JP5542596B2 - 帯鋸切断機 - Google Patents
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Description
本発明は、以上のような各課題を改善し、克服するために提案されたものであって、特に、帯鋸とバイスの直角方向の切断精度が悪化する対策として、フレーム部の取付け角度を調整する際に、より確実、簡敏な手法で高精度に調整できるようにした、帯鋸切断機を提供することを目的としている。
そのために斜断補正機構の揺動操作部を操作して主軸を揺動させることで、主軸と一定の傾斜角度で支持されるフレーム部の傾斜角度を、実質的に増減調整し、切断ずれを補正することができる。
また、被加工材固定保持手段は、固定バイスと可動バイスと、可動バイスをベース長手方向に進退移動せしめて、固定バイスと可動バイスとの間にセットした被加工材を締め付け固定、締め付け解除するための操作ハンドルと、被加工材を上方から締め付ける上部バイスとを備えた平バイスユニット部で構成される。
図1、図2、図3、図4に、本発明にかかる帯鋸切断機10を示す。
この帯鋸切断機10は、施工現場に搬入して、被加工材の切断加工を行い、迅速な施工が可能な可搬型帯鋸切断機である。すなわちこの帯鋸切断機10は、搬送車輪11を備えたベース12上に、被加工材Wを載置して、被加工材Wを所定の角度方向に位置決め固定する被加工材固定保持手段13と、ベース12に主軸14を介して、所定角度傾斜させて基端部が回動自在に支持されたフレーム部15とを具備する。
そして、このフレーム部15には駆動機構16が搭載され、この駆動機構16によって駆動されるエンドレスの帯鋸17が所定範囲、露出されるように配設された構成としている。
なお、平バイスユニット部13には、詳細は説明しないが、固定バイス132aと可動バイス132bとの間に被加工材Wをセットして締め付け固定した際に、被加工材Wの水平方向の支持方向を調整する手段を備えている(図5参照)。被加工材Wの、水平方向の支持方向を調整することで、後述する被加工材Wの水平方向の斜め切れを補正する構成である。
かかる主軸14には斜断補正機構20が設けられ、主軸14の長手方向一端側寄りの適宜な軸止め箇所(後述)を揺動中心部として、ベース上に所定角度範囲で揺動可能に取り付けられている。
そして斜断補正機構20には、詳細は後述するが、主軸14の長手方向他端側に揺動操作部が設けられ、主軸14の一端側寄りの軸止め箇所を中心にして、揺動操作部によって主軸14を揺動させることでフレーム部15の傾斜角度を調整し、帯鋸17による被加工材Wに対する垂直方向の切断ずれを補正するようにしている。
フレーム部15は、中央に取り囲むような空間を形成するアーチ形状の枠体で構成されている。かかる枠体の双方の端部には、駆動機構16を構成する駆動プーリ161と、従動プーリ151とがそれぞれ配設されている。また、フレーム部15中間部にはフレーム部15に沿って複数のガイドローラ152が配設されている。
そして、フレーム部15には、駆動プーリ161、ガイドローラ152、従動プーリ151を介し、エンドレスの帯鋸17が掛け渡して構成されている。駆動プーリ161には、駆動モータ162が、ギア(図示省略)を介して動力的に結合され、駆動モータ162によって、帯鋸17を周回駆動する構成である。
枠体の双方の端部における駆動プーリ161と、従動プーリ151とには、それぞれガイド手段としてのセリヘッド153a、153bが配設されている。
これらセリヘッド153a、153bは、水平方向に載置固定された被加工材Wに帯鋸17が直交方向から切り込むことができるように、帯鋸17を、主軸14に対する略45度の傾斜角度で取り付けられたフレーム部15の基端部に対応して、略45度ひねって、帯鋸17を枠体の双方の端部間の加工領域にガイドするようにしている。
斜断補正機構20は、ベース12上に、主軸14の一端側寄りの軸止め箇所としての揺動中心部201を有する。この揺動中心部201は、主軸14の軸心に直交する方向の貫通穴201aと、この貫通穴201aに挿通されるピン201bとを有する。これにより主軸14は、揺動中心部201を介してベース12上に揺動可能に支持されている。
そして斜断補正機構20は、主軸14の他端側寄りの位置に揺動操作部202として、主軸14が挿通される調節ゲート部材203と、調節ゲート部材203の位置において、ベース12に植設された当たりボルト204と、この当たりボルト204に対して、調節ゲート部材203に挿通される主軸14に直交して螺入貫通し、当たりボルト204に軸方向に当接する調節ボルト205とを具備する。
この調節ボルト205は、当たりボルト204を基準として螺進退調節することで、主軸14を、主軸の一端側寄りの軸止め箇所におけるピン201bを中心に揺動せしめる構成である。
そして当たりボルト204には、頭部204aを基準高さとする機能を維持するために、当たりボルト204を固定するための止めねじ206が、当たりボルト204の軸心に直交するように貫通螺着されている。
また、調節ゲート部材203には、貫通ねじ穴141に螺入される調節ボルト205の頭部205aが、挿通孔203hの上部内面に回動可能に嵌合している。さらに、調節ボルト205の頭部205aには、調節ボルト205を螺進退操作するための六角溝205mが刻設されている。
そして、調節ゲート部材203の外側上面には、挿通孔203hの上部内面に嵌合される調節ボルト205の頭部205aの六角溝205mに連通する、連通孔203aが形成されている。作業者は調節ゲート部材203の外側上面から、連通孔203aを介して六角レンチ(図示省略)等の工具を挿入して、調節ボルト205を螺進退操作する。
先ずは、平バイスユニット部13の被加工材載置架台131に配設した可動バイス132bを、ベース長手方向に進退移動せしめて、固定バイス132aと可動バイス132bとの間に被加工材Wを載置する。
次いで、操作ハンドル133を操作して、被加工材Wを締め付け固定する。この際、上部バイス132cによって、被加工材Wを上方から押さえ込むように締め付けることで、被加工材Wのセットが完了する。
もし、図5に示すように、被加工材Wの水平方向の斜め切れが発生しているのであれば、平バイスユニット部13に設けられた水平方向の支持方向を調整する手段によって、被加工材Wの、水平方向の支持方向を調整することで、被加工材Wの水平方向の斜め切れを補正することができる。
かかる垂直の斜め切れを補正するには、フレーム部15の傾斜支持角度を調整すればよい。これは、エンドレスの帯鋸17がフレーム部15から露出する箇所の刃先の切り進む方向は、フレーム部15の傾斜支持角度とは一定の関係があることから、フレーム部15の傾斜支持角度を調整すれば、帯鋸17の切り進む方向を補正できるためである。
そのために、斜断補正機構20によって、主軸14を揺動させることにより、フレーム部15の傾斜角度を補正する。
このように、フレームの傾斜角度を調整する際、斜断補正機構の揺動操作部における調節ゲート部材において、調節ボルトのみを適宜な操作工具により、螺進退調節操作を行うことで帯鋸の切り進む方向を補正することができるので、複数個所でねじ調節する方式に比較して、明らかに調整作業は簡単、確実であり、しかも高精度な切断ずれの補正が可能となる。
11 搬送車輪
12 ベース
13 平バイスユニット部
131 被加工材載置架台
132a 固定バイス
132b 可動バイス
132c 上部バイス
133 操作ハンドル
14 主軸
141 貫通ねじ穴
15 フレーム部
151 従動プーリ
152 ガイドローラ
153a、153b セリヘッド
16 駆動機構
161 駆動プーリ
162 駆動モータ
17 帯鋸
18 軸受
20 斜断補正機構
201 揺動中心部
201a 貫通穴
201b ピン
202 揺動操作部
203 調節ゲート部材
203h 挿通孔
203a 連通孔
204 当たりボルト
204a 頭部
205 調節ボルト
205a 頭部
205m 六角溝
204 挿通孔
206 止めねじ
W 被加工材
Claims (4)
- ベース上に載置される被加工材を固定する被加工材固定保持手段と、前記ベース上に配置される主軸と、該主軸に所定角度傾斜させて回動自在に支持されたフレーム部とを具備し、このフレーム部に搭載された駆動機構によって周回駆動される帯鋸で前記被加工材を切断する帯鋸切断機であって、
前記主軸の長手方向の一端側寄りの位置に設けた揺動中心部と、前記主軸の長手方向の他端側寄りの位置に設けて、前記主軸の他端側寄りの部分を上下動させる揺動操作部と、を具備し、前記主軸を前記揺動操作部により、前記揺動中心部回りに揺動調節することで前記フレーム部の傾斜角度を調整して、前記帯鋸による被加工材に対する切断ずれを補正する斜断補正機構、
を備えたことを特徴とする帯鋸切断機。 - 前記斜断補正機構における揺動操作部は、前記主軸の他端側寄りの位置において主軸が挿通される調節ゲート部材と、
該調節ゲート部材に対応する位置において、前記ベースに植設された当たりボルトと、
前記調節ゲート部材に挿通される主軸に直交すると共に、前記当たりボルトに軸方向に当接する調節ボルトと、を具備し、
前記当たりボルトを基準として、前記調節ボルトを進退調節することで、前記主軸を、前記主軸の揺動中心部を中心に揺動調節して前記フレーム部の傾斜角度を調整せしめるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の帯鋸切断機。 - 前記斜断補正機構は、前記帯鋸による被加工材の軸線方向と直交する方向の切断ずれを補正するものであることを特徴とする請求項1または2に記載の帯鋸切断機。
- 前記被加工材固定保持手段は、固定バイスと可動バイスと、可動バイスをベース長手方向に進退移動せしめて、固定バイスと可動バイスとの間にセットした被加工材を締め付け固定、締め付け解除するための操作ハンドルと、前記被加工材を上方から締め付ける上部バイスとを備えた平バイスユニット部で構成されることを特徴とする請求項1に記載の帯鋸切断機。
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