JP5539004B2 - 廃油の精製方法 - Google Patents

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Description

本発明は、廃油の精製方法に関する。特に、バイオディーゼル燃料(BDF:Bio Diesel Fuel)生産に際して、副産物として発生する廃グリセリンから燃料油(BDF)等として使用可能な精製油を回収するのに好適な廃油の精製方法に関する。
なお、本明細書における減圧度表示は、特に断らない限り、大気圧基準(ゲージ圧)である。
植物油や動物油を原料とするBDFは、そのままディーゼルエンジンに使用した場合、フィルターを目詰りさせたり、エンジン内で空気と噴霧燃料との混合が不十分で燃料が完全に燃焼しきれず、燃焼室内にカーボンスラッジが多く発生して堆積したりするなどのエンジントラブルが発生する。BDFは、粘度が軽油(ディーゼル燃料)に比して高いためである。
上記BDFの粘度を軽油程度まで低下させる方法として、メタノールとのエステル交換が公知である(特許文献1;請求項1・2等)。
このエステル交換によって得られたもの(軽液部)は、「脂肪酸メチルエステル」と称され、粘度は1/10程度まで低下し、ディーゼル燃料として利用できるが(同請求項3)、副産物としてグリセリン(重液部)が発生する。
このグリセリンは純度が低く、燃料として用いるに際して、炭素化水素系燃料や炭素質固体燃料を予め、又は、燃焼時に混合する必要があった(同、請求項4)。
なお、本発明の特許性に影響を与えるものではないが、特許文献2には、廃油脂をエステル交換反応させて得られる反応生成物を、重液と軽液とに相分離させて、重液を多段処理して高純度のグリセリンを得る方法が提案されている。
また、本発明の廃油の精製方法で使用する廃油の精製設備における精製装置本体と同様な構成を有する乾留装置(乾燥炭化装置)が、特許文献3・4に記載されている。
従来の乾留装置(乾燥炭化装置)は、有機廃棄物を熱分解して炭素化物を回収することを主目的とするもので、本発明の如く、廃油を熱分解して燃料油を回収することを主目的とするものではない。
即ち、本発明の方法における、被処理物である廃油は、油成分が主体であり、本発明の目的は熱分解装置で不純物を除去すると同時に油成分(グリセリン等)を熱分解して主として精製油(燃料油)を得ることにある。これに対し、特許文献3・4における被処理物である有機廃棄物(汚泥等の含水廃棄物)は、固形有機物(乃至水分揮発により固形有機物となる)成分が主体であり、それらの発明の目的は、固形有機物を炭素化ないし乾燥炭素化させて主として炭素化物を得ることにある。
したがって、同様な精製装置本体(乾留装置)を使用しても、本発明の熱分解挙動は、従来技術とは異質である。さらには、精製缶内の、減圧度・温度等においても異なる(特に減圧度において)。
例えば、従来技術(炭素化乾留):減圧度-30〜-70kPa、温度120〜500℃であるのに対し、本発明(分解精製):減圧度-1〜-20kPa、温度150〜450℃である。
特開2008−143983号公報(請求項1・2等) 特開2005−60587号公報(要約等) 特開2004−66216号公報(要約等) 特開2004−243281号公報(要約等)
しかし、上記エステル交換反応を経てBDFを得るに際して副生するグリセリンは、上記の如く純度が低いため、特許文献1に記載の如く、他の燃料の補助燃料として使用するか、特許文献2に記載の如く、多段の精製工程を必要とした。
本発明の目的は、廃油から燃料油等の有価物を容易かつ低エネルギーコストで得ることができる廃油の精製方法を提供することにある。
特に、廃棄油脂類をエステル交換反応させてBDFを製造するに際して副生するグリセリンを精製し、燃料油として使用可能な精製油を回収するのに好適な廃油の精製方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意開発に努力をした結果、下記構成の廃油の精製方法に想到した。
バイオディーゼル燃料を生産するに際して、副産物として発生する廃グリセリン(廃油)を被処理油とする廃油の精製方法において
前記被処理油を、減圧下で間接加熱により熱分解させる熱分解工程、
前記熱分解により生成する留出ガス(留出物)を凝縮する凝縮工程、及び、該凝縮工程で生成する凝縮液を油水分離する油水分離工程、
を含み、前記油水分離で生成する油成分を燃料油として回収するとともに、前記熱分解工程で生成する残留物を炭素化物(副産物)として回収し、さらに、
前記熱分解を、被処理油を熱せられた炭素化物と撹拌接触させながら行う、ことを特徴とする。
上記廃油の精製方法によれば、後述の如く、燃料油として使用可能な良質の精製油を回収できるとともに、副産物として良質な炭素化物も回収できる。
その理由は、下記の如くであると推定される。
被処理油を熱せられた炭素化物と撹拌接触させながら熱分解を行うことにより、被処理油が、瞬時に気化(熱分解気化も含む。)されると同時に、煤化し易い有機物(燃料油の不純物)が炭素化される。このため留出ガスは、煤化し易い有機物が随伴せず、且つ、熱分解により重質分を含まない。したがって、該留出ガスを凝縮・油水分離操作して得られる燃料油は不純物・重質分を含まない高品質なものとなる。さらに、残留物である炭素化物(炭素質残分)の熱せられた状態(200℃以上)の表面と被処理油(有機物)とが接触して発生する熱分解ラジカル(ラジカル有機物)が炭素化物表面に付着して賦活化される。
本発明の廃油(被処理油)の処理方法の一例を示すフロー図の前段部分である。 同じく後段部分である 本発明で使用する冷却装置の一例を示す概略図である。 本発明で留出ガスの改質に使用するガス改質装置の一例を示す概略断面図である。
以下、本発明の一実施形態に用いる廃油の精製装置を、図例に基づいて説明する。
ここで廃油とは、廃動植物油(油のほかラード、マーガリン、バター等の油脂も含む。BDF原料となる)、廃鉱物油(工作油、機械油)の他に、エステル交換反応を経てBDFを得るに際して副生するグリセリン等の廃油副生物も含む広義の概念である。
本実施形態の基本構成は、図1(A)・(B)に示す如く、精製装置本体Aを中核として、該精製装置本体Aに固体又は液体の原料を供給する原料供給ユニットBと、該精製装置本体Aの熱分解操作により生成する副産物(炭素化物)を連続的に取り出す炭素化物回収ユニットCと、同じく熱分解生成ガス(水分を含む留出ガス)を連続的に取り出して油水分離をして精製油(燃料油)を回収する燃料油回収ユニットDとを備えるものである。
精製装置本体Aは、精製缶5と、該精製缶5を間接加熱するバーナ17を備えた熱風発生炉18とからなる。なお、精製缶5内は、後述の排ガス熱分解装置49に付設された減圧吸引機(エジェクタ式)50に接続されて減圧される。
精製缶5は、ジャケット16を外周に備えた横置きの缶本体12と、缶本体12内部の軸心位置に配される横型撹拌機13とで構成されている。
横型撹拌機13は、モータ14により正転されて撹拌翼(パドル)15で混合撹拌をし、同じく逆転されて撹拌翼15で炭素化物の排出をする。横型撹拌機13は、パドル形に限られず、スクリュー形などであってもよい。
そして、バーナ17で熱せられた空気は、ジャケット16内の下側スリット状の連通孔16aから流入し、缶本体12の周面を間接加温(ジャケット加熱)しながら上昇して排気筒19から排気される。このとき連通孔16aの開口幅は、ジャケット16外径の1/5〜1/2とする。精製缶5の間接加熱は、熱空気によるジャケット加熱に限られず、缶本体12の外周部にバンドヒータ又はカートリッジヒータ又は鋳込みヒータを配して行なってもよい。勿論、上記ジャケット加熱と併用することも可能である。
上記において、精製缶5の缶内温度・減圧度は、廃油の種類によっても異なるが、150〜450℃×-1〜-20kPaの範囲から適宜選定をする。精製効率からは、運転条件は、高温(200〜450℃)で高減圧度(-10〜-20kPa)の方が望ましいが、装置全体を高温・高減圧仕様とする必要があるとともに、保守点検もより厳しいものとなる。
また、缶本体12内の残留物(炭素化物)の取出口23は、缶本体12の最下部より上部に、例えば、缶本体12の内径の1/5〜1/2(望ましくは1/4〜1/2)の高さ位置に形成されている。熱分解で生成する残留物(炭素化物)を積極的に滞留させることにより、被処理油に対する炭素化物の比率を増大させて、被処理油の瞬間蒸発及び賦活作用を増大させるためである。
精製装置本体Aが大型装置の場合は、缶本体12を細長く長尺物にするか、図示は省略するが、複数段を重ねて多段にしたりする。
原料供給ユニットBは、本実施形態では、液体原料ばかりでなく固体原料にも対応可能なように固体原料用と液体原料用の二系列とされている。
上記固体とは、ゼリー、ペースト(粘土状)の如く、可塑性を有する固形物・半固形物を意味する。
固体原料用の供給ユニットは、受け入れホッパ2と固体輸送配管4とで構成されている。固体輸送配管4は、受け入れホッパ2に付設された固体輸送ポンプ3と、精製缶5に取り付けられた供給バルブ6との間を元部側に元バルブ20を有して連結する。
ここで、固体輸送ポンプ3としては、固体物を輸送可能なモーノポンプ、スネークポンプ、チューブポンプ、ギヤーポンプ、等任意である。なお、モーノポンプは、他のポンプに比して、無脈動・定量供給に適している。
また、液体原料用の供給ユニットは、液状原料受け槽8と液体輸送配管11とで構成されている。液体輸送配管11は、液体原料受け槽8に付設された液体輸送ポンプ9と、精製缶5に取り付けられた供給バルブ10との間を元部側に元バルブ21を有して連結する。
炭素化物回収ユニットCは、副産物(炭素化物)を取り出して冷却搬送する冷却搬送装置26で構成されている。
該冷却搬送装置26は、上記機能を発揮できるものであれば特に限定されず、ベルトコンベヤ、スクリューコンベヤ等でもよい。図例では、精製缶5と同様に、冷却缶32内に横型撹拌機27を備え、横型撹拌機27の正転時、搬出口26b方向へ移送可能な横型撹拌機27を備えるとともに、外周にジャケット33が形成されジャケット冷却可能とされている。
該冷却搬送装置26の供給口26aは、精製装置本体Aの底部と軸心位置の間に形成された炭素化物取出口23と、遮断バルブ24を備えた炭素化物輸送管25で連結されている。また、搬出口26bには取出バルブ29が取付けられている。
燃料油回収ユニットDは、
(1)精製装置本体Aからの留出ガスを改質処理するガス改質装置37、
(2)ガス改質装置37からの改質ガスを凝縮する凝縮装置39、
(3)凝縮装置39で生成する凝縮液を油水分離する油水分離槽42、及び、
(4)凝縮装置39からの排ガスをエジェクタ吸引して熱分解浄化する排ガス熱分解装置49を備えている。
ガス改質装置37は芳香族成分の分解触媒ゾーン(図例では3基の触媒筒)を備えたものを使用する。留出ガス中に、炭素化に際して生成するベンゼン環縮合物(煤)が混入する場合があり、留出ガス中からそれらの成分を除去するためである。分解触媒としては、公知のセラミック材やゼオライト材を使用する。
また、精製缶5の蒸気筒34の出口35とガス改質装置37との間は二重管式の熱交換器36で接続されている。そして、排気筒19からの排気は、ファン60を備えた排気配管61を介して、熱交換器36の高温側に流入するようになっている。熱交換器36の代わりにヒータ加熱等してもよい。精製装置本体Aからの留出ガスを再加熱して、ガス改質装置37での改質作用を増大させるためである。
ガス改質装置37は、本発明者の一人が先に提案した下記構成の油改質装置であってもよい(特開2008-189695号公報、要約等)。参考のため、当該公報の図1を本願の図3として引用する。なお、下記及び図3で引用する図符号は、本実施例におけるものとは無関係である。
「改質処理ゾーン22を備えた油改質容器と、該缶本体12内の温度を設定温度に維持するジャケット16等の加熱手段とを備えた油改質装置。改質処理ゾーン22は、被処理油入口18から処理済油出口20に向かって、ろ過/遠赤外線ゾーン24、触媒ゾーン26及び磁界ゾーン28を備えている。触媒ゾーン26は、芳香族成分乃至重質成分の分解触媒(ゼオライト触媒)で構成する。」
ガス改質装置37の出口と凝縮装置39の入口管40との間は改質ガス輸送配管38で連結されている。凝縮装置39の出口管41は、油水分離槽42の受入槽42a側に臨んで凝縮液が油水分離槽42に流入可能とされている。そして、油水分離槽42の溢流口42b側には燃料油タンク44が溢流を受け可能に配されている。
また、排ガス熱分解装置49は、減圧吸引機(エジェクタ)50を備えるともに、排ガスを熱分解させるバーナ52、さらには、ダンパ55を有する排気筒54を備えるものである。そして、熱分解装置49の排ガス出口49aは、精製缶5の熱風発生炉18と熱風配管53で接続されている。
減圧吸引機50は、付設された送風機51の送風動力によって、エジェクタ効果を発生させて、吸引作用を発揮する。該吸引作用により、配管48を介して凝縮装置39内、更には、配管38等を介して精製缶5内を減圧するとともに、熱風の逆流を防止する。
冷却水は冷却塔循環ポンプ31が付設された冷却塔30(図3参照)と、冷却搬送装置26および凝縮装置39の各冷却用ジャケット33、33Aとの間が水配管回路で接続されて循環するようになっている(図1参照)。
次に、上記実施形態の廃油の処理設備を用いての本発明の廃油の精製方法について説明する。
固体原料又は液体原料は、それぞれの固体・液体輸送配管4(又は11)元側の原料バルブ20(又は21)を開にするとともに供給バルブ6(又は10)を開にして、固体輸送ポンプ3(又は液体輸送ポンプ9)を稼動させ、固体輸送配管4(又は液体輸送配管11)を経て、缶本体12内に液体原料(又は固体原料)を投入する。
なお、上記において、精製缶5への廃油投入開始時は、廃油からの炭素化物は存在しないため、精製缶5内には、あらかじめ、炭素化物を投入しておくことが望ましい。炭素化物が精製缶5内に滞留するまで、下記本発明の炭素化物と廃油との撹拌接触現象が発生しないためである。
ここで、精製装置の缶本体12の取出口23が、前述の如く、缶本体12の底側最低高さより上側にある(缶本体12内径の1/5〜1/2)。このため、残留物(副産物)である炭素化物が缶本体12の底部側に滞留する結果となる。
この状態で、原料である廃油(被処理油)を投入する。撹拌機13にて、液体である廃油(ゼリー・ペースト状の固体原料は瞬時に液化する)と熱せられた炭素化物と撹拌混合され、炭素化物(炭)の非常に大きな表面積に触れて、廃油が、瞬時に気化(蒸発乃至熱分解気化)されると同時に、煤化し易い有機物(燃料油の不純物)が炭素化される。このため、留出ガスは、煤化し易い有機物が随伴(連行)せず、且つ、熱分解により重質分を含まない。
したがって、当該留出ガスを凝縮工程、油水分離工程を経て回収した精製油は、経時劣化が殆ど発生しなくなり、長時間の保存も可能になる。こうして得られた精製油は、粘度が低くなって流動性も良く、曇点も低い。従って、BDF等として使用した場合、燃料フィルターの詰りもなくなり、寒冷地での使用も可能となる。
このとき、炭素化物も同時に賦活されて良質な炭素化物(副産物)として回収できる。この炭素化物は土壌改良材や融雪材、燃料としても利用できる。
精製缶5で生成する廃油からの炭素化物は、遮断バルブ24を開として横型撹拌機13にて炭素化物を取出口23から排出させて、炭素化物輸送管25を介して冷却搬送装置26内へ搬入させる。そして、冷却搬送装置26内に搬入された炭素化物は、遮断バルブ24が閉のとき、取出バルブ29を開にして、横型撹拌機27にて排出運転をして、取り出す。
こうして、交互にバルブ24、29を開閉することによって、精製缶5には空気の流入がなく炭素化物(処理品)を取り出せる。
精製缶5内に入り熱せられて生成する留出ガス(留出物)は、上昇し、蒸気筒34の出口35より熱交換器36を経てガス改質装置37へ流入する。
ガス改質装置37で改質された留出ガスは、凝縮装置39内に流入し、冷却により凝縮し、出口管41より油水分離槽42へ液状態で流入する。油水分離槽42の浮上分離油は、燃料油タンク44へ溢流口42b及び連結管45を経て流入する。油水分離槽42の底部の分離水は、バルブ46にて排出する。
凝縮装置39にて凝縮できなかった非凝縮性ガス(排ガス)は、ガス出口管47から排ガス配管48を経て、排ガス熱分解装置49に設置されたエジェクタ構造の減圧吸引機50で吸引され、排ガス熱分解装置49内に導入される。
こうして、排ガス熱分解装置49へ吸引された排ガスは、バーナ52にて熱分解脱臭される。バーナ燃焼および熱分解により生成した排熱は、配管53を通り、熱風発生炉18に流入して熱回収される。熱回収する必要のない場合は、排ガス熱分解排気筒54の排気ダンパ55を開にして排気する。
なお、本発明の廃油の精製方法で回収された精製油の一部を、加熱バーナ17、52の燃料として使用すれば、経費も低減できる。
本実施形態の廃油の精製方法の作用・効果をまとめると下記の如くになる。
今、世界では、石油資源が減少しており、その代替エネルギーとしてバイオエタノール燃料や、BDFが見直されて生産が増大している。
BDFの生産において、動植物油脂は三分子の脂肪酸と一分子のグリセリンがエステム結合したトリグリセリドと呼ばれ、これをそのまま用いると、粘度が高く、空気との混合が不完全になりやすく燃料としては不適で、トリグリセリドのアルコリシス反応にてメタノールとのエステル交換をさせて、バイオディーゼル燃料が得られ、副生産品としてグリセリンが得られる。特に廃食油から作られるBDFの廃グリセリンは純度が低く、大部分が産業廃棄物として捨てられるのが実状である。
この様な、廃油(廃グリセリン等)の精製(減圧熱分解)処理により、水分・油分の順に蒸発して、水分と油分が混合した留出ガスを、適宜、改質処理後、凝縮工程・油水分離工程を経て、燃料油(精製油)を得るものである。
そして、精製缶内には、水分、油分以外の固形状有機物が炭素化物(副産物)として得られる。
次に、実施例に基づいて、本発明の廃油の精製方法をさらに詳細に説明する。
図1・2において、下記仕様としたものを用いて、下記条件で運転を行なった。
精製装置本体A:
全体大きさ…W1000mm×L2000mm×H1800mm
缶本体12…φ600mm×L750mm(容量 200L)
横型撹拌機13…Φ580mm×L700mm×1.5kw
熱風発生炉18…W800mm×L1500mm×H800mm
バーナ17…8L/h×70000kcal/h
ガス改質装置37:
Φ150mm×L600mm(3筒式)
凝縮装置39:
Φ600mm×L1200mm(1塔)
油水分離槽42:
W600mm×L800mm×H400mm
排ガス熱分解装置49:
W600mm×L1000mm×H1500mm
バーナ52の出力:5L/h、40000kcal/h
冷却搬送装置26:
Φ200mm×L1500mm
撹拌機27…Φ120mm×L1300mm×0.75kw
原料受槽8:
Φ500mm×H600mm×200L
液体輸送ポンプ9:
25A×0.2kw
上記廃油の処理設備を用いて、廃グリセリンの処理を、廃グリセリン量(被処理物):30L、処理時間:2h、精製缶5内の減圧度:-2kPa(Gauge)、同じく温度:250℃の条件で、行なった。
その結果、精製油:18L、炭素化物:3Lが得られた。なお、回収水分は6Lであった。また、精製油は、茶色であったが、透明で殆ど濁りのないものであった。
さらに、本発明の精製油を、燃料油として使用したとき発生する排ガスは、HCやCO及びPM(particulate matter)の排気濃度は減少し、強発癌性物質といわれているベンゾ(a)ピレンなどの排気中の多環芳香族炭素化水素も軽油の場合よりは低くなることを本発明者らは確認している。
5 精製缶
13 横型撹拌機
23 炭化物取出口
39 凝縮装置
42 油水分離槽
49 排ガス熱分解装置
50 減圧吸引機
A 精製装置本体
B 原料供給ユニット
C 炭素化物回収ユニット

Claims (6)

  1. バイオディーゼル燃料を生産するに際して、副産物として発生する廃グリセリン(廃油)を被処理油とする廃油の精製方法において
    前記被処理油を、減圧下で間接加熱により熱分解させる熱分解工程、
    前記熱分解により生成する留出ガス(留出物)を凝縮する凝縮工程、及び、該凝縮工程で生成する凝縮液を油水分離する油水分離工程、
    を含み、前記油水分離で生成する油成分を燃料油として回収するとともに、前記熱分解工程で生成する残留物を炭素化物(副産物)として回収し、さらに、
    前記熱分解を、被処理油を熱せられた炭素化物と撹拌接触させながら行う、
    ことを特徴とする廃油の精製方法。
  2. 前記熱せられた炭素化物として、前記熱分解工程で生成する残留物(炭素化物)を滞留させて利用することを特徴とする請求項1記載の廃油の精製方法。
  3. 前記間接加熱を燃焼空気によるジャケット加熱とすることを特徴とする請求項1又は2記載の廃油の精製方法。
  4. 前記凝縮工程で分離生成する非凝縮ガス(排気ガス)を、エジェクタ吸引作用を用いて前記熱分解の減圧操作を行なうともに、前記エジェクタ吸引した前記排気ガスを再燃焼して排熱を前記ジャケット加熱に利用することを特徴とする請求項3記載の廃油の精製方法。
  5. 前記留出ガスを、芳香族成分の分解触媒ゾーンを通過させる改質工程を経て前記凝縮工程に移送することを特徴とする請求項1〜4いずれか一記載の廃油の精製方法。
  6. 前記熱分解工程で使用される減圧熱分解装置が、横置きの缶本体の内部に横型の翼形撹拌機を備えた熱分解缶と前記横置きの缶本体を全周に亘り間接加熱する加熱手段を備えるとともに、前記缶本体の内径の1/5〜1/2の高さに熱分解残留物(炭素化物)の取り出し口を備えていることを特徴とする請求項1〜5いずれか一記載の廃油の精製方法。
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