JP5525988B2 - 内視鏡 - Google Patents
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前記挿入部の先端側の一部を構成し、互いに回動可能に連結された複数の節輪を有して前記操作部の操作により湾曲可能な湾曲部と、
前記複数の節輪の内側を通って前記挿入部に内包された処置具挿通用チューブとを備え、
前記節輪は、前記湾曲部が湾曲した際に該湾曲部における前記挿入部の内部空間を保持する内部空間保持部と、前記内部空間保持部の先端に設けられ、隣合う他の節輪と第1の回動軸を中心に回動自在に連結される先端側連結部と、前記内部空間保持部の基端に設けられ、隣合う他の節輪と前記第1の回動軸を中心に回動自在に連結される基端側連結部とを有し、
前記複数の節輪に架け渡された長尺部材が牽引される前記操作部による湾曲操作によって一方向に曲げられる際の前記各節輪における湾曲外周側の部分に、前記処置具挿通用チューブが固定されている内視鏡。
(2) 先端と基端と長手軸とを有し体内に挿入可能な挿入部と、
前記挿入部の先端側の一部を構成し、前記挿入部の長手軸と交差する方向に互いに回動可能に連結された複数の節輪を有する湾曲可能な湾曲部と、
前記挿入部の基端側に設けられ、相反二方向のうち一方向にのみ前記湾曲部を湾曲させる操作部と、
前記操作部の操作を前記湾曲部に伝達可能な長尺部材と、
前記複数の節輪の内側を通って前記挿入部に内包された処置具挿通用チューブと、を備え、
前記挿入部の長手軸と直交する平面上の湾曲部断面を、該湾曲部断面の中心を通り且つ前記相反二方向に直交する直線により第1の領域と第2の領域とに区分けした場合に、前記操作部の操作によって動作される長尺部材は前記第1の領域にのみ存在し、前記処置具挿通用チューブが前記湾曲部断面の中心から前記第2の領域側に偏心していることを特徴とする内視鏡。
なお、ここで湾曲部の湾曲方向を特定の方向に限定するとは、湾曲方向を単一の方向に限定する場合に限らず、湾曲部の長手方向に交差する断面における4時及び8時方向、すなわち右斜め下方向及び左斜め下方向の二方向に限定する場合なども含むものである。このような場合であっても、上下左右4方向に湾曲する場合と比べて細径化が可能であり、また、処置具挿通用チューブを12時方向(上方向)に配置すれば、湾曲部を湾曲した際に処置具挿通用チューブの湾曲半径(曲率半径)を大きくでき、処置具挿通用チューブに作用する負荷を軽減できるからである。
一方、2方向の湾曲であっても湾曲方向が上下方向若しくは左右方向など、第1の湾曲方向と第2の湾曲方向とが180度ずれている場合は、本願発明には含まれない。なぜならば、仮に第1の方向に湾曲する場合を想定して処置具挿通用チューブを湾曲外周側に固定したとすると、第2の方向に湾曲する場合には処置具挿通用チューブは湾曲内周側に固定されることとなるからである。
図1は、直視型の内視鏡1の概略を示す外観図である。内視鏡1は、操作部20と、操作部20に基端側が連設され体腔内(特には胆管内)に挿入される挿入部30とを備える。操作部20には、ユニバーサルケーブル2が接続され、このユニバーサルケーブル2は、コネクタ3を介して図示しない制御装置に着脱自在に接続される。
なお、主に被験者が寝た姿勢のときを想定し、湾曲部32の湾曲方向を上方向と言うが、例えば、湾曲部32が垂直方向に沿って延出しているときには、水平面内のX方向又はY方向が上下方向である。
湾曲部32は、互いに回動可能に連結される複数の節輪321と、各節輪321の外周部に設けられるカバー部材322とを有する。節輪321は、断面円形の略筒状に形成されている。節輪321の軸方向(Z軸方向)の両端には、一対の連結部321Aがそれぞれ形成されている。一対の連結部321Aは、節輪321の直径方向(X軸方向)の両側にそれぞれ形成されており、隣り合う節輪321の同じ側にある連結部321Aがピン320で互いに連結されている。そして、一対の連結部321Aが形成される直径方向と直交する直径方向(Y軸方向)の両側において、隣り合う節輪321の間には隙間SPが設けられている。それにより、隣り合う節輪321がピン320を回動中心として回動可能に連結されている。
更に、図3に示す構成では、各節輪321は、回動軸を頂点に膨出する形状とされて、隣り合う節輪321の間の隙間SPの拡大が図られている。それにより、隣り合う節輪321の相対的な回動角度を大きくでき、湾曲部32をよりコンパクトに湾曲させることができる。
節輪321は、湾曲部32が湾曲した際に湾曲部32における挿入部30の内部空間を保持する内部空間保持部(リング状の節輪本体部分)と、この内部空間保持部の先端に設けられ、隣合う他の節輪321と第1の回動軸(X軸方向の回動軸)を中心に回動自在に連結される先端側の連結部321Aと、内部空間保持部の基端に設けられ、隣合う他の節輪321と第1の回動軸(X軸方向の回動軸)を中心に回動自在に連結される基端側の連結部321Aとを有している。
なお、湾曲部32を一方向に湾曲させるためのワイヤ211の本数は1本には限定されず、複数本のワイヤ211が節輪321のY軸方向上側の内周部に配設されてもよい。
湾曲部32の長手方向に沿った湾曲部32の軸線B−Bは、湾曲部32が曲げられた状態では、湾曲部32の互いに離間する各部における湾曲部32の長手方向と直交する円形断面の中心を通り、全体として湾曲した線となる。ワイヤ211は、湾曲部32の軸線B−Bよりも湾曲内周側に設けられている。
この処置具挿通用チューブ24は、湾曲された湾曲部32において最も曲率半径が大きい湾曲最外周に沿って並ぶ各節輪321の湾曲最外周側の部分に接着等により固定されている。処置具挿通用チューブ24を各節輪321の湾曲外周側の部分に固定することで、湾曲部32が湾曲された際に、処置具挿通用チューブ24は湾曲外周側に確実に保持される。そして、湾曲外周側は湾曲内周側に比べて湾曲半径が大きく、処置具挿通用チューブ24に作用する負荷が軽減される。また、アングルノブ21の操作によるワイヤ211の牽引が解除された際に、処置具挿通用チューブ24の剛性により湾曲部32が湾曲前の形状に復元し易くなる。即ち、処置具挿通用チューブ24は、処置具が挿通される必要上、細径の挿入部30にあってもある程度の径が確保され、挿入部30の断面積に占める割合が高く、処置具が挿通される際に容易には破損しない肉厚に形成されるために他の部材と比べて一般に剛性が高い。このように相対的に大径でかつ剛性が高い処置具挿通用チューブ24が節輪321の湾曲外周側の部分に固定されていることで、処置具挿通用チューブ24の挙動が節輪321に直接伝わり、湾曲部32は迅速に復元する。
なお、カバー部材322とは別体の弾性部材を、カバー部材322と外皮部材301との間(図11)や、節輪321とカバー部材322との間や、処置具挿通用チューブ24と節輪321との間に設けてもよい。弾性部材を、節輪321とカバー部材322との間、あるいは処置具挿通用チューブ24と節輪321との間に設ける場合には、この弾性部材で処置具挿通用チューブ24の湾曲外周側の部分を覆って、これを保護することもできる。
また、ワイヤ211に替えて、牽引方向とは反対の繰出し方向にも力を伝達可能な長尺部材(例えば、ワイヤ211よりも断面積の大きい可撓な帯状部材)を用いれば、処置具挿通用チューブ24やカバー部材322や上記の弾性部材の弾性に依らず、長尺部材の繰出しによって湾曲部32を復元させるように構成することもできる。なお、湾曲を解除する操作部の操作により長尺部材が最も押された状態において、湾曲部32は略直線状となる。
なお、カバー部材の形状は以上で述べたものに限らず、節輪321と節輪321との間から処置具挿通用チューブ24が露出する部分だけを覆う形状にカバー部材が形成されていてもよい。この場合特に、処置具挿通用チューブの湾曲外周側の側面部に固定された節輪321も、カバー部材として機能する。
図8は、湾曲部42の側面図である。図9は、図8のIX−IX線断面図である。
湾曲部42を構成する節輪421の下端部には、隣り合う一方の節輪421に向かって突出する連結部421Aと、隣り合う他方の節輪421に対向する連結部421Bとが形成されている。連結部412A,421Bは、湾曲部42の湾曲時に最も外周側となる部分に設けられている。
なお、湾曲の前後で、湾曲部42の湾曲外周側の長手方向の長さは変わらない。
なお、図11に示した構成において、カバー部材322を設けずに弾性部材623だけを設けることも考えられる。弾性部材623の形状はシート状に限られない。
(1) 先端と基端と長手軸とを有し体内に挿入可能な挿入部と、
前記挿入部の基端側に設けられた操作部と、
前記挿入部の先端側の一部を構成し、互いに回動可能に連結された複数の節輪を有して前記操作部の操作により湾曲可能な湾曲部と、
前記複数の節輪の内側を通って前記挿入部に内包された処置具挿通用チューブとを備え、
前記節輪は、前記湾曲部が湾曲した際に該湾曲部における前記挿入部の内部空間を保持する内部空間保持部と、前記内部空間保持部の先端に設けられ、隣合う他の節輪と第1の回動軸を中心に回動自在に連結される先端側連結部と、前記内部空間保持部の基端に設けられ、隣合う他の節輪と前記第1の回動軸を中心に回動自在に連結される基端側連結部とを有し、
前記湾曲部が、前記複数の節輪に架け渡された長尺部材が牽引される前記操作部による湾曲操作によって一方向に曲げられた際に、
前記処置具挿通用チューブが、前記各節輪における湾曲外周側の部分に固定されている内視鏡。
この内視鏡によれば、処置具挿通用チューブに固定された節輪が、長尺部材の牽引解除時に処置具挿通用チューブの復元に追従して回動するので、湾曲部を湾曲した形状から元の形状に迅速に復元させることが可能となる。通常は、互いに反対側の二方向にそれぞれ対応する一対の長尺部材が設けられるところ、その一方がないことによる湾曲部の復元力の不足が、処置具挿通用チューブに節輪が固定されたことで補われる。これにより、長尺部材の本数を1本に、あるいは長尺部材の配設箇所(例えば、上下なら2箇所、上下左右なら4箇所、)を1箇所に減らすことによる細径化を実現できる。
上述のように、処置具挿通用チューブに節輪が固定されていることと、処置具挿通用チューブが湾曲外周側に設けられていることで、座屈及び損傷を防止できるので、湾曲部の曲率半径を更に小さくして小回り性能を高めることが可能となる。以上より、細径化と湾曲性能向上とが実現し、狭い空間内での使用が容易となるので、胆管などの狭いところで観察及び処置を同時に行うことが可能となる。
この内視鏡によれば、湾曲内周側に設けられた長尺部材を牽引することにより、湾曲部を効率よく容易に曲げられる。また、長尺部材を湾曲内周側にのみ設け、通常設けられる湾曲外周側の長尺部材を省略することで、細径化を促進できる。この場合、湾曲外周側に配置される処置具挿通用チューブと長尺部材の案内部材等とが干渉することをなくせる。
この内視鏡によれば、処置具挿通用チューブの湾曲外周側の部分がカバー部材で保護されるので、湾曲した処置具挿通用チューブ内に処置具を通す際に、処置具の先端で処置具挿通用チューブを損傷することなどを防止できる。ここで、処置具挿通用チューブに節輪が固定されている構成では、湾曲時に回動する節輪の動きに処置具挿通用チューブが倣い、処置具挿通用チューブの曲率半径が節輪同様に小さくなりがちなので、ここで述べたような処置具挿通用チューブの損傷防止の効果を大きくできる。
この内視鏡によれば、カバー部材の弾性力により、湾曲部をより迅速により確実に復元させることが可能となる。
この内視鏡によれば、処置具挿通用チューブの湾曲外周側の部分を覆うための専用の部材を設けることを不要にできるので、低コスト化できるとともに、細径化できる。
この内視鏡によれば、突起が単独の舌片として節輪に形成される場合などと比較して突起の強度が上がり、処置具挿通用チューブがより確実に保護される。このため、湾曲時の処置具挿通用チューブに処置具を挿通する際の突き抜け等をより確実に防止できる。
前記連結部は、前記湾曲部の湾曲時に最も外周側となる部分に設けられ、
湾曲の前後で、前記湾曲部の湾曲外周側の長手方向の長さが変わらない内視鏡。
この内視鏡によれば、湾曲内周側の長手方向の長さが短くなることのみによって湾曲部が湾曲する。
この内視鏡によれば、弾性部材の弾性力により、湾曲部をより迅速により確実に復元させることが可能となる。
この内視鏡によれば、低コスト化に加え、細径化できる。
この内視鏡によれば、長尺部材の繰出しによって、湾曲部を確実に復元させることが可能となる。
前記挿入部の基端側に設けられた操作部と、
前記挿入部の操作を張力によって伝達可能な長尺部材と、
前記挿入部の先端側の一部を構成し、前記挿入部の長手軸と交差する方向に互いに回動可能に連結された複数の節輪を有して前記操作部の操作により湾曲可能な湾曲部と、
前記複数の節輪の内側を通って前記挿入部に内包された処置具挿通用チューブと、を備え、
前記湾曲部が、前記挿入部の長手軸と直交する平面上の湾曲部断面において、該湾曲部断面の中心を通る直線により前記湾曲部断面を前記長尺部材の存在する第1の領域と、前記長尺部材の存在しない第2の領域とに区分けした際に、前記処置具挿通用チューブが前記湾曲部断面の中心から前記第2の領域側に偏心していることを特徴とする内視鏡。
この内視鏡によれば、(1)の内視鏡と略同様の効果が得られる。
2 ユニバーサルケーブル
3 コネクタ
20 操作部
21 アングルノブ
24 処置具挿通用チューブ
30 挿入部
32,42,52,62 湾曲部
33 先端部
211 ワイヤ(長尺部材)
301 外皮部材
320 ピン
321,421,521 節輪
321A,421A,421B 連結部
322 カバー部材
325 カバー部材
521C 突起
623 弾性部材
B−B 軸線
Claims (11)
- 先端と基端と長手軸とを有し体内に挿入可能な挿入部と、
前記挿入部の基端側に設けられた操作部と、
前記挿入部の先端側の一部を構成し、互いに回動可能に連結された複数の節輪を有して前記操作部の操作により湾曲可能な湾曲部と、
前記複数の節輪の内側を通って前記挿入部に内包された処置具挿通用チューブとを備え、
前記節輪は、前記湾曲部が湾曲した際に該湾曲部における前記挿入部の内部空間を保持する内部空間保持部と、前記内部空間保持部の先端に設けられ、隣合う他の節輪と第1の回動軸を中心に回動自在に連結される先端側連結部と、前記内部空間保持部の基端に設けられ、隣合う他の節輪と前記第1の回動軸を中心に回動自在に連結される基端側連結部とを有し、
前記複数の節輪に架け渡された長尺部材が牽引される前記操作部による湾曲操作によって一方向に曲げられる際の前記各節輪における湾曲外周側の部分に、前記処置具挿通用チューブが固定されている内視鏡。 - 請求項1に記載の内視鏡であって、
前記長尺部材は、前記湾曲部の長手方向に沿った当該湾曲部の軸線よりも湾曲内周側に設けられる内視鏡。 - 請求項1又は2に記載の内視鏡であって、
前記湾曲部は、前記処置具挿通用チューブにおける湾曲外周側の部分を前記湾曲部の全長に亘って連続して覆うカバー部材を有する内視鏡。 - 請求項3に記載の内視鏡であって、
前記カバー部材は、弾性を有する内視鏡。 - 請求項3に記載の内視鏡であって、
前記各節輪における湾曲外周側の部分には、隣り合う節輪の少なくとも一方に向かって突出し、湾曲時にこの隣り合う節輪との隙間を埋める突起が形成されており、前記各節輪における湾曲外周側の部分及び突起によって前記カバー部材が構成される内視鏡。 - 請求項5に記載の内視鏡であって、
前記各節輪の前記突起には、隣り合う節輪との連結部が設けられる内視鏡。 - 請求項6に記載の内視鏡であって、
前記連結部は、前記湾曲部の湾曲時に最も外周側となる部分に設けられ、
湾曲の前後で、前記湾曲部の湾曲外周側の長手方向の長さが変わらない内視鏡。 - 請求項1から7のいずれか一項に記載の内視鏡であって、
前記湾曲部は、当該湾曲部の長手方向に沿って延在する弾性部材を有する内視鏡。 - 請求項8に記載の内視鏡であって、
前記弾性部材は、前記処置具挿通用チューブにおける湾曲外周側の部分を覆う内視鏡。 - 請求項1から9のいずれか一項に記載の内視鏡であって、
前記長尺部材は、湾曲操作が解除される際に牽引方向と反対の繰出し方向にも力を伝達可能である内視鏡。 - 先端と基端と長手軸とを有し体内に挿入可能な挿入部と、
前記挿入部の先端側の一部を構成し、前記挿入部の長手軸と交差する方向に互いに回動可能に連結された複数の節輪を有する湾曲可能な湾曲部と、
前記挿入部の基端側に設けられ、相反二方向のうち一方向にのみ前記湾曲部を湾曲させる操作部と、
前記操作部の操作を前記湾曲部に伝達可能な長尺部材と、
前記複数の節輪の内側を通って前記挿入部に内包された処置具挿通用チューブと、を備え、
前記挿入部の長手軸と直交する平面上の湾曲部断面を、該湾曲部断面の中心を通り且つ前記相反二方向に直交する直線により第1の領域と第2の領域とに区分けした場合に、前記操作部の操作によって動作される長尺部材は前記第1の領域にのみ存在し、前記処置具挿通用チューブが前記湾曲部断面の中心から前記第2の領域側に偏心していることを特徴とする内視鏡。
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