JP5525203B2 - 給電路特性補償装置 - Google Patents
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Description
(1) 「無線通信に使用する帯域と同一又はそれに近似した帯域のキャリブレーション信号を受信キャリア周波数で送信するキャリブレーション信号送信手段と、前記キャリブレーション信号の信号レベルを変化させる調整手段と、信号レベル変化後のキャリブレーション信号をアレーアンテナに対応して設けられた複数の無線受信部へ伝送する伝送手段と、前記無線受信部から出力される受信キャリブレーション信号を用いて前記調整手段が変化させたキャリブレーション信号の信号レベルごとに前記無線受信部の遅延特性及び振幅特性の少なくとも一方を検出する検出手段とを備える」ことにより、「TDMA伝送における無線部の遅延特性、及び振幅特性の検出において、実際の通信に使用する変調信号と同一帯域、又はそれに近い帯域を有する信号をキャリブレーション信号として使用し、各無線受信部からの出力信号を相関検出した相関出力を検出することにより、無線受信部、及び無線送信部の正確な遅延特性及び振幅特性を測定することができる」点に特徴があるキャリブレーション装置…特許文献1
「ビーム制御計算機又はモジュール内位相演算回路の計算精度で実現できる以上の細かさのビーム走査特性を持つ」点に特徴があるフェーズドアレーアンテナ装置…特許文献4
〔第一の実施形態〕
図1は、本発明の第一の実施形態を示す図である。
図において、アンテナ11-1〜11-Nの給電点は同軸リレー12-1〜12-Nのブレーク接点にそれぞれ接続され、これらの同軸リレー12-1〜12-Nのメーク接点は接地される。さらに、同軸リレー12-1〜12-Nの共通接点は、上記アンテナ11-1〜11-Nの給電路にそれぞれ該当する同軸ケーブル13-1〜13-Nの一端に接続される。これらの同軸ケーブル13-1〜13-Nの他端は標定装置30の対応する入力に接続され、その標定装置30の出力には、例えば、所望の目標の方位や位置を示す標定結果が得られる。
(1) 同軸ケーブル13-1〜13-Nの他端に接続され、かつ最終段から所定の信号(例えば、後述するベースバンド信号B1〜BN)をそれぞれ出力する受信機40-1〜40-N
a) 同軸リレー12-1〜12-Nの制御入力にそれぞれ接続された出力ポート
b) 受信機40-1〜40-Nによって出力される複数N対の直交復調信号(I♯1,Q♯1)〜(I♯N,Q♯N)がそれぞれ入力されるアナログポート
d) 上記中枢部または外部から後述する「タイミング情報」を取り込むための入力ポート
e) 校正信号生成部31の制御入力に接続された出力ポート
(1) 同軸ケーブル13-1の他端に接続された第一の端子と、校正信号生成部31の対応する出力に接続された第二および第三の端子とを有する分岐器41-1
以下、図1および図2を参照して本実施形態の動作を説明する。
プロセッサ32は、同軸リレー12-kの共通接点をメーク接点に接続することにより、同軸ケーブル13-kの一端を接地し(図2ステップS1)、さらに、
校正信号生成部31の稼働の規制を解除する(図2ステップS2)。
は、図1に示す構成の下では、同軸ケーブル13-kの両端間における片道当たりの移相量ΔφCABLE,♯kと、受信機40-k(分岐器41-kの入力端から直交復調器42-kの出力端に至る区間)における移相量ΔφSPRS,♯kとに対して、それぞれ下式で表すことができる。
(1) 上述したように算出された移相量Δφc,♯k(k=1〜N)を既述の校正情報として標定装置30(または外部)に引き渡す(図2ステップS6)。
(2) 校正信号生成部31の稼働を規制する(図2ステップS7)。
(3) プロセッサ32は、同軸リレー12-kの共通接点をその同軸リレー12-kのブレーク接点に接続する(図2ステップS8)。したがって、同軸ケーブル13-kの一端は、アンテナ11-kで正規に終端される。
(k=1〜N)をそれぞれ生成する。
標定装置30は、これらのベースバンド信号B1〜BNの位相をそれぞれ既述のΔφc,♯k(k=1〜N)に亘ってベースバンド領域で差し引いた後、上記受信波の送信源であるソノブイ等の方位や位置の標定を行う。なお、このような標定を実現する処理は、例えば、プロセッサ32によって行われてもよく、あるいは図示されない他のプロセッサとの機能分散や負荷分散の下で行われてもよい。
図3は、本発明の第二の実施形態を示す図である。
本実施形態と既述の第一の実施形態との構成の相違点は、受信機40-1〜40-Nに代えて受信機40A-1〜40A-Nが備えられ、これらの受信機40A-1〜40A-Nには、分岐器41-1〜41-Nに代えてカプラ43-1〜43-Nが備えられた点にある。
以下、図3および図4を参照して本実施形態の動作を説明する。
同軸ケーブル13-kの両端における片道当たりの移相量ΔφCABLE,♯k
は、既述の式(c)、(d)より下式で表すことができる。
は、校正信号Sc1,♯k、Sc2,♯kの周波数fが昇順にf1〜fnと変化すると、例えば、図5に示すように、不連続に跳躍する値の列となる可能性がある。
に、例えば、整数I(≧0)に比例した補正値(=π・I)を加えることにより、図6に示すように、下記の最大値max1、max2(≧0)と所定のマージン(≧0)との和(以下、「最大跳躍移相量Δφmax」という。)以下(例えば、0.5πラジアン以下)に圧縮可能である。
(b) 同様の周波数fの変化に応じたカプラ43-kの移相量の変化の最大値max2
また、このような跳躍是正処理の結果として得られた同軸ケーブル13-kの移相量ΔφCABLE,♯k
は、一般に、校正信号Sc1,♯k、Sc2,♯kの周波数f(=f1〜fn)の変化に対して、図5の点線部および図7に示すように直線的に変化する。
(i=1〜n)の如何にかかわらず一定であるので、このような長さΔL♯k
と上記ΔφCABLE,♯k,i との間には、周波数fi の校正信号の波長λi(=c/fi)と、2πラジアンの移相量を示す数「2π」と、πラジアンの移相量を示す「π」とに対して、下式が成立する。
に対する上式の左辺の値(=2πΔL♯k)の変化率が最小となる整数m♯kとして求めることが可能である。なお、以下では、このような整数m♯kを算出する処理については、「アンビギュイティ特定処理」と称する。
プロセッサ32は、以下の手順に基づいて、標定装置30に引き渡されるべき校正情報である移相量Δφc,♯k(k=1〜N)を算出する。なお、以下では、このような移相量Δφc,♯k(k=1〜N)の算出のために参照される演算対象および各部の連係については、第一の実施形態および既述の原理として既述の通りであるので、ここでは説明を省略する。
(i=1〜n)を順次可変しつつ、同軸ケーブル13-k(k=1〜N)の全てについて、式(f)で示される移相量ΔφCABLE,♯kを個々の周波数fi
の校正信号毎に算出する(図4ステップS1)。
(i=1〜n)に対して上式(j)の右辺の第1項を示す値の列を得る(図4ステップS3)。
(1) 同軸ケーブル13-kの移相量の真の値ΔΦCABLE,♯k
は、既述の位相差Δφc1,♯k、Δφc2,♯k
および整数m♯kに併せて、180度を弧度法で示す「π」が式(f)に導入された下式で示される。
に等しいので、下記の通りに変形可能である。
に対して一般に成立する式(fi=c/λi)を代入することにより、下記の通りに変形可能である。
が「0」以外である場合には、下式が成立することを意味する。
しかし、このような直線推定処理は、所望の精度が達成されるならば、既述の最小二乗法だけではなく、例えば、指数平滑法、移動平均法その他の如何なるアルゴリズムに基づいて行われてもよい。
は、アンテナ11-1〜11-Nに到来し得る受信波に割り付けられた無線チャネル毎の離散的な周波数に設定されている。
しかし、このような周波数fi は、アンテナ11-1〜11-Nに到来し得る受信波の周波数帯において、所望の精度で既述の処理が実現されるならば、如何なる周波数に設定されてもよい。
しかし、本発明は、例えば、同軸ケーブル13-1〜13-Nの特性および仕様と、受信機40-1〜40-Nの性能および特性との何れかが基本的に異なる場合にも、同様に適用可能である。
しかし、本発明は、これらの受信機40-1〜40-Nに代えて1台の受信機が共用される場合であっても、同様に適用可能である。
しかし、本発明では、このような基準が何れのブランチの移相量も参照されることなく設定されてもよく、あるいは個々のブランチの移相量が絶対値で評価されてもよい。
しかし、本発明は、このような測位や測距を実現する装置に限定されず、所望の処理が施されるべき1つまたは複数の無線信号が個別のアンテナを介して与えられる多様な装置やシステムにも適用可能である。
請求項3に記載の給電路特性補償装置において、
前記不確定性排除手段は、
前記周波数に対する前記変化率が所望の精度で一定であるときに、前記整数を「0」と見なす
ことを特徴とする給電路特性補償装置。
したがって、精度が低下することなく、応答性が高められる。
請求項1ないし請求項6の何れか1項に記載され、かつ複数のアンテナに到来した受信波に、前記複数のアンテナの給電系の特性に応じて付帯する位相の誤差を個別に補償する複数の給電路特性補償装置と、
前記複数の給電路特性補償装置によって位相の誤差が個別に補償された複数の受信波に所定の処理を施す受信波処理手段と
を備えたことを特徴とする無線装置。
したがって、本発明が適用された装置やシステムは、多様な分野に対して柔軟に適用可能となり、かつ総合的な信頼性および性能が安価に高められる。
12 同軸リレー
13 同軸ケーブル
30 標定装置
31 校正信号生成部
32 プロセッサ
40,40A 受信機
41 分岐器
42 直交復調器
43 カプラ
Claims (5)
- アンテナに到来する受信波を復調すべき復調手段の入力に前記アンテナの給電路の往路および復路を介して至る第一の区間を介して前記復調手段に入力され、かつ前記受信波の代替となる第一の信号の前記第一の区間における移相量を計測する第一の移相量計測手段と、
前記給電路の一端から前記給電路を介することなく前記復調手段の入力に至る第二の区間を介して前記復調手段に入力され、かつ前記受信波の代替となる第二の信号の前記第二の区間における移相量を求める第二の移相量計測手段と、
前記第一の信号の移相量と前記第二の信号の移相量との平均値に亘って、前記アンテナから前記給電路を介して前記復調手段の入力に至る区間を介して前記復調手段で出力される受信波の位相を補償する位相補償手段と
を備えたことを特徴とする給電路特性補償装置。 - 請求項1に記載の給電路特性補償装置において、
前記第一の信号と前記第二の信号との内、一方の信号の周波数を可変し、前記周波数に応じた前記一方の信号の移相量の実測値から、前記一方の信号の移相量を示す前記周波数の一次式を予測する移相量予測手段を備え、
前記第一の移相量計測手段または前記第二の移相量計測手段は、
前記受信波の所望の周波数に対する前記一次式の値として、前記一方の信号の移相量を求める
ことを特徴とする給電路特性補償装置。 - 請求項1に記載の給電路特性補償装置において、
前記第一の信号と前記第二の信号との内、一方の信号の周波数を可変し、前記周波数に応じた前記一方の信号の移相量の実測値から、前記一方の信号の移相量を示す前記周波数の一次式を予測する移相量予測手段と、
前記周波数に対する前記一次式の値とπ倍の整数との和の前記周波数に対する変化率が最小となる値として前記整数を求める不確定性排除手段とを備え、
前記第一の移相量計測手段または前記第二の移相量計測手段は、
前記アンテナに到来すべき受信波の所望の周波数に対する前記一次式の値と、前記不確定性排除手段によって求められた整数のπ倍の値との和として、前記一方の信号の移相量を求める
ことを特徴とする給電路特性補償装置。 - 請求項3に記載の給電路特性補償装置において、
前記不確定性排除手段は、
前記一次式の切片bに対する値(=−b/π)として前記整数を求める
ことを特徴とする給電路特性補償装置。 - 請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載の給電路特性補償装置において、
前記第一の移相量計測手段は、
外部から与えられる契機に前記第一の信号の移相量を求め、
前記第二の移相量計測手段は、
前記契機に前記第二の信号の移相量を求める
ことを特徴とする給電路特性補償装置。
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