JP5533809B2 - 設備機器の制御装置 - Google Patents
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以下、図面を参照して、第1実施形態に係るエネルギー管理システム100について説明する。
図1に、本実施形態に係るエネルギー管理システム100を示す。エネルギー管理システム100では、電力会社1から物件2としてのA,Bに電力を供給する。物件A,Bは、オフィスビル、テナントビル、工場および一般家庭等の、1又は複数の設備機器が設置される建物である。なお、図1では、電力会社1が電力を供給する物件として、物件A,Bの2つしか記載されていないが、物件の数は2つに限られるものではない。
電力会社の管理装置10は、物件別に、送信されてきた複数の第1エネルギー抑制可能量と抑制可能時間の組み合わせの中から1組を選択し、その値に基づきエネルギー抑制要求量および抑制要求時間を決定する。エネルギー抑制要求量および抑制要求時間は、インターネット80aを介して、物件A,Bの制御装置30,30に対し、抑制要求と共に配信される。なお、物件A,Bがエネルギー抑制要求量までエネルギー消費量を低減できない場合には、例えば、追加料金や違約金の支払いなどのペナルティが科される。
以下、エネルギー管理システム100に含まれる、管理装置10および制御装置30,30について説明する。
図2に、管理装置10の概略構成図を示す。
通信部11は、管理装置10をインターネット80aに接続可能にするネットワークインターフェースである。
表示部12は、主としてディスプレイから構成されている。
入力部13は、主として操作ボタン、キーボード、およびマウス等から構成されている。
記憶部14は、主としてハードディスクから構成されている。記憶部14には、物件A,Bの制御装置30,30から送信された第1エネルギー抑制可能量と抑制可能時間との組合せが、物件別に記憶されている。
制御部15は、主としてCPU、ROMおよびRAMから構成されている。制御部15は、上述の記憶部14に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、図2に示すように、主として、抑制決定部15a、選択決定部15b、抑制要求送信部15c、送信要求部15dとして機能する。
抑制決定部15aは、電力の供給量と需要量の予測を行い、所定時間後に需要量が供給量を上回る可能性があると判断した場合には、物件A,Bに対してエネルギー消費量の抑制を要求することを決定する。あわせて、エネルギー管理システム100全体として、抑制を行うべき時間と、許容可能な電力需要量を決定する。
選択決定部15bは、記憶部14に記憶された情報と、決定部15aで決定された時間および削減量とを基に、エネルギー抑制要求量と抑制要求時間との組合せを物件別に選択する。選択は、抑制要求時間に全物件がエネルギー抑制要求量を使用した場合の電力と、抑制決定部15aが決定した許容可能な電力需要量とが最も近くなるように選択される。その後、選択決定部15bは、抑制要求時間に全物件がエネルギー抑制要求量を使用した場合の電力が、抑制決定部15aが決定した許容可能な電力需要量と一致するように補正を行う。
すなわち、物件Aに対するエネルギー抑制要求量は、物件Aから提示された第1エネルギー抑制可能量の1つに基づいて、電力会社1から電力供給を受ける全物件の総消費電力が、電力会社1が抑制要求時間に許容可能な電力需要量を超えないように算出される。
抑制要求送信部15cは、通信部11に、エネルギー消費量の抑制要求と共に、選択決定部15bで決定されたエネルギー抑制要求量と抑制要求時間とを、物件A,Bに出力させる。
送信要求部15dは、物件A,Bに第1エネルギー抑制可能量の送信を要求する。抑制要求直前に第1エネルギー抑制可能量の送信を要求することで、実際にユーザが抑制可能な量に近い第1エネルギー抑制可能量が把握される。その結果、適切なエネルギー抑制要求量の決定が実現されやすい。
図3に、制御装置30の概略構成図を示す。以下、物件Aに設置された制御装置30について説明するが、物件Bに設置された制御装置30についても同様の構成である。
通信部31は、主として、制御装置30をインターネット80aに接続可能にするネットワークインターフェースである。通信部31により、インターネット80aを介して、制御装置30と管理装置10との間で双方向通信が行われる。
出力部32は、主として、ディスプレイから構成されている。出力部32には、空調機40,40,・・・の運転態様(例えば、空調機のON/OFF、運転モード(冷房モード/暖房モード)、風向き、風量、吸込み温度、および設定温度)を示す画面が表示される。また、現在の電力、エネルギー抑制要求量、後述する制御情報記憶領域35fに記憶されたエネルギー調整制御により実際に削減された電力量、予測量記憶領域35gに記憶された予測電力もしくは予測電力量および予測エネルギー価格、算出部36eにより算出された第1エネルギー抑制可能量、および再算出部36hにより算出された第2エネルギー抑制可能量などが表示される。
入力部33は、主として、操作ボタンおよび上記ディスプレイを覆うタッチパネルから構成されている。空調機40,40・・・の発停信号、設定温度の変更、運転モードの変更など、空調機40,40・・・に対するユーザからの各種指令が入力される。
時間管理部34は、電力会社の管理装置10と略同期する時計を有し、制御装置30の実行する各種制御の時間管理を行う。
記憶部35は、主としてハードディスクから構成されている。記憶部35には、後述する制御部36が読み出して実行可能なプログラムが記憶されている。また、記憶部35は、運転状況記憶領域35a、第1調整制御記憶領域35b、第1条件記憶領域35c、要求記憶領域35d、送信記憶領域35e、制御情報記憶領域35f、予測量記憶領域35g、第2条件記憶領域35hを有する。
運転状況記憶領域35aは、後述する運転状況把握部36aが取得した、空調機40,40・・・の状況および電力メーター7によって計測されたエネルギー消費量を運転状況として記憶する。
第1調整制御記憶領域35bは、後述する第1調整制御部36cで実行されるエネルギーの調整制御(以下、第1調整制御という)に関する情報が記憶されている。第1調整制御に関する情報とは、例えば、第1調整制御の実行時間とエネルギー消費量抑制の強度とに関する情報である。記憶されている情報についての説明は、第1調整制御部36cに関する説明とあわせて後ほど行う。
第1条件記憶領域35cには、後述する算出部36eが第1エネルギー抑制可能量を算出するために使用する条件が記憶されている。本実施例では、図4のように、エネルギー調整制御が実行される制御時間の長さと、エネルギー消費量の削減率とが関連付けて記憶されている。ただし、記憶される条件はこれに限定されない。
要求記憶領域35dには、管理装置10から配信された、エネルギー抑制要求量と抑制要求時間とが記憶される。
送信記憶領域35eには、直近に管理装置10に対して送信された、第1エネルギー抑制可能量とその算出条件の組合せが記憶される。第1エネルギー抑制可能量については後述する。
制御情報記憶領域35fには、後述する第1調整制御部36cおよび第2調整制御部36dによって実行された空調機40,40・・・のエネルギー調整制御の実行時間とエネルギー調整制御の内容に関する情報を記憶する。エネルギー調整制御の実行時間に関する情報には、実行済みのエネルギー調整制御の開始時刻と終了時刻の情報が含まれる。エネルギー調整制御の内容に関する情報には、例えば、受け付けたエネルギー抑制要求量、後述する再算出部36hに算出された第2エネルギー抑制可能量、エネルギー調整制御中に実際に削減された電力量などが含まれる。
予測量記憶領域35gには、後述する予測部36bによって予測された、所定期間(本実施形態では、1日)の所定時間毎(本実施形態では、1時間毎)の予測電力、予測電力量および予測エネルギー価格が記憶される。
第2条件記憶領域35hには、エネルギー抑制要求量が後述する第2エネルギー抑制可能量より大きい場合に、後述する第2調整制御部36dがエネルギー調整制御(以下、第2調整制御という)を実行する際に使用する条件が記憶されている。具体的には、第1条件記憶領域35cの条件に比べ、さらにエネルギー消費量を抑制できる条件が記憶されている。
制御部36は、主としてCPU、ROMおよびRAMから構成されている。制御部36は、上述の記憶部35に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、図3に示すように、主として、運転状況把握部36a、予測部36b、第1調整制御部36c、第2調整制御部36d、算出部36e、提示部36f、判別部36g、再算出部36hとして機能する。
運転状況把握部36aは、空調機40,40・・・の状況と、電力メーター7によって計測されたエネルギー消費量を空調機40,40・・・の運転状況として取得する。なお、空調機40,40・・・の状況には、例えば、空調機のON/OFF、運転モード(冷房モード/暖房モード)、吸込み温度、設定温度、稼働時間、稼働率、および稼動時の運転能力(%)が含まれる。ここで運転能力(%)とは、空調機40,40・・・の定格能力に対して、空調機40,40・・・(より正確には、主として圧縮機)がどの程度の能力で動作しているかを意味する。運転状況把握部36aは、空調機40,40・・・の状況およびエネルギー消費量を、時間管理部34から時刻の提示を受けて、所定時間間隔(本実施形態では、5分間隔)で空調機40,40・・・および電力メーター7と通信することにより取得する。運転状況把握部36aによって取得された値は、データの取得日時とともに、上述の運転状況記憶領域35aに記憶される。
予測部36bは、所定期間(本実施形態では、1日)の電力と、電力量および電力価格を予測する。本実施形態では、予測される電力、電力量および電力価格として、過去の実績値をそのまま使用する。予測された電力、電力量および電力価格は、予測量記憶領域35gに記憶される。
第1調整制御部36cは、第1調整制御記憶領域35bに記憶された条件を使用して、第1所定時間の間、エネルギー調整制御(第1調整制御)を実行する。
第2調整制御部36dは、エネルギー抑制要求量と、後述する第2エネルギー抑制可能量の大小関係によって異なる第2調整制御を実行する。ただし、いずれの場合にも、後述する目標値をエネルギー消費量が超過しないような制御が実行される。第2調整制御は第2所定時間(抑制要求時間−第1調整制御の実行される第1所定時間)実行される。
第2エネルギー抑制可能量がエネルギー抑制要求量以下の場合、すなわち、第2エネルギー抑制可能量の算出に使用した条件で、最大電力をエネルギー抑制要求量以下に低減できそうな場合には、後述する第2エネルギー抑制可能量を目標値として、第2エネルギー抑制可能量の算出に使用した条件で抑制制御が実行される。
第2エネルギー抑制可能量がエネルギー抑制要求量よりも大きい場合、すなわち、第2エネルギー抑制可能量の算出に使用した条件では、最大電力をエネルギー抑制要求量以下に低減できない場合には、エネルギー抑制要求量を目標値として、第2条件記憶領域35hの条件を使用して抑制制御が実行される。第2条件記憶領域35hの条件は、その条件を使用することで、エネルギー消費量をエネルギー抑制要求量以下に落とせるように予め定められる。
算出部36eは、第1条件記憶領域35cに記憶された条件を使用して、第1エネルギー抑制可能量を算出する。算出された第1エネルギー抑制可能量は、算出条件と共に、送信記憶領域35eに記憶される。
ここで、pは第1エネルギー抑制可能量算出直前の電力[kW]、kはエネルギー消費量削減率[%]を表す。なお、pには、第1エネルギー抑制可能量の算出直前の電力に代えて、予測量記憶領域35gに記憶された予測電力が使用されてもよい。
ここでm1,m2,・・・,mNは、例えば、エネルギー調整制御の実施される時刻、予測電力、予測電力量、予測エネルギー価格、室内環境の状態値、環境条件、および空調機40,40・・・の稼動状態に関する重み係数である。重み係数の個数は1つでも、複数であってもよい。
ここで、R1,R2,・・・RXは、X台の空調機40,40・・・のそれぞれの定格能力[kW]である。a1t,a2t,・・・aXtは、ある時間帯tの空調機(より正確には室外機)のOn/Offによって決まり、On中は1と、Off中は0と定義される。
提示部36fは、管理装置10に対し、算出部36eが算出した1または複数の第1エネルギー抑制可能量を、抑制可能時間と共に提示する。
判別部36gは、管理装置10から配信されたエネルギー抑制要求量に対応する第1エネルギー抑制可能量を算出した際の条件を判別する。具体的には、送信記憶領域35eに記憶された情報の中から、配信された情報に最も近い情報を選び出し、対応する第1エネルギー抑制可能量の算出条件を判別する。
再算出部36hは、判別部36gが判別した条件と同条件で、第2エネルギー抑制可能量を算出する。なお、判別部36gが判別した条件と同条件とは、エネルギー抑制要求量に対応する第1エネルギー抑制可能量算出時の条件に、第2エネルギー抑制可能量算出時の状態を反映させた条件である。したがって、両条件は一致しない場合がある。
(式6)P2=p’×(1−k’)×m1’×m2’・・・・×mN’
ここで、p’は第2エネルギー抑制可能量算出直前の電力[kW]である。k’は判別部36gが判別した条件と同条件のエネルギー消費量の抑制率である。mN’は重み係数である。式6の重み係数mN’が算出時の状態によって変動する値であれは、重み係数mN’も、第1エネルギー抑制可能量の算出時の重み係数mNと異なる可能性がある。
図10は、制御装置30における第1エネルギー抑制可能量の管理装置10への提示の流れを示すフローチャートである。図11は、制御装置30におけるエネルギー調整制御の処理の流れを示すフローチャートである。図10および図11に示す処理は、それぞれ独立している。以下、図10および図11を用いて、空調機40,40・・・を制御する制御装置30における処理の流れを説明する。
(4−1)
本実施形態では、空調機40,40・・・を制御する制御装置30であって、通信部31と、第1調整制御部36cと、第2調整制御部36dとを備える。通信部31は、設備機器にエネルギーを供給するエネルギー供給者の管理装置10から、エネルギーの抑制要求を受け付ける。第1調整制御部36cは、抑制要求の受け付け時に、第1所定時間の間、空調機40,40・・・のエネルギー消費量を所定の強度で抑制する。第2調整制御部36dは、第1所定時間の経過後に、第2所定時間の間、抑制要求に応じた強度でエネルギー消費量を抑制する。
本実施形態では、通信部31は、エネルギー供給者の管理装置10から、エネルギー抑制要求と共にエネルギー抑制要求量を受け付ける。第1調整制御部36cは、エネルギー抑制要求量以上にエネルギー消費量を抑制する。エネルギー抑制要求量とは、それ以下に単位時間当たりのエネルギー消費量を抑制すべきエネルギー消費量の目標値である。
本実施形態では、空調機40,40・・・が抑制可能な第1エネルギー抑制可能量を1または複数の条件別に算出する算出部36eと、第1エネルギー抑制可能量を管理装置10に提示する提示部36fをさらに備える。通信部31は、管理装置10から、第1エネルギー抑制可能量の1つに基づく値を、エネルギー抑制要求量として受け付ける。
本実施形態では、第1調整制御部36cは、抑制要求直後に第1所定時間の中で最も強くエネルギーを抑制する。その後第1所定時間終了までエネルギー抑制の強度を弱める。
本実施形態では、第1調整制御の実行される第1所定時間は10分以下である。
(5−1)変形例1A
算出部36eおよび再算出部36hは、式2、式3、式5もしくは式6により、第1エネルギー抑制可能量もしくは第2エネルギー抑制可能量を算出する際に、算出直前の電力(kW)に代えて、例えば、算出直前の30分間の単位時間当たりのエネルギー消費量の平均値を用いてもよい。一定期間の運転状況を参照することで、より現実の値に近いエネルギー調整可能量の算出が可能となる。
制御装置30は、提示部36fを有していなくてもよい。この場合には、電力会社が独自に決めた、もしくは、電力会社とユーザの間の契約に従い、抑制要求量が配信される。この場合のエネルギー調整制御は、例えば以下のように実行される。
制御装置30は、図12のように応答性判断部36iと第1所定時間調整部36jとを備え、第1所定時間の長さを変更するものであってもよい。
制御装置30は、図13のように分配部36kを備えていてもよい。
第1調整制御部36cおよび第2調整制御部36dは、エネルギー調整制御を実行することで快適性が確保できない可能性がある場合には、エネルギー調整制御を実行しなくてもよい。例えば、現在運転能力100%の状態で稼動しているにもかかわらず、温度や湿度の実測値が、設定値に到達しておらず、予め定めた以上に設定値から乖離している場合には、エネルギー調整制御を実行しなくてもよい。その他、例えば運転開始後一定時間はエネルギー調整制御の指令を実行しないようにしてもよい。
空調機40,40・・・は設備機器の例示であり、例えば、照明、換気扇、およびこれらの組み合わせが制御装置30の制御対象であってもよい。これにより、幅広い設備に対して本制御装置を適用することが可能である。なお、この時、ユーザの室内環境に与える影響が許容範囲内であるとは、設備機器が照明である場合には、例えば照度が許容される範囲に維持されていることをいい、設備機器が換気扇である場合には、例えば換気量が許容される範囲に維持されていることをいう。
第1実施形態では、第2調整制御の条件は自動的に選択されたが、ユーザが第2調整制御の条件を選択するものであってもいい。
次に、第2実施形態に係るエネルギー管理システム200について説明する(図14参照)。第1実施形態との共通点も多いため、以下に第1実施形態との差異点のみ説明する。
図14に、本実施形態に係るエネルギー管理システム200を示す。エネルギー管理システム200では、電力会社1としてのS,Tから物件2としてのA,Bに電力が供給される。電力会社はS,Tの2つが図示されているが、電力会社の数は2つに限られるものではない。電力会社の数は2つより多くてもよいし、1つであってもよい。物件A,Bについては第1実施形態と同様である。システムの構成は、管理装置210,210、制御装置230,230を除き同様である。
以下、エネルギー管理システム200に含まれる、管理装置210,210および制御装置230,230について説明する。
図15に、管理装置210の概略構成図を示す。以下、電力会社Sに設置された管理装置210について説明するが、電力会社Tに設置された管理装置210についても同様の構成である。
記憶部214は、主としてハードディスクから構成されている。記憶部214には、各物件A,Bに送信されるエネルギーの単価情報が記憶されている。単価情報は、契約内容に応じて各物件A,B間で相違するものであってもよい。
制御部215は、主としてCPU、ROMおよびRAMから構成されている。制御部215は、記憶部214に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、所定時間間隔(本実施形態では、1日間隔)で、通信部211に、各物件A,Bに対し、時間帯毎の単価情報を出力させる。
図16に、制御装置230,230の概略構成図を示す。以下、物件Aに設置された制御装置230について説明するが、物件Bに設置された制御装置230についても同様の構成である。
通信部231は、主として、制御装置230をインターネット80aに接続可能にするネットワークインターフェースである。通信部231は、所定時間間隔(本実施形態では、1日間隔)で、インターネット80aを介して、電力会社S,Tの管理装置210,210から出力される単価情報を受け付ける。受け付けた情報は後述する単価記憶領域235jに記憶される。
出力部232は、主として、ディスプレイから構成されている。出力部232には、空調機40,40,・・・の運転態様(例えば、空調機のON/OFF、運転モード(冷房モード/暖房モード)、風向き、風量、吸込み温度、および設定温度)を示す画面が表示される。また、現在の電力、後述する制御情報記憶領域235fに記憶されたエネルギー調整制御によって実際に削減された電力量、算出部236eおよび再算出部236hによって算出された第1および第2エネルギー調整可能量、およびこれらに対応するエネルギー価格が表示される。さらに、後述する予測量記憶領域235gおよび予測価格記憶領域235lに記憶された予測電力、予測電力量および予測エネルギー価格なども表示される。
記憶部235は、主としてハードディスクから構成されている。記憶部235には、後述する制御部236が読み出して実行可能なプログラムが記憶されている。また、記憶部235は、運転状況記憶領域235a、第1調整制御記憶領域235b、第1条件記憶領域235c、要求記憶領域235d、第1可能量記憶領域235e、制御情報記憶領域235f、予測量記憶領域235g、第2条件記憶領域235h、候補時間帯記憶領域235i、単価記憶領域235j、最安単価記憶領域235k、および予測価格記憶領域235lを備える。235a、235b,235f、および235gは第1実施形態の35a、35b、35f、および35gと同様の構成である。ここでは、第1条件記憶領域235c、要求記憶領域235d、第1可能量記憶領域235e、第2条件記憶領域235h、候補時間帯記憶領域235i、単価記憶領域235j、最安単価記憶領域235k、および予測価格記憶領域235lについて説明する。
第1条件記憶領域235cには、後述する算出部236eおよび再算出部236hが第1エネルギー抑制可能量および第2エネルギー抑制可能量を算出するために使用する情報が記憶されている。
本実施形態では、要求記憶領域235dに、エネルギー抑制要求量として所定期間(例えば、1時間)に使用を許容する最大電力量[kWh/時間]が記憶されている。例えば、要求記憶領域235dには、エネルギー消費量抑制中は、単位時間あたりの最大電力量を80[kWh/時間]以下にするというエネルギー抑制要求量が記憶されている。
第1可能量記憶領域235eには、後述する算出部236eにより算出された第1エネルギー抑制可能量が記憶される。第1エネルギー抑制可能量については後述する。
第2条件記憶領域235hには、後述する第2調整制御部36dが使用する条件が記憶されている。第2条件記憶領域235hの条件は、後述する第2エネルギー抑制可能量が、エネルギー抑制要求量より小さい場合に使用される。第2条件記憶領域235hに記憶されたエネルギー調整制御の条件は、エネルギー抑制要求量が対象とする量、本実施例では所定期間の電力量がエネルギー抑制要求量を下回るように予め定められている。すなわち、第1条件記憶領域235cに比べ、最大電力や、所定期間の電力量などを抑制する条件が記憶されている。
候補時間帯記憶領域235iには、後述する決定部236fによって決定された、空調機40,40・・・のエネルギー調整制御を実行すべき候補時間帯が記憶される。
単価記憶領域235jには、通信部231によって受け付けられた、電力会社の管理装置210,210から配信された時間帯別の単価情報が記憶される。また、単価情報と併せて、単価情報を配信した電力会社名も配信されるため、複数の電力会社から単価情報を受け付ける場合にも、どの電力会社から配信を受けた単価であるか判別可能に記憶される。
最安単価記憶領域235kには、後述する決定部236fによって作成された最安値の単価情報が記憶される。
予測価格記憶領域235lには、後述する決定部236fによって作成された所定時間毎(本実施形態では、1時間毎)の予測エネルギー価格の情報が記憶される。
制御部236は、主としてCPU、ROMおよびRAMから構成されている。制御部236は、上述の記憶部235に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、図16に示すように、主として、運転状況把握部236a、予測部236b、第1調整制御部236c、第2調整制御部236d、算出部236e、決定部236f、供給会社指示部236g、および再算出部236hとして機能する。236aおよび236cは、それぞれ第1実施形態の36aおよび36cと同様の構成である。したがって、予測部236b、第2調整制御部236d、算出部236e、決定部236f、供給会社指示部236g、および再算出部236hについて以下に説明する。
本実施形態では、例えば、午前9時5分にエネルギーにエネルギー消費量の予測を実行する。その他の点は、第1実施形態の予測部36bと同様である。
第2調整制御部236dは、エネルギー抑制要求量と後述する第2エネルギー抑制可能量の大小比較の結果に基づき、異なるエネルギー調整制御(以下、第2調整制御)を実行する。ただし、いずれの場合にも、後述する目標値をエネルギー消費量が超過しないような制御が実行される。第2調整制御は第2所定時間(候補時間帯の長さ−第1調整制御の実行される第1所定時間)実行される。
第2エネルギー抑制可能量がエネルギー抑制要求量以下の場合、すなわち、第2エネルギー抑制可能量の算出に使用した条件で、最大電力をエネルギー抑制要求量以下に低減できそうな場合には、第2エネルギー抑制可能量を目標値として、第2エネルギー抑制可能量の算出に使用した条件で抑制制御が実行される。
第2エネルギー抑制可能量がエネルギー抑制要求量よりも大きい場合、すなわち、第2エネルギー抑制可能量の算出に使用した条件では、最大電力をエネルギー抑制要求量以下に低減できない場合には、エネルギー抑制要求量を目標値として、第2条件記憶領域235hの条件を使用して抑制制御が実行される。
算出部236eは、第1エネルギー抑制可能量を算出する。第1エネルギー抑制可能量は、エネルギー抑制要求量が対象とする量である。すなわち、本実施形態では、1時間に許容される最大電力量[kWh/時間]である。これに対し、例えば、エネルギー抑制要求量が許容される最大電力であれば、第1エネルギー抑制可能量も最大電力[kW]である。また、例えば、エネルギー抑制要求量が1時間に許容される最大電力価格である場合には、第1エネルギー抑制可能量も1時間に許容される最大電力価格[円/時間]である。
ここで、pは第1エネルギー抑制可能量算出直前の電力[kW]、kはエネルギー消費量の削減率[%]を表す。
ここで、pは第1エネルギー抑制可能量算出直前の電力[kW]、kはエネルギー消費量の削減率[%]、cnは、1時間の間で時間帯毎にエネルギー単価が変動する場合の、n番目の時間帯のエネルギー単価[円/kWh]、ΔTnはn番目の時間帯の長さ[時間]である。
決定部236fは、主にエネルギー調整制御を実行するべき候補時間帯の決定と、予測エネルギー価格の計算の2つの処理を実行する。
供給会社指示部236gは、最安単価記憶領域235kに記憶されたデータを基に、時間別に最安値の電力供給会社から電力を購入するよう配電盤(図示されない)に指示を与える。
再算出部236hは、第1条件記憶領域235cに記憶された条件で、第2エネルギー抑制可能量を算出する。
図19は、制御装置230における主に候補時間帯の決定の流れを示すフローチャートである。図20は、制御装置230におけるエネルギー調整制御の処理の流れを示すフローチャートである。図19および図20に示す処理は、それぞれ独立している。以下、図19および図20を用いて、空調機40,40・・・を制御する制御装置30における処理の流れを説明する。
(4−1)
本実施形態では、エネルギーの抑制要求としてエネルギー単価を受け付ける。エネルギー抑制要求を受付直後と、その後とで、異なるエネルギー調整制御を実行する。エネルギーの抑制要求受付直後の応答性確保と、応答性確保後のエネルギー消費量抑制の目標達成とユーザの快適性の調和とが、両方とも実現されるエネルギー調整制御が容易になる。
第1実施形態に係る変形例1A、1C、1D、1E、1Fおよび1Gの要旨は、第2実施形態にも当てはまる。
2 物件
6 電源
7 電力メーター
10 管理装置
30,230 制御装置
31,231 通信部
32,232 出力部
33,233 入力部
36c,236c 第1調整制御部
36d,236d 第2調整制御部
36e,236e 算出部
36f 提示部
36i 応答性判別部
36j 第1所定期間調整部
36k 分配部
40 空調機
41 室外機
42 室内機
80a インターネット
80b 専用制御線
100,200 エネルギー管理システム
Claims (6)
- 設備機器(40)を制御する制御装置(30)であって、
前記設備機器にエネルギーを供給するエネルギー供給者の管理装置(10)から、エネルギー抑制要求量と共にエネルギーの抑制要求を受け付ける受付部(31)と、
前記抑制要求の受け付け時に、第1所定時間の間、前記設備機器のエネルギー消費量を、前記エネルギー抑制要求量以上に抑制するように、所定の強度で抑制する第1調整制御部(36c)と、
前記第1所定時間の経過後に、第2所定時間の間、前記抑制要求に応じた強度で前記エネルギー消費量を抑制する第2調整制御部(36d)と、
を備える、制御装置。 - 前記設備機器が抑制可能な第1エネルギー抑制可能量を1または複数の条件別に算出する算出部(36e)と、
前記第1エネルギー抑制可能量を前記管理装置に提示する提示部(36f)と、
をさらに備え、
前記受付部は、前記管理装置から、前記第1エネルギー抑制可能量の1つに基づく値を、前記エネルギー抑制要求量として受け付ける、
請求項1に記載の制御装置。 - 前記抑制要求の受け付け時に、受け付けた前記エネルギー抑制要求量に対応する前記第1エネルギー抑制可能量を算出した当時の前記条件を判別する判別部(36g)と、
前記判別部に判別された前記条件と同条件で第2エネルギー抑制可能量を算出する再算出部(36h)と、
前記エネルギー抑制要求量と前記第2エネルギー抑制可能量を比較し、前記エネルギー抑制要求量の方が大きい場合には、前記エネルギー抑制要求量と前記第2エネルギー抑制可能量の差の前記エネルギー消費量の抑制を、前記設備機器に割り振る分配部(36k)と、
をさらに備える、
請求項2に記載の制御装置。 - 前記第1調整制御部は、前記抑制要求直後に前記第1所定時間の中で最も強くエネルギーを抑制し、その後前記第1所定時間終了までエネルギー抑制の強度を弱める、
請求項1から3のいずれか1項に記載の制御装置。 - 前記第1調整制御部によるエネルギーの抑制の強度が、前記所定の強度に到達したかを判別する応答性判別部(36i)と、
前記応答性判別部の判別結果に基づいて、前記所定の強度に到達できる必要十分な長さに前記第1所定時間を調整する第1所定時間調整部(36j)
を更に備える、
請求項1から4のいずれか1項に記載の制御装置。 - 前記第1所定時間は10分以下である、
請求項1から5のいずれか1項に記載の制御装置。
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