JP5537173B2 - (ポリ)グリセリルエーテルの製造方法 - Google Patents
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Description
(ポリ)グリセリルエーテルの製造方法としては、例えば、特許文献1には、中性条件下でアルコール類にグリシドールを反応させることで、分子量分布の狭い(ポリ)グリセリルエーテルを製造する方法が開示されている。
また、アルコール類にアルカリを作用させた後、グリシドールを滴下して反応させる方法が知られているが、アルコール類の転化率が低く、未反応のアルコール類を除去するための精製負荷が高いという問題点があった。この問題点を解決する手段として、特許文献2には、La系触媒等の均一系触媒を用いて、アルコール類にグリシドールを反応させることで、ポリグリセリルエーテル誘導体を製造する方法が開示されている。
しかしながら、特許文献1〜3の方法では、気相部における重合による副生成物の抑制が十分でなかった。
本発明は、気相部でのグリシドール同士の重合を抑制し、かつ反応時間を短縮した分子量分布の狭い(ポリ)グリセリルエーテルの製造方法を提供することを課題とする。
すなわち、本発明は、アルコール類(但し、グリシドール及びグリセリンを除く)とグリシドールを反応させる(ポリ)グリセリルエーテルの製造方法であって、不活性ガスで系内圧力を0.1〜25MPa(ゲージ圧)に調整した後、反応温度を150〜270℃で、かつ系内圧力を当該範囲に維持して反応させる、(ポリ)グリセリルエーテルの製造方法を提供する。
ここで、(ポリ)グリセリルエーテルとは、グリセロール残基を1又は2以上有するグリセリルエーテルを意味する。また、グリセロール残基とは、−CH2−CH(OH)−CH2O−で表される基及び/又は−CH2−CH(CH2OH)−O−で表される基をいう。
本発明で用いるアルコール類は、グリシドール及びグリセリン以外のアルコール類であり、反応性の観点から、下記式(1)で表される化合物が好ましい。
R1−(OA1)n−(OA2)m−OH (1)
(式中、R1は炭素数1〜36の炭化水素基を示し、A1は炭素数2〜4の直鎖状又は分岐のアルカンジイル基を示し、A2は水酸基を有する炭素数2〜4の直鎖又は分岐のアルカンジイル基を示し、n、mは、それぞれOA1基、OA2基の質量平均重合度を示し、nは0〜20、mは0〜2の数である。)
R1は、炭素数1〜36の飽和又は不飽和の直鎖状、分岐又は環状の炭化水素基である。前記の炭化水素基としては、得られる(ポリ)グリセリルエーテルの物性の観点から、(i)炭素数4〜24、好ましくは炭素数8〜18の直鎖状、分岐又は環状のアルキル基、(ii)炭素数2〜36、好ましくは炭素数4〜24、より好ましくは8〜18の直鎖状、分岐又は環状のアルケニル基、(iii)置換基が置換してもよい炭素数6〜24の芳香族基等が好ましい。
R1であるアルケニル基の具体例としては、プロペニル基、アリル基、1−ブテニル基、イソブテニル基、各種ヘキセニル基、各種オクテニル基、各種デセニル基、各種ドデセニル基、オレイル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロオクテニル基等が挙げられる。
R1である芳香族基の具体例としては、フェニル基、ナフチル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、4−ニトロフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
A2は、水酸基を有する炭素数2〜4の直鎖又は分岐のアルカンジイル基であり、その具体例としては、ヒドロキシプロパン−1,2−ジイル基、ヒドロキシブタン−1,3−ジイル基等が挙げられる。
n、mは、それぞれオキシアルカンジイル基であるOA1基、OA2基の質量平均重合度を示し、得られる(ポリ)グリセリルエーテルの物性の観点から、nは0〜20、好ましくは0〜8、より好ましくは0であり、mは0〜2、好ましくは0である。OA1基、OA2基が複数ある場合、複数のOA1基、OA2基は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
(i)メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ヘキシルアルコール、シクロヘキシルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、オクチルアルコール、デシルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール等の脂肪族アルコール。
(ii)フェノール、メトキシフェノール、ナフトール等の芳香族アルコール。
(iii)エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノドデシルエーテル、エチレングリコールモノステアリルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノオクチルエーテル、プロピレングリコールモノドデシルエーテル、ポリエチレングリコールモノドデシルエーテル、ポリエチレングリコールモノミリスチルエーテル、ポリエチレングリコールモノパルミチルエーテル、ポリプロピレングリコールモノドデシルエーテル等のモノ又はポリアルキレングリコールのモノアルキルエーテル。
(iv)エチルグリセリルエーテル、ヘキシルグリセリルエーテル、2−エチルヘキシルグリセリルエーテル、オクチルグリセリルエーテル、デシルグリセリルエーテル、ラウリルグリセリルエーテル、ステアリルグリセリルエーテル、イソステアリルグリセリルエーテル、ジグリセリンモノドデシルエーテル等のモノ又はジグリセリルエーテルやエチレングリコールモノドデシルモノグリセリルエーテル。
アルコール類は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明において、アルコール類(但し、グリシドール及びグリセリンを除く)とグリシドールの反応は、先ず、不活性ガスで系内を0.1〜25MPa(ゲージ圧)まで加圧してから昇温を行う。
反応系内のゲージ圧は、(ポリ)グリセリルエーテルの収率向上の観点から、好ましくは0.1〜10MPa、より好ましくは0.3〜0.9MPaの範囲である。ゲージ圧が0.1Mpa以上とすることによって、気相部でのグリシドール同士の重合を抑制し、副生成物であるポリグリセリンの生成を抑制することができる。一方、25Mpa以下とすることにより、十分な耐圧性能を有する設備と気密性保持等への設備投資額やランニングコストを軽減することができる。
この加圧による収率向上の効果は、ポリグリセリンの生成が増大する高温側で特に顕著である。そのため、反応系を不活性ガスで加圧することで、高温でも気相部でのポリグリセリンの生成を抑制した反応が可能となり、無触媒で反応を行う場合や低活性の触媒を用いた場合においても反応時間の短縮を図ることができる。ここで、気相部でのポリグリセリンの生成とは、主反応である液相部分とは異なる反応装置の壁面等で気体のグリシドールが重合反応し、壁面に付着物としてポリグリセリンと推定できる水不溶物を生成することをいう。
系内の加圧は、系内に窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガス等の不活性ガスを充填することにより行うことができる。使用するガスとしては入手の容易さの観点から窒素ガスが好ましい。
気相中のグリシドール濃度(体積%)=〔気相中のグリシドール量/(気相中の不活性ガス量+気相中のグリシドール量)〕×100
また、気相中の窒素及びグリシドール濃度は、仕込み量及び経時の反応率を用いて公知の気液平衡推算式、例えばUNIFAC等を用いて求めることができる
上記の観点から、気相中のグリシドール濃度を低減することで、グリシドール同士の重合を抑制し効率的に(ポリ)グリセリルエーテルの合成を行うことができる。気相中のグリシドール濃度は70体積%以下が好ましいが、より好ましくは50体積%以下、更に好ましくは30体積%以下である。
グリシドール分圧は0.48Mpa(ゲージ圧)以下の条件下で反応させることが好ましい。反応系のグリシドール分圧が0.48MPa−Gを超えると、気相部でのグリシドール同士の重合を十分に抑制できず、副生物のポリグリセリンが多量に生成するため好ましくない。反応系のグリシドール分圧は、好ましくは0.36MPa−G以下であり、より好ましくは0.25MPa−G以下である。
本発明の方法においては、無触媒でアルコール類とグリシドールを反応させることもできる。しかし、反応性を向上させるために触媒を使用することもできる。
触媒は、特に限定されないが、アルミノシリケート及び/又は金属塩が好ましい。
アルミノシリケートとしては、水素イオンの一部又は全部が、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン、及びアルカリ土類金属イオンから選ばれる一種以上の陽イオンでイオン交換されているアルミノシリケートが好ましい。これらの陽イオンでイオン交換されているアルミノシリケートは、ポリグリセリンの生成を抑える効果を有する。
アルミノシリケートの陽イオンであるアンモニウムイオンは、アンモニウム、1級アンモニウム、2級アンモニウム、3級アンモニウム、4級アンモニウム、ピリジニウムを包含するが、入手又は調製の容易さの観点から、アンモニウム、ピリジニウムが好ましい。
アルカリ金属イオンとしては、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム等のイオンが挙げられるが、入手又は調製の容易さの観点から、ナトリウムイオン、カリウムイオン、及びセシウムイオンが好ましい。
また、アルカリ土類金属イオンとしては、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等のイオンが挙げられるが、入手又は調製の容易さの観点から、マグネシウムイオン又はカルシウムイオンが好ましい。
上記のアルミノシリケートの陽イオンとしては、グリシドールの反応選択性の観点から、ピリジニウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、セシウムイオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオンがより好ましく、ピリジニウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、及びセシウムイオンが更に好ましい。
よって本願のアルミノシリケートの陽イオンによるイオン交換の程度は、上記の2つのモル比の和(今後、陽イオン/Al比ともいう。陽イオン/Al=窒素/Al+金属元素/Alである)として評価することができる。
本発明におけるアルミノシリケートは、ポリグリセリンの生成抑制の観点から、その(陽イオン/Al)モル比は、好ましくは0.10〜10、より好ましくは0.15〜5、更に好ましくは0.25〜3である。
アルミノシリケートを構成するアルミニウム原子と珪素原子(Si)のモル比(Al/Si)は、ポリグリセリンの生成を抑制し、アルコール類の転化率を向上させる観点から、好ましくは0.0001〜0.5、より好ましくは0.0005〜0.1、更に好ましくは0.001〜0.01である。
アルミノシリケートの形状は特に限定されず、粉末や、それらを成形したペレット状のもの等を用いることができる。粉末の場合、アルコール類とグリシドールの反応性の観点、及び反応後の分離の観点から、粒子径(メジアン径)は、好ましくは0.1μm〜1mm、より好ましくは0.5〜100μm、更に好ましくは1〜50μmである。
アルミノシリケートは、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の製造方法におけるアルミノシリケートの使用量は、生産性の向上や、副生成物を抑制し、アルコール類の転化率を向上させる観点から、アルコール類に対して、好ましくは0.01〜200質量%、より好ましくは0.1〜100質量%、更に好ましくは1〜50質量%である。
希土類元素の単純金属塩としては、通常、無機酸塩及び/又は有機酸塩が用いられる。高選択的付加反応の実現及びアルコール類の転化率向上の観点から、無機酸塩としては過塩素酸塩が好ましく、有機酸塩としてはスルホン酸塩が好ましい。
この単純金属塩を構成する希土類元素としては、スカンジウム、イットリウムや、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウム等のランタノイドが好ましく、スカンジウム、ランタン、サマリウム、ユウロピウム、エルビウム、ルテチウム、イッテルビウムがより好ましく、スカンジウム、ランタン、サマリウム、イッテルビウムが更に好ましく、ランタン及び/又はサマリウムが特に好ましい。
金属塩は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
希土類元素の単純金属塩の量は、反応速度及び経済性のバランス等の面から、アルコール類に対して、好ましくは0.001〜0.2モル倍、より好ましくは0.002〜0.1モル倍、特に好ましくは0.005〜0.05モル倍である。
塩基性物質は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明で用いられる塩基性物質の量は、生産性の向上や、塩基性物質の残分の除去作業の観点から、アルコール類に対して、好ましくは100〜0.01モル%、より好ましくは50〜0.01モル%、更に好ましくは20〜0.01モル%である。
本発明においては、アルコール類と下記式(2)で表されるグリシドールを反応させるが、アルコール類として、前記一般式(1)で表される化合物を用いると、次のとおり、下記一般式(3)で表される(ポリ)グリセリルエーテルを得ることができる。
ここで、ポリグリセリン部位の具体的構造としては、下記式から選ばれる1種以上の構造が挙げられる。
グリシドールを連続的に滴下する場合は、その滴下速度は、アルコールの仕込み量に対して、好ましくは1質量%/分以下、より好ましくは0.7質量%/分以下、更に好ましくは0.4質量%/分以下である。
グリシドールを分割添加する場合は、添加予定量をほぼ均等に分割して、好ましくは2分割以上、より好ましくは3分割以上、更に好ましくは4分割以上して、ほぼ等間隔で添加し、全体を通しての添加速度を前記のとおりとするのが望ましい。分割回数はグリシドールの全添加量等により異なるが、工業的観点から2〜5分割程度が好ましい。
反応温度は、使用するアルコール類の種類等により適宜選択することができる。具体的な反応温度は、反応時間、反応効率、収率、製品の品質等の観点から、150〜270℃であり、好ましくは160〜250℃、より好ましくは180〜230℃である。
用いることのできる溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル等の両極性溶媒;ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、イソオクタン、水添トリイソブチレン等の脂肪族炭化水素系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素、等の炭化水素系溶媒;オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等のシリコーン系溶媒等が挙げられる。
溶媒は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、溶媒は脱水、脱気して用いるのが好ましい。
また、実施例及び比較例において、反応後のラウリルアルコールの転化率、生成した(ポリ)グリセリルエーテルについては、ガスクロマトグラフィーにて分析し、反応混合液中に含まれる、ポリグリセリンについては、液体クロマトグラフィーにて分析した。分析装置及び分析条件を下記に示す。
装置:パーキンエルマー社製、Optima 5300DV
<アルミノシリケートの平均粒径の測定>
レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置:株式会社堀場製作所製、LA−920
分散媒体:水 前処理:1分間の超音波処理
測定温度:25℃ 計算に用いた屈折率:1.2
装置:HEWLETT PACKARD HP6850 Series
カラム:J&W社製、B−1HT(内径0.25mm、長さ15m、膜厚0.1μm)
キャリアガス:He,1.0mL/min
注入:300℃,スプリット比1/50 検出:FID方式,300℃
カラム温度条件:40℃ 2分保持→10℃/分昇温→350℃ 2分保持
装置:株式会社日立製作所製、LaChrom
カラム:東ソー株式会社製、Amide−80(カタログNo.13071)
カラムサイズ:4.6mm(ID)×25.0cm(L)
溶離液:アセトニトリル/水=1:1 流量1.0Lml/min
検出:RI(屈折率) カラム温度:40℃
1000mlの4つ口ナスフラスコにゼオライト(東ソー社製、HSZ−390HUA、Al/Siモル比:0.0027)52.5g、イオン交換水500ml、硝酸ナトリウム50.1gを加え、ゼオライト分散スラリーを調製した。これを100℃のオイルバスで加熱しながら、24時間攪拌した。静置後、デカンテーションにより上澄み液を取り出し、新たな硝酸ナトリウム水溶液(硝酸ナトリウム50.27g、イオン交換水400ml)を加えて100℃のオイルバスで加熱しながら、24時間攪拌した。この操作をもう一度行い、処理終了後、ろ過によりゼオライトを分離した。分離したゼオライトをイオン交換水1500mlで洗い、180℃、40.0Paで10時間乾燥した。ICP−AES分析の結果、得られたゼオライトの重量組成はSi:46%、Al:0.11%、ナトリウム(Na):0.03%であった。Al/Siモル比は0.0025、陽イオン/Alモル比は0.32である。平均粒径(メジアン径)は6.5μmであった。
500mlオートクレーブにラウリルアルコール150.0g(0.80mol)、触媒として調製例1で得られたNa−Y型ゼオライト400を7.51g(5質量%/ラウリルアルコール)、グリシドール29.84g(0.40mol:0.5当量/ラウリルアルコール)を加え、槽内を窒素で0.3MPa(ゲージ圧)(昇温後0.6MPa(ゲージ圧)まで上昇)まで加圧し、攪拌しながら230℃まで昇温した(25℃から昇温を開始し、昇温速度は6.8℃/min)。230℃到達時点を0時間とし4時間反応させ、反応生成物187.18gを得た。濾過によって触媒を除去し、得られた生成物をガスクロマトグラフィーによって分析し、ラウリル(ポリ)グリセリルエーテルの存在を確認した(グリシドール転化率99%以上)。結果を表1に示す。
100ml四つ口ナスフラスコにラウリルアルコール40.03g(0.21mol)、触媒として調製例1で得られたNa−Y型ゼオライト400を2.01g(5質量%/ラウリルアルコール)を加え、窒素置換後、攪拌しながら230℃まで昇温した(25℃から昇温を開始し、昇温速度は6.8℃/min)。次に、その温度を保持しながらグリシドール7.60g(0.10mol:0.5当量/ラウリルアルコール)を3時間で滴下し、そのまま4時間攪拌を続けた。滴下後約2時間経過したあたりで、槽内、液面より上部に、樹脂状の付着物が見られるようになり、滴下が進むにつれ、付着物が徐々に増加した。終了後、槽内、液面より上部に樹脂状の付着物が多量に生成されていた。得られた反応生成物49.31gを濾過によって触媒と付着物を除去し、得られた生成物をガスクロマトグラフィー分析し、ラウリル(ポリ)グリセリルエーテルの存在を確認した(グリシドール転化率99%以上)。結果を表1に示す。
参考例1と同様にして、230℃まで昇温した(25℃から昇温を開始し、昇温速度は6.8℃/min)。230℃到達時点を0時間とし4時間反応させた。その後、2回目のグリシドール29.76g(0.40mol:0.5当量/ラウリルアルコール)を加え、4時間反応させ、反応生成物217.09gを得た。得られた生成物をガスクロマトグラフィー分析し、ラウリル(ポリ)グリセリルエーテルの存在を確認した(グリシドール転化率99%以上)。結果を表1に示す。
比較例1と同様にして、230℃まで昇温し(25℃から昇温を開始し、昇温速度は6.8℃/min)、反応させたところ、比較例1と同様に、滴下後約2時間経過したあたりで、槽内、液面より上部に、樹脂状の付着物が見られるようになり、滴下が進むにつれ、徐々に付着物が増加した。その後、グリシドール7.78g(0.10mol:0.5当量/ラウリルアルコール)を3時間で滴下し、そのまま4時間攪拌を続けた。終了後、槽内、液面より上部に樹脂状の付着物が多量に生成されていた。得られた反応生成物54.49gを濾過によって触媒と付着物を除去し、ガスクロマトグラフィー分析し、ラウリル(ポリ)グリセリルエーテルの存在を確認した(グリシドール転化率99%以上)。結果を表1に示す。
参考例1と同様にして、230℃まで昇温した(25℃から昇温を開始し、昇温速度は6.8℃/min)。230℃到達時点を0時間とし4時間反応させた。その後、2回目のグリシドール29.76g(0.4mol:0.5当量/ラウリルアルコール)を加え、4時間反応させた。その後、3回目のグリシドール29.81g(0.4mol:0.5当量/ラウリルアルコール)を加え、4時間反応させ、反応生成物246.9gを得た。得られた生成物をガスクロマトグラフィー分析し、ラウリル(ポリ)グリセリルエーテルの存在を確認した(グリシドール転化率99%以上)。結果を表1に示す。
参考例1において、グリシドールの添加量を89.54g(1.21mol:1.5当量/ラウリルアルコール)としたこと以外は、参考例1と同様にして、230℃まで昇温した(25℃から昇温を開始し、昇温速度は6.8℃/min)。230℃到達時点を0時間とし4時間反応させ、反応生成物215.77gを得た。得られた生成物をガスクロマトグラフィー分析し、ラウリル(ポリ)グリセリルエーテルの存在を確認した(グリシドール転化率99%以上)。結果を表1に示す。
参考例1において、グリシドールの添加量を89.60g(1.21mol:1.5当量/ラウリルアルコール)としたこと以外は、参考例1と同様にして、250℃まで昇温した(25℃から昇温を開始し、昇温速度は7.5℃/min)。250℃到達時点を0時間とし3時間反応させ、反応生成物232.23gを得た。得られた生成物をガスクロマトグラフィー分析し、ラウリル(ポリ)グリセリルエーテルの存在を確認した(グリシドール転化率99%以上)。結果を表1に示す。
気相中グリシドール濃度(体積%)=〔気相中のグリシドール量/(気相中の不活性ガス量+気相中のグリシドール量)〕×100
上記式中、気相中の不活性ガス量、及び気相中のグリシドール量は、各々の仕込み量を用いて、既知の気液平衡計算により求めた。
また、表1中の「気相中付着物」は、主反応である液相部分とは異なる反応装置の壁面等で気相のグリシドールが重合反応し壁面に付着したものであり、水に不溶であることから、高重合のポリグリセリンと推測される。
表1から、実施例では、比較例に比べ(ポリ)グリセリルエーテルの収率、及びラウリルアルコールの転化率が向上し、気相部でのポリグリセリンと推定される付着物の生成が抑制されていることがわかる。
Claims (6)
- アルコール類(但し、グリシドール及びグリセリンを除く)とグリシドールを反応させる(ポリ)グリセリルエーテルの製造方法であって、不活性ガスで系内圧力を0.1〜25MPa(ゲージ圧)に調整した後、反応温度を150〜270℃で、かつ系内圧力を当該範囲に維持して反応させ、アルコール類(但し、グリシドール及びグリセリンを除く)に対して、反応当量以下のグリシドールを反応させた後、更にグリシドールを添加して反応を行う、(ポリ)グリセリルエーテルの製造方法。
- 気相中のグリシドール濃度を70体積%以下にして反応を行う、請求項1に記載の(ポリ)グリセリルエーテルの製造方法。
- アルミノシリケートの存在下で反応させる、請求項1又は2に記載の(ポリ)グリセリルエーテルの製造方法。
- アルミノシリケートが、水素イオンの一部又は全部が、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン、及びアルカリ土類金属イオンから選ばれる一種以上の陽イオンでイオン交換されているアルミノシリケートである、請求項3に記載の(ポリ)グリセリルエーテルの製造方法。
- アルコール類(但し、グリシドール及びグリセリンを除く)に対して、反応当量以下のグリシドールを反応させた後、更にグリシドールを添加し、その添加完了後、反応系内の状態を維持して熟成する、請求項1〜4のいずれかに記載の(ポリ)グリセリルエーテルの製造方法。
- 熟成の時間が0.1〜20時間である、請求項5に記載の(ポリ)グリセリルエーテルの製造方法。
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