JP5527450B2 - 発光装置、樹脂パッケージ、樹脂成形体並びにこれらの製造方法 - Google Patents

発光装置、樹脂パッケージ、樹脂成形体並びにこれらの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、照明器具、ディスプレイ、携帯電話のバックライト、動画照明補助光源、そ
の他の一般的民生用光源などに用いられる発光装置及び発光装置の製造方法などに関する
発光素子を用いた発光装置は、小型で電力効率が良く鮮やかな色の発光をする。また、
この発光素子は半導体素子であるため球切れなどの心配がない。さらに初期駆動特性が優
れ、振動やオン・オフ点灯の繰り返しに強いという特徴を有する。このような優れた特性
を有するため、発光ダイオード(LED)、レーザーダイオード(LD)などの発光素子
を用いる発光装置は、各種の光源として利用されている。
図14は、従来の発光装置の製造方法を示す斜視図である。図15は、従来の発光装置
の中間体を示す斜視図である。図16は、従来の発光装置を示す斜視図である。
従来、発光装置を製造する方法として、リードフレームを非透光性で光反射性を有する
白色樹脂でインサート成形し、リードフレームを介して所定の間隔で凹部形状のカップを
有する樹脂成形体を成形する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。ここで
は白色樹脂の材質が明示されていないが、インサート成形することや図面から、一般的な
熱可塑性樹脂が用いられる。一般的な熱可塑性樹脂として、例えば、液晶ポリマー、PP
S(ポリフェニレンサルファイド)、ナイロン等の熱可塑性樹脂を遮光性の樹脂成形体と
して用いられることが多い(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、熱可塑性樹脂はリードフレームとの密着性に乏しく、樹脂部とリードフ
レームとの剥離を生じやすい。また、熱硬化性樹脂は樹脂の流動性が低いため複雑な形状
の樹脂成形体を成形するには不適切であり、耐光性にも乏しい。特に近年の発光素子の出
力向上はめざましく、発光素子の高出力化が図られるにつれ、熱可塑性樹脂からなるパッ
ケージの光劣化は顕著となってきている。
これらの問題点を解決するため、樹脂成形体の材料に熱硬化性樹脂を用いる発光装置が
開示されている(例えば、特許文献3参照)。図17は、従来の発光装置を示す斜視図及
び断面図である。図18は、従来の発光装置の製造方法を示す概略断面図である。この発
光装置は、金属箔から打ち抜きやエッチング等の公知の方法により金属配線を形成し、つ
いで、金属配線を所定形状の金型に配置し、金型の樹脂注入口から熱硬化性樹脂を注入し
、トランスファ・モールドすることが開示されている。
しかし、この製造方法は、短時間に多数個の発光装置を製造することが困難である。ま
た、発光装置1個に対して廃棄されるランナー部分の樹脂が大量になるという問題がある
異なる発光装置及びその製造方法として、配線基板状に光反射用熱硬化性樹脂組成物層
を有する光半導体素子搭載用パッケージ基板及びその製造方法が開示されている(例えば
、特許文献4参照)。図19は、従来の発光装置の製造工程を示す概略図である。この光
半導体素子搭載用パッケージ基板は、平板状のプリント配線板を金型に取り付け、光反射
用熱硬化性樹脂組成物を注入し、トランスファー成型機により加熱加圧成型し、複数の凹
部を有する、マトリックス状の光半導体素子搭載用パッケージ基板を作製している。また
、プリント配線板の代わりにリードフレームを用いることも記載されている。
しかし、これらの配線板及びリードフレームは平板状であり、平板状の上に熱硬化性樹
脂組成物が配置されており、密着面積が小さいため、ダイシングする際にリードフレーム
等と熱硬化性樹脂組成物とが剥離し易いという問題がある。
特開2007−35794号公報(特に〔0033〕) 特開平11−087780号公報 特開2006−140207号公報(特に、〔0028〕) 特開2007−235085号公報
本発明は上述した問題に鑑みて、リードフレームと熱硬化性樹脂組成物との密着性が高
く、短時間に多数個の発光装置を製造する簡易かつ安価な方法を提供することを目的とす
る。
そこで本発明は、鋭意検討した結果、本発明を完成するに到った。
本明細書において、個片化された後の発光装置には、リード、樹脂部、樹脂パッケージ
なる用語を用い、個片化される前の段階では、リードフレーム、樹脂成形体なる用語を用
いる。
本発明は、熱硬化後の、波長350nm〜800nmにおける光反射率が70%以上で
あり、外側面において樹脂部とリードとが略同一面に形成されている樹脂パッケージを有
する発光装置の製造方法であって、切り欠き部を設けたリードフレームを上金型と下金型
とで挟み込む工程と、上金型と下金型とで挟み込まれた金型内に、光反射性物質が含有さ
れる熱硬化性樹脂をトランスファ・モールドして、リードフレームに樹脂成形体を形成す
る工程と、切り欠き部に沿って樹脂成形体とリードフレームとを切断する工程と、を有す
る発光装置の製造方法に関する。かかる構成によれば、切り欠き部に熱硬化性樹脂が充填
されるため、リードフレームと熱硬化性樹脂との密着面積が大きくなり、リードフレーム
と熱硬化性樹脂との密着性を向上することができる。また、熱可塑性樹脂よりも粘度が低
い熱硬化性樹脂を用いるため、空隙が残ることなく、切り欠き部に熱硬化性樹脂を充填す
ることができる。また、一度に多数個の発光装置を得ることができ、生産効率の大幅な向
上を図ることができる。さらに、廃棄されるランナーを低減することができ、安価な発光
装置を提供することができる。
上金型と下金型とで挟み込む前に、リードフレームにメッキ処理を施すことが好ましい
。このとき、製造された発光装置には切断された面にメッキ処理が施されておらず、それ
以外の部分にはメッキ処理が施されている。個片化された発光装置毎にメッキ処理を施す
必要がなくなり、製造方法を簡略化することができる。
リードフレームは、切断部分における切り欠き部が全包囲周の約1/2以上であること
が好ましい。これによりリードフレームを軽量化でき、安価な発光装置を提供することが
できる。また、リードフレームにおける切断される部分が少なくなり、リードフレームと
熱硬化性樹脂との剥離をより抑制することができる。
なお、切り欠き部には熱硬化性樹脂が充填されるのに対し、後述する孔部には熱硬化性
樹脂が充填されない点で異なる。切り欠き部及び孔部はリードフレームを貫通しているの
に対し、後述する溝はリードフレームを貫通していない。
上金型と下金型とで挟み込まれる前のリードフレームは、孔部が設けられていることが
好ましい。これによりリードフレームを軽量化でき、安価な発光装置を提供することがで
きる。孔部にメッキ処理を施すことができるため、リードフレームの露出を抑えることが
できる。
上金型と下金型とで挟み込まれる前のリードフレームは、溝が設けられていることが好
ましい。これによりリードフレームを軽量化でき、安価な発光装置を提供することができ
る。溝にメッキ処理を施すことができるため、リードフレームの露出を抑えることができ
る。
上金型と下金型とは、発光素子が載置される部分、若しくは、孔部の近傍の部分のリー
ドフレームを挟み込んでいることが好ましい。これによりリードフレームのばたつきを防
止し、バリの発生を低減することができる。
本発明は、熱硬化後の、波長350nm〜800nmにおける光反射率が70%以上で
あり、外側面において樹脂部とリードとが略同一面に形成されている樹脂パッケージを有
する発光装置であって、リードは底面及び上面の少なくともいずれか一面にメッキ処理が
施されており、かつ、外側面はメッキ処理が施されていない部分を有する発光装置に関す
る。これによりメッキ処理されていないリードの露出を防止でき、かつ、一度に多数個の
発光装置を得ることができる。また、発光素子からの光を反射する部分のみメッキを施す
ことにより発光装置からの光取り出し効率を向上することができる。
樹脂パッケージは、四隅からリードが露出されていることが好ましい。樹脂パッケージ
の一側面全体にリードを設けるよりも、リードの露出部分を低減するができるため、樹脂
部とリードとの密着性の向上を図ることができる。また、正負の異なるリード間に絶縁性
の樹脂部が設けられているため短絡を防止することができる。
樹脂パッケージは、底面側から視認して四隅が弧状に形成されていることが好ましい。
弧状に形成されている部分は、メッキ処理が施されており、切断面にはメッキ処理が施さ
れていない構成を採ることもできる。これにより半田等との接合面積が拡がり、接合強度
を向上することができる。
リードは、段差が設けられていることが好ましい。この段差は樹脂パッケージの底面に
設けられていることが好ましい。段差が形成されている部分は、メッキ処理が施されてお
り、切断面にはメッキ処理が施されていない構成を採ることもできる。これにより半田等
との接合面積が拡がり、接合強度を向上することができる。
本発明は、熱硬化後の、波長350nm〜800nmにおける光反射率が70%以上で
あり、外側面において樹脂部とリードとが略同一面に形成されている樹脂パッケージの製
造方法であって、切り欠き部を設けたリードフレームを上金型と下金型とで挟み込む工程
と、上金型と下金型とで挟み込まれた金型内に、光反射性物質が含有される熱硬化性樹脂
をトランスファ・モールドして、リードフレームに樹脂成形体を形成する工程と、切り欠
き部に沿って樹脂成形体とリードフレームとを切断する工程と、を有する樹脂パッケージ
の製造方法に関する。かかる構成によれば、切り欠き部に熱硬化性樹脂が充填されるため
、リードフレームと熱硬化性樹脂との密着面積が大きくなり、リードフレームと熱硬化性
樹脂との密着性を向上することができる。また、熱可塑性樹脂よりも粘度が低い熱硬化性
樹脂を用いるため、空隙が残ることなく、切り欠き部に熱硬化性樹脂を充填することがで
きる。また、一度に多数個の樹脂パッケージを得ることができ、生産効率の大幅な向上を
図ることができる。さらに、廃棄されるランナーを低減することができ、安価な樹脂パッ
ケージを提供することができる。
上金型と下金型とで挟み込む前に、リードフレームにメッキ処理を施すことが好ましい
。このとき、製造された樹脂パッケージには切断された面にメッキ処理が施されておらず
、それ以外の部分にはメッキ処理が施されている。個片化された樹脂パッケージ毎にメッ
キ処理を施す必要がなくなり、製造方法を簡略化することができる。
本発明は、熱硬化後の、波長350nm〜800nmにおける光反射率が70%以上で
あり、外側面において樹脂部とリードとが略同一面に形成されている樹脂パッケージであ
って、リードは底面及び上面の少なくともいずれか一面にメッキ処理が施されており、か
つ、外側面はメッキ処理が施されていない部分を有する樹脂パッケージに関する。これに
よりメッキ処理されていないリードの露出を防止でき、かつ、一度に多数個の樹脂パッケ
ージを得ることができる。また、発光素子からの光を反射する部分のみメッキを施すこと
により発光装置からの光取り出し効率を向上することができる。
本発明は、熱硬化後の、波長350nm〜800nmにおける光反射率が70%以上で
あり、凹部が複数形成され、該凹部の内底面は、リードフレームの一部が露出されている
、樹脂成形体の製造方法であって、切り欠き部を設けたリードフレームを用い、樹脂成形
体において隣り合う凹部が成形される位置に凸部を有する上金型と下金型とでリードフレ
ームを挟み込む工程と、上金型と下金型とで挟み込まれた金型内に、光反射性物質が含有
される熱硬化性樹脂をトランスファ・モールドして、切り欠き部に熱硬化性樹脂を充填さ
せ、かつ、リードフレームに樹脂成形体を形成する工程と、を有する樹脂成形体の製造方
法に関する。かかる構成によれば、一度に多数個の発光装置を得ることができ、生産効率
の大幅な向上を図ることができる。
本発明は、熱硬化後の、波長350nm〜800nmにおける光反射率が70%以上で
あり、凹部が複数形成され、該凹部の内底面は、リードフレームの一部が露出されている
、樹脂成形体であって、リードフレームは切り欠き部を有しており、該切り欠き部に樹脂
成形体となる熱硬化性樹脂が充填されており、隣り合う凹部の間に側壁を有している樹脂
成形体に関する。これにより、耐熱性、耐光性に優れた樹脂成形体を提供することができ
る。
本発明にかかる発光装置及びその製造方法によれば、リードフレームと樹脂成形体との
密着性の高い発光装置を提供することができる。また、短時間に多数個の発光装置を得る
ことができ、生産効率の大幅な向上を図ることができる。さらに、廃棄されるランナーを
低減することができ、安価な発光装置を提供することができる。
以下、本発明に係る発光装置の製造方法および発光装置の最良の実施の形態を図面と共
に詳細に説明する。だたし、本発明は、この実施の形態に限定されない。
<第1の実施の形態>
(発光装置)
第1の実施の形態に係る発光装置を説明する。図1は、第1の実施の形態に係る発光装
置を示す斜視図である。図2は、第1の実施の形態に係る発光装置を示す断面図である。
図2は図1に示すII−IIの断面図である。図3は、第1の実施の形態に用いられるリ
ードフレームを示す平面図である。
第1の実施の形態に係る発光装置100は、熱硬化後の、波長350nm〜800nm
における光反射率が70%以上であり、外側面20bにおいて樹脂部25とリード22と
を略同一面に形成する樹脂パッケージ20を有する。リード22は底面(樹脂パッケージ
20の外底面20a)及び上面(凹部27の内底面27a)の少なくともいずれか一面に
メッキ処理を施している。一方、リード22の側面(樹脂パッケージ20の外側面20b
)はメッキ処理が施されていない。樹脂パッケージ20の外側面20bは、樹脂部25が
大面積を占めており、リード22が隅部から露出している。
樹脂パッケージ20は、主に光反射性物質26を含有する樹脂部25と、リード22と
、から構成されている。樹脂パッケージ20はリード22を配置している外底面20aと
、リード22の一部が露出している外側面20bと、開口する凹部27を形成する外上面
20cと、を有する。樹脂パッケージ20には内底面27aと内側面27bとを有する凹
部27が形成されている。樹脂パッケージ20の内底面27aにはリード22が露出して
おり、リード22に発光素子10が載置されている。樹脂パッケージ20の凹部27内に
は発光素子10を被覆する封止部材30を配置する。封止部材30は蛍光物質40を含有
している。発光素子10は、ワイヤ50を介してリード20と電気的に接続している。樹
脂パッケージ20の外上面20cはリード20が配置されていない。
樹脂パッケージ20の外側面20bの全包囲の長さにおいて、リード22が露出してい
る部分は1/2より短い長さである。後述する発光装置の製造方法において、リードフレ
ーム21に切り欠き部21aを設け、その切り欠き部21aに沿って切断するため、リー
ドフレーム21の切断部分が樹脂パッケージ20から露出される部分である。
樹脂パッケージ20は、四隅からリード22が露出している。リード22は外側面20
bにおいて露出しており、メッキ処理を施していない。また、リード22は外底面20a
にも露出する構造を採ることができ、メッキ処理を施すこともできる。なお、個片化され
た後にリード22の外側面20bにメッキ処理を施すことは可能である。
発光装置100は、熱硬化後の、波長350nm〜800nmにおける光反射率が70
%以上である。これは主に可視光領域の光反射率が高いことを示す。発光素子10は、発
光ピーク波長が360nm〜520nmにあるものが好ましいが、350nm〜800n
mのものも使用することができる。特に、発光素子10は420nm〜480nmの可視
光の短波長領域に発光ピーク波長を有するものが好ましい。この樹脂パッケージ20は、
480nm以下の短波長側の光に対して優れた耐光性を有しており劣化し難いものである
。また、この樹脂パッケージ20は、電流を投入することにより発光素子10が発熱して
も劣化しにくく耐熱性に優れたものである。
樹脂パッケージ20は透光性の熱硬化性樹脂に光反射性物質を高充填したものを使用す
ることが好ましい。例えば、350nm〜800nmにおける光透過率が80%以上の熱
硬化性樹脂を用いることが好ましく、特に、光透過率が90%以上の熱硬化性樹脂が好ま
しい。熱硬化性樹脂に吸収される光を低減することにより、樹脂パッケージ20の劣化を
抑制することができるからである。光反射性物質26は発光素子10からの光を90%以
上反射するものが好ましく、特に95%以上反射するものが好ましい。また、光反射性物
質26は蛍光物質40からの光を90%以上反射するものが好ましく、特に95%以上反
射するものが好ましい。光反射性物質26に吸収される光量を低減することにより発光装
置100からの光取り出し効率を向上することができる。
発光装置100の形状は特に問わないが、略直方体、略立方体、略六角柱などの多角形
形状としてもよい。凹部27は、開口方向に拡がっていることが好ましいが、筒状でも良
い。凹部27の形状は略円形状、略楕円形状、略多角形形状などを採ることができる。
以下、各部材について詳述する。
(発光素子)
発光素子は、基板上にGaAlN、ZnS、SnSe、SiC、GaP、GaAlAs
、AlN、InN、AlInGaP、InGaN、GaN、AlInGaN等の半導体を
発光層として形成したものが好適に用いられるが、これに特に限定されない。発光ピーク
波長が360nm〜520nmにあるものが好ましいが、350nm〜800nmのもの
も使用することができる。特に、発光素子10は420nm〜480nmの可視光の短波
長領域に発光ピーク波長を有するものが好ましい。
発光素子は、フェイスアップ構造のものを使用することができる他、フェイスダウン構
造のものも使用することができる。発光素子の大きさは特に限定されず、□350μm、
□500μm、□1mmのものなども使用することができる。また発光素子は複数個使用
することができ、全て同種類のものでもよく、光の三原色となる赤・緑・青の発光色を示
す異種類のものでもよい。
(樹脂パッケージ)
樹脂パッケージは、熱硬化性樹脂からなる樹脂部とリードとを有し、一体成形している
。樹脂パッケージは、350nm〜800nmにおける光反射率が70%以上であるが、
420nm〜520nmの光反射率が80%以上であることが特に好ましい。また、発光
素子の発光領域と蛍光物質の発光領域とにおいて高い反射率を有していることが好ましい
樹脂パッケージは、外底面と外側面と外上面とを有する。樹脂パッケージの外側面から
リードが露出している。樹脂部とリードとは略同一面に形成されている。この略同一面と
は同じ切断工程で形成されたことを意味する。
樹脂パッケージの外形は、略直方体に限定されず略立方体、略六角柱又は他の多角形形
状としてもよい。また、外上面側から見て、略三角形、略四角形、略五角形、略六角形な
どの形状を採ることもできる。
樹脂パッケージは内底面と内側面とを持つ凹部を形成している。凹部の内底面にはリー
ドを配置している。凹部は外上面側から見て、略円形形状、略楕円形状、略四角形形状、
略多角形形状及びこれらの組合せなど種々の形状を採ることができる。凹部は開口方向に
拡がる形状となっていることが好ましいが、筒状となっていても良い。凹部は滑らかな傾
斜を設けても良いが、表面に細かい凹凸を設け、光を散乱させる形状としてもよい。
リードは正負一対となるように所定の間隔を空けて設けている。凹部の内定面のリード
及び樹脂パッケージの外底面のリードはメッキ処理を施している。このメッキ処理は樹脂
成形体を切り出す前に行うこともできるが、予めメッキ処理を施したリードフレームを用
いる方が好ましい。一方、リードの側面はメッキ処理を施していない。
(樹脂部、樹脂成形体)
樹脂部及び樹脂成形体の材質は熱硬化性樹脂であるトリアジン誘導体エポキシ樹脂を用
いることが好ましい。また、熱硬化性樹脂は、酸無水物、酸化防止剤、離型材、光反射部
材、無機充填材、硬化触媒、光安定剤、滑剤を含有できる。光反射部材は二酸化チタンを
用い、10〜60wt%充填されている。
樹脂パッケージは、上述の形態に限らず、熱硬化性樹脂のうち、エポキシ樹脂、変性エ
ポキシ樹脂、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、アクリレート樹脂、ウレタン樹脂か
らなる群から選択される少なくとも1種により形成することが好ましい。特にエポキシ樹
脂、変性エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂が好ましい。例えば、トリ
グリシジルイソシアヌレート、水素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル他よりなる
エポキシ樹脂と、ヘキサヒドロ無水フタル酸、3−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、4
−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸他よりなる酸無水物とを、エポキシ樹脂へ当量となる
よう溶解混合した無色透明な混合物100重量部へ、硬化促進剤としてDBU(1,8-Diaz
abicyclo(5,4,0) undecene-7)を0.5重量部、助触媒としてエチレングリコールを1重
量部、酸化チタン顔料を10重量部、ガラス繊維を50重量部添加し、加熱により部分的
に硬化反応させBステージ化した固形状エポキシ樹脂組成物を使用することができる。
(リード、リードフレーム)
リードフレームは平板状の金属板を用いることができるが、段差や凹凸を設けた金属板
も用いることができる。
リードフレームは、平板状の金属板に打ち抜き加工やエッチング加工等を行ったもので
ある。エッチング加工されたリードフレームは断面形状において凹凸が形成されており、
樹脂成形体との密着性を向上することができる。特に、薄いリードフレームを用いた場合
、打ち抜き加工ではリードフレームと樹脂成形体と密着性を上げるため、段差や凹凸形状
を形成させるが、その段差、凹凸形状は小さくなるので、密着性向上の効果は小さい。し
かし、エッチング加工では、リードフレームの断面(エッチング部分)部分すべてに、凹
凸形状を形成させることができるので、リードフレームと樹脂成形体との接合面積が大き
くでき、より密着性に富む樹脂パッケージを成形することができる。
一方で、平板状の金属板を打ち抜く加工方法では、打ち抜きに伴う金型の摩耗で、交換
部品に要する費用が高くなり、リードフレームの製作費用が高くなる。それに対し、エッ
チング加工では、打ち抜き用金型は使用せず、1フレームあたりのパッケージの取り数が
多い場合は、1パッケージあたりのリードフレーム製作費用を安価にすることができる。
エッチング加工は、リードフレームを貫通するように形成する他、貫通しない程度に片
面のみからエッチング加工を行うものであってもよい。
切り欠き部は、樹脂成形体を個片化して樹脂パッケージとした際、リードが正負一対と
なるように形成されている。また、切り欠き部は、樹脂成形体を切断する際に、リードを
切断する面積を少なくするように形成されている。例えば、正負一対のリードとなるよう
に横方向に切り欠き部を設け、また、樹脂成形体を個片化する際の切り出し部分に相当す
る位置に切り欠き部を設ける。ただし、リードフレームの一部が脱落しないように、又は
、樹脂パッケージの外側面にリードを露出させるためにリードフレームの一部を連結して
おく。ダイシングソーを用いて樹脂成形体をダイシングするため、切り欠き部は、縦及び
横若しくは斜めに直線的に形成されていることが好ましい。
リードフレームは、例えば、鉄、リン青銅、銅合金などの電気良導体を用いて形成され
る。また、発光素子からの光の反射率を高めるために、銀、アルミニウム、銅及び金など
の金属メッキを施すことができる。切り欠き部を設けた後やエッチング処理を行った後な
ど上金型と下金型とで挟み込む前に金属メッキを施すことが好ましいが、リードフレーム
が熱硬化性樹脂と一体成形される前に金属メッキを施すこともできる。
(封止部材)
封止部材の材質は熱硬化性樹脂である。熱硬化性樹脂のうち、エポキシ樹脂、変性エポ
キシ樹脂、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、アクリレート樹脂、ウレタン樹脂から
なる群から選択される少なくとも1種により形成することが好ましく、特にエポキシ樹脂
、変性エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂が好ましい。封止部材は、発
光素子を保護するため硬質のものが好ましい。また、封止部材は、耐熱性、耐候性、耐光
性に優れた樹脂を用いることが好ましい。封止部材は、所定の機能を持たせるため、フィ
ラー、拡散剤、顔料、蛍光物質、反射性物質からなる群から選択される少なくとも1種を
混合することもできる。封止部材中には拡散剤を含有させても良い。具体的な拡散剤とし
ては、チタン酸バリウム、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化珪素等を好適に用いるこ
とができる。また、所望外の波長をカットする目的で有機や無機の着色染料や着色顔料を
含有させることができる。さらに、封止部材は、発光素子からの光を吸収し、波長変換す
る蛍光物質を含有させることもできる。
(蛍光物質)
蛍光物質は、発光素子からの光を吸収し異なる波長の光に波長変換するものであればよ
い。例えば、Eu、Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される窒化物系蛍光体・酸窒
化物系蛍光体・サイアロン系蛍光体、Eu等のランタノイド系、Mn等の遷移金属系の元
素により主に付活されるアルカリ土類ハロゲンアパタイト蛍光体、アルカリ土類金属ホウ
酸ハロゲン蛍光体、アルカリ土類金属アルミン酸塩蛍光体、アルカリ土類ケイ酸塩、アル
カリ土類硫化物、アルカリ土類チオガレート、アルカリ土類窒化ケイ素、ゲルマン酸塩、
又は、Ce等のランタノイド系元素で主に付活される希土類アルミン酸塩、希土類ケイ酸
塩又はEu等のランタノイド系元素で主に賦活される有機及び有機錯体等から選ばれる少
なくともいずれか1以上であることが好ましい。具体例として、下記の蛍光体を使用する
ことができるが、これに限定されない。
Eu、Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される窒化物系蛍光体は、MSi
:Eu、MAlSiN:Eu(Mは、Sr、Ca、Ba、Mg、Znから選ばれる少
なくとも1種以上である。)などがある。また、MSi:EuのほかMSi
10:Eu、M1.8Si0.2:Eu、M0.9Si0.110:Eu
(Mは、Sr、Ca、Ba、Mg、Znから選ばれる少なくとも1種以上である。)など
もある。
Eu、Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される酸窒化物系蛍光体は、MSi
:Eu(Mは、Sr、Ca、Ba、Mg、Znから選ばれる少なくとも1種以上で
ある。)などがある。
Eu、Ce等のランタノイド系元素で主に賦活されるサイアロン系蛍光体は、Mp/2
Si12−p−qAlp+q16−p:Ce、M−Al−Si−O−N(Mは、S
r、Ca、Ba、Mg、Znから選ばれる少なくとも1種以上である。qは0〜2.5、
pは1.5〜3である。)などがある。
Eu等のランタノイド系、Mn等の遷移金属系の元素により主に付活されるアルカリ土
類ハロゲンアパタイト蛍光体には、M(POX:R(Mは、Sr、Ca、Ba、
Mg、Znから選ばれる少なくとも1種以上である。Xは、F、Cl、Br、Iから選ば
れる少なくとも1種以上である。Rは、Eu、Mn、EuとMn、のいずれか1以上であ
る。)などがある。
アルカリ土類金属ホウ酸ハロゲン蛍光体には、MX:R(Mは、Sr、Ca
、Ba、Mg、Znから選ばれる少なくとも1種以上である。Xは、F、Cl、Br、I
から選ばれる少なくとも1種以上である。Rは、Eu、Mn、EuとMn、のいずれか1
以上である。)などがある。
アルカリ土類金属アルミン酸塩蛍光体には、SrAl:R、SrAl14
:R、CaAl:R、BaMgAl1627:R、BaMgAl16
:R、BaMgAl1017:R(Rは、Eu、Mn、EuとMn、のいずれか1以
上である。)などがある。
アルカリ土類硫化物蛍光体には、LaS:Eu、YS:Eu、Gd
S:Euなどがある。
Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される希土類アルミン酸塩蛍光体には、Y
12:Ce、(Y0.8Gd0.2Al12:Ce、Y(Al0.8
0.212:Ce、(Y,Gd)(Al,Ga)12:Ceの組成式で表
されるYAG系蛍光体などがある。また、Yの一部若しくは全部をTb、Lu等で置換し
たTbAl12:Ce、LuAl12:Ceなどもある。
その他の蛍光体には、ZnS:Eu、ZnGeO:Mn、MGa:Eu(M
は、Sr、Ca、Ba、Mg、Znから選ばれる少なくとも1種以上である。)などがあ
る。
これらの蛍光体は、単独若しくは2種以上組み合わせて使用することにより、青色、緑
色、黄色、赤色などの他、これらの中間色である青緑色、黄緑色、橙色などの色味を実現
することができる。
(その他)
発光装置には、さらに保護素子としてツェナーダイオードを設けることもできる。ツェ
ナーダイオードは、発光素子と離れて凹部の内底面のリードに載置することができる。ま
た、ツェナーダイオードは、凹部の内底面のリードに載置され、その上に発光素子を載置
する構成を採ることもできる。□280μmサイズの他、□300μmサイズ等も使用す
ることができる。
(第1の実施の形態に係る発光装置の製造方法)
第1の実施の形態に係る発光装置の製造方法について説明する。図4は、第1の実施の
形態に係る発光装置の製造方法を示す概略断面図である。図5は、第1の実施の形態に係
る樹脂成形体を示す平面図である。
第1の実施の形態に係る発光装置の製造方法は、切り欠き部21aを設けたリードフレ
ーム21を上金型61と下金型62とで挟み込む工程と、上金型61と下金型62とで挟
み込まれた金型60内に、光反射性物質26が含有される熱硬化性樹脂23をトランスフ
ァ・モールドして、リードフレーム21に樹脂成形体24を形成する工程と、切り欠き部
21aに沿って樹脂成形体24とリードフレーム21とを切断する工程と、を有する。
まず、トランスファ・モールドに用いる上金型61及び下金型62からなる金型60に
ついて説明する。
上金型61は、上金型の上部を構成する平板の本体部と、本体部の端部から枠状に形成
された外壁部と、本体部から突出した複数の突出部と、外壁部の一部を水平方向に貫通す
る注入口とを有する。
外壁部は、本体部の端部から垂直に突出されており、樹脂成形体の第一外側面、第二外
側面、第三外側面及び第四外側面をそれぞれ成形する第一外壁部、第二外壁部、第三外壁
部及び第四外壁部を備えている。即ち、外壁部は樹脂成形体の外郭を成形する部分であっ
て、平面視長方形に形成されている。外壁部の形状は、所望の樹脂成形体の形状に応じて
適宜形成すればよい。
突出部はトランスファ・モールドの際にリードフレーム21と接触する部分であって、
その接触部分に熱硬化性樹脂23が流れ込まないようにすることにより、リードフレーム
21の一部が樹脂成形体24から露出される露出部を形成できる。突出部は、本体部から
下方に突出しており、外壁に囲まれるように形成されている。突出部は、リードフレーム
21と接触する部分が平坦に形成されている。樹脂成形体24の上面の面積あたりに効率
よく凹部を形成するためには、一方向かつ等間隔に突出部が形成され、各突出部において
その一方向から90°方向かつ等間隔に突出部が形成されることが好ましい。
注入口は、熱硬化性樹脂23を注入するためであって、外壁部の略中央下端に、水平方
向に貫通して形成されている。注入口は、半円形状の断面を有し、注入口の入口部分から
出口部分に向けて幅が狭くなるように形成されている。
また、特に図示はしないが、上金型61の上部には、本体部を貫通するピン挿入孔が形
成されている。ピン挿入孔は、上金型61から樹脂成形体24を脱型するときにピンを挿
入させるための孔である。
下金型62は、所定の厚みを有する板材であって、表面が平坦に形成されている。下金
型62は、上金型61と接触させることにより、空間部を成形するものである。
次に、各製造工程について説明する。
リードフレーム21は、切り欠き部21aを設けた後、金属メッキ処理を行っておく。
まず、切り欠き部21aを設けたリードフレーム21を上金型61と下金型62とで挟
み込む。上金型61と下金型62とで挟み込むことによって金型60内に空間が設けられ
る。
このとき、凹部27が形成される位置にある切り欠き部21aが上金型61の有する突
出部と下金型62とで挟まれるように配置する。これにより切り欠き部21aにおけるリ
ードフレーム21のバタつきが抑制され、バリの発生を低減することができる。
次に、上金型61と下金型62とで挟み込まれた金型内に、光反射性物質26が含有さ
れる熱硬化性樹脂23をトランスファ・モールドして、リードフレーム21に樹脂成形体
24を形成する
金型60内に設けられた空間に、注入口から光反射性物質26が含有される熱硬化性樹
脂23を注入して、所定の温度と圧力とを加えてトランスファ・モールドする。上金型6
1と下金型62とで切り欠き部21a付近のリードフレーム21を挟み込んでいるため、
熱硬化性樹脂23をトランスファ・モールドする際に、リードフレーム21がバタつかず
、凹部27の内底面27aにおいてバリの発生を抑制できる。
ピン挿入部にピンを挿入させて樹脂成形体24を上金型61から抜脱する。金型60内
において所定の温度を加えて仮硬化を行い、その後、金型60から抜脱して、仮硬化より
も高い温度を加えて本硬化を行うことが好ましい。
次に、樹脂成形体24に形成された凹部27の内底面27aのリードフレーム21に発
光素子10を載置し、ワイヤ50によりリードフレーム21と電気的に接続する。発光素
子10を載置する工程は、樹脂成形体24を金型60から抜脱した後に載置できる他、樹
脂成形体24を切断し個片化した樹脂パッケージ20に発光素子10を載置してもよい。
また、ワイヤを用いず発光素子をフェイスダウンして実装してもよい。発光素子10をリ
ードフレーム21に実装した後、蛍光物質40を含有した封止部材30を凹部27内に充
填し硬化する。
次に、切り欠き部21aに沿って樹脂成形体24とリードフレーム21とを切断する。
複数の凹部27が形成された樹脂成形体24は、隣接する凹部27の間にある側壁を略
中央で分離されるように長手方向及び短手方向に切断する。切断方法はダイシングソーを
用いて樹脂成形体24側からダイシングする。これにより切断面は樹脂成形体24とリー
ドフレーム21とが略同一面となっており、リードフレーム21が樹脂成形体24から露
出している。このように切り欠き部21aを設けることにより、切断されるリードフレー
ム21は少なくなりリードフレーム21と樹脂成形体24との剥離を抑制することができ
る。また、リードフレーム21の上面だけでなく、切り欠き部21aに相当する側面も樹
脂成形体24と密着するため、リードフレーム21と樹脂成形体24との密着強度が向上
する。
<第2の実施の形態>
第2の実施の形態に係る発光装置について説明する。図6は、第2の実施の形態に係る
発光装置を示す斜視図である。図7は、第2の実施の形態に用いられるリードフレームを
示す平面図である。図8は、第2の実施の形態に係る樹脂成形体を示す平面図である。第
1の実施の形態に係る発光装置とほぼ同様の構成を採るところは説明を省略することもあ
る。
第2の実施の形態に係る発光装置は、樹脂パッケージ120に設けられた凹部内に発光
素子10を載置する。樹脂パッケージ120の外上面120cは、隅部が円弧状に形成さ
れている。また、リード122の側面は上面から見て円弧状に形成されており、リード1
22は、上面から見て樹脂部125からやや突出するように段差を設けている。突出され
ているリード122の上面及び外底面120a、円弧状の局面部分はメッキ処理を施して
いる。一方、リード122の円弧状以外の外側面120b部分はメッキ処理が施されてい
ない。このようにメッキ処理を施した部分を広くすることにより半田等の導電性部材との
接合強度が増す。
(第2の実施の形態に係る発光装置の製造方法)
第2の実施の形態に係る発光装置の製造方法において、リードフレーム121には切り
欠き部121a及び孔部121bを設ける。この孔部121bの形状は円形状であること
が好ましいが、四角形状、六角形状などの多角形状や楕円形状などを採ることができる。
リードフレーム121における孔部121bの位置は切り欠き部121aの延長線上であ
って、互いに交差する点付近に設けることが好ましい。孔部121bの大きさは特に問わ
ないが、電極として用い導電性部材との接合強度を高める場合、広口の方が好ましい。ま
た、導電性部材との密着面積を拡げ、接合強度を高めることができる。
リードフレーム121の孔部121b近傍を覆うように、孔部121bの形状よりもや
や大きめの孔を設ける。
切り欠き部121aを設けたリードフレーム121を上金型と下金型とで挟み込む。こ
のとき、孔部121bの近傍も金型で挟み込む。これによりトランスファ・モールドの際
、熱硬化性樹脂が孔部121b内に流れ込まず、孔部121b内の熱硬化性樹脂を除去す
る必要がない。
上金型と下金型とで挟み込まれた金型内に、光反射性物質が含有される熱硬化性樹脂を
トランスファ・モールドして、リードフレーム121に樹脂成形体124を形成する。
樹脂成形体124のリードフレーム121の露出部分にメッキ処理を施す。凹部の内底
面、樹脂パッケージ120の外底面120a、リードフレーム121の円形状の内面及び
そこから延びる上面にメッキ処理を施す。
切り欠き部121aに沿って樹脂成形体124とリードフレーム121とを切断する。
以上の工程を経ることにより第2の実施の形態に係る発光装置を提供することができる
。切り欠き部121aの延長線上に孔部121bを設けているため、ダイシングソーを用
いてダイシングを行う際、切断するリードフレーム121が少なくてすむため切断時間を
短縮できる。この製造方法によれば、簡易かつ短時間でリードフレーム121にメッキ処
理された部分を多く有する発光装置を提供することができる。
<第3の実施の形態>
第3の実施の形態に係る発光装置について説明する。図9は、第3の実施の形態に係る
発光装置を示す斜視図である。図10は、第3の実施の形態に用いられるリードフレーム
を示す平面図である。第1の実施の形態に係る発光装置とほぼ同様の構成を採るところは
説明を省略することもある。
第3の実施の形態に係る発光装置は、熱硬化後の、波長350nm〜800nmにおけ
る光反射率が70%以上であり、外側面220bにおいて樹脂部225とリード222と
が略同一面に形成されている樹脂パッケージ220を有する発光装置である。リード22
2は底面及び上面にメッキ処理を施しており、かつ、外側面はメッキ処理が施されていな
い部分を有する。リード222は、所定の厚みを有しており、樹脂パッケージ220の外
側面付近に段差を設けている。この段差の一段奥まった側面側とわずかに外側に張り出し
た底面側にはメッキ処理を施している。このようにリード222にメッキ処理を施した段
差を設けることにより、接合面積が増え、半田等の導電性部材との接合強度を向上させる
ことができる。また、ダイシングソーを用いて切断する部分のリード222の厚みを薄く
することができるため、切断時間の短縮を図ることができる。また、樹脂パッケージ22
0の外上面側からダイシングソーを用いてダイシングを行うため、リード222の切断面
において外底面方向に延びるバリが生じやすい。リードの切断面が外底面と同一面である
場合、発光装置を実装する際にバリにより発光装置が傾くことが生じる場合もあるが、リ
ードの切断面に段差を設けることにより、バリが外底面まで届かずバリにより発光装置が
傾くことはない。
段差は、樹脂パッケージ220から露出されたリード222において、樹脂パッケージ
220の外底面220aで露出された第一面と、外底面220aから上方方向に略直角に
形成された第二面と、第二面から樹脂パッケージ220の外側面方向に略直角に形成され
た第三面と、樹脂パッケージ220の外側面で露出された第四面とからなる。第一面、第
二面及び第三面は、メッキ処理を施しているが、第四面はメッキ処理を施していない。第
二面および第三面はひとつの曲面にすることもできる。第二面および第三面を曲面にする
ことにより、段差部内において半田が広がり易い。
樹脂パッケージ220は、外上面220cにおいて略正方形形状を成しており、樹脂部
225に覆われている。樹脂パッケージ220の外上面220c側には略円錐台形の凹部
を設けている。
(第3の実施の形態に係る発光装置の製造方法)
第3の実施の形態に係る発光装置の製造方法において、リードフレーム221には発光
装置の外底面側に相当する側に略直線上の溝221cを設ける。この溝221cの深さは
リードフレーム221の厚みの半分程度であることが好ましいが、1/4〜4/5程度の
深さでもよい。この溝221cの幅は、隣り合う凹部までの距離、発光装置の大きさ等に
より、種々変更されるが、その溝の中心を切断した場合に発光装置に段差があると認識で
きる程度のものであればよい。
切り欠き部221aを設けたリードフレーム221を上金型と下金型とで挟み込む。切
り欠き部221aがトランスファ・モールドの際、バタつかないように上金型と下金型と
で挟み込む。
上金型と下金型とで挟み込まれた金型内に、光反射性物質が含有される熱硬化性樹脂を
トランスファ・モールドして、リードフレーム221に樹脂成形体を形成する。
樹脂成形体のリードフレーム221の露出部分にメッキ処理を施す。凹部の内底面、リ
ードフレーム221の外底面220a、溝221cにメッキ処理を施す。この溝221c
のメッキ処理は、発光装置における段差の第一面、第二面、第三面に相当する。
切り欠き部221aに沿って樹脂成形体とリードフレームとを切断する。また、溝22
1cに沿って樹脂成形体を切断する。
以上の工程を経ることにより第3の実施の形態に係る発光装置を提供することができる
。この製造方法によれば、簡易かつ短時間でリードフレーム121にメッキ処理された部
分を多く有する発光装置を提供することができる。
<第4の実施の形態>
第4の実施の形態に係る発光装置について説明する。図11は、第4の実施の形態に係
る発光装置を示す斜視図である。第1の実施の形態に係る発光装置とほぼ同様の構成を採
るところは説明を省略することもある。
第4の実施の形態に係る発光装置は、樹脂パッケージ320の外側面320bのリード
322において、一部のみ外側面320bから凹んだ段差を有している。段差は、樹脂パ
ッケージ320から露出されたリード322において、樹脂パッケージ320の外底面3
20aに設けられた第一面と、外底面320aから上方方向に略直角に形成された第二面
と、第二面から樹脂パッケージ320の外側面方向に略直角に形成された第三面と、樹脂
パッケージ320の外側面の第四面とからなる。樹脂パッケージ320の外上面320c
は樹脂部325からなる略長方形に形成されている。外底面320a、第一面、段差を設
けた第二面、第三面及び凹部の内底面はメッキ処理を施している。一方、段差を設けてい
ない外側面320bは、メッキ処理を施していない。
リード322はエッチング加工されたリードフレームを用いる。樹脂成形体の切断面に
おいて、エッチング加工されたリード322は凹凸を有している。この凹凸が樹脂部とリ
ードとの密着性の向上を図っている。
リード322の一部に段差を設けることによって実装時における導電性部材との接合面
積を広くすることができ、接合強度を高くすることができる。また、リードフレームに凹
みを設けているため、切断し易くなり、切断に要する時間も短縮することができる。
<第5の実施の形態>
第5の実施の形態に係る発光装置について説明する。図12は、第5の実施の形態に係
る発光装置を示す斜視図である。第1の実施の形態に係る発光装置とほぼ同様の構成を採
るところは説明を省略することもある。
第5の実施の形態に係る発光装置は、樹脂パッケージ420の外側面420bのリード
422において、一部のみ外側面420bから凹んだ段差を有している。段差は、樹脂パ
ッケージ420から露出されたリード422において、樹脂パッケージ420の外底面4
20aに設けられた第一面と、外底面420aから上方方向に略直角に形成された第二面
と、第二面から樹脂パッケージ420の外側面方向に略直角に形成された第三面と、樹脂
パッケージ420の外側面の第四面とからなる。樹脂パッケージ420の外側面420b
は、リード422が6つに分離されている。リード422はそれぞれ分離されていてもよ
く、連結されていてもよい。リード422は平板状よりも切り欠き部を設けている方が樹
脂部425とリード422との接合強度がより高くなるため好ましい。樹脂パッケージ4
20の外上面420cは樹脂部425からなる略長方形に形成されている。外底面420
a、第一面、段差を設けた第二面、第三面及び凹部の内底面はメッキ処理を施している。
一方、段差を設けていない外側面420bは、メッキ処理を施していない。
リード422の一部に段差を設けることによって導電性部材との接合面積を広くするこ
とができ、接合強度を高くすることができる。また、リードフレームに凹みを設けている
ため、切断し易くなり、切断に要する時間も短縮することができる。
<第6の実施の形態>
第6の実施の形態に係る樹脂パッケージについて説明する。図13は、第6の実施の形
態に係る樹脂パッケージを示す斜視図である。第1の実施の形態に係る樹脂パッケージ、
第5の実施の形態に係る樹脂パッケージとほぼ同様の構成を採るところは説明を省略する
こともある。
第6の実施の形態に係る樹脂パッケージは、樹脂パッケージ520の外側面520bの
リード522において、隅部が凹んだ段差を有している。この段差は、樹脂パッケージ5
20から露出されたリード522において、外底面520a側から見て円弧形状になって
いる。この円弧形状は、円を四分割したものである。この円弧形状は、リード522を貫
通しないように、厚みの略半分程度までのエッチング処理を行い、その後、四分割したも
のである。この円弧形状の部分にはメッキ処理が施されている。この円弧形状部分へのメ
ッキ処理及び外底面520aへのメッキ処理は、四分割する前に行っている。一方、段差
を設けていない外側面520bは、メッキ処理を施していない。樹脂パッケージ520は
外上面520cから見ると略正方形形状を成しており、樹脂部525が露出している。
リード522の一部に段差を設けることによって導電性部材との接合面積を広くするこ
とができ、接合強度を高くすることができる。また、樹脂成形体の切断時において段差部
分にバリが生じても外底面520aよりも上方であるため、導電部材との接合時にぐらつ
きを生じない。更に、リードフレームに凹みを設けているため、切断し易くなり、切断に
要する時間も短縮することができる。
実施例1に係る発光装置を説明する。第1の実施の形態で説明したところと重複すると
ころは説明を省略することもある。図1は、第1の実施の形態に係る発光装置を示す斜視
図である。図2は、第1の実施の形態に係る発光装置を示す断面図である。図2は図1に
示すII−IIの断面図である。図3は、第1の実施の形態に用いられるリードフレーム
を示す平面図である。
発光装置100は、発光素子10と、光反射物質26を含有する樹脂部25とリード2
2とが一体成形された樹脂パッケージ20と、を有する。発光素子10は450nmに発
光ピーク波長を持ち青色に発光する窒化物半導体発光素子である。樹脂パッケージ20は
すり鉢状の凹部27を持つ略直方体の形状を成している。樹脂パッケージ20の大きさは
縦35mm、横35mm、高さ0.8mmであり、凹部27の外上面20c側の略直径は
2.9mm、内底面27aの略直径は2.6mm、深さは0.6mmである。リード22
の厚みは0.2mmである。光反射物質26には酸化チタンを使用する。樹脂部25には
熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂を用いる。酸化チタンはエポキシ樹脂中に20重量%程
度含有している。樹脂パッケージ20は、熱硬化後の、波長450nmにおける光反射率
が81%である。樹脂パッケージ20の外側面20bにおいて樹脂部25とリード22と
は略同一面に形成されている。リード22は樹脂パッケージ20の四隅から露出している
。リード22は樹脂パッケージ20の外底面20a及び凹部27の内底面27aにメッキ
処理を施している。一方、リード22は樹脂パッケージ20の外側面20bにメッキ処理
を施していない。凹部27内に黄色に発光する蛍光物質40を含有する封止部材30を充
填する。蛍光物質40として(Y,Gd)(Al,Ga)12:Ceを使用する。
封止部材30としてシリコーン樹脂を使用する。
この発光装置は以下のようにして製造される。
リードフレームはエッチング加工により切り欠き部21aを設ける。図示しないが切り
欠き部21aの断面は凹凸が形成されている。そのリードフレームにAgを電解メッキに
より付着させる。切り欠き部21aが設けられメッキ処理が施されたリードフレーム21
を用いる。
次に、所定の大きさのリードフレーム21を上金型61と下金型62とで挟み込む。リ
ードフレーム21は平板状であって、個片化する発光装置の大きさに応じた切り欠き部2
1aを設けている。切り欠き部21aは樹脂パッケージ20に個片化した際に四隅が露出
し、四隅以外は露出しないように縦横に設けられている。また、切り欠き部21aは、樹
脂パッケージ20に個片化した際に電気的に絶縁されるように横方向に設けられており、
上金型61と下金型62とでこの切り欠き部21aを挟み込んでいる。
上金型61と下金型62とで挟み込まれた金型60内に、光反射性物質26を含有する
熱硬化性樹脂23をトランスファ・モールドして、リードフレーム21に樹脂成形体24
を形成する。光反射性物質26を含有した熱硬化性樹脂23をペレット状にし、熱と圧力
を加えて金型60内に流し込む。このとき切り欠き部21aにも熱硬化性樹脂23が充填
される。流し込まれた熱硬化性樹脂23を仮硬化した後、上金型61を取り外し、更に熱
を加えて本硬化を行う。これによりリードフレーム21と熱硬化性樹脂23とが一体成形
された樹脂成形体24が製造される。
次に、発光素子10を凹部27の内底面27aのリード22上にダイボンド部材を用い
て実装する。発光素子10を載置した後、発光素子10とリード22とをワイヤ50を用
いて電気的に接続する。次に、蛍光物質40を含有した封止部材30を凹部27内に充填
する。
最後に、切り欠き部21aに沿って樹脂成形体24とリードフレーム21とを切断して
個々の発光装置100となるように個片化する。これにより切断部分においてリード22
はメッキ処理されていない。
以上の工程を経ることにより、一度に多数個の発光装置100を製造することができる
本発明は、照明器具、ディスプレイ、携帯電話のバックライト、動画照明補助光源、そ
の他の一般的民生用光源などに利用することができる。
第1の実施の形態に係る発光装置を示す斜視図である。 第1の実施の形態に係る発光装置を示す断面図である。 第1の実施の形態に用いられるリードフレームを示す平面図である。 第1の実施の形態に係る発光装置の製造方法を示す概略断面図である。 第1の実施の形態に係る樹脂成形体を示す平面図である。 第2の実施の形態に係る発光装置を示す斜視図である。 第2の実施の形態に用いられるリードフレームを示す平面図である。 第2の実施の形態に係る樹脂成形体を示す平面図である。 第3の実施の形態に係る発光装置を示す斜視図である。 第3の実施の形態に用いられるリードフレームを示す平面図である。 第4の実施の形態に係る発光装置を示す斜視図である。 第5の実施の形態に係る発光装置を示す斜視図である。 第6の実施の形態に係る樹脂パッケージを示す斜視図である。 従来の発光装置の製造方法を示す斜視図である。 従来の発光装置の中間体を示す斜視図である。 従来の発光装置を示す斜視図である。 従来の発光装置を示す斜視図及び断面図である。 従来の発光装置の製造方法を示す概略断面図である。 従来の発光装置の製造工程を示す概略図である。
10、110 発光素子
20、120、220、320、420、520 樹脂パッケージ
20a、120a、220a、320a、420a、520a 外底面
20b、120b、220b、320b、420b、520b 外側面
20c、120c、220c、320c、420c、520c 外上面
21、121、221 リードフレーム
21a、121a、221a 切り欠き部
121b 孔部
221c 溝
22、122、222、322、422、522 リード
23 熱硬化性樹脂
24 樹脂成形体
25、125、225、325、425、525 樹脂部
26 光反射性物質
27 凹部
27a 内底面
27b 内側面
30 封止部材
40 蛍光物質
50 ワイヤ
60 金型
61 上金型
62 下金型
70 ダイシングソー
100 発光装置

Claims (10)

  1. 熱硬化後の、波長350nm〜800nmにおける光反射率が70%以上であり、外側面において樹脂部とリードとが略同一面に形成されている樹脂パッケージを有する発光装置の製造方法であって、
    切り欠き部が設けられ、かつ、エッチング加工により断面形状において凹凸が形成されたリードフレームを上金型と下金型とで挟み込む工程と、
    上金型と下金型とで挟み込まれた金型内に、光反射性物質が含有される熱硬化性樹脂をトランスファ・モールドして、リードフレームに樹脂成形体を形成する工程と、
    切り欠き部に沿って樹脂成形体とリードフレームとを切断し、前記樹脂成形体の切断面において凹凸を有する前記リードを露出させる工程と、
    を有する発光装置の製造方法。
  2. 上金型と下金型とで挟み込む前に、リードフレームにメッキ処理を施す請求項1に記載の発光装置の製造方法。
  3. リードフレームは、切断部分における切り欠き部が全包囲周の約1/2以上である請求項1又は2のいずれかに記載の発光装置の製造方法。
  4. 上金型と下金型とで挟み込まれる前のリードフレームは、孔部が設けられている請求項1乃至3のいずれか一項に記載の発光装置の製造方法。
  5. 上金型と下金型とで挟み込まれる前のリードフレームは、溝が設けられている請求項1乃至4のいずれか一項に記載の発光装置の製造方法。
  6. 上金型と下金型とは、発光素子が載置される部分、若しくは、孔部の近傍の部分のリードフレームを挟み込んでいる請求項1乃至5のいずれか一項に記載の発光装置の製造方法。
  7. 前記エッチング加工は、前記リードフレームを貫通しないように片面から行う請求項1乃至6のいずれか一項に記載の発光装置の製造方法。
  8. 熱硬化後の、波長350nm〜800nmにおける光反射率が70%以上であり、外側面において樹脂部とリードとが略同一面に形成されている樹脂パッケージの製造方法であって、
    切り欠き部が設けられ、かつ、エッチング加工により断面形状において凹凸が形成されたリードフレームを上金型と下金型とで挟み込む工程と、
    上金型と下金型とで挟み込まれた金型内に、光反射性物質が含有される熱硬化性樹脂をトランスファ・モールドして、リードフレームに樹脂成形体を形成する工程と、
    切り欠き部に沿って樹脂成形体とリードフレームとを切断し、その切断面において凹凸を有する前記リードを露出させる工程と、
    を有する樹脂パッケージの製造方法。
  9. 上金型と下金型とで挟み込む前に、リードフレームにメッキ処理を施す請求項8に記載の樹脂パッケージの製造方法。
  10. 前記エッチング加工は、前記リードフレームを貫通しないように片面から行う請求項8又は9のいずれかに記載の樹脂パッケージの製造方法。
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