JP5537721B1 - 巻線試験装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】低いインダクタンスの被試験コイルにおいて、十分に高い電圧で精度良く、かつ高速に試験を行うことができる巻線試験装置を提供する。
【解決手段】巻線試験装置100は、被試験コイルMの端子間に電圧を印加するための同軸ケーブル161を接続可能な出力端子151,152と、被試験コイルMの端子間に生じる測定電圧を受けるための同軸ケーブル162を接続可能な出力端子153,154と、被試験コイルMの端子間に印加するインパルス電圧を発生し、出力端子151,152に出力するインパルス電圧発生部110と、被試験コイルMの端子間に発生する端子間電圧の波形を検出する端子間電圧検出回路120と、測定波形に基づいて被試験コイルMの良否を判定するとともに、上記各部を制御する試験制御部140と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、巻線部品の良否を試験する巻線試験装置に関する。
巻線を備える巻線部品には、インダクタ、変圧器、磁界発生用コイル等が挙げられ、このような巻線部品は電子・電気機器において数多く用いられている。
スマートフォンやタブレット端末などの普及により、チップ部品の生産量が増大している。なかでもバッテリの動作時間を延ばすため、電源回路などに使われるチップインダクタは、効率の向上と共に低インダクタンスになり、大容量化、小型化が進み、より高い信頼性が要求されている。
特許文献1には、検査対象の巻線である被試験コイルの端子間にインパルス電圧を印加するインパルス電圧発生手段と、被試験コイルの端子間に発生する振動電圧の波形を検出する端子間電圧検出手段と、被試験コイルの放電により発生する電磁波を検出する電磁波検出手段と、検出した振動電圧波形及び電磁波波形を表示する表示手段を備える巻線の検査装置が記載されている。
特開2009−115505号公報
しかしながら、このような従来の巻線検査装置にあっては、インダクタンスが低い(例えば1μH以下)被試験コイルの試験について下記の問題点があった。
インダクタンスが低い被試験コイルを試験する場合、低インダクタンスであるために、試験装置から印加したパルス電圧が、被試験コイルの両端で低下してしまう。このため、高い印加電圧による耐電圧試験が行えない。例えば1μH以下の超低インダクタンスの被試験コイルに対し、より高い電圧(試験電圧1000V)以上の試験に対応することはできなかった。
また、従来の巻線試験装置において、インパルス電圧の印加により試験回路と被試験コイルとの間で共振により生じる電圧減衰波形を測定しようとしても、低インダクタンスであるために、精度良く電圧減衰波形を得ることができない。この対策として、試験回路に共振状態を作り出すためのダミーコンデンサを取り付け、減衰波形の周期を大きくすることが考えられる。しかしながら、このダミーコンデンサを取り付ける方法では、被試験コイル本来の特性による応答波形が得られず、またインパルス電圧の印加に大きな電気エネルギを必要とし、その結果試験を高速に行うことができないという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、低いインダクタンスの被試験コイルについて、十分に高い電圧で精度良く、かつ高速に試験を行うことができる巻線試験装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明の巻線試験装置は、被試験コイルの端子間に電圧を印加するための電圧印加系試験ケーブルである第1同軸ケーブルを接続可能な第1及び第2出力端子と、前記被試験コイルの端子間に生じる測定電圧を受けるための電圧検出系試験ケーブルである第2同軸ケーブルを接続可能な第3及び第4出力端子と、前記被試験コイルの端子間に印加するインパルス電圧を発生し、前記第1及び第2出力端子に出力するインパルス電圧発生手段と、前記第3及び第4出力端子に接続され、前記インパルス電圧発生手段からインパルス電圧を印加することにより前記被試験コイルの端子間に発生する端子間電圧の波形を検出する端子間電圧検出手段と、前記端子間電圧検出手段が検出する測定波形に基づいて前記被試験コイルの良否を判定する判定手段と、を備え、前記端子間電圧検出手段は、前記被試験コイルのインダクタンスと前記第3端子と前記第4端子間の静電容量との共振により生じる逆起電圧を含む測定波形を検出し、前記判定手段は、基準コイルによるマスタ波形と前記被試験コイルの測定波形とを比較し、ずれ量が上下閾値範囲に収まることで前記被試験コイルが良品であると判定するとともに、前記被試験コイルの不良判定が所定数続いた場合には、前記上下閾値範囲を不良が生じない側にシフトさせることを特徴とする。
また、本発明の巻線試験装置は、被試験コイルの端子間に電圧を印加するための電圧印加系試験ケーブルである第1同軸ケーブルを接続可能な第1及び第2出力端子と、前記被試験コイルの端子間に生じる測定電圧を受けるための電圧検出系試験ケーブルである第2同軸ケーブルを接続可能な第3及び第4出力端子と、前記被試験コイルの端子間に印加するインパルス電圧を発生し、前記第1及び第2出力端子に出力するインパルス電圧発生手段と、前記第3及び第4出力端子に接続され、前記インパルス電圧発生手段からインパルス電圧を印加することにより前記被試験コイルの端子間に発生する端子間電圧の波形を検出する端子間電圧検出手段と、前記端子間電圧検出手段が検出する測定波形に基づいて前記被試験コイルの良否を判定する判定手段と、を備え、前記端子間電圧検出手段は、前記被試験コイルのインダクタンスと前記第3端子と前記第4端子間の静電容量との共振により生じる逆起電圧を含む測定波形を検出し、前記判定手段は、前記マスタ波形から、波形データ列を求め、この波形データ列を微分して微分値を算出し、算出した微分値を前記マスタ波形全体に亘って和した値を基準値として予め格納しておくとともに、 前記測定波形から、波形データ列を求め、この波形データ列を微分して微分値を算出し、算出した微分値を前記測定波形全体に亘って和した値を得て、前記マスタ波形から求めた前記基準値と、前記測定波形から求めた値とを比較し、ずれ量が、所定閾値以下であれば、被試験コイルは、良品と判定し、そうでなければ不良品と判定することを特徴とする。
また、本発明の巻線試験装置は、被試験コイルの端子間に電圧を印加するための電圧印加系試験ケーブルである第1同軸ケーブルを接続可能な第1及び第2出力端子と、前記被試験コイルの端子間に生じる測定電圧を受けるための電圧検出系試験ケーブルである第2同軸ケーブルを接続可能な第3及び第4出力端子と、前記被試験コイルの端子間に印加するインパルス電圧を発生し、前記第1及び第2出力端子に出力するインパルス電圧発生手段と、前記第3及び第4出力端子に接続され、前記インパルス電圧発生手段からインパルス電圧を印加することにより前記被試験コイルの端子間に発生する端子間電圧の波形を検出する端子間電圧検出手段と、前記端子間電圧検出手段が検出する測定波形に基づいて前記被試験コイルの良否を判定する判定手段と、前記被試験コイルに流れる電流を検出する電流検出手段と、を備え、前記端子間電圧検出手段は、前記被試験コイルのインダクタンスと前記第3端子と前記第4端子間の静電容量との共振により生じる逆起電圧を含む測定波形を検出し、前記制御手段は、前記電流検出手段により検出された電流の値を基に、前記被試験コイルに流れる電流の値が、予め設定した電流の値となるように前記インパルス電圧発生手段を制御することを特徴とする。
また、本発明の巻線試験装置は、被試験コイルの端子間に電圧を印加するための電圧印加系試験ケーブルである第1同軸ケーブルを接続可能な第1及び第2出力端子と、前記被試験コイルの端子間に生じる測定電圧を受けるための電圧検出系試験ケーブルである第2同軸ケーブルを接続可能な第3及び第4出力端子と、前記被試験コイルの端子間に印加するインパルス電圧を発生し、前記第1及び第2出力端子に出力するインパルス電圧発生手段と、前記第3及び第4出力端子に接続され、前記インパルス電圧発生手段からインパルス電圧を印加することにより前記被試験コイルの端子間に発生する端子間電圧の波形を検出する端子間電圧検出手段と、前記端子間電圧検出手段が検出する測定波形に基づいて前記被試験コイルの良否を判定する判定手段と、前記被試験コイルに流れる電流を検出する電流検出手段と、を備え、前記電流検出手段は、前記被試験コイルに流れるインパルス電流を検出し、前記判定手段は、前記被試験コイルに印加するインパルス電圧と前記インパルス電流との位相に基づいて、前記被試験コイルの特性を判定することを特徴とする。
本発明によれば、2本の同軸ケーブルを使用した4端子測定法により、逆起電圧を測定するので、低いインダクタンスの被試験コイルにおいて、十分に高い電圧で精度良く、かつ高速に試験を行うことができる。
本発明の第1の実施形態に係る巻線試験装置の構成を示すブロック図である。 第1の実施形態に係る巻線試験装置のインパルス電圧発生部より印加するインパルス電圧、被試験コイルにインパルス電圧を印加した場合に端子間電圧検出回路で検出される端子間電圧、及び電流検出回路で検出される電流の波形図である。 第1の実施形態に係る巻線試験装置の同軸ケーブルを使用した4端子試験回路を説明する模式図であり、(a)は本実施形態の巻線試験装置の4端子試験回路を示し、(b)は比較例として2端子試験回路を示す。 第1の実施形態に係る巻線試験装置において逆起電圧によるインパルス波形試験を説明する波形図であり、(a)は本実施形態の巻線試験装置の逆起電圧によるインパルス波形を示し、(b)は比較例として1μHの空芯コイルのインパルス波形を示す。 第1の実施形態に係る巻線試験装置の電圧上昇絶縁破壊試験動作を示すフローチャートである。 第1の実施形態に係る巻線試験装置の電圧上昇絶縁破壊試験によるマスタ波形を説明する波形図である。 第1の実施形態に係る巻線試験装置の試験結果の判定値を説明する波形図である。 第1の実施形態に係る巻線試験装置のピーク電圧の比較による高速判定を説明する波形図である。 本発明の第2の実施形態に係る巻線試験装置の構成を示すブロック図である。 第2の実施形態に係る巻線試験装置の印加電流の制御によるインパルス評価法を説明する波形図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る巻線試験装置の構成を示すブロック図である。
図1に示す巻線試験装置100は、試験対象となる被試験コイルMに電気エネルギをパルス的に印加して、その時の被試験コイルMの両端電圧を波形として得て、被試験コイルMの状態(良否)を判定するものである。
そのために、巻線試験装置100は、インパルス電圧発生部110(インパルス電圧発生手段)と、端子間電圧検出回路120(端子間電圧検出手段)と、A/Dコンバータ130と、試験制御部140と、出力端子151(第1出力端子),出力端子152(第2出力端子),出力端子153(第3出力端子),出力端子154(第4出力端子)と、を備えて構成される。
巻線試験装置100の出力端子151〜154には、同軸ケーブル161,162を通して被試験コイルMが接続される。
本明細書では、パルス的に出力する電気エネルギをインパルス電圧、インパルス電流、又はインパルス波形と呼んでいる。
[インパルス電圧発生部110]
インパルス電圧発生部110は、インパルス電圧を発生させ、被試験コイルMに供給するもので、高電圧発生回路111と、高圧コンデンサ112と、サイリスタ等からなる高電圧スイッチング回路113と、ゲートパルス制御回路114と、を備える。インパルス電圧発生部110は、高電圧発生回路111から供給する電荷を、高圧コンデンサ112に蓄積し、この蓄積した電荷を高電圧スイッチング回路113でスイッチングすることにより、高電圧インパルス(パルス電圧)を発生する。
高電圧発生回路111は、高圧コンデンサ112に電荷を充電する。高電圧発生回路111では、一般的なコイルの絶縁試験が可能な程度(通常、数kV)の高い電圧を発生する。
高圧コンデンサ112は、高電圧発生回路111から供給される電荷を蓄積して、高電圧スイッチング回路113のスイッチ作用(ゲート制御)によって、蓄積した電荷を瞬時に放出する。高圧コンデンサ112のコンデンサ容量は、例えば0.01μFである。
高電圧スイッチング回路113は、高圧コンデンサ112に蓄積されている電荷をスイッチ作用(ゲート制御)によって、瞬時に放出させることで、高電圧インパルスを発生させる。高電圧スイッチング回路113は、例えばサイリスタ(Thyristor)で構成される。高電圧スイッチング回路113を、サイリスタで構成する場合、アノードを高圧コンデンサ112に、カソードを高電圧スイッチング回路113出力側に、ゲートをゲートパルス制御回路114にそれぞれ接続し、ゲートからカソードへゲート電流を流すことにより、アノードとカソード間を導通(ターンオン)させる。サイリスタは、アノードからカソードに逆方向の電流が流れた時点で自動的に非導通(ターンオフ)状態になるため、オフにするための特別な回路は必要ない。なお、高電圧スイッチング回路113は、上記サイリスタに代えて、MOSFET(metal-oxide-semiconductor field-effect transistor)などの他のスイッチング素子で構成してもよい。
ゲートパルス制御回路114は、制御部141からの指示に従って高電圧スイッチング回路113(ここではサイリスタ)のゲートに所定パルスを印加することでサイリスタのオン状態とオフ状態とを制御する。
ここで、インパルス電圧発生部110から発生される1回の高電圧インパルスによって、高圧コンデンサ112に充電されている電荷及び印加されていた充電電圧は0になる。このため、高圧コンデンサ112は、高電圧インパルスの休止期間中に、高電圧発生回路111から絶えず電荷が充電されるようにしておけば、連続的な高電圧インパルスの発生(パルス動作)が可能である。
[端子間電圧検出回路120]
端子間電圧検出回路120は、分圧器等によって構成され、インパルス電圧発生部110から発生されたインパルス電圧が被試験コイルMに印加された際の被試験コイルMの端子間における電圧(端子間に印加されている電圧、すなわち、端子間電圧)を検出する。
また、端子間電圧検出回路120は、出力端子153,154に接続され、出力端子153,154は、静電容量(配線容量C)を有する同軸ケーブル162を介して被試験コイルMの両端に接続される。この構成により、端子間電圧検出回路120は、インパルス電圧発生部110から高電圧インパルスが被試験コイルMに印加された際に被試験コイルMの端子間に被試験コイルMのインダクタンスLと同軸ケーブル162が有する静電容量(配線容量C)とにより生じた逆起電圧と、続いて被試験コイルMのインダクタンスLと同軸ケーブル162が有する静電容量(配線容量C)とに依存した共振周波数で振動する電圧(共振振動電圧)とを検出する。
[A/Dコンバータ130]
A/Dコンバータ130は、端子間電圧検出回路120によって検出された被試験コイルMの端子間電圧をデジタル信号に変換し、試験制御部140の制御部141に入力する。上記したように、端子間電圧には、被試験コイルMのインダクタンスLと同軸ケーブル162が有する静電容量(配線容量C)とにより生じた逆起電圧と、被試験コイルMのインダクタンスLと同軸ケーブル162が有する静電容量(配線容量C)とに依存した共振周波数で振動する電圧(共振振動電圧)とが含まれる。なお、この逆起電圧と共振振動電圧とを含む端子間電圧の波形を総称して測定波形と呼んでいる。
[試験制御部140]
試験制御部140は、巻線試験装置100全体を統括制御するとともに、インパルス電圧発生部110のインパルス電圧発生タイミング等を制御し、また検出された被試験コイルMの端子間電圧に基づいて、波形処理、判定処理及び波形表示処理を実行するものである。そのために、試験制御部140は、制御部141(判定手段,制御手段)と、高電圧制御回路142と、操作入力部143と、表示部144と、外部機器制御部145と、を備える。
制御部141は、検出された被試験コイルMの測定波形に基づいて被試験コイルMの良否を判定する判定機能と、インパルス電圧発生部110、A/Dコンバータ130、及び前記判定機能を制御する制御機能とを有する。制御部141は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を含んで構成され、CPUは、ROMに格納された制御プログラムをRAMに展開して実行することにより上記判定機能及び制御機能を実現する。
高電圧制御回路142は、制御部141からの制御信号に従って高電圧発生回路111を制御する制御指令を出力する。
操作入力部143は、被試験コイルMの試験を行うための各種設定及び操作情報を入力するもので、操作ボタン、操作ダイヤル、モード/レンジ切替えスイッチ等からなる。
表示部144は、被試験コイルMの試験のための印加電圧波形、電流波形、測定波形、マスタ波形、設定パラメータ及び判定結果等を表示するもので、例えばLCD,CRTディスプレイ及び制御ドライバ等から構成される
外部機器制御部145は、制御部141からの完了信号を基に、次のチップインダクタ(被試験コイルM)への切替を行うハンドラを制御する。
[出力端子151〜154]
出力端子151(第1出力端子)は、インパルス電圧発生部110の高電位側出力に接続され、出力端子152(第2出力端子)は、インパルス電圧発生部110の低電位側出力(本実施形態では、GND)に接続されている。また、出力端子153(第3出力端子)と出力端子154(第4出力端子)は、それぞれ端子間電圧検出回路120に接続されている。
4端子測定時、出力端子151,152には、同軸ケーブル161(電圧印加系試験ケーブル)が接続され、出力端子153,154には、同軸ケーブル162(電圧検出系試験ケーブル)が接続される。詳細には、インパルス電圧発生部110の出力側は、出力端子151及び同軸ケーブル161の内部導体161aを介して被試験コイルMの一方の端に接続され、インパルス電圧発生部110のGNDは、出力端子152及び同軸ケーブル161の外部導体161bを介して被試験コイルMの他方の端に接続される。端子間電圧検出回路120の測定端子は、出力端子153及び同軸ケーブル162の内部導体162aを介して被試験コイルMの一方の端に接続され、端子間電圧検出回路120の測定端子は、出力端子154及び同軸ケーブル162の外部導体162bを介して被試験コイルMの他方の端に接続される。したがって、被試験コイルMの一方の端には、同軸ケーブル161の内部導体161aと同軸ケーブル162の内部導体162aとが接続され、被試験コイルMの一方の端には、同軸ケーブル161の外部導体161bと同軸ケーブル162の外部導体162bとが接続されることになる。
[同軸ケーブル161,162]
同軸ケーブル161は、電圧印加系の経路を構成する電圧印加系試験ケーブルである。同軸ケーブル162は、電圧検出系の経路を構成する電圧検出系試験ケーブルである。同軸ケーブル161は、一方の端子が巻線試験装置100の出力端子151,152に接続され、他方の端子が被試験コイルMの両端に接続される。また、同軸ケーブル162は、一方の端子が巻線試験装置100の出力端子153,154に接続され、他方の端子が被試験コイルMの両端に接続される。
図1に示すように、巻線試験装置100側から見ると、出力端子151〜154と被試験コイルMの両端とは、同軸ケーブル161,162により4端子接続されている。
同軸ケーブル161,162は、静電容量(配線容量C)と抵抗値Rとを有する。被試験コイルMが接続された同軸ケーブル161,162は、被試験コイルMのインダクタンスL、同軸ケーブル161,162の静電容量(配線容量C)、及び抵抗値Rで構成されるLCR回路となる。
[被試験コイルM]
被試験コイルMは、チップインダクタ等の超低インダクタンス(1μH以下)のコイル部品である。
以下、図2を参照(適宜図1参照)して上述のように構成された巻線試験装置100の動作について説明する。
まず、巻線試験装置100のインパルス試験の概要について説明する。
図2は、インパルス電圧発生部110によるインパルス電圧の印加、被試験コイルMにインパルス電圧を印加した場合に端子間電圧検出回路120で検出される端子間電圧、図示しない電流検出回路で検出される電流の波形図である。縦軸に電圧(V)及び電流(mA)、横軸に時間(μsec)をとる。図2の左側が被試験コイルMに印加するインパルス波形、図2の右側がインパルス波形印加後の被試験コイルMの両端電圧及び電流波形を示している。
図2に示す試験波形の測定で用いた被試験コイルMは、超低インダクタンス(1μH以下)、コアの磁気飽和なしのコイル部品である。また、インパルス電圧発生部110が、被試験コイルMに印加する印加電圧は、印加電圧−10Vのインパルス電圧である。このインパルス電圧の印加ピークは、−10Vである。電流波形は、電圧波形より遅れ、電流ピークは、−2.8Aである。
図2に示すように、インパルス電圧発生部110は、被試験コイルMにマイナス極性のインパルス電圧を印加する。
インパルス電圧印加開始時刻(i)、インパルス電圧の印加ピーク(−10V)時(ii)、電流ピーク(約−2.8A)時(iii)、高電圧スイッチング回路113のサイリスタOFFポイント(iv)とする。上記時刻(i〜iv)が印加波形の1サイクルであり、印加パルス幅としては、約1.5μsecである。
図2に示すように、被試験コイルMに対して、印加パルス幅約1.5μsecの間に、インパルス電圧の印加ピーク−10V、電流ピーク約−2.8Aとなる電気エネルギが印加されると、被試験コイルMの両端には最大で−17Vのピーク電圧が極短時間に加わることになる。
図2に示すように、印加波形の1サイクル(i〜iv)の間で、電圧波形は、マイナスピークとプラスピークとのゼロ点に対して略対称である。電流波形は、電圧波形に対し約90度遅れ、さらに電流はオーバシュートによる遅れも生じて、電圧波形と電流波形とが交差するサイリスタOFFポイントサイクル(iv)でサイリスタがOFFする。
図2のピーク電圧(V)に示すように、サイリスタOFFにより、被試験コイルMに蓄えられた電気エネルギが逆起電圧となって、印加電圧以上の電圧となって出力され、このときのピーク電圧が試験電圧(設定電圧)となる。この逆起電圧により生じるピーク電圧は、約−17Vである。
図2に示すように、このピーク電圧を有する鋭いスパイク状のパルスが、被試験コイルM内部の損失、内部抵抗の損失により時間と共に減衰する波形となる。電圧波形は、振動しているので振動電圧とも呼ばれ、振動電圧の振動が収まるまでの時間は約40μsecである。
このように、被試験コイルMの両端に高電圧インパルスが印加されたときに、被試験コイルMの両端には、まず被試験コイルMのインダクタンスLと同軸ケーブル162の配線容量Cによりスパイク状の波形である逆起電圧が生じ、続いて被試験コイルMのインダクタンスLと同軸ケーブル161,162の配線容量Cとに基づく共振周波数で振動しながら徐々に減衰していく電圧(共振振動電圧)が生じる。逆起電圧については、図4により後記する。
なお、インパルス電圧の印加の際は、高圧コンデンサ112(図1参照)に充電された電気エネルギが一気に被試験コイルMに流れるため、極短時間に大電流が流れる。しかし、実際には各回路部の抵抗成分及びサイリスタの内部抵抗による電圧降下の影響で、被試験コイルMに流れる電流は理論値の十数分の一程度となる。また、図2の波形減衰部分に示すように、サイリスタがOFF後は、被試験コイルMに蓄えられた磁気エネルギによる電流となるため、被試験コイルMに流れる電流は小さいものとなっている。
次に、巻線試験装置100の同軸ケーブル161,162を使用した4端子測定法について説明する。
[同軸ケーブル161,162を使用した4端子測定法]
図3は、巻線試験装置100の同軸ケーブル161,162を使用した4端子試験回路を説明する模式図である。図3(a)は本実施形態の巻線試験装置100の4端子試験回路を示し、図3(b)は比較例として2端子試験回路を示す。
まず、図3(b)の比較例について述べる。
図3(b)に示すように、この比較例の巻線試験装置10は、高圧パルス電源11と、波形測定回路12と、出力端子13,14と、を備え、出力端子13,14と被試験コイルMの両端とは1つの同軸ケーブル15で接続する。高圧パルス電源11及び波形測定回路12の一方の端子は、共に出力端子13に接続され、高圧パルス電源11及び波形測定回路12の他方の端子は、共に出力端子14に接続される。出力端子13は、同軸ケーブル15の内部導体15aを介して被試験コイルMの一方の端に接続され、出力端子14は、同軸ケーブル15の外部導体15bを介して被試験コイルMの他方の端に接続される。
比較例の巻線試験装置10は、印加系と検出系の経路が共通の2端子試験回路であり、出力端子13,14の両端で印加波形を測定している。
このため、被試験コイルMまでの試験ケーブル(同軸ケーブル15)のインダクタンス成分が試験に含まれてしまうことになる。また、試験ケーブル(同軸ケーブル15)長が長くなると、被試験コイルMの両端に高い電圧を印加することができない。さらに、インダクタンスの低い被試験コイルMへの電圧印加の際に、印加系の配線の抵抗により生じる電圧降下で、試験物の両端には適正な電圧が印加されない不具合がある。
次に、図3(a)に示す巻線試験装置100の4端子試験回路について説明する。
図3(a)に示すように、巻線試験装置100は、同軸ケーブル161,162を使用した4端子測定法(4端子試験回路)を用いる。巻線試験装置100は、被試験コイルMにインパルス電圧を印加する電圧印加系の経路と、被試験コイルMの両端の端子間電圧を検出する電圧検出系の経路を別経路として分けた構造を用いる。詳細には、巻線試験装置100は、インパルス電圧発生部110の出力側が、出力端子151及び印加用の同軸ケーブル161(電圧印加系試験ケーブル)の内部導体161aを介して被試験コイルMの一方の端に接続され、インパルス電圧発生部110のGNDが、出力端子152及び印加用の同軸ケーブル161の外部導体161bを介して被試験コイルMの他方の端に接続される。端子間電圧検出回路120の測定端子は、出力端子153及び測定用の同軸ケーブル162(電圧検出系試験ケーブル)の内部導体162aを介して被試験コイルMの一方の端に接続され、端子間電圧検出回路120の測定端子は、出力端子154及び測定用の同軸ケーブル162の外部導体162bを介して被試験コイルMの他方の端に接続される。
このように、巻線試験装置100は、インパルス電圧発生部110の出力側と出力端子151,152と同軸ケーブル161とを被試験コイルMに接続する電圧印加系の経路と、端子間電圧検出回路120入力側と出力端子153,154と同軸ケーブル162とを被試験コイルMに接続する電圧検出系の経路と、を別経路で備える4端子試験回路を構成する。
巻線試験装置100は、電圧印加系の経路により、被試験コイルMの両端にパルス状の高電圧(インパルス電圧)を印加する。そして、電圧検出系の経路により、被試験コイルMの両端に現れる逆起電圧により生じるピーク電圧等を検出する。
電圧検出系の経路は、電圧印加系の経路の影響を受けないため、被試験コイルMの両端に生じる端子間電圧を減衰無く測定することができる。
また、電圧印加系の経路は、配線等の影響を受け、被試験コイルMの両端の電圧が減衰するが、この電圧降下は電圧検出系の経路において補正可能であるため、設定した電圧の印加が行える。
また、被試験コイルMの両端まで2本の同軸ケーブル161,162を使用する。同軸ケーブル161,162は、元々、インダクタンス分と抵抗値が少ないため、測定精度を高めることができる。
なお、同軸ケーブル161,162は、インダクタンス分と抵抗値が少ないため、ケーブル長の影響を受けにくく、被試験コイルMの両端に高い電圧を印加することができる。言い換えれば、同軸ケーブル161,162のケーブル長を長くすることができるので、利便性を高めることができる。
以上、同軸ケーブル161,162を使用した4端子測定法(4端子試験回路)により、被試験コイルMの両端に生じる端子間電圧を精度良く測定することができる。
なお、4端子測定法には、従来から抵抗測定方法としてケルビン端子や、電源回路のモニタ端子などがある。いずれも印加系による電圧降下を補正することが目的である。本実施形態に係る巻線試験装置100は、上記電圧降下の補正に加え、被試験コイルMのインダクタンスLと同軸ケーブル162の配線容量Cによる共振に起因した逆起電圧と共振振動電圧を得る点で、従来例の4端子測定法とは異なっている。
以上のような上記電圧検出系の経路と電圧印加系の経路とを別経路にすることによる効果に加えて、本実施の形態では、試験ケーブル(測定ケーブル)に同軸ケーブル161,162を使用することで、下記のような逆起電圧によるインパルス波形試験が可能になった。
[逆起電圧によるインパルス波形試験]
図4は、巻線試験装置100の逆起電圧によるインパルス波形試験を説明する波形図であり、図4(a)は本実施形態の巻線試験装置100の逆起電圧によるインパルス波形を示し、図4(b)は比較例として1μHの空芯コイルのインパルス波形を示す。図4では、プラス極性のインパルス電圧を印加した場合の例を示している。
まず、比較例について説明する。
図4(b)に示すように、1μHの空芯コイルの場合、インパルス電圧を印加し、この空芯コイルの両端子の端子間電圧(振動しているので、振動電圧ともいう)を検出する。この端子間電圧の波形が大きい程、検出精度を高めることができる。しかし、この空芯コイルのように、コイル単体では、端子間電圧(振動電圧)の波形が小さく、減衰も速い。この比較例のように、試験体のコイルのインダクタンスが低い(例えば1μH以下)場合、試験体のコイルの良好な測定波形を得ることが困難であった。そのため、別途共振用コンデンサを付加したり、過大な電気エネルギのインパルスを印加する必要があった。
これに対して、本実施形態に係る巻線試験装置100は、被試験コイルMの両端に電流を流し、サイリスタをOFFすることで生じる逆起電圧からなるスパイク状の応答波形を検出する。図4(a)に示すように、本実施形態では、同軸ケーブル161,162を用いることによって、被試験コイルMの端子間電圧に、逆起電圧からなるスパイク状の応答波形を生じさせる。この逆起電圧は、同軸ケーブル161,162が有する静電容量(図3(a)の配線容量C参照)と被試験コイルMのインダクタンスLとの共振で効率的に生じる。逆起電圧からなるスパイク状の波形は、試験体である被試験コイルMの特性に敏感に反応するため、図4(b)に示す比較例に比べ高感度な試験ができる。また、逆起電圧により、低いインダクタンスの被試験コイルMでも被試験コイルMの両端に高い電圧を生じさせることができる。
ここで、スパイク状の波形を発生させることだけであれば、共振用コンデンサを付加すれば可能である。しかし、どのような共振用コンデンサを付加するかによって測定結果は大きく変動する可能性がある。本実施形態は、逆起電圧を、同軸ケーブル161,162が有する静電容量(図3(a)の配線容量C参照)を用いることで、共振用コンデンサを付加することなく実現している。また、本実施形態では、共振用コンデンサを付加することがないので、被試験コイルMの本来の特性による応答波形を得ることができ、精度の良い試験を行うことができる。さらに、インパルス電圧の印加に大きな電気エネルギを必要としないので、試験を高速に行うことができる。
上記、同軸ケーブル161,162の配線容量Cを用いる着想は、上述した同軸ケーブル161,162を使用した4端子測定法において、本発明者がはじめて見出したものである。すなわち、本発明者は、低インダクタンスの被試験コイルMは、低インダクタンスであるため、同軸ケーブル161,162に存在する僅かな配線容量C間で共振が可能ではないかと考え、同軸ケーブル161,162を使用した4端子測定法(4端子試験回路)により実験したところ良好な結果を得た。なお、同軸ケーブルが1つの2端子試験回路では、配線容量が足りず、前記共振は起こらないことも判明した。
[マスタ波形登録]
被試験コイルMの耐電圧評価の際、過度な電圧を印加すると、試験体である被試験コイルMは、絶縁破壊してしまうことになる。
本実施形態では、巻線試験装置100は、電圧上昇絶縁破壊試験の際、電圧を徐々に上昇させながらインパルス電圧印加により得られる波形を、全て記憶し、被試験コイルMの破壊が起きた後に、記憶した波形を再生する。以下、フローにより具体的に説明する。
図5は、巻線試験装置100の電圧上昇絶縁破壊試験(Break Down Voltage Test)動作を示すフローチャートである。
まず、ステップS1で制御部141は、電圧上昇絶縁破壊試験の初期値を設定する。
ステップS2でインパルス電圧発生部110は、高電圧インパルスを、出力端子151,152及び同軸ケーブル161を経由して被試験コイルMの両端に印加する。上述したように、同軸ケーブル161は、4端子測定法(4端子試験回路)において、電圧印加系の経路を構成する電圧印加系試験ケーブルである。
ステップS3で端子間電圧検出回路120は、同軸ケーブル162及び出力端子153,154を経由して被試験コイルMの端子間電圧(逆起電圧と共振振動電圧とを含む端子間電圧の測定波形)を検出する。そして、A/Dコンバータ130は、端子間電圧検出回路120が検出した測定波形をデジタル信号に変換し、制御部141に入力する。
ステップS4で制御部141は、A/Dコンバータ130から入力するデジタル信号に基づいて、インパルス電圧の印加により得られる被試験コイルMの測定波形(デジタルデータ)を記憶する。
被試験コイルMに高電圧インパルスを印加した場合、最初は(測定初期時)、被試験コイルMのインピーダンス値は低いが、被試験コイルMに流れる電流に比例して4端子試験回路内における共振等により被試験コイルMのインピーダンス値が高くなる。そして、被試験コイルMの端子間に、被試験コイルMのインダクタンスLと同軸ケーブル161,162が有する静電容量(図3(a)の配線容量C参照)とに依存した共振周波数で振動する電圧(共振振動電圧)が生じる。また、端子間電圧検出回路120は、測定初期に、被試験コイルMのインダクタンスLと、出力端子153と154に接続された同軸ケーブル162の配線容量Cの共振により生じた逆起電圧を検出する。
ステップS5で制御部141は、被試験コイルMが絶縁破壊したか否かを判定する。被試験コイルMが絶縁破壊した場合の判定の詳細については後記する。
被試験コイルMが絶縁破壊していない場合(ステップS5:No)、ステップS6で試験制御部140は、印加電圧を低い電圧から高い電圧に所定電圧ずつ増やす制御を行う。具体的には、制御部141は、印加電圧を低い電圧から高い電圧に増やす制御信号を高電圧制御回路142に出力し、高電圧制御回路142はこの制御信号に従ってインパルス電圧発生部110の高電圧発生回路111に該当する制御指令を出力する。また、被試験コイルMが絶縁破壊した場合(ステップS5:Yes)、ステップS7に進む。
ステップS7で制御部141は、被試験コイルMの破壊が起きた後に、記憶した波形を再生して本フローを終了する。具体的には、制御部141は、被試験コイルMの破壊が起きた後に、被試験コイルMの破壊に至る電圧や破壊の様子を表示部144に出力する。これにより、被試験コイルMの破壊後においても、記憶した破壊に到達する前の波形情報を、任意の波形をマスタ波形(基準波形)との比較データとして登録しておくことができる。
これにより、被試験コイルMが破壊に至る電圧や被試験コイルMの破壊の様子を知ることができる。また、被試験コイルMの破壊後においても、被試験コイルMが破壊に到達する前に記憶しておいた波形情報を、マスタ波形(基準波形)として登録しておくことができる。
図6は、巻線試験装置100の電圧上昇絶縁破壊試験によるマスタ波形を説明する波形図である。
図5に示す電圧上昇式絶縁破壊試験フローを実行することにより、図6に示すマスタ波形(基準波形)を得ることができる。図6は、印加電圧の開始電圧15Vから終了電圧30Vまで、5Vステップで印加電圧を上昇させた例である。波形V1〜V3は、絶縁破壊の前の波形である。波形V4は、25V印加で絶縁破壊が発生し、波形が減衰してしまった様子を示している。なお、図6の絶縁破壊の前の波形V1〜V3は、被試験コイルMの共振により急激な立ち上がり波形301を有し、最大値に達した後、単調減少波形302を経て振動波形303となる。ところが、図6の絶縁破壊が発生した波形V4は、急激な立ち上がり波形や振動波形とはならないので、後記するピーク電圧(PkStb)、波形面積(Area)、波形差面積(Dif.Area)で容易に判定することができる。
このように、印加電圧を上昇しながらの試験で、すべての波形を保存し、あとから再生することで、絶縁破壊する前の健全な波形を、マスタ波形(基準波形)として採用することが可能となった。
[被試験コイルMのばらつきに影響しない波形判定]
従来の試験装置では、基準波形に対し、測定波形を比較する際の判定値(正常品と不良品を判定するパラメータ)をプラス側及びマイナス側でそれぞれ一つの固定の判定値としている。これでは、被試験コイルMのロットの変化などにより、正常品の傾向がずれた場合、判定余裕が少なくなってしまう。すなわち、被試験コイルMの製造工程において、ロットの変化などにより、製造された被試験コイルMの試験結果が連続して(又は連続状態で)ある判定値を超えることがある。この場合、試験結果が判定値を超えていても、被試験コイルMは良品である場合が多いことが分かってきた。コイル部品は、部材の取付位置や接合状態などの機械的要因で特性が変わることがある。一般にはロットの変化などが要因とされる。コイル部品の特徴として、ある試験結果が判定値を超えていても、用途によっては問題がなく、実装上の不都合もない場合がある。かかる被試験コイルMを、一律に不良品として除外すると、不良品率が増え、製造コストの増大につながる。
本実施形態では、試験結果の判定値を、上下限独立して設定する。これにより、ロット違い等による試験結果のズレ(判定値のシフト)の影響を無くすことができる。具体的には、被試験コイルMの試験結果が、所定個数連続して上限値を超える場合には、当該上限値を所定幅だけ上側にシフトさせる。それでも、被試験コイルMの試験結果がこの上限値を超える場合は、不良品と判定する。被試験コイルMの試験結果がこの上限値を超えない場合は、その被試験コイルMは、良品と判定する。また、被試験コイルMの試験結果がシフト後の上限値を超えない状態が、所定個数連続する場合は、上限値を元の上限値の値に戻すようにする。下限値についても同様である。
図7は、巻線試験装置100の試験結果の判定値を説明する波形図である。図7では、基準波形(マスタ波形)と被試験コイルMの測定波形とが完全に一致しているため一つの波形として見えている。
本実施形態は、試験結果の判定として、波形面積(Area)判定、波形差面積(Dif.Area)判定、及びピーク電圧(PkStb)判定を用いる。
波形面積(Area)判定は、基準波形(マスタ波形)と被試験コイルMの測定波形との時間軸に対する面積比を比較することで、被試験コイルMの良品/不良品を判定する。Area判定では、基準波形(マスタ波形)に対する被試験コイルMの測定波形の判定値の上限値と下限値を、それぞれ例えば±10%とし、試験結果がこの判定値から所定%外れた場合を不良と判定する。なお、上述したように、本実施形態では、Area判定の判定値を、上下限独立して設定している。
波形差面積(Dif.Area)判定は、基準波形(マスタ波形)と被試験コイルMの測定波形と波形差を比較することで、被試験コイルMの良品/不良品を判定する。この波形差には、波高値や位相差がある。Dif.Area判定では、基準波形に対する被試験コイルMの測定波形の判定値の上限値を例えば30%、下限値を例えば0%とし、試験結果がこの判定値から所定%外れた場合を不良と判定する。
ピーク電圧(PkStb)判定は、基準波形(マスタ波形)と被試験コイルMの測定波形とピーク電圧を比較することで、被試験コイルMの良品/不良品を判定する。このピーク電圧判定は、基準波形(マスタ波形)と測定波形とのピーク電圧同士を比較するので、高速な判定が可能である。すなわち、ピーク電圧は、値の比較であるため他の判定のような信号処理による遅れがない、また測定波形のうち最初に現れる波形である、さらに本実施形態特有の技術ではあるが、逆起電圧によるピーク電圧であるため検出精度が高い、という利点がある。PkStb判定では、基準波形(マスタ波形)に対する被試験コイルMのピーク電圧の判定値の上限値と下限値を、それぞれ例えば±10%とし、試験結果がこのピーク電圧の判定値から所定%外れた場合を不良と判定する。なお、ピーク電圧の比較による高速判定は、図8により後記する。
[ピーク電圧の比較による高速判定]
ピーク電圧を用いた被試験コイルMの判定は、演算が容易で、高速に判定が行うことができるという利点がある。本発明者は、基準波形(マスタ波形)と被試験コイルMの測定波形との比較において、各被試験コイルMのインダクタンスの差異は、ピーク電圧に顕著に現れてくることを確認した。
図8は、巻線試験装置100のピーク電圧の比較による高速判定を説明する波形図である。
試験制御部140の制御部141(図1参照)は、基準波形(マスタ波形)と被試験コイルMの測定波形とピーク電圧を比較することで、被試験コイルMの良品/不良品を判定する。
図8に示すように、基準波形(マスタ波形)400のピーク電圧に対して被試験コイルMの測定波形401のピーク電圧は、ピーク電圧の判定値(例えば10%)より小さい。図8の例の場合、制御部141(図1参照)は、被試験コイルMが不良品であると判定する。
本実施形態では、比較対象のピーク電圧は、逆起電圧により生じたピーク電圧であるため、比較対象のピーク電圧の差異が大きく、従って検出精度は高い。因みに、従来の試験装置では、逆起電圧により生じたピーク電圧を比較する判定はなかった。
ピーク電圧判定は、演算が容易で信号処理による遅れがなく、測定波形のうち最初に現れる波形であることから、高速な判定が可能である。
[並列処理]
図1に示すように、巻線試験装置100のインパルス電圧発生部110(図1参照)は、被試験コイルMに印加するインパルス電圧の電気エネルギを、高圧コンデンサ112に充電し、高電圧スイッチング回路113をONにすること(サイリスタを用いる場合は、サイリスタのTURN OFF)で、被試験コイルMにインパルス電圧を印加する。また、端子間電圧検出回路120(図1参照)は、被試験コイルMの応答波形から被試験コイルMの端子間電圧を検出し、A/Dコンバータ130(図1参照)が検出した端子間電圧をデジタル信号に変換して試験制御部140の制御部141(図1参照)に入力する。制御部141は、デジタル信号に変換された測定波形を基に信号処理して被試験コイルMの良品/不良品を判定する。上記各工程の所要時間を検討する。
図1に示す巻線試験装置100において、高圧コンデンサ112(0.011μF)を用い、半導体素子にサイリスタを使用した場合、高圧コンデンサ112のコンデンサ充電時間はおおよそ10msecである。また、端子間電圧検出回路120による端子間電圧検出時間とA/Dコンバータ130からの入力までの波形取り込みに2msecである。また、制御部141による波形処理、判定処理、及び波形表示などおおよそ8msecである。したがって、これらを合計した一つの被試験コイルMの試験時間は、約20msecとなっている。
ところで、最近のチップインダクタの試験では、外部機器制御部145(図1参照)となるハンドラ装置との組み合わせにより、連続で高速な試験が求められている。この連続で高速な試験とは、具体的には、一分間に600個以上を試験することである。
上記したように、高圧コンデンサ112の充電と、インパルス電圧の印加と、波形取り込みと、波形処理、判定処理及び波形表示と、に要する一連の試験時間(約20msec)のうち、高圧コンデンサ112に充電するコンデンサ充電時間(約10msec)が最も時間を要する。
したがって、連続して高速で試験を行う際、このコンデンサ充電時間がネックとなり、無駄な待ち時間が発生している。
そこで、本実施形態では、コンデンサ充電時間と、波形取り込みと、波形処理、判定処理及び波形表示とをオーバーラップさせる並列処理を実行する。具体的には、巻線試験装置100は、高圧コンデンサ112を充電し(最初の1サイクルは充電時間が必要)、充電完了後、インパルス電圧の印加を行い、波形取り込みを行う。このタイミングで、制御部141(図1参照)は、外部機器制御部145(図1参照)に印加完了の信号を出力する。外部機器制御部145は、制御部141からの完了信号を基に、ハンドラ(図示省略)に対して次の被試験コイルMへの切替制御を行う。
すなわち、制御部141は、端子間電圧検出回路120及びA/Dコンバータ130による波形取り込みや、この波形取り込みに基づく波形処理、判定処理、及び波形表示の処理に入る前に、外部機器制御部145に印加完了の信号を出力するのと同時に、高電圧制御回路142によって、次の被試験コイルMの試験のための高圧コンデンサ112の充電を開始させる。制御部141は、次の被試験コイルMの試験のための高圧コンデンサ112の充電が行われている間に、現在の被試験コイルMの波形取り込みとこの波形取り込みに基づく波形処理、判定処理、及び波形表示の処理を完了させる。
これにより、コンデンサ充電時間(約10msec)を、波形取り込みと波形処理、判定処理、及び波形表示の処理との合計時間(約10msec)とすることで、コンデンサ充電時間の周期(約10msec)を、試験時間の周期(約10msec)とすることが可能となる。制御部141は、判定結果を出力したときには、高圧コンデンサ112への充電が完了しているので、待ち時間無しに次のインパルス電圧の印加を行うことができる。
[Lの値に影響を受けない試験]
巻線試験装置100は、同軸ケーブル161,162を使用した4端子測定により被試験コイルMにインパルス電圧を印加して、その測定波形の変化により、被試験コイルMの特性違いを試験している。判定処理は、基準波形(マスタ波形)と被試験コイルMの測定波形との比較であり、具体的には波形の波形面積(Area)判定、波形差(Dif.Area)判定、及びピーク電圧(PkStb)判定である。
しかし、上記Area(波形面積)判定、波形差(Dif.Area)判定、及びピーク電圧(PkStb)判定のいずれの判定においても、下記のような知見が新たに判明した。すなわち、被試験コイルMのインダクタンスLの僅かな値の違いが、測定波形に顕著に現れ、基準波形(マスタ波形)と測定波形との間の波形パターンが大きくズレてしまう。換言すれば、被試験コイルMのインダクタンスLの値に過敏に反応して波形パターンが変わってしまう。被試験コイルMのインダクタンスLの値の差異が測定波形に顕著に現れることは、インダクタンスLの判定精度を高める点では有用である。しかし被試験コイルMのインダクタンスLの値に僅かな差異があったとしても被試験コイルMは、正常品である場合がある。コイル部品の特徴として、用途によっては問題がなく、実装上の不都合もない場合がある。かかる被試験コイルMを、一律に不良品として除外すると、不良品率が増え、製造コストの増大につながる。
本発明者は、被試験コイルMのインダクタンスLの値の違いは、ある程度無視して、波形パターンの違いを判定することに想到した。
本実施形態では、制御部141は、基準波形(マスタ波形)と測定波形のそれぞれの波形の形の変化量を求め、それぞれの波形の波形変化の割合を比較する。具体的には、制御部141は、基準波形(マスタ波形)から、連続した波形データ列を求め、さらに、この波形データ列を微分して微分値を算出し、算出した微分値を前記基準波形全体に亘って和した値を基準値として予め格納しておく。同様に、制御部141は、被試験コイルMの測定波形から、連続した波形データ列を求め、さらに、この波形データ列を微分して微分値を算出し、算出した微分値を前記測定波形全体に亘って和した値を得る。そして、制御部141は、基準波形から求めた基準値と、測定波形から求めた値とを比較することで、波形の変化量と波形変化の割合を算出する。例えば、基準波形から求めた基準値と、測定波形から求めた値との比較結果が、所定閾値以下であれば、被試験コイルMは、良品と判定し、そうでなければ不良品と判定する。
これにより、被試験コイルMのインダクタンスLの値の僅かな違いを無視して被試験コイルMの良品/不良品の判定を行うことができる。
また、本判定処理はまた、上記波形面積(Area)判定、波形差面積(Dif.Area)判定、及びピーク電圧(PkStb)判定のいずれの判定においても、判定が困難であった被試験コイルMの構造上の欠陥を検出することができる。例えば、被試験コイルMの絶縁部分に何らかの欠陥があった場合、周囲の材質との間で電荷が漏れる。しかもそのような欠陥は経年変化により劣化が進むことがある。このような不具合は、上記波形面積(Area)判定、波形差面積(Dif.Area)判定、及びピーク電圧(PkStb)判定のいずれの判定においても、判定が困難であるが、本判定処理によれば、波形変化の割合を数値化することで、検出できる可能性があることが実験により確かめられた。
以上説明したように、本実施形態の巻線試験装置100は、被試験コイルMの端子間に電圧を印加するための同軸ケーブル161を接続可能な出力端子151,152と、被試験コイルMの端子間に生じる測定電圧を受けるための同軸ケーブル162を接続可能な出力端子153,154と、被試験コイルMの端子間に印加するインパルス電圧を発生し、出力端子151,152に出力するインパルス電圧発生部110と、出力端子153,154に接続され、インパルス電圧発生部110からインパルス電圧を印加することにより被試験コイルMの端子間に発生する端子間電圧の波形を検出する端子間電圧検出回路120と、端子間電圧検出回路120が検出する測定波形に基づいて被試験コイルMの良否を判定するとともに、上記各部を制御する試験制御部140と、を備える。端子間電圧検出回路120は、被試験コイルMのインダクタンスLと出力端子153,154に接続された同軸ケーブル162が有する配線容量Cとの共振により生じる逆起電圧を含む測定波形を検出する。
この構成により、本実施形態では、4端子試験回路により、電圧印加系と電圧検出系とを分離することで、より正確に被試験コイルMの両端の端子間電圧を測定することができる。具体的には、チップインダクタ等の超低インダクタンス(1μH以下)のコイル部品のように、インダクタンス、直流抵抗が共に低い被試験コイルMの両端子間に、十分な高電圧を印加して、被試験コイルMの耐電圧試験(絶縁破壊試験)を行うことができる。例えば、1μHの被試験コイルMに対し、1000V以上の印加が可能である。
また、逆起電圧を測定することにより、高感度な試験を高速に行うことができ、また被試験コイルMが有する本来の特性を測定することができる。例えば、最短試験時間10msecで被試験コイルMの良否判定を行うことができ、量産ラインでの使用が可能である。
一般に、被試験コイルMがチップインダクタの場合、性能評価として、電流に対する耐圧(発熱や溶断など)と、電圧に対する耐久性(耐圧や絶縁など)とが要求される。巻線試験装置100は、被試験コイルMのインピーダンスが低い場合であっても高周波を用いることなく、高電圧を印加することができる。すなわち、巻線試験装置100は、被試験コイルMの両端にパルス状の高電圧を印加して、被試験コイルMのインピーダンスが低い場合であっても高周波を用いることなく、被試験コイルMの層間絶縁ショートの有無等を試験することができる。巻線試験装置100は、耐電圧試験のための電圧と電流を、数μsecという極短い時間に印加して評価を得ることができる。
チップインダクタ、パワーインダクタ、チョークコイル、モータコイル、巻数の少ないコイルなどのコイル絶縁の良否試験装置に適用して好適である。なお、チップインダクタは、巻線式、フィルム積層式、いずれにも対応可能である。
(第2の実施形態)
図9は、本発明の第2の実施形態に係る巻線試験装置の構成を示すブロック図である。図1と同一構成部分には、同一符号を付して重複箇所の説明を省略する。
図9に示すように、巻線試験装置200は、図1の巻線試験装置100に、さらに、インパルス電圧発生部110の低電位側出力(本実施形態では、GND)と出力端子152との間に設置され、被試験コイルMに印加される電流を検出する電流検出回路220(電流検出手段)と、電流検出回路220により検出された電流をデジタル信号に変換するA/Dコンバータ230と、を備える。
図9に示すように、試験制御部140の制御部141は、被試験コイルMに対し、印加電流を指定して試験を行う。具体的には、電流検出回路220は、インパルス電圧の印加の際、被試験コイルMに流すインパルス電流を検出する。検出された電流は、A/Dコンバータ230によりデジタル信号に変換されて制御部141に入力される。制御部141は、電流検出回路220により検出された被試験コイルMに流すインパルス電流に基づいて、被試験コイルMの定格に合った適正な電流を印加する制御を行う。
制御部141は、インパルス電圧の印加の際、被試験コイルMの定格に合った適正な電流を印加した試験をすることができる。
また、インパルス電流を測定することで、電圧の波形と電流の波形の位相から、試験物固有の特性違いを知ることができる。
図10は、印加電流の制御によるインパルス評価法を説明する波形図である。
図10に示すように、巻線試験装置200は、インパルス電圧の印加の際、被試験コイルMに流れる電流を測定し、ピーク電流値を表示する。
巻線試験装置200は、印加電圧設定による試験のほか、被試験コイルMに流れるピーク電流の値を設定して試験を行うことができる。
より詳細に説明する。
巻線試験装置200は、試験動作の際、電圧波形モードと電流波形モードとの表示切替えが可能である。
電圧波形モードは、ピーク電圧値を指定し、電圧波形による基準波形(マスタ波形)を設定する。
電流波形モードは、ピーク電流値を指定し、電流波形による電流調整を行う。これにより、電圧波形による基準波形(マスタ波形)を設定する。
図10に示すように、電流波形は、電圧波形と同時に取り込まれ、波形として重ねて表示することができる。
上記電流波形モードは、ピーク電流値を指定したマスタ波形設定であり、入力した電流値になるよう自動的に調整が行われる。最終的に、設定した電流値となる電圧波形により基準波形(マスタ波形)が設定される。
このように、本実施形態では、巻線試験装置200は、被試験コイルMに印加される電流を検出する電流検出回路220を備えるので、インパルス試験の印加の際、被試験コイルMの定格に合った適正な電流を印加した試験をすることができる。また、インパルス電流を測定することで、電圧の波形と電流の波形の位相から、試験物固有の特性違いを知ることができる。
本発明は上記の実施形態例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、他の変形例、応用例を含む。
例えば、上記した実施形態例は本発明をわかりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態例の構成の一部を他の実施形態例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態例の構成に他の実施形態例の構成を加えることも可能である。また、各実施形態例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行するためのソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、又は、IC(Integrated Circuit)カード、SD(Secure Digital)カード、光ディスク等の記録媒体に保持することができる。また、本明細書において、時系列的な処理を記述する処理ステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理(例えば、並列処理あるいはオブジェクトによる処理)をも含むものである。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしもすべての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
100,200 巻線試験装置
110 インパルス電圧発生部(インパルス電圧発生手段)
111 高電圧発生回路
112 高圧コンデンサ
113 高電圧スイッチング回路
114 ゲートパルス制御回路
120 端子間電圧検出回路(端子間電圧検出手段)
130,230 A/Dコンバータ
140 試験制御部
141 制御部(判定手段,制御手段)
142 高電圧制御回路
143 操作入力部
144 表示部
145 外部機器制御部
151 出力端子(第1出力端子)
152 出力端子(第2出力端子)
153 出力端子(第3出力端子)
154 出力端子(第4出力端子)
161 同軸ケーブル(電圧印加系試験ケーブル)
162 同軸ケーブル(電圧検出系試験ケーブル)
220 電流検出回路(電流検出手段)

Claims (9)

  1. 被試験コイルの端子間に電圧を印加するための電圧印加系試験ケーブルである第1同軸ケーブルを接続可能な第1及び第2出力端子と、
    前記被試験コイルの端子間に生じる測定電圧を受けるための電圧検出系試験ケーブルである第2同軸ケーブルを接続可能な第3及び第4出力端子と、
    前記被試験コイルの端子間に印加するインパルス電圧を発生し、前記第1及び第2出力端子に出力するインパルス電圧発生手段と、
    前記第3及び第4出力端子に接続され、前記インパルス電圧発生手段からインパルス電圧を印加することにより前記被試験コイルの端子間に発生する端子間電圧の波形を検出する端子間電圧検出手段と、
    前記端子間電圧検出手段が検出する測定波形に基づいて前記被試験コイルの良否を判定する判定手段と、を備え、
    前記端子間電圧検出手段は、前記被試験コイルのインダクタンスと前記第3端子と前記第4端子間の静電容量との共振により生じる逆起電圧を含む測定波形を検出し、
    前記判定手段は、基準コイルによるマスタ波形と前記被試験コイルの測定波形とを比較し、ずれ量が上下閾値範囲に収まることで前記被試験コイルが良品であると判定するとともに、前記被試験コイルの不良判定が所定数続いた場合には、前記上下閾値範囲を不良が生じない側にシフトさせる
    ことを特徴とする巻線試験装置。
  2. 被試験コイルの端子間に電圧を印加するための電圧印加系試験ケーブルである第1同軸ケーブルを接続可能な第1及び第2出力端子と、
    前記被試験コイルの端子間に生じる測定電圧を受けるための電圧検出系試験ケーブルである第2同軸ケーブルを接続可能な第3及び第4出力端子と、
    前記被試験コイルの端子間に印加するインパルス電圧を発生し、前記第1及び第2出力端子に出力するインパルス電圧発生手段と、
    前記第3及び第4出力端子に接続され、前記インパルス電圧発生手段からインパルス電圧を印加することにより前記被試験コイルの端子間に発生する端子間電圧の波形を検出する端子間電圧検出手段と、
    前記端子間電圧検出手段が検出する測定波形に基づいて前記被試験コイルの良否を判定する判定手段と、を備え、
    前記端子間電圧検出手段は、前記被試験コイルのインダクタンスと前記第3端子と前記第4端子間の静電容量との共振により生じる逆起電圧を含む測定波形を検出し、
    前記判定手段は、前記マスタ波形から、波形データ列を求め、この波形データ列を微分して微分値を算出し、算出した微分値を前記マスタ波形全体に亘って和した値を基準値として予め格納しておくとともに、
    前記測定波形から、波形データ列を求め、この波形データ列を微分して微分値を算出し、算出した微分値を前記測定波形全体に亘って和した値を得て、
    前記マスタ波形から求めた前記基準値と、前記測定波形から求めた値とを比較し、ずれ量が、所定閾値以下であれば、被試験コイルは、良品と判定し、そうでなければ不良品と判定する
    ことを特徴とする巻線試験装置。
  3. 被試験コイルの端子間に電圧を印加するための電圧印加系試験ケーブルである第1同軸ケーブルを接続可能な第1及び第2出力端子と、
    前記被試験コイルの端子間に生じる測定電圧を受けるための電圧検出系試験ケーブルである第2同軸ケーブルを接続可能な第3及び第4出力端子と、
    前記被試験コイルの端子間に印加するインパルス電圧を発生し、前記第1及び第2出力端子に出力するインパルス電圧発生手段と、
    前記第3及び第4出力端子に接続され、前記インパルス電圧発生手段からインパルス電圧を印加することにより前記被試験コイルの端子間に発生する端子間電圧の波形を検出する端子間電圧検出手段と、
    前記端子間電圧検出手段が検出する測定波形に基づいて前記被試験コイルの良否を判定する判定手段と、
    前記被試験コイルに流れる電流を検出する電流検出手段と、を備え、
    前記端子間電圧検出手段は、前記被試験コイルのインダクタンスと前記第3端子と前記第4端子間の静電容量との共振により生じる逆起電圧を含む測定波形を検出し、
    前記制御手段は、前記電流検出手段により検出された電流の値を基に、前記被試験コイルに流れる電流の値が、予め設定した電流の値となるように前記インパルス電圧発生手段を制御する
    ことを特徴とする巻線試験装置。
  4. 被試験コイルの端子間に電圧を印加するための電圧印加系試験ケーブルである第1同軸ケーブルを接続可能な第1及び第2出力端子と、
    前記被試験コイルの端子間に生じる測定電圧を受けるための電圧検出系試験ケーブルである第2同軸ケーブルを接続可能な第3及び第4出力端子と、
    前記被試験コイルの端子間に印加するインパルス電圧を発生し、前記第1及び第2出力端子に出力するインパルス電圧発生手段と、
    前記第3及び第4出力端子に接続され、前記インパルス電圧発生手段からインパルス電圧を印加することにより前記被試験コイルの端子間に発生する端子間電圧の波形を検出する端子間電圧検出手段と、
    前記端子間電圧検出手段が検出する測定波形に基づいて前記被試験コイルの良否を判定する判定手段と、
    前記被試験コイルに流れる電流を検出する電流検出手段と、を備え、
    前記電流検出手段は、前記被試験コイルに流れるインパルス電流を検出し、
    前記判定手段は、前記被試験コイルに印加するインパルス電圧と前記インパルス電流との位相に基づいて、前記被試験コイルの特性を判定する
    ことを特徴とする記載の巻線試験装置。
  5. 前記第3端子と前記第4端子間の静電容量は、前記第2同軸ケーブルが有する配線容量である
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の巻線試験装置。
  6. 前記インパルス電圧発生手段は、極性反転によりターンオフするサイリスタを備え、当該サイリスタのターンオフによりインパルス電圧を発生する
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の巻線試験装置。
  7. 前記判定手段は、前記マスタ波形と前記測定波形との波形面積、波形差面積、又はピーク値の大小の比較のうち少なくともいずれか1つにより前記被試験コイルの良否を判定することを特徴とする
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の巻線試験装置。
  8. 前記インパルス電圧発生手段は、コンデンサ充電処理により前記インパルス電圧を発生し、
    前記インパルス電圧発生手段、前記端子間電圧検出手段、及び前記判定手段を制御する制御手段を備え、
    前記制御手段は、
    前記インパルス電圧発生手段におけるコンデンサ充電処理、前記端子間電圧検出手段における波形取り込み処理、前記判定手段における波形処理及び判定処理のうち、
    前記コンデンサ充電処理の完了をまたずに、前記波形取り込み処理、前記波形処理、又は、前記判定処理の少なくともいずれか1つ以上を実行する
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の巻線試験装置。
  9. 前記制御手段は、前記インパルス電圧発生手段が、低い電圧から高い電圧へ徐々にインパルス電圧を上昇させるように制御し、
    前記判定手段は、低い電圧から高い電圧へ徐々にインパルス電圧を上昇させることで得られた測定波形を記憶し、前記被試験コイルの破壊後、当該記憶した波形を再生する
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の巻線試験装置。
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