることができることを見出した。さらに、ICチップを小ループ導体パターンに実装して、EBG構造体の上に置くことで、小ループパターンとEBG構造体が磁気的に結合してエネルギー交換することも見出した。
また、EBG構造体の上に大きなアンテナを置いた場合、アンテナとEBG構造体との磁気結合により、EBG構造体の同相反射周波数もしくは、リークアンテナ動作周波数がシフトすることも、発明者らは、見出しており、アンテナの整合調整時に、EBG構造体の同相反射周波数もしくは、リークアンテナ動作周波数がシフトし、アンテナ利得と整合を同時に最適化するのが困難だった。しかし、本発明の小ループパターンは、EBG構造体の同相反射周波数もしくは、リークアンテナ動作周波数のシフト量が小さいため、アンテナ利得の最大周波数付近で、ICチップとEBG構造体との整合が取れることが分かった。本発明は、以上の知見に基づくものである。
即ち、本発明によれば、第1のアンテナ装置として、
単位構造を第1方向及び当該第1方向に直交する第2方向に並べてなるシート状構造体と、前記シート状構造体と電気的に絶縁されているループ導体とを備えたアンテナ装置において、
前記単位構造は、トップ電極と、グランド電極と、前記トップ電極と前記グランド電極との間に挟まれた誘電体とを備えており、
前記トップ電極と、前記グランド電極は、いずれも導体からなるものであり、
前記シート状構造体は、前記第1方向に平行な電界を有する入射波のうち特定の周波数に対する表面インピーダンスを高め、当該入射波を同相反射するものであり、
前記トップ電極は、前記第1方向及び前記第2方向に直交する第3方向に沿って見た場合に前記単位構造の面積よりも小さい面積を有するものであり、それにより、前記シート状構造体には、前記単位構造を一列に並べてなる単位構造列内の前記トップ電極の列と、当該単位構造列と隣接する他の単位構造列内の他の前記トップ電極の列との間にできるトップ電極間領域であって第1方向又は第2方向に延びるトップ電極間領域が形成されており、
前記ループ導体の内周の長さは、前記入射波の波長との比が0.1乃至0.3であり、且つ前記第1方向に延びる前記トップ電極間領域の1つ又は2つのみの上に亘るように配置されている、アンテナ装置が得られる。
また、本発明によれば、第2のアンテナ装置として、第1のアンテナ装置において、
前記単位構造は、前記トップ電極と前記グランド電極とを接続するビアと、前記誘電体内に配置された浮遊キャパシタ電極とを更に備えており、
前記ビアと、前記浮遊キャパシタ電極は、いずれも導体からなるものであり、
一の前記単位構造内の前記浮遊キャパシタ電極は、前記第1方向において隣接する他の前記単位構造内の前記浮遊キャパシタ電極と連続している、アンテナ装置が得られる。
また、本発明によれば、第3のアンテナ装置として、第2のアンテナ装置において、
一の前記単位構造内の前記浮遊キャパシタ電極は、前記第2方向において隣接する他の前記単位構造内の前記浮遊キャパシタ電極とも連続しており、
前記シート状構造体は、更に、前記第2方向に平行な電界を有する入射波のうち前記特定の周波数に対する表面インピーダンスを高め、当該入射波を同相反射するものであり、
前記ループ導体は、前記第1方向に延びる前記1つ又は2つのみのトップ電極間領域上に加え、更に、前記第2方向に延びる1つ又は2つのみの前記トップ電極間領域上にも亘るように配置されている、アンテナ装置が得られる。
また、本発明によれば、第4のアンテナ装置として、第1乃至第3のいずれかのアンテナ装置において、前記ループ導体は、真円、楕円又は四角形形状を有する、アンテナ装置が得られる。
また、本発明によれば、第1乃至第4のいずれかのアンテナ装置と、前記ループ導体と接続されたICとを備えるRFID(Radio Frequency Identification)タグが得られる。
ループ導体をEBG構造体上の磁束が出入りする部分の上に配置し、EBG構造体とループ導体とを磁気的に結合させ、これによるエネルギー交換により、ICチップを駆動させることができる。
本発明によれば、入射波の波長との比が0.1〜0.3である長さを有する小さなループ導体を用いることにより小さい結合量で、EBGの同相反射周波数若しくは、リークアンテナ動作周波数のシフト量を小さくするこができ、アンテナ利得の最大周波数付近でICチップとEBG構造体との整合を取ることができる。
更に、EBG構造体をリークアンテナとして動作させることにより、従来用いていた導体アンテナと、当該導体アンテナを支持していた支持部材を省略することができる。
図1は、本発明のEBG構造体の分散特性を示す図である。 図2は、本発明の第1の実施の形態によるRFIDタグを表わす斜視図である。 図3は、図2のRFIDタグに用いられるEBG構造体の単位構造を表わす図である。なお、誘電体層は省略されている。 図4は、図2のRFIDタグに用いられるEBG構造体を上方から見た図である。 図5は、図2のV−V断面図である。なお、図5においては、図2中の低損失シート4は省略されている。 図6は、図2のVI−VI断面図である。なお、図5においても、低損失シート4は省略されている。 図7は、本実施の形態によるRFIDタグのICチップランドからループ導体側を見たときのインピーダンスを表わすスミスチャートである。 図8は、本実施の形態によるRFIDタグの通信距離を測定する機器を模式的に表したものである。 図9は、本実施の形態によるRFIDタグと従来のRFIDタグとの金属板上の通信距離の測定値を表わすグラフである。 図10は、図2のアンテナ装置に用いられるループ導体の配置場所を変更した例を示す図である。 図11は、2つのトップ電極間領域上に亘るようにループ導体を配置した例を示す図である。 図12は、1つのトップ電極間領域上に亘るようにループ導体を配置したRFIDタグの実施例を示す図である。 図13は、図12のループ導体の寸法を表わす図である。 図14は、図12のICチップランドからループ導体側を見たときのインピーダンスを表わすスミスチャートである。 図15は、2つのトップ電極間領域上に亘るようにループ導体を配置したRFIDタグの実施例を示す図である。 図16は、図15のループ導体の寸法を表わす図である。 図17は、図15のICチップランドからループ導体側を見たときのインピーダンスを表わすスミスチャートである。 図18は、本発明の第2の実施の形態によるRFIDタグを表わす斜視図である。 図19は、図18のRFIDタグに用いられるEBG構造体の単位構造である。 図20は、図18のループ導体の一の変形例を示す図である。
(第1の実施の形態)
図2に示されるように、本発明によるRFIDタグは、アンテナ装置1と、ICチップ2とで構成されるものである。アンテナ装置1は、シート状のEBG構造体3と、EBG構造体3上に設けられた低損失シート4と、低損失シート4上に配置されたループ導体5とを備えている。本実施の形態において、ICチップ2は、ループ導体5上に実装されている。なお、ICチップ2のループ導体5への実装は、ループ導体5上にICランド等を設ける等、周知の実装方法が適用可能である。
EBG構造体3は、単位構造10をX方向及びY方向に並べることにより周期構造を有している。本実施の形態によるEBG構造体3の大きさは、カードサイズ86×54mmであり、その厚みは0.82mmである。
図3に示されるように、EBG構造体3の単位構造10は、トップ電極11と、グランド電極12と、トップ電極11とグランド電極12とを接続するビア13と、トップ電極11とグランド電極12との間に挟まれた誘電体14(図示せず)と、誘電体内に配置された浮遊キャパシタ電極15とで構成されている。トップ電極11と、グランド電極12と、ビア13と、浮遊キャパシタ電極15は、いずれも導体からなるものであり、トップ電極11と、グランド電極12、浮遊キャパシタ電極15は、厚さ18μmの銅箔であり、ビア13はスルーホールの内側を厚さ30μmの銅を用いてめっきされている。また、トップ電極11とグランド電極12との間に満たされている誘電体14は、比誘電率3.5、tanδ0.003である。本実施の形態によるEBG構造体3は、X方向に平行な電界を有する入射波のみを同相反射する一方向性構造を有するものであり、図2、図4乃至図6に示されるように、本実施の形態によるEBG構造体3の浮遊キャパシタ電極15は、X方向において隣接する単位構造10の間にはまたがるように配置されているが、Y方向において隣接する単位構造10の間にはまたがっていない。
本実施の形態における各部材のサイズについては、単位構造10は21×13.25×0.82mm、トップ電極11は20.7×12.95mm、ビア13の径はφ2mm、浮遊キャパシタ電極15のサイズは単位構造10内においては9.2×12.95mm(隣接する単位構造と連続している場合の全体のサイズは18.4×12.95mm)である。更に、隣接する単位構造10のトップ電極11同士の間隔は0.3mmであり、トップ電極11と浮遊キャパシタ電極15間の距離は、0.1mmであり、浮遊キャパシタ電極15とグランド電極12間の距離は、0.6mmである。
上述したように、Z方向に沿って見た場合、トップ電極11の大きさは、単位構造10の大きさよりも小さいものであるため、隣接する単位構造10のトップ電極11同士の間には、X方向及びY方向において間隔が空くこととなる。かかる構成により、図4に示されるように、X方向において1列に並ぶ単位構造10の夫々に含まれるトップ電極11の列をトップ電極列40とすると、当該トップ電極列40とY方向において隣接する他のトップ電極列40との間にはトップ電極間領域50が形成される。図4に示される例では、X方向に延びる4つのトップ電極列40の間に、同じくX方向に延びるトップ電極間領域が3つ形成されている。Y方向においても同様に、トップ電極列40’と、当該トップ電極列40’とX方向において隣接する他のトップ電極列40’との間にはトップ電極間領域50’が形成されている。図4に示される例では、Y方向に延びる4つのトップ電極列40’の間に、同じくY方向に延びるトップ電極間領域が3つ形成されている。
図2に示される低損失基板シート4は、厚み0.1mmの比誘電率3.5、tanδ0.003のものを用いた。なお、厚み50μm程度のPETシートでも良い。
図2、図5乃至図6に示されるように、ループ導体5は厚み18μmの銅箔からなる導
体パターンであり、低損失シート4上に配置されることにより、EBG構造体とは電気的には絶縁されている。本実施の形態において、ループ導体5の線幅は1mmであり、ループ内側(内周)の長径(X方向)は20mmであり、ループ内側(内周)の短径(Y方向)は2mmである。本実施の形態によるループ導体5の形状は楕円形状であるが、ループ導体5の形状はこれに限られず、例えば、真円や四角形形状、多角形形状のものを用いてもよい。
ループ導体5の内周の1周の長さは、入射波の波長比に対して0.1〜0.3である。例えば、953MHzを利用する場合、当該入射波の自由空間における波長は314.8mmであるため、ループ導体5の内周の1周の長さは、当該波長比に対して0.1〜0.3のものを用いる。これにより、当該ループ導体5は、EBG構造体3とIC2とのマッチングをとるための整合素子としてのみ機能する。この場合、上記の範囲における長さのループ導体5を用いた場合、当該ループ導体はアンテナとしては機能せず、EBG構造体3自体がリークアンテナとして動作する。また、このような小さいサイズのループ導体5を用いた場合、ループ導体5とEBG構造体3との比較的弱い磁気的結合を作ることができる。この場合、EBG構造体3の同相反射周波数若しくは最大利得周波数の低下は10MHz以内であり、従来の大型の導体アンテナが設けられていたアンテナ装置のものより小さい。更に、従来のように、アンテナ導体と当該アンテナ導体を支持する支持層を省略することができるため、RFIDタグ自体の厚さも小さくすることができる。
図2、図5及び図6に示されるように、ループ導体5は、EBG構造体3による同相反射が生じる電界と平行な方向、即ちX方向に延びる1つのトップ電極間領域50上に亘るように配置されている。換言すると、Z方向から見た場合にループ導体5の内側の領域には、X方向に延びるトップ電極間領域50の部分を含むように配置されている。EBG構造体3内部への磁束線は同相反射が生じる電界方向と平行なトップ電極間領域を通って出入りしているため、かかる配置により磁束線をループ導体5の内側の領域を通すことができ、これにより、EBG構造体3とループ導体5が磁気的に結合することができる。また、当該磁気的結合によりEBG構造体3とループ導体5の間ではエネルギー交換が行われ、これにより、ICチップ2を駆動させることができる。このように、EBG構造体3とループ導体5は磁束を介して相互作用するため、ループ導体5は、少なくともEBG構造体3が機能する電界方向と平行な方向に延びるトップ電極間領域50の部分を、ループ導体5の内側の領域、即ちループ導体5の内周で囲まれた領域内に含んでいなければならない。
一方、図2に示されるRFIDタグの底面に、厚さ0.1mmのポリエステルシートを貼った試作タグを200×300×2mmのアルミ板上にのせた場合におけるIC実装ランドからループ導体側を見たインピーダンスの実測値を図7のスミスチャートに示す。測定はプローブをICのないIC実装ランドに当て、ベクトルネットワークアナライザで測定している。そのため、スミスチャートの中心は50Ωであり、スミスチャートは50Ωで正規化されている。なお、本来であれば、シートには接着用ののり層を形成するが、試作評価の利便性から当該評価ではのりは塗っていない。上記厚さ0.1mmのポリエステルシートはのり層の代わりである。また、ICチップ5を除いた厚さは、1.1mmである。図7において、点19は、本実施例で、ICランドからループ導体側を見たインピーダンスの実測値であり、UHF帯RFIDの日本国内での使用周波数である953MHzでの値を示している。点線18はICチップと整合する場合のインピーダンス範囲である。図より、インピーダンスは、比較的ICの整合領域に近くなっていることがわかる。入射波の波長比0.1〜0.3程度の小さなループ導体を用いて結合係数を小さくしたことにより、アンテナ利得最大周波数のシフトを小さくでき、なおかつ、インピーダンス整合が取れているため、アンテナ利得最大周波数での整合がほぼ達成されていることがわかる。なお、インピーダンスの整合は、ループ長を波長比0.1〜0.3の範囲で調整して合わせている。
次に、図8に示される商用のRFID評価システムを使用して、本発明の試作タグ23の通信距離評価を行った。試作タグ23は、200×300×2mmのアルミ板22の上に置いている。リーダライタ20からの信号は円偏波パッチアンテナ21から放射され、試作タグ23によって返信される。リーダライタの出力は30dBmである。図8の評価系を用いて、電波暗室内で通信距離を実測した結果を図9に示す。比較のため、従来のカードサイズ金属対応タグの通信距離も測定している。従来のカードサイズ金属対応タグは厚み1.8mmで通信距離2.5mであるのに対し、本発明のカードサイズタグは、厚み1.1mmで通信距離2.6mであった。これから、本発明が従来の金属対応タグよりも優位性があり、薄くて通信距離も長いものができていることが実証できた。
図2に示されるループ導体5は、X方向に延びるトップ電極間領域50とY方向に延びるトップ電極間領域50’との交差点に配置されているものとして示されているが、X方向セル数が奇数の場合などでは、図10に示すように、半周期ずらした位置に配置しても良い。また、入射波長との比が0.1〜0.3を満たしている限り、図11に示されるようにX方向に延びる2つのトップ電極間領域50に亘っていることとしてもよい。
以下、本発明のループ導体の具体的な実施例として、ループ導体が、1つのトップ電極間領域に亘る場合と、2つのトップ電極間領域に亘る場合の両方についてその実施例を説明する。なお、これらの実施例に用いられるEBG構造体3は図中のY方向電界にのみ対応した一方向性構造としている。図12に示されるループ導体5は1つのトップ電極間領域50’に亘るように配置されている。なお、同図のループ導体5は簡略化されて表示されており、また、低損失シートは図示していない。図13に示されるように、本実施例のループ導体5の内周の一周の長さは58mmである。図14に示されるスミスチャートはHFSSにて計算されており、また、ループ導体への給電線の特性インピーダンスを50Ωとした。これはネットワークアナライザで給電した場合に観察されるスミスチャートに対応している。ICチップの入力インピーダンスは数十Ω―j100Ω程度の場合が多いため、アンテナの入力インピーダンスは数十Ω+j100Ω程度で整合が取れる場合が多い。
一方、図15に示されるループ導体5は2つのトップ電極間領域50’に亘るように配置されている。なお、同図においても、ループ導体5は簡略化されて表示されており、また、低損失シートは図示していない。図16に示されるように、本実施例のループ導体5の一周の長さは84.5mmであり、953MHzの波長に対する比率は0.27である。また、図17に示されるスミスチャートも図14に示されるものと同様の方法及び条件で計算されている。
図14及び図17に示されるように、上記のシミュレーションでは、EBG構造体3は970MHz前後でアンテナ動作し、実測よりもやや高い周波数で機能している。EBG構造体3の利得のある周波数ではスミスチャート上で小さなループができるが、この位置はループ導体5の長さが長くなるほど、すなわちループ導体5のインダクタンスが大きくなるほど、スミスチャート上を右回りに移動してゆく。ICチップ2の整合範囲は固定しているため、その結果、あるループ導体5の長さで整合がとりやすくなる。このように、ループ導体が2つのトップ電極間領域50’にまたがっても、EBG構造体3とループ導体5は相互作用して、アンテナ動作する。また、図13及び図16のループ導体5の大きさは、953MHzの入射波の波長314.8mmとの比が0.18及び0.27であり、EBG構造体3とループ導体との整合がよくとれていることがわかる。この結果から、波長比0.1〜0.3の長さを有するループ導体であれば、整合素子として機能することがわかる。
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態で説明した一方向電界に対応させたEBG構造体の方が、浮遊キャパシタ電極を大きくできるので、単位構造が小型になり、同じタグサイズでは、多セル化でき特性も向上するが、2方向の電界に対応させるEBG構造に対応させるEBG構造でも同様の効果が期待できる。
図18に示されるように、本実施の形態によるEBG構造体3aは、X方向及びY方向の電界を有する入射波を同相反射するものである。なお、以下の説明においては、同一の部材については、同一の名称を用い、その説明を省略する。
図19に示されるように、本実施の形態による単位構造10aは、略三角形形状の浮遊キャパシタ電極15aを有している。浮遊キャパシタ電極15aは、X方向及びY方向において連続、即ち、X方向及びY方向の両方向において隣接する単位構造10aにまたがって配置されている。従って、EBG構造体3aは、X方向に加えてY方向に平行な電界についても、第1の実施例と同様の同相反射をすることができる。
本実施の形態によるループ導体も第1の実施の形態と同様に、入射波の波長との比が0.1〜0.3の長さを有する。しかし、EBG構造体3aは、2方向の電界に対応することができるため、磁束線もX方向に延びるトップ電極間領域50及びY方向に延びるトップ電極間領域50’の両方を通ることとなる。従って、ループ導体5cもX方向に延びるトップ電極間領域50及びY方向に延びるトップ電極間領域50’の両方に亘って配置される。
図18に示されるループ導体5cはX方向及びY方向に延びるトップ電極間領域50及び50’の1つずつにまたがっている例であるが、例えば、図20に示されるように、X方向及びY方向に延びるトップ電極間領域50及び50’の2つずつにまたがっているものとしてもよい。更に、X方向に延びるトップ電極間領域1つとY方向に延びるトップ電極間領域2つに亘る場合、及び、X方向に延びるトップ電極間領域2つとY方向に延びるトップ電極間領域1つとに亘る場合であっても、ループ導体の長さが入射波の波長比0.1〜0.3を満たす限り、ループ導体5cは、ループの長さに起因したEBG利得周波数のシフトが小さい整合素子として機能する。
(第3の実施の形態)
第1及び第2の実施の形態に加えて、3方向の電界に対応するEBG構造体を用いることによっても、上記と同様の効果が期待できる。この場合、例えば、単位構造を六角形形状にし、XY平面内の三方向において隣接する単位構造間で浮遊キャパシタ電極を連続するようなEBG構造体を用いることができる。ループ導体は、上述した実施の形態と同様に、入射波の波長との比が0.1〜0.3の長さを有するものを用い、更に、三方向の電界と平行なトップ電極間領域の1つ又は2つの上に亘るように配置することとすればよい。
以上、説明した第1乃至第3の実施の形態におけるアンテナ装置に用いられていた単位構造は、トップ電極と、グランド電極と、浮遊キャパシタ電極と、誘電体と、ビアを備えているものであったが、当該単位構造から浮遊キャパシタ若しくはビア、又はその両方を省略する単位構造を用いることとしてもよい。即ち、浮遊キャパシタを省略した構造としては、上述した単位構造は、トップ電極と、グランド電極と、トップ電極とグランド電極との間に挟まれた誘電体と、トップ電極とグランド電極とを接続するビアとを備える構造、いわゆるマッシュルーム構造としてもよい。また、ビアを省略した構造としては、上述した単位構造は、トップ電極と、グランド電極と、トップ電極とグランド電極との間に挟まれた誘電体と、誘電体内に配置された浮遊キャパシタ電極とを備える構造としてもよい。更に、浮遊キャパシタ及びビアの両方を省略した構造としては、上述した単位構造は、トップ電極と、グランド電極と、トップ電極とグランド電極との間に挟まれた誘電体とを備える構造としてもよい。浮遊キャパシタ電極は、EBG構造体の全体の大きさを小型化するために用いるものであるため、浮遊キャパシタ電極を省略した場合にも、EBG構造体は機能する。また、ビアを省略した場合にも、EBG構造体とループ導体との磁気的相互作用はビアのある場合と同様に存在する。
1、1a アンテナ装置
2 ICチップ
3、3a EBG構造体
4、4a 低損失シート
5、5a、5b、5c、5d ループ導体
10、10a 単位構造
11、11a トップ電極
12、12a グランド電極
13、13a ビア
14 誘電体
15、15a 浮遊キャパシタ電極
40、40’ トップ電極列
50、50’ トップ電極間領域

Claims (5)

  1. 単位構造を第1方向及び当該第1方向に直交する第2方向に並べてなるシート状構造体と、前記シート状構造体と電気的に絶縁されているループ導体とを備えたアンテナ装置において、
    前記単位構造は、トップ電極と、グランド電極と、前記トップ電極と前記グランド電極との間に挟まれた誘電体とを備えており、
    前記トップ電極と、前記グランド電極は、いずれも導体からなるものであり、
    前記シート状構造体は、前記第1方向に平行な電界を有する入射波のうち特定の周波数に対する表面インピーダンスを高め、当該入射波を同相反射するものであり、
    前記トップ電極は、前記第1方向及び前記第2方向に直交する第3方向に沿って見た場合に前記単位構造の面積よりも小さい面積を有するものであり、それにより、前記シート状構造体には、前記単位構造を一列に並べてなる単位構造列内の前記トップ電極の列と、当該単位構造列と隣接する他の単位構造列内の他の前記トップ電極の列との間にできるトップ電極間領域であって第1方向又は第2方向に延びるトップ電極間領域が形成されており、
    前記ループ導体の内周の長さは、前記入射波の波長との比が0.1乃至0.3であり、
    前記ループ導体は、前記第1方向に延びる前記トップ電極間領域の1つ又は2つのみの上に亘るように配置されている、
    アンテナ装置。
  2. 請求項1に記載のアンテナ装置において、
    前記単位構造は、前記トップ電極と前記グランド電極とを接続するビアと、前記誘電体内に配置された浮遊キャパシタ電極とを更に備えており、
    前記ビアと、前記浮遊キャパシタ電極は、いずれも導体からなるものであり、
    一の前記単位構造内の前記浮遊キャパシタ電極は、前記第1方向において隣接する他の前記単位構造内の前記浮遊キャパシタ電極と連続している、
    アンテナ装置。
  3. 請求項2に記載のアンテナ装置において、
    一の前記単位構造内の前記浮遊キャパシタ電極は、前記第2方向において隣接する他の前記単位構造内の前記浮遊キャパシタ電極とも連続しており、
    前記シート状構造体は、更に、前記第2方向に平行な電界を有する入射波のうち前記特定の周波数に対する表面インピーダンスを高め、当該入射波を同相反射するものであり、
    前記ループ導体は、前記第1方向に延びる前記1つ又は2つのみのトップ電極間領域上に加え、更に、前記第2方向に延びる1つ又は2つのみの前記トップ電極間領域上にも亘るように配置されている、
    アンテナ装置。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のアンテナ装置において、前記ループ導体は、真円、楕円又は四角形形状を有する、アンテナ装置。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のアンテナ装置と、前記ループ導体と接続されたICとを備えるRFID(Radio Frequency Identification)タグ。
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