以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面に基づいて説明する。
(1)第1実施形態
第1実施形態の移動通信システム1についての説明を進める。以下の説明では、移動通信システムの一例として、携帯端末を移動端末として用いる携帯電話システムを用いて説明を進める。但し、携帯電話システム以外の各種移動通信システム(言い換えれば、各種無線通信システムであって、例えば、無線LANシステム等)に対して後述する実施形態を適用してもよい。
(1−1)移動通信システムの構成
図1を参照して、第1実施形態の移動通信システム1の構成について説明する。図1は、第1実施形態の移動通信システム1の構成の一例を示すブロック図である。
図1に示すように、第1実施形態の移動通信システム1は、「制御装置」の一具体例である制御サーバ10と、夫々が「移動端末」の一具体例である複数の携帯端末20と、GPS衛星30と、ネットワーク網40とを備えている。
制御サーバ10は、複数の携帯端末20の夫々の動作を制御する。制御サーバ10は、ネットワーク網40(例えば、無線基地局やコアネットワークを含むネットワーク網)を介して、複数の携帯端末20の夫々との間で情報(例えば、後述する位置情報や制御コマンド等の各種情報)の送受信を行う。制御サーバ10は、ネットワーク網40を介することなく、複数の携帯端末20の夫々との間で直接的に情報の送受信を行ってもよい。尚、制御サーバ10は、例えば独自の装置として移動通信システム1上に設置されてもよいし、或いはMME(Mobility Management Equipment)等の上位局の内部に実装されてもよい。尚、制御サーバ10とネットワーク網40とは、有線回線を介して接続されていてもよいし無線回線を介して接続されていてもよい。
複数の携帯端末20の夫々は、自身がその内部に位置するセルに対応する不図示の無線基地局との間で通信コネクションを確立すると共に、情報の送受信を行う。その結果、複数の携帯端末20の夫々は、ネットワーク網40(例えば、無線基地局やコアネットワークを含むネットワーク網)を介して、制御サーバ10との間で情報の送受信を行う。但し、複数の携帯端末20の夫々は、ネットワーク網40を介することなく、制御サーバ10との間で直接的に情報の送受信を行ってもよい。尚、複数の携帯端末20の夫々とネットワーク網40とは、無線回線を介して接続されていることが好ましいが、有線回線を介して接続されていてもよい。
複数の携帯端末20の夫々は、各種サービスないしはアプリケーション(例えば、メールサービスや、音声通話サービスや、WEB閲覧サービスや、パケット通信サービス等)を利用することができる。複数の携帯端末20の夫々として、例えば携帯電話や、PDA(Personal Digital Assistant)や、その他無線通信機能を有する各種情報機器等が一例としてあげられる。
GPS衛星30は、GPS電波を送信する衛星である。複数の携帯端末20の夫々は、GPS衛星30から送信されるGPS電波を受信することで、夫々の携帯端末20の現在位置を適宜計測する。複数の携帯端末20の夫々は、計測した夫々の携帯端末20の現在位置を、位置情報として制御サーバ10に送信する。
尚、複数の携帯端末20の夫々は、GPS衛星30から送信されるGPS電波を用いる手法に加えて又は代えて、他の手法を用いて夫々の携帯端末20の現在位置を計測してもよい。例えば、複数の携帯端末20の夫々は、夫々の携帯端末20と無線基地局との間の距離ないしは無線基地局からの受信電力強度等に基づいて、夫々の携帯端末20の現在位置を計測してもよい。或いは、複数の携帯端末20の夫々が無線LANに対応している場合には、複数の携帯端末20の夫々は、夫々の携帯端末20と無線LAN用のアクセスポイントとの間の距離ないしはアクセスポイントからの受信電力強度等に基づいて、夫々の携帯端末20の現在位置を計測してもよい。或いは、複数の携帯端末20の夫々が無線LANに対応している場合には、複数の携帯端末20の夫々は、無線LAN用のアクセスポイントの位置を、夫々の携帯端末20の現在位置として取り扱ってもよい。
ネットワーク網40は、制御サーバ10と複数の携帯端末20の夫々との間の情報の送受信が行われるネットワーク網である。ネットワーク網40は、その少なくとも一部が有線ネットワークであってもよいし、その少なくとも一部が無線ネットワークであってもよい。
(1−2)制御サーバの構成
図2を参照して、第1実施形態の制御サーバ10の構成について説明する。図2は、第1実施形態の制御サーバ10の構成を示すブロック図である。
図2に示すように、制御サーバ10は、通信インタフェース部11と、CPU(Central Processing Unit)12と、メモリ13と、データバス14とを備えている。
通信インタフェース部11は、ネットワーク網40を介した複数の携帯端末20の夫々との間の情報の送受信を制御する。具体的には、通信インタフェース部11は、CPU12の制御の下、複数の携帯端末20の夫々に対して送信するべき情報を、ネットワーク網40に対して送信する。また、通信インタフェース部11は、CPU12の制御の下、複数の携帯端末20の夫々からネットワーク網40を介して送信される情報を、ネットワーク網40から受信する。
CPU12は、所定のファームウェア等に基づいて動作する制御回路であって、制御サーバ10全体の動作を制御する。
CPU12は、その内部に実現される物理的な、論理的な又は機能的な処理ブロックとして、位置取得部121と、「判定部」の一具体例である判定処理部122と、「制限部」の一具体例である機能制限処理部123と、パラメータ設定部124とを備える。
位置取得部121は、複数の携帯端末20の夫々が計測した夫々の携帯端末20の現在位置を示す位置情報を取得する。位置取得部121は、取得した位置情報を、メモリ13(より具体的には、後述の位置情報履歴テーブル132)に格納する。
判定処理部122は、複数の携帯端末20のうちの一つの親携帯端末20pの位置情報の履歴(つまり、移動履歴)に応じて定まる対象エリア200(図7参照)内に、複数の携帯端末20のうちの子携帯端末20cが位置するか否かを判定する。言い換えれば、判定処理部122は、子携帯端末20cから送信される最新の位置情報が示す位置(つまり、制御サーバ10が認識している、子携帯端末20cの最新の位置)が、親携帯端末20pの移動履歴に応じて定まる対象エリア200内に含まれるか否かを判定する。このとき、判定処理部122は、メモリ13に格納されている位置情報履歴テーブル132を参照することで、親携帯端末20pの移動履歴及び子携帯端末20cの最新の位置を認識する。
第1実施形態では、親携帯端末20pは、複数の携帯端末20の中から予め指定されていることが好ましい。つまり、複数の携帯端末20の中うちのいずれか一つの携帯端末20が、親携帯端末20pとして予め指定されていることが好ましい。親携帯端末20pの指定は、移動通信システム1又は制御サーバ10の運用者等によって行われてもよい。子携帯端末20cは、複数の携帯端末20のうち親携帯端末20pとして指定されなかった残りの携帯端末20である。尚、親携帯端末20pは「第1の移動端末」の一具体例であり、子携帯端末20cは「第2の移動端末」の一具体例である。
対象エリア200は、親携帯端末20pの移動履歴であって且つ現在時刻T(n)から許容時間βだけ過去の時刻T(n−β)までの間の移動履歴(つまり、時刻T(n−β)から時刻T(n)までの間の移動履歴)に応じて定まるエリアである。より具体的には、例えば、対象エリア200は、時刻T(n−β)から時刻T(n)までの間の親携帯端末20pの移動履歴が示す位置から所定距離αの範囲内に収まるエリアである。言い換えれば、対象エリア200は、各時刻(時刻T(n−β)、時刻T(n−β+1)、・・・、T(n−1)、時刻T(n))の親携帯端末20pの位置を中心とする半径αの円内に収まるエリアである。
但し、対象エリア200は、親携帯端末20pの移動履歴に応じて定まる任意のエリアであれば、必ずしも上述したエリアに限定されることはない。例えば、対象エリア200は、時刻T(n−β)から時刻T(n)までの間の親携帯端末20pの移動履歴が示す位置から所定距離αの範囲内に収まるエリアを包含するエリアであってもよい。或いは、対象エリア200は、時刻T(n−β)から時刻T(n)までの間の親携帯端末20pの移動履歴が示す位置から所定距離αの範囲内に収まるエリアに包含されるエリアであってもよい。
機能制限処理部123は、対象エリア200内に位置しないと判定された子携帯端末20cに対して、所定機能の利用を制限するための制御を行う。その結果、当該制御の対象となった子携帯端末20cは、所定機能の利用が制限される。一方で、機能制限処理部123は、対象エリア200内に位置していると判定された子携帯端末20cに対して、所定機能の利用を制限するための制御を行わなくともよい。その結果、当該制御の対象とならない子携帯端末20cは、所定機能の利用が制限されない(つまり、所定機能の利用が許可される)。所定機能は、携帯端末20が備える任意の機能であればその種類は問わない。所定機能の一例として、通話機能や、メール機能や、WEB閲覧機能や、ICカードのリーダ・ライタ機能や、電話帳機能等があげられる。
パラメータ設定部124は、判定処理部122における判定処理に用いられるパラメータを設定する。パラメータとして、例えば、上述した所定距離α及び許容時間βが用いられる。尚、所定距離α及び許容時間βの具体的な設定方法については後に詳細に説明するため、ここでの説明は省略する(図4参照)。
メモリ13は、制御サーバ10内部で使用する情報を一時的に格納したり、制御サーバ10としての動作を行うためのプログラム(即ち、ファームウェア)を格納したりする。
メモリ13は、その内部に、携帯端末管理テーブル131と、位置情報履歴テーブル132とを格納する。
携帯端末管理テーブル131は、複数の携帯端末20の夫々を管理するためのテーブルである。尚、携帯端末管理テーブル131のデータ構造の詳細については後の詳細に説明するため、ここでの説明は省略する(図5参照)。
位置情報履歴テーブル132は、複数の携帯端末20の夫々から送信される位置情報を管理するためのテーブルである。つまり、位置情報履歴テーブル132は、複数の携帯端末20の夫々の移動履歴を管理するためのテーブルである。尚、位置情報履歴テーブル132のデータ構造の詳細については後の詳細に説明するため、ここでの説明は省略する(図6参照)。
データバス14は、通信インタフェース部11と、CPU12と、メモリ13との間の情報の伝送を行う。従って、通信インタフェース部11は、データバス14を介して、CPU12及びメモリ13の夫々との間で情報の伝送を行う。同様に、CPU12は、データバス14を介して、通信インタフェース部11及びメモリ13の夫々との間で情報の伝送を行う。同様に、メモリ13は、データバス14を介して、通信インタフェース部11及びCPU12の夫々との間で情報の伝送を行う。
(1−3)携帯端末の構成
図3を参照して、第1実施形態の携帯端末20の構成について説明する。図3は、第1実施形態の携帯端末20の構成を示すブロック図である。
図3に示すように、複数の携帯端末20の夫々は、通信インタフェース部21と、CPU22と、メモリ23と、データバス24と、DSP(Digital Signal Processor)25と、GPSインタフェース部26とを備えている。
通信インタフェース部21は、ネットワーク網40を介した制御サーバ10との間の情報の送受信を制御する。具体的には、通信インタフェース部21は、CPU22の制御の下、制御サーバ10に対して送信するべき情報を、ネットワーク網40に対して送信する。また、通信インタフェース部21は、CPU22の制御の下、制御サーバ10からネットワーク網40を介して送信される情報を、ネットワーク網40から受信する。尚、携帯端末20が無線アクセスを用いてネットワーク網40と接続することが好ましいことを考慮すれば、通信インタフェース部21は、アンテナを備えていることが好ましい。
CPU22は、所定のファームウェア等に基づいて動作する制御回路であって、携帯端末20全体の動作を制御する。
CPU22は、その内部に実現される物理的な、論理的な又は機能的な処理ブロックとして、位置計測部221と、「通知部」の一具体例である位置通知部222とを備える。
位置計測部221は、GPS衛星30から送信されるGPS電波をGPSインタフェース部26を介して受信することで、夫々の携帯端末20の現在位置を適宜計測する。
位置通知部222は、位置計測部221が計測した携帯端末20の現在位置を、位置情報として制御サーバ10に送信する。
メモリ23は、携帯端末20内部で使用する情報を一時的に格納したり、携帯端末20としての動作を行うためのプログラム(即ち、ファームウェア)を格納したりする。
データバス24は、通信インタフェース部21と、CPU22と、メモリ23と、DSP25と、GPSインタフェース部26の間の情報の伝送を行う。従って、通信インタフェース部21は、データバス24を介して、CPU22、メモリ23、DSP25及びGPSインタフェース部26の夫々との間で情報の伝送を行う。同様に、CPU22は、データバス24を介して、通信インタフェース部21、メモリ23、DSP25及びGPSインタフェース部26の夫々との間で情報の伝送を行う。同様に、メモリ23は、データバス24を介して、通信インタフェース部21、CPU21、DSP25及びGPSインタフェース部26の夫々との間で情報の伝送を行う。同様に、DSP25は、データバス24を介して、通信インタフェース部21、CPU22、メモリ23及びGPSインタフェース部26の夫々との間で情報の伝送を行う。同様に、GPSインタフェース部26は、データバス24を介して、通信インタフェース部21、CPU22、メモリ23及びDSP25の夫々との間で情報の伝送を行う。
DSP25は、携帯端末20が送受信する情報に対するデータ処理(つまり、通信用のデータ処理)を行う。例えば、DSP25は、携帯端末20が送受信する情報に対して、レイヤ1(物理レイヤ:PHY)に関連する送受信処理を行ってもよい。レイヤ1に関連する送受信処理として、例えば、復調処理や、復号化処理や、符号化処理や、変調処理等がある。例えば、DSP25は、携帯端末20が送受信する情報に対して、レイヤ2(MAC(Medium Access Control:メディアアクセス制御)レイヤ)に関連する送受信処理を行ってもよい。レイヤ2に関連する送受信処理として、例えば、MACやRLC(Radio Link Control:無線リンク制御)やPDCP(Packet Data Convergence Protocol:パケットデータ収束プロトコル)等のサブレイヤのフォーマットに合わせたデータの分離ないしは結合処理や、データの再送制御処理等がある。或いは、DSP25は、携帯端末20が送受信する情報に対して、レイヤ3(RRC(Radio Resource Control))に関連する送受信処理を行ってもよい。或いは、DSP25は、携帯端末20が送受信する情報に対して、更に上位のレイヤに関連する送受信処理を行ってもよい。
GPSインタフェース部26は、GPS衛星30から送信されているGPS電波を受信するインタフェース部である。
(1−4)動作説明
図4を参照して、第1実施形態の移動通信システム1の動作について説明する。図4は、第1実施形態の移動通信システム1の動作の流れを示すフローチャートである。
図4に示すように、制御サーバ10が備えるパラメータ設定部124は、判定処理部122が行う判定処理に用いられるパラメータ(つまり、所定距離α及び許容時間β)を設定する(ステップS101)。
パラメータ設定部124は、親携帯端末20pの移動履歴に応じて定まる対象エリア200が、時間と共に変化し得る「携帯端末20の所定機能の利用が許可される利用場所」をカバーすることができるように、所定距離αを設定してもよい。つまり、パラメータ設定部124は、時間と共に変化し得る「携帯端末20の所定機能の利用が許可される利用場所」及び「親携帯端末20pの移動の程度」等を考慮した上で、上述した条件を満たす所定距離αを設定してもよい。加えて、パラメータ設定部124は、携帯端末20の所定機能の利用が許可される利用場所の大きさ等に応じて、所定距離αを設定してもよい。例えば、パラメータ設定部124は、携帯端末20の所定機能の利用が許可される利用場所が大きいほど、より大きい所定距離αを設定してもよい。或いは、例えば、パラメータ設定部124は、携帯端末20の所定機能の利用が許可される利用場所が小さいほど、より小さい所定距離αを設定してもよい。
パラメータ設定部124は、親携帯端末20pの移動履歴に応じて定まる対象エリア200が、時間と共に変化し得る「携帯端末20の所定機能の利用が許可される利用場所」をカバーすることができるように、許容時間βを設定してもよい。つまり、パラメータ設定部124は、時間と共に変化し得る「携帯端末20の所定機能の利用が許可される利用場所」及び「親携帯端末20pの移動の程度」等を考慮した上で、上述した条件を満たす許容時間βを設定してもよい。加えて、パラメータ設定部124は、携帯端末20の所定機能の利用が許可される利用場所が変化する(言い換えれば、移動する)速度等に応じて、許容時間βを設定してもよい。例えば、パラメータ設定部124は、携帯端末20の所定機能の利用が許可される利用場所が移動する速度が速いほど、より短い許容時間β(例えば、数秒から数分程度)を設定してもよい。或いは、例えば、パラメータ設定部124は、携帯端末20の所定機能の利用が許可される利用場所が移動する速度が遅いほど、より長い許容時間βを設定してもよい。
パラメータ設定部124は、携帯端末20から制御サーバ10に対して位置情報が送信される間隔に応じて、許容時間βを設定してもよい。例えば、親携帯端末20pの移動履歴をある程度確保することが好ましいという観点から見れば、パラメータ設定部124は、複数回の位置情報の送信が行われる程度の期間を有する許容時間βを設定してもよい。具体的には、携帯端末20から制御サーバ10に対して位置情報が送信される間隔がTである場合には、パラメータ設定部124は、T×n(但し、nは2以上の実数)を許容時間βに設定してもよい。
尚、所定距離α及び許容時間βは、移動通信システム1又は制御サーバ10の運用者によって(つまり、運用者の手作業によって)設定されてもよい。
続いて、制御サーバ10が備えるCPU12は、今回の動作の対象となっている利用場所で利用されるN台(但し、Nは2以上の整数)の携帯端末20を選定する(ステップS102)。つまり、CPU12は、制御サーバ10の制御対象となっている複数の携帯端末20のうち、所定機能の利用の許可及び制限を行う対象となっている利用場所で利用されるべきN台の携帯端末20を選定する。例えば、展示会の会場内で携帯端末20の所定機能の利用の許可を行う(つまり、展示会の会場外で携帯端末20の所定機能の利用の制限を行う)場合には、CPU12は、当該展示会の会場で利用されるべきN台の携帯端末20を選定する。尚、制御サーバ10の制御対象となっている複数の携帯端末20の全てが所定機能の利用の許可及び制限を行う対象となっている利用場所で利用される携帯端末20であると規定されている場合には、CPU12は、ステップS102の動作を行わなくともよい。
その後、CPU12は、選定したN台の携帯端末20の識別情報(例えば、端末ID等)を、携帯端末管理テーブル131に登録する(ステップS102)。このとき、CPU12は、選定したN台の携帯端末20の識別情報を、これらN台の携帯端末20が利用される利用場所(つまり、所定機能の利用の許可及び制限を行う利用場所)を識別する識別情報(例えば、緯度及び経度や場所ID等)と対応付けながら、携帯端末管理テーブル131に登録してもよい。
尚、以下では、説明の簡略化のため、選定されたN台の携帯端末20の夫々を、適宜“携帯端末20#i(但し、iは1以上且つN以下の整数)”と称して説明を進める。また、符号「i」は、選定されたN台の携帯端末20の識別情報(端末ID)を示すものとする。
図5を参照して、携帯端末管理テーブル131について説明する。図5は、携帯端末管理テーブル131のデータ構造を示すテーブル図である。
図5に示すように、携帯端末管理テーブル131は、選定されたN台の携帯端末20#iの端末IDとこれらN台の携帯端末20が利用される利用場所の場所IDとが対応付けられたテーブルを含んでいる。図5の左側には、場所IDが「利用場所#1」となる利用場所(例えば、産業技術展示会が行われる展示ホール)を対象として、端末IDが「#1」から「#6」となる6台の携帯端末20#1から20#6が選定されたときに登録されるテーブルが示されている。また、図5の右側には、場所IDが「利用場所#2」となる利用場所(例えば、コンサートが行われるコンサートホール)を対象として、端末IDが「#7」から「#9」となる3台の携帯端末20#7から20#9が選定されたときに登録されるテーブルが示されている。
再び図4において、一方で、ステップS102で選定された携帯端末20#iが備える位置計測部221は、GPS衛星30から送信されるGPS電波に基づいて、夫々の携帯端末20#iの現在位置を適宜計測する(ステップS121)。
続いて、ステップS102で選定された携帯端末20#iが備える位置通知部222は、ステップS121で計測された携帯端末20#iの現在位置を、位置情報として制御サーバ10に送信する(ステップS122)。このとき、位置通知部222は、ステップS121で計測された携帯端末20#iの現在位置と携帯端末20#iの端末IDとを対応付けた形式の位置情報を送信してもよい。
尚、位置計測部221による現在位置の計測は、所定の時間間隔で行われてもよい。例えば、受信したGPS電波に基づいて現在位置を計測するためには、数十秒から数分程度の時間がかかる。或いは、例えば、受信したGPS電波に加えて携帯端末20の無線基地局からの距離を補足情報として利用することで現在位置を計測するためには、数秒から十数秒程度の時間がかかる。従って、位置計測部221による現在位置の計測は、現在位置の1回の計測に要する時間又はそれ以上の間隔をおいて周期的に又は非周期的に行われてもよい。
同様に、位置通知部222による位置情報の送信は、所定の時間間隔で行われてもよい。例えば、位置計測部221による現在位置の計測と同様に、位置通知部222による位置情報の送信は、現在位置の1回の計測に要する時間又はそれ以上の間隔をおいて周期的に又は非周期的に行われてもよい。
或いは、位置計測部221による現在位置の計測又は位置通知部222による位置情報の送信は、携帯端末20の所定機能の利用が許可される利用場所が移動する速度等に応じた間隔で行われてもよい。例えば、位置計測部221による現在位置の計測又は位置通知部222による位置情報の送信は、携帯端末20の所定機能の利用が許可される利用場所が移動する速度が速いほど、より短い間隔で周期的に又は非周期的に行われてもよい。或いは、例えば、位置計測部221による現在位置の計測又は位置通知部222による位置情報の送信は、携帯端末20の所定機能の利用が許可される利用場所が移動する速度が遅いほど、より長い間隔で周期的に又は非周期的に行われてもよい。
その結果、制御サーバ10が備える位置取得部121は、携帯端末20#iの位置情報を取得する(ステップS103)。尚、位置取得部121が携帯端末20#iの位置情報を取得した時刻を、時刻T(n)とする。
その後、制御サーバ10が備える位置取得部121は、携帯端末管理テーブル131を参照することで、ステップS103で取得した位置情報の送信元の携帯端末20#iを特定する(ステップS104)。つまり、位置取得部121は、ステップS103で取得した位置情報と携帯端末管理テーブル131とを参照することで、携帯端末20#iを特定する。
その後、制御サーバ10が備える位置取得部121は、ステップS103で取得した位置情報を、携帯端末20#iの位置情報として、位置情報履歴テーブル132に登録する(ステップS105)。尚、以降、説明の簡略化のため、時刻T(n)に取得された携帯端末20#iの位置情報を、(Xi(n)、Yi(n)、Zi(n))と表記する。
図6を参照して、位置情報履歴テーブル132について説明する。図6は、位置情報履歴テーブル132のデータ構造を示すテーブル図である。
図6に示すように、位置情報履歴テーブル132は、位置情報を取得した時刻毎且つ携帯端末20毎に、位置情報を管理している。図6には、時刻T(1)から時刻T(n)の間に取得した携帯端末20#i(但し、図6の例では、iは、1以上且つ6以下の整数)の位置情報((Xi(1)、Yi(1)、Zi(1))から(Xi(n)、Yi(n)、Zi(n)))を含む位置情報履歴テーブル132が示されている。
再び図4において、制御サーバ10が備える判定処理部122は、ステップS103で取得した位置情報の送信元の携帯端末20#iが親携帯端末20pであるか否かを判定する(ステップS106)。尚、第1実施形態では、親携帯端末20pは予め指定されている。従って、判定処理部122は、ステップS103で取得した位置情報の送信元の携帯端末20#iが、親携帯端末20pであると予め指定された携帯端末20と一致するか否かを判定する。
ステップS106における判定の結果、ステップS103で取得した位置情報の送信元の携帯端末20#iが親携帯端末20pであると判定された場合には(ステップS106:Yes)、制御サーバ10は動作を終了する。或いは、制御サーバ10は、ステップS103へ戻り、携帯端末20#iからの位置情報の送信に備えて待機してもよい。
他方で、ステップS106における判定の結果、ステップS103で取得した位置情報の送信元の携帯端末20#iが親携帯端末20pでないと判定された場合には(ステップS106:No)、携帯端末20#iが子携帯端末20cであるとみなすことができる。この場合、制御サーバ10が備える判定処理部122は、子携帯端末20cである携帯端末20#iが対象エリア200内に位置するか否かを判定する。
具体的には、判定処理部122は、時刻T(n)における携帯端末20#iと、時刻T(n)から時刻T(n−β)の夫々における親携帯端末20pとの間の距離を算出する(ステップS107)。つまり、判定処理部122は、時刻T(n)における携帯端末20#iと時刻T(n)における親携帯端末20pとの間の距離、時刻T(n)における携帯端末20#iと時刻T(n−1)における親携帯端末20pとの間の距離、・・・、時刻T(n)における携帯端末20#iと時刻T(n−β+1)における親携帯端末20pとの間の距離、時刻T(n)における携帯端末20#iと時刻T(n−β)における親携帯端末20pとの間の距離を算出する。
その後、判定処理部122は、ステップS107で算出した複数の距離の最小値を特定する(ステップS108)。
その後、判定処理部122は、ステップS108で特定した距離の最小値がステップS101で設定した所定距離αよりも大きいか否かを判定する(ステップS109)。尚、ステップS108で特定した距離の最小値がステップS101で設定した所定距離αよりも大きいと判定される場合には、携帯端末20#iは対象エリア200内に位置していないと考えられる。一方で、ステップS108で特定した距離の最小値がステップS101で設定した所定距離αよりも大きくないと判定される場合には、携帯端末20#iは対象エリア200内に位置していると考えられる。
尚、ステップS107からステップS109の動作は、子携帯端末20cである携帯端末20#iが対象エリア200内に位置するか否かを判定するための動作の一例である。従って、判定処理部122は、ステップS107からステップS109の動作以外の動作で、子携帯端末20cである携帯端末20#iが対象エリア200内に位置するか否かを判定してもよい。
ステップS109における判定の結果、ステップS108で特定した距離の最小値がステップS101で設定した所定距離αよりも大きいと判定される場合には(ステップS109:Yes)、判定処理部122は、子携帯端末20cである携帯端末20#iは対象エリア200内に位置していないと判定する(ステップS110)。従って、機能制限処理部123は、対象エリア200内に位置しないと判定された携帯端末20#iに対して、所定機能の利用を制限する(つまり、ロックする)ための制御を行う。具体的には、機能制限処理部123は、携帯端末20#iに対して、所定機能の利用を制限する(つまり、ロックする)コマンドを送信する(ステップS111)。その結果、当該コマンドを受信した携帯端末20#iは、所定機能の利用がロックされる(ステップS123)。
他方で、ステップS109における判定の結果、ステップS108で特定した距離の最小値がステップS101で設定した所定距離αよりも大きくないと判定される場合には(ステップS109:No)、判定処理部122は、子携帯端末20cである携帯端末20#iは対象エリア200内に位置していると判定する(ステップS112)。従って、機能制限処理部123は、対象エリア200内に位置しないと判定された携帯端末20#iに対して、所定機能の利用を制限する(つまり、ロックする)ための制御を行わない。その結果、携帯端末20#iは、所定機能を利用することができる。
尚、ステップS109における判定の結果、ステップS108で特定した距離の最小値がステップS101で設定した所定距離αよりも大きくないと判定された時点で携帯端末20#iの所定の機能の利用がロックされていた場合には、機能制限処理部123は、当該ロックを解除するコマンドを送信してもよい(ステップS113)。但し、機能制限処理部123は、当該ロックを解除するコマンドを送信しなくともよい。
以上説明した移動通信システム1における動作を、親携帯端末20pと子携帯端末20cとの位置関係の例を示す図7を参照しながら説明する。図7は、親携帯端末20pと子携帯端末20cとの位置関係の例を示す説明図である。
図7に示すように、時刻T(n−β)から時刻T(n)までの間に、親携帯端末20pが太い矢印で示すように移動した場合を想定する。この場合、時刻T(n−β)から時刻T(n)の夫々の時刻における親携帯端末20pから所定距離αの範囲内に収まるエリアは、図7中一点鎖線にて示される。このエリアが、対象エリア200の一例となる。尚、図7では、図面の簡略化のために、時刻T(n−β)における親携帯端末20pを中心とする半径αの円、時刻T(n−β+1)における親携帯端末20pを中心とする半径αの円、時刻T(n−1)における親携帯端末20pを中心とする半径αの円、時刻T(n)における親携帯端末20pを中心とする半径αの円のみを、点線又は一点鎖線を用いて選択的に示している。
このような状況下で、時刻T(n)の時点で、4つの子携帯端末20c#1から20#4が図7に示す位置に存在していたとする。
時刻T(n)から時刻T(n−β)の夫々における親携帯端末20pのうち時刻T(n)における子携帯端末20c#1との間の距離が最小となるのは、時刻T(n−β)における親携帯端末20pである。この場合、時刻T(n)における子携帯端末20c#1と時刻T(n−β)における親携帯端末20pとの間の距離が所定距離αよりも大きくない(言い換えれば、子携帯端末20c#1が対象エリア200に含まれる)。このため、子携帯端末20c#1は所定機能の利用が制限されることはない。
時刻T(n)から時刻T(n−β)の夫々における親携帯端末20pのうち時刻T(n)における子携帯端末20c#2との間の距離が最小となるのは、時刻T(n−k(但し、kは、1以上且つβ未満の整数))における親携帯端末20pである。この場合、時刻T(n)における子携帯端末20c#2と時刻T(n−k)における親携帯端末20pとの間の距離が所定距離αよりも大きくない(言い換えれば、子携帯端末20c#2が対象エリア200に含まれる)。このため、子携帯端末20c#2は所定機能の利用が制限されることはない。
時刻T(n)から時刻T(n−β)の夫々における親携帯端末20pのうち時刻T(n)における子携帯端末20c#3との間の距離が最小となるのは、時刻T(n)における親携帯端末20pである。この場合、時刻T(n)における子携帯端末20c#3と時刻T(n)における親携帯端末20pとの間の距離が所定距離αよりも大きくない(言い換えれば、子携帯端末20c#3が対象エリア200に含まれる)。このため、子携帯端末20c#3は所定機能の利用が制限されることはない。
時刻T(n)から時刻T(n−β)の夫々における親携帯端末20pのうち時刻T(n)における子携帯端末20c#4との間の距離が最小となるのは、時刻T(n)における親携帯端末20pである。この場合、時刻T(n)における子携帯端末20c#4と時刻T(n)における親携帯端末20pとの間の距離が所定距離αよりも大きい(言い換えれば、子携帯端末20c#4が対象エリア200に含まれない)。このため、子携帯端末20c#4は所定機能の利用が制限される。
以上説明したように、第1実施形態によれば、適宜移動する親携帯端末20pの移動履歴に応じて、子携帯端末20cの所定機能の利用を制限するか否かが判定される。従って、携帯端末20の所定機能の利用を許可する利用場所(例えば、展示会や屋外イベント等が行われる会場)が適宜移動する場合にも、当該利用場所に位置しない携帯端末20による所定機能の利用を好適に制限することができる。
第1実施形態では、親携帯端末20pの現在位置のみならず移動履歴(つまり、現在及び過去の位置の双方)を踏まえて、子携帯端末20cの所定機能を制限するか否かが判定される。従って、親携帯端末20pが移動する範囲と携帯端末20の所定機能の利用を許可する利用場所とを対応付ければ、携帯端末20の所定機能の利用を許可する利用場所が適宜移動する場合にも、当該利用場所と子携帯端末20cの位置との比較(つまり、対象エリア200と子携帯端末20cの位置との比較)を適切に行うことができる。従って、当該利用場所に位置しない携帯端末20の所定機能の利用を好適に制限することができる。
尚、展示会や屋外イベント等では、親携帯端末20pをスタッフ又は運営者等に持たせておくことで、親携帯端末20pが移動する範囲と携帯端末20の所定機能の利用を許可する利用場所とを対応付けを比較的容易に行うことができる。従って、上述した各種効果を好適に享受することができる。もちろん、展示会や屋外イベント等に限らず、所定機能の利用を許可する利用場所に関連する者(例えば、スタッフや運営者やオペレータや運用者等)に親携帯端末20pを持たせることで同様の効果を享受することができる。
第1実施形態によれば、許容時間βを適切に設定することができる。例えば、所定機能の利用を許可する利用場所の移動速度が相対的に速い場合に相対的に短い許容時間βを設定することができる。このため、相対的に速く移動する利用場所に適切に対応するように対象エリア200を追従させることができる。他方、所定機能の利用を許可する利用場所の移動速度が相対的に遅い場合に相対的に長い許容時間βを設定することができる。このため、相対的に遅く移動する利用場所に適切に対応するように対象エリア200を追従させることができる。
第1実施形態によれば、位置計測部221による現在位置の計測又は位置通知部222による位置情報の送信が行われる間隔を適切に設定することができる。例えば、所定機能の利用が許可される利用場所の移動速度が相対的に速い場合に相対的に短い間隔で上述した計測又は送信を行うことができる。従って、相対的に速く移動する利用場所に適切に対応するように、位置情報(具体的には、位置情報履歴テーブル132に格納される位置情報)を適切に更新することができる。他方、所定機能の利用が許可される利用場所の移動速度が相対的に遅い場合に相対的に長い間隔で上述した計測又は送信を行うことができる。従って、現在位置の計測又は位置情報の送信頻度を減らすことができるため、携帯端末20の処理負荷を低減することができる。
尚、図4に示すフローチャートでは、携帯端末20#iから位置情報の取得を受けたことをトリガとして、制御サーバ10による子携帯端末20cの位置の判定及び所定機能の制限等を含む動作(つまり、ステップS104からステップS113の動作)が行われている。しかしながら、携帯端末20#iが所定機能を利用したことをトリガとして、制御サーバ10による子携帯端末20cの位置の判定及び所定機能の制限等を含む動作(つまり、ステップS104からステップS113の動作)が行われてもよい。この場合には、携帯端末20#iは、所定機能を利用したこと又は所定機能の利用結果を示す情報等を、制御サーバ10に対して送信することが好ましい。また、所定機能を利用した携帯端末20#iが対象エリア200内に位置しないと判定された場合には、携帯端末20#iが利用した所定機能の利用結果が過去にさかのぼって不正な結果として扱われてもよい。言い換えれば、所定機能の利用がなかったものとして扱われてもよい。
(1−5)変形動作
図8を参照して、第1実施形態の移動通信システム1の変形動作について説明する。図8は、第1実施形態の移動通信システム1の変形動作の流れを示すフローチャートである。尚、上述した動作と同一の動作については、同一のステップ番号を付してその詳細な説明については省略する。
図8に示すように、変形動作でも、図4に示す動作と同様に、ステップS101からステップS109及びステップS121からステップS122の動作が行われる。
変形動作では、ステップS109における判定の結果、ステップS108で特定した距離の最小値がステップS101で設定した所定距離αよりも大きいと判定される場合には(ステップS109:Yes)、判定処理部122は、更に、ステップS108で特定した距離の最小値がステップS101で設定した所定距離αよりも大きいと判定された回数が所定閾値以上であるか否かを判定する(ステップS131)。ステップS131の動作を行うために、制御サーバ10は、携帯端末20#iの夫々毎に、ステップS108で特定した距離の最小値がステップS101で設定した所定距離αよりも大きいと判定された回数を記憶しておくことが好ましい。
ステップS131における判定の結果、ステップS108で特定した距離の最小値がステップS101で設定した所定距離αよりも大きいと判定された回数が所定閾値以上でないと判定される場合には(ステップS131:No)、制御サーバ10は、ステップS103以降の動作を繰り返す。
他方で、ステップS131における判定の結果、ステップS108で特定した距離の最小値がステップS101で設定した所定距離αよりも大きいと判定された回数が所定閾値以上であると判定される場合には(ステップS131:Yes)、判定処理部122は、子携帯端末20cである携帯端末20#iは対象エリア200内に位置していないと判定する(ステップS110)。従って、機能制限処理部123は、携帯端末20#iに対して、所定機能の利用を制限する(つまり、ロックする)コマンドを送信する(ステップS111)。その結果、当該コマンドを受信した携帯端末20#iは、所定機能の利用がロックされる(ステップS123)。
他方で、ステップS109における判定の結果、ステップS108で特定した距離の最小値がステップS101で設定した所定距離αよりも大きくないと判定される場合には(ステップS109:No)、判定処理部122は、制御サーバ10が記憶している「ステップS108で特定した距離の最小値がステップS101で設定した所定距離αよりも大きいと判定された回数」を「0」にリセットする(ステップS132)。また、この場合には、判定処理部122は、子携帯端末20cである携帯端末20#iは対象エリア200内に位置していると判定する(ステップS112)。従って、機能制限処理部123は、対象エリア200内に位置しないと判定された携帯端末20#iに対して、所定機能の利用を制限する(つまり、ロックする)ための制御を行わない。その結果、携帯端末20#iは、所定機能を利用することができる。
以上説明したように、変形動作によれば、上述した各種効果を好適に享受することができる。
加えて、変形動作では、ステップS108で特定した距離の最小値がステップS101で設定した所定距離αよりも大きいと連続して判定された場合に、携帯端末20#iの所定機能の利用がロックされる。従って、ステップS108で特定した距離の最小値がステップS101で設定した所定距離αよりも大きいとたまたま1回判定されてしまった又は意図せず判定されてしまった場合に、携帯端末20#iの所定機能の利用がロックされることがなくなる。
(2)第2実施形態
図9から図13を参照して、第2実施形態の移動通信システムについて説明を進める。第2実施形態の移動通信システム2は、第1実施形態の移動通信システム1と比較して、制御サーバ10の構成及び動作が異なっている。従って、以下では、説明の簡略化のために、第1実施形態と異なる構成及び動作に着目して説明を進めると共に、第1実施形態の移動通信システム1と同一の構成及び動作については、同一の参照符号を付してその詳細な説明については省略する。
(2−1)制御サーバ
図9を参照して、第2実施形態の制御サーバ10_2の構成について説明する。図9は、第2実施形態の制御サーバ10_2の構成を示すブロック図である。
図9に示すように、制御サーバ10_2は、通信インタフェース部11と、CPU12_2と、メモリ13_2と、データバス14とを備えている。
CPU12_2は、所定のファームウェア等に基づいて動作する制御回路であって、制御サーバ10_2全体の動作を制御する。CPU12_2は、その内部に実現される物理的な、論理的な又は機能的な処理ブロックとして、第1実施形態のCPU12と同様に、位置取得部121と、判定処理部122と、機能制限処理部123と、パラメータ設定部124とを備える。第2実施形態のCPU12_2は更に、「指定部」の一具体例である親携帯指定部125_2を備えている。
親携帯指定部125_2は、複数の携帯端末20の中から一つの親携帯端末20pを指定する。つまり、第2実施形態は、制御サーバ10_2が親携帯端末20pを自律的に指定するという点で、親携帯端末20pが予め指定されている第1実施形態とは異なっている。
メモリ13_2は、制御サーバ10_2内部で使用する情報を一時的に格納したり、制御サーバ10_2としての動作を行うためのプログラム(即ち、ファームウェア)を格納したりする。メモリ13_2は、第1実施形態のメモリ13と同様に、その内部に、携帯端末管理テーブル131と、位置情報履歴テーブル132とを格納する。第2実施形態のメモリ13_2は更に、親携帯定義テーブル133_2を備えている。
親携帯定義テーブル133_2は、親携帯端末20pを選択するための各種情報を管理するためのテーブルである。尚、親携帯定義テーブル133_2のデータ構造の詳細については後の詳細に説明するため、ここでの説明は省略する(図12参照)。
(2−2)動作説明
図10を参照して、第2実施形態の移動通信システム2の動作について説明する。図10は、第2実施形態の移動通信システム2の動作の流れを示すフローチャートである。
図10に示すように、第2実施形態では、第1実施形態と同様に、ステップS101からステップS113及びステップS121からステップS123の動作が行われる。第2実施形態では更に、ステップS106の判定動作が行われる前に(言い換えれば、ステップS105の動作の後に)、親携帯指定部125_2の動作により、ステップS102で選定されたN台の携帯端末20#iの中から1台の親携帯端末20pを指定する動作が行われる。親携帯端末20pの指定が行われる前の動作及び行われた後の動作は、第1実施形態の動作と同一である。
以下、親携帯指定部125_2による親携帯端末20pを指定する動作について、図11を参照して説明を進める。図11は、第2実施形態の移動通信システム2の動作のうち親携帯端末20pを指定する動作の流れを示すフローチャートである。
図11に示すように、親携帯指定部125_2は、時刻T(n)における携帯端末20#iと、時刻T(n)におけるその他の携帯端末20(つまり、ステップS102で選定されたN台の携帯端末20のうち携帯端末20#iを除くその他の携帯端末20)との間の距離を算出する(ステップS201)。親携帯指定部125_2は、位置情報履歴テーブル132を参照することで、時刻T(n)における携帯端末20#iとその他の携帯端末20との間の距離を算出する。
続いて、親携帯指定部125_2は、ステップS201で算出した距離が所定距離αよりも大きいか否かを判定する(ステップS202)。
ステップS202における判定の結果、ステップS201で算出した距離が所定距離αよりも大きくないと判定される場合には(ステップS202:No)、親携帯指定部125_2は、時刻T(n)における携帯端末20#iとの間の距離が所定距離α以下となる携帯端末の数にカウントして、親携帯定義テーブル133_2に登録する(ステップS203)。
図12を参照して、親携帯定義テーブル133_2について説明する。図12は、親携帯定義テーブル133_2のデータ構造を示すテーブル図である。
図12に示すように、親携帯定義テーブル133_2は、時刻毎に、ある携帯端末20との間の距離が所定距離α以下となる携帯端末の数を登録している。例えば、図12に示す例では、親携帯定義テーブル133_2は、時刻T(1)において、携帯端末20#1との間の距離が所定距離α以下となる携帯端末の数が「3」であり、時刻T(2)において、携帯端末20#1との間の距離が所定距離α以下となる携帯端末の数が「3」であり、時刻T(n−β)において、携帯端末20#1との間の距離が所定距離α以下となる携帯端末の数が「4」であり、時刻T(n−β+1)において、携帯端末20#1との間の距離が所定距離α以下となる携帯端末の数が「3」であり、時刻T(n−2)において、携帯端末20#1との間の距離が所定距離α以下となる携帯端末の数が「1」であり、時刻T(n−1)において、携帯端末20#1との間の距離が所定距離α以下となる携帯端末の数が「3」であり、時刻T(n)において、携帯端末20#1との間の距離が所定距離α以下となる携帯端末の数が「3」であることを示している。親携帯定義テーブル133_2は、その他の携帯端末20#2から携帯端末20#6についても同様の態様で、携帯端末20#2から携帯端末20#6の夫々との間の距離が所定距離α以下となる他の携帯端末20の数を時刻毎に示している。
再び図11において、ステップS202における判定の結果、ステップS201で算出した距離が所定距離αよりも大きいと判定される場合には(ステップS202:Yes)、親携帯指定部125_2は、ステップS203の動作を行わなくともよい。
その後、親携帯指定部125_2は、携帯端末20#i以外のその他の携帯端末20(つまり、ステップS102で選定されたN台の携帯端末20のうち携帯端末20#iを除くその他の携帯端末20)の全てとの間の距離を算出したか否かを判定する(ステップS204)。
ステップS204における判定の結果、携帯端末20#i以外のその他の携帯端末20の全てとの間の距離を算出していないと判定される場合には(ステップS204:No)、親携帯指定部125_2は、距離を算出していないその他の携帯端末20を対象として、ステップS201以降の動作を繰り返す。その結果、図12に示す親携帯定義テーブル133_2が生成される。
他方で、ステップS204における判定の結果、携帯端末20#i以外のその他の携帯端末20の全てとの間の距離を算出していると判定される場合には(ステップS204:Yes)、親携帯指定部125_2は、携帯端末20#i以外のその他の携帯端末20と比較して、時刻T(n)における携帯端末20#iとの間の距離が所定距離α以下となる携帯端末20の数が最大となるか否かを判定する(ステップS205)。つまり、親携帯指定部125_2は、時刻T(n)における携帯端末20#iとの間の距離が所定距離α以下となる携帯端末20の数が、時刻T(n)における携帯端末20#i以外のその他の携帯端末20との間の距離が所定距離α以下となる携帯端末20の数よりも大きいか否かを判定する。
ステップS205における判定の結果、時刻T(n)における携帯端末20#iとの間の距離が所定距離α以下となる携帯端末20の数が最大となると判定される場合には(ステップS205:Yes)、親携帯指定部125_2は、携帯端末20#iを時刻T(n)における親携帯端末20pに指定する(ステップS206)。
他方で、ステップS205における判定の結果、時刻T(n)における携帯端末20#iとの間の距離が所定距離α以下となる携帯端末20の数が最大とならないと判定される場合には(ステップS205:No)、親携帯指定部125_2は、携帯端末20#iを時刻T(n)における子携帯端末20cに指定する(ステップS207)。この場合、携帯端末20#i以外のその他の携帯端末20を対象としてステップS201からステップS207の動作が行われることで、携帯端末20#i以外のその他の携帯端末20のうちのいずれかが親携帯端末20pとして指定される。
具体的に、図12に示す親携帯定義テーブル133_2を対象として、親携帯端末20pを指定する動作について説明する。尚、図12に示す親携帯定義テーブル133_2の時刻T(n)におけるレコードは、N台(但し、図12及び図13では、N=6)の携帯端末20#1から20#6が図13に示す位置関係を有している場合のレコードに相当する。
図12及び図13に示すように、時刻T(n)では、携帯端末20#1との間の距離が所定距離α以下となる携帯端末20の数は、「3」である。同様に、時刻T(n)では、携帯端末20#2との間の距離が所定距離α以下となる携帯端末20の数は、「0」である。同様に、時刻T(n)では、携帯端末20#3との間の距離が所定距離α以下となる携帯端末20の数は、「3」である。時刻T(n)では、携帯端末20#4との間の距離が所定距離α以下となる携帯端末20の数は、「4」である。時刻T(n)では、携帯端末20#5との間の距離が所定距離α以下となる携帯端末20の数は、「2」である。時刻T(n)では、携帯端末20#6との間の距離が所定距離α以下となる携帯端末20の数は、「2」である。
この場合、時刻T(n)においては、携帯端末#4が親携帯端末20pとして指定される。尚、指定された親携帯端末20pを特定することができるように、親携帯定義テーブル133_2は、各時刻の親携帯端末20pの識別情報を登録することが好ましい。
尚、上述した説明では、自身との間の距離が所定距離α以下となる携帯端末20の数が最大となる携帯端末20#iが親携帯端末20pとして指定されている。しかしながら、その他の条件を満たす一つの携帯端末20が親携帯端末20pとして指定されてもよい。
以上説明した動作により、各時刻の親携帯端末20pが指定される。従って、判定処理部122は、ステップS200の動作で指定された親携帯端末20pを用いて(つまり、親携帯定義テーブル133_2を参照して)、時刻T(n)における携帯端末20#iと、時刻T(n)から時刻T(n−β)の夫々における親携帯端末20pとの間の距離を算出する(ステップS107)。例えば、図12に示す親携帯定義テーブル133_2を例にあげると、判定処理部122は、時刻T(n)における携帯端末20#iと時刻T(n)における親携帯端末20p(携帯端末20#4)との間の距離、時刻T(n)における携帯端末20#iと時刻T(n−1)における親携帯端末20p(携帯端末20#4)との間の距離、時刻T(n)における携帯端末20#iと時刻T(n−2)における親携帯端末20p(携帯端末20#3)との間の距離、時刻T(n)における携帯端末20#iと時刻T(n−β+1)における親携帯端末20p(携帯端末20#3及び携帯端末20#4)との間の距離、及び時刻T(n)における携帯端末20#iと時刻T(n−β)における親携帯端末20p(携帯端末20#4)との間の距離を算出する。
以上説明したように、第2実施形態によれば、上述した第1実施形態が享受する各種効果と同様の効果を好適に享受することができる。
加えて、第2実施形態によれば、親携帯端末20pを適宜切り替えることができる。従って、複数の携帯端末20における親子関係を適宜変更することができる。このため、親携帯端末20pを保有している者の意図せぬ又は悪意のある行動によって、対象エリア200が意図せぬエリアに及んでしまう状況の発生を防止することができる。つまり、意図せぬ行動を行った親携帯端末20pが現れた場合には、他の携帯端末20を親携帯端末20pに指定できるため、対象エリア200が意図せぬエリアに及んでしまう状況の発生を防止することができる。
尚、第2実施形態においても、第1実施形態で説明した各種変更ないしは変形動作を適用してもよいことは言うまでもない。
以上説明した実施形態に関して、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
複数の移動端末と、
前記複数の移動端末を制御する制御装置と
を備える移動通信システムであって、
前記制御装置は、
前記複数の移動端末のうちの第1の移動端末の所定期間中の移動履歴に応じて定まる対象エリア内に、前記複数の移動端末のうちの前記第1の移動端末とは異なる第2の移動端末が位置するか否かを判定する判定部と、
前記対象エリアに前記第2の移動端末が位置していないと判定される場合に、前記第2の移動端末の所定機能の利用を制限するように前記第2の移動端末を制御する制限部と
を備えることを特徴とする移動通信システム。
(付記2)
前記制御装置は、前記複数の移動端末の夫々を、前記第1の移動端末又は前記第2の移動端末として指定する指定部を更に備え、
前記指定部は、前記複数の移動端末のうち、夫々の移動端末の前記対象エリア内に位置する他の移動端末の数が最も多くなる移動端末を、前記第1の移動端末として指定し、
前記指定部は、前記複数の移動端末のうち前記第1の移動端末として指定された移動端末以外の移動端末を、前記第2の移動端末として指定することを特徴とする付記1に記載の移動通信システム。
(付記3)
前記所定機能の利用が許可されている利用場所が移動する場合、前記所定期間は、当該利用場所の移動速度に応じて決定されることを特徴とする付記1又は2に記載の移動通信システム。
(付記4)
前記所定期間は、前記移動速度が速くなるほど短くなるように決定され、前記移動速度が遅くなるほど長くなるように決定されることを特徴とする付記3に記載の移動通信システム
(付記5)
前記制限部は、前記対象エリアに前記第2の移動端末が位置していないと判定される回数が所定の閾値を超える場合に、前記第2の移動端末の前記所定機能の利用を制限するように前記第2の移動端末を制御することを特徴とする付記1から4のいずれか一項に記載の移動通信システム。
(付記6)
前記複数の移動端末の夫々は、夫々の移動端末の位置を前記制御装置に対して通知する通知部を備え、
前記判定部は、前記通知部によって通知される前記移動端末の位置に基づいて、前記対象エリア内に前記第2の移動端末が位置するか否かを判定することを特徴とする付記1から5のいずれか一項に記載の移動通信システム。
(付記7)
前記所定機能の利用が許可されている利用場所が移動する場合、前記通知部は、当該利用場所の移動速度に応じて定まる間隔で、夫々の移動端末の位置を前記制御装置に対して通知することを特徴とする付記6に記載の移動通信システム。
(付記8)
前記通知部は、前記移動速度が速くなるほど短い間隔で且つ前記移動速度が遅くなるほど長い間隔で、夫々の移動端末の位置を前記制御装置に対して通知することを特徴とする付記7に記載の移動通信システム。
(付記9)
前記判定部は、前記通知部からの通知をトリガとして、前記対象エリア内に前記第2の移動端末が位置するか否かを判定することを特徴とする付記6から8のいずれか一項に記載の移動通信システム。
(付記10)
前記判定部は、前記所定機能の利用をトリガとして、前記対象エリア内に前記第2の移動端末が位置するか否かを判定することを特徴とする付記1から9のいずれか一項に記載の移動通信システム。
(付記11)
前記対象エリアは、(i)前記移動履歴が示す位置から所定距離以内にある範囲を包含するエリア若しくは(ii)前記移動履歴が示す位置から所定距離以内にある範囲に包含されるエリア又は(iii)前記移動履歴が示す位置から所定距離以内にある範囲と一致するエリアであることを特徴とする付記1から10のいずれか一項に記載の移動通信システム。
(付記12)
前記判定部は、現在時刻を終了時刻とする前記所定期間中の前記第1の移動端末の前記移動履歴に応じて定まる前記対象エリア内に、前記第2の移動端末が位置するか否かを判定することを特徴とする付記1から11のいずれか一項に記載の移動通信システム。
(付記13)
前記制限部は、前記対象エリア内に前記第2の移動端末が位置していないと判定された後に前記対象エリアに前記第2の移動端末が位置することになったと判定された場合に、前記第2の移動端末の前記所定機能の利用の制限を解除するように前記第2の移動端末を制御することを特徴とする付記1から12のいずれか一項に記載の移動通信システム。
(付記14)
複数の移動端末のうちの第1の移動端末の所定期間中の移動履歴に応じて定まる対象エリア内に、前記複数の移動端末のうちの前記第1の移動端末とは異なる第2の移動端末が位置するか否かを判定する判定部と、
前記対象エリアに前記第2の移動端末が位置していないと判定される場合に、前記第2の移動端末の所定機能の利用を制限するように前記第2の移動端末を制御する制限部と
を備えることを特徴とする制御装置。
(付記15)
複数の移動端末のうちの第1の移動端末の所定期間中の移動履歴に応じて定まる対象エリア内に、前記複数の移動端末のうちの前記第1の移動端末とは異なる第2の移動端末が位置するか否かが判定され、
前記対象エリアに前記第2の移動端末が位置していないと判定される場合に、前記第2の移動端末の所定機能の利用が制限されるように前記第2の移動端末が制御されることを特徴とする制御方法。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う移動通信システム、制御装置及び制御方法もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。