JP5524902B2 - 紙葉体ディスペンサー - Google Patents

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Description

本発明は、ペーパータオル等の紙葉体を順次に引き出し可能な組立て式紙葉体ディスペンサーに関する。
ペーパータオル等の紙葉体を相互に重ね合わせた積層体を収容し、紙葉体を順次に引き出すディスペンサーが広く用いられている。このようなディスペンサーとして、底壁の中央にペーパータオルの取出口を設け、さらにディスペンサーの前面及び後面から取出口に向かって傾斜する傾斜面を形成した技術が提案されている(特許文献1、2)。
又、底壁の中央にペーパータオルの取出口を設け、さらに底壁を後面に向かって傾斜させた技術が提案されている(特許文献3)。
実公平1-130992号公報 特開平5-269051号公報 実公平6-9995号公報
しかしながら、上記したディスペンサーは店舗等の壁面にネジ止め等によって取り付けられるものであり、プラスチック製で堅牢であるが比較的重く、又、紙葉体の積層体を適宜補充する必要がある。従って、上記ディスペンサーは、家庭で使用しずらく、設置が容易でないと共に、紙葉体ごとパッキングして大量生産、大量販売するのに適していない。また、近年では、インフルエンザの流行などにより衛生への意識の高まりから使い捨て可能なハンドタオルディスペンサーへの要望が多くなっている。
すなわち、本発明は、軽量で、組立てと設置が容易で、家庭でも使用し易く、衛生的であると共に、紙葉体ごとパッキングして大量生産、大量販売することができる紙葉体ディスペンサーの提供を目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の紙葉体ディスペンサーは、2つ折りあるいは、3つ折りに折り畳まれた紙葉体を相互に係合するように上下に重ね合わせた積層体が収納され、この積層体から前記紙葉体を順次に引き出し可能な組立て式ディスペンサーであって、当該ディスペンサーは、前記積層体を収納する方形状の収納部(A)及び収納部両短側面の延長及び収納部後面の延長で形成する三角棚受け部(B)から構成される。前記(A)には、収納部前面に紙葉を一枚づつ引き出す取出し口と、収納部長側面に紙葉体を詰替えする蓋部を有し、三角棚受け部(B)の先端を、収納部の後面を既存のタオル掛けの壁面に接するようにてタオル掛けの壁面と掛け棒の隙間に差込むことにより、前記収納部(A)が既存のタオル掛けに固定される。収納部両短側面の延長及び収納部後面の延長で形成する三角棚受け部(B)の先端の傾斜角度は30〜45度が望ましい。前記側面の幅は100mm以下であり、紙製または軽量プラスチック製の組立て式の紙葉体ディスペンサーである。
このように、(B)は所定の角度で傾斜しているので、タオル掛けと壁面との間に差し入れると、前記収納部前面の取出し口から紙葉体を引き出す際には、(B)がタオル掛け棒(バー)と壁面で押さえられ、紙葉体を引き出す力は(B)の傾斜部がタオル掛けのバーを押す力と、先端部が壁面を押す力に分散され、また、紙葉体ディスペンサーの重量によってタオル掛けに確実に係止することができる。又、側面の幅を100mm以下とすることで、紙葉体ディスペンサーが壁面とタオル掛けとの間で落下せずに係止すると共に、紙葉体ディスペンサーがスリムとなって設置場所で邪魔にならない。又、軽量であるから詰替用の紙葉積層体とセットで陳列、販売ができる。
(A)における前記取出し口は前記収納部前面の中央及び中央よりやや(B)に近い位置に位置していると好ましい。これは紙葉体を引き出す際の引き出し力のタオル掛け棒及び壁面に掛かるモーメントがより小さくなるからである。取出し口の位置は、中央部から(B)側に0-20mmの位置が望ましく、20mmより大きいと、積層紙葉の折り重なりが引き出し方向に対し浅くなりすぎて連続して紙葉体が引き出せないことがある。
(B)の傾斜部は曲線をなしてもよい。
このようにすると、意匠性が向上する。
(A)の前記取出し口は前記収納部前面の両端より前記収納部前面の幅の20〜33%の間隔を開けて配置され、略中央部にスリットを有する樹脂フィルムが配置されていてもよい。このようにすると、ポリフィルム包装のない中味だけを紙葉積層体をそのまま収納しても収納部にホコリが入らず衛生的であり、中身の確認もし易い。
この発明によれば、軽量でしかも容易に組立てることができ、家庭用の従来のタオル掛けに設置することができ、紙葉体ごとパッキングして大量生産、大量販売することができる紙葉体ディスペンサーが得られる。
本発明の第1の実施形態に係る紙葉体ディスペンサーの斜視図である。 紙葉体ディスペンサーの側面断面図である。 紙葉体ディスペンサーをタオル掛けに係止した状態を示す斜視図である。 紙葉体ディスペンサーをタオル掛けに係止した状態を示す側面図である。 本発明の実施形態に係る紙葉体ディスペンサーの展開図である。 紙葉体ディスペンサーと紙葉積層体をセットにした包装の図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る紙葉体ディスペンサー100の斜視図である。紙葉体ディスペンサー100は、1枚の板紙を折り曲げて概ね箱状に組立ててなり、自身の内部に複数の紙葉体を重ね合わせた積層体50が収容されている。紙葉体ディスペンサー100は、(A)紙葉体収納部と(B)三角棚受け部で構成され積層体50の長辺Lに平行で矩形の前面11及び後面12と、積層体50の短辺Tに平行でかつ前面11及び後面12に垂直な2つの側面13、14と、これら前面11、後面12、及び側面13,14にそれぞれ垂直で積層体50の積層長側面50bに対向する開閉蓋面(天面)15と、蓋面15に対向する底面16を有し、収納部前面(取出し口面)11には紙葉体51を引き出す取出し口20を有している。側面13、14は台形状になっており、台形の上辺に相当する箇所が(A)収納部の前面側であり台形の底辺に相当する箇所が(A)から(B)につながる収納部後面側である。
前面11と後面12は対向し、前面11の両側部に側面13,14がそれぞれ繋がっている。又、蓋面15は、前面11または、後面12に繋がっている。同様に、収納部(A)の前面の取出し口面11は、側面13、14、底面16にそれぞれ繋がっている。
紙葉体ディスペンサー100としては、紙の他、ポリエチレン、ポリプロピレン等の汎用プラスチックを使用することができる。紙を用いる場合、坪量を300〜500g/m2とするのが軽量で数回の詰替くり返しの使用に耐えるので好ましい。
ここで、後面12の側面13、14と交わる稜線13c,14cの長さは前面11の側面13、14と交わる稜線13b、14bより長く、前面11及び後面12にそれぞれ繋がる側面13、14は、後面12から前面11に向かって立ち上がるように傾斜している。この傾斜は直線でも曲線でも良い。このとき、図2に示すように、側面13及び14において、後面から前面に傾斜する三角棚受け部(B)の角度(傾斜角)θは30〜45度に規定されている。
又、取出し口面11の略中央部には略長円状の取出し口20(切り抜き部)が設けられる。この開口を覆って中央には、長辺L方向に延びる1本のスリットSを有するポリエチレンフィルム等の樹脂フィルム21が貼付されても良い。
収納部(A)の前面において、紙葉体の取出し口が、取出し口の外縁部と蓋面側からの距離D1、及び底面側からの距離D2の位置に設けてある。ここで、収納部(A)の前面(取出し口面)11の幅Mに対し、D及びDの長さがD1≦D2の関係を満たすことが好ましい。即ち20の位置が中央部か、中央部よりやや底面側寄った位置、最大20mmが望ましい。このようにすると、図4に示すように紙葉体ディスペンサー100をタオル掛け200に係止したとき、紙葉体を引き抜くときの力F0による200aを支点とするモーメントが小さくなり、ディスペンサーの撓みが小さくなるので、より係止が安定する。20mmを超えると、積層紙葉体の折り重なりが引き出し方向に対し浅くなりすぎて連続して紙葉体が引き出せないことがある。
図2は、紙葉体ディスペンサー100の側面断面図である。積層体50は、複数の紙葉体51、52、53・・・を相互に係合するように左右に重ね合わせてなる。この例では、個々の紙葉体は2つ折り(V折り)されていて、取出し口20から紙葉体51、52、53・・・を順次にポップアップ式に又は連続して引き出すことができる。
紙葉体としては、紙又は不織布からなるティシュペーパー、ペーパータオル、トイレットペーパー等の使い捨て薄葉紙が例示されるがこれらに限られない。
又、紙葉体は2つ折り以上であればよいが、折り回数が増えると、シートの相互の係合面積が小さくなりシートの取出し性が損なわれる場合があることから3つ折り以下が好ましい。紙葉体を3つ折り以下に折りたたむことで紙葉体の積層嵩が小さくなり、紙葉体ディスペンサー100の厚みを薄くできるので、より安定してタオル掛け等に紙葉体ディスペンサー100を係止して設置できる。
図3は、紙葉体ディスペンサー100をタオル掛け200に係止した状態を示す斜視図である。紙葉体ディスペンサー100の傾斜した部分(B)三角棚受け部をタオル掛け200のバー200aと壁面との間に差し入れると、バー200aに当接し、紙葉体ディスペンサー100の重量によってタオル掛け200に係止される。又、収納部前面11の取出し口はバー200aより上方にあるが、紙葉体ディスペンサー100が壁面から離れるように動いても常に三角棚受け部がバー200a及び壁面に反作用で押圧され、紙葉体ディスペンサー100がタオル掛け200から脱離し難い。
傾斜角θが45度を超えると三角棚受部(B)の差し込みが浅くなり、壁面とバーによる係止力が小さくなり、紙葉体ディスペンサー100が壁面から離れるように動いたときに紙葉体ディスペンサー100がタオル掛け200から脱離し易くなる。
傾斜角θが30度未満となると、傾斜角θが鋭角となり過ぎるので、紙葉体ディスペンサー100の厚さが薄くなり、収納する紙葉積層数が少なくなる。
図4は、紙葉体ディスペンサー100をタオル掛け200に係止した状態を示す側面図である。タオル掛け200のバー200aと壁面300との間隔Wxは、通常30〜70mm程度であるため、紙葉体の短辺T方向での紙葉体ディスペンサー100の幅Wを100mm以下とすることで、紙葉体ディスペンサー100が壁面300とバー200aとの間で落下せずに係止する。又、幅Wを100mm以下とすることで、紙葉体ディスペンサー100がスリムとなって既存のタオル掛けにセットしても邪魔にならない。なお、幅Wは50mm以上とすることが好ましい。
又、紙葉体収納部前面において、取出し口は収納部前面11の中央よりも下方位置即ち収納部底面16側に位置している。このようにすると、紙葉体ディスペンサー100をタオル掛け200に係止して使用する場合に、取出し口から紙葉体を引き抜く際に働く力F0に対して、分力F1,F2及びバー200aを支点にF1及びF3のモーメント力が働く。ここで、F2は、紙葉体ディスペンサー100をタオル掛けから外す方向に働くので、ディスペンサー本体の自重gがF2よりも大きい必要がある。例えば、紙葉を引き抜く力は30-100gf程度であり、F2は最大F0×COS45°であることから、ディスペンサーの自重は50〜70g以上であれば良い。
次に、図5を参照して本発明の組立て容易な紙葉体ディスペンサー100の展開図例について説明する。図5において、11は紙葉体収納部(A)前面であり、後面12に対向する。13及び14は側面部であり、14dの部分で11に接着される。15は蓋面であり、15aは、15を差込むフラップ部である。底面16はフラップ部16a及びフラップの罫線中央に設けられているスリット部16sを有し、後面12a及び12bは折り重ねられ、12bのフラップ部12bx、12by、12bzのうち中央の12byが底面16のスリット部16sに差し込まれ、12bのフラップ部の12bx、12bzは外折りされて底面16の外側に重なる。
本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の思想と範囲に含まれる様々な変形及び均等物に及ぶことはいうまでもない。
11 収納部前面(取出し口面)
12 後面
13、14 側面
15 蓋面
16 収納部底面
20 取出し口
50 積層体
51〜53 紙葉体
100 紙葉体ディスペンサー
W 側面の幅
Wx タオル掛けバーと壁との間の間隔
M 収納部前面の幅
、D 取出し口外縁と収納部前面縁との間隔

Claims (3)

  1. 2つ折り、または3つ折りに折り畳まれた紙葉体を相互に係合するように上下に重ね合わせた積層体の積層長側面が天面及び底面に対向するように収納され、この積層体から前記紙葉体を順次に略水平方向に引き出し可能なディスペンサーであって、前記積層体を収納する収納部と収納部を支持する三角棚受け部から構成され、前記収納部は、前記積層体の上面及び下面に平行な前面及び後面と、前記積層体の短側面に平行でかつ前記前面及び前記後面に垂直な2つの側面と、積層長側面に対向する底面及び天面を有し、前記前面には、前記紙葉体を引き出す為の取出し口を有し、前記天面には前記前面又は前記後面に繋がる蓋部を有し、前記三角棚受け部は、前記収納部の両側面の延長及び収納部の後面の延長で前記収容部と一体に形成され、前記側面は、前記後面下端から前記前面に向かって傾斜して立ち上がり、この傾斜角度は前記後面から30〜45度の角度で傾斜しており、さらに前記側面の幅が100mm以下である紙葉体ディスペンサー。
  2. 前記取出し口は収納部前面の中央部より0から20mm前記三角棚受け部側に位置している請求項1記載の紙葉体ディスペンサー。
  3. 前記側面における前記三角棚受け部の後面から前面に至る傾斜が曲線状である請求項1又は2記載の紙葉体ディスペンサー。
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