JP5529762B2 - 活性化一酸化窒素ドナーならびにその作製および使用方法 - Google Patents

活性化一酸化窒素ドナーならびにその作製および使用方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5529762B2
JP5529762B2 JP2010549867A JP2010549867A JP5529762B2 JP 5529762 B2 JP5529762 B2 JP 5529762B2 JP 2010549867 A JP2010549867 A JP 2010549867A JP 2010549867 A JP2010549867 A JP 2010549867A JP 5529762 B2 JP5529762 B2 JP 5529762B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cancer
composition
micelles
pluronic
free
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2010549867A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011513424A (ja
Inventor
ジェイ. シャミ,ポール
エム. コサック,ケン
Original Assignee
ユニバーシティー オブ ユタ リサーチ ファンデーション
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ユニバーシティー オブ ユタ リサーチ ファンデーション filed Critical ユニバーシティー オブ ユタ リサーチ ファンデーション
Publication of JP2011513424A publication Critical patent/JP2011513424A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5529762B2 publication Critical patent/JP5529762B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/655Azo (—N=N—), diazo (=N2), azoxy (>N—O—N< or N(=O)—N<), azido (—N3) or diazoamino (—N=N—N<) compounds
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/10Dispersions; Emulsions
    • A61K9/107Emulsions ; Emulsion preconcentrates; Micelles
    • A61K9/1075Microemulsions or submicron emulsions; Preconcentrates or solids thereof; Micelles, e.g. made of phospholipids or block copolymers
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/10Dispersions; Emulsions
    • A61K9/127Liposomes
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • A61P35/02Antineoplastic agents specific for leukemia

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Dispersion Chemistry (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Oncology (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)

Description

関連出願の相互参照
本願は、2008年3月7日に出願された米国仮特許出願第61/034,617号明細書に対する優先権を主張する。本願は、その教示内容のすべてに対して、その全体が参照により本明細書に援用される。
確認
本発明に至る研究は、国立衛生研究所(National Institutes of Health)助成金番号RO1 CA129611によって一部資金提供を受けた。米国政府は、本発明における特定の権利を有する場合がある。
癌は、悪性腫瘍細胞の制御されない成長であり、現代医学の時代における主要な健康問題であり、米国における死因として心臓疾患に次いで2番目に位置づけられる。急性骨髄性白血病(「AML」)は、成人における最も一般的な急性白血病である(Greer J.P.ら (2004年) 「Wintrobe’s Clinical Hematology」,Baltimore、2098−2142頁)。この疾患を患う大部分の患者はそれによって死亡する。1970年代初期以来、処置の中心は、シトシンアラビノシド(Ara−C)およびアントラサイクリンとなっている(Greer J.P.ら (2004年) 「Wintrobe’s Clinical Hematology」、Baltimore、2098−2142頁)。急性前骨髄球性白血病の処置におけるオールトランスレチノイン酸は注目すべき例外であり、新しい作用剤で、疾患の転帰に対して大きな効果を有するものは全くない状況である。
幹細胞移植は、患者の年齢および好適なドナーの入手可能性により、その制限を有する。さらに、最近の試験は、幹細胞救助による高用量処置が、標準用量の化学療法に対して生存優位性を提供しない場合があることを示唆している(Cassileth P.A.ら (1998年) New England Journal of Medicine 339(23):1649−1656頁)。その結果として、AMLおよび他のタイプの癌の処置を目的とした新しい作用機序を有する新しい作用剤が必要であることは明白である。
一酸化窒素(NO)は、その細胞内の標的が複数あることが理由で、独特の細胞毒性剤である。そのようなものとして、それは極めて強力な抗新生物剤の構成要素となる。NOに伴う主な課題は、NOの多面発現効果に起因する、NOを生成する化合物による低血圧の誘発であった。NOが、血管系、免疫系および神経系における機能を有する主要な生物学的エフェクター分子であることは知られている(Moncada S.ら (1991年) Pharmacological Reviews 43:109−142頁)。NOは、一酸化窒素合成酵素(NOS)によってインビボで生成される(Moncada S.ら (1991年) Pharmacological Reviews 43:109−142頁)。例えば、NOは、正常および悪性腫瘍細胞の成長を阻害する(Nathan C. (1992年) FASEB Journal 6:3051−3064頁)。さらに、NOは、AML細胞内で、成長を阻害し、分化を誘導する(Magrinat G.ら (1992年) Blood 80:1980−1986年;Shami P.J.ら (1995年) Leukemia Research 19;527−533頁;Shami P.J.ら (1998年) Leukemia 12:1461−1466頁)。NOの広範囲のインビボ使用に伴う課題は、低血圧をもたらす血管組織に対するその効果を含む、非癌性細胞に対するその非特異的作用である。
本明細書では、抗癌処置および予防において有用な組成物が説明される。組成物は、(a)O2−アリール置換ジアゼニウムジオレートと(b)両親媒性物質とから構成され、ここで両親媒性物質の量はリポソームまたはミセルを生成するのに十分である。本明細書中に記載の組成物は、インビボでのO2−アリール置換ジアゼニウムジオレートの溶解性および安定性の増大など、極めて多くの利点を提供する。組成物はまた、低血圧を誘発しない。抗癌処置および予防における組成物を使用するための方法もまた、本明細書中で説明される。下記の利点は、特に添付の特許請求の範囲において指摘される要素および組み合わせにより、実現され、達成されるであろう。前述の概要および以下の詳細な説明の双方は、例示的で説明的なものにすぎず、かつ制限されるものでないことは理解されるべきである。
添付の図面は、本明細書に援用され、その一部を構成するものであり、下記のいくつかの態様を図示する。
本明細書において有用ないくつかのO2−アリール置換ジアゼニウムジオレートの構造を示す。 Pluronic(登録商標)ミセル中での遊離JS−K対JS−Kで透析を比較する棒グラフである。 Pluronic(登録商標)ミセル中でのJS−K安定性に対する濾過の効果を示す棒グラフである。 Pluronic(登録商標)ミセル中での遊離JS−K対JS−Kの細胞毒性を示す棒グラフである。 Pluronic(登録商標)ミセルの特徴づけを示す。 Pluronic(登録商標)ミセルの特徴づけを示す。 Pluronic(登録商標)P123ミセル中での遊離JS−K対JS−Kの細胞毒性を示す棒グラフである。 Pluronic(登録商標)ミセル中でのJS−Kおよび全身血圧を示すグラフである。 インビボでのHL−60細胞の成長に対するPluronic(登録商標)ミセル中でのJS−Kを示すグラフである。 Pluronic(登録商標)P123に取り込まれ、かつGSH、血清、およびRPMI/10% FBSに暴露された遊離JS−KおよびJS−Kの半減期を示す。 GST−活性化NOドナー設計のスキームを図示する。 インビボでのJS−Kの構造および反応機序を図示する。
本化合物、組成物、および/または方法が開示され、説明される前に、下記の態様が、当然変化しうることから、特定の化合物、合成方法、または用途に限定されないことは理解されるべきである。本明細書で使用される用語が、あくまで特定の態様を説明することを目的とし、限定することを意図しないことも理解されるべきである。
以下に続く本明細書および特許請求の範囲においては、多くの用語に対して参照がなされることになり、それらは以下の意味を有するように定義されるものとする。
単数形「a」、「an」および「the」は、本明細書および添付の特許請求の範囲において使用される場合、文脈上他に明示されない限り、複数の指示対象を含むことに留意する必要がある。それ故、例えば、「薬学的担体(a pharmaceutical carrier)」への言及は、2つ以上のかかる担体の混合物などを含む。
「任意選択の(optional)」または「場合により(optionally)」は、その後に説明される事象または環境が生じうるかまたは生じえないことと、説明が事象または環境が生じる事例およびそれが生じない事例を含むことを意味する。例えば、語句「場合により置換された低級アルキル」は、低級アルキル基が置換されうるかまたは置換されえないことと、説明が未置換低級アルキルおよび置換がある場合の低級アルキルの双方を含むことを意味する。
本明細書および結末の特許請求の範囲における、組成物または物品における特定の要素または成分の重量部への言及は、重量部が表される組成物または物品における、要素または成分と任意の他の要素または成分の間の重量関係を意味する。それ故、2重量部の成分Xと5重量部の成分Yを含有する化合物において、XおよびYは2:5の重量比で存在し、かつ追加的成分が化合物中に含有されるか否かに無関係にかかる比で存在する。成分の重量パーセントは、他に具体的に述べられない限り、成分が含まれる調合物または組成物の総重量を基準とする。
複数の項目、構成要素、組成要素、および/または材料は、本明細書で使用される場合、便宜上、共通リスト内に提示される場合がある。しかし、これらのリストは、リストの各メンバーが別々の固有のメンバーとして個別に同定されたものとして解釈されるべきである。したがって、反対する表示を有しない限り、かかるリストの個別のいかなるメンバーも、共通の群内に提示されていることのみに基づいて、同じリストの他のメンバーと事実上等しいものとして解釈されるべきでない。
濃度、量、および他の数値のデータは、本明細書中で、範囲形式で表現または提示される場合がある。かかる範囲形式が、あくまで便益や簡潔性のために使用され、それ故、範囲の限界として明示される数値を含むだけでなく、各数値および部分範囲が明示されるような範囲内に包含されるすべての個別の数値または部分範囲を含むように柔軟に解釈されるべきであることは、理解されるべきである。例として、「約1〜5」の数値範囲は、約1〜約5の明示される値を含むだけでなく、指定される範囲内の個別の値および部分範囲を含むように解釈されるべきである。したがって、この数値範囲内に、2、3、および4などの個別の値および1〜3、2〜4、および3〜5などの部分範囲、ならびに個別に1、2、3、4、および5が含まれる。同じ原則が、最小または最大として1つの数値のみに言及する範囲に適用される。さらに、かかる解釈は、記述されている範囲の幅または特性とは無関係に適用されるべきである。
本明細書で使用される用語「アルキル基」は、1〜24個の炭素原子の分岐または未分岐の飽和炭化水素基、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、デシル、テトラデシル、ヘキサデシル、エイコシル、テトラコシルなどである。「低級アルキル」基は、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基である。
用語「シクロアルキル基」は、本明細書で使用される場合、少なくとも3つの炭素原子から構成される非芳香族炭素に基づく環である。シクロアルキル基の例として、限定はされないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。用語「ヘテロシクロアルキル基」は、上で定義されるシクロアルキル基であり、ここで環の炭素原子の少なくとも1つは、限定はされないが、窒素、酸素、硫黄、またはリンなどのヘテロ原子で置換される。
用語「アリール基」は、本明細書で使用される場合、限定はされないが、ベンゼン、ナフタレンなどを含む任意の炭素に基づく芳香族基である。用語「芳香族」はまた、「ヘテロアリール基」を含み、それは芳香族基の環内に取り込まれる少なくとも1つのヘテロ原子を有する芳香族基として定義される。ヘテロ原子の例として、限定はされないが、窒素、酸素、硫黄、およびリンが挙げられる。アリール基は、置換または未置換であってもよい。アリール基は、限定はされないが、ハロ、ヒドロキシ、アルキルチオ、アリールチオ、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−置換アミノ、アンモニオまたは置換アンモニオ、ニトロソ、シアノ、スルホナト、メルカプト、ニトロ、オキソ、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、ベンジル、フェニル、置換ベンジル、置換フェニル、ベンジルカルボニル、フェニルカルボニル、サッカリド、置換ベンジルカルボニル、置換フェニルカルボニルおよびリン誘導体を含む1つ以上の基で置換されていてもよい。アリール基は、2つ以上の融合環を含んでもよく、ここで環の少なくとも1つは芳香環である。例として、ナフタレン、アントラセン、および他の融合芳香族化合物が挙げられる。
用語「低下させる」は、癌細胞成長または腫瘍成長の速度を低下させることを示す。例えば、癌細胞成長速度は、陽性対照と比較される場合、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または99%低下させることが可能である。
用語「予防する」は、陽性対照と比較される場合、癌細胞成長速度または腫瘍成長をゼロにすることを示す。
用語「低血圧」は、被検体の血圧が、症候を引き起こすかまたは健康状態に干渉する程度に十分に低い異常な状態を示す。例えば、90/60より低い血圧を有する被検体は、低血圧を患っている可能性がある。
用語「ミセル」は、液体コロイド中に分散された両親媒性分子の凝集体を示す。水溶液中の典型的なミセルは、周囲媒体と接触状態にある親水性「ヘッド」領域と凝集体を形成し、ミセル中心における疎水性テールを隔離する。ミセルの形状およびサイズは、両親媒性物質の分子構造と、両親媒性物質濃度、温度、pH、およびイオン強度などの溶液条件の関数である。O2−アリール置換ジアゼニウムジオレートは、大部分、ミセルの疎水性部分内部に取り込まれる。
用語「リポソーム」は、両親媒性物質によって生成される二層系を示す。水性コアは、二層を生成するように並ぶ両親媒性物質の疎水性テールの結果としてリポソーム中に存在する。
本願を通じて用いられるA、X、Y、R1〜R4、a、b、m、n、o、およびpなどの変数は、これと異なる規定がない限り、先に定義される場合と同じ変数である。
I.組成物およびその調製
抗癌処置にとって有用な医薬組成物が本明細書中に記載される。組成物は、インビボでNOを被検体に送達するのに有用である。NOは、微生物および腫瘍細胞の成長に対する宿主の免疫防御に寄与する強力な細胞毒素である(Moncada S.ら (1991年) Pharmacological Reviews 43:109−142頁;(Nathan C. (1992年) FASEB Journal 6:3051−3064頁)。実際、NOは、インビトロで腫瘍細胞に対して強力な細胞毒性を示す(Rangei−Yagui C.O.ら (2005年) J.Pharm.Pharma.Sci.8(2):147−63頁)。NOは、AML細胞において、成長を阻害し、分化およびアポトーシスを誘導する(Magrinal G.ら (1992年) Blood 80:1980−1986頁;Shami P.J.ら (1995年) Leukemia Research 19;527−533頁;Shami P.J.ら (1998年) Leukemia 12:1461−1466頁)。NOは、複数の細胞内標的を有し、細胞成長を阻害しうるため、標的送達の場合、抗新生物剤として使用するための非常に魅力的な分子である(Henry Y.ら (1993年) FASEB Journal 7:1124−1134頁);17−28頁)。これらの機序および標的は、(スーパーオキシドの存在下でペルオキシ亜硝酸を生成することによる)タンパク質チロシンニトロソ化、タンパク質チオールニトロシル化、ADPリボシル化、ミトコンドリア呼吸の阻害、リボヌクレオチドレダクターゼの阻害、タンパク質グルタチオン化、およびDNA鎖破壊の誘導を含む(Henry Y.ら (1993年) FASEB Journal 7:1124−1134頁);17−28頁)。
NOは癌の処置および治療において極めて多くの利点および用途を有するが、それは強力な血管拡張剤であり、血管系における可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)/cGMPシグナル形質導入経路を活性化することによって低血圧を誘発する(Moncada S.ら (1991年) Pharmacological Reviews 43:109−142頁;Nathan C.(1992年) FASEB Journal 6:3051−3064頁)。この特性は、溶液中にNOを自発的に生成する薬剤(ニトロプルシドナトリウムなど)の抗腫瘍目的でのインビボ投与を実現不能にする。本明細書中に記載の組成物は、これらの制限に対処する。
本明細書中に記載の組成物は、癌の処置のために被検体に容易に投与可能な、リポソームまたはミセル中のO2−アリール置換ジアゼニウムジオレートから構成される。組成物および方法は以下に詳述される。
a.O2−アリール置換ジアゼニウムジオレート
ジアゼニウムジオレートは、N22官能基を有する化合物である。米国特許第6,610,660号明細書に開示されるO2−アリール置換ジアゼニウムジオレートおよびそれを調製するための方法は、本明細書中で使用してもよく、その教示内容は参照により援用される。一態様では、O2−アリール置換ジアゼニウムジオレートは、式Iを有する。
Figure 0005529762
ここでXは有機部分を含み、かつYはアリール基を含み、ここでアリール基の環の原子は、O2−酸素、またはその医薬的に許容できる塩もしくはエステルに結合される。Yが式Iの化合物から切断される場合、NOは自発的に放出される。理論に縛られたくないが、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)は、被検体においてインビボでYを切断し、かつNOを生成しうる(一般的機序については図10、およびJSKを使用する特異的機序については図11を参照)。グルタチオン−S−トランスフェラーゼは、白血病および固形腫瘍の多くの形態で過剰発現される。したがって、インビボでの式Iを有する化合物の癌細胞への送達、次いで、その後のNOを生成するための化合物の切断は、癌を処置するための有効な方法である。本明細書中に記載の組成物は、例えば式Iに記載のジアゼニウムジオレートを癌細胞に送達するための有効な方法を提供する。
一態様では、式IにおけるXは、置換もしくは未置換アルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、またはアリール基であってもよい。別の態様では、Xは、環内部に取り込まれた少なくとも1つの窒素原子を有するヘテロシクロアルキル基である。かかるヘテロシクロアルキル基の例として、限定はされないが、式II、III、またはIVを有する基が挙げられる。
Figure 0005529762
ここでAは、N、O、またはSであり、mは1〜12であり、oは1または2であり、pは1〜5であり、R3は、水素、アルキル基(例えばC1〜C8直鎖またはC3〜C8分岐鎖アルキル基)、シクロアルキル基(例えばC3〜C8)、アリール基、カルボキシラト基であり、かつ、R4は、水素またはアルキル基(例えばC1〜C6直鎖アルキル基またはC3〜C6分岐鎖)である。
他の態様では、Xは、式Vを有する基である。
Figure 0005529762
ここでnは1または2であり、かつ、R1は、置換もしくは未置換アリール基、置換もしくは未置換ヘテロアリール基、または式−C(O)OR2を有するエステルもしくは式−C(O)R2を有するケトンであり、ここでR2は、アルキル基またはアリール基を含む。例えば、式Vを参照すると、nは1であり、かつR1は式−C(O)OR2(式中、R2はC1〜C5アルキル基である)を有しうる。別の態様では、式Vにおけるnは1であり、かつR1は式−C(O)OEtを有する。
式IにおけるYはアリール基を含み、ここでアリール基の環の原子はO2−酸素に結合される。本明細書において有用なアリール基の例として、限定はされないが、アクリジン、アントラセン、ベンゼン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ベンゾオキサゾール、ベンゾピラゾール、ベンゾチアゾール、カルバゾール、クロロフィル、シンノリン、フラン、イミダゾール、インドール、イソベンゾフラン、イソインドール、イソオキサゾール、イソチアゾール、イソキノリン、ナフタレン、オキサゾール、フェナントレン、フェナントリジン、フェノチアジン、フェノキサジン、フタルイミド、フタラジン、フタロシアニン、ポルフィン、プテリジン、プリン、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、ピリジン、ピリミジン、ピロコリン、ピロール、キノリジニウムイオン、キノリン、キノキサリン、キナゾリン、シドノン、テトラゾール、チアゾール、チオフェン、チロキシン、トリアジン、またはトリアゾールが挙げられる。
別の態様では、Yは、通常生体内に見出される分子またはその置換基に対して同一であるかまたは構造的に類似しうる。これらの生物学的に関連のある基は、ビタミンもしくはその誘導体、ホルモンもしくはその誘導体、ピリミジンもしくはその誘導体、リボシルピリミジン(ribosylpyrimidine)もしくはその誘導体、プリンもしくはその誘導体、またはリボシルプリン(ribosylpurine)もしくはその誘導体でありうる。他の態様では、Yは、ヌクレオチド、ヌクレオシド、および核酸;ペプチドホルモン、非ペプチドホルモン、ビタミンおよびポルフィリンなどの他の酵素共同因子を含むペプチド、ならびにその他でありうる。生物学的に関連のあるアリール基の例として、チロキシン、NAD(またはNADH)、クロロフィル、ヒポキサンチン、ウリジン、およびビタミンK5が挙げられる。これらの態様では、上で同定された化合物は、アリール基を有する。
Yにおいて存在するアリール基は、種々の基で置換されていてもよい。一態様では、Yは少なくとも1つのニトロ基を有する。別の態様では、Yは、少なくとも1つのニトロ基または2つのニトロ基を有するフェニル基である。一態様では、Yは、式VIを有する。
Figure 0005529762
別の態様では、O2−アリール置換ジアゼニウムジオレートは、O2−(2,4−ジニトロフェニル)1−[(4−エトキシカルボニル)ピペラジン−1−イル]ジアゼン−1−イウム−1,2−ジオレート(diolate)(JS−K)、O2−(2,4−ジニトロフェニル)1−[4−フェニルピペラジン−1−イル]ジアゼン−1−イウム−1,2−ジオレート(JXC−2−40)、O2−(2,4−ジニトロフェニル)1−[4−ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル]ジアゼン−1−イウム−1,2−ジオレート(JXC−2−56)、またはO2−(2,4−ジニトロフェニル)1−[(4−エトキシカルボニル)−2,4−ジアザシクロ−ヘプタン−1−イル]ジアゼン−1−イウム−1,2−ジオレート(JS−36−25)である。これらの化合物の構造は、図1に提供される。
本明細書中に記載のO2−アリール置換ジアゼニウムジオレートはいずれも、その医薬的に許容できる塩もしくはエステルであってもよい。医薬的に許容できる塩は、遊離酸を適量の医薬的に許容できる塩基で処理することによって調製される。代表的な薬学的に許容される塩基は、水酸化アンモニウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化第一鉄、水酸化亜鉛、水酸化銅、水酸化アルミニウム、水酸化第二鉄、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エタノールアミン、2−ジメチルアミノエタノール、2−ジエチルアミノエタノール、リジン、アルギニン、ヒスチジンなどである。一態様では、反応は、室温など、約0℃〜約100℃の温度で、単独でまたは不活性の水溶性有機溶媒と組み合わせて、水中で行われる。使用される塩基に対する構造式Iの化合物のモル比は、任意の特定の塩に対して所望される比を提供するように選択される。例えば、遊離酸出発材料のアンモニウム塩を調製する場合、出発材料は約1当量の薬学的に許容される塩基で処理され、中性塩が得られうる。
エステル誘導体は、典型的には、(下記の実施例において例示される)化合物の酸形態に対する前駆物質として調製され、それ故にプロドラッグとして役立ちうる。一般に、これらの誘導体は、メチル、エチルなどの低級アルキルエステルとなる。アミド誘導体−(CO)NH2、−(CO)NHRおよび−(CO)NR2(式中、Rは上で定義されるアルキル基である)は、カルボキシル酸含有化合物とアンモニアまたは置換アミンとの反応によって調製することが可能である。
b.両親媒性物質
本明細書において有用な両親媒性物質は、ミセルまたはリポソームを形成することが可能な親水性および親油性基を有する化合物である。両親媒性物質は、最小の毒性を有するように生体適合性である必要がある。リポソームおよびミセルを調製するための、本明細書において有用な両親媒性物質は、生体適合性かつ生体分解性の物質から生成されるホモポリマー、共重合体、ブロック共重合体を含む。かかるポリマーの例として、限定はされないが、ポリ(アミノ酸);ポリ乳酸;ポリ(エチレンイミン);ポリ(メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル)(poly(dimethylaminoethylmethacrylates))、ポリエチレングリコールとヒドロキシアルキルアクリレートとアクリルアミドの共重合体(例えばN−(2−ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド)、PEG−β−ポリ(α−アミノ酸)、ポリ(L−乳酸)−ポリ(エチレングリコール)ブロック共重合体、またはポリ(L−ヒスチジン)−ポリ(エチレングリコール)ブロック共重合体が挙げられる。
一態様では、両親媒性物質はポロキサマーである。一態様では、ポロキサマーは、ポリオキシエチレン(例えばポリ(エチレンオキシド))の2つの親水性鎖によって隣接された、ポリオキシプロピレン(例えば、ポリ(プロピレンオキシド))の中心疎水性鎖から構成される非イオン性トリブロック共重合体である。一態様では、ポロキサマーは、式
HO(C24O)b(C36O)a(C24O)bOH
(式中、aは、10〜100、20〜80、25〜70、もしくは25〜70、または50〜70であり;bは、5〜250、10〜225、20〜200、50〜200、100〜200、または150〜200である)を有する。別の態様では、ポロキサマーは、2,000〜15,000、3,000〜14,000、または4,000〜12,000の分子量を有する。本明細書において有用なポロキサマーは、BASFによって製造される商標名Pluronic(登録商標)の下で販売されている。本明細書において有用なポロキサマーの非限定例として、限定はされないが、表1に記載のものが挙げられる。
Figure 0005529762
他の態様では、両親媒性物質は、リン脂質などの脂質であってもよく、それはリポソームの調製において有用である。例として、ホスファチジルエタノールアミンおよびホスファチジルコリンが挙げられる。他の態様では、両親媒性物質は、コレステロール、糖脂質、脂肪酸、胆汁酸、またはサポニンを含む。
c.組成物の調製
本明細書中に記載の組成物は、O2−アリール置換ジアゼニウムジオレートと両親媒性物質とを、溶媒中、適切な濃度で混合し、ミセルまたはリポソームを生成することにより、容易に調製することが可能である。特定の態様では、O2−アリール置換ジアゼニウムジオレートおよび両親媒性物質は、水中で混合され、次いで加熱によってミセルを生成する。O2−アリール置換ジアゼニウムジオレートおよび両親媒性物質の量は、変化しうる。一態様では、両親媒性物質の量は、臨界ミセル濃度(CMC)が低下するのに十分である必要がある。臨界ミセル濃度(CMC)は、上部でミセルが自発的に形成される界面活性剤の濃度として定義される。表1は、両親媒性物質として本明細書において有用なポロキサマーのCMCを提供する。特定の態様では、使用される両親媒性物質の濃度は、両親媒性物質のCMCより数倍高い可能性がある。O2−アリール置換ジアゼニウムジオレートに加え、追加的な生物活性剤をミセルまたはリポソームに取り込むことが可能であると考えられる。例えば、本態様では、下記の他の抗癌剤を本明細書で使用してもよい。
特定の態様では、添加剤を使用し、本明細書中に記載の組成物の安定性を高めることが可能である。一態様では、アルブミンなどの添加剤は、両親媒性物質およびO2−アリール置換ジアゼニウムジオレートに添加される場合、得られるミセルまたはリポソームを安定化することが可能である。例えば、1%ヒト血清アルブミンの、2%P123 Pluronic(登録商標)中に溶解された1mMのJS−Kへの添加は、有意により安定であるミセルの形成をもたらした。
本明細書中に記載の組成物は、非常に安定である。換言すれば、O2−アリール置換ジアゼニウムジオレートは、血清およびGSHなどのペプチドへの暴露などのストリンジェントな生理的条件から保護される。さらに、組成物は、扱いやすく、かつO2−アリール置換ジアゼニウムジオレートが組成物から浸出することなく、濾過などの精製ステップに耐えることが可能である。最終的に、組成物は水溶性である。一般に、O2−アリール置換ジアゼニウムジオレートは水不溶性である。したがって、O2−アリール置換ジアゼニウムジオレートがミセルまたはリポソーム中に取り込まれる場合、O2−アリール置換ジアゼニウムジオレートを被検体に投与することがはるかに容易になる。
d.医薬組成物
一態様では、本明細書中に記載の組成物のいずれかを少なくとも1つの薬学的に許容されるキャリアと組み合わせることで、医薬組成物を生成することが可能である。医薬組成物は、当該技術分野で公知の技術を用いて調製してもよい。一態様では、組成物は、組成物を薬学的に許容されるキャリアと混合することによって調製される。用語「混合する(admixing)」は、化学反応または物理的相互作用が全く生じないように、2つの成分を共に混合することとして定義される。用語「混合する」はまた、式Iを有する化合物と薬学的に許容されるキャリアとの間の化学反応または物理的相互作用を含む。
薬学的に許容されるキャリアは、当業者にとって公知である。これらは、最も典型的には、生理的pHでの滅菌水、生理食塩水、および緩衝溶液などの溶液を含む、ヒトへの投与のための標準のキャリアとなる。
医薬送達が意図された分子は、医薬組成物中で調合することが可能である。医薬組成物は、選択される分子に加え、キャリア、増粘剤、希釈剤、緩衝液、保存剤、表面活性剤などを含んでもよい。医薬組成物はまた、抗菌剤、抗炎症剤、麻酔剤などの1種以上の活性成分を含んでもよい。
医薬組成物は、局所または全身処置が望ましいか否かに加え、処置されるべき領域に依存して、複数の方法で投与してもよい。投与は、非経口、経口、皮下、病巣内、腹腔内、静脈内、または筋肉内であってもよい。
投与用調製物は、無菌の水性または非水性溶液、懸濁液、およびエマルジョンを含む。非水性キャリアの例として、アルコール性/水性溶液、エマルジョンまたは懸濁液、例えば生理食塩水および緩衝媒体が挙げられる。非経口媒体は、開示される組成物および方法の追加的使用として必要とされる場合、塩化ナトリウム溶液、リンガーデキストロース、デキストロースおよび塩化ナトリウム、乳酸化リンガー、または固定油を含む。静脈内媒体は、開示される組成物および方法の追加的使用として必要とされる場合、流体および栄養素補液、電解質補液(例えばリンガーデキストロースに基づくもの)などを含む。保存剤および他の添加剤、例えば、抗菌剤、抗酸化剤、キレート剤、および不活性ガスなどもまた存在しうる。
特定の場合における活性化合物の実際の好ましい量は、使用中の特定の化合物、調合される特定の組成物、適用の様式(mode of application)、ならびに処置されている特定の位置および哺乳動物に従って変化することは理解されるであろう。所与の宿主における用量は、従来からの検討事項を用いて、例えば対象化合物と公知の作用剤との特異的活性の慣習的な比較により、例えば適切な従来の薬理学的プロトコルにより、決定してもよい。医薬化合物の用量を決定する当業者である医師および調合師は、標準的推奨に従い、用量を難なく決定することになる(Physicians Desk Reference,Barnhart Publishing(1999年))。
II.使用の方法
本明細書中に記載の組成物は、有効な抗癌剤である。化学療法剤に耐性がある腫瘍細胞は、臨床腫瘍学における主要な課題を示す。本発明の方法および組成物を使用し、細胞成長を阻害するか、細胞分化を誘発するか、アポトーシスを誘発するか、MDR表現型を阻害するか、転移を阻害するか、血管新生を阻害するかまたはそれ以外に腫瘍細胞の悪性表現型を無効にするかもしくは低下させるため、「標的」細胞を、本明細書中に記載の1種以上の組成物と接触させる。特定の態様では、O2−アリールジアゼニウムジオレート化合物と少なくとも1種の他の作用剤から構成される組成物を投与してもよい。本明細書中に記載の組成物は、化学および放射線療法の有効性を改善することが可能である。1つのアプローチは、本明細書中に記載の組成物を化学または放射線治療的介入と併用することを含む。この処置のオプションは、DNA損傷剤と共にコンビナトリアルな治療的効果を提供しうる。さまざまな癌治療剤およびかかる作用剤を使用する処置の方法は、当該技術分野で周知である。
一態様では、追加的な作用剤は、抗癌剤であってもよい。これらの組成物は、細胞の増殖を殺滅または阻害するのに有効な組み合わせ量で提供されうる。このプロセスは、細胞を組成物および作用剤または因子と同時に接触させることを含みうる。これは、細胞を単一の組成物または両方の作用剤(例えばO2−アリールジアゼニウムジオレートおよび化学療法剤)を含む医薬調合物と接触させるか、または細胞を2つの異なる組成物または調合物と同時に接触させることによって行うことが可能であり、ここで一方の組成物は本明細書中に記載のO2−アリールジアゼニウムジオレート組成物を含み、かつ他方は作用剤を含む。
あるいは、O2−アリールジアゼニウムジオレート組成物による処置のいずれかは、数分から数週の範囲の間隔で、他の作用剤処置に先行または後続しうる。他の作用剤と本明細書中に記載のO2−アリールジアゼニウムジオレート組成物のいずれかとが細胞に別々に適用される場合の態様では、作用剤とO2−アリールジアゼニウムジオレート化合物とが依然として細胞に対して有利に組み合わされた(例えば相乗)効果を発揮可能となるように、各送達の間隔として有意な期間が過ぎないようにすべきである。一態様では、細胞は、両方の様式と、約12〜24時間以内に、または互いの約6〜12時間後に、最大で約12時間の遅延時間で、接触することが可能である。いくつかの状況では、例えば各投与の間で数日(2、3、4、5、6もしくは7日)から数週(1、2、3、4、5、6、7もしくは8週)が経過する場合、治療剤のみでの処置の期間を延長することが望ましい場合がある。
抗癌剤の例として、限定はされないが、白金化合物(例えば、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン)、アルキル化剤(例えば、シクロホスファミド、イホスファミド、クロラムブシル、窒素マスタード、チオテパ、メルファラン、ブスルファン、プロカルバジン、ストレプトゾシン、テモゾロマイド、ダカルバジン、ベンダムスチン)、抗腫瘍抗生物質(例えば、ダウノルビシン、ドキソルビシン、イダルビシン、エピルビシン、ミトキサントロン、ブレオマイシン、マイトマイシンC、プリカマイシン、ダクチノマイシン)、タキサン(例えば、パクリタキセルおよびドセタキセル)、代謝拮抗薬(例えば、5−フルオロウラシル、シタラビン、ペメトレキセド、チオグアニン、フロクスウリジン、カペシタビン、およびメトトレキセイト)、ヌクレオシド類似体(例えば、フルダラビン、クロファラビン、クラドリビン、ペントスタチン、ネララビン)、トポイソメラーゼ阻害剤(例えば、トポテカンおよびイリノテカン)、低メチル化剤(例えば、アザシチジンおよびデシタビン)、プロテオソーム阻害剤(例えばボルテゾミブ)、エピポドフィロトキシン(例えば、エトポシドおよびテニポシド)、DNA合成阻害剤(例えばヒドロキシウレア)、ビンカアルカロイド(例えば、ビンクリスチン、ビンデシン、ビノレルビン、およびビンブラスチン)、チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、イマチニブ、ダサチニブ、ニロチニブ、ソラフェニブ、スニチニブ)、モノクローナル抗体(例えば、リツキシマブ、セツキシマブ、パニツムマブ、トシツモマブ、トラツズマブ、アレムツズマブ、ゲムツズマブオゾガマイシン、ベバシズマブ)、ニトロソウレア(例えば、カルムスチン、ホテムスチン、およびロムスチン)、酵素(例えば、L−アスパラギナーゼ)、生物剤(例えば、インターフェロンおよびインターロイキン)、ヘキサメチルメラミン、ミトタン、血管新生阻害剤(例えば、サリドマイド、レナリドマイド)、ステロイド(例えば、プレドニゾン、デキサメタゾン、およびプレドニゾロン)、ホルモン剤(例えば、タモキシフェン、ラロキシフェン、ロイプロリド、ビカルタミド、グラニセトロン、フルタミド)、アロマターゼ阻害剤(例えば、レトロゾールおよびアナストロゾール)、三酸化ヒ素、トレチノイン、非選択的シクロオキシゲナーゼ阻害剤(例えば、非ステロイド性抗炎症剤、サリチル酸塩、アスピリン、ピロキシカム、イブプロフェン、インドメタシン、ナプロシン、ジクロフェナク、トルメチン、ケトプロフェン、ナブメトン、オキサプロジン)、選択的シクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)阻害剤、またはこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
本明細書中に記載の方法は、種々の異なるタイプの癌を処置するために適用可能である。一態様では、癌は、前立腺癌、白血病(例えば、急性骨髄性白血病、急性前骨髄球性、急性リンパ芽球性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ球性白血病、毛様細胞白血病、形質細胞白血病)、骨髄増殖性障害(例えば、本態性血小板増加症、真性赤血球増加症、原発性骨髄線維症)、骨髄異形成症候群、リンパ腫(ホジキンおよび非ホジキン)、睾丸癌、頭頸部癌、食道癌、胃癌、肝癌、小腸癌、胆嚢癌、直腸癌、肛門癌、肉腫、子宮癌、頸癌、膀胱癌、骨肉腫、腎癌、メラノーマ、結腸癌、卵巣癌、肺癌、中枢神経系癌、多発性骨髄腫、皮膚癌、または乳癌を含む。本明細書中に記載の組成物の主な利点の1つは、組成物が、抗癌処置において有効である一方、低血圧を誘発しない点である。上で考察のように、NOの広範なインビボ使用に伴う問題は、非癌性細胞に対するその非特異的作用であり、低血圧をもたらす血管組織に対するその効果を含む。記載される組成物はこの問題を回避し、それにより、抗癌処置および予防において、さらにより魅力的なものになる。
他の態様では、本明細書中に記載の組成物は、パージング剤として使用することが可能である。例えば、幹細胞は、癌(例えば、白血病または多発性骨髄腫)を患う患者から採取することが可能であり、かつ幹細胞は、本明細書中に記載の組成物で処置し、任意の残存する悪性腫瘍細胞を殺滅することが可能である。これはまた、本明細書中で、移植片の「パージング」と称される。次いで、処置された幹細胞は、患者に対し、高用量の化学療法/放射線後の幹細胞(骨髄)移植において使用することが可能である。
次の実施例が、本明細書中に記載され、主張される化合物、組成物、および方法がいかに作られ、評価されるかについての完全な開示および説明を当業者に提供するために示され、純粋に例示的であるように意図され、かつ発明者がその発明であると見なすことの範囲を限定するように意図されていない。数(例えば、量、温度など)に対する精度を保証するための努力がなされているが、一部の誤りや逸脱は考慮されるべきである。他に指定がない限り、部は重量部であり、温度は℃であるかまたは周囲温度であり、かつ圧力は大気圧またはその近傍である。反応条件、例えば、成分濃度、所望される溶媒、溶媒混合物、温度、圧力ならびに、上記プロセスから得られる生成物の純度および収率を最適化するのに使用可能な他の反応範囲および条件の極めて多数の変形および組み合わせがある。かかるプロセス条件を最適化するには、合理的かつルーチン的な実験のみが必要となる。
実施例1
本実施例は、ミセル中でのJS−Kの負荷の範囲について例示する。JS−Kを、Pluronic(登録商標)P123およびL121ポリマー中に負荷し、ミセルを形成した。溶液中のJS−K対Pluronic(登録商標)ポリマーの割合は10重量%であった。次いで、JS−Kミセル調製物を2時間透析した。遊離JS−Kを用いた同じ手順に従う並行実験を対照として設定した。透析の2時間後、JS−KレベルをHPLCによって測定し、保持されるJS−Kのパーセントを評価した。遊離JS−Kのパーセント保持は、Pluronic(登録商標)P123およびL121ミセルの各々におけるJS−Kについての75±10%および78±11%と比べて31%に過ぎなかったが、それについては図2を参照のこと。結果は、ミセル調製物中のJS−Kが透析後に保持される一方、遊離JS−Kは透析の間に大部分が失われることを示した。
実施例2
本実施例は、Pluronic(登録商標)ミセルに対する濾過の効果について例示する。JS−KはP123ミセル中に負荷された(溶液中のJS−K対Pluronic(登録商標)ポリマーは1.57重量%であった)。次いで、一定分量のJS−K調製物を0.2μMの膜フィルタを通して濾過し、室温で保持した。一定間隔で、調製物からの20μLの一定分量を回収し、JS−KレベルをHPLCによって測定した。濾過されていないP123 Pluronic(登録商標)ミセル中の類似のJS−K調合物に対して並行測定を行った。測定されたJS−Kレベルは経時的に低下した。結果は、濾過ミセルと未濾過ミセルの間にJS−K濃度における差異が全くないことを示し、これはこれらのミセルが分解されることなく濾過されうることを示唆しており、それについては図3を参照のこと。
実施例3
本実施例は、Pluronic(登録商標)ミセルがGSHの存在下でJS−Kを安定化させることを例示する。これらの実験では、Pluronic(登録商標)P−123ミセル中で調合された遊離JS−KおよびJS−Kを、pH7.4および室温で、PBS中、4.0mM GSHとともに、10mMの濃度でインキュベートした。溶液中のJS−K対Pluronic(登録商標)ポリマーの割合は1.57重量%であった。一定間隔で、JS−KレベルをHPLCによって測定した。これらの条件下で、遊離JS−Kは、GSHの存在下で6分間の半減期を有した。同じ条件下、GSHの存在下でのP−123ミセル中のJS−Kは、37分間の半減期を有した。これらの結果は、Pluronic(登録商標)ミセルが、GSHによって表される遊離チオールによる求核攻撃の極めてストリンジェントな条件下で、JS−Kの半減期を実質的に(P−123の場合には6倍)延長することを示す。
実施例4
本実施例は、血清中、Pluronic(登録商標)ミセル中での遊離JS−K対JS−Kの安定性について例示する。JS−Kを、L121およびP123 Pluronic(登録商標)ミセル中に負荷した。溶液中のJS−K対Pluronic(登録商標)ポリマーの割合は0.98重量%であった。次いで、Pluronic(登録商標)JS−Kを、8mLの全容量でFBSとともに37℃でインキュベートした。JS−Kの最終濃度は100μMであった。FBSの最終濃度は90% v/vであった。pHは7.6であった。対照を、同じ濃度での遊離JS−Kを使用し、同じ条件下で設定した。1mLの一定分量を一定間隔で採取した。ジクロロメタン抽出後、JS−Kレベルを、上で概説したプロトコルを用いるHPLCによって測定した。実験を2通りに行い、測定値を使用し、血清中の異なるJS−Kの調合物の半減期を計算した。
これらの条件下で、遊離JS−Kは1.2分間の半減期を有した。L121 Pluronic(登録商標)ミセル中のJS−Kは71分間の半減期を有する一方、P123ミセル中のJS−Kは91分間の半減期を有した。これらの実験は、遊離GSHの場合よりインビボに近い条件を再現し、Pluronic(登録商標)ミセルが、タンパク質および高分子への暴露という極めてストリンジェントな条件下で、JS−Kを安定化させる能力を示す。
実施例5
本実施例では、Pluronic(登録商標)ミセル中のJS−Kの粒子サイズおよびpH効果を測定する。Malvern 3000 Zetasizer(Malvern Instruments(Worstershire,UK))を使用する動的光散乱を用い、異なるpH条件下、JS−Kを有する場合と有しない場合とでPluronic(登録商標)P123ミセルの粒子サイズを測定した。3mLの体積のPBS中の4つの別々の試料に対し、測定を行った。1つの実験セットでは、(JS−Kを有しない)P123ミセルに対し、4.5〜7.4の範囲の異なるpH条件下で行った。室温で4時間の平衡化後、粒子サイズを測定した。凝集は全く認められず、これはミセルの完全性が保持されることを示した。表2における結果は、pHがP123 Pluronic(登録商標)ミセルのサイズ(ひいては安定性)に影響を与えないことを示す。
Figure 0005529762
別の実験セットでは、JS−KをpH7.4でP123ミセル中に負荷し、粒子サイズを異なる間隔で測定した。溶液中のJS−K対Pluronic(登録商標)ポリマーの割合は0.52重量%であった。表3における結果は、観察期間にわたり、JS−Kを負荷したP123ミセルが安定であったことを示す。
Figure 0005529762
再び凝集は全く認められず、それはミセルの完全性が保持されることを示した。これらの測定から3つの結論を導くことができる。第1に、これらの条件下で、Pluronic(登録商標)ミセルは、観察期間にわたって非常に安定である。第2に、ミセルへのJS−Kの負荷は、粒子サイズまたはミセルの安定性に影響を与えなかった。第3に、試験範囲内で、pHはミセルの安定性に影響を与えなかった。
実施例6
本実施例では、Pluronic(登録商標)ミセル中でのJS−Kのインビトロ細胞毒性を試験した。上記のように、JS−Kを、F68、P105、またはF127 Pluronic(登録商標)ミセル中に負荷した。溶液中のJS−K対Pluronic(登録商標)ポリマーの割合は4重量%であった。次いで、遊離JS−KまたはミセルJS−Kを、0.5μMの濃度でHL−60細胞に加えた。同様の対照実験を、等しい濃度の、JS−Kを有しない各Pluronic(登録商標)ミセルで設定した。3日のインキュベーション後、細胞成長を、MTSアッセイを使用して測定した。遊離JS−Kは、白血病細胞の成長を62%阻害した(図4)。F68ミセルはJS−Kの細胞毒性効果を増大させなかった一方、P105またはF127ミセル中に調合したJS−Kは細胞成長をそれぞれ約90%阻害した(図4)。等しい濃度(0.08% w/v)での等価な空のミセルは細胞成長に対する有意な効果を全く有さなかった(示さない)。
これらの結果は、Pluronic(登録商標)ミセルの調合物がJS−Kの有効性を高めうることを示す。想定どおり、最高のCMCおよび最低の分配係数を有するPluronic(登録商標)ポリマー(表1および図5)は、遊離JS−Kの有効性を改善しなかった。CMCおよび分配係数を同じ範囲内で有するP105およびF127(表2および図3)は、JS−Kの細胞毒性をほぼ同じ程度まで増大させた。
他の実験では、JS−KをPluronic(登録商標)P123ミセルに負荷し、HL−60細胞に対するそのインビトロ細胞毒性を遊離JS−Kと比較した。溶液中のJS−K対Pluronic(登録商標)ポリマーの割合は1.97重量%であった。結果は、Pluronic(登録商標)P123ミセル中へのJS−Kの調合がそのインビトロでのIC50を0.45から0.09μMへ減少させることを示し、それはその細胞毒性活性が実質的に増大することを示した(図6)。これらの結果は、ミセル中でのJS−Kの安定化および薬剤の細胞内蓄積の増大に起因する可能性が高い。
実施例7
本実施例は、全身血圧に対するPluronic(登録商標)ミセル中のJS−Kの効果について例示する。JS−Kを、Pluronic(登録商標)P123ミセルに負荷し、インビボ実験において使用し、JS−KのPluronic(登録商標)ミセル調製物が全身血圧に対するJS−Kの効果に作用するか否かを判定した。溶液中のJS−K対Pluronic(登録商標)ポリマーの割合は1.53重量%であった。
覚醒した無麻酔のNOD/SCIDおよびNOD/SCID IL2Rγnullマウスを、これらの実験に使用した。マウスを、P123ミセル中のJS−Kまたは遊離JS−Kの静脈内用量を増加させて処置した。収縮期血圧を、テールカフ技術を用いて5分置きに1時間、次いで2時間時点で測定した。遊離JS−Kは、5μモル/kgの用量で、収縮期血圧におけるベースラインの約20%の持続的低下をもたらした一方、P123ミセル中のJS−Kは、同じ用量でもたらさなかった(図7)。
P123ミセル中のJS−Kが低血圧を誘発しなかった一方、遊離JS−Kが等しい用量で低血圧を誘発したという事実は、JS−KのPluronic(登録商標)ミセル調製物が血流中の薬剤をインビボで安定化させるという間接的証拠を示す。より高用量で認められる低血圧は、遊離薬剤とミセル中のJS−Kの間の動的平衡に起因する可能性が高い。
実施例8
本実施例は、Pluronic(登録商標)ミセル中のJS−Kのインビボでの抗白血病活性について例示する。NOD/SCID IL2Rγnullマウスの各横腹に、5×106個のHL−60細胞を接種した。腫瘍が触知可能になったとき、処置を、1−空のPluronic(登録商標)P123ミセルを注射した対照(マウス4匹);2−遊離JS−Kを注射したマウス(マウス3匹);および3−Pluronic(登録商標)P123ミセル中に調合されたJS−Kを注射したマウス(マウス3匹)のような3つの変数の場合で開始した。溶液中のJS−K対Pluronic(登録商標)ポリマーの割合は2.0重量%であった。注射を、静脈内に1週につき3回与えた。遊離JS−Kおよびミセルに調合されたJS−Kの用量は4μモル/kgであった。ミセルに調合されたJS−Kでの処置は、腫瘍成長において遊離薬剤より大きい遅延をもたらした。SAS PROC MIXEDを用いる線形混合モデルを、ランダム効果を用いて図8におけるデータに適合させ、同じ動物内での測定値間での相関を明らかにした。このモデルでは、時間の一次および二次効果によって適合させた腫瘍成長の速度は、遊離JS−Kで処置した動物中では、Pluronic(登録商標)P123ミセル中に調合されたJS−Kで処置した動物より有意に高いことが判明した(F検定によるとp=0.01)。
結果によると、JS−Kのインビボでの抗腫瘍活性が確認され、Pluronic(登録商標)ミセル調製物中のJS−Kの抗腫瘍有効性の増大が示唆される。これは、ミセルによる薬剤の安定化、ひいては腫瘍への薬剤送達の増大に起因する可能性が非常に高い。
実施例9
インビトロでの異なる媒体中でのJS−Kの安定性を評価した。JS−Kを、Pluronic(登録商標)P123ミセル中に、2.25%のJS−K対P123の比で負荷した。ミセルに可溶化されたJS−Kまたは遊離JS−Kを、それぞれ50および10μモルの濃度で、異なる媒体中で、37℃でインキュベートした。遊離JS−Kは、その溶解性に限界があるため、より低い濃度を使用した。異なる媒体中のJS−Kの濃度を、高圧液体クロマトグラフィ−(HPLC)を用い、最大で60分間の間隔で測定した。曲線下面積(AUC)HPLCの測定値を使用し、異なる媒体中のJS−Kの半減期(T1/2)およびパーセント回復(percent recovery)を判定した。遊離JS−Kおよびミセルに可溶化されたJS−Kは、10%ウシ胎仔血清を有するRPMI媒体に加えたとき、それぞれ9.6+/−1.3分間および53.4+/−1.96分間のT1/2を有した(6つの別々の実験の平均およびSEM、P=0.00004)(図9)。遊離およびミセルに可溶化されたJS−Kの、RPMI/10%FBS中での60分間のインキュベーション後におけるパーセント回復は、10.53+/−1.42および50.71+/−8.27であった(6つの別々の実験の平均およびSEM、P=0.0001)。遊離JS−Kおよびミセルに可溶化されたJS−Kは、プールされたヒト血漿に加えたとき、それぞれ26+/−0分間および80+/−3分間のT1/2を有した(2つの別々の実験の平均およびSEM、P=0.0353)(図9)。遊離およびミセルに可溶化されたJS−Kの、プールされたヒト血漿中での60分間のインキュベーション後におけるパーセント回復は、39+/−0および59.5+/−1.5であった(2つの別々の実験の平均およびSEM、P=0.05)(図9)。
本明細書中に示される本発明の主な改良および他の実施形態を、当業者は着想するであろうし、これらの発明は、上述の説明において示される教示内容の利点を有する。したがって、本発明が開示される特定の実施形態に限定されるべきでなく、かつ改良および他の実施形態が添付の特許請求の範囲の範囲内に含められるように意図されることは理解されるべきである。特定の用語が本明細書中で使用されるが、それらはあくまで一般的かつ説明的意味で使用され、限定目的に使用されない。

Claims (12)

  1. (a) 2(2,4−ジニトロフェニル)1−[(4−エトキシカルボニル)ピペラジン−1−イル]ジアゼン−1−イウム−1,2−ジオレート(JS-K)又はその医薬として許容される塩若しくはエステル;及び
    b)以下の式:
    HO(C 2 4 O) b (C 3 6 O) a (C 2 4 O) b OH
    {式中、aが50〜80であり、そしてbが10〜50である}
    を有するポロキサマー
    を混合するステップを含む方法によって生成される組成物であって、
    ポロキサマーのがミセルを生成するのに十分である、前記組成物。
  2. 前記ポロキサマーが、Pluronic(登録商標)P123である、請求項1に記載の組成物。
  3. aが50〜70であり、そしてbが10〜25である、請求項1に記載の組成物。
  4. JS−Kの量が、前記ミセルの0.98質量%であるか、又はそれ未満である、請求項1に記載の組成物。
  5. JS−Kの量が、前記ミセルの0.52質量%であるか、又はそれ未満である、請求項1に記載の組成物。
  6. 請求項1に記載の組成物及び医薬として許容される担体を含む、医薬組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物を含む、癌治療用の医薬組成物。
  8. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物を含む、癌細胞の殺傷するための医薬組成物。
  9. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物を含む、癌細胞の成長を予防又は低減するための医薬組成物。
  10. 前記癌が、前立腺、白血病、骨髄増殖性障害、骨髄異形成症候群、リンパ腫、睾丸癌、頭頸部癌、食道癌、胃癌、肝癌、小腸癌、胆嚢癌、直腸癌、肛門癌、肉腫、子宮癌、頸癌、膀胱癌、骨肉腫、腎癌、メラノーマ、結腸癌、卵巣癌、肺癌、中枢神経系癌、多発性骨髄腫、皮膚癌、または乳癌を含む、請求項7〜9のいずれか1項に記載の組成物。
  11. 前記組成物が低血圧を誘発しない、請求項7〜9のいずれか1項に記載の組成物。
  12. 前記組成物が、非経口、経口、皮下、病巣内、腹腔内、静脈内、または筋肉内に投与用である、請求項7〜9のいずれか一項に記載の組成物。
JP2010549867A 2008-03-07 2009-03-05 活性化一酸化窒素ドナーならびにその作製および使用方法 Active JP5529762B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US3461708P 2008-03-07 2008-03-07
US61/034,617 2008-03-07
PCT/US2009/036100 WO2009114368A2 (en) 2008-03-07 2009-03-05 Activated nitric oxide donors and methods of making and using thereof

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011513424A JP2011513424A (ja) 2011-04-28
JP5529762B2 true JP5529762B2 (ja) 2014-06-25

Family

ID=40677807

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010549867A Active JP5529762B2 (ja) 2008-03-07 2009-03-05 活性化一酸化窒素ドナーならびにその作製および使用方法

Country Status (7)

Country Link
US (2) US9005656B2 (ja)
EP (1) EP2262478B1 (ja)
JP (1) JP5529762B2 (ja)
KR (1) KR20110005798A (ja)
CN (1) CN102014870A (ja)
CA (1) CA2717867C (ja)
WO (1) WO2009114368A2 (ja)

Families Citing this family (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9205091B2 (en) 2009-11-13 2015-12-08 The United States Of America, As Represented By The Secretary Department Of Health And Human Services Diazeniumdiolated compounds, pharmaceutical compositions, and method of treating cancer
WO2012125214A1 (en) 2011-03-17 2012-09-20 Transdermal Biotechnology, Inc. Topical nitric oxide systems and methods of use thereof
US8871258B2 (en) 2012-09-19 2014-10-28 Transdermal Biotechnology, Inc. Treatment and prevention of learning and memory disorders
US8871260B2 (en) 2012-09-19 2014-10-28 Transdermal Biotechnology, Inc. Methods and compositions for muscular and neuromuscular diseases
US8871255B2 (en) 2012-09-19 2014-10-28 Transdermal Biotechnology, Inc. Treatment of skin and soft tissue infection with nitric oxide
US8871261B2 (en) 2012-09-19 2014-10-28 Transdermal Biotechnology, Inc. Cancer treatments and compositions for use thereof
US8871259B2 (en) 2012-09-19 2014-10-28 Transdermal Biotechnology, Inc. Techniques and systems for treatment of neuropathic pain and other indications
US8871257B2 (en) 2012-09-19 2014-10-28 Transdermal Biotechnology, Inc. Prevention and treatment of cardiovascular diseases using systems and methods for transdermal nitric oxide delivery
US8871254B2 (en) 2012-09-19 2014-10-28 Transdermal Biotechnology, Inc. Systems and methods for treatment of acne vulgaris and other conditions with a topical nitric oxide delivery system
US8871262B2 (en) 2012-09-19 2014-10-28 Transdermal Biotechnology, Inc. Compositions and methods for treatment of osteoporosis and other indications
US8871256B2 (en) 2012-09-19 2014-10-28 Transdermal Biotechnology, Inc. Methods and systems for treatment of inflammatory diseases with nitric oxide
CN103664977B (zh) * 2013-12-26 2018-01-30 天津工业大学 4‑斯德酮取代苯氨基表鬼臼毒素衍生物及其制备方法和应用
CN103965159B (zh) * 2014-05-17 2017-04-12 广州医科大学 醚类芳基哌嗪衍生物及其盐、制备方法和用途
EP3195168B1 (en) * 2014-07-31 2022-09-07 The University Of Western Australia A method for the identification of immunotherapy-drug combinations using a network approach
WO2017019559A1 (en) * 2015-07-24 2017-02-02 University Of Utah Research Foundation Hpma-drug conjugates for the treatment of acute myeloid leukemia
CN107573518B (zh) * 2017-09-22 2020-10-16 华东师范大学 一种基于多重点击化学反应的双响应性超支化聚合物及制备方法
US10556875B2 (en) * 2017-10-10 2020-02-11 Arizona Board Of Regents On Behalf Of Arizona State University Bis-diazeniumdiolate compounds as anti-cancer agents
WO2019161396A1 (en) * 2018-02-18 2019-08-22 Jsk Therapeutics, Inc Composition and method for topical js-k as therapy for actinic keratosis
CN108404138B (zh) * 2018-03-09 2020-04-17 中国药科大学 一种靶向cd24单克隆抗体与二乙胺偶氮鎓二醇盐的偶联物及其应用
KR102129986B1 (ko) 2018-08-30 2020-07-03 포항공과대학교 산학협력단 일산화질소 감응성을 갖는 아크릴아마이드계 고분자를 포함하는 염증성 질환 예방 또는 치료용 약학 조성물

Family Cites Families (33)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4535154A (en) * 1981-07-13 1985-08-13 United States Of America Reductive destruction of nitrosamines, hydrazines, nitramines, azo- and azoxy-compounds
US4986210A (en) * 1988-10-14 1991-01-22 Nordson Corporation Apparatus for coating pipe threads
US4954526A (en) * 1989-02-28 1990-09-04 The United States Of America As Represented By The Department Of Health And Human Services Stabilized nitric oxide - primary amine complexes useful as cardiovascular agents
US5208233A (en) * 1989-09-15 1993-05-04 The United States Of America As Represented By The Department Of Health And Human Services Anti-hypertensive compositions of secondary amine-nitric oxide adducts and use thereof
US5039705A (en) * 1989-09-15 1991-08-13 The United States Of America As Represented By The Department Of Health And Human Services Anti-hypertensive compositions of secondary amine-nitric oxide adducts and use thereof
US5721365A (en) * 1989-09-15 1998-02-24 Us Health N-substituted piperazine NONOates
US5366997A (en) * 1991-09-24 1994-11-22 The United States Of America As Represented By The Secretary Of The Department Of Health And Human Services Oxygen substituted derivatives of nucleophile-nitric oxide adducts as nitric oxide donor prodrugs
US5212204A (en) * 1989-10-18 1993-05-18 The United States Of America As Represented By The Department Of Health And Human Services Antihypertensive compositions and use thereof
US5155137A (en) * 1990-09-20 1992-10-13 The United States Of America As Represented By The Secretary Of The Department Of Health And Human Services Complexes of nitric oxide with polyamines
US5683668A (en) * 1990-09-20 1997-11-04 The United States Of America As Represented By The Department Of Health And Human Services Method of generating nitric oxide gas using nitric oxide complexes
US5185376A (en) * 1991-09-24 1993-02-09 The United States Of America As Represented By The Department Of Health And Human Services Therapeutic inhibition of platelet aggregation by nucleophile-nitric oxide complexes and derivatives thereof
US5389675A (en) * 1992-03-27 1995-02-14 The United States Of America As Represented By The Department Of Health And Human Services Mixed ligand metal complexes of nitric oxide-nucleophile adducts useful as cardiovascular agents
US5814666A (en) * 1992-04-13 1998-09-29 The United States As Represented By The Department Of Health And Human Services Encapsulated and non-encapsulated nitric oxide generators used as antimicrobial agents
WO1993020806A1 (en) 1992-04-13 1993-10-28 The United States Of America, Represented By The Secretary, Department Of Health And Human Services Use of nitric oxide/nucleophile complexes for the treatment of cancer
US5525357A (en) * 1992-08-24 1996-06-11 The United States Of America As Represented By The Department Of Health And Human Services Polymer-bound nitric oxide/nucleophile adduct compositions, pharmaceutical compositions incorporating same and methods of treating biological disorders using same
US5910316A (en) * 1992-08-24 1999-06-08 The United States Of America, As Represented By The Department Of Health And Human Services Use of nitric oxide-releasing agents to treat impotency
US6200558B1 (en) * 1993-09-14 2001-03-13 The United States Of America As Represented By The Department Of Health And Human Services Biopolymer-bound nitric oxide-releasing compositions, pharmaceutical compositions incorporating same and methods of treating biological disorders using same
US5632981A (en) * 1992-08-24 1997-05-27 The United States Of America As Represented By The Department Of Health And Human Services Biopolymer-bound nitric oxide-releasing compositions, pharmaceutical compositions incorporating same and methods of treating biological disorders using same
US5650447A (en) * 1992-08-24 1997-07-22 The United States Of America As Represented By The Secretary Of The Department Of Health And Human Services Nitric oxide-releasing polymers to treat restenosis and related disorders
US5405919A (en) * 1992-08-24 1995-04-11 The United States Of America As Represented By The Secretary Of Health And Human Services Polymer-bound nitric oxide/nucleophile adduct compositions, pharmaceutical compositions and methods of treating biological disorders
US5817321A (en) 1992-10-08 1998-10-06 Supratek Pharma, Inc. Biological agent compositions
US5700830A (en) 1994-11-22 1997-12-23 The United States Of America As Represented By The Department Of Health And Human Services Use of nitric oxide-releasing agents for reducing metastasis risk
US5714511A (en) * 1995-07-31 1998-02-03 The United States Of America As Represented By The Secretary Of The Department Of Health And Human Services Selective prevention of organ injury in sepsis and shock using selection release of nitric oxide in vulnerable organs
US6057367A (en) * 1996-08-30 2000-05-02 Duke University Manipulating nitrosative stress to kill pathologic microbes, pathologic helminths and pathologically proliferating cells or to upregulate nitrosative stress defenses
JP4285775B2 (ja) * 1996-09-27 2009-06-24 アメリカ合衆国 O▲上2▼―アリール化またはo▲上2▼―グリコシル化1―置換ジアゼン―1―イウム―1,2―ジオレート類およびo▲上2▼―置換1―[(2―カルボキシラト)ピロリジン―1―イル]ジアゼン―1―イウム―1,2―ジオレート類
EP1439187B1 (en) 1996-09-27 2013-12-18 THE UNITED STATES GOVERNMENT as represented by THE DEPARTMENT OF HEALTH AND HUMAN SERVICES O2-arylated or o2-glycosylated 1-substituted diazen-1-ium-1,2-diolates and o2-substituted 1- (2-carboxylato)pyrrolidin-1-yl diazen-1-ium-1,2-diolates
EP2292630B1 (en) * 1996-09-27 2015-11-25 The Government of the United States of America, as represented by the Secretary, Department of Health and Human Services O2-substituted 1- (2-carboxylato)pyrrolidin-1-yl diazen-1-ium-1,2-diolates
DE69842142D1 (de) * 1997-07-03 2011-04-07 Us Gov Health & Human Serv Stickoxid freistetzende amidin- und enaminverwandte diazeniumdiolate, zubereitungen und verwendungen davon und verfahren zu ihrer herstellung
EP1005651A1 (en) * 1997-08-08 2000-06-07 Supratek Pharma, Inc. Methods of identifying biological agent compositions
US6265420B1 (en) * 1998-06-23 2001-07-24 Medinox, Inc. Use of nitric oxide scavengers to treat side effects caused by therapeutic administration of sources of nitric oxide
US6270779B1 (en) * 2000-05-10 2001-08-07 United States Of America Nitric oxide-releasing metallic medical devices
WO2001092215A2 (en) 2000-06-02 2001-12-06 Us Health Superoxide-generating diazeniumdiolates, compositions comprising same, and methods for using same
EP1490045B1 (en) * 2002-03-21 2013-03-13 University of Utah Research Foundation In vivo use of glutathionone s-transferase activated nitric oxide donors

Also Published As

Publication number Publication date
US9439915B2 (en) 2016-09-13
US9005656B2 (en) 2015-04-14
JP2011513424A (ja) 2011-04-28
EP2262478B1 (en) 2014-11-05
CA2717867A1 (en) 2009-09-17
US20110182978A1 (en) 2011-07-28
WO2009114368A3 (en) 2009-11-19
EP2262478A2 (en) 2010-12-22
CN102014870A (zh) 2011-04-13
US20150290224A1 (en) 2015-10-15
WO2009114368A2 (en) 2009-09-17
KR20110005798A (ko) 2011-01-19
CA2717867C (en) 2017-05-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5529762B2 (ja) 活性化一酸化窒素ドナーならびにその作製および使用方法
JP5419716B2 (ja) オキサリプラチンリポソーム製剤からなる抗腫瘍効果増強剤及び当該リポソーム製剤を含有する抗腫瘍剤
JP2011515405A (ja) ジチオカルバメート金属キレートならびにその作製および使用方法
US11413253B2 (en) Nanoparticle delivery systems
JP2022066256A (ja) ダクチノマイシン組成物並びに骨髄異形成症候群及び急性骨髄性白血病の治療方法
TWI593415B (zh) 艾拉阿糖胞苷衍生物之非經腸調配物
BR112020023204A2 (pt) composições que compreendem compostos de bisfluoroalquil-1,4-benzodiazepinona e métodos de uso dos mesmos
US10695427B2 (en) Shape memory particles for biomedical uses
BR112020022654A2 (pt) Composições de combinação que compreendem compostos de bisfluoroalquil-1,4-benzodiazepinona e métodos de uso das mesmas
US20230074885A1 (en) Bortezomib-loaded nanoparticles
JP5936609B2 (ja) キナーゼインヒビターの経口製剤
Alsalhi Enhanced Etoposide Solubility and Anticancer Activity Using Complexation and Nanotechnology
US20210338583A1 (en) Cell membrane lipid-extracted nanoparticles (clens) for selective targeting, image analysis and cancer therapy
WO2023242097A1 (en) Mitoxanthrone derivatives as ras inhibitors

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120305

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130304

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130820

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140220

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140318

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140417

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5529762

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250