JP5534552B2 - パターン形成装置、パターン形成方法、デバイス製造装置、及びデバイス製造方法 - Google Patents

パターン形成装置、パターン形成方法、デバイス製造装置、及びデバイス製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、硬化性材料を用いて基板に凹凸状のパターンを形成するパターン形成装置、パターン形成方法、デバイス製造装置、及びデバイス製造方法に関する。
基板に凹凸状のパターンを形成する技術としてナノインプリント技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示されるように、ナノインプリント技術は、凹凸状のパターンを有する原版としてのテンプレートを、基板に塗布された紫外線硬化材料等の硬化性材料に押圧する。これにより、テンプレートのパターンに対して凹部と凸部とが反転した凹凸状のパターンが基板上に転写される。
特開2006−026873号公報
上述のナノインプリント技術では、基板にパターンを形成するために、パターンに対応したテンプレートをあらかじめ製作する必要がある。また、相互に異なる複数のパターンを基板に形成する場合には、その複数のパターンごとに異なるテンプレートを用意する必要がある。
そこで、本発明の態様は、テンプレートを用いることなく基板に凹凸状のパターンを形成することができるパターン形成装置及びその方法と、デバイス製造装置及びその方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様に従えば、可撓性の基板の表面に凹凸状のパターンを形成するパターン形成装置であり、所定の光エネルギー又は熱エネルギーに応じて硬化する硬化性材料を液体の状態で収納する材料容器と、基板の表面の所定領域が材料容器に収納された硬化性材料の液体と接触するように基板の所定領域を撓ませて保持する部材とを有する接触装置と、パターンに対応するパターン情報に基づいて基板の表面と接触した硬化性材料の液体に光エネルギー又は熱エネルギーを付与し硬化性材料の液体を硬化させる硬化装置と、を備える。
本発明の第2の態様に従えば、光透過性の可撓性の基板の一方の面に凹凸状のパターンを形成するパターン形成装置であり、光エネルギーを受けて硬化する硬化性材料を液体の状態でほぼ一様な表面を保つように収納する材料容器と、基板の一方の表面と材料容器に収納された硬化性材料の液体の表面とが所定の間隔で離間した状態と接触した状態とに切りかわるように材料容器と基板とを相対的に移動させる駆動部と、基板の一方の表面が硬化性材料の液体の表面と接触した状態において基板の他方の面側から一方の面側に向けて、所定のパターン情報に対応させて光エネルギーを付与し、基板の一方の面側に硬化性材料の硬化したパターンを形成する硬化装置と、を備える。
本発明の第3の態様に従えば、可撓性の基板の表面に凹凸状のパターンを形成するパターン形成装置において、基板を前記表面に沿って連続的に搬送する搬送部と、紫外線を含む光エネルギーを受けて硬化する硬化性材料の液体を基板の搬送方向の上流側に配置されるノズルを通して基板の表面に均一に供給する供給部と、供給部のノズルに対して基板の搬送方向の下流側に配置されて、所定のパターン情報と基板の搬送の位置とに基づいてパターンに対応した光エネルギーを基板の表面上の硬化性材料の液体に付与する点滅可能な複数の発光部を有し、基板の表面に硬化性材料の硬化したパターンを基板の搬送の間に形成する硬化装置と、硬化装置に対して基板の搬送方向の下流側に配置されるノズルを通して基板の表面上の硬化されなかった硬化性材料の液体を回収する回収部と、を備える。
本発明の第4の態様に従えば、可撓性の基板の表面に凹凸状のパターンを形成するパターン形成方法であり、所定の光エネルギー又は熱エネルギーに応じて硬化する硬化性材料の液体が収納された材料容器内で、基板の表面の所定領域が硬化性材料の液体と接触するように基板の一部を撓ませて保持する接触工程と、パターンに対応するパターン情報に基づいて、基板の表面と接触した硬化性材料の液体に光エネルギー又は熱エネルギーを付与し、硬化性材料の液体をパターンに応じて硬化させる硬化工程と、を備える。
本発明の第5の態様に従えば、可撓性の帯状の基板の表面に凹凸状のパターンを形成するパターン形成方法であり、基板を帯状の方向に連続的に搬送する搬送工程と、紫外線を受けて硬化する硬化性材料の液体を基板の搬送方向の上流側に設けた供給部から基板の表面に均一に供給する供給工程と、供給部に対して前記基板の搬送方向の下流側に設けられた紫外線照射装置によって基板を搬送させた状態でパターンに対応するパターン情報と基板の搬送の位置とに基づいてパターンに対応した紫外線を基板上の硬化性材料の液体に付与し、基板の表面に硬化性材料の硬化したパターンを形成する硬化工程と、硬化工程で硬化されなかった硬化性材料の液体を、紫外線照射装置に対して基板の搬送方向の下流側に設けた回収部によって回収する回収工程と、を備える。
本発明の態様によれば、テンプレートを用いることなく凹凸状のパターンを基板に形成することができる。
第1の実施例のパターン形成装置10Aを用いたデバイス製造装置100の説明図である。 第1の実施例のパターン形成装置10Aの斜視図である。 (a)は、パターン形成装置10Aの断面図である。 (b)は、パターン形成装置10Aにより凹凸状のパターンが形成された帯状の基板FBの側面図である。 第1の実施例のデバイス製造装置100によるデバイス製造方法を示したフローチャートである。 (a)は、第2の実施例のパターン形成装置10Bの断面図である。 (b)は、パターン形成装置10Bにより凹凸状のパターンが形成された帯状の基板FBの側面図である。 (a)は、パターン形成装置10Cの断面図である。 (b)は、パターン形成装置10Cにより凹凸状のパターンが形成された帯状の基板FBの側面図である。 (a)は、第4の実施例のパターン形成装置10Dの斜視図である。 (b)は、パターン形成装置10Dの断面図である。 (c)は、凹凸状のパターンを形成される際の硬化された紫外線硬化樹脂SRの厚さを示したグラフである。 (a)は、第5の実施例のパターン形成装置10Eの断面図である。 (b)は、帯状の基板FBにおいて第5の実施例のパターン形成装置10Eにより凹凸状のパターンが形成される際の硬化した紫外線硬化樹脂SRの厚さを示したグラフである。 第6の実施例のパターン形成装置10Fを用いたデバイス製造装置110の説明図である。 第6の実施例のパターン形成装置10Fの一例の斜視図である。 (a)は、第6の実施例のパターン形成装置10Fの断面図である。 (b)は、帯状の基板FBにおいて第6の実施例のパターン形成装置10Fにより凹凸状のパターンが形成される際の硬化した紫外線硬化樹脂SRの厚さを示したグラフである。 パターン形成装置10Fの配管の配置を変えた一例の平面図である。 第7の実施例のパターン形成装置10Gの斜視図である。
(第1の実施例)
<デバイス製造装置100>
第1の実施例のパターン形成装置10Aを用いたデバイス製造装置100について、図1を参照しながら説明する。図1は、第1の実施例のパターン形成装置10Aを用いたデバイス製造装置100の説明図である。デバイス製造装置100は、パターン形成装置10Aとは反対側の帯状の基板FBの片面に凹凸パターンを形成する。
第1の実施例のデバイス製造装置100は、図1に示されたようにロール状に巻かれた可撓性の帯状の基板FBを送り出すための供給ロールRLと複数の搬送ローラFRとを備えている。また、供給ロールRLと複数の搬送ローラFRとが所定速度で回転することで、帯状の基板FBは矢印方向に沿って搬送される。第1の実施例において、デバイス製造の全ての工程が帯状の基板FBの片面に実施されるように、パターン形成装置10Aが−Z側に設けられ、液滴塗布装置60及び印刷ローラPRが+Z側に設けられている。
本実施形態で用いる帯状の基板FBは、耐熱性の樹脂フィルムであり、具体的には、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、エチレンビニル共重合体樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、セルロース樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、酢酸ビニル樹脂で光透過機能があるものを使うことができる。さらに帯状の基板FBは、熱を受けても寸法が変わらないように無機フィラーを樹脂フィルムに混合して、熱膨張係数を小さくすることができる。無機フィラーの例としては、酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナ、酸化ケイ素などが挙げられる。帯状の基板FBは例えば長さ200m、幅2m、厚さ100μmである。帯状の基板FBの少なくとも片面は、後述する液状の硬化性樹脂が接するため、撥水処理されていることが好ましい。
なお、本実施形態において、帯状の基板FBは、ロール状に巻かれた可撓性の帯状の基板に限定されず、ガラスプレート又はシリコンなどの半導体ウエハのような基板であってもよい。また、本実施形態における帯状の基板FBは、ロール状に巻かれている必要もない。さらに、本実施形態におけるデバイス製造装置100は、帯状の基板FBを供給ロールRL1及びRL2から搬送する構成に限らず、所定の大きさの帯状の基板FBを交換、又は複数の所定の大きさの帯状の基板FBを個別に搬送するような構成であってもよい。
まず、帯状の基板FBが供給ロールRLを介して第1の実施例のパターン形成装置10Aに搬送される。パターン形成装置10Aにより凹凸状のパターンが形成される。パターン形成装置10Aは、一定間隔で上下動しながらパターンが形成する。そのため、帯状の基板FBの搬送途中には、必要な箇所に帯状の基板FBのたまり部D1が設けられる。パターン形成装置10Aについては、図2などで後述する。
パターン形成装置10Aを通過した帯状の基板FBは、供給ロールRLを介して液滴塗布装置60に搬送される。なお、液滴塗布装置60はメタルインクMTをゲート電極用の凹凸状のパターンに塗布する。液滴塗布装置60は、インクジェット方式又はディスペンサー方式を採用することができる。インクジェット方式としては、帯電制御方式、加圧振動方式、電気機械変換式、電気熱変換方式、静電吸引方式などが挙げられる。搬送ローラFRが回転することで帯状の基板FBが矢印方向に送り出され、温風ヒータHTに搬送される。温風ヒータHTは、200度前後の温風を噴出し、メタルインクMTを焼成する。これによりゲート電極が乾燥される。
また、液滴塗布装置60の上流及び下流にはアライメントカメラCA1及びCA2がそれぞれ配置されている。アライメントカメラCA1及びCA2は、帯状の基板FBに設けられたアライメントマークAM(図示しない)を観察するための観察光を照射する照明光源と画像を撮像するCCDとを備えている。さらに、液滴塗布装置60はアライメントカメラCA1及びCA2の検出結果に基づいてX軸方向及びY軸方向の位置調整を行う。液滴塗布装置60を通過した帯状の基板FBは、印刷ローラPRに搬送される。
印刷ローラPRによるオフセット印刷法などにより、帯状の基板FBに絶縁体ISの層が形成される。この絶縁体ISは温風ヒータHTなどを使用して乾燥される。また、印刷ローラPRの上流及び下流にもアライメントカメラCA3及びCA4がそれぞれ配置されている。また、印刷ローラPRはアライメントカメラCA3及びCA4の検出結果に基づいてX軸方向及びY軸方向の位置調整を行う。
さらに、デバイス製造装置100は搬送制御部70を有する。なお、搬送制御部70は供給ロールRLと、パターン形成装置10Aと、液滴塗布装置60と、印刷ローラPRとにそれぞれ接続されている。これにより、搬送制御部70が供給ロールRL及び印刷ローラPRの速度を制御することができる。また、搬送制御部70は、複数のアライメントカメラCA(CA1〜CA4)からアライメントマーク(図示しない)の検出結果を受け取り、液滴塗布装置60などの位置を制御する。このような工程を経ることにより、デバイス製造装置100は有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子、液晶表示素子又は電界放出ディスプレイ(FED:フィールドエミッション・ディスプレイ)などフラットパネル表示素子を製造することができる。
以下、図1の破線で囲まれた第1の実施例のパターン形成装置10Aについて、図2を参照しながら詳述する。
<パターン形成装置10A>
図2は、第1の実施例のパターン形成装置10Aの説明図である。図2は、第1の実施例のパターン形成装置10Aの斜視図である。図2では、帯状の基板FBは、矢印で示されるように−X軸方向に搬送されている。
図2は、図1で破線に囲まれた部分の斜視図である。図2に示されたように、パターン形成装置10Aは硬化装置である紫外線照射装置11と接触装置の一部である紫外線硬化性材料容器12とが設けられている。紫外線照射装置11が帯状の基板FBの+Z側に、紫外線硬化性材料容器(以下材料容器という)12が帯状の基板FBの−Z側に配置されている。
紫外線照射装置11は、その底面が紫外線を透過する平面の透明板が配置され、その透明板に向けて複数の紫外線LED光源13が配置されている。紫外線LED光源13はエネルギーとして紫外線を含む光を発光するLEDであり、図示しない制御装置により点滅する。図2では、X軸方向に8つY軸方向に6つの48個の紫外線LED光源13が描かれているが、実際には紫外線照射装置11は、数千から数万個の紫外線LED光源13を格子状に配置している。また、第1の実施例では硬化性材料として液状の紫外線硬化樹脂LRが用いられる。
なお、紫外線照射装置11は紫外線LED光源13の代わりに光ファイバ束を配置してもよい。光ファイバ束の入射端がレーザ又は高圧水銀ランプなどの紫外線光源に配置され、光ファイバ束の射出端が格子状に配置されていれば、紫外線照射装置11は紫外線LED光源13と同様に紫外線を照射することができる。
図2に示されるように、紫外線照射装置11は+Z側の四隅に紫外線照射装置11の高さの調整が可能である高さ調整部18がそれぞれ設けられている。紫外線照射装置11はこの高さ調整部18によりZ軸方向に移動可能である。また、材料容器12の四隅には4つの回転ローラ19が設けられている。4つの回転ローラ19は、帯状の基板FBの短手方向(Y軸方向)の端部のみに接する。
図3(a)は、図2に示されたパターン形成装置10Aの断面図である。図3(b)は、パターン形成装置10Aにより凹凸状のパターンが形成された帯状の基板FBの側面図である。
帯状の基板FBが所定距離だけ搬送された後、高さ調整部18によって紫外線照射装置11が−Z軸方向に移動する。すると、紫外線照射装置11の底面が帯状の基板FBに接して、紫外線照射装置11が帯状の基板FBを平面状に保持する状態となる。さらに、紫外線照射装置11が−Z軸方向に移動し且つ帯状の基板FBが伸張しないように所定量だけX軸方向に送り出される。すると、帯状の基板FBが撓んで液状の紫外線硬化樹脂LRに対向して接した状態になる。図3(a)は、帯状の基板FBが撓んで液状の紫外線硬化樹脂LRに接した状態を示している。帯状の基板FBの撥水処理された片面(−Z側の表面)は材料容器12に収納している液状の紫外線硬化樹脂LRに接している。帯状の基板FBと液状の紫外線硬化樹脂LRとが接した状態において、紫外線LED光源13(光源131〜138)のうち所定の紫外線LED光源13が一定時間点灯する。すると帯状の基板FBに紫外線が照射された液状の紫外線硬化樹脂LRが硬化し、帯状の基板FBに固着する。
詳しく説明すると、図3(a)に示される状態において、紫外線LED光源132及び135が消灯しているため、紫外線LED光源132及び135の直下部分の液状の紫外線硬化樹脂LRが硬化されない。一方他の紫外線LED光源131、133、134、136〜138は所定時間点灯されているため、それらの紫外線LED光源下の液状の紫外線硬化樹脂LRは硬化される。
その後、高さ調整部18によって紫外線照射装置11が+Z軸方向に移動する。帯状の基板FBが撓んで液状の紫外線硬化樹脂LRに接した状態から液状の紫外線硬化樹脂LRに接しない状態になる。紫外線によって硬化された紫外線硬化樹脂SRは、帯状の基板FBに固着されている。一方、液状の紫外線硬化樹脂LRは撥水性の帯状の基板FBに付着していない。したがって、図3(b)に示されたように帯状の基板FBの下側(−Z軸側)の片面に厚さHの硬化された紫外線硬化樹脂SRが形成されている。硬化された紫外線硬化樹脂SRは、紫外線LED光源13からの光がコリメートされていないため、その断面は台形状に形成される。このようにして、帯状の基板FBに凹凸状のパターンが形成される。
次に、第1の実施例のデバイス製造装置100によりデバイスを製造する方法について、図4を参照しながら説明する。
<<デバイス製造方法>>
図4は、第1の実施例のデバイス製造装置100によるデバイス製造方法を示したフローチャートである。なお、第1の実施例のデバイス製造装置100によるデバイス製造方法は、第1の実施例のパターン形成装置10Aにより帯状の基板FBに凹凸状のパターンを形成する工程と、液滴塗布装置60によりメタルインクMTをゲート電極用の凹凸状のパターンに塗布する工程と、印刷ローラPRにより帯状の基板FBに絶縁体ISの層を形成する工程とを含む。
まず、第1の実施例のパターン形成装置10Aにより帯状の基板FBに凹凸状のパターンを形成する工程について、ステップS111〜S115を参照しながら説明する。
ステップS111において、搬送制御部70が供給ロールRLを介して帯状の基板FBを所定量だけパターン形成装置10Aに搬送する(図1を参照)。
ステップS112において、高さ調整部18は紫外線照射装置11を−Z軸方向に移動される。このときに帯状の基板FBが撓むように供給ロールRLが多少回転する。これにより、帯状の基板FBと材料容器12内の液状の紫外線硬化樹脂LRとが接する(図3(a)を参照)。
ステップS113において、パターン情報に基づいて複数の紫外線LED光源13が所定時間のみ点灯される。第1の実施例では、紫外線LED光源131、133、134、136〜138が点灯される(図3(a)を参照)。したがって、これらの点灯された紫外線LED光源13の直下に位置している液状の紫外線硬化樹脂LRが硬化され、硬化した紫外線硬化樹脂SRが帯状の基板FBに形成される。したがって、この硬化した紫外線硬化樹脂SRは帯状の基板FBの片面に接着して形成される。また、所定時間紫外線LED光源13が点灯されるため、以下の工程に必要な厚さHとなる(図3(b)を参照)。
ステップS114において、ステップS113で点灯された紫外線LED光源13(131、133、134、136〜138)が消灯する。
ステップS115において、高さ調整部18により紫外線照射装置11が+Z軸方向に移動し最初の位置に戻る。このときに帯状の基板FBが液状の紫外線硬化樹脂LRから離れるように供給ロールRLが多少回転する。これにより、帯状の基板FBと液状の紫外線硬化樹脂LRとが離れる。このとき、予めに帯状の基板FBに対して撥水処理が実施されるため、液状の紫外線硬化樹脂LRが帯状の基板FBに付着していない。すなわち、液状の紫外線硬化樹脂LRが重力により、帯状の基板FBから離間する。
この工程までが、パターン形成装置10Aにより帯状の基板FBに凹凸状のパターンを形成する工程である。次に、液滴塗布装置60によりメタルインクMTをゲート電極用の凹凸状のパターンに塗布する工程について、図1を参照しながらステップS116〜S118で説明する。
ステップS116及びS117において、搬送制御部70が供給ロールRLを介して帯状の基板FBを液滴塗布装置60に搬送し、アライメントカメラCA1及びCA2により帯状の基板FBのアライメントマーク(図示しない)を検出する。アライメントカメラCAの検出結果に基づいて液滴塗布装置60からのメタルインクMTの塗布のタイミングが調整される。
ステップS118において、液滴塗布装置60がステップS111〜S115で形成されたゲート電極用の凹凸状のパターンにメタルインクMTを塗布する。また、搬送ローラFRが回転することで帯状の基板FBが温風ヒータHTに搬送され、温風ヒータHTから噴出する200度前後の温風によってメタルインクMTが焼成される。これにより、ゲート電極が形成される。
次に、印刷ローラPRにより帯状の基板FBに絶縁体ISの層を形成する工程について、図1を参照しながらステップS119〜S121で説明する。
ステップS119及びS120において、搬送制御部70が供給ロールRLを介して帯状の基板FBを印刷ローラPRに搬送し、アライメントカメラCA3及びCA4により帯状の基板FBのアライメントマーク(図示しない)を検出する。アライメントカメラCAの検出結果に基づいて印刷ローラPRの位置が調整される。
ステップS121において、印刷ローラPRにより帯状の基板FBに絶縁体ISの層が形成される。また、搬送ローラFRが回転することで帯状の基板FBが温風ヒータHTに搬送され、温風ヒータHTから噴出する200度前後の温風によって絶縁体ISの層が乾燥される。以下に続く複数の工程を経ることにより、デバイス製造装置100はフラットパネル表示素子を製造することができる。
(第2の実施例)
デバイス製造装置100は、第1のパターン形成装置10Aに代えて、第2の実施例のパターン形成装置10Bを配置することもできる。第2の実施例のパターン形成装置10Bについて図5を参照しながら説明する。
<パターン形成装置10B>
図5(a)は第2の実施例のパターン形成装置10Bの断面図で、図5(b)はパターン形成装置10Bにより凹凸状のパターンが形成された帯状の基板FBの側面図である。
図5(a)に示されたように、第2の実施例のパターン形成装置10Bの紫外線照射装置21は、複数のレンズからなるレンズアレイ14を有している。詳しく説明すると、紫外線照射装置21の各々の紫外線LED光源13の直下にレンズが1つずつそれぞれ設けられている。レンズアレイ14は、紫外線LED光源13からの光をコリメートする。これにより、各紫外線LED光源13からの紫外線はレンズアレイ14により平行光となり、帯状の基板FBの−Z側に設けられた材料容器12内に収納されている液状の紫外線硬化樹脂LRを照射する。
また、第1の実施例とは異なり、紫外線照射装置21は高さ調整部18が設けられていない。一方、材料容器12はその底面に材料容器12の高さの調整が可能である高さ調整部18Bが設けられている。材料容器12はこの高さ調整部18BによりZ軸方向に移動可能である。その他の構成は、第1の実施例と同じであるため説明を省略する。
<パターン形成装置10Bの動作>
パターン形成装置10Bの動作について説明する。
帯状の基板FBが所定距離だけ搬送された後、高さ調整部18Bによって材料容器12が+Z軸方向に移動する。すると回転ローラ19が帯状の基板FBに接し、さらに、回転ローラ19が+Z軸方向に移動し且つ帯状の基板FBが伸張しないように所定量だけX軸方向に送り出される。そして帯状の基板FBが紫外線照射装置21の底面に接し、帯状の基板FBが撓んで液状の紫外線硬化樹脂LRに接した状態になる。図5(a)は、帯状の基板FBが撓んで液状の紫外線硬化樹脂LRに接した状態を示している。帯状の基板FBと液状の紫外線硬化樹脂LRとが接した状態において、紫外線LED光源13(光源131〜138)のうち所定の紫外線LED光源13が一定時間点灯する。すると帯状の基板FBに紫外線が照射された液状の紫外線硬化樹脂LRが硬化し、帯状の基板FBに固着する。
第2の実施例においても、第1の実施例と同じに紫外線LED光源132及び135が消灯されているため、紫外線LED光源132及び135の直下部分の液状の紫外線硬化樹脂LRは硬化されない。一方他の紫外線LED光源131、133、134、136〜138は所定時間点灯されているため、それらの紫外線LED光源下の液状の紫外線硬化樹脂LRは硬化される。
その後、高さ調整部18Bによって材料容器12が+Z軸方向に移動する。帯状の基板FBが撓んで液状の紫外線硬化樹脂LRに接した状態から液状の紫外線硬化樹脂LRに接しない状態になる。紫外線によって硬化された紫外線硬化樹脂SRは、帯状の基板FBに固着されている。一方、液状の紫外線硬化樹脂LRは撥水性の帯状の基板FBに付着していない。したがって、図5(b)に示されたように帯状の基板FBの下側(−Z軸側)の片面に厚さHの硬化された紫外線硬化樹脂SRが形成されている。硬化された紫外線硬化樹脂SRは、紫外線LED光源13からの光がレンズアレイ14でコリメートされているため、その断面は長方形に形成される。このようにして、帯状の基板FBに凹凸状のパターンが形成される。
(第3の実施例)
デバイス製造装置100は、第1のパターン形成装置10Aに代えて、第3の実施例のパターン形成装置10Cを配置することもできる。第2の実施例のパターン形成装置10Cについて図6を参照しながら説明する。
<パターン形成装置10C>
図6は、第3の実施例のパターン形成装置10Cの説明図である。図6(a)は、第3の実施例のパターン形成装置10Cの断面図である。図6(b)は、パターン形成装置10Cにより凹凸状のパターンが形成された帯状の基板FBの側面図である。
図6(a)に示されたように、第3の実施例のパターン形成装置10Cの紫外線照射装置31は1つの紫外線光源及び機械式シャッタ(不図示)が設けられている。紫外線光源として例えば楕円鏡を有する高圧水銀ランプ17が用いられている。また、高圧水銀ランプ17に対応して照明光学系15が設けられている。なお、図6では照明光学系15は一つのレンズとして描いているが、複数の光学素子を組み合わせており、後述するマスクである遮光パターン16の全領域に均一な照明を与える。また、高圧水銀ランプ17からの光は照明光学系15によってコリメートされる。これにより、高圧水銀ランプ17からのコリメート光は、遮光パターン16を介して、帯状の基板FBの下方に位置している材料容器12内に収納された液状の紫外線硬化樹脂LRを照射する。
また、第3の実施例の紫外線照射装置31の底面には紫外線を透過する透明板が配置され、その透明板の上にマスクとしての遮光パターン16が配置されている。遮光パターン16は石英ガラスにクロムでパターンが描画されたものである。遮光パターン16であるマスクは帯状の基板FBに形成させる凹凸状のパターンに応じて交換される。この遮光パターン16は高圧水銀ランプ17からのコリメート光を遮断する。
なお、遮光パターン16は、液晶素子、エレクトロクロミック素子のように電気的にパターンを形成する電子シャッタで形成されてもよい。電子シャッタによって電気的にコリメート光が通過する領域が変えられる。また、図6では透過型の遮光パターン16を使用しているが、反射型の遮光パターン16を使用しても良い。例えば、複数のマイクロミラーを有するDMD(デジタルマイクロミラーデバイス)を使ってもよい。DMDを使った電子シャッタは電気的に複数のマイクロミラーを可動させてパターンを形成する。この反射型のマスクは高圧水銀ランプ17からのコリメート光を反射して、材料容器12内に収納された液状の紫外線硬化樹脂LRを照射する。
<パターン形成装置10Cの動作>
パターン形成装置10Cの動作について説明する。
帯状の基板FBが所定距離だけ搬送された後、高さ調整部18によって紫外線照射装置31が−Z軸方向に移動する。すると、紫外線照射装置31の底面が帯状の基板FBに接し、さらに、紫外線照射装置11が−Z軸方向に移動し且つ帯状の基板FBが伸張しないように所定量だけX軸方向に送り出される。すると、帯状の基板FBが撓んで液状の紫外線硬化樹脂LRに接した状態になる。図6(a)は、帯状の基板FBが撓んで液状の紫外線硬化樹脂LRに接した状態を示している。帯状の基板FBの撥水処理された片面(−Z側の表面)は材料容器12に収納している液状の紫外線硬化樹脂LRに接している。帯状の基板FBと液状の紫外線硬化樹脂LRとが接した状態において、高圧水銀ランプ17からのコリメート光がマスクとしての遮光パターン16を介して液状の紫外線硬化樹脂LRに照射される。すると帯状の基板FBに紫外線が照射された液状の紫外線硬化樹脂LRが硬化し、帯状の基板FBに固着する。
その後、高さ調整部18によって紫外線照射装置31が+Z軸方向に移動する。帯状の基板FBが撓んで液状の紫外線硬化樹脂LRに接した状態から液状の紫外線硬化樹脂LRに接しない状態になる。紫外線によって硬化された紫外線硬化樹脂SRは、帯状の基板FBに固着されている。一方、液状の紫外線硬化樹脂LRは撥水性の帯状の基板FBに付着していない。したがって、図6(b)に示されたように帯状の基板FBの下側(−Z軸側)の片面に厚さHの硬化された紫外線硬化樹脂SRが形成されている。このようにして、帯状の基板FBに凹凸状のパターンが形成される。
(第4の実施例)
デバイス製造装置100は、第1のパターン形成装置10Aに代えて、第4の実施例のパターン形成装置10Dを配置することもできる。第4の実施例のパターン形成装置10Dについて図7を参照しながら説明する。
<パターン形成装置10D>
図7(a)は、第4の実施例のパターン形成装置10Dの斜視図である。図7(b)は、パターン形成装置10Dの断面図である。図7(c)は、パターン形成装置10Dにより凹凸状のパターンを形成される際に、硬化された紫外線硬化樹脂SRの厚さを示したグラフである。
図7(a)に示されたように、第4の実施例のパターン形成装置10Dは紫外線照射装置41と材料容器22とを備える。紫外線照射装置41及び材料容器22は、Z軸方向で移動せず固定されたままである。紫外線照射装置41の底面側の一部は常に材料容器22内の液状の紫外線硬化樹脂LRに浸られる位置にある。帯状の基板FBが撓んだ状態で紫外線照射装置41の底面に沿って搬送される。またデバイス製造装置100は速度制御ローラ29を有しており、速度制御ローラ29は帯状の基板FBを紫外線照射装置41の底面において一定速度で搬送する。紫外線照射装置41はその底面で搬送される帯状の基板FBを保持する。
また、紫外線照射装置41は、その底面が紫外線を透過する透明板が配置され、その透明板に向けて等間隔Lで複数のフラッシュ光源81が配置されている。フラッシュ光源81は、瞬間的に点灯しそして消灯するパルス照射を行う。フラッシュ光源81はパルス光を照射できるものであれば、LEDでも、DMD(デジタルマイクロミラーデバイス)を使ってもよい。各々のフラッシュ光源81の直下にはレンズアレイ14が設けられる。フラッシュ光源81からの紫外線を含む光はレンズアレイ14によりコリメート光となって、液状の紫外線硬化樹脂LRに照射される。個々のフラッシュ光源81は図示しない制御装置により点滅する。図7では、X軸方向に5つY軸方向に6つの30個のフラッシュ光源81が描かれているが、実際には紫外線照射装置41は、数千から数万個のフラッシュ光源81を有している。なお、フラッシュ光源81はパルス発光できる光源であれば、別の光源であってもよい。
<パターン形成装置10Dの動作>
第4の実施例のデバイス製造装置100によるデバイス製造方法は、第1の実施例のパターン形成装置10A〜第3の実施例のパターン形成装置10Cとは異なった方法で、帯状の基板FBに凹凸状のパターンを形成する。以下、そのパターン形成方法について図7(b)及び(c)を参照しながら説明する。
搬送制御部70は、速度制御ローラ29を使って帯状の基板FBを連続的に一定速度で搬送する。そしてフラッシュ光源81(811〜815)はパルス照射を行う。フラッシュ光源81が液状の紫外線硬化樹脂LRにパルス照射されると、その液状の紫外線硬化樹脂LRは硬化する。この硬化された厚みはパルス照射であるため薄いが、これを何回も積み重ねていくと必要な厚さHの凹凸パターンが帯状の基板FBが形成される。
パターンの一点に着目して詳しく説明すると次のとおりである。
帯状の基板FBがフラッシュ光源811の直下を通過する際に、フラッシュ光源811が瞬間的に点灯する。すると、図7(c)のグラフに示されたように、フラッシュ光源811の直下に位置する帯状の基板FBの片面に厚さ1/5Hの硬化された紫外線硬化樹脂SRが形成される。そして帯状の基板FBが連続的に搬送されていき間隔Lに等しい距離だけ移動した際に、フラッシュ光源812が瞬間的に点灯する。これにより、フラッシュ光源812の直下に到着した厚さ1/5Hの硬化した紫外線硬化樹脂SRにさらに厚さ1/5Hの硬化された紫外線硬化樹脂SRが積み重ねられる。同様に、硬化された紫外線硬化樹脂SRはフラッシュ光源813の直下で厚さ3/5Hとなり、フラッシュ光源814の直下で厚さ4/5Hとなる。その後、硬化された紫外線硬化樹脂SRはフラッシュ光源815の直下で所定の厚さHとなり、材料容器22から搬出される。
その結果、帯状の基板FBの裏面には厚さHである矩形の紫外線硬化樹脂SRが等間隔Lに形成される。
また、液状の紫外線硬化樹脂LRが硬化され帯状の基板FBに接触して搬出されるため、材料容器22の液状の紫外線硬化樹脂LRの液面が下がる。このため、材料容器22に液状の紫外線硬化樹脂LRを供給する補充装置と流量計とが付属されても良い。
(第5の実施例)
デバイス製造装置100は、第1のパターン形成装置10Aに代えて、第5の実施例のパターン形成装置10Eを配置することもできる。第5の実施例のパターン形成装置10Eについて図8を参照しながら説明する。
<パターン形成装置10E>
図8(a)は第5の実施例のパターン形成装置10Eの断面図で、図8(b)は帯状の基板FBにおいてパターン形成装置10Eにより凹凸状のパターンが形成される際の硬化した紫外線硬化樹脂SRの厚さを示したグラフである。図8(b)のグラフは、縦軸に硬化された紫外線硬化樹脂SRの厚さを示し、横軸に帯状の基板FBの移動方向を示す。
図8(a)に示されたように、第5の実施例のパターン形成装置10Eは紫外線照射装置51と材料容器23とを備える。紫外線照射装置51及び材料容器23は、Z軸方向で移動せず固定されたままである。紫外線照射装置51の底面側の一部は常に材料容器23内の液状の紫外線硬化樹脂LRに浸られる位置にある。紫外線照射装置51は、Y軸方向に伸びる円柱状の形状であり、その円周は紫外線を透過する曲面状の透明板が配置されている。この曲面状の透明板に向けて、複数の紫外線LED光源13が等間隔で円周方向に配置されている。図示されていないが、各々の紫外線LED光源13の直下にはレンズアレイ14が設けられてもよい。紫外線LED光源13からの光は液状の紫外線硬化樹脂LRに照射される。個々の紫外線LED光源13は図示しない制御装置により点滅する。図8では、円柱状の円周に沿って12個の紫外線LED光源13が設けられているが、実際には紫外線照射装置51は、数千から数万個の紫外線LED光源13を有している。
紫外線照射装置51は、帯状の基板FBを曲面状に保持した状態で、回転軸55を中心として一定速度で回転する。また、デバイス製造装置100は速度制御ローラ29を有している。帯状の基板FBが撓んだ状態で紫外線照射装置51の円周に沿って搬送される。搬送制御部70は、速度制御ローラ29を使って帯状の基板FBを連続的に一定速度で搬送するとともに、紫外線照射装置51の円周面を帯状の基板FBの搬送速度と同じ速度で搬送する。
<パターン形成装置10Eの動作>
第5の実施例のデバイス製造装置100によるデバイス製造方法は、第4の実施例のパターン形成装置10Dとは異なった方法で、帯状の基板FBに凹凸状のパターンを形成する。以下、そのパターン形成方法について図8(a)及び(b)を参照しながら説明する。
図8(a)に示されたように帯状の基板FBは連続に搬送され、円柱状の紫外線照射装置51は回転軸55を中心に回転する。帯状の基板FBの搬送速度は紫外線照射装置51の円周面の速度と同じである。また、液状の紫外線硬化樹脂LRを硬化させる箇所の紫外線LED光源13は、少なくとも帯状の基板FBに液状の紫外線硬化樹脂LRに接している際は常に点灯している。一方液状の紫外線硬化樹脂LRを硬化させる必要がない箇所の紫外線LED光源13は、消灯したままである。
帯状の基板FBの搬送速度と円柱状の紫外線照射装置51の円周の速度とが同じであるため、帯状の基板FBは、点APで接触してから点EPで分離するまで常に紫外線照射装置51の同一箇所の紫外線LED光源13と移動する。このため、液状の紫外線硬化樹脂LRが帯状の基板FBと点APで接触すれば、紫外線LED光源13により硬化し始める。そして、紫外線LED光源13は帯状の基板FBと同時に移動しながら、帯状の基板FBの片面の液状の紫外線硬化樹脂LRを徐々に硬化する。
詳しく説明すると、図8(b)に示されたように、紫外線LED光源13の位置の点APにおいて紫外線硬化樹脂SRは厚さ1/5Hとなる。紫外線LED光源13の位置の点BPにおいて紫外線硬化樹脂SRは厚さ2/5Hとなり、紫外線LED光源13の位置の点CPにおいて紫外線硬化樹脂SRは厚さ3/5Hとなる。そして紫外線LED光源13の位置の点DPにおいて紫外線硬化樹脂SRは厚さ4/5Hとなる。その後、紫外線LED光源135の位置の点EPにおいて紫外線硬化樹脂SRは所定の厚さHとなり、材料容器32から搬出される。このような過程を繰り返せば、帯状の基板FBの裏面に厚さHである紫外線硬化樹脂SRが形成される。すなわち、帯状の基板FBに凹凸状のパターンが形成される。
また、第5の実施例において帯状の基板FBの搬送速度(及び紫外線照射装置51の回転)が速いほど紫外線照射時間が短くて紫外線硬化樹脂SRが薄くなり、帯状の基板FBの搬送速度(及び紫外線照射装置51の回転)が遅いほど紫外線照射時間が長くて紫外線硬化樹脂SRが厚くなる。このため、帯状の基板FBと紫外線照射装置51との速度を調整することで紫外線硬化樹脂SRの厚さHを調節することができる。
また、第4の実施例と同様に、材料容器23に液状の紫外線硬化樹脂LRを供給する補充装置と流量計とが付属されても良い。
(第6の実施例)
<デバイス製造装置110>
第6の実施例のパターン形成装置10Fを用いたデバイス製造装置110について、図9を参照しながら説明する。図1で示されたデバイス製造装置100は、パターン形成装置の反対側の帯状の基板FBの片面に凹凸パターンを形成していた。デバイス製造装置110は、パターン形成装置10F側の帯状の基板FBの片面に凹凸パターンを形成する。この点で、デバイス製造装置100とデバイス製造装置110とは大きく異なる。
デバイス製造装置110は、図9に示されたようにロール状に巻かれた可撓性の帯状の基板FBを送り出すための供給ロールRLを備えている。また、供給ロールRLが所定速度で回転することで、帯状の基板FBは矢印に示されたように搬送される。第6の実施例のデバイス製造装置110は、パターン形成装置10Fが、パターン形成装置10F側の帯状の基板FBの片面に凹凸パターンを形成するため、表裏を逆転させる必要はない。その他の構成は第1の実施例のデバイス製造装置100と同じである。このため、図9の破線に囲まれた部分のパターン形成装置10Fについて、図10〜図12を参照しながら説明し、他の部分に対して説明を省略する。
<パターン形成装置10F>
図10は、第6の実施例のパターン形成装置10Fの一例の斜視図である。図11(a)はパターン形成装置10Fの断面で、(b)は帯状の基板FBにおいてパターン形成装置10Fにより凹凸状のパターンを形成される際の硬化された紫外線硬化樹脂SRの厚さを示したグラフである。なお、図11(b)において縦軸は硬化された紫外線硬化樹脂SRの厚さを示し、横軸は帯状の基板FBの移動方向を示す。
図10に示されたように、パターン形成装置10Fは帯状の基板FBの+Z側から液状の紫外線硬化樹脂LRを供給する。また、パターン形成装置10Fの紫外線照射装置41は第4の実施例で説明された紫外線照射装置41と同じ構成であるため、説明を省略する。
第6の実施例のパターン形成装置10Fは、紫外線照射装置41の+Z側に液状の紫外線硬化樹脂LRを供給する供給部42及び液状の紫外線硬化樹脂LRを回収する回収部43を有している。また、供給部42は供給タンク45と3本の配管Pとを有している。3本の配管Pは帯状の基板FBの搬送方向の上流側で、紫外線照射装置41と帯状の基板FBとの隙間に伸びている。そして、供給タンク45に溜められた液状の紫外線硬化樹脂LRは、3本の配管Pに示される矢印方向に供給される。
回収部43は回収タンク47と3本の配管Pとを有している。3本の配管Pは帯状の基板FBの搬送方向の下流側で、紫外線照射装置41と帯状の基板FBとの隙間に伸びている。そして、硬化されなかった液状の紫外線硬化樹脂LRは、3本の配管Pに示される矢印方向に回収され、回収タンク47に溜められる。なお、供給タンク45と回収タンク47とは互いに連通していてもよい。また、配管Pの先端にはノズル(不図示)が設けられ、このノズルにより紫外線照射装置41と帯状の基板FBとの隙間に液状の紫外線硬化樹脂LRを供給したり回収したりする。その他、供給部42の配管P及び回収部43の配管Pには流量計46及び流量計48(図9を参照)がそれぞれ設けられている。
また、帯状の基板FBの下側には、帯状の基板FBが撓まないように反射ベース83が配置されている。反射ベース83は、その表面がミラーになっている。このため、フラッシュ光源81の光を効率的に液状の紫外線硬化樹脂LRに与えることができる。つまりフラッシュ光源81の光は液状の紫外線硬化樹脂LRに与えられ、一部の光が帯状の基板FBを透過するが、その透過した光は反射ベース83で反射されて、再び液状の紫外線硬化樹脂LRに与えられる。
<パターン形成装置10Fの動作>
図11を参照しながら第6の実施例のパターン形成装置10Fによって帯状の基板FBに凹凸状のパターンを形成する方法を説明する。図11(a)に示されるように第6の実施例において帯状の基板FBは連続に搬送される。そして紫外線照射装置41の−X側(上流側)から液状の紫外線硬化樹脂LRを供給し、+X側(下流側)から硬化されなった液状の紫外線硬化樹脂LRを回収する。流量計46及び流量計48(図9を参照)は、帯状の基板FBの大きさ及び搬送速度などを考慮して、液状の紫外線硬化樹脂LRの供給量及び回収量を調節する。また、フラッシュ光源81(811〜815)は第4の実施例と同じにX軸方向に間隔Lで配置されている。
パターンの一点に着目して詳しく説明すると次のとおりである。
帯状の基板FBがフラッシュ光源811の直下を通過する際に、フラッシュ光源811が瞬間的に点灯する。すると、図11(b)のグラフに示されたように、フラッシュ光源811の直下に位置する帯状の基板FBの片面に厚さ1/5Hの硬化された紫外線硬化樹脂SRが形成される。そして帯状の基板FBが連続的に搬送されていき距離L移動した際に、フラッシュ光源812が瞬間的に点灯する。これにより、フラッシュ光源812の直下に到着した厚さ1/5Hの硬化した紫外線硬化樹脂SRにさらに厚さ1/5Hの硬化された紫外線硬化樹脂SRが積み重ねられる。同様に、硬化された紫外線硬化樹脂SRはフラッシュ光源813の直下で厚さ3/5Hとなり、フラッシュ光源814の直下で厚さ4/5Hとなる。その後、硬化された紫外線硬化樹脂SRはフラッシュ光源815の直下で所定の厚さHとなる。
最後に、回収部43は紫外線照射装置41と帯状の基板FBとの隙間の硬化されなかった液状の紫外線硬化樹脂LRを回収する。その結果、帯状の基板FBの裏面には厚さHである矩形の紫外線硬化樹脂SRが形成される。
また、第6の実施例では紫外線照射装置41の上流側から液状の紫外線硬化樹脂LRを供給し、下流側から硬化されなかった液状の紫外線硬化樹脂LRを回収した。しかし、液状の紫外線硬化樹脂LRの供給及び回収は、図10又は図11に示された方法に限られない。
図12は、別の液状の紫外線硬化樹脂LRの供給及び回収方法を示した図である。図12では、説明を容易にするため、供給部42及び回収部43などがすべてXY平面上に書かれている。
図12に示されたように、供給部42の3本の配管Pが紫外線照射装置41の−X側(上流側)に接続され、さらに3本の配管Pが紫外線照射装置41の+X側に接続されている。また、回収部43の2本の配管Pが紫外線照射装置41の−X側に接続され、他の2本の配管が紫外線照射装置41の+X側に接続されている。これにより、紫外線照射装置41の搬送方向の両側から液状の紫外線硬化樹脂LRを供給したり回収したりする。
なお、図12のパターン形成装置10FのA−A断面図は、図11(a)と同じであるためパターン形成装置10Fの動作について説明を省略する。
(第7の実施例)
図9に示されたデバイス製造装置110は、パターン形成装置10Fに代えて図13に示されたパターン形成装置10Gを配置することもできる。
第7の実施例のパターン形成装置10Gについて図13を参照しながら説明し、その他の部分に対して説明を省略する。
パターン形成装置10Gは第6の実施例と同じ構成である紫外線照射装置41と、液状の紫外線硬化樹脂LRを供給する供給部42Gと、液状の紫外線硬化樹脂LRの回収する回収部43とを備える。供給部42Gは紫外線照射装置41の−X側(上流側)に紫外線照射装置41から離れて配置され、帯状の基板FBの表面に液状の紫外線硬化樹脂LRを供給する。供給部42Gは供給タンク45と1本の幅広の配管PPとを有している。配管PPの先端にはノズル(不図示)が設けられ、このノズルにより帯状の基板FBの表面に均一に液状の紫外線硬化樹脂LRを供給する。配管PPには流量計46(図9を参照)が設けられている。帯状の基板FBの表面に供給された液状の紫外線硬化樹脂LRは、帯状の基板FBに載ったまま紫外線照射装置41に搬送される。紫外線照射装置41は、フラッシュ光源81の光を照射して硬化された紫外線硬化樹脂SRを形成する。これにより、帯状の基板FBの表面に凹凸パターンが形成される。硬化されなかった液状の紫外線硬化樹脂LRは、3本の配管Pに示される矢印方向に回収され、回収部43の回収タンク47に溜められる。その他の構成は第6の実施例と同じであるため、説明を省略する。
以上、第1の実施例から第7の実施例まで最適な実施例について詳細に説明したが、当業者に明らかなように、その技術的範囲内において実施例に様々な変更・変形を加えて実施することができる。
例えば、デバイス製造装置100又は110は、デバイスの一つとしてフラットパネル表示素子を製造するため、基板に形成された凹凸パターンにメタルインクを塗布した。しかし、デバイス製造装置100又は110は、半導体ウエハに形成された凹凸パターンに対してエッチングを行って半導体素子を製造することもできる。
また、例えば第1の実施例から第7の実施例のパターン形成装置は、液状の紫外線硬化樹脂LRを使用した。しかし、液状でなくてもゲル状の樹脂であってもよく、基板の表面で硬化されていない状態で供給されるものであれば良い。また、第1の実施例から第7の実施例のパターン形成装置は、エネルギーの一つとして紫外線を照射する光源を使用した。しかし、紫外線により硬化する樹脂ではなく、熱により硬化する熱硬化性樹脂を使用する場合にはエネルギーの一つとして熱を発生する発熱部を使用してもよい。熱硬化性樹脂が基板に供給される場合には、パターン形成装置は、複数の発熱部を格子状に配置した発熱アレイを、紫外線LED光源13又はフラッシュ光源81に代えて配置すればよい。
10(10A〜10G) … パターン形成装置
11、21、31、41、51 … 紫外線照射装置
12、22、32 … 材料容器
13(131〜138) … 紫外線LED光源
14 … レンズアレイ
16 … 遮光パターン
17 … 高圧水銀ランプ
18、18A … 高さ調整部
19 … 固定ローラ
41 … 紫外線照射装置
42 … 供給部
43 … 回収部
46、48 … 流量計
60 … 液滴塗布装置
70 … 搬送制御部
81(811〜815) … フラッシュ光源
100,110 … デバイス製造装置
CA … アライメントカメラ
FB … 基板
FR … 搬送ローラ
HT … 温風ヒータ
IS … 絶縁体
LR … 液状の紫外線硬化樹脂
MT … メタルインク
P、PP … 配管
PR … 印刷ローラ
RL … 供給ロール
SR … 硬化された紫外線硬化樹脂

Claims (18)

  1. 可撓性の基板の表面に凹凸状のパターンを形成するパターン形成装置において、
    所定の光エネルギー又は熱エネルギーに応じて硬化する硬化性材料を液体の状態で収納する材料容器と、前記基板の表面の所定領域が前記材料容器に収納された前記硬化性材料の液体と接触するように、前記基板の所定領域を撓ませて保持する部材とを有する接触装置と、
    前記パターンに対応するパターン情報に基づいて、前記基板の表面と接触した前記硬化性材料の液体に前記光エネルギー又は熱エネルギーを付与し、前記硬化性材料の液体を硬化させる硬化装置と、
    を備えるパターン形成装置。
  2. 前記接触装置の前記保持する部材は、前記基板の所定領域が前記材料容器内で前記硬化性材料の液体の表面と平面状に接触するように、前記材料容器の端部で前記基板を撓ませるローラを含む、請求項1に記載のパターン形成装置。
  3. 前記接触装置の前記保持する部材は、前記基板の所定領域を前記材料容器内で円柱状の曲面になるように撓ませて前記硬化性材料の液体と接触させる、
    請求項1に記載のパターン形成装置。
  4. 前記基板は光透過性の帯状の基板であり、前記硬化装置は前記パターン情報に応じた紫外線を含む光エネルギーを照射する照明装置を備え、該照明装置は、前記硬化性材料の液体と接触して前記凹凸状のパターンが形成される前記基板の一方の表面の裏側に配置され、前記基板の裏面から前記光エネルギーを付与する、
    請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のパターン形成装置。
  5. 前記照明装置は、前記パターンを構成する最小単位の領域ごとに前記光エネルギーを点滅により照射する複数の発光部を備え、前記パターン情報に基づいて前記複数の発光部の点滅を制御する、請求項4に記載のパターン形成装置。
  6. 前記複数の発光部は、前記光エネルギーをコリメートするレンズアレイを含む、請求項5に記載のパターン形成装置。
  7. 前記照明装置は円柱状の曲面形状の表面を有し、前記複数の発光部は前記曲面形状に沿って格子状に配置される、請求項5又は請求項6に記載のパターン形成装置。
  8. 前記照明装置は、前記硬化性材料の液体に付与される前記光エネルギーを前記パターン情報に基づいて遮光する遮光パターンが形成されたマスクを含む、請求項4に記載のパターン形成装置。
  9. 前記マスクは、前記遮光パターンを電気的に形成する電子シャッタを有する、請求項8に記載のパターン形成装置。
  10. 光透過性の可撓性の基板の一方の面に凹凸状のパターンを形成するパターン形成装置において、
    光エネルギーを受けて硬化する液状の硬化性材料を、その硬化性材料の表面が前記基板の面に対向するように収納する材料容器と、
    前記基板の一方の表面と、前記材料容器に収納された前記硬化性材料の液体の表面とが所定の間隔で離間した状態と接触した状態とに切りかわるように、前記材料容器と前記基板とを相対的に移動させる駆動部と、
    前記基板の一方の表面が前記硬化性材料の液体の表面と接触した状態において、前記基板の他方の面側から前記一方の面側に向けて、所定のパターン情報に対応させて前記光エネルギーを付与し、前記基板の一方の面側に前記硬化性材料の硬化したパターンを形成する硬化装置と、
    を備えたパターン形成装置。
  11. 可撓性の帯状の基板上に表示素子を形成するデバイス製造装置であって、
    前記基板を帯状の方向に搬送する搬送装置と、
    該搬送装置による前記基板の搬送に伴って、前記基板上に前記表示素子に対応した硬化性材料による凹凸状のパターンを連続して形成する請求項1〜10のいずれか一項に記載のパターン形成装置と、
    前記凹凸状のパターンが形成された前記基板を前記凹凸状のパターンに基づいて加工する加工装置と、
    を備えるデバイス製造装置。
  12. 可撓性の基板の表面に凹凸状のパターンを形成するパターン形成方法において、
    所定の光エネルギー又は熱エネルギーに応じて硬化する硬化性材料の液体が収納された材料容器内で、前記基板の表面の所定領域が前記硬化性材料の液体と接触するように前記基板の一部を撓ませて保持する接触工程と、
    前記パターンに対応するパターン情報に基づいて、前記基板の表面と接触した前記硬化性材料の液体に前記光エネルギー又は熱エネルギーを付与し、前記硬化性材料の液体を前記パターンに応じて硬化させる硬化工程と、
    を備えるパターン形成方法。
  13. 前記接触工程は、前記基板の所定領域の表面が平面状となって前記材料容器内に収納される前記硬化性材料の液体と接触するように、前記所定領域の両側で前記基板を撓ませる、
    請求項12に記載のパターン形成方法。
  14. 前記接触工程は、前記基板の所定領域の表面を前記材料容器内で円柱状の曲面に沿って撓ませた状態で前記硬化性材料の液体と接触させる、
    請求項12に記載のパターン形成方法。
  15. 前記硬化性材料は、前記光エネルギーとしての紫外線に応じて硬化する紫外線硬化材料であり、前記基板は前記紫外線に対して透過性を有し、
    前記硬化工程は、前記紫外線硬化性材料の液体と接触して前記凹凸状のパターンが形成される前記基板の一方の表面の裏側から、前記パターン情報に応じて前記紫外線を付与する照明工程を含む、
    請求項12から請求項14のいずれか一項に記載のパターン形成方法。
  16. 前記照明工程は、前記パターンを構成する最小単位の領域ごとに前記紫外線を照射可能な複数の発光部を、前記パターン情報に基づいて選択的に点滅制御する、
    請求項15に記載のパターン形成方法。
  17. 前記照明工程において、前記複数の発光部の各々からの紫外線をレンズアレイによってコリメートして、前記紫外線硬化性材料の液体に付与する、
    請求項16に記載のパターン形成方法。
  18. 前記照射工程は、前記パターン情報に対応した遮光パターンを有するマスクを前記基板の一方の表面の裏側に配置し、前記マスクと前記基板とを介して、前記紫外線硬化性材料の液体に前記紫外線を付与する、
    請求項15に記載のパターン形成方法。
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