[実施例1]
{電子写真画像形成装置例の全体構成}
図1の(a)は本実施例における電子写真画像形成装置100の外観斜視図、(b)は装置100の縦断右側面図である。図2の(a)は図1の(b)の部分的拡大図である。装置100は電子写真感光体ドラムを有する4つのプロセスカートリッジをそれぞれ装置本体内の対応するカートリッジ装着部に取り外し可能に装着した状態で、記録媒体にカラー画像を形成するインライン方式のカラー電子写真画像形成装置である。電子写真感光体ドラムを露光する発光部材(露光装置)にはLEDユニット(LEDヘッドアレイ、LED方式の露光装置)を用いている。より詳しくは、装置100は、電子写真プロセスを用いた、4色フルカラーのLEDプリンターである。パソコン・イメージリーダー等のホスト装置200から制御回路部(コントローラ)101に入力する電気的な画像情報(画像信号)に基づいて記録媒体にカラー画像形成を行う。
以下の説明において、装置100に関して、前側(正面側)とは装置開閉ドア(前扉)31を配設した側である。後側(奥側)とはそれとは反対側である。前後方向とは、装置の後側から前側に向かう方向(前方向)と、その逆の方向(後方向)である。左右とは装置を前側から見て左または右である。左右方向とは、右から左に向かう方向(左方向)と、その逆の方向(右方向)である。上下とは重力方向において上または下である。装置本体100Aとはプロセスカートリッジを除いた装置100の構成部分である。記録媒体とは、装置100によって画像が形成されるものであって、例えば、用紙、OHTシート、封筒、葉書、ラベル、布などが含まれる(以下、記録材と記す)。
装置本体100A内には垂直に対して後側に傾斜する方向において下から上に順に第1乃至第4の4つのカートリッジ装着部102(102Y・102M・102C・102K)が配設されている。そして、各装着部102に対してそれぞれ異なった色の現像剤を収納している第1乃至第4の4つのプロセスカートリッジP(PY・PM・PC・PK)が取り外し可能に装着されている。各装着部102は互いに同じ構成である。装着部102の構成については後述する。
各カートリッジPは、それぞれ、電子写真感光体ドラム1とドラム1に形成された静電潜像を現像剤により現像するための現像手段3とを有していて、収納されている現像剤の色が異なるだけで、互いに同様の電子写真プロセス機構である。本実施例のカートリッジPは、ドラム1と、ドラム1に作用するプロセス手段としての帯電手段2、現像手段3、及びクリーニング手段4をカートリッジ枠体5に所定の相互配置関係をもって一体的にカートリッジ化したものである。ドラム1は枠体5に対して軸受け部材(不図示)を介して回転可能に支持されている。カートリッジPはドラム1の回転軸線方向を長手方向とするアセンブリであり、ドラム1の回転軸線方向の一端側が駆動側、他端側が非駆動側である。帯電手段2はドラム1の周面を所定の極性・電位に一様に帯電する手段であり、接触帯電部材である帯電ローラを用いている。現像手段3はドラム1に形成された静電潜像を粉体現像剤(トナー)により現像剤像(トナー像)として顕像化する手段である。現像手段3は、ドラム1に現像剤を適用するための現像部材としての現像ローラ3a、現像ローラ3aに現像剤を供給するための供給ローラ3b、現像剤を収容した現像剤収容部3c等を有する。クリーニング手段4は記録材Sに対する現像剤像転写後のドラム表面から転写残現像剤を除去する手段であり、クリーニング部材としてのクリーニングブレード4a、廃現像剤収容部4b等を有する。
図8の(a)はカートリッジPを正面側から見た外観斜視図であり、シャッタ52が開かれている状態を示している。(b)はそのカートリッジPを背面側から見た外観斜視図である。枠体5の左右側には、それぞれ、カートリッジ正面側に突出して設けられた取手部51L・51Rと、ドラム1の回転軸線と同軸に位置決め部52L・52Rと、挿入ガイド部53L・53Rが有る。また、枠体5の左右側には、それぞれ、U字溝部54L・54Rが設けられている。このU字溝部54L・54Rは、後述する転写ユニット(搬送ベルトユニット)7が有する転写部材としての転写ローラ11を回転可能に支持する左右側の軸受け部(軸部)73L・73R(図3の(b))と対向する位置に設けられている。シャッタ52はドラム1を保護する部材であり、枠体5に設けられている。シャッタ52は開閉機構(不図示)によりカートリッジPの正面側であるドラム外部露出開口窓部55を隠蔽した閉じ位置と、窓部55から下方にシフトした開き位置とに開閉動可能である。シャッタ52は、カートリッジPが装置本体100Aから取り出されている状態においては、窓部55を隠蔽してドラム1の前面を保護する閉じ位置に保持されている。また、シャッタ52は、カートリッジPが装置本体100Aの装着部102に挿入されてドア31が閉鎖位置Aに閉じられると、ドア31の閉じ動作に連動する手段(不図示)により開き位置に移動する。そして、ドラム1の正面外部露出部に対して転写ユニット7のベルト10が接触した状態になる。
第1のカートリッジPYは、収容部3cにイエロー(Y)色の現像剤が収容されていて、ドラム1面にY色の現像剤像を形成する。第2のカートリッジPMは、収容部3cにマゼンタ(M)色の現像剤が収容されていて、ドラム1面にM色の現像剤像を形成する。第3のカートリッジPCは、収容部3cにシアン(C)色の現像剤が収容されて、ドラム1面にC色の現像剤像を形成する。第4のカートリッジPKは、収容部3cにブラック(K)色の現像剤が収容されていて、ドラム1面にK色の現像剤像を形成する。各カートリッジPが対応の装着部102に所定に装着されて画像形成位置に位置している状態において、カートリッジP側の駆動入力部(不図示)に対して装置本体100A側の駆動出力部(不図示)が結合している。また、カートリッジP側のバイアス入力部(不図示)に対して、装置本体100A側のバイアス出力部(不図示)が結合している。また、画像形成位置に位置している各カートリッジPのドラム1に対して、それぞれ、装置本体100A側の露光装置としてのLEDユニット6がドラム1を露光するための所定の露光位置に位置している。図12は、ドラム1を露光するための所定の露光位置Zに位置しているユニット6の先端部側の拡大横断面図である。ユニット6は、ドラム1の回転軸線方向(長手方向)に並んで設けられ、ドラム1を露光するために画像情報に応じて発光する複数個の発光素子としてのLED(発光ダイオード)6aを有する発光部材である。また、ユニット6は、LED基板6b、セルフォック(登録商標)レンズ6cを有する。レンズ6cは、LED6aから発光された光線を収束してドラム1に露光するためのレンズである。即ち、ユニット6は、制御回路部101から入力される画像情報に対応して複数個のLED6aが選択的に発光制御されて、帯電ローラ2で帯電処理された、回転するドラム1の表面を主走査露光して画像情報に対応した静電潜像を形成する露光手段である。本実施例の装置100においては、ユニット6は、ホスト装置200から制御回路部101へ入力するY・M・C・Kの各色の画像情報に対応して変調した光L(LY・LM・LC・LK)を出力して対応色のカートリッジPにおけるドラム1を走査露光する。これをまとめると、発光部材であるユニット6は、カートリッジPが画像形成位置Cに位置決めされている状態で露光位置Dに位置決めされている。そして、ドラム1の長手方向に複数個並んで設けられ、ドラム1を露光するために画像情報に応じて露光する複数個の発光素子を有する。
第1乃至第4の装着部102(102Y,102M,102C,102K)の前面側には転写ユニット7が配設されている。ユニット7は、上下並行2本の駆動ローラ8および従動ローラ9と、このローラ8・9間に張設されたエンドレスの搬送ベルト10と、各カートリッジPのドラム1(電子写真感光体ドラム毎)に対応する4本の転写ローラ(転写部材)11を有する。ベルト10は駆動ローラ8により駆動され、各装着部102に装着されているカートリッジPのすべてのドラム1に対向し、かつ接するようにして、矢印の時計方向に所定の速度で循環移動する。各ローラ11は、それぞれ、対応するドラム1との間でベルト10を挟むようにベルト内面に当接した状態で設けられる。各カートリッジPにおいて、ドラム1とベルト10との接触部(ニップ部)が転写部Tである。ローラ11は現像手段3によってドラム1に形成された現像剤像を記録材Pに転写するための転写部材であって、装置本体100Aに回転可能に位置決めされている。
装置本体100Aの下側にはカセット12が配設されている。カセット12にはシート状の記録材Sが積載されている。カセット12は装置100の前側から出し入れ自由である(フロントローデング)。カセット12内の記録材Sは給送ローラ13が駆動されることにより、最上位の記録材Sが分離部材(不図示)との協働で装置本体100A内の前側に一枚分離給送される。そしてガイドにより上方に案内されてユニット7の下方部に配設されているレジストローラ対14によりレジストされる。ユニット7の上方部には定着装置15が配設されている。装置15は記録材Sに形成された未定着の現像剤像を熱と圧力を加えて固着像として定着させる装置である。装置本体100Aの上面には、画像形成済みの記録材を排出口16から受ける排出トレイ17が配設されている。
フルカラー画像を形成するための動作は次のとおりである。画像形成スタート信号に基づいて、各カートリッジPのドラム1が矢印の反時計方向に所定の速度で回転駆動される。ベルト10も矢印の時計方向(ドラム回転に順方向)にドラム1の速度に対応した速度で回転駆動される。また、ローラ13が駆動されてカセット12から記録材Sが一枚分離給送され、ローラ対14によりレジストされてユニット7の従動ローラ9の側からベルト10の上行側ベルト部分の面に送出される。記録材Sはベルト面に静電吸着されてベルト10の移動により上方に搬送されていく。また、各カートリッジPにおいてそれぞれ所定の制御タイミングでローラ2に対して所定の帯電バイアスが印加されてドラム1の表面が所定の極性・電位に一様に帯電される。ユニット6は制御回路部101から入力される画像情報に対応して複数個の発光素子としてのLEDが選択的に発光制御されて、ローラ2により帯電処理されたドラム1の表面を主走査露光する。これにより、各ドラム1の表面に対応色の画像情報に応じた静電潜像が形成される。形成された静電潜像は、ローラ3aにより現像剤像として現像される。ローラ3aには所定の制御タイミングで所定の現像バイアスが印加される。
上記のような電子写真画像形成プロセス動作により、第1のカートリッジPYのドラム1にはフルカラー画像のY色成分に対応するY色現像剤像が形成される。第2のカートリッジPMのドラム1にはフルカラー画像のM色成分に対応するM色現像剤像が形成される。第3のカートリッジPCのドラム1にはフルカラー画像のC色成分に対応するC色現像剤像が形成される。第4のカートリッジPKのドラム1にはフルカラー画像のK色成分に対応するK色現像剤像が形成される。そして、それらの現像剤像が、ベルト10に静電吸着して各カートリッジPの転写部Tを順次に通過していく記録材Sの面に順次に重畳して転写される。ローラ11には電源部(不図示)から現像剤の帯電極性とは逆極性で所定電位の転写バイアスが印加される。これにより、第4のカートリッジPKの転写部Tを出た記録材Sの面にはY色+M色+C色+K色の4色重畳のフルカラーの未定着現像剤像が形成される。各カートリッジPにおいて、転写後のドラム1の表面に残留した現像剤はクリーニング手段4により除去される。第4のカートリッジPKの転写部Tを出た記録材Sは、ユニット7の駆動ローラ8の曲率によりベルト10の面から曲率分離して定着装置15に導入されて、未定着現像剤像の定着処理を受ける。そして、記録材Sは定着装置15を出てフルカラー画像形成物として排出口16からトレイ17上に排出される。
{カートリッジ交換方式}
各カートリッジP(PY,PM,PC,PK)は、画像形成に使用されるにつれて、それぞれ、収容されている現像剤(トナー)が消費される。そこで、例えば、個々のカートリッジPの現像剤残量を検知する手段(不図示)を具備させて、制御回路部101において、検知残量値を、予め設定したカートリッジ寿命予告や寿命警告のための閾値と比較させる。そして、検知残量値が閾値よりも少ない残量値となったカートリッジについては、表示部(不図示)に、そのカートリッジについての寿命予告あるいは寿命警告を表示させる。これにより使用者に、交換用のカートリッジの準備を促す、あるいはカートリッジの交換を促して、出力画像の品質を維持するようにしている。
本実施例の装置100においては、カートリッジPの交換は、ユーザビリティ向上のために、フロントアクセスにより交換する方式である。即ち、装置本体100Aの前面側には、各カートリッジPを対応する装着部102へ挿入する、及び、各カートリッジPを対応する装着部102から取り出すために、カートリッジPを通過させる開口部103が設けられている。そして、開口部103を閉じる閉鎖位置Aと、開口部103を開放する開放位置Bと、の間を移動可能な開閉部材としてのドア31が設けられている。本実施例においては、ドア31は下辺側の横軸(ヒンジ軸)31bを中心に装置本体100Aに対して開閉回動可能である。即ち、ドア31は、ヒンジ軸31bを中心に立て起こし方向に回動して、図1の(a)・(b)ように、開口部103に対して閉じ込んだ状態にすることができる。このドア31の閉じにより開口部103が閉鎖される。閉鎖位置Aにあるドア103は掛け止め機構或いはトグル機構(不図示)によりその位置に保持される。
また、閉鎖位置Aにあるドア103は、使用者が取手部31aに手指を掛けて掛け止めを解除して或いはトグル力に抗して軸31bを中心に装置本体100Aの手前側にほぼ水平に倒し回動する。これにより、図2の(b)、図3の(a)のように、開放位置Bに移動することができる。開放位置Bに移動されたドア31はその位置に保持される。本実施例においては、ドア31の上記の開閉動に連動してユニット7もドア31と一緒に開口部103に対して開閉動する構成である。図2の(b)はユニット7を含むドア31が開放され、全てのカートリッジPが装着部102から取り出されている状態の装置本体100Aの斜視図である。図3の(a)は同状態の縦断右側面図、(b)はユニット7の内面側を見た斜視図である。ユニット7は、下部側の左右部にそれぞれ回動支点部71L・71Rを有する。それらの支点部71L・71Rは、それぞれ、図4のように、装置本体100Aの骨格をなすメインフレーム104の左側フレーム104Lと右側フレーム104Rとに設けられた支持部105L・105Rに対して回動可能に支持されている。従って、ユニット7は回動支点部71L・71Rを中心に装置本体100Aに対して回動可能である。また、ユニット7は上部側において左右のリンク32を介してドア31に対して連結されている。従って、ユニット7はドア31の開閉動に連動してドア31と一緒に開口部103に対して開閉動する。
ユニット7は、ドア31が図1の(a)・(b)のように閉鎖位置Aにある状態において、装置本体100Aに対して所定の転写位置Cに位置決めされている。この位置決めと位置決め解除について図4乃至図7により説明する。左右のフレーム104L・104RLには、それぞれ、ユニット7の上部の駆動ローラ8を支持する左右の軸受け部72L・72Rを受けるための位置決め凹部106L・106Rが設けられている。また、左右のフレーム104L・104R間にはロックレバー軸108が配設されている。軸108は左右両端部が左右のフレーム104L・104Rにそれぞれ設けられた軸受け穴部109に挿入されて回転可能に支持されていている。軸108の左右両端部には、それぞれ、軸108と一体に左右一対のロックレバー107L・107Rが配設されている。レバー107L・107Rは、左側のレバー106Lと左側フレーム104Lとの間に配設されているトグルバネ110の付勢力によりロック位置D側又はロック解除位置E側に回動付勢される。
ドア(開閉部材)31が閉鎖位置Aにある状態においては、ユニット7の軸受け部72L・72Rがトグルバネ(弾性部材)110によりロック位置D側に回動付勢されているレバー107L・107Rで位置決め凹部106L・106Rに対して押え込まれている。図4はこの状態時を示している。この状態時において、ユニット7が装置本体100Aに対して所定の転写位置C(図1の(b))に位置決めされている。その際、回動支点部71L・71Rのフレーム104L・104Rに設けた支持部105L・105Rは長丸穴の構成とする(特許第4290105号公報)。
閉鎖位置Aにあるドア(開閉部材)103が、掛け止めを解除して或いはトグル力に抗して軸31bを中心に開き方向に回動されると、ドアスイッチ(キルスイッチ:不図示)がオフになり、装置100の電源回路(不図示)が開成状態に保持される。また、ドア31の開き回動の初期において、ドア31の開き動作に連動する連動機構(不図示)により、ユニット7側の駆動入力部(不図示)と装置本体100A側の駆動出力部(不図示)との結合が解除される。及び、カートリッジP側の駆動入力部(不図示)と装置本体100A側の駆動出力部(不図示)との結合が解除される。また、ドア31側の作用部材(不図示)が右側レバー107Rの被作用ピン111に接触する。そして、レバー107L・107Rがトグルバネ(弾性部財)110の付勢力(弾性力)に抗してロック位置D側からロック解除位置E側に向かって回動される。その回動途中から、レバー107L・107Rのトグルバネ110による付勢方向がロック解除方向になる。これによって、レバー107L・107Rがロック解除位置E側に積極的に回動してロック解除位置Eに転換される。これにより、軸受け部72L・72Rの位置決め凹部106L・106Rに対する位置決めが解除される。ドア31の引き続く開き回動に伴いユニット7がリンク32に引かれて回動支点部71L・71Rを中心にドア31と一緒に開き回動を始める。図5はこの状態時を示している。そして、ユニット7を含むドア31が開放位置Bに開かれると、装置本体100Aの開口部103が大きく開放されて装着部102に対するアクセスが可能となる。
各カートリッジPのシャッタ52はドア31の開き動作に連動して開き位置から閉じ位置に移動する。装着部102に装着されている各カートリッジPの取り出しは、カートリッジPの左右側からカートリッジ前側に突出している左右の取手部51L・51Rを左右の手で握る。そして、カートリッジPを装着部102から手前側に引き抜く。これにより、カートリッジPが装置本体100Aから取り出される。逆に、装着部102に対するカートリッジPの装着は、カートリッジPの左右の取手部51L・51Rを手で握ってカートリッジPを持ち、カートリッジPを背面側を先にして装着部102に十分に挿入する。本実施例においては、各カートリッジPは対応する装着部102に水平に対して斜め下向きの方向に挿入される。図3の(a)において、矢印X方向がカートリッジ挿入方向(装着方向)、それとは逆方向の矢印Y方向がカートリッジ取り出し方向である。
カートリッジPの交換を終えたらユニット7を含むドア31を開放位置Bから閉鎖位置Aに回動する。装着部102に装着されているカートリッジPのシャッタ52はドア31の閉じ動作に連動して閉じ位置から開き位置に移動する。そして、ドア31が閉鎖位置Aに至る少し前において、ユニット7の軸受け部72L・72Rが位置決め凹部106L・106Rに対応して位置する。ドア31の更なる閉じ回動過程において、ロック解除位置Eに回動されている右側のレバー107R側のピン111にドア31側の作用部材が接触する。そして、レバー107L・107Rがトグルバネ110の付勢力に抗してロック解除位置Eからロック位置D側に向かって回動される。その回動途中から、レバー107L・107Rのトグルバネ110による付勢方向がロック位置D側の方向になる。これによって、レバー107L・107Rがロック位置D側に積極的に回動する。これにより、軸受け部72L・72Rがレバー107L・107Rにより位置決め凹部106L・106Rに対して押え込まれた状態に復帰して、ユニット7が装置本体100Aに対して転写位置Cに位置決めされる。即ち、ユニット7のベルト10が各カートリッジPのドラム1の正面外部露出部に所定に接触した状態になる。そして、ドア31を開口部103に対して十分に閉じ込む。このドア31の閉じにより開口部103が閉鎖される。閉鎖位置Aにあるドア103は掛け止め機構或いはトグル機構(不図示)によりその位置に保持される。この状態において、ドアスイッチ(不図示)がオンになり、装置100の電源回路(不図示)が閉成状態に保持される。また、ユニット7が装置本体100Aに位置決めされた後のドア31の閉じ動作に連動する連動機構(不図示)によりカートリッジP側の駆動入力部に対して装置本体側の駆動出力部が結合動作する。また、カートリッジP側のバイアス入力部に対して、装置本体100A側のバイアス出力部が結合した状態になる。また、ユニット7側の駆動入力部に対して装置本体側の駆動出力部が結合動作する。また、ユニット7側の駆動入力部に対して装置本体側の駆動出力部が結合動作する。また、ユニット7側のバイアス入力部に対して、装置本体100A側のバイアス出力部が結合した状態になる。この状態において、装置100は画像形成動作が可能状態となる。
ここで、本実施例においては、ユニット7の開閉はドア31の開閉動に連動させたが、ドア31の開閉とは別にユニット7を開閉操作する装置構成にすることも出来る。
{カートリッジ装着部}
第1乃至第4のカートリッジ装着部102(102Y・102M・102C・102K)の構成を、主として図6、図9乃至図11を用いて説明する。各装着部102の構成は互いに同じであるので1つの装着部102を代表して説明する。
装着部102は、カートリッジPを取り外し可能に装着するカートリッジ保持部材(カートリッジ支持部)であって、装置本体102に揺動可能に設けられたカートリッジ保持部材33を有する。また、装着部102は、保持部材33に揺動可能に設けられた発光部材としてのLEDユニット6を有する。また、装着部102は、カートリッジPがカートリッジ保持部材33に装着された状態で、ドラム1とユニット6との位置決めを行う発光部材位置決め部材62L・62Rを有する。また、装着部102は、カートリッジPが保持部材33に装着された状態で、ドラム1が転写ローラ11と位置決めされるように、保持部材33を転写ローラ11に対して位置決めするカートリッジ支持部位置決め部材54L・54Rを有する。
実施例の装置100においては、保持部材33は、異なった色の現像剤を収納している複数個のカートリッジPを支持している。ユニット6はその複数個のカートリッジPが有する電子写真感光体ドラム毎に配置されている。かつ、転写ローラ(転写部材)11は、支持部位置決め部材54L・54Rによってローラ11に対して位置決めされた保持部材33が有する電子写真感光体ドラム毎に配置される。複数個のカートリッジPが各々有するドラム1に記録材Sを搬送する搬送ベルト10を有し、かつ、ローラ11は前記電子写真感光体ドラム毎に向い合って配置されている。かつ、ベルト10と複数個のローラ11はユニット7に一体的に設けられている。かつ、保持部材33は、支持部位置決め部材54L・54Rによって、ユニット7に対して位置決めされる。
更に詳細に説明する。保持部材33は、装置本体100Aの内側に左右側のフレーム104L・104R間に、カートリッジ挿入方向X及びその逆方向であるカートリッジ取り出し方向Y(前後方向)に移動可能に支持される。図9の(a)と(b)は装着部102Kの保持部材33がフレーム104L・104R間に支持されている状態を示している。図10の(a)は保持部材33を正面側から見た外観斜視図、(b)は背面側から見た外観斜視図である。保持部材33は、左右側の側板34L・34Rの外側にそれぞれボス部35・36を有する。また、左右のフレーム104L・104Rにはそれぞれ上記のボス部35・36が嵌め合わされる穴である丸長穴部135・136が設けられている。保持部材33は、ボス部35・36が穴部135・136に挿入されることで、フレーム104L・104R間に、穴部135・136の範囲でカートリッジ挿入方向X及びその逆方向であるカートリッジ取り出し方向Yに揺動可能に支持されている。保持部材33の背面側(後端)には長手方向の両端部側(画像形成領域外の左右両端部)と中央部との3ヶ所にコイルバネ(付勢手段)37が配設されていて、それらのバネ37が中仕切りフレーム137の前面との間に縮設されている。従って、保持部材33はバネ(弾性力)37の弾性力により、カートリッジ取り出し方向Yに付勢されている。即ち、保持部材33は、長手方向の両端にボス部35・36を有し、そのボス部35・36が嵌め合わされる穴135・136によって装置本体100Aに対して揺動可能に支持される。そして、後端に設けたバネ37の弾性力によりカートリッジPの保持部材33に対する挿入方向Xとは逆方向Yに付勢される。
また、保持部材33は、後面板の内面の左右部に、それぞれ、カートリッジ取り出し方向Yに突出している軸部38を有する。左右の軸38に、ユニット6の左右側のガイド穴部61が嵌合している。これにより、ユニット6は、軸38に沿ってカートリッジ挿入方向X及びその逆のカートリッジ取り出し方向Yに移動可能に支持される。また、軸38の基部にはコイルバネ(付勢手段)39が外嵌されていて、ユニット6はバネ39の弾性力によりカートリッジ取り出し方向Yに付勢される。また、ユニット6の先端側の左右両端部には、それぞれ、ドラム1の左右両端部に対する突き当て部(ドラム1とユニット(発光部材)6との位置決めを行う発光部材位置決め部材)62L・62Rが設けられている。ユニット6は、自由状態において、バネ39の付勢力でカートリッジ取り出し方向Yに所定量移動されている。即ち、保持部材33は軸部38を有し、ユニット6に設けた穴部61と軸部38とを嵌め合わせることでユニット6を移動可能に支持している。そして、ユニット6をカートリッジPのカートリッジ保持部材33に対する挿入方向Xとは逆方向Yに付勢するバネ39が設けられている。
装着部102に対するカートリッジPの装着は、前述したように、カートリッジPの左右の取手部51L・51Rを手で握ってカートリッジPを持ち、カートリッジPを背面側を先にして装着部102の保持部材33内に挿入する。このとき、カートリッジ左右側の挿入ガイド部53L・53R(図8)を、それぞれ、保持部材33の左右の側板34L・34Rの内側に設けたガイドレール部40L・40Rに係合させてカートリッジPを保持部材33内に挿入する。その挿入途中で、カートリッジ左右側の位置決め部52L・52Rが、それぞれ、保持部材33の左右の側板34L・34Rに設けたレール部分41L・41Rに乗る。そして、位置決め部52L・52Rが、レール部分41L・41R上を滑走して、レール部分41L・41Rの端部に設けた位置決め凹部42L・42Rに突き当って係合する。その際、凹部42L・42Rの上部に設けたねじりコイルバネ43L・43Rにより、位置決め部52L・52Rが付勢される。これにより、カートリッジPは、保持部材33に対して保持され、カートリッジ保持部材33と一体となって装置本体に対して移動可能となる。
図11の(a)と(b)を用いて、ユニット6と、カートリッジPと、ローラ11の位置決め方法を説明する。上述したように、カートリッジPの挿入時、カートリッジPは保持部材33のレール部分40L・40R、41L・41Rに案内される。その後、カートリッジPの位置決め部52L・52Rが凹部42L・42Rへ係合し、ねじりコイルばね(弾性部材)43L・43Rで付勢される。これにより、カートリッジPは、保持部材33に位置決め保持され、保持部材32と一体となって装置本体100Aに対して移動可能となる。その際、(b)に示すように、保持部材33にカートリッジ挿入方向Xに移動可能に設けたLEDユニット6は、カートリッジPの背面側に設けた露光溝56を通る。そして、先端側左右部の突き当て部62L・62Rがドラム1の左右両端部に突き当り、カートリッジPの引き続く挿入移動によりバネ39を圧縮しながら後退移動する。これにより、保持部材33に位置決め保持された状態のカートリッジPのドラム1に対して突き当て部62L・62Rがバネ39の圧縮反力で押し当って、ユニット6がドラム1に対して所定の一定の距離αを存して対向して位置決めされた状態となる。即ち、保持部材33はカートリッジPを所定位置で係止する係合手段42L・42R、43L・43Rを有し、ユニット6はドラム1の画像形成領域外の両端に突き当て部62L・62Rを有する。そして、突き当て部62L・62RをカートリッジPのドラム1に突き当て付勢することで一定の距離α(図12)で位置決めする。
この状態において、ユニット7を含むドア31が開口部103に対して閉じ込められて、前述のように、ユニット7が装置本体100Aに対して位置決めされる。そうすると、ローラ11の軸受け部73L・73Rが、保持部材33に保持されているカートリッジPのU字溝部54L・54Rに対応して係合する。その際、保持部材33は後方への押圧力を受けてバネ37をフレーム137との間で圧縮しながら丸長穴部135・136の範囲で装置本体100Aに対して後退移動する。そして、ユニット7が装置本体100Aに対して位置決めされた状態において、ドラム1がベルト10を挟んでローラ11に対してバネ37の圧縮反力により押し当たり、ドラム1がローラ11に対して位置決めされる。即ち、カートリッジPは両端にU字溝部54L・54Rを有し、ユニット7はU字溝部54L・54Rに対向する位置に軸部73L・73Rを有し、ユニット7が装置本体100Aに対して閉められると、U字溝部54L・54Rと軸部73L・73Rが係合する。
以上の構成により、装置本体100Aに回転可能に位置決めされている状態の転写部材としてのローラ11に対して、カートリッジPと発光部材としてのユニット6が保持部材33で一体となって画像形成位置と露光位置とに位置決めされる。これにより、簡単な構成で位置精度を向上できる。
本実施例において、ローラ11に対する位置決めを、カートリッジP側に設けたU字溝部54L・54Rで位置決めを行う構成としたが、このU字溝部を保持部材33側に設ける構成であってもよい。即ち、保持部材33は両端にU字溝部を有し、転写ローラ11は前記U字溝部と対向する位置に軸部を有し、転写ローラ11(転写ユニット7)が装置本体100Aに対して閉められると、U字溝部と軸部が係合する。この構成においても同様の効果が得られる。
本実施例は、インライン方式のカラープリンターの例であったが、モノクロプリンターの構成であっても同様の効果が得られる。
尚、発光部材6の発光素子としては、例えば、液晶素子、半導体発光ダイオード、有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)などの電界発光素子が使用される。半導体発光ダイオードは、電圧を印加することにより発光する半導体素子である。有機EL素子は、電圧をかけると光る有機化合物でできた電子材料で、自発光するものである。有機EL素子は、例えば、有機分子発光層を二つの電極で挟み、電圧をかける。これにより、電極から注入された電子と正孔が再結合して有機分子を励起し、励起された有機分子が基底状態に戻るときに発光する。