JP5531231B2 - 排水配管の配管部材 - Google Patents
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Description
1.電気給湯器内部で冷水を温水に予備加熱等する際、水が加熱により膨張し、それに伴って貯留槽を溢れて排出される温排水
2.電気給湯器はその内部に温水を加熱状態のまま貯蓄する機器であるが、貯蓄した温水が使用されないまま長期間が過ぎると、衛生的な理由から一度貯蓄した水を排出して再度新しい水を貯蓄し直す。この衛生的な理由から使用されないまま排出された温排水
など、洗面台や流し台、浴槽などを介さず、電気給湯器から直接排出された排水である。
このような排水機器の排水を処理する排水配管に用いられる配管部材には、単純に内部に排水を通水させるためだけの筒状の管体から、排水トラップと呼ばれる、内部に封水と呼ばれる排水を溜めるなどして、下水側から臭気や害虫類が屋内側に侵入する事を防止する機能を備えてなる配管部材など、様々な配管部材が存在する。
このような配管部材を組み合わせてなる排水配管のレイアウトととしては、例えば特開2000−291097号にあるような排水配管がある。この特開2000−291097号にある排水配管では、フランジ部材と呼ばれる部材を用いて、排水口を備えた配管部材である排水トラップを、槽体である防水パンにつり下げ、排水トラップの排出口に筒状の管体の配管部材を接続し、更に筒状の管体の配管部材を下水側の配管に接続して排水配管を構成している。このように構成することで、槽体である防水パン上に生じた排水を、排水配管を通して下水側に排出する事ができる。
上記したように、排水配管においては、排水の流入部分である排水口を備えた配管部材から流入した排水を、排水配管を介して下水側に排出してなる。
具体的に説明すると、図20に示したように、台座部の板部分を床面の適宜な位置に固定し、次に図21に示したように、両端のボルト部にナット部材をそれぞれ1個づつ螺合させる。更に図22に示したように、一枚のホルダー部の両端の挿通孔に、台座部のボルト部を挿通させる。この時、ホルダー部の円弧部分が下向きに凸となるように配置する。するとナット部材にホルダー部の挿通孔周縁が当接して係止されるため、ホルダー部に排水配管を支持させた際に排水配管が適宜な高さ位置となるように、ナット部材の螺合を調整する。
次に図23に示したように、ホルダー部の下向きに凸となる円弧部分に排水配管の管体部分(円筒のパイプ管の部分)を支持させた上で、もう一枚のホルダー部の両端の挿通孔に、台座部のボルト部を挿通させる。この時にはホルダー部の円弧部分が上向きに凸となるようにして配置し、下側のホルダー部の円弧部分と、上側のホルダー部の円弧部分とで排水配管を挟持するようにする。更に台座部のボルト部にそれぞれナット部材を螺合させ、上下のナット部材で二枚のホルダー部を挟持するように締め付けることで、図24に示したように、床面上の任意の場所と高さ位置に、排水配管を支持固定することができる。
また、一部の配管部材、特に内部構造が複雑になり、封水などを備えるため、重量が大きく且つもっとも上流に配置される排水トラップなどの配管部材では、特開2000−291097号にあるように、フランジ部材を利用し排水機器につり下げるようにすることで、その重量を支えつつ、勾配を確保できる高い位置に配置を行うことができる。
排水配管を上水側の配管に直接接続することは、下水側の配管が逆流した場合に上水側の配管の内部を汚染する問題などがあり、規格において禁止されている。
これに対し、例えば洗面ボウルや流し台、浴槽等の槽体では、上水側の配管を一度槽体にて開放しており、その槽体に排水口を設け、排水配管を介して下水側に排出することで規格に適合した構成としている。しかし、近年増加している、ヒートポンプ式電気給湯機など一部の排水機器では、水の利用は全て機器の内部で行われており、洗面ボウルや流し台、浴槽等のように使用時に大気開放する機会が無い。このため、これらの大気開放を行わない排水機器においては、図25に示したように、使用した排水を単純に下方に向けた配管で大気側に排出するような構成となっている。そして、このようにして生じた排水を処理するため、図25及び図26に示したように、排水トラップ等、排水口を備えた配管部材を床面上に配置固定し、排水口で排水機器からの排水を受け止めて下流側の排水配管に排出する構造となっている。
このため、排水トラップを含む排水口を備えた配管部材では、管体の支持具を下流側の端部、即ち他の配管部材が接続される排出口の周囲に取り付けるか、または排水口を備えた排水配管自体には管体の支持具を取り付けず、それに接続される下流側の配管部材に取り付けるしか方法が無かった。
このような方法では、排水が行われ、排水口が排水機器から勢いよく排水を直接受ける場合、配管部材が管体の支持具を起点に振動し、排水口の位置が定まらず、適切な排水が行えなくなってしまう場合がある。特に排水口を設けた配管部材ではなく、それに接続される管体の配管部材に管体の支持具を取り付けた場合、排水機器からの排水の勢いや自重、また封水の重量などを支えることができず、排水口の部分が大きく振動し、排水が散乱して周囲に排水が飛び散る、等の問題があった。
このような問題を解決するため、実開平6−60671には配管の高さ位置の調整のためのネジ部材を備えた排水配管である排水トラップ(以下、「レベル調整トラップ」と呼ぶ)が提案されている。この「レベル調整トラップ」によれば、排水口を備えた配管部材である排水トラップを、床面に対して適切な高さ位置に支持することができる。
問題点1.レベル調整トラップの支持はネジ部材1点にて行うため、配管の方向に対して側面方向に加重が加えられると、配管部材が傾斜したり転倒したりする。また、床面上にネジ部材を固定する訳ではないため、前述したような、排水口を備えた配管部材が振動する、と言った問題を解決することもできない。
問題点2.排水配管のレイアウトによって、排水口を備えた配管部材が取り付けられる高さ位置はまちまちであり、必要に応じて低くしたり高くしたりする必要がある。例えばレベル調整トラップを高い位置に配置する必要がある場合に、ネジ部材の長さが短ければ、必要な高さにレベル調整トラップを配置できない場合がある。しかし、どの様な高さにも対応できるように、ネジ部材を極めて長いものにすると、逆にレベル調整トラップの上方にネジ部材の先端が突出し、他の排水機器に干渉して配管することができなくなる場合もある。何種類かの長さのネジ部材を用意すればこの問題を解決できるが、その場合、使用されなかったネジは全て無駄となる。レベル調整トラップのネジ部材は部材に付属された専用のものの為、この余ったネジ部材は他に利用することができず、全て無駄になる。また、不要なネジ部材を同梱することは当然ながら部材のコストアップを生じる。
問題点3.作業中にレベル調整トラップのネジ部材を紛失などしたり、破損してしまった場合、レベル調整トラップのネジ部材は部材に付属された専用のものの為、レベル調整トラップ全体が利用することができなくなる。
本発明は上記問題点を解消するために考案されたものであり、洗面台、流し台、浴槽等、他にヒートポンプ式電気給湯機また電気温水器など、使用により排水を生じる機器の排水を行う排水配管の内、排水口を備えた配管部材において、位置決めして配置固定を容易にする方法を提供するものである。
上方を向いた排水口1を備えた配管部材の、排水が通過する通水路を成す管体以外の部分に、配管部材の外側方向に延設されたリブ片2aから成る支持具用保持部2を備え、
当該支持具用保持部2は、規格寸法の管体を挟持するホルダー部6aを備えた支持具6によって支持可能な形状に構成されていることを特徴とする、排水配管の配管部材である。
請求項2に記載の発明では、複数枚のリブ片が軸方向視一点で交差することにより、リブ片からなる支持具用保持部が撓みにくくなり、排水配管の支持性能が向上する。
請求項3に記載の発明では、位置決め用のガイド部を設けたことで、管体の支持具に対して位置ずれが生じにくくすることができる。
請求項4に記載の発明では、支持具用保持部が、平面視、排水口を挟んで排出口の反対方向に配置されてなることで、支持具用保持部側と排出口側とで配管部材を支持することができ、排水口に排水が勢いよく流れ込んだ場合等でも、排水口を備えた配管部材が振動しにくく、また振動しても振り幅を小さくしたりすることができる。
上記した本発明の支持具用保持部の構成は、請求項5に記載のように、封水部に排水を溜めることで重量が大きくなり、傾斜や脱落の可能性が大きい排水トラップに特に好適に作用する。
また、上記した本発明の支持具用保持部の構成は、つり下げ式で配管部材を支持できない排水機器、たとえば請求項6に記載したヒートポンプ式電気給湯機に用いられる排水口を備えた配管部材等に好適である。
図1に示した本発明の第一実施例の排水配管は、排水機器であるヒートポンプ式電気給湯機Hとその排水配管を示すものであって、排水口1を備えた配管部材であるエルボ管5、同じく配管部材であるパイプ管P、曲がり継手L、及びこれらを任意の高さに支持固定する複数設けられた管体の支持具6、等の各部材より構成されてなる。以下に各部材の構造を記す。
図2乃至図5に示したエルボ管5は、円筒状の管体を90度屈曲させた、硬質塩ビ素材などの樹脂素材からなる部材であって、上流側端部にはヒートポンプ式電気給湯機Hからの排水を受ける排水口1を、下流側端部にはパイプ管Pを接続するためのソケット部7を有した排出口3を、それぞれ設けてなる。また、排水口1の周囲に、排水を受けるための、凹状に窪みを設けた水受けパン部8を備えてなる。更に、平面視排水口1を挟んで排出口3の反対となる位置であって管体の外側面(即ち排水が通過する通水路以外の部分)に、図4に示したような、軸方向視略十字形状をなすリブ片2aからなる支持具用保持部2を備えてなる。この支持具用保持部2はエルボ管5の樹脂と一体に成型されてなり、リブ片2aの水平方向また垂直方向の幅は、ソケット部7に接続されるパイプ管Pの直径とほぼ等しい幅を形成してなる。
その結果、支持具用保持部2は、次の要件1、要件2の両方を満たし、その軸方向において、規格寸法の管体の外径に相当する形状を形成する。
要件1.図4の支持具用保持部2の軸方向視図において示したように、軸方向視支持具用保持部2が、規格寸法の管体の外周を示す仮想円に複数箇所で内接し、仮想円から突出する部分もない。
要件2.規格寸法の管体の外周を示す仮想円を、、中心を通る直径によって二等分したとき、支持具用保持部2のリブ片2aの外周側の端部が、どの様な直径の取り方を行っても、必ず両方の領域に存在する。
また上記リブ片2aの内、軸方向視上下方向に向いて設けられたリブ片2aの両端(上端及び下端)には、ソケット部7に接続されるパイプ管Pの外径形状にほぼ等しい円弧形状を成すガイド部2bを形成してなる。
パイプ管Pは、略円筒形状に成型された、長尺の樹脂管である。
曲がり継手Lは、円筒状の管体を90度屈曲させ、その両端にパイプ管Pを接続するためのソケット部7を備えた部材であって、硬質塩ビ等の樹脂素材からなり、排水配管を屈曲させて配置する場合に利用される。
管体の支持具6は、以下に記載したホルダー部6a及び台座部6cと、から構成されてなり、必要に応じて複数個用意される。またその種類も、高い高さ位置に配置できるものなど、必要に応じて用意するものとする。
ホルダー部6aは金属の板材などを略Ω形状に屈曲させ、両端側に後述する台座部6cのボルト部6eを挿通する挿通孔6bを備えてなる。該ホルダー部6aの中央の円弧部分の内径は、支持する管体(本実施例ではパイプ管P)の外径形とほぼ同じか若干大径に形成される。
台座部6cは金属製の板部分6dの両端近傍に垂直に立ち上がる雄ネジを設けたボルト部6eをそれぞれ設けた部材であって、板部分6dをネジ又は釘などで施工現場の任意の床面に固定できるように構成されてなる。また、上記ボルト部6e分の雄ネジに螺合する雌ネジを備えたナット部材6fを管体の支持具61台当たり4個ずつ備えてなる。
また上記排水配管を利用する電気給湯機Hは、いわゆるヒートポンプ式電気給湯器と呼ばれる電気給湯器である。これは夜間の電気代が安価な時に、内部に貯水した冷水を電気で加熱して温水化し、昼間にそのようにして用意した温水を利用する電気給湯器である。このように構成することで、リアルタイムに冷水を温水化する給湯器より安価に温水を利用する事ができる。形状としては例えば略箱体形状を有する本体部分と、該本体部分の下方に、床面上に箱体を支持する為の脚部、及び排水を排出するための吐出口H1を備えてなる。この吐出口H1から吐出される排水は、上記したように内部に冷水を貯水して、それを加熱・温水化した上で保存する構成に由来するものであり、具体的には以下の1.、2.のような理由により生じた、洗面台や流し台、浴槽などを介さない排水である。
1.電気給湯器内部で冷水を温水に予備加熱等する際、水が加熱により膨張する。この膨張の結果貯留槽に収まり切らなくなり、溢れた分の温排水。
2.貯蓄した温水が使用されないまま長期間が過ぎると、衛生的な理由から一度貯蓄した水を排出して再度新しい水を貯蓄し直す。この衛生的な理由から使用されないまま排出された温排水。
またこれらの排水配管は、配管接続部を備えた横排水主管D1に接続され、横排水主管D1に接続された縦排水主管D2から下水側に排出される。横排水主管D1及び縦排水主管D2は、排水配管の施工開始時において、既に施工が完了しているものとする。
まず床面上に設置された電気給湯器の吐水口と、下水側の配管の端部の位置に併せて配管レイアウトを決定し、それに対応した長さにパイプ管Pを切断し、また曲がり管を用意する。次に決定した配管レイアウトに併せて、エルボ管5、パイプ管P、曲がり継手Lを接着にて水密的且つ固定的に接続する。この場合、接続を行う際は、エルボ管5又は曲がり継手Lのソケット部7に、接着剤を塗布したパイプ管Pを差し込み、水密的且つ固定的に接続する。特にエルボ管5は、排水口1が上方を向き、給湯器の吐水口にと向かい合う方向に接続固定する。更に排水配管の下流側端部を横排水主管D1の配管接続部に接着にて接続固定する。
このようにして各部を接続した排水配管のパイプ管P部分を、管体の支持具6にて支持固定する。具体的には、段落0003に記載したように、台座部6cの板部分6dを床面の適宜な位置に固定し、次に両端のボルト部6eにナット部材6fをそれぞれ1個づつ螺合させる。更に一枚のホルダー部6aの両端の挿通孔6bに、台座部6cのボルト部6eを挿通させる。この時、ホルダー部6aの円弧部分が下向きに凸となるように配置する。するとナット部材6fにホルダー部6aの挿通孔6b周縁が当接して係止されるため、ホルダー部6aに排水配管を支持させた際に排水配管が適宜な高さ位置となるように、ナット部材6fの螺合を調整する。
次にホルダー部6aの下向きに凸となる円弧部分に排水配管の管体部分(円筒のパイプ管Pの部分)を支持させた上で、もう一枚のホルダー部6aの両端の挿通孔6bに、台座部6cのボルト部6eを挿通させる。この時にはホルダー部6aの円弧部分が上向きに凸となるようにして配置し、下側のホルダー部6aの円弧部分と、上側のホルダー部6aの円弧部分とで排水配管を挟持するようにする。更に台座部6cのボルト部6eにそれぞれナット部材6fを螺合させ、上下のナット部材6fで二枚のホルダー部6aを挟持するように締め付けることで、床面上の任意の場所と高さ位置に、排水配管を支持固定することができる。
同様の方法で、1メートル乃至2メートル間隔にて排水配管の複数箇所を管体の支持具6により支持固定し、排水配管全体に、排水口1から横排水主管D1に向かって1/50程度の適切な下り勾配となるような傾斜を設定して配管固定する。
更に、エルボ管5の支持具用保持部2をパイプ管Pの代わりとして、管体の支持具6にエルボ管5を支持固定させる。
具体的には、図6に示したように、台座部6cの板部分6dを床面の適宜な位置に固定し、次に両端のボルト部6eにナット部材6fをそれぞれ1個づつ螺合させる。次に、一枚のホルダー部6aの両端の挿通孔6bに、台座部6cのボルト部6eを挿通させる。この時、ホルダー部6aの円弧部分が下向きに凸となるように配置する。するとナット部材6fにホルダー部6aの挿通孔6b周縁が当接して係止されるため、ホルダー部6aに排水配管を支持させた際に排水配管が適宜な高さ位置となるように、ナット部材6fの螺合を調整する。更に、図7に示したように、下向きに凸となったホルダー部6aの円弧部分に、エルボ管5の支持具用保持部2を載架させる。エルボ管5の支持具用保持部2は、軸方向視略十字形状をなすリブ片2aから構成されており、またリブ片2aの水平方向また垂直方向の幅は、ソケット部7に接続されるパイプ管Pの直径とほぼ等しい幅を形成してなる。このため、ホルダー部6aの円弧形状の部分に対して、リブ片2aは軸方向視、規格寸法の外径を有するパイプ管Pと、ほぼ等しい外径を持つ管体として機能する。
更に上下方向に向いて設けられたリブ片2aの上端及び下端には、パイプ管Pの外径形状にほぼ等しい円弧形状を成すガイド部2bを形成してなる。単純に板状のリブ片2aの端部がホルダー部6aの円弧部分に当接するよりも、本実施例のようにガイド部2bを設けてホルダー部6aの円弧に当接するように構成した方が、円弧と円弧が合致することで好適な位置あわせを行うことができる。
この後、もう一枚のホルダー部6aの両端の挿通孔6bに、台座部6cのボルト部6eを挿通させる。この時にはホルダー部6aの円弧部分が上向きに凸となるようにして配置し、下側のホルダー部6aの円弧部分と、上側のホルダー部6aの円弧部分とで支持具用保持部2を挟持するようにする。更に台座部6cのボルト部6eにそれぞれナット部材6fを螺合させ、上下のナット部材6fで二枚のホルダー部6aを挟持するように締め付けることで、図8に示したように、エルボ管5を床面上に管体の支持具6を利用して固定することができ、本発明の排水配管の施工作業が完了する。
また、本実施例では、平面視排水配管の中心軸を中心として対称形状に幅の広い(少なくとも管体よりも幅広)な台座部6cを有した管体の支持具6を利用してなるため、従来のレベル調整トラップを採用した排水配管のように、側面方向にエルボ管5が転倒することがない。側面方向に転倒しない、と言う効果自体は管体の支持具6の構成により生じる効果ではあるが、支持具用保持部2を備えることで、従来よりある様々な管体の支持具6の中から、側面方向に倒れにくい管体の支持具6など、目的に併せて必要な機能を有した管体の支持具6を選択できるようになった事で生じる効果でもあり、エルボ管5に支持部材用保持部を備えた事による効果であると言える。
また、同様に、支持具用保持部2を備えたことで、必要な高さに設定できる管体の支持具6を用意することが容易であったり、管体の支持具6を破損してしまっても代わりを用意することが容易で且つエルボ管5は交換しなくても良いなどの効果を得ることができる。また使用しなかった余分の管体の支持具6は別途別の配管作業を行うときに利用でき無駄がない。
排水トラップ4は、ABSなどの樹脂素材からなる部材であって、トラップ本体9cと防臭筒部材10と、から構成され、使用時その内部に封水と呼ばれる排水の溜まり部分を形成することで、下水側からの臭気や害虫類の逆流を防止する部材である。
トラップ本体9cは、有底筒状にして上方が開口し、下方に封水部9bを形成するトラップ本体9c部と、トラップ本体9c部の側面に設けられた、パイプ管Pを接続するためのソケット部7を有した排出口3と、該トラップ本体9c部とソケット部7及び排出口3とを隔てて封水の水位を確保する封水壁9cと、をそれぞれ設けてなる。更に、平面視排水口1を挟んで排出口3の反対となる位置であってトラップ本体9cの外側面(即ち排水が通過する通水路以外の部分)に、図12に示したような、軸方向視略十字形状をなすリブ片2aからなる支持具用保持部2を備えてなる。この支持具用保持部2はトラップ本体9cの樹脂と一体に成型されてなり、リブ片2aの水平方向また垂直方向の幅は、ソケット部7に接続されるパイプ管Pの直径とほぼ等しい幅を形成してなる。
その結果、支持具用保持部2は、次の要件1、要件2の両方を満たし、その軸方向において、規格寸法の管体の外径に相当する形状を形成する。
要件1.図12の支持具用保持部2の軸方向視図において示したように、軸方向視支持具用保持部2が、規格寸法の管体の外周を示す仮想円に複数箇所で内接し、仮想円から突出する部分もない。
要件2.規格寸法の管体の外周を示す仮想円を、中心を通る直径によって二等分したとき、支持具用保持部2のリブ片2aの外周側の端部が、どの様な直径の取り方を行っても、必ず両方の領域に存在する。
また上記リブ片2aの内、軸方向視上下方向に向いて設けられたリブ片2aの両端(上端及び下端)には、ソケット部7に接続されるパイプ管Pの外径形状にほぼ等しい円弧形状を成すガイド部2bを形成してなる。
防臭筒部材10は、略円筒形状の部材であって、施工完了時、円筒部分の下端は封水部9b内に配置される。また、円筒部分の上端の周縁から側面方向に向かって、施工完了時トラップ本体9cの上方の開口周縁と水密的に接続されるフランジ部10aが備えられてなり、この施工完了時、上端の開口がヒートポンプ式電気給湯機Hからの排水を受ける排水口1を形成する(当然ながら、排水口1は上向きに形成されてなる)。また、フランジ部10aはトラップ本体9cの開口部の上縁よりも低い高さ位置で水密的に接続されるため、排水口1の周囲に、排水を受けるための凹状の窪み部分が形成される。
パイプ管P、曲がり継手L、管体の支持具6、及びこれらによって構成される排水配管を利用するヒートポンプ式電気給湯機Hは、段落0016に記載された各部材と同様に構成されてなる。
またこれらの排水配管は、やはり段落0016と同様に、配管接続部を備えた横排水主管D1に接続され、横排水主管D1に接続された縦排水主管D2から下水側に排出される。横排水主管D1及び縦排水主管D2は、排水配管の施工開始時において、既に施工が完了しているものとする。
まず床面上に設置された電気給湯器の吐水口と、下水側の配管の端部の位置に併せて配管レイアウトを決定し、それに対応した長さにパイプ管Pを切断し、また曲がり管を用意する。次に決定した配管レイアウトに併せて、排水トラップ4、パイプ管P、曲がり継手Lを接着にて水密的且つ固定的に接続する。この場合、接続を行う際は、排水トラップ4又は曲がり継手Lのソケット部7に、接着剤を塗布したパイプ管Pを差し込み、水密的且つ固定的に接続する。特に排水トラップ4は、排水配管の配置を行う前に、排水トラップ4のトラップ本体9cの開口に防臭筒部材10を接続しておき、その上で排水口1が上方を向き、給湯器の吐水口にと向かい合う方向に接続固定する。更に排水配管の下流側端部を横排水主管D1の配管接続部に接着にて接続固定する。
このようにして各部を接続した排水配管のパイプ管P部分を、管体の支持具6にて支持固定する。この第二実施例におけるパイプ管Pに対する管体の支持具6の具体的な支持固定方法、取付間隔、勾配の設定方法などは、段落0017に記載された第一実施例におけるパイプ管Pに対する管体の支持具6の具体的な支持固定方法、取付間隔、勾配の設定方法などと同様である。更に、排水トラップ4の支持具用保持部2をパイプ管Pの代わりとして、管体の支持具6にエルボ管5を支持固定させる。
具体的には、図14に示したように、台座部6cの板部分6dを床面の適宜な位置に固定し、次に両端のボルト部6eにナット部材6fをそれぞれ1個づつ螺合させる。更に一枚のホルダー部6aの両端の挿通孔6bに、台座部6cのボルト部6eを挿通させる。この時、ホルダー部6aの円弧部分が下向きに凸となるように配置する。するとナット部材6fにホルダー部6aの挿通孔6b周縁が当接して係止されるため、ホルダー部6aに排水配管を支持させた際に排水配管が適宜な高さ位置となるように、ナット部材6fの螺合を調整する。更に、図15に示したように、下向きに凸となったホルダー部6aの円弧部分に、排水トラップ4の支持具用保持部2を載架させる。エルボ管5の支持具用保持部2は、軸方向視略十字形状をなすリブ片2aから構成されており、またリブ片2aの水平方向また垂直方向の幅は、ソケット部7に接続されるパイプ管Pの直径とほぼ等しい幅を形成してなる。このため、ホルダー部6aの円弧形状の部分に対して、リブ片2aは軸方向視、規格寸法の外径を有するパイプ管Pと、ほぼ等しい外径を持つ管体として機能する。
更に上下方向に向いて設けられたリブ片2aの上端及び下端には、パイプ管Pの外径形状にほぼ等しい円弧形状を成すガイド部2bを形成してなる。単純に板状のリブ片2aの端部がホルダー部6aの円弧部分に当接するよりも、本実施例のようにガイド部2bを設けてホルダー部6aの円弧に当接するように構成した方が、円弧と円弧が合致することで好適な位置あわせを行うことができる。
この後、もう一枚のホルダー部6aの両端の挿通孔6bに、台座部6cのボルト部6eを挿通させる。この時にはホルダー部6aの円弧部分が上向きに凸となるようにして配置し、下側のホルダー部6aの円弧部分と、上側のホルダー部6aの円弧部分とで支持具用保持部2を挟持するようにする。更に台座部6cのボルト部6eにそれぞれナット部材6fを螺合させ、上下のナット部材6fで二枚のホルダー部6aを挟持するように締め付けることで、図16に示したように、排水トラップ4をエルボ管5を床面上に管体の支持具6を利用して固定することができ、本発明の排水配管の施工作業が完了する。
また、上記のように排水が流れることで、排水トラップ4内部の封水部9bには封水が形成されてなる。この封水によって排水トラップ4内部の排水の流路が水封(排水の流路が排水で満水となり通気できない状態)され、下水側からの臭気や害虫類が排水口1に逆流することを防止することができる。
また、段落0022に記載したように、排水トラップ4の内部には封水と呼ばれる排水溜まりを形成してなるため、その分恒常的に加重が加わることとなるが、この加重に対しても、平面視排水口1をはさんで支持具用保持部2と排出口3近傍のパイプ管Pに取り付けられた管体の支持具6を利用して支持するため、パイプ管P等に作用する応力を減少させ、管体の破損の可能性を削減することができる。
また、本実施例では、平面視排水配管の中心軸を中心として対称形状に幅の広い(少なくとも管体よりも幅広)な台座部6cを有した管体の支持具6を利用してなるため、従来のレベル調整トラップを採用した排水配管のように、側面方向に排水トラップ4が転倒することがない。側面方向に転倒しない、と言う効果自体は管体の支持具6の構成により生じる効果ではあるが、支持具用保持部2を備えることで、従来よりある様々な管体の支持具6の中から、側面方向に倒れにくい管体の支持具6など、目的に併せて必要な機能を有した管体の支持具6を選択できるようになった事で生じる効果でもあり、排水トラップ4に支持部材用保持部を備えた事による効果であると言える。
また、同様に、支持具用保持部2を備えたことで、必要な高さに設定できる管体の支持具6を用意することが容易であったり、管体の支持具6を破損してしまっても代わりを用意することが容易で且つ排水トラップ4は交換しなくても良いなどの効果を得ることができる。また使用しなかった余分の管体の支持具6は別途別の配管作業を行うときに利用でき無駄がない。
例えば、上記実施例では、支持具用保持部2のリブ片2aは、支持具用保持部2の軸方向視十字形状に構成されてなるが、例えば図17に示したように放射状形状にしたり、図18に示したように四角形形状、また図19に示したように三角形形状としても構わない。もちろん、図17乃至図19の各実施例でも、図17乃至図19の(b)の支持具用保持部2の軸方向視図において示したように、次の要件1、要件2の両方を満たす形状に形成されている。
要件1.図17乃至図19の(b)の支持具用保持部の軸方向視図において示したように、軸方向視支持具用保持部2が、規格寸法の管体の外周を示す仮想円に複数箇所で内接し、仮想円から突出する部分もない。
要件2.規格寸法の管体の外周を示す仮想円を、直径によって二等分したとき、支持具用保持部2のリブ片2aの外周側の端部が、どの様な直径の取り方を行っても、必ず両方の領域に存在する。
これにより、図17乃至図19の各実施例でも、支持具用保持部2は、その軸方向において、規格寸法の管体の外径に相当する形状を形成する。
尚、複数のリブ片2aを組み合わせる場合、第一実施例・第二実施例の十字形状や図17に示した放射状形状のように、数枚のリブ片2aが軸方向視一点で交差するように構成すると、リブ片2aから成る支持具用保持部2が撓みにくくなり、排水配管の支持性能が向上して好適である。
2a リブ片 2b ガイド部
3 排出口 4 排水トラップ
5 エルボ管 6 管体の支持具
6a ホルダー部 6b 挿通孔
6c 台座部 6d 板部分
6e ボルト部 6f ナット部材
7 ソケット部 8 水受けパン部
9a トラップ本体 9b 封水部
9c 封水壁 10 防臭筒部材
10a フランジ部 D1 横排水主管
D2 縦排水主管 H 電気給湯機
H1 吐出口H O 規格寸法の管体の外周を示す仮想円
P パイプ管 L 曲がり継手
Claims (6)
- 排水機器の排水を処理する排水配管の配管部材において、
上方を向いた排水口1を備えた配管部材の、排水が通過する通水路を成す管体以外の部分に、配管部材の外側方向に延設されたリブ片2aから成る支持具用保持部2を備え、
当該支持具用保持部2は、規格寸法の管体を挟持するホルダー部6aを備えた支持具6によって支持可能な形状に構成されていることを特徴とする、排水配管の配管部材。 - 上記支持具用保持部2のリブ片2aを板状として複数枚備えると共に、該複数枚のリブ片2aが軸方向視一点で交差することを特徴とする、請求項1に記載の排水配管の配管部材。
- 上記支持具用保持部2のリブ片2aの軸方向視端部に、位置決め用のガイド部2bを備えたことを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の排水配管の配管部材。
- 上記配管部材が、側面方向に排水を排出する排出口3を備えると共に、
上記支持具用保持部2が、平面視、排水口1を挟んで排出口3の反対方向に配置されてなることを特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載の排水配管の配管部材。 - 上記支持具用保持部2を備えた配管部材が、下水側からの臭気や害虫類の逆流を防止する排水トラップ4であることを特徴とする、請求項1乃至請求項4のいずれか1つに記載の排水配管の配管部材。
- 前記排水機器の排水配管が、電気給湯機Hに用いられることを特徴とする前記請求項1乃至請求項5のいずれか1つに記載の排水配管の配管部材。
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