JP5542674B2 - タマリンド種子多糖およびヒアルロン酸に基づく点眼組成物 - Google Patents

タマリンド種子多糖およびヒアルロン酸に基づく点眼組成物 Download PDF

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Description

本発明は、タマリンド種子多糖およびヒアルロン酸に基づく点眼組成物に関する。より具体的には、本発明は、組み合せて共に投与した場合、ドライアイ症候群に侵された結膜粘膜が正常に戻ることの促進、したがって、結膜微絨毛の数および形態の著しい改善の誘導において相乗的に作用できる、ヒアルロン酸とTSP(Tamarindus indica Seed Polisaccharide)として知られる多糖との組み合わせを含む代用涙液としての使用が指示される点眼液に関する。
周知のように、眼球表面は、角膜前涙液層の存在により一定の湿潤を保っており、この角膜前涙液層は、結膜膜および眼球の露出表面を覆う組織化された液体構造である。この構造は、適切な洗浄および保護を得るために量的および質的に適していることが根本的に重要である。さらに、涙液層は、リゾチームおよび抗体のように殺菌力が高い物質を含み、眼を多くの抗原の攻撃から保護する。
正常な状態において、結膜嚢のさまざまな腺により分泌される一連の溶液の結果である涙液は、瞼の動きにより角膜および結膜表面上の層に配置され、その結果、以下の層を含む、複合3層構造を作り上げている。
-結膜上皮に存在する特殊化した細胞(すなわち、結膜の杯細胞)により産生される糖タンパク質(ムチン)の混合物からなる粘液の内層-前記層は、角膜に吸着され、したがって角膜上皮を親水性表面に変換する。ムチンが不足している場合、上皮細胞は疎水性であり、涙液により水和され得ない。
-本質的に水、電解質、タンパク質、酵素およびムチンからなる厚い中間水層(主涙腺および副涙腺から分泌される)。この層は、前記親水性表面上に広がり、大気中の酸素を角膜上皮に提供する機能、抗菌作用を発揮する機能および残屑を洗い流す機能を有する。
-下記の機能、すなわち、下部の水層の蒸発を抑制する機能、表面張力を増加させ、涙液層を安定化させて皮膚上に漏れることを回避する機能および瞼を円滑化する機能を有する薄い外部脂質層(脂腺瞼板腺すなわちマイボーム腺から分泌される)。
瞼の動きは、結膜細胞の外側の粘液を絞り、粘液を円蓋に導入し、そこから眼の瞬きする動きにより、粘液を全角膜表面に均一に分配する。
上記の3層構造は、眼球表面の保護、角膜表面の水和、円滑化、潤滑および清澄さの維持ならびに正確な視覚を作り出すことにおける協調という主要機能を有する、複合生理系を構成する。前記生理系の完全な平衡および連続再生は、前記生理系が前記機能を実行できるための必要条件である。前記平衡および再生の成立のために、そのオスモル濃度を約300mOsm/lの生理的レベルに維持するように、一定であるが、過剰ではない、涙液からの水の蒸発が起こらねばならず、涙液層は瞬きの結果として角膜表面上に連続して再分配されなければならない。
さまざまな構成成分の層構造だけが重要ではなく、そこに存在する溶質もまた重要である。外層の脂質は、中間層に隣接する極性相と、大気との界面にあるより厚い相との2相に配置される。水相は、むしろ固定イオン濃度を示し、主にナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、塩素および重炭酸塩が涙のオスモル濃度を維持するために重要である。
内部ムチン層の完全性は、涙液層の安定性の維持の必須要素の1つを表す。ムチンは角膜表面の湿潤性を強化するので、これによって、水性層が連続的かつ一様な方法で露出表面に接着することの維持を可能にし、それによってその安定性を守り、かつ涙液の粘度を増加させ、結膜嚢からあまりにも早く涙液が流れ出てしまうことを防ぐ。既に述べたように、ムチンが存在しない、または不足な場合、角膜は非湿潤性となり、存在する電解質と糖タンパク質との不安定の結果として、乾燥領域の形成により涙液層が不安定になり、破壊される。
眼のさまざまな疾患または異常状態が、例えば、瞬きの頻度が不十分、コンタクトレンズの長期使用、一部の全身性薬剤の投与、またはさらに頻繁には老人性分泌不全の結果として、涙液層の不連続により現れる。さらに頻繁には、上記の有効な潤滑および保護系の劣化が「ドライアイ症候群」で現れ、特に大気汚染および結果として起こる新しい種類のアレルギーのため、その発生率は大いに増加している。実際に、ドライアイ症候群は、眼科の最も頻繁な病状であり、一般集団の10および15%の間の割合である。これに関連して、「ドライアイ」という用語は、涙液層の減少または不安定からもたらされる眼疾患-これらは、自覚的視点から、灼熱感、異物感、羞明およびかすみ目、眼が重く感じる感覚、風、煙および粉塵による軽度の刺激および視覚障害を含む一連の厄介な症状を特徴とする-を指すために一般的に使用され、一方、この関連で起こる角膜表面の典型的な変化は、「乾性角結膜炎」という用語により一般的に称される。
このような状況において、結膜細胞の変性が起こり、落屑の増加、細胞表面の微細ヒダの喪失、上皮細胞膜の破壊およびムチン産生杯細胞の数の減少をもたらす。角膜および結膜の上皮細胞は、苦痛を感じ、微絨毛の数はそれらが完全に消失するまで減少すると思われる。微絨毛の数の減少は、疾患の重症度および症状の重篤度に、よく近似して比例する。この解剖病理学的状況は、さまざまな度合で、結膜細胞のレベルで炎症細胞の浸潤を伴う(Cennamo G. L.、Del Prete A.、Forte R.、Cafiero G-、Del Prete S.、Marasco D.、「Impression cytology with scanning electron microscopy: a new method in the study of conjunctival microvilli」、Eye (2007年)、1〜6頁)。
このほかに、ドライアイ症候群、涙液層の保護効果の不足は、光線性、細菌性、ウィルス性およびアレルギー性乾性角結膜炎などの他の病態にかかりやすくさせる。
ヒトの病状についての研究がドライアイにおいて起こるすべての変化を明らかにしたので、乾性角結膜炎の動物モデルについての前臨床試験は、これらの変化の自然の原因を理解するために役立った(Gilbard J. P.、Rossi S. R.、Gray K. L.:「A new rabbit model for keratoconjunctivitis sicca」、Invest. Ophthalmol. Vis. Sci. 28(2):225〜228頁、(1987年); Gilbard J. P.、Rossi S.R.、Gray K.L.、Hanninen L.A.:「Natural history of disease in a rabbit model for keratoconjunctivitis sicca」、Acta Ophthalmol. (Suppl.) 192:95〜101頁、(1989年))。ドライアイは4つの異なる段階:
1. 涙液層それ自体のオスモル濃度の上昇を伴う涙液層からの水の喪失;
2. 杯細胞の密度の減少および角膜のグリコーゲン(病変の可能性がある角膜を治すエネルギー供給源)の減少;
3. 角膜落屑の増加(涙液層と眼表面との間の浸透圧格差の増加および結膜の上皮細胞から水を回収する杯細胞の減少のため);
4. 角膜-涙液層の界面の不安定化
を介して発症することが現在知られている。
診断的視点から、ドライアイ症候群は、それらの典型的な症状の評価を用いるだけでなく、涙液分泌の評価(Schirmerテスト)、瞬きが完了した後に涙液層の破壊に必要とされる時間(破壊時間、BUT)の評価およびローズベンガルまたはフルオレセインによる染色に関する角膜表面の色の評価を、最も一般的なものとして含む、十分確立された手順を用いても、検出および観察できる。
不規則に構築された涙液層の兆候と、満場一致で考えられる別の減少は、粘液のシダ状結晶形成の低下である。正常な状態において、粘液は、水溶液から室温で蒸発させた場合、シダ状のパターンで結晶化することを特徴とする。電解質と、粘液の高分子量の糖タンパク質との相互作用の結果と考えられるこのシダ状結晶形成現象は、結膜の下円蓋からの涙粘液の収集から短時間後明らかとなる。シダ状結晶形成試験から明らかな、前記現象のさまざまな異なるパターン(すなわち、タイプI、一様なシダ状結晶形成;タイプII、十分量のシダ状結晶形成であるがシダ状結晶は縮小され、隙間がある;タイプIII、シダ状結晶形成は部分的に存在するだけ;タイプIV、シダ状結晶形成は存在しない)が、涙液の正常状態または病気疾患状態と関連があることが解明されている。例えば、密度の高いシダ状結晶形成は、ムチンと電解質との間の完璧な平衡の表れであると思われ、一方、乾性角結膜炎を患った眼において検出される、涙のシダ状結晶形成の部分的存在または不在は、涙粘液の量的不足あるいは糖タンパク質またはそれらの環境(すなわち、pH、水和、電解質平衡)の質的変化を表す。
乾性角結膜炎は、一般的に「人工涙液」として知られる液体点眼薬を用いて通常治療され、天然の涙の産生を置き換えるまたは補うために、液滴で注入する。最も単純な事例では、前記調製品は、中性で涙液層と等張の生理食塩溶液からなり、塩化ナトリウムのみまたはさまざまな電解質のバランスのとれた混合物に基づくので、前記調製品は単に湿潤効果のみを有する。
このような食塩溶液に特有の、結膜嚢内の保持の低下の欠点を克服するために、高分子量物質、例えば、通常合成、半合成または天然起源の水溶性ポリマーの添加により粘性をもたせた人工涙液調製品が導入された。しかし、人工涙液としての使用のための組成物に有利な特徴を与えるような前記粘度増強剤に関して、前記粘度増強剤が製品の粘度を一般的に増加することは十分ではなく、このように形成された分散体が、ムチンの分散体の特性と可能な限り近い特性を有することもまた必要であることが発見された。すなわち、前記分散体は、ムコミメティック物質として可能な限り同じ程度に作用しなければならない。まず第1に、このことは、天然の涙のレオロジー挙動と同様の、独特のレオロジー挙動、すなわち、非ニュートン挙動(具体的には偽塑性)を必要とする。実際には、人工涙液用の増粘剤(viscosifiers)として使用できる2〜3の高分子生成物だけが、実際に同様の挙動を示すことができる。
非ニュートンレオロジー挙動を有する人工涙液としての使用のための組成物の例は、Carbopol(登録商標)などのカルボキシビニルポリマー、メチルセルロースなどのセルロースエステルおよびそれらのアルコール誘導体(例えば、ヒドロキシプロピルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロース)ならびにヒアルロン酸を含む組成物である。後者は、ヒトおよび動物両方の、多くの組織および体液に存在する天然起源の多糖であり、その水溶液の著しい偽塑性挙動のため、および水および上皮細胞壁の両方との優れた結合能力のため、点眼薬に広く用いられている。
引用したカテゴリーに包含されると考えることができる天然の多糖ポリマーは、タマリンドの木、Tanarindus indicaの種子から得られる多糖であり、タマリンドの木は15mの高さに達することがあり、マメ科の果実を作り、主に食糧生産のために栽培される、インド、アフリカおよび極東全域に広く行き渡っている常緑植物である。この果実は多糖の割合が高い大きな種子を含み、この種子は、生命維持に必要なエネルギー物質を蓄積し、保存する機能を有する。
もともとは副産物と考えられたこの種子は、粉末形態に挽いたところ、さまざまな用途が発見された(「タマリンドガム」または「タマリンド穀粒粉末」として知られる)。このような用途の最も重要なものは、繊維工業および製紙工業においてはタマリンドガムはそれぞれサイジング剤として用いられ、食品工業においては、アルギン酸塩、ペクチン、グアガムまたはローカストビーンガムなどの他の多糖製品のように、あらゆる種類の製品において増粘剤、ゲル化剤、安定化剤および結合剤として使用される。生のタマリンド穀粒粉末は市販されており、65から73の質量%の多糖、15から23の%のタンパク質成分、3から8%の油脂ならびに2から4%の灰分、それに加えて、少量の粗繊維、タンニンおよび他の不純物を含む。
医薬品分野において、タマリンドガム(タマリンド種子多糖、以下においてTSPとも称される)の多糖画分は、特に、その内容が参照により本明細書に組み込まれている、欧州特許第0892636号(Farmigea)および対応する米国特許第6,056,950号に記載のように、代用涙液の有効構成成分として、および局所的眼科用持続性放出薬剤用の担体として、有効な使用が発見された。タマリンドガムの多糖画分が有すると思われるムコミメティック特性の1つは、先に記載した「シダ状結晶形成」能を明らかにするものでなければならない。したがって、ヒアルロン酸と同様に、前記多糖画分は、蒸発によって結晶化涙粘液の形態と非常に類似した形態を有する結晶生成物をもたらすことができる。
欧州特許第0892636号 米国特許第6,056,950号
Cennamo G. L.、Del Prete A.、Forte R.、Cafiero G-、Del Prete S.、MarascoD.、「Impression cytology with scanning electron microscopy: a new method in the study of conjunctival microvilli」、Eye (2007年)、1〜6頁 Gilbard J. P.、Rossi S. R.、Gray K. L.:「A new rabbit model for keratoconjunctivitis sicca」、Invest Ophthalmol. Vis. Sci. 28(2):225〜228頁、(1987年) Gilbard J. P.、Rossi S.R.、Gray K.L.、Hanninen L.A.:「Natural history of disease in a rabbit model for keratoconjunctivitis sicca」、Acta Ophthalmol. (Suppl.) 192:95〜101頁、(1989年)
前述を考慮して、本発明の目的は、ドライアイ症候群療法のための薬物治療を規定することであり、この薬物療法において、代用涙液は長時間眼表面にとどまり、上皮表面と自己統合でき、それらの上で保護的役割を発揮することができるだけでなく、それらの完全性の回復を助ける、特に結膜粘膜、総合的に微絨毛の数および形態に関して、正常性への迅速な復帰を助けることもまたできる。
本発明へと導いた研究の枠組みの中で、TSPに基づく公知の点眼液およびヒアルロン酸に基づく、より広く拡散される点眼液の両方が、ドライアイの症状を改善できることを示し、これらの改善はこの疾患の治療においてそれらのマーケッティングの成功の根底となっているが、このような溶液は両方とも、有効性、および考慮されている病状して特有な組織学的損傷、特に結膜上皮の微細な表面構造に関するものからの迅速な回復に関してもたらす利益は比較的少ないと考えられた。
本発明によれば、先の考察に基づき、単独の眼科用製品で眼表面に用いた、有効成分のTSPおよびヒアルロン酸の特定の組み合わせが、特に結膜粘膜の正常性へのさらに迅速な復帰を助けることにおいて、とりわけ微絨毛の数および形態に関して、別々に用いたこれら2種の生成物が有さない新しい治療特性を獲得することが発見された。微絨毛の正常な完全性の回復は、ドライアイ症候群に伴う兆候および症状の改善についての長期持続効果と関係がある。
タマリンドガムの多糖画分の構造について実施されたいくつかの研究によれば、タマリンド種子多糖が、(1→4)連結を介して互いに結合したグルコピラノシル単位の主鎖、および(1→6)連結を介して主鎖に結合したキシロピラノシル単位からなる短い側鎖からなることが確かである。前記キシロピラノシル単位は単独である、またはそれらは順番に(1→2)連結を介して単独のガラクトピラノシル単位に結合できる。アラビノフラノシル単位のさらなる存在もまた報告された。したがってタマリンド種子多糖(TSP)の構造は、以下のように表すことができる。
出発原料からのポリマーの抽出、ろ過および精製の手順は、機能的特徴を変化させずに維持するために、さらに、正確に精製された生成物において600,000から750,000Daに及ぶ高分子量を考慮して、高度の技術的特化を必要とする。
ヒアルロン酸は、D-グルクロン酸(GlcUA)およびN-アセチル-D-グルコサミン(GlcNAc)が交互に並ぶ単位からなる、非分枝グリコサミノグルカンとして化学的に定義可能であり、この構造は、以下の式により表すことができる:
これは、配列中に2種の異なる二糖類単位を示し、式中、単位の反復対の数は、多糖の分子量が50,000および数百万ダルトンの間に含まれるほどである。人工涙液溶液用に眼科で使用されるヒアルロン酸の平均分子量(対応するナトリウム塩の形態で)は、通常700,000および100万Daの間に含まれる。
インビボで、ヒアルロン酸およびN-アセチルグルコサミンのすべてのカルボキシル基を完全にイオン化し、ヒアルロン酸分子に高い極性およびその結果高い水可溶性を与える。水および上皮細胞壁の両方と連結する優れた能力のため、ヒアルロン酸は、ドライアイの病状の治療における多くの代用涙液において主要構成成分として使用される。
本発明と関係がある研究分野において、磁気共鳴技術(これは以下に詳細に記載するつもりである)の採用に基づくいくつかの実験室試験は、TSPが溶液中でヒアルロン酸(HA)と相互作用し、主にTSPの内部のグルコースおよびガラクトース単位およびHAのアセチル基に関する構造変化を誘導できることを示した。この事実は、一部の濃度比に関して、非混合形態の2種のポリマーにより示されるより著しく高なる、混合物の水保持力についての効果を生み出す。
水保持力は、ドライアイの治療に使用するポリマーの接着特性および生体適合特性にとって必須であるため、TSP-HA混合物についての調査は、混合物の安全性および忍容性を評価するために、アトロピンを用いてラットに誘導されたドライアイモデルにわたる前臨床検査を用いて、さらに拡大している。このようなモデルについて得られた(さらに以下に合成的に報告された)結果に基づき、TSPおよびHAの混合物が、2種の生成物の間に負の相互作用を示さず、涙の産生の急檄な低下の後の組織学的損傷の、より優れた回復を促進することが確認できる。
比較的限定された患者数においてのパイロットスタディとして実施されたその後の臨床検査(以下に報告)は、提案する治療の有効性を確認し、TSPおよびHAの組み合わせの著しい相乗効果を指摘した。
したがって、本発明は、0.05から2質量%のタマリンド種子多糖および0.05から1質量%のヒアルロン酸を水溶液中に組み合せて含む、代用涙液としての使用のための点眼薬を明示的に提供する。
本出願において使用する場合、「タマリンド種子多糖」(Tamarindus indica Seed PolysaccharideであるTSP、時として「キシログルカン」という用語でも一般的に言及される)という用語は、タマリンドガム(すなわち、タマリンド穀粒粉末)から得ることができる任意の多糖に富んだ画分を意味し、後者は、現在市場で入手可能な原産物である。タマリンドガムの部分精製された多糖画分も、例えば、Dai-nippon Pharmaceutical Co. LTD、Osaka、Japanにより、Glyloid(登録商標)の商品名で販売されている。しかし、本発明の意図のために、関連多糖画分はさらに精製され、実質的に純粋なタマリンド種子多糖であることが好ましい。
本出願において使用する場合、「ヒアルロン酸」という用語は、前述の多糖(一般的に「グリコサミノグルカン」と称される)、特に人工涙液製剤のためによく使用される塩形態、すなわちヒアルロン酸ナトリウムを意味する。
好ましくは、本発明に従った点眼薬は、0.1から1質量%のタマリンド種子多糖および0.1から0.5質量%のヒアルロン酸を水溶液中に組み合せて含む。
好ましくは、本発明に従った点眼薬中の重量濃度は、0.1および1%の間のタマリンド種子多糖ならびに0.1および0.5質量%のヒアルロン酸で構成されている。以下に提供された実験研究において特に研究され、結膜上皮の正常性の回復に協力する2種の活性薬剤の能力に関して優れた臨床成績を提供する実施形態は、0.2質量%のタマリンド種子多糖および0.4質量%のヒアルロン酸を水溶液中に含む。
好ましくは、本発明の調製品に使用するタマリンド種子多糖は、450,000Daから750,000Da(好ましくは600,000〜750,000Da)の範囲に含まれる分子量を有し、ヒアルロン酸は、600,000Daから1,000,000Da(好ましくは、700,000〜1,000,000Da)の範囲に含まれる分子量を有する。
本発明に従った人工涙液製剤において、溶液を正しい値のオスモル濃度にするために1種または複数種の浸透圧調節剤が加えられるべきである。この目標のために、浸透圧調節剤として当分野において現在用いられている生成物、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、マンニトール、デキストロース、ホウ酸、ソルビトールまたはプロピレングリコールなどのいずれか1種を使用できる。
公知の技術に従って、製剤に含むことができる他の材料は、pH調整剤として酸または塩基ならびにリン酸緩衝液(リン酸二水素ナトリウムおよびリン酸水素二ナトリウム)または酢酸塩緩衝液(酢酸塩-酢酸系)などの緩衝液である。使用できる他の緩衝液は、ホウ酸塩、クエン酸塩、重炭酸塩およびtrizma(トリヒドロキシメチルアミノメタン)の緩衝液である。
組成物は、塩化ベンザルコニウム、メルチオレートナトリウムまたはチメロサール、メチルパラベン、エチルパラベンおよびプロピルパラベン、クロロブタノール、フェニル水銀硝酸塩またはフェニル水銀酢酸塩、フェニルエチルアルコール、クロルヘキシジン酢酸塩またはクロルヘキシジングルコン酸塩などの保存料および抗菌剤ならびにエデト酸塩またはEDTAなどのキレート剤をさらに含むことができる。保存料の忍容性の問題のため、人工涙液としての使用のための製剤にこのような材料は含まないことが好ましい。製品を単位剤形容器に包装する場合、このことは明らかに可能である。しかし、製品が複数回投与の容器中である場合、いくつかの場合において、保存料の添加は必要である。
そのさらなる態様によると、本発明は、ドライアイ症候群の治療用調製品の製造のための、水溶液中のタマリンド種子多糖およびヒアルロン酸の組み合わせの使用に関する。
既に述べたように、前記代用涙液または調製品は、0.05から2質量%のタマリンド種子多糖および0.05から1質量%のヒアルロン酸を含むことが好ましく、より好ましくは、0.1から1質量%のタマリンド種子多糖および0.1から0.5質量%のヒアルロン酸を含む。
下記の使用に提案される調製品のタマリンド種子多糖は、600,000Daから750,000Daまで含まれる分子量を適切に有し、一方、ヒアルロン酸の分子量は、700,000Daから1,000,000Daまでに含まれることが好ましい。
本発明は、そのいくつかの特定の実施形態に従って、以下の限定されない例によりさらに開示され、この例は、実験的に解明され、以下の実験報告書に報告された事柄に従って、保護活性および再上皮化活性を有する代用涙液として用いられるキシログルカンおよびヒアルロン酸に基づく製剤の例を例示する。
人工涙液製剤の例
(例1)
この生成物は、以下のステップにより調製される:
-TSPおよびHAを適切なガラス容器に秤量する;
-利用可能な水の90%を、生成物が完全に溶解するまで軽く撹拌しながら加える;
-全量のマンニトールを加え、撹拌を続け、生成物が完全に溶解するまで混合物を撹拌したままにする;
-脱イオン水を最終重量(100%)まで加える;
-リン酸二水素ナトリウムおよびリン酸水素二ナトリウムを、所望のpHまで加える;
-このようにして得た溶液を、オートクレーブにおいて滅菌する、または代替として、0.22ミクロンのフィルターで滅菌する。
(例2)
この生成物は、例1と同じ方法で調製する。
(例3)
この生成物は、例1と同じ方法で調製する。
(例4)
この生成物は、例1と同じ方法で調製する。
(例5)
この生成物は、例1と同じ方法で調製する。
(例6)
この生成物は、例1と同じ方法で調製する。
(例7)
この生成物は、例1と同じ方法で調製する。
(例8)
この生成物は、例1と同じ方法で調製する。
(例9)
この生成物は、例1と同じ方法で調製する。
本発明に従った、多糖の組み合わせの特徴を示すいくつかの実験結果およびそれらを含む調製品の性能を、添付の図面に示したいくつかのグラフおよび写真と合わせて以下に示す。
【0076】
【図1】ドライアイ症候群の治療における、本発明に従った組成物の有効性についての
パイロットスタディの結果を、ヒストグラムの形態で、結膜微絨毛に関して絶対値で示す図である。
【図2】同じパイロットスタディにおける結膜微絨毛の評価の結果を、基底値からの変
動で示す図である。
【図3】同じパイロットスタディにおけるTSP+HA群に属す女性患者の左目結膜上皮の、
治療前のSEM 7500倍画像を示す図である。
【図4】図3と同じ女性患者の左目結膜上皮の、TSP+HAを用いた治療60日後のSEM7500倍
画像を示す図である。
【図5】図1と同じパイロットスタディの結果を、自覚症状についての効果の評価に関
して絶対値で、ヒストグラムの形態で示す図である。
【図6】上記パイロットスタディにおける、基底値から見た、自覚症状に関する効果の
評価の結果を示す図である。
【図7】図1と同じパイロットスタディの結果を、他覚症状についての効果の評価に関
して絶対値で、ヒストグラムの形態で示す図である。
【図8】同じパイロットスタディにおける、基底値から見た、他覚症状の効果の評価の
結果を示す図である。
【図9】図1と同じパイロットスタディの結果を、細胞学についての効果の評価に関し
て絶対値で、ヒストグラムの形態で示す図である。
【図10】同じパイロットスタディにおける細胞学についての効果の評価の結果を、基
底値から変動で示す図である。
【図11】図1と同じパイロットスタディの結果を、先の評価の全スコア(総スコア)に
関して、絶対値で、ヒストグラムの形態で示す図である。
【図12】同じパイロットスタディにおける先の評価の複合スコアの結果を、基底値か
ら変動で示す図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
水溶液中のヒアルロン酸(HA)とTSPとの混合物についてのNMR調査
内部に水を包含できる、非常に複雑な3次元構造の多糖ヒドロゲルを提供する。水分含有量、水およびポリマー材料の間に起こる相互作用の型、ならびにポリマーそれ自体の内部水分布が、機械的特性および粘膜接着力についての重要な影響を有し、高度の生体適合性の根本にある。通常、3つの型の水:結合水、中間水および遊離水が、多糖ゲルにおいて区別される。
核磁気共鳴分光学(NMR)は、ポリマー系の構造、移動度および水和特性の研究のために最も有用な技術の1つを表す。特に、水のプロトン核のスピン-スピン(T2)緩和時間またはスピン-格子(T1)緩和時間の測定は、非常に有用と思われる。緩和時間T2は、時間内の横の磁化の崩壊を表現し、一方緩和時間T1は縦の磁化の復帰過程を表現する、一定時間を表す。
多糖が水に溶解する時、水分子は多糖と水素結合を形成し、したがってそれらの移動度は低下し、T1およびT2の両方の縮小をもたらす。しかし、結合水および遊離水の間で、通常異なるシグナルは検出されないが、供与の加重平均を表す単一のシグナルは2種の水から派生する。結果として、測定したNMRのパラメーター(T1および/またはT2)は、以下の式(式1)に従って、遊離状態および結合状態のこのパラメーターの加重平均を表す;
式中、
は、関連溶液中の水に関して測定した緩和速度率(T1またはT2の時間の逆数)を表現し、
は、結合水の緩和速度率であり、
は、遊離水の緩和速度率であり、ポリマー材料を含まない溶液において測定した緩和速度率と等しい。XbおよびXfは、それぞれ結合水および遊離水のモル分率である。
結合水分子の数は、ポリマー表面S、結合水表層の厚さKおよび水の総体積Vに依存するので、以下の方法で表現できる(式2):
ポリマー濃度が増加した場合、濃度それ自体の変動に依存して構造変化または自己制御現象が起こらない限り、ポリマー表面の増加、したがって結合水の分子数の増加の結果としてT1およびT2は両方とも縮小する;しかし、横緩和速度
についての効果は、縦緩和速度
について分かる効果よりもさらにより著しい。
これらの根拠により、水プロトン核における横緩和速度
を測定する以下の実験を、以下の溶液において実施した:
a) 0.1%(w/w)から1%の可変濃度を有するTSP溶液;
b) 0.1%(w/w)から1%の可変濃度を有するHA溶液;
c) 0.5%に等しい一定の総濃度を有し、総濃度0.5%の、適切な体積の母溶液を混合することによって得られる可変濃度のHAおよびTSPを含む混合物;
d) 1%に等しい一定の総濃度を有し、総濃度1%の、適切な体積の母溶液を混合することによって得られる可変濃度のHAおよびTSPを含む混合物。
2種のポリマー材料の間に起こる相互作用の性質についての情報を得るために、さまざまな濃度の2種のポリマー、HAおよびTSPならびにそれらの混合物の分光パラメーターもまた比較した。考えられる分光パラメーターは以下である:
1. HAの23Naの化学シフト;
2. TSPのアノマープロトンおよびHAのアセチルプロトンについての選択的スピン-格子の緩和測定値;
3. HAおよびTSPのプロトンについてのスピン-スピン緩和測定値;
4. H2Oの拡散を決定(ポリマー中に組み込まれた水の決定)するためのDOSY(拡散規則化分光法(Diffusion Ordered SpectroscopY))の測定値。
23Naの化学シフトの測定値およびヒアルロン酸のアセチル基について実施した化学シフトの測定値は、2種のポリマー材料の間の相互作用が、ヒアルロン酸の極性イオン化基またはそのアセチル基に関与しているかどうかを決定することを目的としている。
アノマープロトンについて実施した測定は、TSP単位のどの型が、HAとの相互作用に広く関与しているかを決定することを目的としている。
NMR分析のための試料調製および測定方法
固体ポリマーをD2Oに所望の濃度で溶解し、母溶液を調製した。2組の溶液を調製し、第1の溶液は、周囲温度で12時間撹拌後に得られ、第2の溶液は、周囲温度で12時間撹拌し、80℃に加熱し60分間撹拌後に得られた。2組の溶液から得られた結果は、完全に一致し、したがって以下の考察においてそれらを区別はしない。
NMR研究を、NMR Varian INOVA 600 14T分光計において実施し、1Hに関して600MHzおよび23Naに関して158.6MHzにおいて操作し、直接検査のために5mmの逆三重共鳴プローブおよび5mmの広域プローブによりもたらされた。分光計は、±0.1℃の温度調節系を備えている。
選択的プロトン緩和時間スピン-格子T1は、所望の周波数の反転のインパルスの選択的印加のために、標準系列反転-回復(180°-τ-90°-取り込み時間)により得られたものである。
緩和時間スピン-スピンT2を、系列Carr-Purcell-Meiboom-Gill(CPMG)(90°-τ-(180°-2τ)n)を使用して測定した。
DOSYマップ(Diffusion Ordered Spectroscopy)を、緩和時間3秒、4に等しい過渡信号の数を使用し記録した使用して記録した。30勾配を利用し、初期シグナルの最大10〜5%の減少を得るために、δeΔのパラメーターを最適化した(それぞれ、1msおよび80ms)。
水の緩和時間(下式)の測定
まず第1に、0.1%から1%の可変濃度で2種の純粋なポリマーを含む溶液中の、水の緩和時間T2の測定値を得た。
TSPに関して、最も希釈された溶液(0.1%w/w)中の0.90/秒から、1%の濃度を有する溶液中の3.08/秒まで上昇させて測定する。緩和速度スピン-スピンの上昇は、ポリマー濃度の上昇に従った、結合水のモル分率の増加に基づいて予期した上昇と一致する。
純粋なヒアルロン酸に関して、ポリマー濃度が上昇した場合、水の緩和パラメーターの同様の上昇がみられる。測定値が、同じ濃度のTSPに関して観察された値より著しく低いだけでなく、総変化もまた有意に低い。2種のポリマーの分子量が両方とも非常に大きいことを考慮に入れて、前記の差は、2種のポリマーの自己凝集に対する異なる傾向と合理的に相関し得る:おそらくTSPはHAに対して濃度が上昇すると自己会合の傾向が大きく、自己凝集現象の結果として、遊離水に対して結合水分率の増加が起こると思われる。
次いで、水の緩和速度を、0.5%に等しい一定の総濃度を有するが、2種の構成成分の比率は可変であるTSP-HA混合物(溶液c)において測定した。測定値を、混合物と同じ濃度またはその総濃度において2種の純粋なポリマーに関して得られた測定値と比較した。TSPおよびHAの間のさまざまな重量比を用いて得られた結果により、3:2から4:1までの可変TSP/HA比により2種のポリマー材料間の相互作用が強力に協力するようになり、したがって最大濃度の単独ポリマーに特有なモル分率に対して結合水のモル分率の急激な増加をもたらすと結論付けることが可能である。
1%に等しい総濃度を有する溶液(溶液d)において、挙動は再現され、すなわち、6.4および8.2の間に含まれるTSP/HA比に関して、混合物中の水の緩和速度は、混合物中にそれらが個々に存在するのと同じ濃度および総合値(1%)に相当する濃度の両方において、TSPに関して測定した値およびHAに関して測定した値より大きい値まで急激に上昇する。したがって2種のポリマーの協力挙動が確認され、より決定的と思われるこの挙動は、それらの総濃度より、2種のポリマーの間の比に依存する。
ヒアルロン酸のアセチル基の縦緩和速度(下式)の測定
ヒアルロン酸のアセチルプロトンの縦緩和速度R1を、0.5%に等しい総一定濃度および可変TSP/HA比を有する混合物中で測定した。アセチル基の緩和速度R1の挙動は、総濃度0.5%を有するHA/TSP混合物において特に興味深く、HA濃度が上昇するが、同じ濃度においてTSPが存在せずに測定した絶対値よりさらに低い絶対値では緩和速度R1の低下がもう一度観察される。TSPの存在の結果としてアセチル基の緩和速度において発生する低下量は、3:2から4:1の可変比においてより高くなり、このギャップにおいて2種のポリマーの著しい相乗効果が確認される。
アセチルプロトンの緩和速度スピン-スピンR2もまた、純粋なポリマーおよびそのTPSとの混合物の両方において、同じ挙動をたどり、すなわち、HA濃度が上昇するにつれて緩和パラメーターの低下が得られるが、混合物中の緩和速度はより低く、純粋構成成分に対して混合物中の低下は、TSP/HA比が高いほど大きくなる。
総濃度0.5%におけるヒアルロン酸の存在下および不在下における、選択されたTSPプロトンの緩和速度スピン-スピンR2の測定
混合物のスペクトルにおいて、5.06ppm、4.85ppmおよび4.45ppmのTSPのアノマープロトンは、ヒアルロン酸のシグナルと一致せず、したがって、それらを、HAとの相互作用に関与するTSPのプロトンについての情報を得るという目標の基礎とした。
特に、グルコースおよびガラクトースの単位に相当する4.45ppmのプロトンは、他のプロトンに対して全く異なる方法で作用する。実際に、その値は、純粋構成成分溶液の濃度にほとんど依存しない。特に、HAの存在下の多くの点における同じ変化は、他のプロトンと異なり、HA含有量が増加する時、それは有意に減少する。この挙動は、HAとの相互作用の結果としてTSPに誘導された構造変化が原因に違いない。
結論
上で総合的に扱ったNMR研究の結果は、TSPおよびHAの相互作用が、2種のポリマーの間の重量比に依存して協力することを明らかに示す。このような相互作用は、主にTSPのグルコースおよびガラクトースの内部単位およびHAのアセチル基に関する構造変化をもたらす。対照的に、HAそれ自体のカルボキシル基は、影響を受けないように思われる。おそらく、イオン形態で存在する後者は、常に、HAが相互作用するTSPよりむしろ直面する相にそれら自体を配置する傾向があると思われる。後者の結論は、総濃度および2種のポリマー間の比の変化によるナトリウムの化学シフトについての効果がほとんどないことによって支持される。
2種のポリマーの水に結合する能力についての相互作用の効果は非常に重要であり、これは、純粋ポリマーに対して混合物においてより顕著である。実施した研究は、3.2および4:1の間に含まれるTSP/HA比の間隔の実在を明らかに示しており、水を組み込む混合物の能力は非常に高くなる。このような特性は、得られたポリマー混合物の接着特性および生体適合特性の目標にとって基本となると思われる。
人工涙液として市場にある調製品と比較した、動物モデルにおけるHAおよびTSPの混合物の有効性の評価
人工涙液の適用に関する仮定の1つは、涙液層の正常な状態である。眼は、流涙の質および量に影響するビデオ端末の使用、大気汚染、栄養および環境アレルギーならびにその結果コンタクトレンズの適用の可能性のために、ますます頻繁に流涙の問題を提示する。このことを考慮して、涙液層の変化は、人工涙液による療法の明確な拒否を必然的にもたらすことに留意すべきである。
人工涙液などの局所使用のための製品の長期投与を考慮して、水晶体混濁化および網膜の苦痛などの深刻な副作用がないことを保証できる、利用可能な試験を有することは特に重要である。
実施した前臨床試験の第1部分において、本発明に従った提案された製品の有効性および考えられる副作用を、健康な動物モデルにおいて、既に市場にある5種の他の製品との比較において評価し、代わりに、第2部分は、人工涙液を用いた治療に関与する現実の有利性をより徹底的に調査するために、適切な疾病モデルを利用する。
流涙試験
Schirmer I試験は、下の結膜の円蓋に外眼角に向かって、標準的な材料およびサイズのbibula紙片の導入を含む。紙片を、粘膜内に所定の期間(3分)放置し、前記期間の後、折りこみ部分を除く浸漬部分を測定する。涙液が上昇するために用いた時間および涙により浸漬された紙部分のmmの長さにより、涙の分泌量が提供される。
日常の実践において、1分の期間で試験を実施し、得られた値に3を掛けることが可能である。その後、反射的流涙により影響されない結果を、Schrimerにより規定された値と比較する。浸漬部分が(5分で)5mm未満の場合、病気が考えられる。
向日性植物紙の使用により実施されるpHの評価は、上皮においてあらゆる病的変化を明らかにするために重要である。涙のpHの正常値は男性で6.8および7.4の間、一方、ラットにおいて前記範囲はより高い値へ動く(7から8)。しかし、病的状態において、涙液は塩基性になる。
シダ状結晶形成試験は、導入部分においてその一般論を記載した。
角膜検査は、フルオレセインナトリウムによるマーキングを含み、その後角膜表面を蛍光顕微鏡で検査する。斑点のマーキングにより、眼表面のドライゾーンの存在、角膜乾燥の症状が明らかになる。代わりに、Lissamine Greenによるマーキングは、眼表面の潰瘍ゾーンおよび壊死ゾーンの存在を明らかにすることができる。
実験の実行
実験は、以下の実験群の設置を含み、各実験群は3匹のアルビノラット(=6個の眼)で構成された。
1. 対照群
2. 本発明に従った組成物(0.4%のヒアルロン酸+0.2%のTSP):(TSP+HA)
3. グリコールおよびヒドロキシプロピル-グアの混合物(Systaneの複数回投与用ボトル、Alcon):(Guar Gum)
4. 0.15%のヒアルロン酸(Blu Yal単回投与、Sooft):(HA 0.15%)
5. 0.4%のヒアルロン酸(Dropstar単回投与、Farmigea):(HA 0.4%)
6. ガラクトキシログルカン(TSP 0.2%単回投与、Farmigea):(TSP 0.2%)
7. 0.5%のカルボキシメチルセルロースナトリウム(Celluvisc単回投与、Allergan):
(CMC 0.5%)
8. 0.2%のヒアルロン酸(Hyalistil 0.2%、Sifi):(HA 0.2%)
第1相試験
第1相試験において、健康な動物のモデルにおいて製品の品質を評価した。動物を1日3回、5日間それぞれの溶液を用いて処理した。試験を、以下のモダリティを用いて実施した。
Schirmer I試験を、アトロピン投与の2、3、4および5日後に、すべての動物の両眼において、結膜円蓋の外部上皮にbibula紙片を3分間維持して実施した。pH測定を、0日目および5日目に適切な向日性植物紙を使用して実施した。シダ状結晶形成試験を、5日目に10μlの個々の製剤を2μlの人工涙液と混合した、さまざまな製剤を用いて、処理した動物に由来する涙液層の試料について実施した。混合物を、顕微鏡を用いて室温(20±1℃)で検査した。角膜検査を、アトロピン投与の3、4および5日後に実施した。フルオレセインおよびLissamine Greenを用いたマーキング後、角膜表面を、適切なフィルターを付けたランプを使用して観察した。
Schrimer試験の結果は、本発明の組成物を用いた動物処理および既に市場で利用できる他の製品を用いた動物処理において、涙量のどのような量的な差も示さなかった。さらに、涙のpHの評価は、本発明に従った製品または検査した他の製品のいずれか1つのどれに関しても、任意の病的変化は示さなかった。フルオレセインおよびLissamine Greenを用いたマーキング後の角膜検査は、市場で利用可能な他の物質に関して観察された結果と同様に、本発明に従った製品を用いた処理後、どちらも角膜の病的変化を示さなかった。シダ状結晶形成試験において生じた結晶化涙の画像は、さまざまな処理の比較において本質的な差を示さない。
したがって、第1相試験は、既に市場にある他の人工涙液製剤と同様に、提案する組成物と結膜-角膜の病的状態との間に負の相互作用が存在しないことを示した。
第2相試験
この検査相において、さまざまな動物モデル候補を評価し、アルビノラットのドライアイモデルを設定し、下記のように構成された2.5時間の3周期の使用を含む:
T0(0分):4mg/kgのアトロピンを腹腔内投与し、1%のアトロピンを局所適用する
T1(40分):8.5%の抱水クロラールを用いて麻酔し、連続かつ一定の乾燥空気流に1時間曝す。
T2(100分):空気流終了
T3(130分):1%の局所アトロピン
T4(150分):周期の終了
研究下の涙を用いて処理された動物に、T0からT2の30分後に、製剤の1回の局所投与を行った。
Schirmer試験の評価は、主に炎症-滲出型応答として、3周期の終わりには最大の流涙を示す。たとえ、動物間に見出される高いばらつきのため、有意な差を検出することが不可能であっても、本発明に従った組成物(TSP+HA)および0.5%のTSPによる低下傾向は明らかである。後者は、有害な刺激からのより優れた保護を指摘する。涙のpHの評価は、実験群のいずれの1つに関しても、3周期の後にどのような病的変化も示さなかった。
シダ状結晶形成試験に関しては、検出試験下の群の間に有意な差はないが、対照群と比較して、本発明の組成物を含むいくつかの製品において保護特性の存在を確認することができる。
潰瘍病巣または壊死病巣により関与された角膜表面パーセントとして評価されたフルオレセインおよびLissamine Greenを用いた角膜試験の結果は、上記の3回の周期の実行により誘導された損傷からのさまざまな製剤と同様の保護を示した。
結論として、上に報告された試験は、本発明に従った組成物と、結膜-角膜の生理学的状態との間に負の相互作用が存在しない(第1相試験)ことだけでなく、流涙の激しい低下の後の組織生理学的損傷からの優れた回復もまた立証した。前記試験により、提案する組み合わせが、人工涙液として、およびドライアイ症候群の治療において有効な使用のための適切な特徴を示すことの確立が可能である。
ドライアイ症候群の治療における0.2%のTSPおよび0.4%のHAの組み合わせの混合物の有効性についてのパイロット臨床研究
ドライアイ症候群の治療において、TSPおよびHAの組み合わせの有効性を評価するために、予備臨床試験を、両方の性別の二十一(21)例の対象(42の眼)について実施した。実験に含めることの基準は、眼の感染症がないこと、ドライアイと異なる任意の眼病がないこと(屈折率の変化は除外する)およびコンタクトレンズの使用がないことであった。
試験は、ブラインド評価を用い、ウォシュアウトステップのない、3つの平行群について調節され、ランダム化されたオープンスタディからなり、人工涙液として投与された製品は以下であった:
-研究群:TSP点眼液(TSP 0.2%)およびHA点眼液(HA 0.4%)の等重量比の混合物、以下「TSP+HA」と称される、
-第1対照群:点眼液0.2%のTSP(TSP、Farmigea)、以下「TSP」と称される、
-第2対照群:点眼液0.4%のHA(Dropstar、Farmigea)、以下「HA」と称される。
ランダム化の時に、患者は、眼科医により、3種の上記の製品を個々に比較して、2滴を1日2回、結膜嚢に直接自分で滴下することを指示された。
試験の第1のエンドポイントとして、治療開始から終了までの結膜微絨毛の数のスコア変化を決定した。第2のエンドポイントとして、自覚症状のスコア変化、他覚症状のスコア変化、結膜の細胞学的パターン(擦過)のスコア変化、複合スコア(以下に定義)のスコア変化および忍容性のスコア変化ならびに製品の安全性を決定した。
自覚症状、他覚症状、忍容性および安全性の評価を、オープンに実施し、一方、結膜の細胞学的評価および微絨毛の評価は、個々の対象に関係する治療について知らない観察者によりブラインドで実施した。
治療の総期間は、3つすべての患者群に関して60日(±8日)であった。
評価
微絨毛の評価-微絨毛についての治療の効果を、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて評価した。検査した個々の眼に関して、同じ領域における基礎離脱および最終離脱を得るために、血管格子を使用する基準点を特定した。個々の眼に関して別々に、上皮の試料を上側頭眼球結膜から「インプレッションサイトロジー」技術を使用して得た。
離脱を、検眼鏡検査後最短48時間から最長7日に実施した。数分前に、微絨毛研究のために試料を採取した同じ期間において、結膜擦過を細胞学的評価のために実施した。
その後、SEMを用いた検査のために試料を処理し固定し、4ポイント(1から4まで)の基準を使用して測定した。
自覚症状-これは、患者が以下の眼の症状:かゆみ、灼熱感、炎症、流涙に関して、先週に患った不快の自覚程度を述べるために訪れた時、個々の訪問(基礎または最終)期間に評価されたパラメーターの第1であった。患者により提供される直接情報に基づいて、実験の医師が、眼の不快感の総強度を4ポイント(1から4まで)の類推基準、1度は症状がないことを表し、2度は軽度の症状、3度は中程度の症状および4度は最も重度の症状を表す、に変換した。
他覚症状-上皮の苦痛および角結膜病巣拡大の可能性を、自覚評価後に決定した。自覚症状の決定後に、眼科医により細隙灯およびフルオレセインを用いて評価し、以下の基準に基づく4ポイントの類推基準(1から4)を用いて測定した:1度、上皮の苦痛はない、または1象限だけに限られている、2度、上皮の苦痛は2象限に限られている、3度、上皮の苦痛は2象限に明らかに影響を与え、他の象限にさらなる苦痛のシグナルがある、4度、上皮の苦痛は全眼表面に拡大している。
結膜細胞学-炎症の細胞構成要素を、結膜から擦過により、麻酔をせずに採取し、市場で見出されるMay-Grunwald溶液(メチレンブルーエオシン塩)を用いて固定した。
擦過を、検眼鏡検査後2から7日までの、微絨毛研究のために試料の離脱の予定を決めた同じ期間に実施した。
スライドを実験室において着色し、光学顕微鏡で観察した。評価を、4ポイントの基準に基づいて、ブラインドで実施した:1=上皮細胞だけおよび/またはリンパ球(+);2=リンパ球(+)、好中球(+);3=リンパ球(++)、好中球(++);4=リンパ球(++)、好中球(++)および/または好酸球(+)。
複合スコア-上記の4つのパラメーターの和を表し、全体的な有効性の代わりの指標として評価した。
安全性および忍容性-研究の対象となる製品の安全性および忍容性を、医師が患者に直接質問することによって決定した。
微絨毛の効果
述べたように、走査型顕微鏡で撮影した微絨毛の治療の効果を、4ポイントの基準を用いた評価により決定した。ランダム化の前に3つの群を完全に同質にし、「TSP」群は平均スコア3.0を有し、「TSP+HA」および「HA」群は平均スコア3.3を有した。さらに、データの分散は適度と思われ、変動係数はTSP、TSP+HA、HAに関してそれぞれ26%対22%対22%であった。
Table 1(表10)および図1および2に例示するように、治療60日後に、TSP群において結膜微絨毛の数のわずかな改善(-0,3ポイント)が観察され、基底値に対する-9.5%に等しかった(Wilcoxon検定においてNS)。同様に、HAを用いて処理した群において、60日後に平均改善0.3ポイントの挙動が観察され、基底値に対する-8.7%に等しかった(Wilcoxon検定においてNS)。
TSP+HAを用いて処理した群において、代わりに5倍以上の高い平均改善が観察され、正常に向かって動いたスコアは1.9ポイントであり、基底値に対して56.5%のパーセント改善に等しかった(Wilcoxon検定においてp<0.0001)。
以下のTable2(表11)に示すように、TSPだけ、またはHAだけを用いて処理した眼に関して起こった事と異なり、TSP+HAを用いて処理した14の眼は全部、60日後にスコアの改善(1から3ポイント)があった。
統計分析のために、Kruskal-Wallisの有意差検定を、基底観察および最終観察の間の差の絶対値に適用した。検査試料の数は比較的限られているにもかかわらず、分析により、治療群において統計的に非常に有意な差が示された(p<0.0001)。
添付の図3および4は、走査型電子顕微鏡を使用して、TSP+HAを用いて60日間治療した64歳の女性患者において結膜上皮上の微絨毛の存在の発達を示す。図3は、ほぼ完全に微絨毛がないため無毛上皮表面と評価でき、前述の基準に基づいてこの組織学的フレームをスコア4(微絨毛の存在の最大の低下)に指定した。同じ患者および同じ眼の結膜の同じゾーンにおいて、図4は、正常状態の実質的に典型的な微絨毛の豊かな生育を示し、このフレームをスコア1に指定することができる。
Table 2(表11)に指摘したように、TSP+HAを用いて治療した群において、3人の対象の4つの眼(28.6%)が、3に等しい微絨毛スコアの改善を示し、一方、同じ数の眼が、2ポイントに等しいスコアの改善を示した。6つの眼(42.9%)は、わずか1ポイントに等しいスコアの改善を示した。
自覚症状の効果
自覚症状の強さを上記のように、眼の不快感の強度の形態で、4ポイントの類推基準を用いて決定した。基底値においてスコアの絶対値(平均の最大のギャップは0.3ポイント)および,変動係数の形態で測定された分散値(TSP、TSP+HAおよびHAに関してそれぞれ33%対12%対29%)の両方の観点からすれば、3つの群は比較的同質に提示された。
治療60日後、図5および6のヒストグラムで例示したように、スコアは2.6のままで、TSP群において自覚症状の変化は観察されず、一方HAを用いて治療した群において、わずかな改善が観察され、統計的に関連はなく平均スコアの-0.2ポイントに等しかった(-7.7%)。
TSP+HAを用いて治療した群の改善は、目立ってより明らかであり、Wilcoxon検定において統計的に関連があり、1.0ポイントの平均スコアの低下を示し、基底値に対して35.0%に等しかった。
以下のTable 4(表13)に示すように、TSP+HAを用いた治療下の14のうち2つの眼だけが、自覚症状が悪化するスコアを示し、1つは変化がないままであり、一方、6つおよび5つの眼の改善が、それぞれ1および2ポイント記録された。
統計分析を、基底の観察および最終観察の間の差の絶対値に、Kruskal-Wallis検定を適用して実施し、3つの群の間に統計的に有意な差を示した(p=0.005)。
他覚症状の効果
他覚症状を、4つの角膜-結膜領域の疾患の度合いを、上記のように細隙灯を使用して評価することで、4ポイントの基準を用いて測定した。基底値において、3つの群はわずかな非同質性を提示し、統計的に関連はなく、TSP+HA群は平均スコアが2.8であり、TSP群のスコアより0.3ポイント高く、HA群のスコアより0.1ポイント高かった。データの分散結果は、3群すべてに関して比較的高く、変動係数は、TSP、TSP+HA、HAに関してそれぞれ41%対29%対34%であった。(表が続く)
図7および8のヒストグラムならびにTable 5(表14)によく示したように、治療60日後に、TSP群において、基底値に対して11.4%に等しい他覚症状のわずかな改善(-0,3ポイント)が観察された。HAを用いて治療された群の進歩はわずかであり、この群は60日後に、-0.1ポイント(-5.3%)に等しい平均スコアの低下を示した。両方の症例において、差は、Wilcoxon検定に関して統計的に関連はなかった。
TSP+HAを用いて治療した群において、代わりに、出発ポイントは基底値よりわずかに高いにもかかわらず、治療60日後に1.9の最も低い平均スコアが観察された。これは、-0.9ポイントの改善と同等であり、統計的に関連があり、基底値に対して33.3%の変動を表した。
以下のTable 6(表15)に示すように、TSP+HAを用いて治療した14の眼のわずか1つだけが他覚症状のスコアの悪化を有し、1つは変動がないままで、12が改善を有した。(表が続く)
統計分析を、基底の観察および最終観察の間の差の絶対値に、Kruskal-Wallis検定を適用して実施した。他覚症状に関して、患者の3つの群において観察された差が統計的に関連する(p=0.02)ことを確認することが可能である。
細胞学についての効果
炎症細胞の存在を、上記の基準に従って4ポイントの基準を用いて評価した。基底値において、ランダム化の前に3つの群は、たとえ統計的に関連のある方法でなくても非常に非同質であった。実際に、最も軽度であったHA群において平均スコアの1.9を検出し、TSP群においてスコアは2.1であり、最も重度のTSP+HA群において平均スコアの2.7を検出し、極端の間のギャップは0.8であった。さらに、データ分散は理にかなっており、変動係数は、TSP、TSP+HA、HAに関してそれぞれ44%対37%対55%であった。(表が続く)
Table 7(表16)および添付の図9および10は、治療60日後にTSP群およびHA群の両方において、細胞学的プロファイルのわずかな悪化が観察された。対照的に、TSP+HAを用いて治療した群において、細胞学的プロファイルにおいて強力な改善が観察され、たとえ統計学的に関連しなくても、平均スコア2.7から1.9の値になり、基底値に対して28.9%のパーセント改善であった。
以下のTable 8(表17)に示すようにTSP+HAを用いて治療した14のうち7つの眼が、60日後スコアの改善を示し、6つは変化のないままで、1つが悪化した。
他のパラメーターと同様に、統計分析の有意差Kruskal-Wallis検定を、基底観察および最終観察間の差の絶対値について適用した。この分析により、群の間の統計的に関連のある差(p=0.031)が立証された。
複合スコア
述べたように、複合スコアは、上記の4つのパラメーター(微絨毛、自覚症状、他覚症状、細胞学)の和を表し、全体的な有効性の代わりの指標である。その最大理論値は16である。群の間のバランスが崩れる可能性の供給源にもかかわらず、主に細胞学によるランダム化の後で、以下の表からもたらされるように基底値において3つの群は十分同質であった。
治療60日後に、図11および12において示すように、TSP群において、基底に対する実質的変化は検出されなかった。HAを用いて治療した群において同様の挙動が認められ、60日後に0.5ポイントの改善が起こり、基底値に対して-4.7%に等しかった(NS)
TSP+HAを用いて治療した群において観察された改善は、約10倍高く、統計的に高度に関連し、基底値に対して39.3%に等しい-4.5ポイントであった。改善は、Wilcoxon検定に対して高度に有意であった。
複合スコアに関してさらに、統計分析のためにKruskal-Wallis検定を基底観察および最終観察の間の差の絶対値に適用し、高度に有意であった(p<0.0001)。
安全性および忍容性
記載したパイロットスタディに使用した治療において、通常数分続く製品の滴下に伴う一時的霧視に関する稀なフィードバックを除いて、忍容性ならびに局所または全身の安全性につながる問題は少しも報告されなかった。他の代用涙液に関しても周知であるこのような効果は、3つの群において差は示さなかった。
結論
研究結果に基づいて、同じ点眼薬中でTSPおよびヒアルロン酸の組み合わせが相乗効果を生み出し、2種の製品を個々に投与した場合には得られない結果を示すことの十分な臨床的証拠が存在し、さらに走査型電子顕微鏡を用いて実施した評価により支持されると結論付けることができる。
このような顕微鏡的証拠は、相乗効果の根本には、組み合せたHAおよびTSPにさらされた結膜上皮の状態の迅速な改善があり、微絨毛の再生をもたらすことを示す。それらの変化において、結膜上皮についての効果は、ドライアイ症候群を特徴付ける自覚症状および他覚症状の改善を生み出す。
本発明は、それらのいくつかの特定の実施形態を特に参照して開示しているが、修正および変形は当業者により、添付の特許請求の範囲に定義した、本発明の範囲を逸脱することなく実施可能であると理解するべきである。

Claims (16)

  1. 0.05から2質量%のタマリンド種子多糖および0.05から1質量%のヒアルロン酸を水溶液中に組み合せて含有する、代用涙液としての使用のための点眼薬。
  2. 0.1から1質量%のタマリンド種子多糖および0.1から0.5質量%のヒアルロン酸を含む、請求項1に記載の点眼薬。
  3. 前記タマリンド種子多糖が、450,000Daから750,000Daの範囲に含まれる分子量を有する、請求項1または2に記載の点眼薬。
  4. 前記ヒアルロン酸が、600,000Daから1,000,000Daの範囲に含まれる分子量を有する、請求項1から3のいずれか一項に記載の点眼薬。
  5. 0.2質量%のタマリンド種子多糖および0.4質量%のヒアルロン酸を水溶液中に含む、請求項1に記載の点眼薬。
  6. 1種または複数種の浸透圧調節剤をさらに含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の点眼薬。
  7. pH調整剤として、眼科的に許容可能な1種または複数種の酸または塩基をさらに含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の点眼薬。
  8. 1種または複数種の緩衝液をさらに含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の点眼薬。
  9. 1種または複数種の保存料をさらに含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の点眼薬。
  10. 1種または複数種のキレート剤をさらに含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の点眼薬。
  11. タマリンド種子多糖およびヒアルロン酸の組み合わせを有効成分として有する水溶液からなる、代用涙液としての使用のための医薬組成物
  12. タマリンド種子多糖およびヒアルロン酸の組み合わせを有効成分として有する水溶液からなる、ドライアイ症候群の治療のための医薬組成物
  13. 0.05から2質量%のタマリンド種子多糖および0.05から1質量%のヒアルロン酸を含む、請求項11または12に記載の医薬組成物
  14. 0.1から1質量%のタマリンド種子多糖および0.1から0.5質量%のヒアルロン酸を含む、請求項13に記載の医薬組成物
  15. 前記タマリンド種子多糖が、450,000Daから750,000Daの範囲に含まれる分子量を有する、請求項11から14のいずれか一項に記載の医薬組成物
  16. 前記ヒアルロン酸が、600,000Daから1,000,000Daの範囲に含まれる分子量を有する、請求項11から15のいずれか一項に記載の医薬組成物
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