JP6991778B2 - 検査装置および閾値算出方法 - Google Patents

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Description

本発明は、検査対象の部品に検査用信号を供給したときに生じる被検出信号に基づく波形に閾値以上の値のパルス波形が含まれているときにその部品を不良と判定する検査装置、および閾値を算出する閾値算出方法に関するものである。
この種の検査装置として下記特許文献1に開示された微弱信号検出装置(以下、「検出装置」ともいう)が知られている。この検出装置は、センサ、増幅器、帯域フィルタ、検波器、ローパスフィルタ、A/D変換器、最小値検出回路、メモリ、積算回路および判定回路を備えて所定周波数の信号を検出可能に構成されている。具体的には、この検出装置では、センサによって検出された被検出信号が、増幅器によって増幅され、次いで、帯域フィルタによって所定周波数信号が抽出される。続いて、所定周波数信号が、検波器によって包絡線検波され、次いで、ローパスフィルタによって高周波成分が除去された後に、A/D変換器によってデジタル信号に変換される。続いて、デジタル信号の所定時間における最小値が最小値検出回路によって検出され、メモリに記憶される。次いで、積算回路が所定時間ごとの最小値を積算する。続いて、判定回路が積算された最小値の平均値と閾値(基準レベル)とを比較して、センサによって検出された被検出信号に所定周波数の信号が含まれているか否かを判定する。この場合、最小値の平均値が閾値以上のときには、被検出信号に所定周波数の信号が含まれていると判定し、最小値の平均値が閾値未満のときには、被検出信号に所定周波数の信号が含まれていないと判定する。
特開平1-140074号公報(第2-3頁、第1図)
ところが、上記した検出装置を含む従来のこの種の検査装置には、改善すべき以下の課題がある。具体的には、例えば、検査対象のコイルに検査用信号を供給したときの被検出信号に閾値以上の値のパルス波(所定周波数信号)が含まれているときに、放電やレアショートなどの不良が発生していると判定する検査装置では、検査用信号を供給した直後の過渡期間に検出される値が大きいことから被検出信号が不良と判定されるのを回避するため、閾値を比較的大きく設定する必要がある。このため、このような検査装置には、過渡期間後に不良による比較的小さな値のパルス波が発生していても、そのパルス波の値が閾値未満となり、不良が発生していないと誤判定されるおそれがあるという課題が存在し、その改善が望まれている。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、適正な閾値を算出して正確な検査を実現し得る検査装置および適正な閾値を算出し得る閾値算出方法を提供することを主目的とする。
上記目的を達成すべく請求項1記載の検査装置は、検査対象の部品に検査用信号を供給したときに生じる被検出信号に基づく波形に閾値以上の値のパルス波形が含まれているときに当該部品を不良と判定する検査部と、前記閾値を算出する演算部とを備えた検査装置であって、前記演算部は、コイル、抵抗およびコンデンサのいずれかを前記部品として検査するための前記閾値を算出するときに、前記被検出信号を予め決められたサンプリング周期でサンプリングしたサンプリング値によって表される第1波形を特定する第1処理と、前記第1波形から高周波成分を除去した第2波形を特定する第2処理と、前記第2波形上の各位置における傾きまたは傾きの変化量を示す値の経時変化によって表される第3波形を特定する第3処理と、前記第1波形における連続するa個(aは、4以上の自然数)の前記サンプリング値が変動するパルス波形が当該第1波形に含まれているときに当該パルス波形の突出部分が強調されるように当該サンプリング値を増減させた第4波形を特定する第4処理と、前記第3波形における前記サンプリング周期毎の各値の中から連続するb個(bは、3以上の自然数)の値を選択して当該各値の各絶対値のうちの最大の値を第1最大値として取得する処理を当該b個の各値の組み合わせを時間軸に沿って変更しつつ行って当該取得した各第1最大値によって表される第5波形を特定する第5処理と、前記第4波形における前記サンプリング周期毎の各値の絶対値を第1絶対値として取得する処理を時間軸に沿って行って当該取得した各第1絶対値によって表される第6波形を特定する第6処理と、前記各第1最大値に予め決められた第1係数をそれぞれ乗算した各値を対応する前記各第1絶対値からそれぞれ減算した各減算値によって表される第7波形を特定する第7処理と、前記第7波形における負の値となる部分を0の値となるように変形した第8波形を特定する第8処理と、前記第8波形の各値の平均値を算出する第9処理と、前記第8波形の各値の最大値に予め決められた第2係数を乗算した値を前記平均値で除算した値を第3係数として算出する第10処理とを良品の前記部品について実行し、検査対象の前記部品について前記第1処理から第9処理を実行して算出した前記平均値に前記第3係数を乗算した値を前記閾値として算出することにより、前記部品に前記検査用信号を供給したときの過渡現象の発生期間における前記被検出信号の大きな値の影響を低減可能な当該閾値を算出する
また、請求項2記載の検査装置は、請求項1記載の検査装置において、前記演算部は、前記第3処理において、前記第2波形上の連続する3つの位置の両端における当該第2波形の各値の差分値の1/2の値、および当該3つの位置のうちの連続する2つの位置における当該第2波形の各値の差分値のいずれかの値を当該3つの位置の中央における前記傾きを示す値とする。
また、請求項3記載の検査装置は、請求項1記載の検査装置において、前記演算部は、前記第3処理において、前記第2波形上の各位置における2階微分値を前記傾きを示す値とする。
また、請求項4記載の検査装置は、請求項1から3のいずれかに記載の検査装置において、前記演算部は、前記第4処理において、前記突出部分の前記サンプリング値に予め決められた正の値を乗算すると共に前記突出部分を除く部分の前記サンプリング値に予め決められた負の値を乗算して当該サンプリング値を増減させる。
また、請求項5記載の検査装置は、請求項1から4のいずれかに記載の検査装置において、前記演算部は、良品の前記部品について前記第7処理を実行したときの前記過渡現象の発生期間における前記減算値が0以下となる値を前記第1係数として前記各第1最大値に乗算する。
また、請求項6記載の閾値算出方法は、検査対象の部品に検査用信号を供給したときに生じる被検出信号に基づく波形に閾値以上の値のパルス波形が含まれているときに当該部品を不良と判定する際の当該閾値を算出する閾値算出方法であって、コイル、抵抗およびコンデンサのいずれかを前記部品として検査するための前記閾値を算出するときに、前記被検出信号を予め決められたサンプリング周期でサンプリングしたサンプリング値によって表される第1波形を特定する第1処理と、前記第1波形から高周波成分を除去した第2波形を特定する第2処理と、前記第2波形上の各位置における傾きまたは傾きの変化量を示す値の経時変化によって表される第3波形を特定する第3処理と、前記第1波形における連続するa個(aは、4以上の自然数)の前記サンプリング値が変動するパルス波形が当該第1波形に含まれているときに当該パルス波形の突出部分が強調されるように当該サンプリング値を増減させた第4波形を特定する第4処理と、前記第3波形における前記サンプリング周期毎の各値の中から連続するb個(bは、3以上の自然数)の値を選択して当該各値の各絶対値のうちの最大の値を第1最大値として取得する処理を当該b個の各値の組み合わせを時間軸に沿って変更しつつ行って当該取得した各第1最大値によって表される第5波形を特定する第5処理と、前記第4波形における前記サンプリング周期毎の各値の絶対値を第1絶対値として取得する処理を時間軸に沿って行って当該取得した各第1絶対値によって表される第6波形を特定する第6処理と、前記各第1最大値に予め決められた第1係数をそれぞれ乗算した各値を対応する前記各第1絶対値からそれぞれ減算した各減算値によって表される第7波形を特定する第7処理と、前記第7波形における負の値となる部分を0の値となるように変形した第8波形を特定する第8処理と、前記第8波形の各値の平均値を算出する第9処理と、前記第8波形の各値の最大値に予め決められた第2係数を乗算した値を前記平均値で除算した値を第3係数として算出する第10処理とを良品の前記部品について実行し、検査対象の前記部品について前記第1処理から第9処理を実行して算出した前記平均値に前記第3係数を乗算した値を前記閾値として算出することにより、前記部品に前記検査用信号を供給したときの過渡現象の発生期間における前記被検出信号の大きな値の影響を低減可能な当該閾値を算出する
請求項1記載の検査装置、および請求項6記載の閾値算出方法では、良品の部品について第1処理~第10処理を実行して第3係数を算出し、検査対象の部品について第1処理~第9処理を実行して算出した平均値に第3係数を乗算した値を閾値として算出する。また、この検査装置および閾値算出方法では、第7処理において、第2波形の各位置における傾きを示す値に基づいて取得した第1最大値に第1係数を乗算した値を、第4波形の値に基づいて取得した第1絶対値から減算する。この場合、検査用信号を供給した直後の過渡現象が発生する過渡期間においては、第1最大値および第1絶対値の双方が大きな値となる。このため、この検査装置および閾値算出方法によれば、第7処理において、第1最大値に第1係数を乗算した値を第1絶対値から減算することにより、閾値を算出する際の過渡期間における大きい値の影響を十分に低減することができる結果、適正な閾値を算出することができる。したがって、この検査装置および閾値算出方法によれば、適正な閾値を用いた正確な検査を実現することができる。
また、請求項2記載の検査装置では、第3処理において、第2波形上の連続する3つの位置の両端における第2波形の各値の差分値の1/2の値、および当該3つの位置のうちの連続する2つの位置における当該第2波形の各値の差分値のいずれかの値を3つの位置の中央における傾きを示す値とする。この場合、例えば、第2波形上の各位置における微分値を傾きを示す値とする構成および方法では、第2波形における急激な変化をしている部分(パルス波形)の頂点(変曲点)において傾きを示す値が0となるため、急激な変化を的確に表すことが困難なことがある。これに対して、この検査装置および閾値算出方法では、第2波形の変曲点における傾きを示す値が0となることがないため、第3波形(第3処理で特定される波形)におけるb個の値のうちの最大値(第1最大値)によって表される第5波形(第5処理で特定される波形)において急激な変化を的確に表すことができる。
また、請求項3記載の検査装置では、第2波形上の各位置における2階微分値を傾きの変化量を示す値とする。この場合、2階微分値は、第2波形における値の変化が激しいほど(ピークが鋭いほど)大きな値となる。このため、この構成および方法によれば、被検出信号の波形に変化が激しい部分が含まれている場合において、閾値を算出する際に変化が激しい部分による影響をより確実に低減させることができる。
また、請求項4記載の検査装置によれば、第4処理において、パルスの突出部分のサンプリング値に正の値を乗算すると共に突出部分を除く部分のサンプリング値に負の値を乗算してサンプリング値を増減させることにより、簡易な方法でありながら、パルス波形の突出部分を確実に強調させることができる。
また、請求項5記載の検査装置では、良品の部品について第7処理を実行したときの過渡現象の発生期間における減算値が0以下となる値を第1係数として各第1最大値に乗算する。この場合、波形が大きく変動する過渡現象の発生期間において第7波形の一部が正の領域に突出している(減算値が0を超えている)ときには、閾値を算出する際に過渡現象の発生期間における波形の変動が大きく影響して適正な閾値の算出が困難となることがある。したがって、この検査装置および閾値算出方法によれば、過渡現象の発生期間における減算値が0以下となる値を第1係数とすることにより、過渡現象の発生期間における波形の変動の影響を低く抑えることができる結果、より適正な閾値を算出することができる。
検査装置1の構成を示す構成図である。 閾値算出処理50のフローチャートである。 第1波形W1の波形図である。 第2波形W2の波形図である。 第3波形W3の波形図である。 第4波形W4の波形図である。 各変動パターンP1~P4のパターン図である。 パルス波形Wp1a,Wp1bの波形図である。 パルス波形Wp1a,Wp1cの波形図である。 パルス波形Wp2a,Wp2bの波形図である。 パルス波形Wp3a,Wp3bの波形図である。 パルス波形Wp4a,Wp4bの波形図である。 第5波形W5の波形図である。 第6波形W6の波形図である。 係数α1が0.1のときの第7波形W7の波形図である。 係数α1が0.2のときの第7波形W7の波形図である。 第8波形W8aの波形図である。 第8波形W8bの波形図である。 第8波形W8bと閾値Mtとを比較した比較図である。
以下、検査装置および閾値算出方法の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
最初に、検査装置の一例としての図1に示す検査装置1の構成について説明する。検査装置1は、同図に示すように、信号出力部10、検出部11、A/D変換部12、制御部13、記憶部14、表示部15、操作部16および処理部17を備えて、コイル100(部品(特に電子部品)の一例)を検査可能に構成されている。
信号出力部10は、制御部13の制御に従って検査用信号St(例えば、インパルス電圧)を出力する。
検出部11は、制御部13の制御に従い、コイル100に検査用信号Stを供給したときに生じる被検出信号Sd(コイル100を流れる電流)を検出する。
A/D変換部12は、制御部13の制御に従い、検出部11によって検出された被検出信号Sdを予め決められたサンプリング周期でサンプリング(A/D変換)した各サンプリング値Msを含むサンプリングデータDsを生成するサンプリング処理を実行する。
制御部13は、処理部17の指示に従い、信号出力部10による検査用信号Stの出力、検出部11による被検出信号Sdの検出、およびA/D変換部12によるサンプリング処理の実行を制御する。
記憶部14は、処理部17の指示に従ってA/D変換部12によって生成されたサンプリングデータDsを記憶する。また、記憶部14は、処理部17によって実行される後述する閾値算出処理50(閾値算出方法による処理:図2参照)において用いられている予め決められた係数α1,α2(第1係数および第2係数にそれぞれ相当する)を記憶する。また、記憶部14は、閾値算出処理50において処理部17によって特定または算出される値M3,M4,M8、平均値Ma,Mb、値Mm1,Md1,Mm8、係数α3(第3係数に相当する)および閾値Mtを記憶する。
表示部15は、処理部17の指示に従って検査結果等の各種の画像を表示する。
操作部16は、各種のスイッチやボタンを備えて構成され、これらのスイッチやボタンが操作されたときに操作信号を出力する。
処理部17は、操作部16から出力される操作信号に従って検査装置1を構成する各部に各種の処理を実行させる。また、処理部17は、検査部として機能し、コイル100に検査用信号Stを供給したときに生じる被検出信号Sdに基づいてコイル100を検査する(コイル100の良否を判定する)検査処理を実行する。具体的には、処理部17は、被検出信号Sdに基づく波形(図19に示す後述する第8波形W8b)に閾値Mt以上の値のパルス波形Wp(同図参照)が含まれているときにコイル100を不良と判定する。また、処理部17は、演算部として機能し、閾値算出処理50(図2参照)を実行して閾値Mtを算出する。
次に、検査装置1を用いてコイル100を検査する方法、およびその際の各部の動作について、図面を参照して説明する。
検査対象のコイル100(以下、検査対象のコイル100を「100b」ともいう)の検査に先立ち、検査の際に必要な閾値Mtの算出を検査装置1に行わせる。具体的には、まず、信号出力部10および検出部11に接続されている図外の検査用プローブを良品のコイル100(ショート等の欠陥がないコイル100であって、以下、「コイル100a」ともいう)の両端部に接触させる。次いで、操作部16を操作して、被検出信号Sdの検出を指示する。この際に、操作部16が操作信号を出力する。
続いて、処理部17が、操作部16から出力された操作信号に従い、制御部13に対して、信号出力部10、検出部11およびA/D変換部12の制御を指示する。これに応じて、制御部13が、信号出力部10を制御して、検査用信号Stとしてのインパルス電圧を出力させる。この際に、検査用信号Stがコイル100aに供給され、これに伴ってコイル100aに被検出信号Sdとしての電流が流れる。また、制御部13は、検出部11を制御して被検出信号Sdを検出させると共に、A/D変換部12を制御して、サンプリング処理を実行させる。このサンプリング処理では、A/D変換部12は、被検出信号Sdを入力し、予め決められたサンプリング周期でサンプリング(A/D変換)した各サンプリング値Msを含むサンプリングデータDsを生成する。また、処理部17は、このサンプリングデータDs(コイル100aについてのサンプリングデータDs)を制御部13を介して入力し、記憶部14に記憶させる。
次いで、検査用プローブを検査対象のコイル100bの両端部に接触させ、続いて、操作部16を操作して、被検出信号Sdの検出を指示する。次いで、処理部17が、操作部16から出力された操作信号に従い、上記したコイル100aについての被検出信号Sdの検出の際の処理と同様にして、制御部13に対して、信号出力部10、検出部11およびA/D変換部12の制御を指示し、これに応じて、制御部13が信号出力部10、検出部11およびA/D変換部12を制御することにより、コイル100bについてのサンプリングデータDsが生成される。また、処理部17は、制御部13を介して入力したコイル100bについてのサンプリングデータDsを記憶部14に記憶させる。
続いて、操作部16を操作して閾値の算出を指示する。次いで、処理部17が、操作部16から出力された操作信号に従って図2に示す閾値算出処理50(閾値算出方法による処理)を実行する。この閾値算出処理50では、処理部17は、記憶部14から良品のコイル100aについてのサンプリングデータDsを読み出す(ステップ51)。
続いて、処理部17は、第1処理~第10処理を実行する(ステップ52)。以下、第1処理~第10処理について順を追って説明する。
まず、第1処理では、処理部17は、コイル100aについてのサンプリングデータDsに含まれる各サンプリング値Msに基づいて被検出信号Sdの波形である第1波形W1(図3参照)を特定する。なお、図3では、横軸の次元(ディメンション)を時間(t)とし、縦軸の次元を電流値(i)としている。
次いで、第2処理では、処理部17は、第1波形W1から高周波成分を除去した第2波形W2(図4参照)を特定する。なお、図4では、図3に示す第1波形W1の一部(同図において、矢印Aで示す部分)に相当する部分を拡大して図示している。また、図4では、横軸の次元を時間(t)とし、縦軸の次元を電流値(i)としている。
続いて、第3処理では、処理部17は、第2波形W2上の各位置(例えば、各サンプリング周期に対応する各位置)における傾きを示す値(以下、この値を「傾き値L」ともいう)の経時変化によって表される第3波形W3(図5参照)を特定する。この場合、処理部17は、一例として、第2波形W2上の各サンプリング周期に対応する連続して隣接する3つの位置のうちの両端の位置における各値の差分値(具体的には、後の時点における各値から先の時点における値を差し引いた値)を1/2にした値を、3つの位置のうちの中央の位置における傾き値Lとする処理を、3つの位置の組み合わせを時間軸に沿って1つずつ(1サンプリング周期ずつ)変更しつつ行う。この場合、この方法で算出した値を傾き値Lとすることで、例えば、第2波形W2上の各位置における微分値を傾き値Lとするのと比較して、傾き値Lの変化率がならされて、第3波形W3によって表される傾き値Lの変化を実際の傾き値Lの変化により近づけることができる。なお、図5では、横軸の次元を時間(t)とし、縦軸の次元を電流値/時間(i/t)としている。
次いで、第4処理では、処理部17は、第1波形W1(図3参照)にパルス波形Wpが含まれているか否かを判別し、パルス波形Wpが含まれているときには、そのパルス波形Wpの突出部分を以下のようにして強調させた第4波形W4(図6参照)を特定する。なお、図6では、横軸の次元を時間(t)とし、縦軸の次元を電流値(i)としている。
この場合、パルス波形Wpの形状、すなわちパルス波形Wpにおけるサンプリング値Msの変動パターンは、一般的に、図7に示す第1変動パターンP1~第4変動パターンP4に分類される。このため、処理部17は、第1波形W1における連続して隣接する4~7個(4以上の自然数であるa個の一例)の各サンプリング値Msの変動パターンが、これらの第1変動パターンP1~第4変動パターンP4のいずれかと一致したときに、それらのサンプリング値Msによって表される波形をパルス波形Wpと判定する(パルス波形Wpが含まれていると判定する)。
また、処理部17は、パルス波形Wpにおける各サンプリング値Msの変動パターンに対応して規定された処理(以下に説明する各フィルタ処理(強調処理))を実行することにより、パルス波形Wpの突出部分のサンプリング値Msに正の値を乗算すると共に突出部分を除く部分のサンプリング値Msに負の値を乗算してサンプリング値Msを増減させ、これによってパルス波形Wpの突出部分を強調させる。なお、図17に示す第1変動パターンP1~第4変動パターンP4をそれぞれ上下に反転させた(負の向きに突出する)変動パターンも存在する(図示を省略する)。この場合、処理部17は、各サンプリング値Msの変動パターンが負の向きに突出するこれらの変動パターンと一致したときにも、それらのサンプリング値Msによって表される波形をパルス波形Wpと判定し、上記と同様の処理(各フィルタ処理)を実行してパルス波形Wpの突出部分を強調させる。
第1変動パターンP1では、パルス波形Wpにおける5つのサンプリング値Msを時間軸に沿ってサンプリング値Ms1,Ms2,Ms3,Ms4,Ms5としたときに(図8参照)、次に示す第1のフィルタ処理(強調処理)によってサンプリング値Ms1~Ms5を増減してサンプリング値Mc1,Mc2,Mc3,Mc4,Mc5を算出する(同図参照)。
Mc1=Ms1×(-1/4),Mc2=Ms2×(-1/4),Mc3=Ms3×(4/4),Mc4=Ms2×(-1/4),Mc5=Ms2×(-1/4)・・・第1のフィルタ処理
例えば、図8の上段に示す第1変動パターンP1のパルス波形Wp1aが第1波形W1に含まれている場合において、処理部17が第1のフィルタ処理を実行したときには、パルス波形Wp1aの突出部分が、同図の下段に示すパルス波形Wp1bのように強調される。なお、図8および後述する図9~図12では、横軸の次元を時間(t)とし、縦軸の次元を電流値(i)としている。
また、第1変動パターンP1では、上記したサンプリング値Ms1~Ms5を次に示す第2のフィルタ処理(強調処理)によって増減してサンプリング値Mc1~Mc5を算出することもできる(図9参照)。
Mc1=Ms1×(-2/6),Mc2=Ms2×(-1/6),Mc3=Ms3×(6/6),Mc4=Ms4×(-1/6),Mc5=Ms5×(-2/6)・・・第2のフィルタ処理
また、例えば、図9の上段に示す第1変動パターンP1のパルス波形Wp1aが第1波形W1に含まれている場合において、処理部17が第2のフィルタ処理を実行したときには、パルス波形Wp1aの突出部分が、同図の下段に示すパルス波形Wp1cのように強調される。
第2変動パターンP2では、パルス波形における4つのサンプリング値Msを時間軸に沿ってサンプリング値Ms1,Ms2,Ms3,Ms4としたときに(図10参照)、次に示す第3のフィルタ処理(強調処理)によってサンプリング値Ms1~Ms4を増減してサンプリング値Mc1,Mc2,Mc3,Mc4を算出する(同図参照)。
Mc1=Ms1×(-1/4),Mc2=Ms2×(4/4),Mc3=Ms3×(4/4),Mc4=Ms4×(-1/4)・・・第3のフィルタ処理
また、例えば、図10の上段に示す第2変動パターンP2のパルス波形Wp2aが第1波形W1に含まれている場合において、処理部17が第3のフィルタ処理を実行したときには、パルス波形Wp2aの突出部分が、同図の下段に示すパルス波形Wp2bのように強調される。
第3変動パターンP3では、パルス波形における6つのサンプリング値Msを時間軸に沿ってサンプリング値Ms1,Ms2,Ms3,Ms4,Ms5,Ms6としたときに(図11参照)、次に示す第4のフィルタ処理(強調処理)によってサンプリング値Ms1~Ms6を増減してサンプリング値Mc1,Mc2,Mc3,Mc4,Mc5,Mc6を算出する(同図参照)。
Mc1=Ms1×(-1/4),Mc2=Ms2×(-1/4),Mc3=Ms3×(2/4),Mc4=Ms4×(2/4),Mc5=Ms5×(-1/4),Mc6=Ms6×(-1/4)・・・第4のフィルタ処理
また、例えば、図11の上段に示す第3変動パターンP3のパルス波形Wp3aが第1波形W1に含まれている場合において、処理部17が第4のフィルタ処理を実行したときには、パルス波形Wp3aの突出部分が、同図の下段に示すパルス波形Wp3bのように強調される。
第4変動パターンP4では、パルス波形における7つのサンプリング値Msを時間軸に沿ってサンプリング値Ms1,Ms2,Ms3,Ms4,Ms5,Ms6,Ms7としたときに、次に示す第5のフィルタ処理(強調処理)によってサンプリング値Ms1~Ms7を増減してサンプリング値Mc1,Mc2,Mc3,Mc4,Mc5,Mc6,Mc7を算出する。
Mc1=Ms1×(-1/5),Mc2=Ms2×(-1/5),Mc3=Ms3×(1/2),Mc4=Ms4×(-1/5),Mc5=Ms5×(1/2),Mc6=Ms6×(-1/5),Mc7=Ms7×(-1/5)・・・第5のフィルタ処理
また、例えば、図12の上段に示す第4変動パターンP4のパルス波形Wp4aが第1波形W1に含まれている場合において、処理部17が第5のフィルタ処理を実行したときには、パルス波形Wp4aの突出部分が、同図の下段に示すパルス波形Wp4bのように強調される。
続いて、第5処理では、処理部17は、上記した第3波形W3(図5参照)におけるサンプリング周期毎の各値(以下、「値M3」ともいう)の中から連続して隣接する5個(3以上の自然数であるb個の一例)の値M3を選択して各値M3の各絶対値のうちの最大の値Mm1(第1最大値)を取得する処理を、5個の各値M3の組み合わせを時間軸に沿って1つずつ(1サンプリング周期ずつ)変更しつつ行い、取得した各値Mm1によって表される第5波形W5(図13参照)を特定する。なお、図13では、横軸の次元を時間(t)とし、縦軸の次元を電流値/時間(i/t)としている。
次いで、第6処理では、処理部17は、第4波形W4(図6参照)におけるサンプリング周期毎の各値(以下、「値M4」ともいう)を絶対値に変換した値Md1(第1絶対値)を取得する処理を、時間軸に沿って行い、取得した各値Md1によって表される第6波形W6(図14参照)を特定する。なお、図14では、横軸の次元を時間(t)とし、縦軸の次元を電流値(i)としている。
続いて、第7処理では、処理部17は、第5波形W5(図13参照)における各値Mm1に予め決められた係数α1(第1係数)をそれぞれ乗算した各値(Mm1×α1)を、第6波形W6(図14参照)における対応する各値Md1(各値Mm1とそれぞれ同じサンプリング周期でかつ同じ時点での各値Md1)からそれぞれ減算した各減算値によって表される第7波形W7(図15,16参照)を特定する。なお、図15では、α1を0.1としたときの第7波形W7を図示し、図16では、α1を0.2としたときの第7波形W7を図示している。
ここで、図3に示すように、検査用信号Stを供給した直後の過渡現象が発生する過渡期間T(過渡現象の発生期間)においては、第1波形W1の変化が激しいため、図5に示すように、過渡期間Tにおける値M3(第2波形W2の各位置における傾きを示す値)が大きな値となり、この結果、図13に示すように、過渡期間Tにおける第5波形W5の値Mm1が大きな値となる。また、図3に示すように、過渡期間Tにおいては、第1波形W1の値も大きいため、図6に示すように、第4波形W4の値M4も大きくなり、この結果、図14に示すように、過渡期間Tにおける値Md1が大きな値となる。一方、適正な閾値Mtを算出するためには、過渡期間Tにおける大きい値の影響を低減する必要がある。この場合、上記したように過渡期間Tにおいては、値Mm1および値Md1の双方が大きな値となる。このため、第7処理において、値Md1から値Mm1×α1を減算することで、過渡期間Tにおける大きい値の影響を低減することが可能となる。
一方、図15に示すように、係数α1が小さい値のときには(この例では、α1=0.1)、過渡期間Tにおいて第7波形W7が正の領域に突出する。この場合、波形が大きく変動する過渡期間Tにおいて第7波形W7の一部が正の領域に突出している(減算値が0を超えている)ときには、閾値Mtを算出する際に過渡期間Tにおける波形の変動が大きく影響して適正な閾値Mtの算出が困難となることがある。このため、過渡期間Tにおける波形の変動の影響を低く抑えるために、過渡期間Tにおいて第7波形W7が正の領域にできるだけ突出せず、かつ過渡期間T以外の期間における第7波形W7の値ができるだけ大きな値となるような係数α1(この例では、α1=0.2)を予め規定する。なお、図15,16および後述する図17~図19では、横軸の次元を時間(t)とし、縦軸の次元を電流値および電流値/時間の双方の特性を有する次元(i,i/t)としている。
次いで、第8処理では、処理部17は、第7波形W7(図16参照)における負の値となる部分を0の値となるように変形した第8波形(以下、コイル100aについて第8波形を「第8波形W8a」ともいう:図17参照)を特定する。また、処理部17は、第8波形W8a(第8波形W8aを示す波形データ)を記憶部14に記憶させる。
続いて、第9処理では、処理部17は、第8波形W8aの各値M8の平均値Maを算出する。
次いで、第10処理では、処理部17は、第8波形W8aの各値M8のうちの最大の値Mm8を求め、値Mm8に予め決められた係数α2(第2係数)を乗算した値(Mm8×α2)を算出する。この場合、係数α2は誤判定を低減するための係数(余裕値)であって、一例として、値1.2に規定されている。続いて、処理部17は、Mm8×α2を平均値Maで除算した値を係数α3(第3係数)として算出する。次いで、処理部17は、算出した係数α3を記憶部14に記憶させる。
以上により、コイル100aについてのサンプリングデータDsに基づく第1処理~第10処理が終了する。
続いて、処理部17は、記憶部14から検査対象のコイル100bについてのサンプリングデータDsを読み出す(ステップ53)。
次いで、処理部17は、上記した第1処理~第9処理と同様の処理をコイル100bについてのサンプリングデータDsに基づいて実行する(ステップ54)。この場合、第8処理で特定したコイル100bについて第8波形を「第8波形W8b」(図18参照)ともいい、第9処理で算出した第8波形W8bの各値M8の平均値を「平均値Mb」ともいう。
続いて、処理部17は、閾値Mtを算出する(ステップ55)。具体的には、処理部17は、上記した第10処理で算出した係数α3を記憶部14から読み出す。次いで、処理部17は、コイル100bについての平均値Mbに係数α3を乗算した値を閾値Mtとして算出する。続いて、処理部17は、算出した閾値Mtを記憶部14に記憶させて、閾値算出処理50を終了する。
次いで、操作部16を操作して、コイル100bについての検査処理の実行を指示する。続いて、処理部17が操作部16から出力された操作信号に従って検査処理を実行する。この検査処理では、処理部17は、上記した閾値算出処理50において、コイル100bについてのサンプリングデータDsに基づいて実行した第8処理(ステップ54)で特定したコイル100bについての第8波形W8bを記憶部14から読み出す。また、処理部17は、閾値算出処理50のステップ55で算出した閾値Mtを記憶部14から読み出す。次いで、処理部17は、第8波形W8bと閾値Mtとを比較する。この場合、図19に示すように、第8波形W8bに閾値Mt以上の値のパルス波形Wpが含まれているときには、処理部17は、コイル100bを不良と判定する。一方、第8波形W8bに閾値Mt以上の値のパルス波形Wpが含まれていないときには、処理部17は、コイル100bを良品と判定する。続いて、処理部17は、検査結果(判定結果)を表示部15に表示させて、検査処理を終了する。
このように、この検査装置1および閾値算出方法では、良品のコイル100aについて第1処理~第10処理を実行して係数α3を算出し、検査対象のコイル100bについて第1処理~第9処理を実行して算出した平均値Mbに係数α3を乗算した値を閾値Mtとして算出する。また、この検査装置1および閾値算出方法では、第7処理において、第2波形W2の各位置における傾き値Lに基づいて取得した値Mm1に係数α1を乗算した値を、第4波形W4の値M4に基づいて取得した値Md1から減算する。この場合、検査用信号Stを供給した直後の過渡現象が発生する過渡期間Tにおいては、値Mm1および値Md1の双方が大きな値となる。このため、この検査装置1および閾値算出方法によれば、第7処理において、値Mm1に係数α1を乗算した値を値Md1から減算することにより、閾値Mtを算出する際の過渡期間Tにおける大きい値の影響を十分に低減することができる結果、適正な閾値Mtを算出することができる。したがって、この検査装置1および閾値算出方法によれば、適正な閾値Mtを用いた正確な検査を実現することができる。
また、この検査装置1および閾値算出方法では、第3処理において、第2波形W2上の連続する3つの位置の両端における第2波形W2の各値の差分値の1/2の値を3つの位置の中央における傾き値Lとする。この場合、例えば、第2波形W2上の各位置における微分値を傾き値Lとする構成および方法では、第2波形W2における急激な変化をしている部分(パルス波形Wp)の頂点(変曲点)において傾き値Lが0となるため、急激な変化を的確に表すことが困難なことがある。これに対して、この検査装置1および閾値算出方法では、第2波形W2の変曲点における傾きを示す値が0となることがないため、第3波形W3(第3処理で特定される波形)におけるb個の値のうちの最大の値Mm1(第1最大値)によって表される第5波形W5(第5処理で特定される波形)において急激な変化を的確に表すことができる。
また、この検査装置1および閾値算出方法によれば、第4処理において、パルス波形Wpの突出部分のサンプリング値Msに正の値を乗算すると共に突出部分を除く部分のサンプリング値Msに負の値を乗算してサンプリング値Msを増減させることにより、簡易な方法でありながら、パルス波形Wpの突出部分を確実に強調させることができる。
また、この検査装置1および閾値算出方法では、良品のコイル100aについて第7処理を実行したときの過渡期間T(過渡現象の発生期間)における減算値が0以下となる値を係数α1として各値Mm1に乗算する。この場合、波形が大きく変動する過渡期間Tにおいて第7波形W7の一部が正の領域に突出している(減算値が0を超えている)ときには、閾値Mtを算出する際に過渡期間Tにおける波形の変動が大きく影響して適正な閾値Mtの算出が困難となることがある。したがって、この検査装置1および閾値算出方法によれば、過渡期間Tにおける減算値が0以下となる値を係数α1とすることにより、過渡期間Tにおける波形の変動の影響を低く抑えることができる結果、より適正な閾値Mtを算出することができる。
なお、検査装置および閾値算出方法は、上記の構成および方法に限定されない。例えば、第3処理において、連続して隣接する3つの位置の両端における各値の差分値の1/2の値を3つの位置の中央における傾き値L(傾きを示す値)として、この傾き値Lの経時変化によって表される波形を第3波形W3として特定する例について上記したが、連続して隣接するn個(nは2以上の任意の整数)の位置の両端における各値の差分値の1/(n-1)の値を例えばn個の位置の左から2番目の位置における傾き値Lとする構成および方法を採用することもできる。また、第2波形W2の各位置における微分値を傾き値Lとする構成および方法を採用することもできる。
また、第2波形W2の各位置における2階微分値(傾きの変化量)を傾き値Lに替えて変化の大きさを示す量とする構成および方法を採用することもできる。この場合、2階微分値は、第2波形W2における値の変化が激しいほど(ピークが鋭いほど)大きな値となる。このため、この構成および方法によれば、被検出信号Sdの波形に、より変化が激しい部分が含まれている場合において、閾値Mtを算出する際に変化が激しい部分による影響をより確実に低減させることができる。
また、第5処理において、第3波形W3における連続して隣接する5個の値M3の各絶対値のうちの最大の値Mm1を取得する例について上記したが、値Mm1を取得する処理の対象とする値M3の数は5個に限定されず、2個以上の任意の数(自然数)に規定することができる。
また、検査用信号Stとしてのインパルス電圧を供給したときに生じる(流れる)被検出信号Sdとしての電流を検出する構成および方法に適用した例について上記したが、他の検査用信号St(例えば、電流)を供給し、他の被検出信号Sd(例えば、電圧)を検出する構成および方法に適用することもできる。
また、コイル100以外の部品(例えば、抵抗やコンデンサ)を検査するときに用いる閾値Mtを算出する際に適用することもできる。
また、処理部17が演算部および検査部として機能する例(検査部および演算部を一体とした構成例)について上記したが、検査部および演算部を別体とする構成を採用することもできる。
1 検査装置
17 処理部
100,100a,100b コイル
L 傾き値
Ma,Mb 平均値
Mm1,Md1,Mm8 値
Ms,Ms1~Ms7,Mc1~Mc7 サンプリング値
Mt 閾値
St 検査用信号
Sd 被検出信号
W1 第1波形
W2 第2波形
W3 第3波形
W4 第4波形
W5 第5波形
W6 第6波形
W7 第7波形
W8a,W8b 第8波形
Wp,Wp1a~Wp4a,Wp1b~Wp4b,Wp1c パルス波形
α1,α2,α3 係数

Claims (6)

  1. 検査対象の部品に検査用信号を供給したときに生じる被検出信号に基づく波形に閾値以上の値のパルス波形が含まれているときに当該部品を不良と判定する検査部と、前記閾値を算出する演算部とを備えた検査装置であって、
    前記演算部は、コイル、抵抗およびコンデンサのいずれかを前記部品として検査するための前記閾値を算出するときに、前記被検出信号を予め決められたサンプリング周期でサンプリングしたサンプリング値によって表される第1波形を特定する第1処理と、前記第1波形から高周波成分を除去した第2波形を特定する第2処理と、前記第2波形上の各位置における傾きまたは傾きの変化量を示す値の経時変化によって表される第3波形を特定する第3処理と、前記第1波形における連続するa個(aは、4以上の自然数)の前記サンプリング値が変動するパルス波形が当該第1波形に含まれているときに当該パルス波形の突出部分が強調されるように当該サンプリング値を増減させた第4波形を特定する第4処理と、前記第3波形における前記サンプリング周期毎の各値の中から連続するb個(bは、3以上の自然数)の値を選択して当該各値の各絶対値のうちの最大の値を第1最大値として取得する処理を当該b個の各値の組み合わせを時間軸に沿って変更しつつ行って当該取得した各第1最大値によって表される第5波形を特定する第5処理と、前記第4波形における前記サンプリング周期毎の各値の絶対値を第1絶対値として取得する処理を時間軸に沿って行って当該取得した各第1絶対値によって表される第6波形を特定する第6処理と、前記各第1最大値に予め決められた第1係数をそれぞれ乗算した各値を対応する前記各第1絶対値からそれぞれ減算した各減算値によって表される第7波形を特定する第7処理と、前記第7波形における負の値となる部分を0の値となるように変形した第8波形を特定する第8処理と、前記第8波形の各値の平均値を算出する第9処理と、前記第8波形の各値の最大値に予め決められた第2係数を乗算した値を前記平均値で除算した値を第3係数として算出する第10処理とを良品の前記部品について実行し、検査対象の前記部品について前記第1処理から第9処理を実行して算出した前記平均値に前記第3係数を乗算した値を前記閾値として算出することにより、前記部品に前記検査用信号を供給したときの過渡現象の発生期間における前記被検出信号の大きな値の影響を低減可能な当該閾値を算出する検査装置。
  2. 前記演算部は、前記第3処理において、前記第2波形上の連続する3つの位置の両端における当該第2波形の各値の差分値の1/2の値、および当該3つの位置のうちの連続する2つの位置における当該第2波形の各値の差分値のいずれかの値を当該3つの位置の中央における前記傾きを示す値とする請求項1記載の検査装置。
  3. 前記演算部は、前記第3処理において、前記第2波形上の各位置における2階微分値を前記傾きを示す値とする請求項1記載の検査装置。
  4. 前記演算部は、前記第4処理において、前記突出部分の前記サンプリング値に予め決められた正の値を乗算すると共に前記突出部分を除く部分の前記サンプリング値に予め決められた負の値を乗算して当該サンプリング値を増減させる請求項1から3のいずれかに記載の検査装置。
  5. 前記演算部は、良品の前記部品について前記第7処理を実行したときの前記過渡現象の発生期間における前記減算値が0以下となる値を前記第1係数として前記各第1最大値に乗算する請求項1から4のいずれかに記載の検査装置。
  6. 検査対象の部品に検査用信号を供給したときに生じる被検出信号に基づく波形に閾値以上の値のパルス波形が含まれているときに当該部品を不良と判定する際の当該閾値を算出する閾値算出方法であって、
    コイル、抵抗およびコンデンサのいずれかを前記部品として検査するための前記閾値を算出するときに、前記被検出信号を予め決められたサンプリング周期でサンプリングしたサンプリング値によって表される第1波形を特定する第1処理と、前記第1波形から高周波成分を除去した第2波形を特定する第2処理と、前記第2波形上の各位置における傾きまたは傾きの変化量を示す値の経時変化によって表される第3波形を特定する第3処理と、前記第1波形における連続するa個(aは、4以上の自然数)の前記サンプリング値が変動するパルス波形が当該第1波形に含まれているときに当該パルス波形の突出部分が強調されるように当該サンプリング値を増減させた第4波形を特定する第4処理と、前記第3波形における前記サンプリング周期毎の各値の中から連続するb個(bは、3以上の自然数)の値を選択して当該各値の各絶対値のうちの最大の値を第1最大値として取得する処理を当該b個の各値の組み合わせを時間軸に沿って変更しつつ行って当該取得した各第1最大値によって表される第5波形を特定する第5処理と、前記第4波形における前記サンプリング周期毎の各値の絶対値を第1絶対値として取得する処理を時間軸に沿って行って当該取得した各第1絶対値によって表される第6波形を特定する第6処理と、前記各第1最大値に予め決められた第1係数をそれぞれ乗算した各値を対応する前記各第1絶対値からそれぞれ減算した各減算値によって表される第7波形を特定する第7処理と、前記第7波形における負の値となる部分を0の値となるように変形した第8波形を特定する第8処理と、前記第8波形の各値の平均値を算出する第9処理と、前記第8波形の各値の最大値に予め決められた第2係数を乗算した値を前記平均値で除算した値を第3係数として算出する第10処理とを良品の前記部品について実行し、検査対象の前記部品について前記第1処理から第9処理を実行して算出した前記平均値に前記第3係数を乗算した値を前記閾値として算出することにより、前記部品に前記検査用信号を供給したときの過渡現象の発生期間における前記被検出信号の大きな値の影響を低減可能な当該閾値を算出する閾値算出方法。
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