JP5535640B2 - フェンタニル含有経皮吸収製剤 - Google Patents

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Description

本発明は、有効成分としてフェンタニルまたはその塩を含有する経皮吸収製剤に関する。
従来、癌性疼痛の鎮痛剤として、フェンタニルまたはその塩を有効成分とする注射剤が使用されていたが、近年、注射剤以外にもフェンタニル含有経皮吸収剤が開発され、薬物の経皮吸収性を向上させることや鎮痛効果の持続性を高めることなどについて検討がなされてきた(特許文献1〜3)。
市販されているフェンタニル含有経皮吸収剤として、例えば、デュロテップパッチ(Durotep Patch)(登録商標)が挙げられるが、このような従来のフェンタニルを含有する経皮吸収製剤は、3日間貼付し続けることが必要とされているものの、その鎮痛効果の変動が極めて大きく、患者に負担を強いるものであり、患者コンプライアンスが低下する場合があった。
特開平10−45570号公報 特開平11−302161号公報 特開昭61−37725号公報
本発明の課題は、新たに、患者の負担の軽減されたフェンタニル含有経皮吸収製剤を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねる中で、フェンタニル含有経皮吸収製剤のように癌などの長期療養を余儀なくされる患者の疼痛を治療対象とする製剤にあっては、鎮痛効果の変動が大きいと患者コンプライアンスを低下させるとの新たな知見を得、この問題を解決するため、さらに研究したところ、フェンタニル含有経皮吸収製剤のピーク/トラフ値をより適切に調整することによって、鎮痛効果の変動を小さく抑えることができ、患者の負担を軽減できることを見出し、さらに研究を進めた結果、本発明を完成した。
すなわち本発明は、フェンタニルまたはその塩を含有する、1日1回投与用フェンタニル含有経皮吸収製剤に関する。
また本発明は、1日1回投与を繰り返し、定常状態に達した後の、少なくとも連続する3日間において1日毎に測定した血中フェンタニル濃度の平均値および標準偏差値から得られるCV値(標準偏差値/平均値×100(%))が40%以下である、前記の経皮吸収製剤に関する。
さらに本発明は、1日1回投与を繰り返し、定常状態に達した後の、少なくとも連続する3日間において1日毎に測定した血中フェンタニル濃度の最大値に対する最小値の比(最小値/最大値)が0.5以上である、前記の経皮吸収製剤に関する。
また本発明は、前記経皮吸収製剤が1日1回投与を連続した場合、定常状態における血中フェンタニル濃度の平均ピーク/トラフ値が1.8以下である、前記の経皮吸収製剤に関する。
また本発明は、支持体、粘着剤および剥離シートを含む貼付剤である、前記の経皮吸収製剤に関する。
さらに本発明は、貼付剤が、マトリックス型である、前記の経皮吸収製剤に関する。
また本発明は、フェンタニルまたはその塩を0.10〜0.45mg/cmで含有する、前記の経皮吸収型製剤に関する。
さらに本発明は、フェンタニルまたはその塩を0.10〜0.45mg/cmで粘着剤中に含有し、かつ、粘着剤の質量が2〜10mg/cmである、前記の経皮吸収製剤に関する。
また本発明は、1枚あたりのフェンタニルまたはその塩の含有量が1〜2mgの貼付剤である、前記の経皮吸収製剤に関する。
さらに本発明は、粘着剤が、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体を含む、前記の経皮吸収製剤に関する。
また本発明は、粘着剤が、アクリル系高分子を含む、前記の経皮吸収製剤に関する。
さらに本発明は、支持体が、延伸ポリエチレンテレフタレートを含む、前記の経皮吸収製剤に関する。
本発明の1日1回投与用フェンタニル含有経皮吸収製剤は、従来の3日間貼付する3日投与用経皮吸収製剤と異なり、血中フェンタニル濃度のピーク/トラフ値が小さく、鎮痛効果の変動が最小限に抑えられるため、患者の負担が軽減される。また、癌性疼痛などの疼痛を効果的に抑制できる、より患者コンプライアンスの高い経皮吸収製剤を提供することができる。
特に癌などの長期療養を余儀なくさせる疾患の疼痛を治療対象とする経皮吸収剤においては、従来、より長い期間の薬効の持続性を求めるあまり、患者コンプライアンスへの配慮が十分とはいえなかったが、本発明の1日1回投与用フェンタニル含有経皮吸収製剤は、薬効が長期に持続し、かつ鎮痛効果の変動が小さいため、患者コンプライアンスの高い薬剤を提供することができる。
図1のグラフは、本発明の経皮吸収製剤を、24時間単回貼付および72時間単回貼付した際の血中濃度から、夫々の連続貼付した場合の一例を示す。 図2は、本発明の経皮吸収製剤を、9日間、1日貼付を連続投与した場合と3日貼付を連続投与した場合とにおいて、6日目(144時間)以降のフェンタニル平均血中濃度(C)の推移を示すグラフである。 図3は、本発明の経皮吸収製剤を、3日投与を3回連続投与(9日間)した後、さらに続けて本発明のフェンタニル含有経皮吸収製剤を、1日投与を3回連続投与(3日間、計12日間)した場合の第7日目経過後のVAS値を1としたときのVAS値変化率の推移を示すグラフである。
以下、本発明のフェンタニル含有経皮吸収製剤の好適な実施について詳細に説明する。
本発明のフェンタニル含有経皮吸収製剤は、フェンタニルまたはその塩を含有し、1日1回投与用として用いる。
また本発明における薬理活性物質は、フェンタニル自体またはその塩であり、フェンタニル塩としては、薬学的に許容し得る塩であれば、特に限定されず、無機塩であっても有機塩であってもよく、代表的なフェンタニル塩であるクエン酸塩、塩酸塩、フマル酸塩等を挙げることができる。これらの中でも、クエン酸フェンタニルは特に好ましい。また、フェンタニルまたはその塩は、単独で用いることもできるが、2種以上を混合して用いてもよい。
さらに本発明のフェンタニル含有経皮吸収製剤は、1日1回投与を繰り返すことで、定常状態に達した後の、少なくとも連続する3日間において1日毎(24時間毎)に測定した血中フェンタニルの濃度の平均値(例えば図2における168、192、216時間の血中濃度の平均値)および標準偏差値により得られるCV値(標準偏差値/平均値×100(%))を40%以下とすることができる。さらに好ましくはCV値を30%以下、さらに好ましくはCV値を20%以下とすることによって、より高い患者コンプライアンスを得ることが可能となる。本発明は、少なくとも連続する3日間において1日毎に測定した血中フェンタニルの濃度の平均値および標準偏差値により得られるCV値を所定の範囲に留めることにより、連続して安定な鎮痛効果を得ることができるのである。なおここで、標準偏差値/平均値とは、変動係数であり、CV値として表し、いわゆる、複数または個人の患者における血中フェンタニルの濃度の測定により求まる血中濃度の平均値とその標準偏差値を用いて計算されるバラツキの指標である。
また本発明のフェンタニル含有経皮吸収製剤は、フェンタニルまたはその塩を含有し、1日1回投与用の経皮吸収製剤であって、1日1回投与を連続することによって、定常状態における血中フェンタニル濃度の平均ピーク/トラフ値が1.8以下とすることができ、定常状態における血中フェンタニル濃度の平均ピーク/トラフ値を所定の範囲に留めることにより、患者の鎮痛効果の変動を最小限に抑え、癌性疼痛などの患者の疼痛を軽減することができる。さらに好ましくは1.6以下、特に好ましくは、1.3以下とすることで、上記効果をより効果的に得ることが可能になる。
なお、本発明におけるピーク/トラフ値とは、連続投与期間中の定常状態になった後に、経皮吸収製剤の適用期間(1日投与用の場合は1日間)におけるピーク(最大血中濃度)とトラフ(最小血中濃度)との比を意味する。前記定常状態とは、通常、投与開始から血中濃度の見かけ上の半減期の3倍以上の時間が経過した後の状態、または、血中濃度のピーク値もしくはトラフ値がほぼ一定に保たれる状態、すなわちその変動が20%以内にある状態をいう。
また本発明のフェンタニル含有経皮吸収製剤は、1日1回投与を繰り返すことにより、定常状態に達した後の、少なくとも連続する3日間において1日毎に測定した血中フェンタニル濃度の最大値に対する最小値の比(最小値/最大値)が0.5以上であることが好ましい。前記最小値/最大値をかかる範囲にすることにより、患者の鎮痛効果の変動を最小限に抑え、癌性疼痛などの患者の疼痛を軽減することができる。
なお、本発明における血中フェンタニル濃度の最大値に対する最小値の比とは、1日1回投与を繰り返し、定常状態に達した後の少なくとも連続する3日間において、少なくとも各日毎に平均血中フェンタニル濃度を測定し、血中フェンタニル濃度が測定した3日間のうち最大である日の値(最大値)と、最小である日の値(最小値)との比を意味する。
さらに本発明においては、経皮吸収製剤に含有されるフェンタニルまたはその塩の単位面積当たりの含有量が0.10〜0.45mg/cmであることが好ましい。
本発明の経皮吸収製剤は、本発明の特徴である血中濃度の特性を示せば特に限定されないが、支持体、粘着剤および剥離シートを含む貼付剤とすることが好ましい。かかる貼付剤としては、特に限定されないが、リザーバー型、マトリックス型であってもよく、特に、有機溶媒中に薬物を含有させるリザーバー型よりも、粘着剤中に薬物を含有させるマトリックス型の方が、有機溶媒に起因する皮膚刺激、かぶれ等が生じにくいとの利点から、マトリックス型が好ましい。なお、マトリックス型とは、水などの液体を含んだ粘着剤層を有する場合も含まれる。
本発明の経皮吸収剤がマトリックス型の貼付剤である場合、該貼付剤における支持体を構成する材料は、薬物の支持体への移行を防止する観点から、ポリエステル系フィルムが好ましく、特にポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンテレフタレートとエチレン酢酸ビニル共重合体を含有するフェルムが好ましい。また、ポリエチレンテレフタレートとエチレン酢酸ビニル共重合体を含有するフィルムの場合はそれらを積層し使用することもできる。
ポリウレタンなどの伸縮性フィルム等を用いると、薬物の支持体への移行が認められる傾向があり、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系フィルムを用いると、このようなフェンタニルの支持体への移行は減少する傾向にある。
さらに、フェルムには延伸型および非延伸型があるが、ポリエチレンテレフタレート製フィルムを用いた場合は延伸ポリエチレンテレフタレートを含むフィルムを用いた場合にフェンタニルまたはその塩の支持体への吸着も抑制されるため、結果として粘着剤に含有されるフェンタニルまたはその塩を効率的に経皮吸収製剤に用いることができ、本発明における血中濃度の特性が得られやすく特に好ましい。
またポリエステル系フィルムを単独で使用する場合のその厚みについては、特に限定はないが、2〜50μmであることが好ましく、さらに好ましくは5〜40μm、特に20〜30μmであることが、製造時の取り扱い性や、貼付時の使用感などの観点から好ましい。
ポリエステル系フィルムは複層で用いてもよい。積層する素材については、特にその限定はないが、ポリエステル系繊維製の不織布、織布、ウレタン、エチレン酢酸ビニル共重合体膜などの柔らかい素材が好ましく、さらに不織布、織布、エチレン酢酸ビニル共重合体膜が好ましく、特にエチレン酢酸ビニル共重合体膜が好ましい。複層で用いる場合の厚みについては、特に限定はないが、積層した状態での厚みは同じ理由でポリエステル系フィルムを単層で用いる場合と同様な厚みで使用することができる。
さらに、上記支持体に顔料(着色顔料)を練りこむことによって着色してもよい。例えば、酸化チタンを加えることによって白色の支持体とすることができる。このように白色とすることで、支持体表面に文字等を印刷しやすくなり、取扱いに注意を要する薬物を使用する際にも、取扱いの注意事項等をわかりやすく印刷することができる他、半透明であれば皮膚に貼付した際にはより目立たなくなるため患者の精神的負担もより軽減される場合がある。
本発明において、支持体の透湿度は、15〜30g/m・24hrであることが好ましい。この範囲の透湿度とすることで、貼付中、剥がれることなく、1日間貼付でき、本発明の効果が得られやすい傾向がある。
また支持体の曲げ剛性は、0.01〜0.20g・cm/cmであることが好ましい。支持体の曲げ剛性が小さいと、貼付剤が絡み付いたり、シワになったりして取扱い性が困難になる傾向があり、他方、大きすぎると貼付剤が硬く、取り扱いが困難となるなどの問題を生じたりヒトの体の貼付部位の凹凸に合わせて貼付するのが困難になり、また、皮膚の少しの動きに対しても剥がれやすくなるため、貼付面積の変化により十分な薬物の効果が得られないおそれもあるからである。
また、フェンタニルまたはその塩は粘着剤全体の質量に基づいて、0.05〜20質量%の量で配合することが、透過量、製剤自体の物性の観点から好ましい。
本発明の経皮吸収製剤を貼付剤とした場合は、支持体の少なくとも一方の面に皮膚に接着するために粘着剤を有する。
この場合、粘着剤層の厚みは、20〜200μmであることが好ましい。この厚みが小さすぎると支持体上に粘着剤層をうまく延ばして塗ることができず、製造工程中不都合が生じ、また、透過速度もよくなくなる傾向があり、他方、厚みが大きすぎると製造工程上の不都合を生じ、また必要以上に薬物を用いることになり、無駄が生じる傾向があるからである。
また、フェンタニルまたはその塩を0.10〜0.45mg/cmで粘着剤中に含有し、かつ、粘着剤層の質量が2〜10mg/cmであることが好ましい。
本発明の粘着剤に配合される脂溶性ポリマーは、特に限定されないが、好ましい例として、ポリイソブチレン(PIB)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、アクリル系高分子(2−エチルヘキシルアクリレート、酢酸ビニル、メタクリレート、メトキシエチルアクリレート、アクリル酸の少なくとも2種の共重合体)等を挙げることができ、これらを単独または2種以上を混合して用いることができる。これらの中でも、PIB、SIS、アクリル系ポリマーを用いることが好ましい。
脂溶性ポリマーは、製剤自体の物性及び人体皮膚に対する良好な粘着力を考慮して、本発明の貼付剤の粘着剤全体の質量に基づいて、0.1〜98質量%、好ましくは0.1〜70質量%、さらに好ましくは0.1〜50質量%配合する。
本発明の粘着剤には、酢酸ナトリウムを配合することによって、フェンタニルまたはその塩の皮膚透過性が非常に高くなる。酢酸ナトリウムは、粘着剤全体の質量に基づいて、0.01〜15質量%、さらに0.01〜10質量%、特に0.01〜5質量%配合することが好ましい。酢酸ナトリウムの配合量が少ないと、皮膚透過性を著しく向上させるという効果が十分得られず、多すぎると、皮膚への刺激性が強くなる傾向があるからである。
フェンタニル塩がクエン酸フェンタニルの場合には、クエン酸フェンタニルと酢酸ナトリウムの配合質量比は物性及び皮膚透過性の面で効果が得られる配合比であればよいが、典型的には2:1の場合に最大の効果が得られる。酢酸ナトリウムの配合比が小さいと急激に薬物皮膚透過性が低下する傾向があり、逆に酢酸ナトリウムの配合比が大きいと不均一な製剤となり付着性が悪くなる傾向がある。
なお、脂溶性ポリマ−の粘着性は低いので、製剤に粘着性を付与するために、製剤の粘着剤に、粘着付与剤を配合することができる。粘着付与剤としては、ポリテルペン樹脂系、石油樹脂系、ロジン系、ロジンエステル系、油溶性フェノ−ル樹脂系の粘着付与剤等を好ましい例として挙げることができる。粘着付与剤は、本発明の製剤の粘着剤全体の質量に基づいて、0.1〜70質量%、さらに5〜50質量%、特に10〜35質量%の量で配合されることが好ましい。
また、本発明の貼付剤の加工性の向上や粘着性の調整のために、粘着剤に油脂を可塑剤として配合することもできる。油脂としては、例えば、流動パラフィン、スクワラン、オリ−ブ油、ツバキ油、バーショック油、ラッカセイ油等が好ましく、特に流動パラフィンは好ましい。油脂は、本発明の製剤の粘着剤全体の質量に基づいて、1.0〜70質量%、さらに10〜60質量%、特に20〜50質量%の量で配合されることが好ましい。
また、本発明の製剤の粘着剤には、必要に応じて吸収促進剤を配合することもできる。吸収促進剤としては、皮膚での吸収促進作用が認められている化合物であればいずれのものでもよく、例えば炭素鎖数6〜20の脂肪酸、脂肪族アルコ−ル、脂肪酸エステルまたはエーテル、芳香族系有機酸、芳香族系アルコ−ル、芳香族系有機酸エステルまたはエ−テルを挙げることができる。さらに、乳酸エステル類、酢酸エステル類、モノテルペン系化合物、セスキテルペン系化合物、アゾン(Azone)またはその誘導体、グリセリン脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリソルベート系、ポリエチレングリコ−ル脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油系、ショ糖脂肪酸エステル類等を挙げることができる。具体的には、カプリル酸、カプリン酸、カプロン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、セチルアルコール、ラウリン酸メチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸セチル、サリチル酸、サリチル酸メチル、サリチル酸エチレングリコール、ケイ皮酸、ケイ皮酸メチル、クレゾール、乳酸セチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、ゲラニオール、チモール、オイゲノール、テルピネオール、l−メントール、ボルネオロール、d−リモネン、イソオイゲノール、イソボルネオール、ネロール、dl−カンフル、グリセリンモノラウレート、グリセリンモノオレエート、ソルビタンモノラウレート、ショ糖モノラウレート、ポリソルベート20、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、HCO−60(硬化ヒマシ油)、1−[2−(デシルチオ)エチル]アザシクロペンタン−2−オン(以下、「ピロチオデカン」と略記する。)が好ましく、特に、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、サリチル酸エチレングリコール、ピロチオデカンが好ましい。
このような吸収促進剤は、本発明の製剤の粘着剤全質量に基づいて、0.01〜20質量%が好ましく、さらに0.1〜10質量%が、特に0.5〜5質量%の量で配合されることが好ましい。吸収促進剤の配合量が多すぎると、発赤、浮腫等の皮膚への刺激性が認められ、少なすぎると吸収促進剤の配合の効果が得られない傾向があるからである。
さらに、本発明の貼付剤において、皮膚から発生した汗等の水性成分を吸収させるために、必要に応じて親水性ポリマ−を配合することもできる。親水性ポリマ−としては、例えば、軽質無水ケイ酸、セルロ−ス誘導体(カルボキシメチルセルロース(CMC)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMCNa)、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、デンプン誘導体(プルラン)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、酢酸ビニル(VA)、カルボキシビニルポリマー(CVP)、エチル酢酸ビニル(EVA)、オイドラギット(商品名)、ゼラチン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ソーダ、ポリイソブチレン無水マレイン酸共重合体、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、アラビアゴム、トラガント、カラヤゴム、ポリビニルメタクリレートが好ましく、特に軽質無水ケイ酸、セルロース誘導体(CMCNa、HPMC、HPC、MC)、オイドラギットが好ましい。
親水性ポリマーは、本発明の貼付剤の粘着剤全体の質量に基づいて、0.1〜20質量%、特に0.5〜10質量%配合することが好ましい。
また、本発明の貼付剤の粘着剤には、架橋剤、防腐剤、抗酸化剤等のその他の成分を配合することができる。
架橋剤としては、アミノ樹脂、フェノ−ル樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル等の熱硬化性樹脂、イソシアネ−ト化合物、ブロックイソシアネート化合物、有機系架橋剤、金属または金属化合物等の無機系架橋剤が好ましい。防腐剤としては、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル等が好ましい。抗酸化剤としては、トコフェロ−ルおよびそのエステル誘導体、アスコルビン酸、ステアリン酸エステル、ノルジヒトログアレチン酸、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソ−ル(BHA)等が好ましい。なお、本発明の貼付剤の粘着剤は、非水系の基材からなることが特に好ましい。
上記粘着剤は、いずれの方法によっても製造することができる。例えば、溶剤法により製造する場合には、配合されるポリマ−の有機溶剤溶液に、他の成分を添加、撹拌後、支持体に伸展し、乾燥させて本製剤を得ることができる。また、配合されるポリマ−がホットメルト法により塗工可能である場合には、高温でポリマ−成分を溶解させた後、他の成分を添加し、撹拌し、支持体に伸展して本発明の貼付剤を得ることができる。
また、本発明の貼付剤の面積は、十分な薬物の効果が得られる面積ならば特に制限はないが、5〜60cmであることが、薬効効果、取り扱い性、皮膚刺激などの観点から好ましい。
そして、本発明の上記により構成される貼付剤においては、粘着剤中にフェンタニルまたはその塩を含有し、その単位面積当たりの含有量が0.10〜0.45mg/cm、かつ、粘着剤の単位面積あたり質量が2〜10mg/cmとすることが好ましい。かかる範囲にすることにより、本発明のフェンタニルの血中濃度の特性が生じやすくなる傾向がある。
本発明の経皮吸収製剤はまた、1枚あたりのフェンタニルまたはその塩の含有量が1〜10mgの貼付剤とすることができ、1〜2mgの低用量であってもよい。
また、癌性疼痛の痛みの程度において、各々使い分けられるように、例えば、1枚あたりのフェンタニルまたはその塩の含有量が、1〜10mg含まれる1種または2種以上の貼付剤を組合せて、1日1回の投与において用量を調節することができるように規格されている貼付剤とすることができる。このようにすることで各種の癌による疼痛の緩和を目的とでき、例えば痛みが酷いときなどに用量を調節できる。
剥離シートとしては、剥離処理を施した剥離紙(離型紙)、セロファン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリ塩化ビニリデン、シリコン加工紙からなるもの等が挙げられる。
なお、本発明の経皮吸収製剤は、本発明のフェンタニルの血中濃度の特性を示すことができれば特に貼付剤に限られるわけではなく、ゲル剤、クリーム剤等の塗布剤でもよいし、さらに貼付剤においても支持体、粘着剤のみからなる必要もなく、場合によっては薬物透過性を調整する膜や透過性を促進するためのマイクロニードル等の種々の構造を備えてもよい。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1
(処方)
成分名 含有量(%)
SIS 16.0
PIB 7.0
脂環族飽和炭化水素樹脂 40.0
流動パラフィン 31.0
酢酸ナトリウム 2.0
クエン酸フェンタニル 4.0
全量 100.0
(製法)
クエン酸フェンタニル、酢酸ナトリウムおよび流動パラフィンを乳鉢に取りよく混合した後、トルエンに溶解した残りの成分と混合した。得られた混合物を離型紙(剥離シート)上に塗工後、溶剤を乾燥除去し、延伸PET支持体(厚み:20μm)と貼り合わせて経皮吸収製剤(マトリックス型)を得た。なお、クエン酸フェンタニルを含有する粘着剤は50g/mとした(単位面積あたりのクエン酸フェンタニル:0.2/cm)。
実施例2
(処方)
成分名 含有量(%)
アクリル粘着剤(Duro−Tak387−2287) 80.0
ミリスチン酸イソプロピル 10.0
フェンタニル 10.0
全量 100.0
(製法)
フェンタニルおよびミリスチン酸イソプロピルを乳鉢に取りよく混合した後、アクリル粘着剤溶液と混合した。得られた混合物を離型紙(剥離シート)上に塗工後、溶剤を乾燥除去し、延伸PET支持体(厚み:20μm)と貼り合わせて経皮吸収製剤(マトリックス型)を得た。なお、フェンタニルを含有する粘着剤は30g/mとした(単位面積あたりのフェンタニル:0.3mg/cm)。
実施例3
(処方)
成分名 含有量(%)
アクリル粘着剤(Duro−Tak387−2516) 90.0
フェンタニル 10.0
全量 100.0
(製法)
フェンタニルとアクリル粘着剤溶液と混合し、得られた混合物を離型紙(剥離シート)上に塗工後、溶剤を乾燥除去し、延伸PET支持体(厚み:20μm)と貼り合わせて経皮吸収製剤(マトリックス型)を得た。なお、フェンタニルを含有する粘着剤は20g/mとした(単位面積あたりのフェンタニル:0.2mg/cm)。
実施例4
実施例1の支持体を、延伸PET支持体から延伸PETとEVA膜とのラミネート支持体(3M社製:ScotchPak9732)へ変更した以外は同じ製法で経皮吸収製剤(マトリックス型)を得た。
実施例5
実施例2の支持体を、延伸PET支持体から延伸PETとEVA膜とのラミネート支持体(3M社製:ScotchPak9732)へ変更した以外は同じ製法で経皮吸収製剤(マトリックス型)を得た。
実施例6
実施例3の支持体を、延伸PET支持体から延伸PETとEVA膜とのラミネート支持体(3M社製:ScotchPak9732)へ変更した以外は同じ製法で経皮吸収製剤(マトリックス型)を得た。
試験例1
実施例1に記載のクエン酸フェンタニルを4%含有する貼付剤10cmについて、成人5人を対象に1日(24時間)貼付、また、別の成人5人を対象に3日(72時間)貼付を夫々行い、経時的に採血を行なった。次いで、得られた血液中の血中フェンタニル濃度を、ガスクロマトグラフィー・マススペクトロメトリー法にて測定した。測定結果を基に、1日貼付を14回連続して行い、3日貼付を5回連続して行った場合の一例のグラフを図1に示す。
表1は、上記結果から得られる各貼付時間でのピーク/トラフ値を示す。
Figure 0005535640
試験例2
実施例1に記載のクエン酸フェンタニルを4%含有する貼付剤10cmについて、成人7人を対象に1日貼付を連続9回実施し、また、別の成人7人を対象に3日貼付を連続3回実施し、それぞれ経時的に採血を行なった。次いで、得られた血液中の血中フェンタニル濃度をガスクロマトグラフィー・マススペクトロメトリー法にて測定した。
上記の各々群における貼付後6日目(144時間)以降のフェンタニル平均血中濃度(C)の推移を図2に示す。
また、血中フェンタニル濃度が定常状態に達した日以降の任意の連続する3日間における、血中フェンタニル濃度の平均値および標準偏差値を求め、それから得られる各群のCV値(標準偏差値/平均値×100(%))を表2に示す。
Figure 0005535640
また、血中フェンタニル濃度が定常状態に達した日以降の任意の連続する3日間における、各群の血中フェンタニル濃度の最大値/最小値の比を表3に示す。
Figure 0005535640
試験例3
実施例1〜6で用いた支持体を、約70mmφに打ち抜き、試験片とし、JIS Z0208条件Bに準じて透湿度試験を行なった(各々n=3)。
試験の結果、実施例1〜6で用いた支持体の透湿度は、19〜26g/m・24hrであった。
試験例4
実施例1〜6で用いた支持体を3cm幅に切り取って試料とし、純曲げ試験機(KES-FB-M2測定機械装置、カトーテック株式会社製)にセットし、曲率を0.5〜1.5cm−1にて測定した。
測定の結果、実施例1〜6で用いた支持体の曲げ剛性は、0.0363〜0.0716g・cm/cmであった。
試験例5
実施例1記載の製剤を3日貼付した場合と、1日貼付した場合の疼痛抑制効果を比較するため、以下の試験を行なった。
同一患者に、実施例1記載の製剤を、3回連続して3日貼付(9日間)し、さらに続けて同製剤を、3回連続して1日貼付(3日間)し(計12日間)、3回目の3日貼付(第7〜9日目)以降の各日のVAS値(痛みの指標)を測定した。
3日貼付を2回繰り返し、3回目を開始してから24時間後を基準とし(VAS値を1とする)その後24時間ごとにVAS値の変化率を求め、図3にその推移を示す。
その結果、3日貼付の場合は、3回目の貼付後48時間を経過した後に、VAS値が上昇し、痛みが増強したが、1日貼付に(第10日目以降)に切り替えた後には、VAS値が再び低下し、一旦増強した痛みを抑制した。

Claims (12)

  1. クエン酸フェンタニルおよび酢酸ナトリウムを含有する、1日1回投与用フェンタニル含有経皮吸収製剤であって、支持体、粘着剤および剥離シートを含む貼付剤であり、貼付剤がマトリックス型であり、クエン酸フェンタニルを0.10〜0.45mg/cmで粘着剤中に含有し、粘着剤の質量が2〜10mg/cmであり、粘着剤がポリイソブチレンおよびスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体を含み、貼付剤の面積が5〜60cm であり、支持体の透湿度が15〜30g/m ・24hrであり、ならびに支持体の曲げ剛性が0.01〜0.20g・cm /cmであることを特徴とし、前記経皮吸収製剤の1日1回投与を連続した場合の定常状態における血中フェンタニル濃度の平均ピーク/トラフ値が1.8以下となるように粘着剤におけるクエン酸フェンタニルの1cm あたりの含有量を調整し、かつ貼付剤の面積を変動させることにより製剤におけるクエン酸フェンタニルの含有量を調整させてなる、前記経皮吸収製剤。
  2. 1日1回投与を繰り返し、定常状態に達した後の、少なくとも連続する3日間において1日毎に測定した血中フェンタニル濃度の平均値および標準偏差値から得られるCV値(標準偏差値/平均値×100(%))が40%以下である、請求項1に記載の経皮吸収製剤。
  3. 1日1回投与を繰り返し、定常状態に達した後の、少なくとも連続する3日間において1日毎に測定した血中フェンタニル濃度の平均値および標準偏差値から得られるCV値(標準偏差値/平均値×100(%))が20%以下である、請求項1に記載の経皮吸収製剤。
  4. 1日1回投与を繰り返し、定常状態に達した後の、少なくとも連続する3日間において1日毎に測定した血中フェンタニル濃度の最大値に対する最小値の比(最小値/最大値)が0.5以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の経皮吸収製剤。
  5. 前記経皮吸収製剤が1日1回投与を連続した場合、定常状態における血中フェンタニル濃度の平均ピーク/トラフ値が1.3以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の経皮吸収製剤。
  6. 1枚あたりのクエン酸フェンタニルの含有量が1〜2mgの貼付剤である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の経皮吸収製剤。
  7. 粘着剤が、アクリル系高分子を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の経皮吸収製剤。
  8. 支持体が、延伸ポリエチレンテレフタレートを含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の経皮吸収製剤。
  9. 支持体の透湿度が、19〜26g/m・24hrである、請求項に記載の経皮吸収製剤。
  10. 支持体の曲げ剛性が、0.0363〜0.0716g・cm/cmである、請求項に記載の経皮吸収製剤。
  11. クエン酸フェンタニルおよび酢酸ナトリウムを含有する、1日1回投与用フェンタニル含有経皮吸収製剤であって、支持体、粘着剤および剥離シートを含む貼付剤であり、貼付剤がマトリックス型であり、クエン酸フェンタニルを0.10〜0.45mg/cm で粘着剤中に含有し、粘着剤の質量が2〜10mg/cm であり、粘着剤がポリイソブチレンおよびスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体を含み、貼付剤の面積が5〜60cm であることを特徴とし、前記経皮吸収製剤の1日1回投与を連続した場合の定常状態における血中フェンタニル濃度の平均ピーク/トラフ値が1.8以下となるように粘着剤におけるクエン酸フェンタニルの1cm あたりの含有量を調整し、かつ貼付剤の面積を変動させることにより製剤におけるクエン酸フェンタニルの含有量を調整させてなる、前記経皮吸収製剤の製造方法であって、前記経皮吸収製剤の1日1回投与を連続した場合、定常状態における血中フェンタニル濃度の平均ピーク/トラフ値が1.8以下となるように粘着剤中のクエン酸フェンタニルの含有量を0.10〜0.45mg/cm の範囲内で、および粘着剤の質量を2〜10mg/cm の範囲内で夫々決定すること、ならびに貼付剤の面積を5〜60cm の範囲内で変動させることにより製剤におけるクエン酸フェンタニルの含有量を調整することを含む、前記方法。
  12. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の経皮吸収製剤の製造方法であって、前記経皮吸収製剤の1日1回投与を連続した場合、定常状態における血中フェンタニル濃度の平均ピーク/トラフ値が1.3以下となるように粘着剤中のクエン酸フェンタニルの含有量を0.10〜0.45mg/cm の範囲内で、および粘着剤の質量を2〜10mg/cm の範囲内で夫々決定すること、ならびに貼付剤の面積を5〜60cm の範囲内で変動させることにより製剤におけるクエン酸フェンタニルの含有量を調整することを含む、前記方法。
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