以下、図面を参照しつつ、本実施の形態に係る発注装置20等について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付している。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
なお、発注装置20を概略的に説明すれば以下のとおりである。
すなわち、発注装置20は、ネットワークを介した商取引に利用されるサーバ30との間で通信可能な電子書籍端末1に用いられ、電子書籍端末1のユーザに関するユーザ情報と、そのユーザが発注を希望する商取引の内容を示す商取引情報とを関連付けて発注情報として設定する発注情報設定部(設定手段)22と、サーバ30と電子書籍端末1との間の通信状態がオンライン状態およびオフライン状態の何れであるかを検知する通信状態検知部(検知手段)23と、通信状態検知部23から、サーバ30と電子書籍端末1との間の通信状態がオンライン状態にあるとの通知を受けると、発注情報設定部22が設定した発注情報をサーバ30に対して出力させる注文発注部(発注手段)24と、を備える。
これにより、発注装置20は、電子書籍端末1とサーバ30との間の通信状態がオンライン状態であるか、オフライン状態であるかにかかわらず、商品等の発注処理が可能になるという効果を奏する。
以下、発注装置20の概略を説明する。なお、理解の容易のため、発注装置20の動作の概要を最初に説明し、その後、発注装置20の構成、実施例、効果を順次説明する。また、以下の説明では、発注装置20は、電子書籍端末1に内蔵されているものとして説明する。ただし、発注装置20は、電子書籍端末1に外付けされる構成で実現されてもよく、さらに、電子書籍端末1ではなく、パソコンや携帯情報端末(PDA)、携帯電話等の表示装置に内蔵または外付けされる構成で実現されてもよい。
〔発注装置20の動作の概要〕
発注装置20の動作の概要を図2〜図7により説明する。
図2は、ネットワークを介した商取引においてユーザが所望の商品の注文を行ったときに、電子書籍端末1に表示される注文確定画面の一例を示す図である。表示画面には、カード一括払い、分割払い等の支払条件と、注文する商品を送付するユーザ名、住所等の送付先情報が表示されている。この表示画面において、ユーザは、その注文内容に問題がないことを確認すると、「注文確定」のボタンを押す。
なお、同図では、支払条件および送付先情報が表示されているが、他の情報が表示されてもよく、表示される情報はこれらに限定されない。
また、同図に示す注文確定時において、電子書籍端末1は、ネットワークを介した商取引に利用されるサーバ30との間の通信が接続状態(以下、「オンライン状態」と称する場合もある。)および非接続状態(以下、「オフライン状態」と称する場合もある。)の何れの状態であってもよい。
ここで、本実施の形態において、オンライン状態とは、電子書籍端末1がサーバ30と通信可能に接続している状態、つまり、通信が確立している状態をいう。
また、オフライン状態とは、以下(a)〜(c)の状態をいう。すなわち、(a)は、電子書籍端末1とサーバ30とを通信可能にしうる状態、つまり、通信が確立していないが、ユーザの操作を介して通信可能にすることができる状態をいう。(b)は、電子書籍端末1とサーバ30との通信を確立することができない状態、つまり、電子書籍端末1が通信可能な範囲の圏外に位置する状態や電子書籍端末1の通信機能がオフとなっている状態などをいう。(c)は、サーバ30側の問題により、電子書籍端末1とサーバ30との通信が確立できない状態、つまり、サーバ30における注文受付用HPなどが何らかの原因で動作していない状態をいう。そして、本実施の形態におけるオフライン状態は、特に(a)〜(c)を区別することなく用いるものとする。
次に、図3を説明する。図3は、図2で注文確定ボタンが押されたときに、電子書籍端末1がオンライン状態であるときの発注完了画面を示す図である。
同図に示すように、電子書籍端末1がオンライン状態のときには、ユーザが所望する商品の発注が終了したことを示す「発注しました」という表示がなされる。これにより、ユーザは、自身の所望する商品の発注処理が完了したことを確認することができる。
次に、図4を説明する。図4は、図2で注文確定ボタンが押されたときに、電子書籍端末1がオフライン状態であるときの発注完了画面を示す図である。
同図に示すように、電子書籍端末1がオフライン状態のときには、ユーザが所望する商品の発注が終了したことを示す「注文完了しました」という表示がなされる。また、このとき、「オンライン時に自動的に発注します」という表示もなされる。これにより、ユーザは、自身の所望する商品の発注処理が完了したこと、そして、その発注は、電子書籍端末1がオンライン状態になったときに行われることを認識することができる。つまり、電子書籍端末1は、オフライン状態においても、ユーザからの商品の注文を受け付け、かつ、その発注処理を完了することができる。
次に、図5を説明する。図5は、図2で注文確定ボタンが押されたときに、電子書籍端末1がオフライン状態であるときの他の発注完了画面を示す図である。
同図に示すように、電子書籍端末1がオフライン状態のときには、ユーザが所望する商品の発注が終了したことを示す「注文完了しました」という表示がなされる。また、このとき、「オンラインになればお知らせします」という表示もなされる。これにより、ユーザは、自身の所望する商品の発注処理が完了したこと、及び、電子書籍端末1がオンライン状態になれば、自身が注文した商品の発注を行うかどうかの確認を要求されることを認識することができる。
ここで、図4および図5の構成を比較すると、すでに注文が完了している点は同一であり、発注の最終確認がユーザに要求されるか否かという点が異なる。つまり、発注装置20は、電子書籍端末1とサーバ30との間の通信状態がオンライン状態であるか、オフライン状態であるかにかかわらず、商品等の発注処理を完了可能なことが主な特徴をなす。そして、発注の最終確認をユーザに要求するかどうかについては、ユーザの設定等により適宜選択可能にすることができる。
次に、図6を説明する。図6は、図5の状態から、電子書籍端末1がオンライン状態に移ったときの注文確認画面を示す図である。
同図に示すように、図5の状態から、電子書籍端末1がオフライン状態からオンライン状態に移ると、「オンラインになりました」という表示がなされる。さらに、「発注しますか」という表示とともに、「はい」、「いいえ」という表示がなされる。これにより、ユーザは、電子書籍端末1がオンライン状態になったこと、及び、自身が注文した商品の発注を行うかどうかの最終確認が「はい」、「いいえ」で要求されていることを知ることができる。
次に、図7を説明する。図7は、図2で注文確定ボタンが押されたときに、電子書籍端末1がオフライン状態であって、かつ、電子書籍端末1とサーバ30との間の通信がオンライン状態になるまでに時間を要しているときの表示画面を示す図である。
同図に示すように、電子書籍端末1には、「オフラインです」、「自動接続を継続しますか」という表示がなされる。つまり、この表示は、電子書籍端末1とサーバ30との間の通信が一定時間オフライン状態のままであるため、電子書籍端末1とサーバ30との間の通信状態をオンライン状態にすることの可否をユーザに確認するものである。そこで、ユーザが「はい」を選択すると、電子書籍端末1は、サーバ30との間の通信状態をオフライン状態からオンライン状態に移行させる。一方、ユーザが「いいえ」を選択すると、電子書籍端末1は、サーバ30との間の通信状態をオフライン状態のまま維持する。
このように、電子書籍端末1は、一定時間オフライン状態が継続したときに、電子書籍端末1とサーバ30との間の通信状態をオンライン状態にすることの可否をユーザに確認する機能も備える。
以上、発注装置20の動作の概要を説明した。なお、図2〜図7の表示例はあくまで一例であって、同様の趣旨の表示内容であれば、いかなる内容、形式であってもよい。
〔電子書籍端末1等の構成〕
次に、電子書籍端末1、発注装置20、サーバ30、オンライン発注システム100の構成等を図1により説明する。図1は、本発明に係るオンライン発注システム100の構成を示すブロック図である。そのオンライン発注システム100は、オンライン通信で所望の商品の注文を行い、その商品の購入を行うことが可能なシステムであり、電子書籍端末1およびサーバ30によって構成されている。
電子書籍端末1は、雑誌、新聞、書籍などのデジタル形式の電子書籍を閲覧するための端末装置であり、ユーザは、電子書籍端末1を使って、所望の電子書籍を再生して読む。電子書籍端末1には通信機能が付いており、サーバ30から所望の電子書籍を取得(ダウンロード)できる。
さらに、電子書籍端末1は、自端末に表示される電子カタログや雑誌等を介して、ネットワークを介した商取引をユーザに行わせることができる。つまり、ユーザは、電子書籍端末1に電子カタログを表示させて、そのカタログの中から選択した所望の商品を発注することができる。なお、電子書籍端末1では、商品(有体物)以外にも、コンテンツ(無体物)、サービスなどをネットワークを介して購入することができ、本実施の形態では、購入可能な対象物を全般的に商取引の内容と総称することもある。
サーバ30は、各種の電子書籍、商品等を販売するサービスを運営しており、電子書籍端末1のユーザはその会員となり、電子書籍、商品等を購入する。購入した電子書籍は、サーバ30から電子書籍端末1に自動的にダウンロードされ、電子書籍端末1内の端末記憶部7に記憶される。また、購入した商品等は、別途郵送等によりユーザに届けられる。
(電子書籍端末1の構成)
電子書籍端末1は、少なくとも、端末制御部2、操作検知部3、通信制御部4、表示制御部5、ディスプレイ6、端末記憶部7、及び発注装置20を備える。
端末制御部2は、電子書籍端末1が備える各部の動作を制御するものである。端末制御部2は、端末記憶部7に記憶されている各種プログラムを読み出して、電子書籍端末1の各部を制御し、電子書籍端末1が備える各種機能を実現する。
例えば、端末制御部2は、通信状態検知部23を制御することにより、通信状態検知部23に、電子書籍端末1とサーバ30との間の通信がオフライン状態にあることを検知させ、通信制御部4に対して、サーバ30との間の通信状態をオンライン状態にするよう指示させることができる。
操作検知部3は、ユーザ操作を検知するものであり、例えばタッチパネル又はハードキー群として実現されている。タッチパネルの場合、ディスプレイ6に表示される画像に含まれる各種ボタン、アイコン等にユーザが触れたことを検知する。
通信制御部4は、端末制御部2の制御に基づいて、サーバ30との通信を制御するものであり、例えば3G回線及びWiFi回線に対応した通信を行うことが可能としている。例えば、通信制御部4は、サーバ30から取得するデータ(例えばコンテンツ)を取得し、端末記憶部7に格納したり、更新されたコンテンツ、カタログデータベース(後述)等の確認要求又はその取得要求等を送信したりする。換言すれば、通信制御部4は、ディスプレイ6に表示されるコンテンツを管理し、当該コンテンツを自端末に配信するサーバ30との通信を制御するものである。
表示制御部5は、端末制御部2の制御に基づいて、ディスプレイ6に画像を表示あるいはその画像に対する処理を行うものである。例えば、表示制御部5は、サーバ30から取得したコンテンツを再生してディスプレイ6に表示する。
ディスプレイ6は、電子新聞、電子雑誌、商品カタログ等のコンテンツ等を出力するものであり、例えば、LCD(液晶ディスプレイ)、PDP(プラズマディスプレイパネル)、またはCRT(cathode-ray tube)ディスプレイなどの表示装置で構成される。
端末記憶部7は、少なくとも、カタログデータベース(以下、「カタログDB」と称する場合もある。)と、カートデータ(商取引情報)と、発注情報とを記録する。端末記憶部7は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、SRAM(Static RAM)、フラッシュメモリなど、およびこれらの混成で構成されてもよい。ただし端末記憶部7は、大量のデータ量を記憶する場合にはHDD(Hard Disk Drive)で構成されることが好ましいが、これに限定されるものではない。
このうち、カタログDBは、ネットワークを介した商取引において、ユーザが発注に必要とする情報、例えば、商品情報(種類、個数、メーカ名など)やユーザに関するユーザ情報などを記憶している。なお、カタログDBは、商品情報以外にも、コンテンツ情報やサービス情報などを含んでよい。また、カタログDBは、サーバ30のサーバ記憶部33に記憶されている最新のカタログDBの内容を、ユーザ操作による手動操作で、あるいは、通信制御部4による制御を受けて自動で更新される構成で実現されてよい。
カートデータは、カタログDBを参照したユーザによって選択された商品を示す情報がカートデータとして管理されている。このカートデータは、後述するカートデータ管理部21により管理されている。
発注情報は、少なくとも、電子書籍端末1のユーザに関するユーザ情報と、そのユーザが発注を希望する商品等の内容を示すカートデータとを関連付けてなる情報である。この発注情報は、後述する発注情報設定部22によって設定される。
発注装置20は、少なくとも、カートデータ管理部21と、発注情報設定部22と、通信状態検知部23と、注文発注部24とを備える。
カートデータ管理部21は、ユーザが購入を希望する商品がカートに入れられると、そのカートに入った商品をカートデータとして管理する。そして、カートデータ管理部21は、その管理するカートデータを端末記憶部7に記憶させる。
なお、カートという概念、及びカートデータの管理方法は従来の技術を用いてよいため、ここでの詳細説明は省略する。また、図1では、カートデータ管理部21は、発注装置20に含まれるものとして記載しているが、電子書籍端末1側に含まれる構成で実現されてもよい。
発注情報設定部22は、電子書籍端末1のユーザに関するユーザ情報と、そのユーザが発注を希望する商品等の内容を示すカートデータとを関連付けて発注情報として設定する。そして、発注情報設定部22は、設定した発注情報を端末記憶部7に記憶させる。このように、ユーザ情報とカートデータとを関連付けることで、ユーザからの発注を受けたサーバ30は、どのユーザがどの商品等を注文したかを把握することができる。
さらに、発注情報設定部22は、発注情報を設定するときに、ユーザから商取引の内容を受け付けた時刻を示す時刻情報を発注情報に含めてもよい。基準とする時刻は、電子書籍端末1で管理する時刻、オンライン発注システム100が管理する時刻など、何れの時刻であってもよい。これにより、サーバ30は、時刻情報を含む発注情報に基づいて、注文を受け付けた順序にしたがって処理を進めることができる。
通信状態検知部23は、通信制御部4の動作状態を確認することにより、電子書籍端末1とサーバ30との間の通信状態を検知する。そして、通信状態検知部23は、その検知結果を注文発注部24に通知する。つまり、通信制御部4がサーバ30との間で通信を確立しているのであれば、通信状態検知部23は、電子書籍端末1とサーバ30とがオンライン状態にあることを検知する。一方、通信制御部4がサーバ30との間で通信を確立していなければ、通信状態検知部23は、電子書籍端末1とサーバ30とがオフライン状態にあることを検知する。
なお、通信状態検知部23は、電子書籍端末1とサーバ30との間の通信がオフライン状態にあることを検知すると、通信制御部4に対して、サーバ30との間の通信状態をオンライン状態にするよう指示することができる。
また、通信状態検知部23は、電子書籍端末1とサーバ30との間の通信がオフライン状態にあることを検知すると、その通信状態を定期的に検知することができる。
ここで、通信状態検知部23が電子書籍端末1とサーバ30との間の通信状態を検知するタイミングは、以下(a)、(b)等とすることができる。
(a)は、所定の時間間隔や時刻などであり、さらに2つの種類(a1、a2)に区別できる。(a1)は、電子書籍端末1の外部で規定される時間間隔・時刻である。この場合、コンテンツ(電子カタログ全体、特定のページ、個別の商品など)に注文受付の開始日時の情報が付加されている必要があるものの、通信状態検知部23は、この日時(あるいは少し前の時刻)を基準に通信状態を定期的に検知する。(a2)は、電子書籍端末1の内部で規定される時間間隔・時刻である。すなわち、通信状態検知部23は、電子書籍端末1の設定画面で設定された時間・時刻(適宜設定可能)や、発注時に設定した発注時間・時刻を基準に、例えば、「直ちに」、「13:00」「14:00」、「1時間後」などの条件で通信状態を検知する。
(b)は、通信状態検知部23がイベント発生時に通信状態を検知する場合である。例えば、通信制御部4がサーバ30から、「停止していたサーバ30が稼動した」、「サーバ30の混雑が解消された」、「サーバ30側で設定されている受付時刻(期間)に受付可能であること」といった通知を受け付けたとする。このとき、通信状態検知部23は、電子書籍端末1とサーバ30との間の通信状態を検知する。
さらに、通信状態検知部23は、電子書籍端末1とサーバ30との間の通信状態を所定回数検知し、それでもなお、電子書籍端末1とサーバ30との間の通信がオフライン状態にあるときに、その旨を注文発注部24に通知することができる。なお、所定回数は、特に決められた回数である必要はなく、適宜決めてよい。
注文発注部24は、通信状態検知部23から、電子書籍端末1とサーバ30との間の通信がオンライン状態にあるとの通知を受けると、発注情報設定部22が設定した発注情報をサーバ30に対して出力するよう通信制御部4に指示する。そして、その指示を受けた通信制御部4は、サーバ30に対して発注情報を出力する。
また、注文発注部24は、通信状態検知部23から、サーバ30と電子書籍端末1との間の通信状態がオフライン状態にあるとの通知を受けると、注文は完了している旨、及びサーバ30と電子書籍端末1との間の通信状態がオンライン状態になったときに、商品等が自動的に注文される旨またはユーザに対して発注可否の最終確認を求める旨の少なくとも何れか一方をユーザに対して通知することができる(図6)。
また、注文発注部24は、通信状態検知部23から、サーバ30と電子書籍端末1との間の通信状態が通信状態検知部23によって所定回数検知された後においてもオフライン状態を保持しているとの通知を受けると、サーバ30と電子書籍端末1との間の通信状態をオンライン状態にすることの可否をユーザに確認することができる(図7)。
また、注文発注部24は、電子書籍端末1に図3〜図5に示す表示を所定のタイミングで行わせることもできる。さらに、注文発注部24は、電子書籍端末1がサーバ30からコンテンツ等をダウンロードするタイミングに合わせて発注情報をサーバ30に出力することで、ユーザが負担する通信費やバッテリーの消費量を軽減することもできる。
(サーバ30の構成)
サーバ30は、電子書籍端末1のディスプレイ6に表示されるコンテンツ、あるいはオンライン通信による商取引で販売される商品等を管理し、当該コンテンツを電子書籍端末1に配信するもの、また当該商品等をユーザに郵送等させるものであり、主として、サーバ制御部31、通信制御部32、及びサーバ記憶部33を備えている。
サーバ制御部31は、サーバ30が備える各部の動作を制御するものである。サーバ制御部31は、サーバ記憶部33に記憶されている各種プログラムを読み出して、サーバ30の各部を制御し、サーバ30が備える各種機能を実現する。
例えば、サーバ制御部31は、通信制御部32が受信したコンテンツ等の購入要求に従って、カタログDBに格納されたコンテンツの中に、ユーザが所望するコンテンツ等が存在するか否かを確認する。また、サーバ制御部31は、通信制御部32を制御することにより、受信したコンテンツの購入要求に示されるコンテンツをカタログDBから読み出して、電子書籍端末1に送信する。
通信制御部32は、サーバ制御部31の制御に基づいて、電子書籍端末1との通信を制御するものである。本実施の形態では、電子書籍端末1及びサーバ30の通信を行うための回線として、例えば、電話回線網を使用した第3世代移動通信方式(3G回線)、及び、電子書籍端末1から近接無線通信によって接続してインターネットにアクセスすることができる無線LAN通信方式の回線が使用可能となっている。そして、無線LAN通信方式の回線としては、例えば、WiFi(wireless fidelity)と呼ばれる通信方式の回線(WiFi回線)が挙げられる。この3G回線とWiFi回線とは、ユーザ操作によって切り換え可能である。なお、回線数及び回線の種類については、これらに限られたものではなく、電子書籍端末1及びサーバ30間の通信を可能とする形態であればよい。
サーバ記憶部33は、サーバ制御部31等が実行する(1)各部の制御プログラム、(2)OSプログラム、(3)アプリケーションプログラム、および、(4)これらプログラムを実行するときに読み出す各種データを記録したり、サーバ制御部31等がこれらの各種プログラムを実行する過程でデータを一時的に保持するための作業領域として使用されたりするものである。また、サーバ記憶部33は、端末DB及びカタログDBを記録している。
端末DBは、オンライン発注システム100を構成する各電子書籍端末1を管理するためのデータベースである。また、カタログDBは、サーバ30が電子書籍端末1に配信できるコンテンツ等を格納しかつ管理するためのデータベースである。
〔発注装置20の動作〕
次に、発注装置20の動作を図8により説明する。図8は、発注装置20の動作を説明するためのフローチャートである。
S10では、カートデータ管理部21が、ユーザが購入を希望する商品等がカートに入れられると、そのカートに入った商品をカートデータとして管理する。そして、カートデータ管理部21は、その管理するカートデータを端末記憶部7に記憶させる。なお、ユーザは、端末記憶部7に記憶されたカタログDBから、所望の商品等を選択することができる。
S20では、発注情報設定部22が、電子書籍端末1のユーザに関するユーザ情報と、そのユーザが発注を希望する商品等の内容を示すカートデータとを関連付けて発注情報として設定する。そして、発注情報設定部22は、設定した発注情報を端末記憶部7に記憶させる。このとき、発注情報設定部22は、発注情報を設定するときに、ユーザから商取引の内容を受け付けた時刻を示す時刻情報を発注情報に含めてもよい。
なお、S20の時点で、ユーザ入力によって電子書籍端末1が受け付けた注文は、その発注処理を完了している。
S30では、通信状態検知部23が、通信制御部4の動作状態を確認することにより、電子書籍端末1とサーバ30との間の通信状態を検知する。そして、電子書籍端末1とサーバ30との間の通信状態がオンライン状態であれば、S40に進む。一方、電子書籍端末1とサーバ30との間の通信状態がオフライン状態であれば、S70に進む。
S40では、通信状態検知部23が、その検知結果を注文発注部24に通知する。つまり、通信状態検知部23は、電子書籍端末1とサーバ30とがオンライン状態にあることを注文発注部24に通知する。
S50では、注文発注部24は、通信状態検知部23から、電子書籍端末1とサーバ30との間の通信がオンライン状態にあるとの通知を受けると、発注情報設定部22が設定した発注情報をサーバ30に対して出力するよう通信制御部4に指示する。
S60では、上記指示を受けた通信制御部4が、サーバ30に対して発注情報を出力する。これにより、サーバ30は、その発注情報を受信して、ユーザの所望する商取引を実行することができる。
S70は、S30において、電子書籍端末1とサーバ30との間の通信状態がオフライン状態のときに進むステップである。S70では、通信状態検知部23が、注文発注部24に対して、電子書籍端末1とサーバ30との間の通信状態がオフライン状態であることを通知する。そして、通信状態検知部23は、電子書籍端末1とサーバ30との間の通信がオフライン状態にあることを検知すると、通信制御部4に対して、サーバ30との間の通信状態をオンライン状態にするよう指示する。
なお、図8には記載していないが、S70において、通信状態検知部23が、他の処理、すなわち、電子書籍端末1とサーバ30との間の通信がオフライン状態にあることを検知すると、その通信状態を定期的に検知するといった処理を行ってもよい。あるいは、S70において、通信状態検知部23は、電子書籍端末1とサーバ30との間の通信状態を所定回数検知し、それでもなお、電子書籍端末1とサーバ30との間の通信がオフライン状態にあるときに、その旨を注文発注部24に通知してもよい。そして、S70での処理が終わると、再びS30に戻り上記操作が繰り返される。
このようにして、発注装置20の動作が行われる。
〔実施例〕
次に、ネットワークを介した商取引を電子書籍端末1により行うときの実施例を図9、図10により説明する。図9、図10は、電子書籍端末1を用いてネットワークを介した商取引を行うときの実施例を説明するための図である。
なお、電子書籍端末1では、自端末に表示される電子カタログや雑誌等を介して、ネットワークを介した商取引をユーザに行わせることができる。つまり、ユーザは、電子書籍端末1に電子カタログを表示させて、そのカタログの中から選択した所望の商品を発注することができる。また、従来の電子書籍端末であれば、サーバとの通信状態をオンライン状態として注文処理を行っていたが、電子書籍端末1は、オフライン状態のままで注文処理を完了させることができる。以下、そのことを図9、図10に記載の実施例により説明する。
まず、図9(a)のコンテンツ選択画面では、ユーザは、予め登録されているユーザのお気に入りコンテンツ(同図では、電子カタログ等をサムネイル表示)の中から、自身の所望する商品を購入することが可能なサムネイルを選択する。
なお、同図では、コンテンツ6に対応するサムネイルが選択されており、ユーザは、このサムネイルに対応する電子カタログから、所望の商品をオンラインで購入することができる。また、以降の説明では、理解の容易のため、コンテンツ6は、ファッション関連の電子カタログであるものとして説明する。
図9(b)のカテゴリの選択画面では、複数のカテゴリの中から、ある特定のカテゴリが選択される。例えば、それぞれのカテゴリに、衣服、かばん、アクセサリ等がそれぞれ組み合わされて表示されている場合を考える。このとき、ユーザは、複数のカテゴリの中から、興味のあるファッション(ここでは、衣服、かばん、アクセサリ等の組み合わせをファッションと総称している。)を選択する。なお、図9(b)では、最も左側のカテゴリに対応するファッションが選択されている。
図9(c)のアイテムの選択画面では、選択されたファッションに含まれる衣類、かばん、アクセサリ等(以下、各々の商品をアイテムと称する場合もある。)が個別に表示され、そのアイテムの中から、ユーザの所望するアイテムが選択される。
図9(d)のアイテムの詳細では、図9(c)においてユーザが選択したアイテムの詳細内容が表示される。また、不図示であるが、ユーザは、この表示画面から、希望の色、サイズ、数量等を設定可能であってよい。
図9(e)のアイテム詳細画面では、ユーザが、選択したアイテムの色、サイズ、数量等を決定した上で、「カートに入れる」のボタン(不図示)を押している。なお、ユーザが当該ボタンを押すことにより、カートデータ管理部21は、ユーザが購入を希望するアイテムがカートに入れられると、そのカートに入ったアイテムをカートデータとして管理する。そして、カートデータ管理部21は、その管理するカートデータを端末記憶部7に記憶させる。
図9(f)の確認画面では、次のアイテムの注文を受け付けるために、表示画面には「次へ」といったボタン(不図示)が現れる。そして、ユーザは、そのボタンを押すことにより、次のアイテムの購入に進むことができる。
図9(g)の注文画面では、カート画面が表示される。つまり、これまでにユーザが発注した1または複数の商品がカート内商品として表示される。なお、その画面には、カート内で管理されている商品のトータル金額が表示されていてもよい。
次に、図10(a)の購入画面では、ユーザが、図9(g)の画面に表示される「購入」のボタン(不図示)を押す。これにより、ユーザは、カート内で管理されているアイテムを購入対象のアイテムとすることを確定する。
そして、図10(b)の注文画面では、ユーザが、図10(a)に表示される「注文」のボタン(不図示)を押す。これにより、図10(c)に示すとおり、カート内で管理されているアイテムの注文処理が完了する。このとき、画面には、「注文完了しました」、「次回オンライン接続時に発注します」というお知らせが表示される。
なお、この時点で、発注情報設定部22は、電子書籍端末1のユーザに関するユーザ情報と、そのユーザが発注を希望する商品(アイテム)等の内容を示すカートデータとを関連付けて発注情報として設定している。そして、その時点で注文処理は完了している。
また、図10(c)の画面表示の内容から、この時点で通信状態検知部23は、サーバ30と電子書籍端末1との間の通信状態はオフライン状態であることを検知している。そして、注文発注部24は、注文は完了している旨、及びサーバ30と電子書籍端末1との間の通信状態がオンライン状態になったときに、商取引の内容が自動的に注文される旨をユーザに対して通知している。
最後に、図10(d)のコンテンツ選択画面では、注文処理が完了したことから、図9(a)の画面が再度表示される。
このように、ユーザは、発注装置20を内蔵した電子書籍端末1を用いて、ネットワークを介した商取引を行うことができる。そして、上記説明からも分かるとおり、電子書籍端末1は、電子化された書籍(電子カタログ)中にチェックをかけていくことにより、たとえ電子書籍端末1とサーバ30との間の通信状態がオフライン状態であったとしても、自動的に発注する仕組みをユーザに提供している。この点、電子書籍端末1は、従来の課題、すなわち、オンライン状態でなければサーバ30に記録された電子カタログを読むことができず、またオフライン状態を保持すると発注処理を完了させることができなかったという課題を解決している。
〔発注装置20等によって得られる効果〕
以下、発注装置20等によって得られる効果を説明する。
発注装置20は、ネットワークを介した商取引に利用されるサーバ30との間で通信可能な電子書籍端末1に用いられる発注装置20であって、電子書籍端末1のユーザに関するユーザ情報と、そのユーザが発注を希望する商取引の内容を示す商取引情報とを関連付けて発注情報として設定する発注情報設定部22と、サーバ30と電子書籍端末1との間の通信状態がオンライン状態およびオフライン状態の何れであるかを検知する通信状態検知部23と、通信状態検知部23から、サーバ30と電子書籍端末1との間の通信状態がオンライン状態にあるとの通知を受けると、発注情報設定部22が設定した発注情報をサーバ30に対して出力させる注文発注部24と、を備えることを特徴としている。
本発明に係る発注方法は、ネットワークを介した商取引に利用されるサーバ30との間で通信可能な電子書籍端末1に用いられる発注方法であって、電子書籍端末1のユーザに関するユーザ情報と、そのユーザが発注を希望する商取引の内容を示す商取引情報とを関連付けて発注情報として設定する設定ステップと、サーバ30と電子書籍端末1との間の通信状態がオンライン状態およびオフライン状態の何れであるかを検知する検知ステップと、検知ステップにて、サーバ30と電子書籍端末1との間の通信状態がオンライン状態にあるとの通知を受けると、設定ステップにて設定された発注情報をサーバ30に対して出力させる発注ステップと、を含むことを特徴としている。
従来の電子書籍端末は、サーバ30との通信状態がオフライン状態のままでは注文処理を完了することができず、注文処理を完了するには、送信ボタンを押すなどしてユーザが電子書籍端末1をオンライン状態にしなければならなかった。また、従来の電子書籍端末は、通信状態がオフである場合、例えば、電子書籍端末が通信可能な範囲の圏外に位置する場合や電子書籍端末の通信機能がオフとなっている場合、あるいは、サーバにおける注文受付用HPなどが何らかの原因で動作していない場合に、「通信ボタン」を押すなどしてユーザがオンライン状態にしようとしても、注文処理を完了することができないという問題もあった。
しかしながら、発注装置20(発注方法)は、電子書籍端末1とサーバ30との間の通信状態がオンライン状態であるか、オフライン状態であるかにかかわらず、商品等の発注処理を完了させることができる。
具体的には、発注装置20(発注方法)では、まず発注情報設定部22(設定ステップ)が、ユーザ情報と商取引情報とを関連付けて発注情報を設定する。また、通信状態検知部23(検知ステップ)は、サーバ30と電子書籍端末1との間の通信状態がオンライン状態であることを検知すると、その旨を注文発注部24(発注ステップ)に通知する。そして、注文発注部24(発注ステップ)は、発注情報設定部22(設定ステップ)が設定した発注情報をサーバ30に対して出力させる。
したがって、発注装置20(発注方法)では、サーバ30と電子書籍端末1との間の通信状態がオンライン状態であれば、注文発注部24(発注ステップ)によって発注情報がサーバ30に対して出力される。つまり、サーバ30と電子書籍端末1との間の通信状態がオンライン状態であれば、発注情報は自動的にサーバ30に出力される。
それゆえ、発注装置20(発注方法)では、発注情報が発注情報設定部22(設定ステップ)によって設定された時点で注文処理が完了していると言え、従来のように、ユーザが送信ボタンを押すなどの操作をして電子書籍端末をオンライン状態にし、それにより発注処理を完了させるという手順を踏む必要が無くなる。
さらに、発注装置20(発注方法)では、サーバ30と電子書籍端末1との間の通信状態がオンライン状態でありさえすれば、発注情報がサーバ30に対して自動的に出力される。そのため、商取引に関連する特定のアプリケーションが起動・動作することを注文処理を完了させる前提とする必要もない。
このように、発注装置20(発注方法)では、電子書籍端末1とサーバ30との間の通信状態がオンライン状態であるか、オフライン状態であるかにかかわらず、商品等の発注処理を完了させることができる。したがって、発注処理を完了させるために、従来のように送信ボタンを押すなどの操作をユーザに強いることもなく、ネットワークを介した商取引の利便性を格段に向上させることができる。
さらに、発注装置20では、通信状態検知部23は、サーバ30と電子書籍端末1との間の通信状態がオフライン状態にあることを検知すると、電子書籍端末1に対して、サーバ30との間の通信状態をオンライン状態にするよう指示する構成であってよい。
上記構成によれば、サーバ30と電子書籍端末1との間の通信状態が、通信状態検知部23からの指示に基づいてオフライン状態からオンライン状態になる。そのため、注文発注部24は、発注情報設定部22が設定した発注情報をサーバ30に対して出力させることが可能となる。
したがって、発注装置20は、たとえサーバ30と電子書籍端末1との間の通信状態がオフライン状態であっても、通信状態検知部23からの指示に基づいてオフライン状態をオンライン状態にし、発注情報を迅速にサーバ30に対して出力させることができる。それゆえ、ユーザは、送信ボタンを押すなどの操作を行うこともなく、所望する商取引を速やかに実行することができる。
さらに、発注装置20では、通信状態検知部23は、サーバ30と電子書籍端末1との間の通信状態がオフライン状態にあることを検知すると、通信状態を定期的に検知する構成であってよい。
上記構成によれば、サーバ30と電子書籍端末1との間の通信状態は通信状態検知部23によって定期的に検知される。このため、サーバ30と電子書籍端末1との間の通信状態がオフライン状態からオンライン状態に変わったときに、通信状態検知部23は、速やかにオンライン状態を検知することができる。その結果、注文発注部24は、発注情報設定部22が設定した発注情報をサーバ30に対して速やかに出力させることができる。
なお、定期的は、ある一定の時間間隔であったり、あるいは、サーバ30から、サーバ30でのイベント発生(例えば、「停止していたサーバ30が稼動した」、「サーバ30の混雑が解消された」など)の通知を受けたときとしてもよく、特定の時間・時刻に限られない。
さらに、発注装置20では、注文発注部24は、通信状態検知部23から、サーバ30と電子書籍端末1との間の通信状態が通信状態検知部23によって所定回数検知された後においてもオフライン状態を保持しているとの通知を受けると、サーバ30と電子書籍端末1との間の通信状態をオンライン状態にすることの可否をユーザに確認する構成であってよい。
サーバ30と電子書籍端末1との間の通信状態が通信状態検知部23によって所定回数検知された後においてもオフライン状態が保持される場合、つまり、長時間のオフライン状態が継続する場合が発生しうる。そのような場合には、注文発注部24は、サーバ30と電子書籍端末1との間の通信状態をオンライン状態にすることの可否をユーザに確認する。
そして、ユーザは、通信状態をオンライン状態にすることを希望するのであれば、サーバ30と電子書籍端末1との間の通信状態をオンライン状態にすることを選択し、所望の商取引を速やかに実行すればよい。
また、ユーザは、通信状態をオンライン状態にすることを希望しないのであれば、現状(オフライン状態)のままでよいとの選択を行えばよい。
このように、発注装置20は、サーバ30と電子書籍端末1との間の通信状態をオンライン状態にすることの可否をユーザに確認させることができるため、ユーザの希望を反映させた商取引を実現することができる。
さらに、発注装置20では、注文発注部24は、通信状態検知部23から、サーバ30と電子書籍端末1との間の通信状態がオフライン状態にあるとの通知を受けると、注文は完了している旨、及びサーバ30と電子書籍端末1との間の通信状態がオンライン状態になったときに、商取引の内容が自動的に注文される旨またはユーザに対して発注可否の最終確認を求める旨の少なくとも何れか一方をユーザに対して通知する構成であってよい。
あまりにオフライン状態が長く続くと、ユーザは、所望の商取引の内容が実際に注文完了しているかどうか不安を覚えることもある。
そこで、上記構成とすることにより、注文は完了している旨がユーザに知らされ、ユーザは不安を払拭することができる。また、サーバ30と電子書籍端末1との間の通信状態がオンライン状態になったときに、商取引の内容が自動的に注文される旨またはユーザに対して発注可否の最終確認を求める旨が通知されれば、ユーザは不安を払拭することができる。
このように、発注装置20は、自動的に発注処理が完了することによりユーザが覚える不安(「本当に注文処理が完了しているのか?」など)を解消することができ、優れた利便性をユーザに提供することができる。
さらに、発注装置20では、発注情報設定部22は、発注情報を設定するときに、ユーザから商取引の内容を受け付けた時刻を示す時刻情報を発注情報に含める構成であってよい。
発注装置20(発注方法)は、サーバ30と電子書籍端末1との間の通信状態がオンライン状態であれば、発注情報を自動的にサーバ30に出力させることができる。
そのため、電子書籍端末1とサーバ30との間で通信障害が発生したような場合には、オンライン状態に復旧した後で、サーバ30が電子書籍端末1から受ける多数の注文を円滑に処理することは難しくなる。例えば、通信障害が発生した直後に行われた注文と通信障害が解決する直前に行われた注文とを処理するときに、後から受け付けた注文を先に処理すると、最初に受け付けた注文の処理に遅延が生じ、最初に注文を行ったユーザの不満を高めることになる。
そこで、上記構成にすることで、ユーザから商取引の内容を受け付けた時刻を示す時刻情報を発注情報に含めることができるため、サーバ30は、その発注情報に基づいて、注文を受け付けた順序にしたがって処理を進めることができる。それゆえ、商取引の実行が遅延することによって生じるユーザの不満を少しでも軽減することができる。
なお、基準とする時刻は、電子書籍端末1で管理する時刻、電子書籍端末1とサーバ30とから構成されるオンライン発注システムが管理する時刻など、種々の時刻を基準とすることができる。
さらに、電子書籍端末1は、上記何れかの発注装置20を備えることを特徴としている。
上記構成によれば、電子書籍端末1は、何れかの発注装置20を備える。これにより、電子書籍端末1は、ユーザが自装置を持ち運びする先々で、上述した種々の効果を実現することができる。それゆえ、電子書籍端末1は、上記何れかの発注装置20を備えることにより、さらにユーザの利便性を高めることができる。
さらに、電子書籍端末1は、ネットワークを介した商取引の内容が更新可能に記録されたデータベースを備え、商取引情報は、ユーザがデータベースを参照して選択した、ユーザが発注を希望する商取引の内容を示す情報であってよい。
従来のようにサーバ上のみにデータベースが記録されている場合、電子書籍端末は、キャッシュ等に記録されたデータの一部の閲覧や検索などは可能であるものの、それ以上の詳細データへはアクセスすることができない。そのため、従来の電子書籍端末では、データベースの詳細を電子書籍端末のみでは確認することができず、ユーザはサーバ上のデータベースにアクセスする必要があった。
この点、電子書籍端末1は、ネットワークを介した商取引の内容が更新可能に記録されたデータベースを備えているため、通信状態にかかわらず、最新のデータベースの閲覧や検索などを自装置内で完結させることが可能である。
さらに、商取引情報は、ユーザがデータベースを参照して選択した、ユーザが発注を希望する商取引の内容を示す情報である。したがって、電子書籍端末1およびサーバ30に記録されたデータベースが最新の情報を共有していれば、電子書籍端末1からサーバ30へ出力される商取引情報(あるいは、発注情報)がサーバ30側で認識できないといった事態を防ぐことができる。その結果、電子書籍端末1は、電子書籍端末1内でユーザが確認した最新のデータベースに基づいて商取引を実行できるため、ユーザに高い満足感を与えることができる。
なお、発注装置20(発注方法)は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを設定ステップ、検知ステップ、及び発注ステップとして動作させることにより発注方法をコンピュータにて実現させる発注プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
〔補足〕
最後に、発注装置20の各ブロック、特に発注情報設定部22、通信状態検知部23、及び注文発注部24は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
すなわち、発注装置20は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、前記プログラムを格納したROM(read only memory)、前記プログラムを展開するRAM(random access memory)、前記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備える。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである発注装置20の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、発注装置20に供給し、そのコンピュータ(又はCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
前記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやコンパクトディスク−ROM/MO/MD/デジタルビデオデイスク/コンパクトディスク−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
また、発注装置20を通信ネットワークと接続可能に構成し、前記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、前記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
〔カタログDBに関する効果〕
ネットワークを介した商取引を従来の電子書籍端末を用いて行う場合であって、サーバ上のみにカタログDBが記録されている場合を考える。この場合、従来の電子書籍端末は、キャッシュ上にある商品データの閲覧、検索は可能であるものの、自端末内ではそれ以上のカタログDBへのアクセスができない。そのため、従来の電子書籍端末は、ユーザにとって利便性の低かった。
一方、本実施の形態に係る電子書籍端末1では、端末記憶部7にカタログDBを記録している。そのため、通信状態がオンライン状態であるか、オフライン状態であるかに関わらず、カタログDBにより商品の閲覧、検索等が可能となる。したがって、電子書籍端末1は、ユーザにとって極めて高い利便性を実現することができる。
さらに、上記構成とすることにより、例えば、オンライン時はサーバ上のカタログDBを使用し、オフライン時は端末記憶部7に記録されたカタログDBを使用することができる。また端末記憶部7に記録されたカタログDBが古くなったときには、サーバ上のカタログDBの内容を端末記憶部7に記録されたカタログDBは更新することになるが、その更新中はサーバ上のカタログDBを使用する、といった構成を実現することができる。つまり、電子書籍端末1は、通信状態に応じた切り替えや、端末記憶部7に記録されたカタログDBの更新時のカタログDBの切り替えが可能となる。
さらに、電子書籍端末1には次の効果が期待できる。
従来の電子書籍端末は、商品の注文処理を行うときに、常時接続を前提としていないため、サーバー上のデータベースを直接することはない。このような形態は、商品サイクルが長い場合、あるいは商品点数が少ない場合には、サーバ上で更新されるデータが小さい(少ない)ため問題は少ない。しかしながら、商品サイクルが短い場合や商品点数が多い場合などには、サーバ上で更新されるデータ大きくなり、従来の電子書籍端末のキャッシュ上に記録されたデータは陳腐化するのが早くなる。また、そのデータを更新(システムの起動時に差分を更新)するときに、データ量が多いため、システムを使用できるまでに長い時間を要するといった問題が顕在化する。
この点、電子書籍端末1は、使用するカタログDBを切り替えることができるため、常に最新のデータベースを使用でき、かつ、カタログDBの更新中も注文処理が可能となる。