JP5535384B2 - 光端末装置、伝送装置、及び、光伝送システム - Google Patents

光端末装置、伝送装置、及び、光伝送システム Download PDF

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Description

本発明は、他の光端末装置とともに同一の光伝送路を介して接続された伝送装置との間で光信号の伝送を行う光端末装置、伝送装置、及び、光伝送システムに関する。
複数の端末装置が同一の光伝送路を介して接続された伝送装置との間で光信号の伝送を行うPON(Passive Optical Network)システムのような光伝送システムが従来から運用されている。このような光伝送システムでは、伝送装置に終端装置が接続されており、複数の光端末装置が同期しながら終端装置と通信している。また、複数の光端末装置と伝送装置が設置された通信局舎との伝送距離はまちまちで、その距離に応じて光端末装置と通信局舎内に設置された伝送装置との間の伝送損失が異なる。
伝送装置側で複数の端末装置からの光入力レベルを均一化させるため、特許文献1に記載された光伝送方法では、光端末装置の光出力に固定光減衰器を挿入し、個別に光出力レベルを調整している。
特開平7−231298号公報
また、伝送路に同軸ケーブルを使用したCATVシステムなどにおいて、ケーブルモデムを使用したインターネットサービスが運用されている。そして、近年、このケーブルモデムを用いたシステムで伝送路を光ファイバ化し、PONシステムとすることが検討されている。
しかしながら、ケーブルモデムを用いたシステムで伝送路を光ファイバ化し、PONシステムとした場合、異なる光端末装置から同一の光伝送路を介してバースト状の上り信号をそれぞれ出力させた際、伝送装置では同一波長帯の光信号を同時に受信する場合がある。この場合、伝送装置の光受信器で光ビート雑音が発生し、伝送品質が著しく劣化するという問題がある。
このように光ビート雑音による伝送品質劣化が問題となるが、上述したように、複数の光端末装置から同時に、同一の伝送路を介して送信されて伝送装置に入力される光入力レベルがほぼ同じだと、伝送品質の劣化が少ない傾向にある。また、伝送装置に入力される光入力レベルが低いほど、上述した光ビート雑音による伝送品質の劣化が小さい傾向にある。
このため、光端末装置は、伝送装置に入力される光入力レベルが、その下限値近傍で精度良く均一化されるように光信号を送信することが望まれる。
上記特許文献1の光伝送方法により、光端末装置側で個別に光出力レベルを調整することができるが、伝送路は温度特性等を持つため、伝送装置での光受信レベルは、気温等で変化する。よって、伝送装置の光受信器において常時光入力レベルを検出し、光端末装置の光出力レベルを制御しなければならなかった。
本発明は、このような実情に鑑みて提案されたものであり、複数の光端末装置とともに同一の光伝送路を介して接続された伝送装置に設置された非同期の終端装置との間で同一波長帯の光信号の伝送を行う光伝送システムに適用される。このような光伝送システムにおいて、各光端末装置から同一の光伝送路を介して伝送装置に入力される光入力レベルを、その下限値近傍で精度良く均一化することで、光ビート雑音を低減可能な光端末装置、伝送装置、及び、光伝送システムを提供することを目的とする。
本発明に係る光端末装置は、光ファイバと光分岐器とで構成された光伝送路を介して、一の伝送装置と複数の光端末装置との間で光通信を行うPON(Passive Optical Network)型のネットワーク構成の光端末装置であって、複数の光端末装置は、互いに同一波長帯のバースト状の光信号を前記伝送装置に送信し、伝送装置には、互いに非同期である複数の終端装置が接続され、光端末装置には、各終端装置によって制御される送信タイミングに基づいて、デジタル変調信号による通信を行うケーブルモデムが接続されたネットワーク構成の光端末装置である。この光端末装置は、伝送装置から出力された光信号を受信し、受信した光信号を電気信号に変換して当該光端末装置に接続されたケーブルモデムに供給する端末側光受信部と、端末側光受信部が受信した光信号の端末側光入力レベルを検出する端末側光入力レベル検出部と、当該光端末装置に接続されたケーブルモデムから供給されるデジタル変調信号を光信号に変換し、変換した光信号を、伝送装置に送信する端末側光送信部と、端末側光送信部を制御する端末側光送信制御部と、当該光端末装置を識別する識別情報が記憶された識別情報記憶部と、を備え、伝送装置から端末側光受信部に送信される信号に制御信号が含まれ、制御信号は、伝送装置に出力する光信号の端末側光出力レベルを制御する信号であり、端末側光送信制御部は識別情報記憶部に記憶された識別情報と、端末側光入力レベル検出部により検出した端末側光入力レベルとを含む光信号を出力するように、端末側光送信部を制御することを特徴とする。
本発明に係る伝送装置は、光ファイバと光分岐器とで構成された光伝送路を介して、一の伝送装置と複数の光端末装置との間で光通信を行うPON(Passive Optical Network)型のネットワーク構成の伝送装置であって、複数の光端末装置は、互いに同一波長帯のバースト状の光信号を前記伝送装置に送信し、伝送装置には、互いに非同期である複数の終端装置が接続され、光端末装置には、各終端装置によって制御される送信タイミングに基づいて、デジタル変調信号による通信を行うケーブルモデムが接続されたネットワーク構成の伝送装置である。この伝送装置は、光伝送路を介して接続された複数の光端末装置から送信されてきた光信号を受信して、受信した光信号を電気信号に変換して当該伝送装置に接続された終端装置に供給する伝送装置側光受信部と、光伝送路を介して複数の光端末装置に光信号を送信する伝送装置側光送信部と、を備え、光端末装置から伝送装置側光受信部に送信される信号に、光端末装置を識別する識別情報と、識別情報で識別される光端末装置が受光した光信号の端末側光入力レベルが含まれ、伝送装置側光送信部は、端末側光入力レベルに基づいて生成された制御信号であって、識別情報で識別される各光端末装置が出力する光信号の端末側光出力レベルを制御する制御信号を含む光信号を、複数の光端末装置に送信することを特徴とする。
本発明に係る伝送装置は、光ファイバと光分岐器とで構成された光伝送路を介して、一の伝送装置と複数の光端末装置との間で光通信を行うPON(Passive Optical Network)型のネットワーク構成の伝送装置であって、複数の光端末装置は、互いに同一波長帯のバースト状の光信号を前記伝送装置に送信し、伝送装置には、互いに非同期である複数の終端装置が接続され、光端末装置には、各終端装置によって制御される送信タイミングに基づいて、デジタル変調信号による通信を行うケーブルモデムが接続されたネットワーク構成の伝送装置である。この伝送装置は、光伝送路を介して接続された複数の光端末装置から送信されてきた光信号を受信して、受信した光信号を電気信号に変換して当該伝送装置に接続された終端装置に供給する伝送装置側光受信部と、伝送装置側光受信部により受信した光信号の伝送装置側光入力レベルを検出する伝送装置側光入力レベル検出部と、光伝送路を介して複数の光端末装置に光信号を送信する伝送装置側光送信部と、を備え、光端末装置から伝送装置側光受信部に送信される信号に、光端末装置を識別する識別情報が含まれ、伝送装置側光送信部は、伝送装置側光入力レベル検出部により検出した伝送装置側光入力レベルに基づいて生成された制御信号であって、識別情報で識別される各光端末装置が出力する光信号の端末側光出力レベルを制御する制御信号を含む光信号を、複数の光端末装置に送信することを特徴とする。
本発明に係る光伝送システムは、上述した複数の光端末装置と、上述した伝送装置と、から構成される。
本発明は、一の光端末装置の識別情報を含む光信号を伝送装置に送信する。そして、本発明は、識別情報により識別される各光端末装置に対応付けられた光出力レベルを示す制御信号を含む光信号が伝送装置から光端末装置に送信され、光端末装置が、この制御信号を用いて光信号の端末側光出力レベルを制御する。
このようにして、本発明は、各光端末装置から同一の光伝送路を介して伝送装置側に入力される伝送装置側光入力レベルを、その下限値近傍で精度良く均一化することができ、結果として、光ビート雑音を低減することができる。
また、一心双方向のPONシステムにおいて、各光端末装置の出力に固定光減衰器を挿入して、伝送装置側の光受信レベルを調整する方法を用いる場合もあるが、この場合は各光端末装置に入力される光受信レベルが減衰し、下りの信号品質を劣化させる虞がある。これに対して、本発明は、上り光信号のレベルを自動調整するため、下り光信号の受信レベルが変化することも無く、良好な信号品質を維持することができる。
図1は、本発明が適用された光伝送システムの具体例について説明するための図である。 図2は、伝送装置側光受信器の構成について説明するための図である。 図3は、第1の実施例に係る光端末装置の構成について説明するための図である。 図4は、第2の実施例に係る光端末装置の構成について説明するための図である。 図5は、第3の実施例に係る光端末装置の構成について説明するための図である。 図6は、本発明が適用された伝送装置側の光受信部の構成を説明するための図である。 図7は、比較例に係る光受信部の構成を説明するための図である。 図8(A)は伝送装置側の光受信部に入力される光信号の具体例を示し、図8(B)は比較例に係る光受信部により検出した検出電圧Vmの時間応答を示し、図8(C)は本発明が適用された伝送装置側の光受信部により検出した検出電圧Vm’の時間応答を示す図である。
(1)光伝送システムの全体構成について
本発明は、複数の光端末装置が同一の光伝送路を介して接続された伝送装置との間で光信号の伝送を行う光伝送システムに関するものである。本発明が適用される光伝送システムは、例えば図1に示すようにして構成される。
すなわち、光伝送システム1は、複数の光端末装置が同一の光伝送路を介して双方向に光信号を伝送するために接続された本発明が適用された伝送装置との間で光信号の伝送を行うPON(Passive Optical Network)システムである。具体的に、光伝送システム1は、図1に示すように、後述するCMTS41に同期した送信タイミングに基づいてデジタル変調信号による通信を行う複数のケーブルモデム(CM:Cable Modem)211a、211b、・・・、211n(以下、総称してCM211ともいう。)と、後述するCMTS42に同期した送信タイミングに基づいてデジタル変調信号による通信を行う複数のケーブルモデム(CM:Cable Modem)212a、212b、・・・、212n(以下、総称してCM212ともいう。)と、複数の光端末装置2a、2b、・・・2n(以下、総称して光端末装置2ともいう。)と、光伝送路3と、光伝送路3を介して各光端末装置2との間で光信号によって通信する伝送装置4とから構成される。
光端末装置2a、2b、・・・、2nは、それぞれ合分波器22a、22b、・・・、22n(以下、総称して合分波器22ともいう。)を介して、CM211a、211b、・・・、211nと、CM212a、212b、・・・、212nとに接続されている。
CM211及びCM212は、光端末装置2から供給されたRF信号(以下、RF下り信号ともいう。)を復調する。また、CM211及びCM212は、復調したRF下り信号に含まれているデータ送信タイミングに基づいて、送信先への信号を変調したバースト状のRF信号を伝送装置4側に出力する。また、CM211は、送信先のCMTS41に同期して、バースト状のRF信号の送出期間及び送出タイミングを制御する。また、CM212は、送信先のCMTS42に同期して、バースト状のRF信号の送出期間及び送出タイミングを制御する。
光端末装置2は、光伝送路3から伝送されてきた光信号をRF信号に変換して、合分波器22を介してCM211及びCM212に供給する。また、光端末装置2は、CM211及びCM212から出力されたバースト状のRF信号をバースト状の光信号に変換して、光伝送路3に出力する。
光伝送路3は、複数の光端末装置2と伝送装置4との間で、光信号を伝送可能に接続する。光伝送路3は、光分岐器3aと、光端末装置2a、2b、・・・、2nと光分岐器3aとの間を接続する光伝送路31a、31b、・・・31n(以下、総称して光伝送路31ともいう。)と、光分岐器3aと伝送装置4との間を接続する光伝送路32とから構成される。
光分岐器3aは、光信号を分配するものである。光分岐器3aは、光カプラなどの受動型の光学素子である。光伝送路31を介して各光端末装置2から伝送されてくる光信号を合波し、光伝送路32を介して伝送装置4に伝送する。また、光分岐器3aは、光伝送路32を介して伝送装置4から伝送されてくる光信号を分波し、光伝送路31を介して各光端末装置2に伝送する。
なお、光分岐器3aは、溶融型と導波路型とに大別されるが、上記のような合波と分波とを行う受動型の光学素子であれば、いずれの種類のものを用いてもよい。
また、光端末装置2から伝送装置4に伝送される光信号(以下、上り光信号という。)と、伝送装置4から光端末装置2に伝送される光信号(以下、下り光信号という。)とは、互いに異なる波長帯の光信号が用いられる。本実施形態では、具体例として、上り光信号を1610nm波長帯の光信号を用いるものとし、下り光信号を1555nm波長帯の光信号を用いるものとする。
なお、各光伝送路31、32は、上り光信号と下り光信号とをそれぞれ個別の光ファイバによって伝送しても、単一の光ファイバによって双方向に伝送してもよい。すなわち、本発明は、同一の光伝送路を介して上り光信号と下り光信号とが伝送されていれば適用可能であり、さらに単一の光伝送路を介して上り光信号と下り光信号との両方が伝送される態様でも適用可能である。
このような構成からなる光伝送システム1では、光分岐器3aを用いることにより、光伝送路3を介して、複数の光端末装置2と伝送装置4との間が光信号によって伝送可能となる。なお、本発明が適用される光伝送システムは、複数の光分岐器を用いて、複数の光端末装置2と伝送装置4との間が光信号によって伝送可能とすることができる。
(2)伝送装置の構成について
次に、伝送装置4の具体的な構成について説明する。伝送装置4は、伝送装置側光受信器43と、伝送装置側光送信器45と、WDMフィルタ46と、当該伝送装置4に接続された各装置の動作の管理を行う管理装置47と、制御信号付加器48と、を備える。また、伝送装置4には、例えば、合波器44を介して、2つのケーブルモデム終端装置(CMTS:Cable Modem Termination System)41、42と接続されている。このような構成からなる伝送装置4は、CMTS41、42とともにケーブルテレビ局などの通信局舎内に設置される。
CMTS41は、本発明に係る伝送装置に接続される終端装置の具体例であって、各光端末装置2に接続されているCM211との間で、デジタル変調信号により通信を行う。具体的に、CMTS41は、各光端末装置2に接続されているCM211に送信する信号を変調し、変調したデジタル変調信号であるRF信号を下りポート411から、合波器44に供給する。また、CMTS41は、伝送装置側光受信器43から分波器43aを介して上りポート412に供給されるRF信号を復調する。
CMTS42は、上述したCMTS41と同様に、本発明に係る伝送装置に接続される終端装置の具体例であって、各光端末装置2に接続されているCM212との間で、デジタル変調信号により通信を行うため、下りポート421から分波器43aを介して変調したデジタル変調信号であるRF信号を合波器44に供給し、伝送装置側光受信器43から上りポート422に供給されるRF信号を復調する。
なお、上述した例に限定されることなく、伝送装置4には、より多くのCMTSを接続してもよい。また、CMTSは、他のCMTSと識別可能な変調方式であれば、周波数変調、及び、位相変調など、他の変調方式を用いてもよい。
伝送装置側光受信器43は、後述するWDMフィルタ46から分波された上り光信号を受光し、分波器43aを介して、受光したRF信号を各CMTS41、42に供給する。
合波器44は、各CMTS41、42から供給されるRF信号を合波して、合波したRF信号を伝送装置側光送信器45に供給する。
伝送装置側光送信器45は、合波器44から供給されるRF信号を下り光信号に変換してWDMフィルタ46に出力する。
WDMフィルタ46は、異なる光波長の光を合波及び分波するフィルタであって、光伝送路32から上り光信号を分波して伝送装置側光受信器43に出力するとともに、下り光信号を光伝送路32に合波して光端末装置2側に出力する。
管理装置47は、当該伝送装置4に接続された各装置の動作の管理を行う。また、管理装置47は、後述する制御情報を制御信号付加器48に送信する。
制御信号付加器48は、CPU481と、変調部482とを有し、管理装置47から送信された制御情報を変調部482により変調して、変調したRF信号を合波器44に供給する。
このような構成からなる光伝送システム1では、伝送装置側光送信器45から送信される下り光信号が全ての光端末装置2に到達し、光端末装置2とCM211、212が必要な情報を受信することとなる。
一方、CM211は、伝送装置4側から伝送されてきた下り光信号に含まれるデータ送信タイミング情報に基づいて、伝送装置4に接続されたCMTS41への上りデータを変調したバースト状のRF信号を光端末装置2に供給する。そして、光端末装置2は、CM211から供給されたRF信号に対応するバースト状の光信号を伝送装置4側に伝送する。
また、CM212は、伝送装置4側から伝送されてきた下り光信号に含まれるデータ送信タイミング情報に基づいて、伝送装置4に接続されたCMTS42への上りデータを変調したバースト状のRF信号を光端末装置2に供給する。そして、光端末装置2は、CM212から供給されたRF信号に対応するバースト状の光信号を伝送装置4側に伝送する。
このようにして、光伝送システム1では、各光端末装置2から出力される上り光信号が、同時に伝送装置4側に入力しないように時分割多重によるデータ伝送を行っている。
このような時分割多重によってデータ伝送を行っていても、伝送装置4に接続されたCMTS41、42が互いに非同期で動作しているため、複数の光端末装置2が上り光信号を同時に出力する場合がある。これは、各CM211、及び、CM212に接続された光端末装置2に対してバースト状の上り光信号の送信を要求するタイミングを、それぞれCMTS41、42が非同期で制御しているからである。
このように複数の光端末装置2が上り光信号を同時に出力する場合、伝送装置側光受信器43は、同一波長帯の光を同時に受光するため光ビート雑音が発生し、伝送品質が損なわれる。このような光ビート雑音は、伝送装置側光受信器43の光入力レベルが、その下限値近傍で精度良く均一化すると低減される。
そこで、伝送装置4は、伝送装置側光受信器43の光入力レベルが、その下限値近傍で精度良く均一化するようにするため、光端末装置2の上り光信号の送信を制御する制御信号を、各光端末装置2に対応付けて送信する。ここで、制御信号とは、各光端末装置2により出力される上り光信号の光出力レベルを制御する信号である。また、伝送装置4には、後述するように、各光端末装置2の識別情報を含む光信号が伝送されてくる。
伝送装置側光受信器43は、上り光信号に含まれている識別情報と、上り光信号の光入力レベルとを対応付けるため、具体的には、図2に示すような構成を有している。すなわち、伝送装置側光受信器43は、光受信部431と、分波部432と、増幅器433と、復調部434と、光入力レベル検出部435と、CPU436とを有する。
光受信部431は、例えばフォトダイオードで上り光信号を受光して、受光したRF信号を分波部432に供給する。また、光受信部431に接続された光入力レベル検出部435は、光受信部431により受信した上り光信号の光入力レベルを検出して、検出した光入力レベルをCPU436に通知する。
分波部432は、光受信部431から供給されたRF信号を分波して、それぞれ増幅器433と復調部434とに供給する。増幅器433は、分波部432から供給されたRF信号を増幅して、各CMTS41、42にそれぞれ供給する。
復調部434は、分波部432から供給されたRF信号から、識別情報を復調してCPU436に通知する。CPU436は、復調部434により復調された識別情報で識別される光端末装置2と、光受信部431から供給された光入力レベルとを対応付けて、管理装置47に通知する。このようにして、CPU436は、各光端末装置2からの上り光信号の光入力レベルを判別可能な情報を管理装置47に通知することができる。
なお、上り光信号の光入力レベルは、必ずしも光入力レベル検出部435により検出する必要はなく、後述のように、光端末装置から送信されてくる情報を利用して算出してもよい。
管理装置47は、CPU436から通知された識別情報で識別される光端末装置2の光入力レベルに基づいて、対応する光端末装置2から送信される上り光信号の光出力レベルを制御する制御情報を生成する。そして、管理装置47は、伝送装置側光受信器43の光入力レベルが、その下限値近傍で精度良く均一化するような制御情報を生成して制御信号付加部48に通知する。つまり、管理装置47は、制御信号を生成する制御信号生成部として機能する。
(3−1)第1の実施例に係る光端末装置の構成について
次に、伝送装置4に識別信号を送信するとともに、伝送装置4から送信された制御信号に応じた動作を行う第1の実施例に係る光端末装置2の具体的な構成について、図3を参照して説明する。
光端末装置2は、図3に示すように、合分波部22と、RF検出部23と、可変減衰器24と、端末側光送信部25と、WDMフィルタ26と、端末側光受信部27と、制御信号復調部28と、光送信制御部29とを備える。
合分波部22は、CM211、212(図3及び以下では、総称してCM21という。)から供給されるRF信号を、RF検出部23に設けられた分波部231、及び、後述する識別情報付加部29aが有する合波部298を介して、可変減衰器24に供給する。
RF検出部23は、分波部231を介して、CM21がバースト状のRF信号を出力しているか否かを検出して、検出結果を光送信制御部29に通知する。
可変減衰器24は、識別情報付加部29aが有する合波部298を介して供給されるRF信号を可変減衰して信号振幅比を調整する信号振幅比調整部として機能し、信号振幅比を調整したRF信号を端末側光送信部25に供給する。後述するように、可変減衰器24は、光送信制御部29によって制御される。なお、光端末装置2は、可変減衰器24の代わりに利得可変型増幅器を端末側光送信部25の前段に接続して、当該利得可変型増幅器を、RF信号の信号振幅比を調整する信号振幅比調整部として用いてもよい。
端末側光送信部25は、可変減衰器24から供給されるRF信号を上り光信号に変換し、変換した上り光信号をWDMフィルタ26に出力するため、次のような構成を有する。すなわち、端末側光送信部25は、増幅器251と、レーザダイオード252と、モニタフォトダイオード253と、抵抗素子254と、ADコンバータ255とを備える。
端末側光送信部25は、増幅器251により増幅したRF信号をレーザダイオード252に流して発光させて、RF信号を上り光信号に変換して、上り光信号をWDMフィルタ26に出力する。
また、端末側光送信部25は、モニタフォトダイオード253により、レーザダイオード252の背面光を受光し、背面光を受光したモニタフォトダイオード253に流れる電流を抵抗素子254により電圧に変換し、この電圧をADコンバータ255により数値化する。端末側光送信部25は、数値化した電圧値を、レーザダイオード252の光出力レベルを示す値として、光送信制御部29に通知する。
また、端末側光送信部25は、後述するように、レーザダイオード252の動作点、すなわち、レーザの出力レベルを設定するバイアス電流が、光送信制御部29により制御される。
WDMフィルタ26は、異なる光波長の光を合波及び分波するフィルタであって、端末側光送信部25から出力された上り光信号を光伝送路3に合波して伝送装置4に出力する。また、WDMフィルタ26は、光伝送路3から伝送されてくる下り光信号を分波して端末側光受信部27に出力する。
端末側光受信部27は、WDMフィルタ26から出力された下り光信号を受光するフォトダイオード271と、フォトダイオード271により受光した電気信号を増幅する2つの増幅器272、273とを備える。端末側光受信部27は、フォトダイオード271で受信した電気信号を、2つの増幅器272、273により増幅して、合分波部22に供給する。
制御信号復調部28は、端末側光受信部27により受信したRF信号を分波する分波部28aを有し、分波部28aから分波されたRF信号から制御信号を復調し、復調した制御信号を光送信制御部29に供給する。分波部28aは、例えば、図3に示すように、増幅器272、273の間に接続される。このような接続により、光端末装置2は、下り光信号から変換されたRF信号を、所望する信号レベルで、合分波部22に供給することができる。
光送信制御部29は、CPU291と、メモリ292と、レーザダイオード252の温度を検出する温度センサ293と、DAコンバータ294と、Ib制御部295と、識別情報付加部29aとを備える。
光送信制御部29は、CPU291が、端末側光送信部25の光出力レベルと、端末側光受信部27の光入力レベルと、温度センサ293で検出した温度と、メモリ292に記憶された情報とに基づいて、端末側光送信部25が備えるレーザダイオード252のバイアス電流を制御する。光送信制御部29は、DAコンバータ294によりバイアス電流制御信号に変換し、Ib制御部295により、バイアス電流制御信号によりレーザダイオード252のバイアス電流を制御する。
また、光送信制御部29は、後述するように、端末側光送信部25の光出力レベルに応じて、可変減衰器24の動作を制御することで、上り光信号の光出力レベルが変化しても光変調度が一定となるように調整することができる。
また、光送信制御部29は、当該光端末装置2を識別するための識別情報を含む上り光信号を送信するように、端末側光送信部25を制御する。このような制御を行うため、メモリ292には、例えば当該光端末装置2の製造番号などの、当該光端末装置2を識別可能な識別情報を記憶している。CPU291は、メモリ292に記憶された識別情報を読み出して、識別情報付加部29aに通知する。
識別情報付加部29aは、CPU291から通知された識別情報をRF信号に変調するため、発振器296と、変調部297と、合波部298とを有する。識別情報付加部29aは、発振器296が所定の周波数で搬送波を発振し、変調部297が識別情報を発振器296により発振した搬送波により周波数変調し、合波部298が識別情報を変調した信号をRF信号に合波する。このようにして識別情報付加部29aがRF信号に識別情報を変調することで、光送信制御部29は、伝送装置4に識別情報を通知することができる。
また、光送信制御部29は、制御信号復調部28により復調された制御信号に基づいて、端末側光送信部25の光出力レベルを制御する。具体的に、伝送装置4から送信される制御信号は、上述したように、各光端末装置2の識別情報に対応付けられた光出力レベルが示されている。光送信制御部29は、当該光端末装置2と一致する識別情報に対応付けられた光出力レベルと一致するように、端末側光送信部25の光出力レベルを制御する。このようにして、光送信制御部29は、他の光端末装置2とともに同一の光伝送路3を介して伝送装置4に入力される光入力レベルを、その下限値近傍で精度良く均一化することができ、結果として、光ビート雑音を低減することができる。
また、一心双方向のPONシステムにおいて、各光端末装置の出力に固定光減衰器を挿入して、伝送装置側の光受信レベルを調整する方法を用いる場合もあるが、この場合は各光端末装置に入力される光受信レベルが減衰し、下りの信号品質を劣化させる虞がある。これに対して、本発明は、上りの光信号レベルを自動調整するため、下りの光受信レベルが変化することも無く、良好な信号品質を維持することができる。
また、光送信制御部29は、温度センサ293により、端末側光送信部25のレーザダイオード252の環境温度を検出して、この環境温度に応じてCPU291がレーザダイオード252の光出力レベルを制御する。このような制御を行うため、メモリ292は、次のような温度特性情報を記憶している。すなわち、メモリ292は、環境温度と、レーザダイオード252のバイアス電流値から算出される光出力レベルとの対応を表す関数又はルックアップテーブルを予め記憶している。
CPU291は、温度センサ293により検出した環境温度に対応する温度特性情報をメモリ292から読み出して、制御信号で示される光出力レベルと一致する光出力レベルを得るようなバイアス電流制御信号をIb制御部295に供給する。このようにして、光送信制御部29は、レーザダイオード252の温度に応じて変化する光出力特性を考慮して、端末側光送信部25から出力される光出力レベルをより高精度に制御することができる。
また、CPU291は、端末側光送信部25から通知されるモニタフォトダイオード253の光出力レベルに基づいて、メモリ292に記憶された温度特性情報を補正してもよい。このようにして、CPU291は、例えば経年変化するレーザダイオード252の温度特性を補正することができる。
また、CPU291は、端末側光送信部25のレーザダイオード252の光出力レベルを制御するとともに、端末側光送信部25により送信される光信号の光変調度が所定の値となるように、可変減衰器24から出力されるRF信号の振幅レベルを変化させる。これは、光信号の変調度は、光出力レベルに応じて変化し、この変化が大きくなると歪み特性が劣化し、この変化が小さくなるとCNRが劣化し、いずれも伝送特性が悪化するためである。すなわち、CPU291は、可変減衰器24により、RF信号の信号振幅レベルを適切に変化させることで、光変調度が変化しないようすることができる。
また、光送信制御部29は、RF検出部23による検出結果に応じて、当該光送信制御部29の動作を制御する。すなわち、光送信制御部29は、CM21がRF信号を出力している期間のみ、動作する。このようにして、光送信制御部29は、伝送装置4の各CMTS41、42に同期した送出タイミングで動作することによって、CM21により供給されたRF信号に対応したバースト状の上り光信号を出力することができる。
(3−2)第2の実施例に係る光端末装置の構成について
また、本発明が適用された光端末装置は、第2の実施例として図4に示すような構成を採用してもよい。第2の実施例に係る光端末装置5は、光端末装置2と同様の構成については、同様の符号を付し、その説明を省略するものとする。
光端末装置5において、端末側光送信部25は、レーザダイオード252の背面光を受光したモニタフォトダイオード253に流れる電流を抵抗素子254で電圧に変換して、後述する光送信制御部29が有する比較器591に出力する。光送信制御部29は、CPU291と、メモリ292と、温度センサ293と、比較器591と、基準電圧可変部592と、Ib制御部295と、識別情報付加部29aとを有する。端末側光送信部25は、基準電圧可変部592が、制御信号で示される光出力レベルの目標値に応じて比較器591の基準電圧を決定する。また、端末側光送信部25は、比較器591が、モニタフォトダイオード253で検出した光出力レベルに対応する電圧値と、基準電圧可変部592により決定した基準電圧値とを比較して、比較結果に応じた電圧値をIb制御部295に印加する。このようにして、端末側光送信部25は、モニタフォトダイオード253で検出した光出力レベルに応じて目標とする光出力レベルとなるようなフィードバック制御を行うことができる。
光伝送システム1では、上り光信号を1610nm波長帯の光信号を用い、下り光信号を1555nm波長帯の光信号を用いている。ここで、上り光信号と下り光信号とが、単一の光伝送路によって双方向に伝送する場合、各々の波長での損失特性の違いが小さい。光伝送システム1では、光端末装置が受信する下り信号の光入力レベルを伝送装置4が知ることができれば、容易に伝送装置4側で上り光信号の損失特性を推定することができる。
(3−3)第3の実施例に係る光端末装置の構成について
よって、光伝送システム1では、例えば図5に示すような、第3の実施例に係る光端末装置6により、光端末装置で受信した下り光信号の光入力レベルを示す情報を識別情報に対応付けて、伝送装置4に送信してもよい。以下で具体的に説明するように、光伝送システム1は、光端末装置6により、識別情報に加えて、下り光信号の光入力レベルを示す情報を伝送装置4に送信することで、伝送装置4側で、光伝送路3の伝送損失に基づいて、より適切な制御信号を生成することができる。
第3の実施例に係る光端末装置6は、光端末装置2と同様の構成については同様の符号を付し、その説明を省略する。光端末装置6は、光端末装置2と同様の構成に加え、さらに端末側光受信部27に入力した下り光信号の光入力レベルを検出する光入力レベル検出部61を備える。
光入力レベル検出部61は、端末側光受信部27に入力した下り光信号の光入力レベルを検出して、検出した光入力レベルを光送信制御部29に通知する。具体的に、光入力レベル検出部61は、フォトダイオード271で受光した電流を抵抗素子611で電圧に変換し、この電圧をADコンバータ612により数値化し、この電圧値を端末側光受信部27の光入力レベルとして光送信制御部29に通知する。
光送信制御部29は、光入力レベル検出部61により検出した端末側光入力レベルと、モニタフォトダイオード253により検出した端末側光送信部25の端末側光出力レベルとを、メモリ292から読み出した識別情報に対応付けて、識別情報付加部29aに通知する。識別情報付加部29aは、変調部297が識別情報と端末側光入力レベルと端末側光出力レベルとを対応付けた情報を発振器296により発振した搬送波により周波数変調し、合波部298がこの信号を変調した信号をRF信号に合波する。光送信制御部29は、伝送装置4側に、当該光端末装置6と伝送装置4の間の伝送損失を算出可能な情報を通知することができる。
(4)伝送損失に基づいた制御信号の生成について
伝送装置4の伝送装置側光受信器43は、復調部434が、RF信号を復調して、識別情報に加えて、この識別情報に対応付けられた端末側光入力レベルと端末側光出力レベルとをCPU436に通知する。CPU436は、復調部434により復調された各情報を管理装置47に通知する。
管理装置47は、CPU436から通知された識別情報で識別される光端末装置6の端末側光入力レベルと端末側光出力レベルとに基づいて、具体的には、次のようにして制御情報を生成する。
管理装置47は、下記のようにして取得される伝送装置側光出力レベルと、CPU436から通知された端末側光入力レベルとに基づいて、下り光信号の伝送損失を算出する。そして、管理装置47は、算出した下り光信号の伝送損失と、CPU436から通知された端末側光出力レベルとに基づいて、伝送装置側光入力レベルを算出する。
ここで、管理装置47は、伝送装置側光送信器45から出力される伝送装置側光出力レベルとして、例えば機器設置時または工場出荷検査時の出力値を用いることができる。この態様では、管理装置47は、機器設置時または工場出荷検査時における伝送装置側光送信器45からの出力値を予め内部メモリなどに記憶するものとする。なお、上記の態様に限定されず、例えば、光端末装置2の端末側光送信部25と同様にして、伝送装置側光送信器45内部にモニタフォトダイオードを設け、このモニタフォトダイオードにより検出した光検出レベルを、管理装置47が、伝送装置側光出力レベルとして用いてもよい。
具体例として、伝送装置側光出力レベルPcf=+14dBm、端末側光入力レベルPhi=−8dBmとすると、管理装置47は、Pcf−Phiにより、光伝送路3の下り光信号の伝送損失である22dBを算出する。下り光信号と上り光信号とが同一の伝送路3を伝送するので、両者の伝送損失が同等であるものとする。端末側光出力レベルPhf=+2dBmの場合、管理装置47は、伝送装置側光受信器43が光入力レベル検出部435によって伝送装置側光入力レベルPciを検出しなくても、下記式により精度よく伝送装置側光入力レベルPciを算出することができる。
Pci=Phf−22=−20dBm
このようにして、管理装置47は、精度よく伝送装置側光入力レベルPciを算出でき、伝送装置側光入力レベルPciが目標値となるように、対応する光端末装置2から送信される上り光信号の光出力レベルを制御する制御情報を生成することができる。
ここで、伝送装置4は、光伝送路3を介して接続された全ての光端末装置5に対して、同一の目標光入力レベルPciを設定してもよいし、光端末装置5毎に異なる値を設定するようにしてもよい。
なお、上り信号と下り信号とでは、光波長帯が異なる。このため、CPU291は、下り光信号の伝送損失を伝送路の波長依存性に基づいて補正した値を、上り光信号の伝送損失として用いることで、より高精度に伝送装置側光入力レベルPciを算出することができる。
このようにして、光送信制御部29は、伝送装置4から送信される制御信号に基づいて、光端末装置の光送信部から出力される端末側光出力レベルを制御することで、伝送装置4側に入力される光入力レベルを、その下限値近傍で精度良く均一化することができ、結果として光ビート雑音を低減することができる。
(5)伝送装置側の光受信部について
上述したように、伝送装置側光受信器43が備える光受信部431は、光端末装置から同一の光伝送路を介して時分割で伝送される上り光信号を受光して、受光したRF信号を分波部432に供給する。ここで、光受信部431は、伝送路特性によって光端末装置間での信号レベル差が大きくても、簡単な構成で効率の良い回路構成により、光端末装置毎に精度良く検出するため、図6に示すような回路構成を備えることが好ましい。
すなわち、光受信部431は、図6に示すように、フォトダイオード101と、コンデンサ102、103と、増幅器104と、コイル105、106と、抵抗素子107、108と、平滑化コンデンサ109と、ADコンバータ110と、CPU111とを備える。さらに、光受信部431は、基準電圧源112と、比較器113と、スイッチ114とを備える。
フォトダイオード101は、そのアノード側が、コンデンサ102を介して増幅器104の非反転入力端と接続されている。また、フォトダイオード101は、そのカソード側が、コンデンサ103を介して増幅器104の反転入力端と接続されている。また、フォトダイオード101のカソードには、コイル105が接続されている。このような接続によって、増幅器104は、その入力端にフォトダイオード101の交流成分が入力され、その出力端からRF信号を出力することができる。
また、フォトダイオード101は、そのアノード側が、抵抗素子107と、抵抗素子108と、比較器113の非反転入力端とに、それぞれ接続されている。抵抗素子107は、フォトダイオード101と接続されていない方の端部が、コイル106と接続されている。コイル106は、抵抗素子107と接続されていない方が接地端となっている。抵抗素子108は、フォトダイオード101と接続されていない方の端部が、平滑化コンデンサ109と、ADコンバータ110とに接続されている。平滑化コンデンサ109は、抵抗素子108と接続されていない方が接地端となっている。このような接続によって、フォトダイオード101が光信号を受光すると、平滑化コンデンサ109は、抵抗108、平滑化コンデンサ109による時定数に応じて電荷を蓄積し、所定の定常状態となる。
ADコンバータ110は、平滑化コンデンサ109に印加される検出電圧を数値化して、CPU111に通知する。CPU111は、後述する比較器113からの出力信号に応じて、光信号が伝送されているとき、ADコンバータ110から通知される検出電圧Vmを読み込む。
基準電圧源112は、基準電圧Vrefを比較器113の反転入力端に印加する。比較器113は、フォトダイオード101が光を受光しているか否かを検出する。具体的に、比較器113は、フォトダイオード101のアノード側の電圧と、基準電圧源112から印加される基準電圧Vrefとを比較して、フォトダイオード101が光を受光しているか否かを検出する。比較器113は、この検出結果を示す検出信号をそれぞれCPU111とスイッチ114とに出力する。
なお、光受信部431は、上述した比較器113に限定されず、例えばフォトダイオード101により受光した電気信号を復調してRF信号のキャリアの有無を判断して、フォトダイオード101が光を受光しているか否かを検出してもよい。特に、光受信部431に比較器113を用いると、受動素子のみから構成されるので、回路規模の増大を抑える観点から好ましい。
スイッチ114は、平滑化コンデンサ109の電荷を放電する放電経路Dに接続されている。具体的に、スイッチ114は、一方の端部が平滑化コンデンサ109に接続され、他方が接地端となっている。スイッチ114は、比較器113からの検出信号によって、フォトダイオード101が光を受光していないと検出したとき、平滑化コンデンサ109を接地して放電する放電経路Dを形成する放電経路接続部として機能する。
なお、放電経路接続部は、上述したスイッチ114に限定されず、例えばトランジスタやFETなどの半導体素子を用いてもよい。
以上のような構成からなる光受信部431は、例えば図7に示すような、比較例に係る光受信部200と比べて、同一の光伝送路を介して接続された各光端末装置から時分割で伝送されてくる光信号の光入力レベルを、簡単な構成で効率の良い回路構成により、光端末装置毎に精度良く検出することができる。
比較例に係る光受信装置200は、図7に示すように、フォトダイオード201と、コンデンサ202、203と、比較器204と、コイル205、206と、抵抗素子207、208と、平滑化コンデンサ209と、ADコンバータ210と、CPU211とを備える。
比較例に係る光受信装置200において、比較器204は、その入力端にフォトダイオード201の交流成分が入力され、その出力端からRF信号を出力する。また、フォトダイオード201が光信号を受光すると、平滑化コンデンサ209は、コイル206と抵抗素子207、208とともに決定される時定数に応じて電荷を蓄積し、所定の定常状態となる。また、フォトダイオード201が光信号を受光しなくなると、平滑化コンデンサ209は、コイル206と抵抗素子207、208とともに決定される時定数に応じて、抵抗素子207、208、コイル206を介して放電する。ADコンバータ210は、平滑化コンデンサ209に印加される検出電圧を数値化して、CPU211に通知する。
次に、図8(A)に示すような光端末装置♯1、♯2、♯3、・・・の順番で時分割されたバースト状の光信号を、光受信部431、200が受信したときの平滑化コンデンサ109、209の検出電圧Vm’、Vmの時間応答について評価する。
図8(A)では、伝送損失の影響などによって、光入力レベルが光端末装置♯1、♯3に比べて光端末装置♯2が低い光信号が伝送装置側に送信される場合を示している。
まず、図8(A)に示すような光信号を比較例に係る光受信装置200が受信すると、平滑化コンデンサ209に印加される検出電圧Vmは、図8(B)に示すような時間応答となる。図8(B)から明らかなように、検出電圧Vmが、光端末♯2の送信時間のA点で下がりきらないため、CPU211は、光端末装置♯2からの光入力レベルに対応した正確な検出電圧Vmを検出することができない。このように正確な検出電圧Vmを検出できないのは、光端末間での光入力レベルの差が大きく、平滑化コンデンサ209の放電の時定数に起因して、検出電圧Vmが定常状態の値とならないからである。ここで、単に平滑化コンデンサ209の放電時間を短くするため、平滑化コンデンサ209の容量を小さくすると、検出電圧Vmは、その定常状態の値が安定しない。
次に、図8(A)に示すような光信号を光受信部431が受信すると、平滑化コンデンサ109に印加される検出電圧Vm’は、図8(C)に示すような時間応答となる。
図8(C)から明らかなように、光受信部431では、光信号を受信しないガードタイムにスイッチ114が放電経路Dを接続するので、平滑化コンデンサ109が放電経路Dを介して放電される。この結果、平滑化コンデンサ109に印加される検出電圧Vmは、比較例の検出電圧Vmの時間応答と異なり、光端末装置♯2の送信時間のA点で正確な電圧値を検出することができる。
上記の評価から明らかなように、光受信部431は、フォトダイオード101が光を受光していないとき、平滑化コンデンサ109を放電する放電経路Dを電気的に接続する。
このため、光受信部431は、各光端末装置から同一の光伝送路を介して時分割で伝送される光信号の信号レベル差が大きくても、簡単な構成で効率の良い回路構成により、光端末装置毎に精度良く検出することができる。
(6)その他
なお、本発明が適用された光端末装置、伝送装置、及び、光伝送システムは、上述した実施例に限定されることなく、種々の変更が可能であることはもちろんである。
2 光端末装置
25 端末側光送信部
27 端末側光受信部
28 制御信号復調部
29 光送信制御部
292 メモリ
3 光伝送路
4 伝送装置
41、42 CMTS

Claims (13)

  1. 光ファイバと光分岐器とで構成された光伝送路を介して、一の伝送装置と複数の光端末装置との間で光通信を行うPON(Passive Optical Network)型のネットワーク構成の光端末装置であって、
    前記複数の光端末装置は、互いに同一波長帯のバースト状の光信号を前記伝送装置に送信し、
    前記伝送装置には、互いに非同期である複数の終端装置が接続され、
    前記光端末装置には、前記各終端装置によって制御される送信タイミングに基づいて、デジタル変調信号による通信を行うケーブルモデムが接続されたネットワーク構成の光端末装置において、
    前記伝送装置から出力された光信号を受信し、受信した光信号を電気信号に変換して当該光端末装置に接続されたケーブルモデムに供給する端末側光受信部と、
    前記端末側光受信部が受信した光信号の端末側光入力レベルを検出する端末側光入力レベル検出部と、
    当該光端末装置に接続されたケーブルモデムから供給されるデジタル変調信号を光信号に変換し、変換した光信号を、前記伝送装置に送信する端末側光送信部と、
    前記端末側光送信部を制御する端末側光送信制御部と、
    当該光端末装置を識別する識別情報が記憶された識別情報記憶部と、を備え、
    前記伝送装置から前記端末側光受信部に送信される信号に制御信号が含まれ、
    前記制御信号は、前記伝送装置に出力する光信号の端末側光出力レベルを制御する信号であり、
    前記端末側光送信制御部は前記識別情報記憶部に記憶された識別情報と、前記端末側光入力レベル検出部により検出した端末側光入力レベルとを含む光信号を出力するように、前記端末側光送信部を制御することを特徴とする光端末装置。
  2. 前記端末側光送信部の環境温度と、該端末側光送信部が出力する光信号の端末側光出力レベルとを対応付けた温度特性情報を記憶した温度特性情報記憶部と、
    前記環境温度を検出する温度検出部とを更に備え、
    前記端末側光送信制御部は、前記温度検出部により検出した環境温度に対応する温度特性情報に基づいて光信号を出力するように、前記端末側光送信部を制御することを特徴とする請求項1記載の光端末装置。
  3. 前記端末側光送信部は、バイアス電流に応じた光出力レベルの光信号を出力するレーザダイオードと、該レーザダイオードにより出力した光を受光するモニタフォトダイオードとを有し、
    前記端末側光送信制御部は、前記モニタフォトダイオードが受光した受光レベルに応じて、前記温度特性情報記憶部に記憶された温度特性情報で示される端末側光出力レベルを補正することを特徴とする請求項2記載の光端末装置。
  4. 当該光端末装置に接続されたケーブルモデムから供給されるデジタル変調信号の信号振幅比を調整する信号振幅比調整部を更に備え、
    前記端末側光送信部は、前記信号振幅比調整部により調整されたデジタル変調信号を光信号に変換して送信し、
    前記端末側光送信制御部は、前記信号振幅比調整部の振幅レベルを変化させることにより、前記端末側光送信部により送信される光信号の光変調度が所定の値となるように、該信号振幅比調整部を制御することを特徴とする請求項1又は2記載の光端末装置。
  5. 前記端末側光送信部は、バイアス電流に応じた光出力レベルの光信号を出力するレーザダイオードと、該レーザダイオードにより出力した光を受光するモニタフォトダイオードとを有し、
    前記端末側光送信制御部は、前記モニタフォトダイオードにより受光した受光レベルに対応する前記レーザダイオードの光出力レベルが、前記制御信号で示される光出力レベルと一致するように、前記端末側光送信部を制御することを特徴とする請求項1記載の光端末装置。
  6. 光ファイバと光分岐器とで構成された光伝送路を介して、一の伝送装置と複数の光端末装置との間で光通信を行うPON(Passive Optical Network)型のネットワーク構成の伝送装置であって、
    前記複数の光端末装置は、互いに同一波長帯のバースト状の光信号を前記伝送装置に送信し、
    前記伝送装置には、互いに非同期である複数の終端装置が接続され、
    前記光端末装置には、前記各終端装置によって制御される送信タイミングに基づいて、デジタル変調信号による通信を行うケーブルモデムが接続されたネットワーク構成の伝送装置において、
    前記光伝送路を介して接続された複数の光端末装置から送信されてきた光信号を受信して、受信した光信号を電気信号に変換して当該伝送装置に接続された終端装置に供給する伝送装置側光受信部と、
    前記光伝送路を介して前記複数の光端末装置に光信号を送信する伝送装置側光送信部と、を備え、
    前記光端末装置から前記伝送装置側光受信部に送信される信号に、該光端末装置を識別する識別情報と、該識別情報で識別される光端末装置が受光した光信号の端末側光入力レベルが含まれ、
    前記伝送装置側光送信部は、前記端末側光入力レベルに基づいて生成された制御信号であって、前記識別情報で識別される各光端末装置が出力する光信号の端末側光出力レベルを制御する制御信号を含む光信号を、前記複数の光端末装置に送信することを特徴とする伝送装置。
  7. 前記制御信号を生成する制御信号生成部を更に備え、
    前記光端末装置から前記伝送装置側光受信部に送信される信号に、前記光端末装置を識別する識別情報と、該識別情報で識別される光端末装置が受光した光信号の端末側光入力レベルと、が含まれ、
    前記制御信号生成部は、前記伝送装置側光送信部から出力される伝送装置側光出力レベルと、前記端末側光入力レベルとに基づいて、前記光伝送路を介して各光端末装置から伝送されてくる光信号の伝送装置側光入力レベルを算出し、算出した伝送装置側光入力レベルに基づいて前記制御信号を生成することを特徴とする請求項6記載の伝送装置。
  8. 光ファイバと光分岐器とで構成された光伝送路を介して、一の伝送装置と複数の光端末装置との間で光通信を行うPON(Passive Optical Network)型のネットワーク構成の光伝送システムであって、
    互いに同一波長帯のバースト状の光信号を前記伝送装置に送信する前記複数の光端末装置と、
    互いに非同期である複数の終端装置が接続された前記伝送装置と、を備え、
    前記光端末装置には、前記各終端装置によって制御される送信タイミングに基づいて、デジタル変調信号による通信を行うケーブルモデムが接続されたネットワーク構成の光伝送システムにおいて、
    前記光端末装置は、
    前記伝送装置から出力された光信号を受信し、受信した光信号を電気信号に変換して当該光端末装置に接続されたケーブルモデムに供給する端末側光受信部と、
    前記端末側光受信部が受信した光信号の端末側光入力レベルを検出する端末側光入力レベル検出部と、
    当該光端末装置に接続されたケーブルモデムから供給されるデジタル変調信号を光信号に変換し、変換した光信号を前記伝送装置に送信する端末側光送信部と、
    前記端末側光送信部を制御する端末側光送信制御部と、
    当該光端末装置を識別する識別情報が記憶された識別情報記憶部と、を有し、
    前記伝送装置から前記端末側光受信部に送信される信号に制御信号が含まれ、
    前記制御信号は、前記伝送装置に出力する光信号の端末側光出力レベルを制御する信号であり、
    前記端末側光送信制御部は前記識別情報記憶部に記憶された識別情報と、前記端末側光入力レベル検出部により検出した端末側光入力レベルとを含む光信号を出力するように、前記端末側光送信部を制御し、
    前記伝送装置は、
    前記光伝送路を介して接続された複数の光端末装置から送信されてきた光信号を受信して、受信した光信号を電気信号に変換して当該伝送装置に接続された終端装置に供給する伝送装置側光受信部と、
    前記光伝送路を介して前記複数の光端末装置に光信号を送信する伝送装置側光送信部と、を有し、
    前記光端末装置から前記伝送装置側光受信部に送信される信号に、該光端末装置を識別する識別情報が含まれ、
    前記伝送装置側光送信部は、前記端末側光入力レベルに基づいて生成された制御信号であって、前記識別情報で識別される各光端末装置が出力する光信号の端末側光出力レベルを制御する制御信号を含む光信号を、前記複数の光端末装置に送信することを特徴とする光伝送システム。
  9. 前記端末側光送信制御部は、前記識別情報記憶部に記憶された識別情報と、前記端末側光入力レベル検出部により検出した端末側光入力レベルとを含む光信号を出力するように、前記端末側光送信部を制御し、
    前記伝送装置は、
    前記伝送装置側光送信部から出力される伝送装置側光出力レベルと、前記端末側光入力レベルとに基づいて、前記光伝送路を介して各光端末装置から伝送されてくる光信号の伝送装置側光入力レベルを算出し、算出した伝送装置側光入力レベルに基づいて前記制御信号を生成する制御信号生成部を更に備えることを特徴とする請求項11記載の光伝送システム。
  10. 光ファイバと光分岐器とで構成された光伝送路を介して、一の伝送装置と複数の光端末装置との間で光通信を行うPON(Passive Optical Network)型のネットワーク構成の伝送装置であって、
    前記複数の光端末装置は、互いに同一波長帯のバースト状の光信号を前記伝送装置に送信し、
    前記伝送装置には、互いに非同期である複数の終端装置が接続され、
    前記光端末装置には、前記各終端装置によって制御される送信タイミングに基づいて、デジタル変調信号による通信を行うケーブルモデムが接続されたネットワーク構成の伝送装置において、
    前記光伝送路を介して接続された複数の光端末装置から送信されてきた光信号を受信して、受信した光信号を電気信号に変換して当該伝送装置に接続された終端装置に供給する伝送装置側光受信部と、
    前記伝送装置側光受信部により受信した光信号の伝送装置側光入力レベルを検出する伝送装置側光入力レベル検出部と、
    前記光伝送路を介して前記複数の光端末装置に光信号を送信する伝送装置側光送信部と、を備え、
    前記光端末装置から前記伝送装置側光受信部に送信される信号に、該光端末装置を識別する識別情報が含まれ、
    前記伝送装置側光送信部は、前記伝送装置側光入力レベル検出部により検出した伝送装置側光入力レベルに基づいて生成された制御信号であって、前記識別情報で識別される各光端末装置が出力する光信号の端末側光出力レベルを制御する制御信号を含む光信号を、前記複数の光端末装置に送信することを特徴とする伝送装置。
  11. 前記伝送装置側光受信部は、
    前記複数の光端末装置から前記光伝送路を介して送信されてくる光信号を電気信号に変換するフォトダイオードと、
    前記フォトダイオードの一方の端子に接続され、前記各光端末装置から伝送されてくる光信号の光入力レベルを電圧に変換する抵抗と平滑化コンデンサと、
    前記フォトダイオードが光を受光しているか否かを検出する受光検出部と、
    前記受光検出部により、前記フォトダイオードが光を受光していないと検出したとき、前記平滑化コンデンサを放電する放電経路を電気的に接続する放電経路接続部と、を有することを特徴とする請求項10記載の伝送装置。
  12. 前記受光検出部は、所定の基準電圧と前記フォトダイオードの一方の端子の電圧とを比較する比較器を有し、該比較器の比較結果より該フォトダイオードが光を受光しているか否かを検出することを特徴とする請求項11記載の伝送装置。
  13. 光ファイバと光分岐器とで構成された光伝送路を介して、一の伝送装置と複数の光端末装置との間で光通信を行うPON(Passive Optical Network)型のネットワーク構成の光伝送システムであって、
    互いに同一波長帯のバースト状の光信号を前記伝送装置に送信する前記複数の光端末装置と、
    互いに非同期である複数の終端装置が接続された前記伝送装置と、を備え、
    前記光端末装置には、前記各終端装置によって制御される送信タイミングに基づいて、デジタル変調信号による通信を行うケーブルモデムが接続されたネットワーク構成の光伝送システムにおいて、
    前記光端末装置は、
    前記伝送装置から出力された光信号を受信し、受信した光信号を電気信号に変換して当該光端末装置に接続されたケーブルモデムに供給する端末側光受信部と、
    当該光端末装置に接続されたケーブルモデムから供給されるデジタル変調信号を光信号に変換し、変換した光信号を前記伝送装置に送信する端末側光送信部と、
    前記端末側光送信部を制御する端末側光送信制御部と、
    当該光端末装置を識別する識別情報が記憶された識別情報記憶部と、を有し、
    前記伝送装置から前記端末側光受信部に送信される信号に制御信号が含まれ、
    前記制御信号は、前記伝送装置に出力する光信号の端末側光出力レベルを制御する信号であり、
    前記端末側光送信制御部は前記識別情報記憶部に記憶された識別情報を含む光信号を出力するように、前記端末側光送信部を制御し、
    前記伝送装置は、
    前記光伝送路を介して接続された複数の光端末装置から送信されてきた光信号を受信して、受信した光信号を電気信号に変換して当該伝送装置に接続された終端装置に供給する伝送装置側光受信部と、
    前記伝送装置側光受信部により受信した光信号の伝送装置側光入力レベルを検出する伝送装置側光入力レベル検出部と、
    前記光伝送路を介して前記複数の光端末装置に光信号を送信する伝送装置側光送信部と、を有し、
    前記光端末装置から前記伝送装置側光受信部に送信される信号に、該光端末装置を識別する識別情報が含まれ、
    前記伝送装置側光送信部は、前記伝送装置側光入力レベル検出部により検出した伝送装置側光入力レベルに基づいて生成された制御信号であって、前記識別情報で識別される各光端末装置が出力する光信号の端末側光出力レベルを制御する制御信号を含む光信号を前記複数の光端末装置に送信することを特徴とする光伝送システム。
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