JP5530443B2 - ウェブ延伸方法及び位相差フィルムの製造方法 - Google Patents

ウェブ延伸方法及び位相差フィルムの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、熱可塑性樹脂フィルムなどのウェブフィルム状の物体(以下ウェブと称する)の延伸方法に係り、このウェブ延伸方法に基づいた液晶表示装置に好適な位相差フィルムの製造方法に関する。
液晶表示装置等の光学機器では、熱可塑性樹脂フィルムからなる位相差フィルムが用いられている。この位相差フィルムは、通常、縦(長手)方向、横(幅)方向に延伸することによって、面内レターデーション(Re)、厚み方向のレターデーション(Rth)を発現させ、このレターデーションの発現によって液晶表示装置の視野角拡大を図ることが実施されている。
位相差フィルムを延伸する際における縦方向の延伸としては、特許文献1に記載されているように、周速度の異なる搬送ガイド(ニップロール)の間に加熱室を設置した長スパン型の縦延伸方法が広く知られている。
一方、位相差フィルムの搬送方法に関しては、通常は搬送ガイドを介して加熱室内に搬送され、この加熱室内でも適宜設置される搬送ガイドを介して搬送される。このときフィルム延伸時のフィルム幅を調整し、搬送ガイド間の加熱室内に設けられる搬送ガイド(パスロール)へのフィルムの密着による剥離点のばらつきを防ぐことが必要になるが、例えば特許文献2のように、搬送ガイドから空気を噴出して当該搬送ガイドからの剥離を容易にする方法も知られている。
特開2008−221722号公報 特開平9−76343号公報
しかしながら上記従来の技術では以下に示す課題があった。
すなわち上記特許文献1に記載の技術では、フィルムの移動方向に向けて長い加熱室が必要となり、設備を設けることが困難な場合がある。また、実際の製造においても、フィルムの移動方向に樹脂が長くなる分、樹脂の自重により撓みが生じてしまい精度の良い延伸が困難となる。
このような問題点に対しては、例えば上記特許文献2に記載の技術を用いて加熱室内で搬送ガイドによりフィルムの方向を変えることで、加熱室内におけるフィルムの移動方向に対する長さを短くし、これにより樹脂の撓みを防止することも考えられる。
しかしながら上記特許文献2に記載の技術では、あくまでも樹脂は搬送ガイド等に接して搬送されるため、たとえ空気の吐出によりフィルムの剥離が容易になったとしても樹脂の表面にシワや擦り疵が発生する場合がある。そのため、幅方向でのフィルム張力のばらつき、シワや擦り疵の発生など種々の問題が生じてしまう。
本発明はこのような課題を解決するものであり、加熱室内においてフィルムの移動方向における長さを短くしつつ、且つ、幅方向でのフィルム張力のばらつきや擦り疵等のないウェブ延伸方法および位相差フィルムの製造方法を提供することを目的とする。
(1)上記課題を解決するため、本発明のウェブ延伸方法は、少なくとも一つの搬送ガイドを有する加熱室内において、ウェブを延伸可能な温度で加熱しながら前記搬送ガイドを介して移動させ、前記ウェブの移動方向に延伸するウェブ延伸方法であって、前記搬送ガイドの表面に形成された流体吐出孔から流体を吐出して前記搬送ガイドの表面に流体層を形成し、前記加熱室内にて前記ウェブが前記流体層上を移動することによって前記搬送ガイドに前記ウェブが接触することなく前記ウェブの移動方向を変化させることを特徴とする。
(2)本発明のウェブ延伸方法は、上記(1)において、前記搬送ガイドの表面に複数の流体吐出孔が形成され、前記搬送ガイドの内部に前記流体吐出孔に通ずる導入流路が形成され、前記複数の流体吐出孔から吐出される前記流体によって前記流体層を形成することを特徴とする。
(3)本発明のウェブ延伸方法は、上記(1)又は(2)において、前記流体吐出孔は前記ウェブの移動方向と該方向に直交する直交方向に向けて複数設けられており、前記移動方向において隣り合う2つの前記流体吐出孔が結ぶ仮想線が前記移動方向と交わるように、前記2つの流体吐出孔が配置されていることを特徴とする。
(4)本発明のウェブ延伸方法は、上記(1)乃至(3)のいずれかにおいて、前記搬送ガイドは加熱室内において複数配置され、前記複数の搬送ガイドのうち、前記ウェブがその鉛直上側を通過する搬送ガイドから吐出される前記流体の吐出量は、前記ウェブがその鉛直下側を通過する搬送ガイドから吐出される前記流体の吐出量よりも多いことを特徴とする。
(5)本発明のウェブ延伸方法は、上記(1)乃至(4)のいずれかにおいて、前記延伸可能な温度が、前記ウェブのガラス転移点以上の温度であることを特徴とする。
(6)本発明のウェブ延伸方法は、上記(1)乃至(5)のいずれかにおいて、前記流体吐出孔から吐出される流体の温度が、前記加熱室内と同じ温度であることを特徴とする。
(7)本発明の位相差フィルムの製造方法は、上記(1)乃至(6)のいずれかに記載のウェブ延伸方法を利用して位相差フィルムを延伸することを特徴とする。
本発明によれば、加熱室内でウェブを方向転換させない場合と比べて、加熱室におけるウェブの移動方向の長さを短くすることが可能となり、且つ、延伸するウェブは加熱室内では搬送ガイドから非接触の状態で搬送することができる。これによりウェブの幅方向でのフィルム張力のばらつき、シワや擦り疵の発生などの問題を生じることがなく、均一にウェブを延伸することが実現できる。
実施例1に関する加熱室の構造およびウェブ搬送機構を示す説明図である。 実施例1に係る搬送ガイドの斜視図である。 実施例1に係る搬送ガイドの断面を示す模式図である。 搬送ガイドの表面に形成される流体吐出孔の配置を示す展開図である。 実施例2に関する加熱室の構造およびウェブ搬送機構を示す説明図である。 実施例3に関する加熱室の構造およびウェブ搬送機構を示す説明図である。
本発明の好適な実施形態では、ウェブを延伸する際に、少なくとも一つの搬送ガイドを加熱室内に配置し、加熱室の入口および出口の各々に設けられた入口側ロールと出口側ロールの駆動によってウェブは加熱室へ搬送される。加熱室内では、ウェブは当該ウェブのガラス転移点以上の温度で加熱されながら搬送ガイドを介して移動する。この際、搬送ガイドの表面に形成された流体吐出孔から流体を吐出して搬送ガイドの表面に流体層を形成する。少なくとも加熱室内においてウェブはこの流体層上を移動することにより、搬送ガイドにウェブが接触することなくウェブの移動方向を変化させる。
ウェブは、延伸処理することによって複屈折性を示す熱可塑性樹脂フィルムが好適であり、例えばセルロース系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリロニトリル系樹脂、オレフィン系樹脂、ポリメタクリル酸メチル系樹脂、ポリサルホン系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリエーテルサルホン系樹脂、ポリノルボルネン系樹脂等が挙げられる。
加熱室は加熱空間を備えており、この加熱空間は加熱温調された気体を循環させた加熱炉、液体を循環させた加熱タンクなどがある。また、加熱室には入口と出口が形成され、この入口からウェブが加熱室へ搬送され、所定の温度で熱された後に出口から排出される。加熱室の大きさは、搬送されるウェブの形状や大きさにより適宜設定されるので特に限定はされない。
ウェブの搬送に際しては、入口側ロールと出口側ロールとの周速差によりウェブを搬送して延伸を行う。すなわち、入口側ロールよりも出口側ロールの周速を速めることにより、ウェブが出口側ロールに向けた移動方向に引っ張られた状態となり、ウェブの延伸が可能となる。
入口側ロールと出口側ロールは金属製のものが好ましく使用されるが、金属に限らず加熱室の温度に対して耐熱性を有していれば、強化プラスチックなど他の公知の部材を用いてもよい。ロールの形状や径も、ウェブの搬送に支障がでない範囲であれば、円筒状に限らず楕円形状など他の形状としてもよいし、その径も適宜設定可能である。
搬送ガイドは、長尺円柱状の形状を有してその上面がいわゆる蒲鉾型の円筒曲面状のウェブ浮上面を備えており、そのウェブ浮上面に所定配置で設けられた多数の流体吐出孔から圧縮空気や処理ガスなどの気体や、水溶液や処理液、水などの液体からなる流体を吐出して、ウェブを浮上させて搬送することができる。
また、搬送ガイドのウェブ浮上面の形状は、板状部材を放射状に組み合わせたときの端面の形状により、ストレートの円筒型とする場合の他、中央部が盛り上がった太鼓型(凸状)とする場合、逆に中央部がへこんで両端が盛り上がった鼓型(凹状)とする場合、など種々の形状が考えられる。太鼓型や鼓型にすると搬送中におけるウェブの皺取り効果が期待できる。
なお搬送ガイドはウェブの搬送距離に応じて複数配置してもよい。
本発明においては、前記搬送ガイドの表面には複数の流体吐出孔が形成されるとともに、その内部には流体吐出孔から吐出される流体の導入流路を有している。この流体吐出孔より流体が吐出されて搬送ガイドの表面に流体層が形成されるので、ウェブは搬送ガイドに直接接触することがなく、張力のばらつき、シワや擦り疵の発生などを抑制し、均一にウェブを延伸することが可能となる。
搬送ガイドの表面に形成される流体吐出孔は、ウェブの移動方向と該方向に直行する方向に向けて複数設けられる。流体吐出孔の形状は四角形であるが、他の多角形や円等でもよい。
搬送ガイドの表面に形成される複数の流体吐出孔の配置は特に制限はない。
例えば、ウェブの移動方向、および/又は該移動方向に直交する直交方向に沿って整列した配置とすることや、直交からずれた配置とすることも可能である。
直交からずれた配置としては、例えばウェブの移動方向において隣り合う2つの流体吐出孔が結ぶ仮想線が、この移動方向と例えば5乃至30度の角度で交わるようにずれた位置に配置されていてもよい。
言い換えると、ウェブの移動方向に対して隣り合う孔の位置関係を、直交方向に関して互いに所定の間隔だけずらして配置してもよい。
搬送ガイドの表面に形成された流体吐出孔から、所定の圧力にて流体が吐出され流体層が形成される。この場合、吐出される流体は、ウェブのガラス転移点以上の温度まで加熱されてから吐出されることが好ましい。すなわち、ウェブを延伸するために、流体層もガラス転移点以上の温度まで加熱しておくことが必要である。
流体吐出孔より吐出される流体の種類に限定はないが、圧縮空気や処理ガスなどの気体や、水溶液や処理液、水などの液体からなる流体が例示される。
また、搬送ガイド上に形成される流体層の厚さ(ウェブの浮上量とほぼ等しい)は、ウェブが搬送ガイドに接触しない範囲で適宜設定可能であるが、例えば2mm以内を目安に設定される。
なお、搬送ガイドが加熱室に複数配置される場合には、複数の搬送ガイドのうち、ウェブが鉛直上側を通過する搬送ガイドから吐出される流体の吐出量は、ウェブが鉛直下側を通過する搬送ガイドから吐出される流体の吐出量よりも多いことが望ましい。鉛直上側をウェブが通過する場合には、重力の影響で鉛直下側を通過するに比してより搬送ガイドに接触しやすい。したがって、少なくとも鉛直上側をウェブが通過する搬送ガイドの流体層を相対的に厚くすることにより、搬送ガイドへウェブが接触することを抑制できる。
本実施の形態では、上述したウェブの延伸方法は、位相差フィルムの製造にとくに好適である。すなわち上記したいずれかに記載のウェブの延伸方法を適用して位相差フィルムを延伸することにより、フィルム張力のばらつきやシワのない均一な位相差フィルムを製造することができる。
以下、本発明を適用したウェブ延伸方法および位相差フィルムの製造方法に係る実施例について図を参照しながら説明する。本実施例では位相差フィルムを製造するに際し、その材料となるウェブに対して本発明のウェブ延伸方法を利用する態様を説明するものである。
図1は、実施例1に関する加熱室の構造およびウェブ浮上搬送装置を示す説明図であり、図2(a)は、実施例1に係る搬送ガイドの斜視図であり、図2(b)は搬送ガイドの断面を示す模式図であり、図3は搬送ガイドの表面に形成される流体吐出孔の配置を示す展開図であり、図4は、実施例2に関する加熱室の構造およびウェブ浮上搬送装置を示す説明図であり、図5は実施例3に関する加熱室の構造およびウェブ浮上搬送装置を示す説明図である。
<実施例1>
図1に示す装置は、いわゆる縦一軸延伸装置であり、ウェブの移動方向(図1において横方向)に沿って延伸処理をする。
図1に示すように、加熱室2の入口22および出口23の側それぞれには、入口側ロール4と出口側ロール5が配置されている。加熱室2内の温度は、ウェブ8のガラス転移温度以上、融解温度以下に設定されている。
巻き戻しロールPより巻き戻されたウェブ8は、入口側ロール4を通って入口22より加熱室2内に導入され、入口22および出口23を結ぶ一直線上に配置された3つの搬送ガイド1a、1b、1cの間を移動して出口23より加熱室2外に排出される。その後、出口側ロール5を通り、巻き取りロールQに巻き取られる。
入口側ロール4と出口側ロール5は、ウェブ8の移動方向に回転している。出口側ロール5の回転速度は入口側ロール4の回転速度よりも速いため、入口側ロール4と出口側ロール5の間を移動するウェブ8は、ガラス転移温度以上に加熱された状態で移動方向に引っ張られ、延伸する。
なお、加熱室2の外にはブロワ3が配置され、ブロワ3から送られた加熱空気は移動パイプ31を移動して搬送ガイド1の表面上の流体吐出孔9から吐出する。
次に、搬送ガイドについて説明する。 図2(a)及び(b)に示すように、ロール径6およびロール幅7を有する搬送ガイド1の表面のうち、少なくともウェブ8と対向する一部分には流体吐出孔9が複数形成されている。
搬送ガイド1の内部は中空形状101となっており、ブロワ3から送られた加熱空気が中空形状101を通過して流体吐出孔9から吐出される。
図2(b)に示すように、搬送ガイド1の表面付近には、複数の流体吐出孔9からそれぞれ吐出された加圧加熱空気により流体層11が形成される。そしてこの流体層11を介してウェブ8が浮上搬送される。
なお、搬送ガイド1は、自身が回転するものではなく、搬送ガイドの一部に形成される固定部材12により加熱空間21内に配置固定されている。
なお、複数の搬送ガイド1が加熱室2に配置された際に、各々の搬送ガイドから吐出する流体の量を変化させることも可能である。
すなわち、図1に示す実施形態の場合、ウェブ8は、搬送ガイド1a及び1cの下側、搬送ガイド1bの上側を移動する。この場合、搬送ガイド1a及び1cの表面上の流体吐出孔9から吐出される流体は、重力により、搬送ガイド1bの上側に吐出される流体よりも吐出圧力が高くなることが考えられる。
そこで、搬送ガイド1bの上側に吐出される流体の吐出圧力を、搬送ガイド1a及び1cの表面上の流体吐出孔9から吐出される流体の吐出圧力よりも高くすることにより、搬送ガイド1a、1b、1c上に同じ厚さ、同じ流体量の流体層11を形成することが可能である。
同様の理由で、流体の吐出圧力のみならず、流体量を変化させることも可能である。すなわち、搬送ガイド1bの上側に吐出される流体の量を、搬送ガイド1a及び1cの表面上の流体吐出孔9から吐出される流体の量よりも多くすることにより、流体層11の厚さ等を調整することも可能である。
次に、図3を参照して搬送ガイド1の表面に形成されている流体吐出孔9について説明する。
図3に示すように、搬送ガイド1の軸方向(ウェブの移動方向10と直交する直交方向13)に複数形成された流体吐出孔9が流体吐出孔列19aを形成しており、隣接する流体吐出孔列の流体吐出孔の配置が、搬送ガイド1の周方向(移動方向10)において同一直線上には配置されていない。
すなわち、流体吐出孔9は、直交方向13には流体吐出孔間距離9aの間隔で配置され、流体吐出孔列は流体吐出孔間距離9bの間隔で配置されている。
さらに、移動方向10において隣り合う2つの流体吐出孔が結ぶ仮想線14は、移動方向10と交わるように流体吐出孔9が斜め方向に配置されている。
より具体的には、図3に示すとおり、移動方向10を基準に隣り合う流体吐出孔9dと9eは、直交方向13に対して互いにずれるようにズレ幅9cだけずれて配置されている。
このように配置することで、流体吐出孔9から吐出される流体がウェブ8に対して均一となり、形成される流体層11の厚さや流体量を均一となるように調整されて、ウェブ8は、移動方向10に沿って搬送されるようになる。
以下に、実施例1に関する諸条件を以下に示す。
≪ウェブの延伸条件≫
ウェブの材料:ポリノルボルネン系樹脂フィルム(ガラス転移温度Tg:120℃)
ウェブの大きさ(サイズ):厚さ150μm、幅250mm
延伸倍率:2.0倍
≪加熱室内の構造・条件≫
加熱空間の温度:140℃(延伸時のウェブ温度は140℃)
搬送ガイドの本数:3
流体吐出孔から吐出する流体の温度:140℃
≪搬送ガイドの構造≫
流体吐出孔の形状:
・サイズ:0.5mm幅×0.15mm高さ×20mm深さ
・直交方向13において隣接する流体吐出孔間の距離9a:1.0mm
・移動方向10において隣接する流体吐出孔間の距離9b:2.0mm
・移動方向10において隣接する流体吐出孔の、直交方向13における流体吐出孔間のズレ幅9c:0.2mm
流体吐出孔9の総数:(搬送ガイドの円弧面180°に対し)22000個/本
搬送面の形状:
・ロール径6:95mmφ
・ロール幅7:300mm
・ウェブ巻き付け角θ:180°以下
≪ブロワ3≫ ただしブロワ1機で搬送ガイド3本を制御
モーター出力:1.5kW
最大静圧:12kPa
最大風量:5m/min
≪試験時の測定データ≫
ウェブへの浮上圧:4〜6kPa(搬送ガイド内部の中空形状101での圧力を測定)
延伸時のウェブへの張力(ロール4〜5間で測定):ウェブ温度140℃の時で10〜30N
ウェブの浮上量(流体層11の厚さとほぼ同義):2mm以内(目測)
入口側ロール4と出口側ロール5の間の延伸区間(ウェブの移動方向の長さ)を800mmとし、入口側ロール4の周速度は1.0m/min、出口側ロール5の周速度は2.0m/minとした。
以上の条件で、140℃に設定された加熱室内に3本の搬送ガイド1a、1b、1cにより加熱空気によるほぼ静圧空気層による流体層11を形成し、この流体層11の表面がウェブ8の搬送面として機能した。なお流体としては140℃に設定した加熱空気を吐出させた。
得られた延伸ウェブの全幅について、波長590nmでのレターデーション値及び配向角を、幅方向に10mm間隔で測定したところ、レターデーションの平均値は140nm、10mm離れた2点間のレターデーション値の変動は最大10%、配向角については最大値と最小値の差が1.0°とウェブが全体にわたって均一に延伸されていることが判明した。また、ウェブ表面へのシワ及び擦り疵は観察されなかった。
<実施例2>
図4に、本発明を適用した実施例2に係る縦一軸延伸装置を示す。実施例2は、加熱室内に配置された3本の搬送ガイド1を互いに高低差をつけて加熱室2内に配置し、延伸区間(ウェブの移動方向の長さ)を1200mmとした点において、実施例1との差違がある。
このように、高低差を設けて搬送ガイド1を加熱室2内に複数配置すれば、加熱空間21のスペースを有効に利用でき、装置の大型化を抑制しつつ延伸区間を長めにとることが可能となる。なお上記した点以外は、実施例1と同様に行って位相差フィルムを製造した。
本実施例においても、得られた延伸ウェブの全幅について、波長590nmでの面内レターデーション値及び配向角を幅方向に10mm間隔で測定したところ、面内レターデーションの平均値は180nm、10mm離れた2点間のレターデーション値の変動は最大10%、配向角については最大値と最小値の差が1.0°とウェブが全体にわたって均一に延伸されていることが判明した。また、実施例1と同様に、ウェブ表面へのシワ及び擦り疵は観察されなかった。
<実施例3>
図5に、本発明を適用した実施例3に係る縦一軸延伸装置を示す。実施例3は、加熱室内に配置される搬送ガイド1を1本にした点で、実施例1及び2との差違がある。
図5のとおり、搬送ガイド1は、加熱室2の加熱空間21の上方部に位置しており、この搬送ガイド1の上方をウェブ8が通過する態様となっている。またブロワ3は、1本の搬送ガイド1の表面に形成された流体吐出孔9から吐出される加熱空気を制御する。なお上記した点以外は、実施例1又は実施例2と同様に行って位相差フィルムを製造した。
以上説明したとおり、本発明を適用したウェブ延伸方法および位相差フィルムの製造方法によれば、加熱室内でウェブを方向転換させない場合と比べて加熱室を小型化できてコスト削減が可能となる。これに加えてさらに、延伸するウェブは加熱室内では搬送ガイドと非接触の状態で搬送されるため幅方向でのフィルム張力のばらつきや、シワや擦り疵の発生などの問題を生じることがない。これにより製造コストを抑制しつつウェブを均一に延伸することが可能となり、位相差フィルムを製造する際に極めて有利な効果を奏する。
<その他の変形例>
なお本実施例は上記したものに限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない限りで技術常識を鑑みて適宜変更が可能である。
例えば3本の搬送ガイド1を加熱室2内に配置する際には、中央に配置される搬送ガイド1の上面側に流体吐出孔9が形成されたが、これを下面側とし、両サイドの搬送ガイド1は上面側に流体吐出孔9を形成してもよい。
また図1では、搬送ガイド1の表面に形成される流体吐出孔9は交互に上面側と下面側に形成されたが、3本の搬送ガイド1について同一の側に流体吐出孔9が形成されていてもよい。3本の搬送ガイド1の下側に流体吐出孔9を形成した場合には、図1においてウェブは搬送ガイド1bの下側を搬送される。すなわち、搬送ガイド1a、1b、および1cの下側をウェブが通過することになる。さらに入口側ロール4の周速度や出口側ロール5の周速度も、延伸倍率やウェブの材質などに応じて適宜設定が可能である。
加熱空間21に配置される搬送ガイド1の本数も1本または3本に限られず、加熱空間21のスペースを有効に利用する限りにおいて配置位置や本数は適宜設定可能である。
なお、搬送ガイド1の全周囲方向に流体吐出孔9を設け、且つ、搬送ガイド1を回転可能に取り付けることで、搬送ガイド1を回転させながらウェブを搬送することも可能である。
本発明は、ウェブを延伸する延伸方法および延伸装置に好適であり、さらにこのウェブを利用した位相差フィルムを製造する製造方法および製造装置にも適用することができ、産業上の利用可能性が極めて高い。
1、1a、1b、1c 搬送ガイド
2 加熱室
21 加熱空間
22 入口
23 出口
3 ブロワ
31 移動パイプ
4 入口側ロール
5 出口側ロール
6 ロール径
7 ロール幅
8 ウェブ
9 流体吐出孔
9a、9b 流体吐出孔間距離
9c ズレ幅
9d、9e 流体吐出孔
10 移動方向
11 流体層
12 固定部材
13 直交方向
14 仮想線
19a 流体吐出孔列
101 搬送ガイド内部の中空形状
P 巻き戻しロール
Q 巻き取りロール

Claims (7)

  1. 少なくとも一つの搬送ガイドを有する加熱室内において、ウェブを延伸可能な温度で加熱しながら前記搬送ガイドを介して移動させ、前記ウェブの移動方向に延伸するウェブ延伸方法であって、
    前記搬送ガイドの表面に形成された流体吐出孔から流体を吐出して前記搬送ガイドの表面に流体層を形成し、
    前記加熱室内にて前記ウェブが前記流体層上を移動することによって前記搬送ガイドに前記ウェブが接触することなく前記ウェブの移動方向を変化させることを特徴とするウェブ延伸方法。
  2. 前記搬送ガイドの表面に複数の流体吐出孔が形成され、
    前記搬送ガイドの内部に前記流体吐出孔に通ずる導入流路が形成され、
    前記複数の流体吐出孔から吐出される前記流体によって前記流体層を形成することを特徴とする請求項1に記載のウェブ延伸方法。
  3. 前記流体吐出孔は、前記ウェブの移動方向と該方向に直交する直交方向に向けて複数設けられており、
    前記移動方向において隣り合う2つの前記流体吐出孔が結ぶ仮想線が前記移動方向と交わるように、前記2つの流体吐出孔が配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のウェブ延伸方法。
  4. 前記搬送ガイドは加熱室内において複数配置され、
    前記複数の搬送ガイドのうち、前記ウェブがその鉛直上側を通過する搬送ガイドから吐出される前記流体の吐出量は、前記ウェブがその鉛直下側を通過する搬送ガイドから吐出される前記流体の吐出量よりも多いことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のウェブ延伸方法。
  5. 前記延伸可能な温度が、前記ウェブのガラス転移点以上の温度であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のウェブ延伸方法。
  6. 前記流体吐出孔から吐出される流体の温度が、前記加熱室内と同じ温度であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のウェブ延伸方法。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載のウェブ延伸方法を用いて、位相差フィルムを延伸することを特徴とする位相差フィルムの製造方法。
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