JP5528650B2 - 書籍等の落下防止構造及び落下防止シートと棚板 - Google Patents
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Description
本発明は、地震等の揺れに対し、棚に収納された書籍等に類似する収納物の落下を防止する落下防止構造及び棚板等における落下防止構造に関する。詳しくは、背板または壁のある棚等で、移動落下が一方向の収納形態に適用する落下防止手段である。
従来、地震や事故等による外力、移動体内の揺れで棚や家具が揺れると、棚や家具上の本が降るように落下する。この棚の収納物の落下を防止する手段として、次のような手段が提案されている。古くからゴムなどの弾性材が摩擦を発生することが知られている。このことから、この中から高摩擦係数の物性を持つ素材をシート状にした落下防止シートがある。このシートを収納物の下に敷くことで、揺れによる滑り移動を防止する敷物として用いる。この落下防止シートは、次のような材質が採用されている。可塑剤で軟化させた樹脂やエラストマーとしては、塩化ビニール系、ポリオレフィン系、アクリル系、ポリウレタン系、スチレン系からなるものがある。そして、ゴムシートとして天然ゴムや合成ゴム、特殊ゴムからなるものがある。これらの材料をシート状にしたり、基材の表面に塗布等の手段で表出させて落下防止シートとする。同様に、本棚や移動棚などの収納棚の棚板表面に、これら摩擦材を塗布等の手段で高摩擦層を設けて落下防止する手段がある。
収納物の落下防止機能は、収納物の下に敷設する手段が、インテリアや手軽さから最も受け入れられ易い。また、本などの紙質の収納物は、粘着質固定剤では困難であるため、この手段がよく適用される。この手段を実施する場合は、棚面のほぼ全面を敷き詰めるか、棚板表面が高摩擦面となっているものを選択する。しかし、この全面を処理することは、コスト面から次のような問題が生じる。
背板のある本棚では一方向から収納し、この一方向から収納物が落下する。当然のことであるが、摩擦で解決する手段では、この特徴を有効に利用されていない。この摩擦利用手段として、全面に敷設するのではなく、落下側のみに敷設又は処理したことが、本発明の主な特徴である。この手段は単に少なくしただけでなく、位置を設定することで地震等の揺れの性質を有効に活用できる仕組みがある。
(A)滑り止めするシートは、表面が高摩擦層、裏面が高摩擦層または粘着層からなるシートである。
(B)該シートは、収納物と収納物設置面が接している間に敷設する。
(C)該シートを敷設する範囲は、収納物の重心より落下方向側のみである。
を満たす落下防止構造である。この高摩擦層の摩擦係数は静摩擦係数で評価する。静摩擦係数1.0に相当する防滑能力は、加速度が980galである。そして、震度7は400gal以上に相当する揺れである。このことから、理論的に静摩擦係数は400/980=0.41以上が必要となる。しかし、収納状態から摩擦が発生する条件は悪くなる。これを考慮して、対上質紙(印刷用紙A)で0.6以上の静摩擦係数を有するものを本発明の高摩擦層とする。
(A)棚板の棚面の収納物を置く面は、収納物の出し入れ方向で分割した静摩擦係数の異なる層を2層以上配設する。
(B)層は、静摩擦係数の大きい層を滑り止め層とし、隣接する静摩擦係数の小さい層を滑り止め層に対する非滑り止め層とする。
(C)滑り止め層と非滑り止め層の位置関係は、滑り止め層を出し入れ側とする。
(D)該隣接する各層の静摩擦係数の差は0.2以上である。
棚板と落下防止する対象収納物の関係は次の条件(E)〜(F);
(E)棚板の該滑り止め層またはその一部の層は、対象収納物と棚面が接している間に配設している。
(F)棚板の該滑り止め層またはその一部の層は、対象収納物の重心より出し入れ側の範囲である対象収納物面に当接している。
を満たす棚板における落下防止構造である。
次に、本発明の作用を説明する。図8は、収納物と揺れとの関係図である。この図は本棚4の棚板3に収納物5(書籍本)を立てた状態である。この状態で矢印の方向の揺れが作用すると、収納物5と棚板面3aとの間に摩擦が生じ、この摩擦力は収納物5を重心Gを中心にして回転させようとする。この力は、揺れ方向では異なる作用をして、一方は押付け一方は引き上げる力となる。この力により、一定に作用していた荷重分力は、荷重分力Nxと荷重分力Nyに差が生じる。この差は重心Gが高いほど大きくなる。しかし、ある高さになると収納物5は転倒する。書籍等に類似するような縦横比率のものは、大きな地震でもこの方向では転倒することはなく、滑り移動を防止する対策で落下を防止する。逆に、書籍を横に倒して置くような重心Gが低い収納物は、この差が小さい。
次に、本発明の実施例を説明する。
以上説明したように、本発明では次のような効果がある。
(イ)摩擦材の量を少なくすることができるため、コストを低減できる。また、落下防止の機能はゴム材等の物性に大きく左右される。量を減らすことで高価な優れた素材が採用でき、高機能の落下防止シートを提供できる。これにより、落下防止シートの信頼性が増し、かつ安価に提供できる。
(ロ)高摩擦面と低摩擦面に分けることで、揺れを利用して収納物を奥に移動させるメカニズムが利用できる。この作用は落下の確率を低下させ、収納物の移動による棚の転倒を回避する。この手段は容易にかつ多くの方法で実施でき、各種家具や移動体の内装に活用できる。
(ハ)滑り防止を効果的に作用させる手段は、シート面を少なくして露出防止を可能にする。これにより、容易に隠すことができインテリア等の見場が改善できる。コーティング手段では外観に影響を与えない。これにより、落下防止策の普及が容易になる。
(ニ)非摩擦面を設けることで、これを利用して収納物の出し入れが容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の落下防止シートを敷設した状態の斜視図。
【図2】
収納物と落下防止シート幅の関係図。
【図3】
本発明の棚板の斜視図。
【図4】
1/2を滑り止め層とした棚板の斜視図。
【図5】
摩擦係数に差のある棚板の斜視図。
【図6】
片面が極細繊維である落下防止シートの断面図。
【図7】
表面処理剤で表面処理した棚板の斜視図。
【図8】
収納物と揺れとの関係図。
【図9】
揺れと落下防止シートの関係図。
【符号の説明】
1 落下防止シート
1a 極細繊維層
1b 高摩擦面層
2 滑り止め層
2a 非滑り止め層
3 棚板
3a 棚板面
4 棚
5 収納物
6a 高摩擦面
6b 高摩擦処理面
7a 低摩擦面
7b 低摩擦処理面
Claims (5)
- 移動落下が一方向の収納形態で、収納物の下に摩擦による落下防止の滑り止めするシートを敷設する落下防止構造において、収納物と滑り止めするシートの関係は次の条件(A)〜(C);
(A)滑り止めするシートは、表面が高摩擦層、裏面が高摩擦層または粘着層からなるシートである。
(B)該シートは、収納物と収納物設置面が接している間に敷設する。
(C)該シートを敷設する範囲は、収納物の重心より落下方向側のみである。
を満たすことを特徴とする落下防止構造。
- シートの幅が5mm以上の帯状のシートであることを特徴とする請求項1の落下防止構造。
- シートの表面の高摩擦層が、表面が1.0デニ−ル以下の極細繊維を主体とする布帛(起毛布は除く)の層であり、落下防止構造が書籍用落下防止構造であることを特徴とする請求項1の落下防止構造。
- 移動落下が一方向の収納形態の棚に備える棚板で、収納物の下に落下防止用の滑り止め層を配設した棚板における落下防止構造において、棚板は次の条件(A)〜(D);
(A)棚板の棚面の収納物を置く面は、収納物の出し入れ方向で分割した静摩擦係数の異なる層を2層以上配設する。
(B)層は、静摩擦係数の大きい層を滑り止め層とし、隣接する静摩擦係数の小さい層を滑り止め層に対する非滑り止め層とする。
(C)滑り止め層と非滑り止め層の位置関係は、滑り止め層を出し入れ側とする。
(D)該隣接する各層の静摩擦係数の差は0.2以上である。
棚板と落下防止する対象収納物の関係は次の条件(E)〜(F);
(E)棚板の該滑り止め層またはその一部の層は、対象収納物と棚面が接している間に配設している。
(F)棚板の該滑り止め層またはその一部の層は、対象収納物の重心より出し入れ側の範囲である対象収納物面に当接している。
を満たすことを特徴とする棚板における落下防止構造。
- 滑り止め層が、表面が1.0デニ−ル以下の極細繊維を主体とする布帛(起毛布は除く)からなる滑り止め層であり、棚板が書籍用棚板であること特徴とする請求項4の棚板における落下防止構造。
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