JP5529303B2 - 情報機器 - Google Patents

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Description

本発明は、情報機器に関し、詳しくは、被写体を撮影する撮影機能と他の機能を有する情報機器に関する。
近年、電子部品の小型化、高集積化が進み、携帯電話や各種機器においても、カメラを内蔵することが可能となってきている。例えば、特許文献1には、眼鏡型のフレームにカメラとディスプレイを配置し、リモコン装置を腕時計のごとく撮影者の手首に装着し、撮影者の所定のジェスチャーに応じて撮影開始等の操作を行うことのできる電子カメラシステムが開示されている。
また、特許文献2には、リストバンドにより手首に装着して携帯可能な電子カメラが開示されており、この電子カメラは、腕時計における12時側の側面斜め下方に向けてレンズを備えている。撮影時には、腕がやや内側に捻れるので、その結果、レンズはほぼ前方水平方向に向くことになる。
特開2000−138858号公報 特開2004−72450号公報
デジタルカメラ内蔵の携帯電話は普及しているが、携帯電話をポケットやかばんから取り出しているうちに撮影タイミングを逃してしまうようなことがあった。その点、特許文献1に記載の眼鏡型や特許文献2に記載の時計型にすれば、常に身につけ、しかも即座に撮影することが可能になる。
しかし、特許文献1に記載の眼鏡型の電子カメラシステムでは、操作を手や腕の動きを検出して行なっており、誤検出のおそれがある。また、特許文献2に記載の時計型の電子カメラは、表示や機能の切り替えは手動切り換えであり、撮影時の迅速性に欠けている。したがって、このような情報機器において、複数の機能を自動的に、しかも確実に切り替えることができなかった。
本発明は、このような事情を鑑みてなされたものであり、撮影機能とその他の機能に切り換えるにあたって、自動かつ確実に切り換えることのできる情報機器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため第1の発明に係わる情報機器は、撮影機能とその他の機能を有する情報機器において、レンズと、上記レンズが形成した像を画像信号に変換する撮像素子と、上記画像信号に基づいて、上記撮像素子の第1の撮像範囲にユーザーの顔の像が形成されているか、上記撮像素子の第2の撮像範囲にユーザーの顔の像が形成されているか、を判定する判定部と、上記判定部の出力に応じて上記撮影機能あるいは上記その他の機能の何れかを選択する選択部と、上記画像信号に基づく被写体像を表示する表示パネルと、を備える。
第2の発明に係わる情報機器は、上記第1の発明において、上記レンズの光軸方向からの入射光によって上記第1の撮像範囲に上記ユーザーの顔の像が形成され、上記レンズの光軸に対して斜めの方向からの入射光によって上記第2の撮像範囲に上記ユーザーの顔の像が形成される。
第3の発明に係わる情報機器は、上記第1または第2の発明において、上記レンズの光軸は上記表示パネルの面と略垂直である。
第4の発明に係わる情報機器は、上記第1乃至第3の発明において、上記その他の機能は、時計を表示する時計機能である。
第5の発明に係わる情報機器は、上記第1乃至第4の発明において、上記情報機器は、カメラ、再生機能付きペンダント、ゲーム機器、携帯電話、PDAのいずれかである。
本発明によれば、撮影機能あるいはその他の機能に切り換えるにあたって、自動かつ確実に切り替えることのできる情報機器を提供することができる。
本発明の一実施形態に係わるデジタルカメラとその周辺のブロック図である。 本発明の一実施形態に係わるデジタルカメラの使用方法を示す図である。 本発明の一実施形態に係るデジタルカメラの外観を示す外観斜視図である。 本発明の一実施形態に係るデジタルカメラの構造を示す図であり、(a)は撮影レンズ2を透過する画像の関係と信号を説明する図であり、(b)は補助光の照射範囲を示す図である。 本発明の一実施形態に係るデジタルカメラの構造を示す図であり、両指で挟まれた状態を示す図である。 本発明の一実施形態に係るデジタルカメラの振動検地を説明する図である。 本発明の一実施形態に係るデジタルカメラの撮影レンズ2を透過する被写体像と撮像素子3の撮像面との関係を示す図である。 本発明の一実施形態に係るデジタルカメラの撮影レンズ2の変形例を示す図である。 本発明の一実施形態に係るデジタルカメラの制御動作を示すフローチャートである。 本発明をペンダントに適用した例を示す図である。 本発明をゲーム機器に適用した例を示す図である。
以下、図面に従って本発明を適用したカメラについて説明する。このカメラは腕時計型をしており、内部に時計機能とカメラ機能を備えている。時計の文字盤を表示する表示パネルと並ぶ位置に、広角レンズを設け、広い範囲の撮影を可能にすると共に、撮影者自身も撮影可能としている。
図1は、本発明の一実施形態に係わるデジタルカメラとその周辺のブロック図である。ユーザーが使用するカメラ100には、撮影レンズ2、AF(オートフォーカス)制御部2a、絞り2b、絞り制御部2c、撮像素子3、アナログフロントエンド(以下、AFEと略す)部4が設けられている。撮影レンズ2は、魚眼レンズのような広角レンズであり、内部にフォーカスレンズを有し、入射した被写体20の像を撮像素子3上に結像させる。この広角レンズの視野と撮像素子3の撮像範囲については、図7を用いて後述する。
AF制御部2aは、撮影レンズ2の合焦位置を、後述する画像処理部5内において画像処理を行い、いわゆる山登り法により検出し、フォーカスレンズを駆動して、合焦位置に移動させる。なお、山登り法は、撮影画像のコントラスト信号ピークから合焦位置(ピント位置)を検出する方式であるが、山登り法以外にも、例えば位相差法や三角測距法等公知の合焦方法に置き換えてもよい。AFによって合焦位置に達すると、このときの撮影レンズ2を検出することにより、距離判定を行うことができる。この場合、撮影レンズ2がズームレンズのときには、ズーム位置等を加味して距離の判定を行う。
撮影レンズ2内または近傍に、シャッタや絞りの効果を奏する絞り2bが設けられる。絞り2bは、撮影時に所定の口径まで開き、露出が終了すると閉じて露光を終了させるものである。絞り制御部2cは、絞り2bを駆動して絞り径を設定する。この絞りを変えることによって、レンズの被写界深度が変化するので、背景のぼけ具合などを調整して、被写体を浮かび上がらせたり、背景をしっかりと描写したりするなど、表現の切り替えを行うことができる。撮像素子3は、多数の受光面(画素)からなるCCDやCMOSセンサ等であり、撮影レンズ2を介して被写体20からの像を受光しこれを画像信号に変換する。
アナログフロントエンド(AFE)部4は、アナログデジタル(AD)変換手段を含み、撮像素子3からの信号をデジタル信号化する。そして、AFE部4は、撮像素子3から出力される画像信号について各種処理を行う。また、AFE部4には、撮像素子3のいくつかの画素をまとめて、一括して読み出す機能も設けられている。たとえば、4画素(2×2)や9画素(3×3)など、各画素の信号レベルが小さいときには、いくつかの画素信号を加算して、S/Nを向上させることができ、また、感度を上げることも出来る。
このような操作によって感度を上げることができ、シャッタスピードを速くする等、撮影上の工夫が可能となる。シャッタスピードが速いと、動いている被写体が止まっているように撮影することが可能となる。
また、AFE部4は、撮像素子3の出力する信号を取捨選択する機能を有し、受光範囲の中から限られた範囲の画像データを抽出することが出来る。一般に撮像素子3の画素から間引いた画素信号を抽出する場合には、高速読出が可能となる。これにより構図確認用の画像信号を、画像処理部5によって高速処理し、表示制御部8aを介して表示パネル8に表示することにより、フレーミングが可能となる。
AFE部4の出力は、画像処理部5に接続されている。画像処理部5は、入力信号の色や階調やシャープネスを補正処理する。また、撮像素子3から得られた画像信号を所定のレベルに増幅して、正しい濃淡、正しい灰色レベルに設定する増感部を有している。これは、デジタル化された信号レベルが、所定レベルになるようにデジタル演算するものである。また、画像処理部5は、スルー画像(ライブ画像とも言う)をリアルタイムに表示部に表示できるように、撮像素子3からの信号を表示パネル8に表示できるようなサイズに加工するリサイズ部を有する。この働きによって、撮影に先立って撮像素子に入射する像を確認でき、これを見ながら撮影時のタイミングやシャッタチャンスを決定することが出来る。
また、この画像処理部5の信号を利用して、撮像素子3から入力されてくる画像の特徴などを判定する画像判定機能を有している。例えば、画像情報を加工して得られる輪郭情報から、撮像しているものの形状を検出する形状判定部5a、また、画像の特徴を調べて、主要被写体の位置を検出する顔検出手段5dなどが、このシステムには含まれている。これは、写真撮影時に、ユーザーがどのような写真を撮ろうとしているかを判定して、撮影制御を最適化するためのものである。
また、画像処理部5は、前述した画像のコントラストを判定する機能を有し、撮影レンズのピント合わせ手段との連動で、オートフォーカスの制御を行う。撮影レンズ2のピント合わせ時のレンズ位置の情報によって、被写体の距離や、背景の距離などが判定できる。さらに、
この撮影レンズ2は、魚眼レンズのような広角レンズであるので、図7に示すように、円形で示す広い範囲51に被写体像が結像し、撮影可能である。しかし、周辺部の撮影記録範囲52の画像は、図示の如く扇型の大きな歪みを生じてしまう。そこで、画像処理部5内の歪み補正部5bにおいて、図示の如く歪のない矩形画像53に補正する。本実施形態においては、撮影レンズ2で撮影し得る画像のすべてを記録するのではなく、このように、一部の画像(撮影記録範囲52の画像)を取り出して記録し、他の画像部分は、操作時のモニタとして利用している。また、画像処理部5には、撮像素子3に入射した光の変化を検出する反射光検出部5cが接続されている。
カメラ100には、圧縮部6、記録部9a、記録メディア9、データ送受信部9c、表示パネル8、表示制御部8a、時計/カメラ表示切替部8b、バックライト(BL)8c、バックライト(BL)制御部8dが設けられている。圧縮部6は、撮影時に画像処理部5から出力された信号を圧縮する。圧縮部6内には、MPEG(Moving Picture Experts Group)4やH.264などの圧縮用コア部で構成される動画用の圧縮部及び JPEG(Joint Photographic Experts Group)コア部など静止画像用の圧縮部が設けられる。また、圧縮部6は記録メディア9に記録されている画像を表示パネル8に再生する際には、画像伸張も行なう。
記録部9aは、圧縮された画像信号を記録メディア9に記録する。記録メディア9はカメラに着脱可能な保存用の記録媒体である。なお、画像信号の記録にあたっては、前述の圧縮された画像データのほか、撮影時間等の付随データも併せて記録される。撮影時間情報は、後述するMPU1内の時計部1tによって計測されており、MPU1は画像と関連付を行なう。
記録メディア9や記録部9aに記録された撮影画像データは、RFIDのようなICカードやワイヤレスLANなどの技術を利用した無線データ送受信部9cによって、インターネット32経由で、他の機器、例えば、画像を管理するサーバー34等の他の機器に転送することができる。サーバー34に送信した画像は、第三者31にすぐ見せることができ、画像を見ながらのコミュニケーションの促進が可能となっている。
表示パネル8は、例えば液晶や有機EL等から構成され、この表示パネル8の裏面には白色LEDなどのバックライト8cが配置されており、このバックライト8cはバックライト(BL)制御部8dに接続され、これによって制御される。バックライト8cからの光を表示パネル8に照射することにより、表示パネル8の視認性を向上することができ、また、見えが悪い場合には、ユーザーの操作によりBL制御部8dは明るさを増すように制御する。
また、時計部1tの出力は、腕時計機能にも有効利用され、このため表示制御部8a内には、時計/カメラ表示切替部8bが設けられている。この時計/カメラ表示切替部8bは、後述するように所定の条件にしたがって液晶パネル8における時刻表示とカメラ表示の切り替えを行なう。この切替は、ユーザーの自然な動作を反映して行い、ユーザーは特別、意識しなくてもカメラと時計を切り替えて使用することができる。
したがって、表示パネル8は、撮影時には観察用に被写体画像を表示し、再生時には伸張処理された撮影画像を表示し、また、時計表示時には時刻等を表示する。なお、表示パネル8には、撮影して送信済み画像を一覧表示して、そこからサーバー34が運営するブログサービスなどにアップする画像や、アップして、ブログに表示する時のレイアウトを選択できるようにしてもよい。
カメラ100には、補助光発光部11、振動判定部12、MPU(Micro Processing Unit)1、レリーズスイッチ1a(なお、1aはレリーズ釦を意味することもある)、モード切替スイッチ1b、他のスイッチ1cが設けられる。補助光発光部11は、白色LEDやXe放電発光管を有し、電流量で光量が制御できるようになっている。状況に応じて被写体20に光を照射して、明るさの不足や不均一な明るさを防止する。また、この補助光は、後述するように、被写体以外に対しても照明を行ない、モード切替の際の判定に使用する。
振動判定部12は、ユーザーの動作判定を行うために、この腕時計型のカメラに加えられた振動を検出・判定し、MPU1に出力する。図6に示す如く、腕時計型のカメラ100を見ようとしてユーザーが腕を回すと、図6(a)および(b)に示すように、カメラ100は時計ベルト14の余裕分だけ、その周りを回るような動きをする。振動判定部12は、この動きを判定して、動きがあると電源回路オン等の動作を行う。
MPU1は、カメラ全体の制御を司る制御手段である。レリーズスイッチ1a、モード切替スイッチ1b、他のスイッチ1cおよびプログラム等を記憶したROM(不図示)が、MPU1に接続される。MPU1内には、前述したように、日や時刻を検出するための時計部1tが設けられており、写真の撮影日時を検出し、撮影画像と関連付けを行う。なお、スイッチ1b、1cは、スイッチを総称的に表示したものであって、実際には多数のスイッチ群から構成されている。
各スイッチ1a〜1cは、ユーザーの操作を検出して、その結果をマイクロコントローラからなる演算制御手段であるMPU1に通知する。MPU1が、これらのスイッチの操作に従って動作を切り換える。また、MPU1は撮影時には、AF制御部2aや絞り制御部2c等の制御を行う撮影制御部として機能する。また、後述するように、画像処理部5における画像処理結果に基づいて、撮影機能、再生機能、時計表示機能等の各種機能の切り替えを行う。
次に、図2ないし図5、および図7を用いて、カメラ100の構造とモード切換について説明する。図2は時計型のカメラ100における時計モードとカメラのモード切替の様子を、また図3はカメラ100の外観を、さらに図4および図5はカメラ100の構造等を示す。腕時計型のカメラ100は、図3に示す如く、時計ベルト14に取り付けられたカメラ100の本体部の上面に、魚眼レンズからなる撮影レンズ2と、表示パネル8、さらにレリーズボタン1aが設けられている。
撮影レンズ2は、図4(a)に示すように、表示パネル8の面に対して、ほぼ垂直方向が光軸となるように、カメラ100の本体に取り付けられている。この撮影レンズ2に対して、矢印16は撮影方向であり、矢印17は真上方向で時計観察時のユーザー(撮影者)の検出方向であり、矢印18は撮影時のユーザーの検出方向である。撮影レンズ2によって結像された像は、撮像素子3によって画像信号に光電変換され、顔検出部5dや時計/カメラ表示切替部8bはこの画像信号を処理する。
また、カメラの本体部100の側部には、補助光発光部11が配置されており、図4(b)に示される照射範囲15に向けて照射される。なお、図面では描画範囲の関係でカメラ100の近傍しか照射していないが、被写体まで届く距離まで照射可能である。
撮影レンズ2は魚眼レンズのような広角レンズによって構成されているので、撮影レンズ2によって、図7に示す映像範囲51に相当する画像が結像される。この映像範囲に対して、撮像素子3は撮像範囲54の画像について光電変換できる。また、補助光発光部11による補助光範囲55は、前述の撮影記録範囲52をカバーする領域である。この撮影記録範囲52は、前述したように光学的に歪んでいるが、歪み補正部5bによって矩形53に補正される。また、撮影レンズ2に対して、真上の方向(矢印17)から表示パネル8を覗いた場合には、範囲56にユーザーの顔が映り、カメラ100の斜め上の方向(矢印18)にユーザー35がいる場合には、そのユーザー35は範囲57に映る。
本実施形態においては、撮影レンズ2によって映像範囲51の画像が得られるが、撮影には、その一部の撮影記録範囲52しか使わず、また、表示パネル8に表示される被写体像もこの範囲52だけである。また、補助光も、撮影記録範囲52+αを照射する領域であればよい。範囲56と範囲57からの画像信号は、モード切替用の判定信号として使用する。
このようにカメラ100は構成されている。カメラとして使用する場合には、カメラ100の撮影レンズ2を被写体の方向(矢印16の方向)に向け、表示パネル8にスルー画表示される被写体像を、斜め上の方向(矢印18)から観察する。図2(b)は、カメラ100を被写体に向けて、表示パネル8を見て、撮影のタイミングを待っている様子を示している。矢印16の方向の被写体を見るべく、ユーザーは図4(a)に示す如く、表示パネル8を斜め(θの角度)の方向(矢印18)から見ているので、撮影レンズの周辺部の範囲57にユーザー35の顔が映る(図7参照)。この顔の位置を顔検出部5dが判定し、表示をカメラ撮影モードにする。
これによって、カメラ100をかざすだけで、カメラ撮影モードに切り換わる。撮影モードに切り換わると、撮像素子3の撮影記録範囲52の画像が画像データに変換され、表示パネル8にスルー画表示される。この状態でレリーズスイッチ1aを操作すれば、取得した画像データを記録部9aや記録メディア9に記録する(図2(a)参照)。なお、レリーズスイッチ1aの検出以外にも、ユーザー35の表情、例えばウインクを、検出した時に撮影が行われるようにしてもよい。もちろん、撮像範囲54内の範囲57の画像信号を用いて、この時の自分の顔を記録できるようにしてもよい。
次に、時計として使うときには、被写体は関係なく、図2(a)に示すように、ユーザーは表示パネル8に表示される文字盤を正面から見る。このときには、顔は撮影レンズ2のほぼ光軸上にあり、図7の範囲56上に顔の像が形成される。顔検出部5dは、撮像素子3の出力に基づいて、範囲56に顔を検出すると、時計機能に切り替えると共に、時計/カメラ表示切替部8bは、時刻やカレンダーなど時計表示に切り替える。
次に、カメラ100で撮影した画像の再生表示を行なう場合には、図2(d)に示すように、腕時計型のカメラ100を人さし指61と親指62で挟んで、ユーザーに向けて見るのが一般的である。すなわち、再生画像は、ユーザー側に表示部を向け、他人から見られず、自分だけが楽しむことができる。
本実施形態における再生表示時には、図5に示すように、ユーザーの指の画像が撮影レンズ2の周辺両サイドに入るので、これを検出して再生表示モードにする。検出された画像から、指の指紋を抽出し、これに基づいてセキュリティロックをかけてもよい。また、周辺が暗いときは、指を照射するために補助光発光部11を利用したり、液晶のバックライト8cをBL制御部8dによって照射させたりしてもよい。
すなわち、補助光発光部11を照射すると、矢印63の光路を通り、人さし指61からの反射光が撮影レンズ2に入射し、またバックライト8cを照射すると、矢印64の光路を通り、親指62からの反射光が撮影レンズ2に入射する。撮像素子3からの画像信号に基づいて指の存在を検出できた場合には、時計/カメラ表示切替部8bは、表示パネル8を再生表示に切り替える。なお、画像を使わなくとも、単に、これらの光源の指からの反射光を反射光判定部5cによって検出し、これに基づいて表示を切り替えるようにしてもよい。
このように、本実施形態においては、撮影モードと時計表示の切替だけでなく、再生表示も単純化したカメラを提供することが可能となる。すなわち、本実施形態においては、デジタルカメラを腕時計型にして、常に身につけられるようにすると共に、即座にカメラと時計の機能を切り替えることができ、シャッターチャンスを逃さないようにしている。また、ユーザー自身の撮影を行うことができる広角レンズを備えている。従来の広角レンズは巨大なものになりがちであった。しかし、最近では撮像素子を小型化でき、広角レンズも小型になってきている。本実施形態においては、図2のように、この腕時計型カメラを腕時計のように腕に装着し、所定の操作を行えば、被写体を撮影することができので、大変便利である。
図8を用いて、本実施形態における魚眼レンズのような広角レンズ等の光学系の変形例を説明する。本実施形態においては、前述したように魚眼レンズによって形成される映像の全域を利用してはいない。そこで、図8(a)、(b)のように、複眼レンズ66やプリズム67を利用して、図7に示した3つの部分、すなわち、撮像範囲54、ユーザー顔判定用の2つの範囲56、57をカバーするようにしてもよい。また、図8(c)のように凸面反射鏡68を配置するようにしてもよい。
カメラ100の制御について、図9に示すフローチャートを用いて説明する。ステップS1において、カメラ100の振動を検出する。これは、図6を用いて前述したように、振動判定部12は、ユーザーが時計付きカメラ100を使用しようとする際に発生する振動を検出する。振動を検出すると、撮像素子3を起動させる。
次に、反射光判定部5cにおいて、カメラ100の周囲の明るさが明るいか否かを判定する(S2)。判定の結果、撮像素子3で得られた画像について、指の位置や顔の判定を行なうに十分な明るさではないと判定された場合には、微弱光を照射する(S3)。微弱光としては、補助発光部11より照射するが、必要に応じて、バックライトも併用する。ステップS2における判定の結果、十分な明るさがある場合には、ステップS4で本格的な撮像動作に入る。このような制御および判定は、エネルギーの消費があるので、ステップS1において、ユーザーが腕時計を腕の周りを回すような振動をさせるような時のみに動作を行うようにしている。
次に、撮像素子3の出力に基づいて、カメラ100の周囲に両方の指61、62が位置しているか否かの判定を行なう(S5)。判定の結果、指61、62が検出されると、図2(d)および図5を用いて説明した状態であり、カメラ100は再生表示モードに切り替え、再生表示を行なう(S21)。再生表示では、記録部9aや記録メディア9に記録されている撮影画像を表示パネル8に表示する。
続いて、ステップS21において再生された画像を、いずれかのサーバー34等に送信するか否かの判定を行なう(S22)。判定の結果、送信を行う場合には、送信設定を行う(S23)。送信の実行は、後述するステップS32において行う。ステップS22またはステップS23が終わるとステップS2に戻り、前述のステップを繰り返す。
ステップS5において、両指61、62を検出することができなかった場合には、続いて、顔の画像の検出を行なう(S6)。ここで検出された顔の画像に基づいて、次に、所定の大きさの顔の画像であったか否かの判定を行なう(S7)。判定の結果、所定の大きさの顔が有れば、続いて、その顔が正面であるか否かの判定を行なう(S8)。正面か否かは、前述したように、範囲56(図7)に顔の画像が存在するか否かにより行なう。
判定の結果、正面であれば、図2(c)のように腕時計型のカメラ100を真上から見ている状態であることから、時計表示を行う(S41)。時計表示を行ったら、ステップS2に戻り、前述のステップを繰り返す。ステップS7において、所定の大きさか否かの判定を行なっているのは、ユーザーが腕にこれをはめて表示部を見る時は、大きく顔が写り、そのような状態のみに限るためである。顔の画像を検出した場合に、常に時計表示とすると、ユーザー以外の者がカメラ100を見るだけで、カメラ100が作動してしまうからである。なお、この場合、顔の個人判定でセキュリティロックをかけるようにしてもよい。
また、所定の大きさの顔の画像が検出されても、ステップS8において、顔が正面でない場合は、図2(a)、(b)に示すような写真撮影を行う状態であることから、スルー画表示状態にして(S11)、撮影モードに移行する。スルー画表示は、撮影レンズ2を透過した被写体光に基づく被写体像を表示パネル8に動画表示するモードであり、ユーザーはスルー画を観察しながら、構図を決める。
続いて、自分撮りするか否かの判定を行なう(S12)。自分撮りへの切替はモード切換スイッチ1bに連動するモード切換釦等の操作によってなされるので、ステップS12においては、この操作がなされたか否かの判定を行う。自分撮りの設定がなされていた場合には、画像選択切替を行なう(S13)。これは、魚眼レンズ等の撮影レンズ2によって結像される映像範囲51の内から、ユーザーの像が結像される範囲57の画像を、AFE4によって選択設定する。なお、この場合にも、撮像後に撮影記録範囲52の場合と同様、扇型の画像を歪み補正部5bによって補正処理し、矩形画像を得るようにする。自分撮りではない場合には、撮影記録範囲52の画像がAFE4によって選択される。
ステップS12またはステップS13を実行すると、次に、撮影か否かの判定を行なう(S14)。ステップS14以降は、通常のカメラ制御であり、ユーザーはスルー画を観察し、構図を決め、シャッタタイミングがよければ、レリーズスイッチ1aに連動するシャッタ釦を操作し、撮影を指示する。
ステップS14において、撮影が指示されていない場合には、ステップS2に戻り、前述の動作を繰り返し、撮影が指示されている場合には、撮影動作を実行する(S15)。撮影動作は、撮影レンズ2を透過した被写体光に基づく被写体像を撮像素子3が光電変換し、AFE4によって選択された画像範囲の画像データを、歪み補正等の画像処理を行なう。続いて、画像データの記録を行う(S16)。ここでは、画像処理された画像データを圧縮部6において圧縮処理した後、記録メディア9に記録してから、ステップS1に戻る。
ステップS7において、顔の検出がなされないと、ステップS1に戻り、所定振動がない場合には、通信が可能であるかを判定する(S31)。通信として、たとえば、無線LANで外部に送信を行う場合には、ホットスポット等にあり、アクセス可能であるか否かの判定を行なう。判定の結果、送信可能であれば、ステップS23において選択した画像を所定のサーバーに送信する(S32)。
このように本実施形態に係るフローチャートによれば、カメラ100を両指で挟み表示パネル8を見ている状態と判定された場合には(S5→S21)、再生表示モードに切り替え、撮像素子3によって所定の大きさの顔の画像が表示パネル8の真上から見ていると判定された場合には(S7→S8→YES)、時計表示モードに切り替え、所定の大きさの顔の画像が表示パネル8の正面から見ていないと判定された場合には(S7→S8→NO)、撮影モードに切り替えている。
このように、ユーザーの指や顔の所作から各モードを切り替えているので、わざわざ手動で切り替える必要がなく大変便利である。特に、ユーザーが撮影を欲する時には撮影モードとなっていることから、シャッターチャンスを逃すことがない。
また、従来、撮影者自身(ユーザー自身)を撮影する場合には、三脚を立てたり、また他人に依頼して撮影してもらっていたが、大変面倒であり、撮影をあきらめることが多かった。しかし、本実施形態においては、撮影レンズ2として、魚眼レンズ等の広角レンズを採用し、自分撮りを可能としている。このため、従来のような不具合がなく、大変便利である。
さらに、本実施形態においては、周囲が暗い場合には、補助光発光部11や表示パネル8のバックライト8dが照射しているので、周囲が暗い場合でも、モードの切替を確実に行なうことができる。
以上の本発明を腕時計形状のカメラに適用した実施形態について説明したが、本発明の適用対象は、これに限られない。例えば、図10に示すようなペンダント70などのアクセサリーにも適用することができる。この場合、ペンダント70に前述の実施形態のように、撮影機能、再生機能、時計機能の全てを持たせたり、また記録画像の再生機能と時計機能のような一部の機能を持たせるようにしても良い。
また、他の適用例として、図11に示すようなゲーム機器80でもよい。この場合には、ゲーム機能に加えて撮影機能をゲーム機器80に設け、撮影レンズ2の取得した画像に応じて、ゲーム機能と撮影機能を切り替え、表示パネル8の表示モードを変更する。その他、携帯電話やPDA等の情報機器にも、本発明を勿論適用することができる。
日常シーンを簡単に撮影できるカメラの登場が待たれているが、本実施形態に係るカメラによれば、腕時計型としたことから、どこでも持ち運べる。そして、カメラの各種モードと時計表示のモードが、自然に切り替えられるように構成しており、特に、ユーザーが撮影動作を行うような状況にあると、撮影モードに切り換わり、シャッターチャンスを逃すことがない。
いつでもどこでもシャッターチャンスを逃すことなく撮影できることから、ブログなどにおいて活用できる。また撮影範囲も広く、自分を主人公としたり、自分が興味を持つものが主人公にしたりして、撮影者である自分もまた撮影できる。こうした機器であるにもかかわらず、小型で廉価で、身につけやすく、ユーザーの自然な動作に連携して機能を切り換えて即座に撮影が楽しめる。
なお、本実施形態の説明においては、ユーザーの顔を検知して、撮影モードと時計モードの切り替えを行なっていたが、これに限らず、ユーザーの目、鼻、口等の顔の部分を検出してもよく、また、顔の大きさの検出に代えて両目の間隔や、目鼻口等の間隔を検出するようにしてもよい。
1・・・MPU、1a・・・レリーズスイッチ、1b・・・モード切替スイッチ、1c・・・他のスイッチ、1t・・・時計部、2・・・撮影レンズ、2a・・・AF(オートフォーカス)制御部、2b・・・絞り、2c・・・絞り制御部、3・・・撮像素子、4・・・アナログフロントエンド(AFE)部、5・・・画像処理部、5a・・・形状判定部、5b・・・歪み補正部、5c・・・反射光判定部、5d・・・顔検出部、6・・・圧縮部、8・・・表示パネル、8a・・・表示制御部、8b・・・時計/カメラ表示切替部、8c・・・バックライト(BL)、8d・・・バックライト(BL)制御部、9・・・記録メディア、9a・・・記録部、9c・・・データ送受信部、11・・・補助光発光部、12・・・振動判定部、14・・・時計ベルト、15・・・照射範囲、16・・・矢印(撮影方向)、17・・・矢印(真上方向)、18・・・矢印(撮影時ユーザー方向)、20・・・被写体、31・・・他のユーザー、32・・・インターネット、34・・・サーバー、51・・・映像範囲(魚眼レンズ)、52・・・撮影記録範囲、53・・・矩形画像(歪み補正済み)、54・・・撮像範囲(撮像素子)、55・・・補助光範囲、56・・・範囲(時計観察時)、57・・・範囲(撮影時)、61・・・人さし指、62・・・親指、63・・・矢印(補助光の光路)、64・・・矢印(BLの光路)66・・・複眼レンズ、67・・・プリズム、70・・・ペンダント、80・・・ゲーム機器、100・・・カメラ

Claims (5)

  1. 撮影機能とその他の機能を有する情報機器において、
    レンズと、
    上記レンズが形成した像を画像信号に変換する撮像素子と、
    上記画像信号に基づいて、上記撮像素子の第1の撮像範囲にユーザーの顔の像が形成されているか、上記撮像素子の第2の撮像範囲にユーザーの顔の像が形成されているか、を判定する判定部と、
    上記判定部の出力に応じて上記撮影機能あるいは上記その他の機能の何れかを選択する選択部と、
    上記画像信号に基づく被写体像を表示する表示パネルと、
    を備えることを特徴とする情報機器。
  2. 上記レンズの光軸方向からの入射光によって上記第1の撮像範囲に上記ユーザーの顔の像が形成され、上記レンズの光軸に対して斜めの方向からの入射光によって上記第2の撮像範囲に上記ユーザーの顔の像が形成されることを特徴とする請求項1に記載の情報機器。
  3. 上記レンズの光軸は上記表示パネルの面と略垂直であることを特徴とする請求項1又は2に記載の情報機器。
  4. 上記その他の機能は、時計を表示する時計機能であることを特徴とする請求項1乃至3のうちのいずれか一項に記載の情報機器。
  5. 上記情報機器は、カメラ、再生機能付きペンダント、ゲーム機器、携帯電話、PDAのいずれかであることを特徴とする請求項1乃至4のうちのいずれか一項に記載の情報機器。
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