JP5529686B2 - コンピュータ装置の異常検査方法及びそれを用いたコンピュータ装置 - Google Patents
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Description
このような起動時の問題を検出する方法は、例えば特許文献1等で提案されている。特許文献1には、OSのブートローダが、ブートローダの起動からOSのカーネルが起動するまでの時間をウォッチドックタイマによって計測して、ウォッチドックタイマが異常と認める時間を超えたことを確認したら任意の手段で通知することが提案されている。
2.前記計時手段は、前記コンピュータ装置の電源投入後のクロックを計数するカウンタである前記1.記載の異常検査方法。
3.前記カウンタは、前記コンピュータ装置に具備するCPUのタイムスタンプカウンタである前記2.記載のコンピュータ装置の異常検査方法。
4.前記コンピュータ装置は、電源投入後にBIOSによるハードウェア初期化処理を実行し、その後に前記オペレーティングシステムのブートを実行するコンピュータ装置であり、前記BIOSによるハードウェア初期化処理の終了時に前記計時手段から現在時刻を初期化終了時刻として取得する初期化終了時刻取得手段を更に備え、前記起動時間算出手段は、前記起動時刻取得手段により取得された前記起動時刻から前記初期化終了時刻取得手段により取得された前記初期化終了時刻までの時間を初期化時間として更に求め、前記第1異常判断手段は、更に前記起動時間算出手段により求められた前記初期化時間が所定時間を超えた場合に起動異常と判断する前記1.乃至前記3.のいずれかに記載の異常検査方法。
5.前記計時手段は、リアルタイムクロックである前記1.記載の異常検査方法。
6.前記1.乃至前記5.のいずれかに記載の異常検査方法を実行することを特徴とするコンピュータ装置。
特に、OSは、OS自身の更新や、デバイスドライバ等の追加及び削減等によりその起動時間が変化しやすく、起動時間を単純に計測しても障害による遅れか、更新等による時間の変化かがわかりにくい問題があったが、複数回起動することにより、OS等のソフトウェアの状態が一定であることが期待でき、更新等による起動時間の変化を考慮する必要がなくなるため、起動時間の変化をリトライ動作による変化とみなして判断することが可能となる。
更に、OS等を修正することなく、計測による影響を最小限にして起動時間を計測し、リトライ動作による初期化処理の遅れを検出し、初期化異常による障害やその予兆を判断することができる。
更に、カウンタが、CPUのタイムスタンプカウンタである場合は、ソフトウェアの実行時間を実行クロック数としてより正確に求めることができるため、ソフトウェアによるリトライ動作をより正確に検出することができる。
また、初期化終了時刻取得手段を備え、初期化時間により起動異常を判断する場合は、BIOSによって初期化されるハードウェアに関するエラー等の理由によって起きるリトライ動作による初期化時間の遅れを計測することができ、その遅れの検出により障害やその予兆をBIOSによって初期化されるハードウェアに限定して判断することができる。
更に、計時手段がリアルタイムクロックである場合は、時刻の精度が一定範囲に保たれているため、複数のコンピュータ装置を検査したときでも起動時間等が一定の精度で得られ、リトライ動作による起動時間の遅れを同様に計測することができる。
ここで示される事項は例示的なもの及び本発明の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要である程度以上に本発明の構造的な詳細を示すことを意図してはおらず、図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
更に、起動時刻取得手段、初期化終了時刻取得手段、終了時刻取得手段及び起動時間算出手段は、検査対象となるコンピュータ装置内で実行される。また、起動時間記憶手段、第1異常判断手段、第2異常判断手段は、検査対象となるコンピュータ装置内で実行されてもよいし、図4に例示するようにコンピュータ装置外で実行されていてもよい。このコンピュータ装置外とは、各手段が実行可能な装置であり例えばネットワーク等によって接続される任意のコンピュータである集計装置40とすることができる。
本異常検査方法によって異常検出を行うコンピュータ装置は計時手段を備え、且つ自己のハードウェアの初期化処理後に、オペレーティングシステム(以下、OSと略す。)の起動処理を行う装置であれば良く、通常のパーソナルコンピュータやワークステーション等のコンピュータ装置を例示することができる。
このような計時手段21は任意に選択することができ、装置10のハードウェアに設けられている既存の計時手段を用いることができる。このような計時手段として、例えばCPU11やI/Oコントローラ等に備えられるタイムスタンプカウンタ111やプログラムタイマ、及びリアルタイムクロック等を挙げることができる。
特に、CPU11に備えるタイムスタンプカウンタ111は、CPU11に供給されるクロックによってカウントされるカウンタであり、計時手段21として適している。このようなカウンタの値を終了時刻や初期化終了時刻等として保存することで、OS26の起動に要するCPUクロック数として表されたより正確な起動時間等を求めることができ、より高い精度での障害の予兆を判断することができる。更に、タイムスタンプカウンタ111は、電源投入直後やリセット後の値が0等の固定値となるものがあり、この場合は、起動時刻を該固定値として扱うことで、起動時刻取得手段22の実際の処理を省略することができる。
得られた起動時刻は、起動時間算出手段で利用できるように記憶媒体に記憶される。この記憶先となる記憶媒体は任意に選択することができ、例えばHDD14及びメインメモリ12の他、バックアップメモリ、及び外部記憶装置等に記憶することができる。
また、初期化終了時刻取得手段24を具備する場合は、起動時刻取得手段22に記憶されている起動時刻から、初期化終了時刻取得手段24で得られた初期化終了時刻まで、の時間を初期化時間として算出し、得られた初期化時間を第1異常判断手段30に出力することができる。
尚、起動時間記憶手段29が図4に例示するように、コンピュータ装置10外の集計装置40等に備えられる場合は、起動時間及び初期化時間をコンピュータ装置10の任意の通信手段33等を介して送信することができる。
起動時間が異常かどうかを判断する前記「所定時間」は、コンピュータ装置10に異常がないときの起動時間(以下、正常時起動時間と略す。)にリトライ動作により生じる遅延時間未満の時間を加えた時間とすることができる。例えば、前記遅延時間が20〜200msであれば、所定時間を正常時起動時間に20〜200msを加えた時間とすることができる。尚、正常時起動時間は、本第1異常検査方法を設け、且つ異常がないことが確認されているコンピュータ装置10を起動させて得られる起動時間とすることができる。また、初期化時間が異常かどうかを判断する所定時間も、正常時初期化時間にリトライ動作による遅延時間未満の時間を加えた時間とすることができる。
尚、第1異常判断手段30は、1回のコンピュータ装置10の起動毎に結果を出力してもよいし、検査に必要な回数だけコンピュータ装置10を起動した後で、まとめて結果を出力しても良い。更に、結果の出力方法は特に問わず、表示装置等に表示してもよいし、電子メール等によって送信しても良い。
前記「偏差」及び「所定時間」は任意に選択することができ、例えば、偏差は全ての起動時間の平均値と算出した起動時間の差としてもよいし、偏差値を用いても良い。更に、各回の初期化時間を起動時間記憶手段29で記憶させ、各回の初期化時間の偏差が所定時間を超えるかどうかを判断して、ハードウェアの障害やその予兆となる起動異常を検出することもできる。
コンピュータ装置10のCPU11は、電源投入やリセット操作により、内部の計時手段21であるタイムスタンプカウンタ111を0等の固定値に初期化する。これにより、起動時刻は固定値に決定することができる(ステップS1)。その後、CPU11によりROM13内のBIOSの初期化処理23(ステップS2)が実行される。また、初期化処理23が完了したら続けてROM13内の初期化終了時刻取得手段24が実行される。
その後、HDD14内のOSブートローダ25がメインメモリ12に読み込まれて実行される(ステップS4)。次いで、実行されたOSブートローダ25は、HDD14内のOS26を読み込み実行する(ステップS5)。
実行されたOS26は、OS26自身の初期化等の起動処理を行い(ステップS6)、その後、任意の自動実行手段によって終了時刻取得手段27、起動時間算出手段28、起動時間記憶手段29、第1異常判断手段30及び第2異常判断手段31を実行するソフトウェアがHDD14からメインメモリ12に読み込まれ、終了時刻取得手段27を実行する(ステップS7)。
次いで、起動時間算出手段28が実行される。起動時間算出手段28は、HDD14又はメインメモリ12に記録された初期化終了時刻を読み込み、その後、終了時刻取得手段27で得た現在時刻から起動時刻を引いて起動時間を求め、且つ現在時刻から初期化終了時刻から起動時刻を引いて初期化時間を求める(ステップS9)。
次いで、起動時間記憶手段29が実行される。起動時間記憶手段29は、起動時間算出手段28で得た起動時間をHDD14又はメインメモリ12に記録する(ステップS10)。また、前回の起動時間が上書きされないように記録される。
その後、第2異常判断手段31が実行される。第2異常判断手段31は、HDD14又はメインメモリ12に記録されている全ての起動時間を読み出して偏差を算出し、偏差が予め設定されている所定時刻を越えているかどうかを判断し、その結果を、装置10に具備する表示装置等に出力する(ステップS13)。また、起動時間の偏差が所定時刻を越えている場合は起動異常とする。
また、本実施例において、図3に例示するように、初期化終了時刻取得手段24を設けずに、起動時間のみで異常検出を行ってもよい。
また、集計装置40は、自身のネットワークインターフェイス41を介してコンピュータ装置10から送信された起動時間等を受信して、起動時間記憶手段29等を実行し、第1異常判断手段30及び第2異常判断手段31によって異常判断をすることができる。このような異常検査方法は、コンピュータ装置10に第1異常判断手段30等を設ける必要がなく、更に複数のコンピュータ装置10の検査結果を1台の集計装置40に集計してその後の処理を容易に行うことができる。
更に、本実施例の起動時刻取得手段22は、ROM13に格納されているがこれに限られず、HDD14等の任意の記録媒体に格納して実行させることができる。
21;計時手段、22;起動時刻取得手段、23;初期化処理、24;初期化終了時刻取得手段、25;ブートローダ、26;OS、27;終了時刻取得手段、28;起動時間算出手段、29;起動時間記憶手段、30;第1異常判断手段、31;第2異常判断手段、33;通信手段。
Claims (6)
- 電源投入後にオペレーティングシステムの起動処理を行うコンピュータ装置において、電源を投入してから該オペレーティングシステムの起動処理を完了するまでに要した起動時間によって該コンピュータ装置の異常を検知する異常検査方法であって、
前記コンピュータ装置は、時間を計測して、その計測値に基づいた現在時刻を出力する計時手段を備え、
前記電源投入直後に前記計時手段から現在時刻を起動時刻として取得する起動時刻取得手段と、
前記オペレーティングシステム起動処理の完了後に前記計時手段から現在時刻を終了時刻として取得する終了時刻取得手段と、
前記起動時刻取得手段により取得された前記起動時刻から、前記終了時刻取得手段により取得された前記終了時刻まで、の時間を起動時間として求める起動時間算出手段と、
前記コンピュータ装置を起動する毎に前記起動時間算出手段で算出した前記起動時間を蓄積して記憶する起動時間記憶手段と、
前記起動時間算出手段により求められた前記起動時間が所定時間を超えた場合に起動異常と判断する第1異常判断手段と、
前記起動時間記憶手段に蓄積して記憶された各前記起動時間の偏差が所定範囲を超える場合に起動異常と判断する第2異常判断手段と、
を備えることを特徴とする異常検査方法。 - 前記計時手段は、前記コンピュータ装置の電源投入後のクロックを計数するカウンタである請求項1記載の異常検査方法。
- 前記カウンタは、前記コンピュータ装置に具備するCPUのタイムスタンプカウンタである請求項2記載のコンピュータ装置の異常検査方法。
- 前記コンピュータ装置は、電源投入後にBIOSによるハードウェア初期化処理を実行し、その後に前記オペレーティングシステムのブートを実行するコンピュータ装置であり、
前記BIOSによるハードウェア初期化処理の終了時に前記計時手段から現在時刻を初期化終了時刻として取得する初期化終了時刻取得手段を更に備え、
前記起動時間算出手段は、前記起動時刻取得手段により取得された前記起動時刻から前記初期化終了時刻取得手段により取得された前記初期化終了時刻までの時間を初期化時間として更に求め、
前記第1異常判断手段は、更に前記起動時間算出手段により求められた前記初期化時間が所定時間を超えた場合に起動異常と判断する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の異常検査方法。 - 前記計時手段は、リアルタイムクロックである請求項1記載の異常検査方法。
- 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の異常検査方法を実行することを特徴とするコンピュータ装置。
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