JP5530296B2 - 負荷制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、直流電源と負荷との間に設けた電界効果トランジスタを制御して、負荷の駆動、停止を制御する負荷制御装置に係り、特に、逆起電力の発生に起因して生じる誤動作を防止する技術に関する。
例えば、車両に搭載されるランプ、モータ等の負荷を制御する負荷制御装置は、バッテリ(直流電源)と負荷との間に、例えば電界効果トランジスタ(以下、「FET」という)を搭載し、該FETのオン、オフを切り替えることにより、負荷の駆動、停止を制御する。また、負荷に過電流が流れた場合にはいち早くこれを検出して負荷に接続される回路を遮断するために、FETのドレイン・ソース間電圧Vdsの増大が検出された際には、FETをオフとする保護回路が搭載されている(例えば、特許文献1参照)。
図3は、従来における負荷制御装置が搭載された負荷駆動回路を示す図である。図示のように、この負荷駆動回路は、直流電源VB(出力電圧も同様の記号VBで示す)と負荷RLとの間にFET(T1;電界効果トランジスタ)が配置されており、該FET(T1)のオン、オフを切り替えることにより、負荷RLの駆動、停止を制御する。
FET(T1)のドレイン(ドレイン電極;点P1)は、電源線を経由して直流電源VBのプラス極に接続され、ソース(ソース電極;点P2)は、負荷線を経由して負荷RLの一端に接続され、該負荷RLの他端はグランドに接地されている。なお、電源線は、直流電源VBのプラス極からFET(T1)のドレインまでの電線であり、負荷線は、FET(T1)のソースから負荷RLまでの電線である。
FET(T1)のドレイン(点P1)は、抵抗R1,R2の直列接続回路を介してグランドに接地され、各抵抗R1,R2の接続点P4(電圧V4)は比較器CMP1のプラス側入力端子に接続されている。また、該比較器CMP1のマイナス側入力端子はFET(T1)のソース(点P2、電圧V2)に接続されている。そして、FET(T1)がオンとされて負荷RLが駆動している場合には、電圧V2が電圧V4を上回るので、比較器CMP1の出力信号はLレベルになる。また、負荷線が接地する等して、FET(T1)に過電流が流れ、FET(T1)のドレイン・ソース間電圧Vdsが上昇すると、点P2の電圧V2が低下するので、電圧V2が電圧V4を下回り、比較器CMP1の出力信号がHレベルになる。この信号は過電流判定出力信号としてドライバ11に供給される。
FET(T1)のゲート(ゲート電極)は、抵抗R3を介してドライバ11に接続され、該ドライバ11にはチャージポンプ12が接続されている。更に、ドライバ11は、抵抗R4を介して直流電源VBに接続されると共に、入力スイッチSW1を介してグランドに接続されている。従って、入力スイッチSW1がオフ(開路)のときにドライバ11にHレベルの信号が入力されてFET(T1)をオフとし、反対に、入力スイッチSW1がオン(閉路)のときにドライバ11にLレベル信号が入力されてFET(T1)をオンとする。また、比較器CMP1よりHレベルの信号(過電流判定出力信号)が供給された場合には、FET(T1)をオフとする。
更に、FET(T1)のゲート、ソース間には、ソースからゲートに向く方向を順方向とするツェナーダイオードZD1が設けられている。該ツェナーダイオードZD1により、ゲート、ソース間の電圧が規定電圧を超えないようにしている。
また、図1に示す電源線(直流電源VBからFET(T1)のドレインまでの電線)はインダクタンス成分を有するので、このインダクタンスをLw1とし、負荷線(FET(T1)のソースから負荷RLまでの電線)も同様にインダクタンス成分を有するので、このインダクタンスをLw2としている。なお、電源線、負荷線の抵抗は極めて小さいので無視している。
次に、上記のように構成された負荷制御装置の作用について説明する。入力スイッチSW1がオンとなると、ドライバ11はチャージポンプ12の電圧を出力し、この電圧はFET(T1)のゲートに印加されるので、FET(T1)がオンとなる。即ち、入力スイッチSW1のオン、オフを切り替えることによりFET(T1)がオン、オフ動作し、直流電源VBから負荷RLへの電力供給が制御される。
入力スイッチSW1がオンとされ、FET(T1)がオフからオンに移行する過渡状態では、VBのプラス極→電源線(Lw1)→P1→T1→P2→負荷線(Lw2)→P3→RL→グランド→VBのマイナス極、の経路でドレイン電流I1(図中、実線の矢印で示す)が流れる。
この電流I1はFET(T1)がオンとされるとゼロから増加を始め、電源電圧VBを負荷RLの抵抗値で除した電流値まで上昇する。この過程で、電流I1の増加により増加勾配に比例した逆起電力がインダクタンスLw1及びLw2に発生する。インダクタンスLw1に発生する逆起電力は、ドレインの電圧V1を押し下げるので、該電圧V1が低下する。
このとき電圧V1は、電圧V2と一致したとき最低となり、その電圧は電源電圧VBと点P3との間に生じる電圧を、インダクタンスLw1とLw2で分圧した電圧となる。即ち、電圧V1の最低値は電圧V1と電圧V2が一致したときの点P3の電圧をV3とすると、次の(1)式で示される。
(V1の最低電圧)=(VB−V3)*Lw2/(Lw1+Lw2)+V3 …(1)
インダクタンスLw1に対して、インダクタンスLw2が相対的に小さい場合、即ち、負荷線の長さに対して電源線の長さが相対的に長い場合には、(1)式のV1の最低電圧が小さくなり、V1とV2が一致したときの負荷電圧降下V3が小さいとV1の最低電圧は小さくなる。そして、電圧V1の低下量が大きくなると、以下の問題が生じる。
即ち、比較器CMP1の入力端子電圧は電圧V1の大きさに依存するので、電圧V1が低下すると、これに伴って比較器CMP1の入力端子電圧が低下する。比較器CMP1入力端子電圧の同相入力範囲の下限値は2V近辺にあり、この下限値を下回る入力電圧になると比較器CMP1は機能しなくなる。
V1が低下するという現象はFETをスタートさせるとき以外にも発生する。FETがオンとなっているとき負荷線のショートや電源電圧の瞬断が発生すると、電圧V1は2V以下に低下することがある。このとき配線ショートではFETを遮断する必要があり、電源瞬断では遮断せずにオン状態を維持しなければならない。即ち、正反対の対応が必要となる。このため、電源電圧が正常で、且つ、FETがオンとなっているときに電圧V1が2V以下に低下すると、一旦FETを遮断し、再起動するという処置を行う。配線ショートで電圧V1が低下した場合には、再起動したとき電圧V1が2V以下に再低下し、FETは遮断される。
一方、電源遮断により電圧V1が低下したときには、再起動で正常にオン復帰する。このような再起動処置が組み込まれているとスタート動作により電圧V1が2V以下に低下するとFETが遮断され、再起動されることになる。配線ショートや電源瞬断の異常がなく、電源線と負荷線のインダクタンス比が原因で電圧V1が2V以下に低下したときは、遮断された後、再起動してもFETをオンとすることができない。即ち、スタート動作により電圧V1が2V以下に低下したときはスタートできないことになり、その結果、過電流が発生していない場合にFET(T1)が誤遮断するという問題が発生する。
以下、具体的な電圧、電流の変化についてのシュミレーション結果を、図4に示す特性図を参照して説明する。図4は、図3に示す回路における各電圧、電流波形の変化を示す特性図である。ここで、図3に示した各回路定数を、以下のように設定している。即ち、電源電圧VB=12V、Lw1=5μH(電源線長 5mに相当)、T1のオン抵抗(飽和値)=3.5mΩ、Lw2=1μH(負荷線長1mに相当)、負荷抵抗RL=2Ω、チャージポンプ電圧=VB+15V、ゲート抵抗R3=1.5kΩ、としている。
図4では、横軸(X軸)が時間軸を示し、3つの縦軸(Y1、Y2、Y3)は電圧座標と2種類の電流座標を示している。縦軸Y1は電圧座標であり、V1、T1のゲート電圧、V2、V3、VBの座標を示し、縦軸Y2は電流座標であり、大きな電流であるドレイン電流I1の座標を示している。縦軸Y3は小電流であるT1のゲート電流IGの座標を示している。また、縦軸Y1は上向きがプラス電圧を示し、縦軸Y2は下向きがプラス電流で、縦軸Y3は上向きがプラス電流を示している。
いま、横軸の時刻2.200[msec]で入力スイッチSW1がオンとされると、FET(T1)のゲート電圧が上昇し、ゲート電流が急速に増大する。そして、時刻2.201[msec]から電圧V1が低下し始め、且つ、電圧V2が上昇し始める。同時にドレイン電流I1が流れ始める。時刻2.2015[msec]で電圧V1とV2が一致し、電圧V1は最低値(3.14V)となり、その後、電圧V1,V2が揃って上昇する。以下では、電圧V1とV2の波形が一致する波形上の点を“A点”とする。
また、電圧V3は、FET(T1)のドレイン電流I1が負荷RLに流れて発生する電圧降下であるので、ドレイン電流I1に比例した大きさとなる。A点以降の電圧V1とV2の波形は、電源電圧VBとV3の差電圧を、インダクタンスLw1とLw2で分圧した電圧となる。そして、電圧V1が低下を始めた直後における電圧V1とV2の間隔が縮小することが、電圧V1を低下させる要因となり、電圧V3が増加することが、電圧V1を押し上げる要因となっていることが判る。また、電圧V1とV2がA点に達したときには、電圧V1を低下させる要因が消滅するので、A点が電圧V1の最低値となる。
また、上述した(1)式に示したように、電源線が長い場合(負荷線の長さに対して電源線の長さが相対的に長い場合)には、電圧V1の低下量が大きくなり、比較器CMP1の入力端子の同相入力範囲の下限値(2V程度)を下回った場合には、比較器CMP1が誤動作を引き起こす可能性があった。
特開2006−229864号公報
上述したように、従来における負荷制御装置では、逆起電力の発生によりFET(T1)の電圧V1の低下量が大きくなった場合には、比較器CMP1が誤動作するという可能性があり、何とかこれらを解決したいという要望が高まっていた。
本発明は、このような従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、電界効果トランジスタのドレイン電圧の低下量が大きくなった場合であっても過電流を検出するための回路を正常に作動させることが可能な負荷制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本願請求項1に記載の発明は、直流電源(VB)と負荷(RL)との間に電界効果トランジスタ(T1)を設け、該電界効果トランジスタのオン、オフを切り替えて、前記負荷の駆動、停止を制御する負荷制御装置において、前記電界効果トランジスタのドレイン電極は、電源線を経由して前記直流電源のプラス極に接続され、且つ、ソース電極は負荷線を経由して前記負荷の一端に接続され、前記負荷の他端は前記直流電源のマイナス極に接続され、前記電界効果トランジスタのドレイン電圧に基づく基準電圧と、ソース電圧とを比較して過電流の発生を検出する比較手段(CMP1)と、前記負荷の駆動時には前記電界効果トランジスタのゲート電極に駆動信号を出力すると共に、前記比較手段にて過電流の発生が検出された場合に、前記駆動信号の出力を停止する制御手段と、前記電界効果トランジスタのゲート電極とドレイン電極との間に設けられるコンデンサ(C1)と、を備え、更に、前記ゲート電極と前記コンデンサとの間に、ゲート電極からコンデンサに向く方向を順方向とするダイオード(D1)を設けたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、前記ソース電極と前記コンデンサとの間に、ソース電極からコンデンサに向く方向を順方向とするツェナーダイオード(ZD1)を更に設けたことを特徴とする。




本発明に係る負荷制御装置では、電界効果トランジスタのゲート電極とドレイン電極との間にコンデンサを設けることにより、電界効果トランジスタのドレイン電圧が低下した場合には、該電界効果トランジスタのゲートに供給される電流を低減してドレイン電圧の低下を抑制することができるので、このドレイン電圧に基づいて作動する比較手段が誤動作することを防止できる。
また、ゲート電極とコンデンサとの間にダイオードを設ける構成としたので、コンデンサのマイナス端子の電圧に浮き上がりが発生しても、電界効果トランジスタのゲート電圧をグランドレベルに保持することができ、電界効果トランジスタの発熱を抑制することができる。
本発明の一実施形態に係る負荷制御装置の構成を示す回路図である。 本発明の一実施形態に係る負荷制御装置の、各電圧及び各電流の変化を示す特性図である。 従来における負荷制御装置の構成を示す回路図である。 従来における負荷制御装置の、各電圧、電流の変化を示す特性図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る負荷制御装置が搭載された負荷駆動回路を示す図である。図示のように、この負荷駆動回路は、直流電源VB(出力電圧も同様の記号VBで示す)と負荷RLとの間にFET(T1;電界効果トランジスタ)が配置されており、該FET(T1)のオン、オフを切り替えることにより、負荷RLの駆動、停止を制御する。
FET(T1)のドレイン(ドレイン電極)は、電源線を経由して直流電源VBのプラス極に接続され、ソース(ソース電極)は、負荷線を経由して負荷RLの一端に接続され、該負荷RLの他端はグランドに接地されている。なお、電源線は、直流電源VBのプラス極からFET(T1)のドレインまでの電線であり、負荷線は、FET(T1)のソースから負荷RLまでの電線である。そして、電源線はインダクタンス成分を有しており、これをLw1で示している。負荷線も同様にインダクタンス成分を有しており、これをLw2で示している。なお、電源線、負荷線の抵抗成分は極めて小さいので無視している。
FET(T1)のドレイン(点P1、電圧V1)は、抵抗R1,R2の直列接続回路を介してグランドに接地され、各抵抗R1,R2の接続点P4は、比較器CMP1のプラス側入力端子に接続されている。また、該比較器CMP1のマイナス側入力端子は、FET(T1)のソース(点P2)に接続されている。そして、FET(T1)がオンとされて負荷RLが駆動している場合には、点P2の電圧V2が、点P4の電圧V4を上回るので比較器CMP1の出力信号はLレベルになる。また、負荷RLに過電流が流れ、FET(T1)のドレイン、ソース間電圧Vdsが上昇すると、電圧V2が低下して電圧V4を下回り、比較器CMP1の出力信号がHレベルになる。この信号は過電流判定出力信号としてドライバ11に供給される。
FET(T1)のゲート(ゲート電極)は、抵抗R3を介してドライバ11に接続され、該ドライバ11にはチャージポンプ12が接続されている。更に、ドライバ11は、抵抗R4を介して直流電源VBに接続されると共に、入力スイッチSW1を介してグランドに接続されている。従って、入力スイッチSW1がオフ(開路)のときにドライバ11にHレベルの信号が入力されてFET(T1)をオフとし、反対に、入力スイッチSW1がオン(閉路)のときにドライバ11にLレベル信号が入力されてFET(T1)をオンとする。また、比較器CMP1よりHレベルの信号(過電流判定出力信号)が供給された場合には、FET(T1)をオフとする。
更に、FET(T1)のゲート(点P6)には、ダイオードD1のアノードが接続され、このカソードである点P5は、ツェナーダイオードZD1のカソードに接続され、該ツェナーダイオードZD1のアノードは、点P2に接続されている。また、点P5は、コンデンサC1を介してFET(T1)のドレインに接続されている。
即ち、本実施形態に係る負荷制御回路は、従来例で示した図3の回路と対比して、FET(T1)のゲート・ソース間電圧を規定値以下にクランプするためのツェナーダイオードZD1に対して直列に、ダイオードD1を設置している点、及び点P5とFET(T1)のドレインとの間にコンデンサC1を設置している点で相違している。
次に、本実施形態に係る負荷制御装置の作用について説明する。図1に示す回路において、スイッチSW1がオンとされると、チャージポンプ12の電圧がドライバ11より出力され、この電圧(駆動信号)はFET(T1)のゲートに印加される。即ち、ドライバ11は、抵抗R3を介してFET(T1)のゲートに電流を注入する。
FET(T1)のゲートに電流が注入されると、該FET(T1)のドレイン・ソース間電圧Vdsが縮小して、FET(T1)にドレイン電流が流れる。即ち、図1に示すドレイン電流I1が流れ始める。ドレイン電流I1が流れると、電源線及び負荷線の各インダクタンスLw1,Lw2に逆起電力が発生し、ドレイン電圧V1が低下する。
ここで、前述したように、電圧V1の低下は電圧V1と電圧V2が一致するまで(前述したA点に達するまで)は電圧Vdsの縮小によって引き起こされる。そして、電圧Vdsが縮小して電圧V1が低下すると、ゲート抵抗R3を流れる電流の一部が、R3→P6→D1→P5→C1→T1ドレイン→T1ソースの経路で流れる。
コンデンサC1を流れる電流をIC1、FET(T1)のゲートに注入される電流をIG、ゲート抵抗R3に流れる電流をIR3とすると、次の(2)式が成立する。
IG=IR3−IC1 …(2)
即ち、ドライバ11より出力される電流IR3の一部が、FET(T1)のゲートをバイパスしてコンデンサC1に流れるので(電流IC1)、その分だけFET(T1)のゲートに注入される電流IGが減少する。
バイパスする電流IC1の大きさは、電圧Vdsの縮小速度に依存し、電圧Vdsの縮小速度が大きくなると、電流IC1が大きくなる。電流IC1が大きくなると、ゲート電流IGが減少して、FET(T1)のゲートに蓄積される電荷量の増加が鈍り、電圧Vdsの縮小速度が抑制される。これに対し、電圧Vdsの縮小速度が小さくなると、電流IC1が小さくなり、ゲート電流IGが大きくなって、FET(T1)のゲートに蓄積される電荷量の増加が加速されて、電圧Vdsの縮小速度が速まる。即ち、電流IC1が流れることにより、V1〜V2間の電圧である電圧Vdsの変動が抑制され、単調減少に近づくことになる。
このため、逆起電力により電圧V1が低下した場合であっても、その低下量が小さくなるように抑制することができる。これは、電流IC1が流れることにより、ゲート電流IGが減少し、ゲート電荷の蓄積が遅れるので、コンデンサC1を設けない場合(従来の場合)と対比して、A点に達するまでの時間が長くなるからである。
次に、具体的な電圧、電流の変化についてのシュミレーション結果を、図2(a),図2(b)に示す特性図を参照して説明する。図2(a),図2(b)は、図1に示す回路における各電圧、電流波形の変化を示す特性図である。また、図1に示した各回路定数を、以下のように設定している。即ち、電源電圧VB=12V、Lw1=5μH(電源線長5mに相当)、T1のオン抵抗(飽和値)=3.5mΩ、Lw2=1μH(負荷線長1mに相当)、負荷抵抗RL=2Ω、チャージポンプ電圧=VB+15V、ゲート抵抗R3=1.5kΩ、C1=5nFとしている。
図2(a),図2(b)では、横軸(X軸)が時間軸を示している。また、図2(a)では縦軸は電圧座標であり、上向きがプラス電圧を示している。図2(b)では2つの縦軸(Y1、Y2)で2種類の電流座標を示している。縦軸Y1は電流座標であり、大きな電流であるT1のドレイン電流I1の座標を示している。縦軸Y2は小電流であるT1のゲート電流IG、IC1、IR3の座標を示している。また、縦軸Y1は下向きがプラス電流で、縦軸Y2は上向きがプラス電流を示している。
図2(a),図2(b)において、時刻2.200[msec]でスイッチSW1がオンとされると、ドライバ11の出力電流IR3が急速に立ち上がり、その後は単調減少している。この際、IR3=IG+IC1の関係を維持しながら、電流IGと電流IC1が流れる。図2(b)中で電流IGと電流IC1の大きさを示す座標はY2である。
そして、V1〜V2間電圧Vdsの縮小が始まると、FET(T1)のドレイン電流I1が流れ始める。これと同時に、電流IC1が大きくなり電流IGを抑制する。電流IGが抑制されることにより、FET(T1)のゲート電荷の蓄積速度が遅くなり、電圧V1とV2の一致点であるA点に達するまでの時間が長くなる(図4に記載したA点と対比して遅くなっている)。その間、電流IC1は電圧Vdsの変動を抑制しながら減少する。
A点に達するまでの時間が長くなったことにより、電圧V3が増大し、A点以降の電圧V1を押し上げている。その結果、電圧V1の最低値は8.264Vとなる。これは、前述の図4に示した電圧V1の最低値である3.14Vと対比して大幅に改善されていることが判る。
次に、図1に示したダイオードD1を設ける理由について説明する。図1に示す回路において、FET(T1)がオフ状態であるときには、該FET(T1)のソースは、負荷RLの抵抗を経由して接地され、グランドレベルとなっている。コンデンサC1の端子間電圧は、ツェナーダイオードZD1のカソードからアノードへのリーク電流により、コンデンサC1のマイナス端子がグランドレベルとなるので、コンデンサC1の端子間電圧は電圧V1と等しくなっている。
ここで、何らかの外乱により点P1の電圧V1が落ち込み、この電圧V1から電圧V1xまで低下すると、C1プラス端子→P1→外乱(V1x)→グランド→RL→負荷線(Lw2)→P2→ZD1→C1マイナス端子、の経路でコンデンサC1に充電されている電圧が放電し、該コンデンサC1の端子間電圧は「V1x+VfZD」となる。但し、VfZDはツェナーダイオードZD1の順方向電圧である。その後、点P1の電圧が急勾配で立ち上がり電圧V1に復帰すると、コンデンサC1は放電の状態が維持されているので、該コンデンサC1のマイナス端子電圧がグランドレベルに対して浮き上がり、そのときの電圧は、次の(3)式で示される。
C1マイナス端子電圧=V1−(V1x+VfZD)
=V1−V1x−VfZD …(3)
(3)式より、点P1の電圧の落ち込みが大きい程、電圧V1xが小さくなるので、コンデンサC1のマイナス端子電圧の浮き上がりが大きくなる。
このとき、ダイオードD1が設置されていないと、FET(T1)のゲート電圧が、上記(3)式で示した電圧に等しくなり、(3)式で示した電圧がFET(T1)のスレッショルド電圧を上回った場合には、該FET(T1)がオンとなる。このとき、FET(T1)は(3)式の電圧をゲート電圧とするソースフォロアとして動作し、ドレイン電流が流れ、ソース電圧が浮き上がる。
ドレイン電流は、FET(T1)が完全オンの状態に比べれば小さいが、ドレイン、ソース間電圧が大きいので、FET(T1)の消費電力が大きくなり、該FET(T1)が発熱する。(3)式で示した電圧は指数関数的に減少し、そのときの時定数は、図1に示す回路では、次の(4)式となる。
C1*R3=5*10-9*1.5*103=7.5μsec …(4)
そして、この(4)式で求められるの時定数は、FET(T1)のオフ時のゲート接地抵抗が1.5kΩの場合を示しているが、ゲート接地抵抗がこれよりも大きくなるに連れて、FET(T1)のゲートが浮き上がる期間が長くなる。
これに対して、図1に示すダイオードD1を設置すると、コンデンサC1のマイナス端子の浮き上がりが発生しても、FET(T1)のゲート電圧はグランドレベルのままとなり、FET(T1)がオンすることが無くなる。これがダイオードD1を設置する目的である。
ここで、電圧V1を落ち込ませる外乱としては、次のような場合が該当する。図3に示した従来の回路では、点P1〜グランド間に配置される負荷駆動回路が1チャンネルの場合を示しているが、点P1〜グランド間に複数チャンネルの負荷駆動回路が並列に配置される場合が多々ある。このような構成の回路においては、複数の負荷駆動回路のうちいずれか1つの負荷線が短絡接地して過電流が流れると、各負荷駆動回路で共通とされた点P1の電圧V1が急低下する。
そして、短絡接地が発生した負荷駆動回路では、過電流保護回路が作動して過電流が遮断される。その結果、点P1の電圧V1が上昇し、安定時の点P1の電圧を超えて電圧V1がオーバーシュートし安定電圧に収束する。この電圧変動は、複数チャンネルの負荷駆動回路のうち、短絡接地が発生していない回路に対してのV1低下の外乱となる。従って、ダイオードD1は、複数チャンネルの負荷駆動回路を設ける回路において、特にその効果が発揮されると言える。
このようにして、本実施形態に係る負荷制御装置では、電源線の長さが負荷線の長さに対して相対的に長くなり、逆起電力による電圧V1の低下量が大きい場合であっても、コンデンサC1に電流IC1を流すことにより、電圧V1とV2が一致する点(A点)に達するまでの時間を遅くして、電圧V1の低下量を抑制する。その結果、電圧V1の低下により比較器CMP1が誤作動する等の問題の発生を回避することができ、高精度な過電流保護が可能となる。
また、ダイオードD1を設けることにより、外乱によりFET(T1)がオンとなって発熱するという問題の発生を回避することができる。
以上、本発明の負荷制御装置を図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置き換えることができる。
例えば、上述した実施形態では、車両に搭載される負荷を駆動するための負荷駆動回路に搭載する負荷制御装置を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その他の負荷駆動回路についても適用することが可能である。
本発明は、負荷駆動回路に設けられる電界効果トランジスタのドレイン電圧の低下を抑制する上で有用である。
11 ドライバ
12 チャージポンプ
VB 直流電源
T1 電界効果トランジスタ(FET)
RL 負荷
CMP1 比較器(比較手段)
C1 コンデンサ
D1 ダイオード
Lw1 電源線のインダクタンス
Lw2 負荷線のインダクタンス

Claims (2)

  1. 直流電源と負荷との間に電界効果トランジスタを設け、該電界効果トランジスタのオン、オフを切り替えて、前記負荷の駆動、停止を制御する負荷制御装置において、
    前記電界効果トランジスタのドレイン電極は、電源線を経由して前記直流電源のプラス極に接続され、且つ、ソース電極は負荷線を経由して前記負荷の一端に接続され、前記負荷の他端は前記直流電源のマイナス極に接続され、
    前記電界効果トランジスタのドレイン電圧に基づく基準電圧と、ソース電圧とを比較して過電流の発生を検出する比較手段と、
    前記負荷の駆動時には前記電界効果トランジスタのゲート電極に駆動信号を出力すると共に、前記比較手段にて過電流の発生が検出された場合に、前記駆動信号の出力を停止する制御手段と、
    前記電界効果トランジスタのゲート電極とドレイン電極との間に設けられるコンデンサと、を備え、
    更に、前記ゲート電極と前記コンデンサとの間に、ゲート電極からコンデンサに向く方向を順方向とするダイオードを設けたこと
    を特徴とする負荷制御装置。
  2. 前記ソース電極と前記コンデンサとの間に、ソース電極からコンデンサに向く方向を順方向とするツェナーダイオードを更に設けたことを特徴とする請求項1に記載の負荷制御装置。
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