以下、本発明の実施の形態について説明する。本実施形態の充電システムは、電気自動車に搭載された二次電池を充電するためのものであり、例えば、電気自動車用の充電スタンドやコンビニエンスストアに設置される。
図1に示すように、この充電システムは、集中管理装置10と、複数台の普通充電器20と、普通充電器20以外の負荷(その他負荷30)とを有している。
集中管理装置10は、この充電システムにおける制御を担当する装置であり、充電制御装置に相当する。この集中管理装置10は、各普通充電器20と通信をして、各普通充電器20による充電動作を制御する。なお、集中管理装置10については後で説明する。
普通充電器20は、電気自動車40に搭載された車載充電器43(図6を参照)を通じて駆動用バッテリー44を充電する装置であり、1つのシステムに複数台が設置され、増設も可能である。このシステムでは、1台の普通充電器20が1台のバッテリーを充電する。便宜上、3台の普通充電器20を図示しているが、台数は3台に限られるものではない。なお、普通充電器20についても後で説明する。
その他負荷30は、普通充電器20を除いた各種の機器が該当する。例えば、エアコンや照明がこの負荷に該当する。また、コンビニエンスストアであれば、冷蔵庫や冷凍庫といった設備もこの負荷に該当する。本実施形態において、集中管理装置10は、屋内配線に設けた電力センサー51からの検出信号を取得し、この検出信号のレベルに基づいて各負荷に供給される電力量を認識する。また、集中管理装置10は、引き込み線に設けた電力センサー52からの検出信号を取得し、この検出信号のレベルに基づいて商用系統50から供給される電力量を認識する。
この充電システムでは、集中管理装置10が普通充電器20と通信し、車載充電器43に供給される単相交流の供給時間を設定する。そして、電気自動車40では、車載充電器43に供給された単相交流を高圧の直流に変換し、駆動用バッテリー44を充電する。このため、図2に示すように、集中管理装置10は管理側制御部11を、普通充電器20は充電側制御部21を、電気自動車40は車両側制御部41をそれぞれ有しており、管理側制御部11と充電側制御部21とが通信可能な状態で接続され、車載充電器43と駆動用バッテリー44のそれぞれは車両側制御部41によって制御可能な状態で接続されている。なお、図2の太線は電源の供給線を示し、細線はデータや信号の通信線を示している。
また、この充電システムでは、情報記憶カードCRDを介して、駆動用バッテリー44の総容量(総充電容量)、残存容量(残存充電容量)、及び、普通充電器20を通じて車載充電器43に供給する単相交流の充電電流値(個別電流値)を、電気自動車40から集中管理装置10へ転送している。このため、集中管理装置10は管理側カードリーダ17を、電気自動車40は車両側カードライタ49をそれぞれ有している。そして、電気自動車40のイグニッションオフ時に、車両側制御部41は、車両側カードライタ49を介して情報記憶カードCRDへ必要な情報を書き込む。また、管理側制御部11は、管理側カードリーダ17にセットされた情報記憶カードCRDから必要な情報を取得する。
この充電システムでは、1台の普通充電器20が1台の電気自動車40(駆動用バッテリー44)の充電を担当する。すなわち、普通充電器20と、電気自動車40、車載充電器43、及び、駆動用バッテリー44の組は1対1に対応する。ここで、管理側カードリーダ17は、情報記憶カードCRDを通じて或る駆動用バッテリー44の残存容量を示す情報(残存容量情報)、駆動用バッテリー44の総充電容量を示す情報(総充電容量情報)、車載充電器43へ供給する一次側の電流値の情報(充電電流値情報)を取得する。また、情報記憶カードCRDは、電気自動車40が備える車両側カードライタ49(情報書き出し部)によって残存容量情報などが書き出された記録媒体に相当する。従って、管理側カードリーダ17は、情報記憶カードCRDから残存容量情報を読み出す情報読出し部に相当する。
次に、集中管理装置10について説明する。図2に示すように、集中管理装置10は、管理側制御部11と入力表示器12と管理側カードリーダ17とを有している。管理側制御部11は、集中管理装置10における制御の中心となる部分であり、図3(a)に示すように、CPU13及びメモリー14を有する制御部本体15と、通信用インタフェース16とを有している。
制御部本体15では、CPU13がメモリー14に記憶されたプログラムを実行することで、各種の制御動作が実現される。例えば、各普通充電器20から電気自動車40(車載充電器43)への単相交流の供給制御が実現される。通信用インタフェース16は、集中管理装置10における通信を制御する。すなわち、各普通充電器20との間でなされる通信を制御する。
管理側カードリーダ17は、情報記憶カードCRDに対する情報の読み取りを行う部分であり、情報記憶カードCRDの種類に適合した形式の装置が用いられる。例えば、情報記憶カードCRDが磁気カードである場合には磁気カードリーダが用いられる。また、情報記憶カードCRDが非接触ICカードである場合には、非接触ICカード用のリーダが用いられる。
メモリー14の一部領域は、図3(b)に示すように、プログラム記憶領域、識別情報記憶領域、契約電力値記憶領域、時間帯別上限電流値記憶領域、設定間隔記憶領域、AC/DC変換効率記憶領域、総容量記憶領域、充電電圧値記憶領域、充電電流値記憶領域、残存容量記憶領域、希望充電量記憶領域、希望完了時間記憶領域、充電緊急度記憶領域、優先順位記憶領域、単位充電時間記憶領域、切換時点記憶領域、単位充電回数カウンタ、制御パターン記憶領域として用いられている。
プログラム記憶領域には、CPU13によって読み出されて実行されるプログラムが記憶されている。
識別情報記憶領域には、集中管理装置10と通信可能な電気機器について、その電気機器を示す識別情報が記憶されている。本実施形態では、各普通充電器20について、それぞれの普通充電器20を示す固有の識別情報が記憶されている。従って、集中管理装置10は、受信した情報に含まれる識別情報を、識別情報記憶領域に記憶された識別情報と照合することで、受信した情報が何れの普通充電器20から送信されたものかを認識できる。前述したように、普通充電器20と、電気自動車40、車載充電器43、及び、駆動用バッテリー44の組は1対1に対応している。このため、識別情報は、普通充電器20に接続された、電気自動車40、車載充電器43、及び、駆動用バッテリー44の識別情報としても機能する。
契約電力値記憶領域には、充電システムを所有する需要家との契約内容に応じた契約電力値が記憶される。集中管理装置10は、この最大電力値を超えないように各普通充電器20の制御を行う。
時間帯別上限電流値記憶領域には、各普通充電器20で充電に使用できる電流値(一次側である商用系統50の電流値)の合計上限値が時間帯毎に記憶される。ここで、電流値の合計上限値は、契約電力量からその他負荷30で消費される電力量(実績に基づく予測値)を減算し、商用系統50の電圧で除することで算出できる。また、時間帯とは、制御の単位となる時間を意味し、システムの管理者によって任意の時間幅に定めることができる。例えば、正時毎の1時間や30分間隔に定めることができる。そして、この時間帯の情報は、設定間隔として設定間隔記憶領域に記憶される。
AC/DC変換効率記憶領域には、単相交流(AC)から直流(DC)に変換する際における車載充電器43毎の変換効率が記憶されている。集中管理装置10は、この変換効率の情報を、充電完了時間の予想値を取得する際に使用する。この変換効率に関し、単相交流(AC)から直流(DC)に変換する際における車両充電器43の標準的な値が記憶されている。
総容量記憶領域及び充電電流値記憶領域はいずれも、駆動用バッテリー44の充電に関する情報を、充電を行う普通充電器20に対応付けて記憶する部分である。すなわち、後述する必要情報取り込み処理(S2,図8)で、情報記憶カードCRDから読み出された情報(総充電容量,充電電流値)がこれらの領域に記憶される。具体的には、総容量記憶領域には総充電容量が記憶され、充電電流値記憶領域には車載充電器43へ供給する充電電流値(一次側の電流値)が記憶される。また、充電電圧値記憶領域には、商用系統50における単相交流の電圧値(一次側の電圧値)が記憶される。この充電電圧値は、車載充電器43によらない値として、各普通充電器20にて共通に用いられる。
残存容量記憶領域には、充電対象の電気自動車40が有する駆動用バッテリー44について、残存する充電容量(残存容量)が記憶される。この情報もまた、必要情報取得処理(S2)で、情報記憶カードCRDから読み出されて記憶される。そして、駆動用バッテリー44に対する充電条件を定める際にCPU13によって参照される。
希望充電量記憶領域、及び、希望完了時間記憶領域は、電気自動車40のユーザーからの充電に関する要求を、充電を行う普通充電器20に対応付けて記憶する部分である。すなわち、希望充電量記憶領域には、ユーザーが希望する充電量の情報(例えば全体容量の○○%以上)が、希望完了時間記憶領域には、ユーザーが希望する充電完了時間の情報(例えば△時間以内)が、それぞれ充電を行う普通充電器20の識別情報とともに記憶される。これらの情報もまた、ユーザーによる入力表示器12への操作によって取得され、駆動用バッテリー44に対する充電条件を定める際にCPU13によって参照される。
充電緊急度記憶領域は、充電の優先度を定めるための指標である充電緊急度を記憶する部分である。この充電緊急度は、予想された充電完了時間(予想完了時間)とユーザーが希望する希望完了時間との比率に基づいて定められる。例えば、予想完了時間を希望完了時間で除して得られた比率が大きいほど(希望完了時間よりも長時間を要するものほど)充電緊急度が高いとしている。この充電緊急度もまた、充電を行う普通充電器20の識別情報とともに記憶される。
優先順位記憶領域は、充電動作を行う普通充電器20についての優先順位を記憶する部分である。本実施形態では、充電緊急度の高い普通充電器20ほど高い優先順位を付している。この優先順位の情報もまた、充電を行う普通充電器20の識別情報とともに記憶される。
単位充電時間記憶領域は、単位充電動作における1回分(巡回充電動作における1サイクル分)に相当する単位充電時間を記憶する部分である。この充電システムでは、ユーザー間の平等の観点から、1回の単位充電動作で充電される電力量を等しくしている。この電力量を等しくしたことから、1回の単位充電動作に要する時間は、車載充電器43へ供給する充電電流値に応じて定まることになる。そこで、この単位充電時間記憶領域には、単位充電動作における1回分の充電時間を単位充電時間とし、充電を行う普通充電器20の識別情報とともに記憶させている。
切換時点記憶領域は、充電制御パターンにおける制御の切換時点(後述する断面)が記憶されている。この切換時点としては、普通充電器20毎の充電開始時点、充電終了時点がある。また、合計上限値を規定する時間帯同士の境界も切換時点に該当する。単位充電回数カウンタには、単位充電の実行回数が充電を行う普通充電器20の識別情報とともに記憶される。なお、単位充電回数カウンタは、充電制御パターンを決定する処理において用いられる。
制御パターン記憶領域には、充電制御決定処理で決定された充電制御パターンが記憶される。この充電制御パターンは、制御の切換時点(断面)、動作対象の普通充電器、及び、動作時間が組になったものである。充電処理を行う際、管理側制御部11は、制御パターン記憶領域に記憶された充電制御パターンを読み出して、動作対象の普通充電器20に対して必要な情報を送信する。
次に、入力表示器12について説明する。入力表示器12は、集中管理装置10におけるユーザーインタフェースを提供する部分であり、図2に示すように、ユーザーの指示を入力するための入力部12aと、各種の表示を行う表示部12bとを有している。本実施形態の入力表示器12は、タッチパネル式の液晶表示装置によって構成されている。この装置では、タッチパネルが入力部12aに相当し、液晶表示部が表示部12bに相当する。なお、入力表示器12に関し、他の種類の装置を用いてもよい。
この入力表示器12は、電気自動車40のユーザーによる普通充電器20の選択、必要充電量の入力、及び、希望充電完了時間の入力などを行う際に利用される。普通充電器20の選択に際しては、例えば図4(a)に示すように、使用する普通充電器20の番号やOKの文字がボタン画像で表示される。希望充電量の入力に際しては、例えば図4(b)に示すように、駆動用バッテリー44に対する充電量(全体充電容量に対する比率)などがボタン画像で表示される。希望充電完了時間の入力に際しては、例えば図4(c)に示すように、希望充電完了時間などがボタン画像で表示される。また、図4(d)に示すように、入力表示器12では、充電完了の予定時刻も表示される。
表示画像の内容は管理側制御部11によって定められる。本実施形態では、選択可能な項目と選択不可の項目とで表示態様を異ならせている。例えば、選択可能な項目についてはランプが点灯している感じのボタン画像を表示し、選択不可の項目についてはランプが消灯している感じのボタン画像を表示している。
図4(a)の表示例では、選択可能な充電器A及び充電器Bについて点灯状態のボタン画像で表示され、選択済みの充電器Cについて消灯状態のボタン画像で表示されている。これにより、充電器Cは対象外であることをユーザーに対して視覚で通知できる。また、図4(b)は、駆動用バッテリー44の残存充電容量が50%程度の場合を示している。この場合、希望充電量20%以上及び40%以上のボタン画像は、残存充電容量の方が多いことから選択不可の態様で表示される。一方、希望充電量60%以上及び80%以上のボタン画像は、残存充電容量よりも多いことから選択可能な態様で表示される。また、図4(c)でも、3水準のボタン画像が選択可能な態様で表示され、2水準のボタン画像が選択可能な態様で表示されている。
そして、選択可能なボタン画像がユーザーによってタッチされると、タッチ操作が入力部12a(タッチパネル)で検知される。そして、検知情報(例えばタッチ位置の座標)が管理側制御部11へ出力される。管理側制御部11では、検知情報に基づいてユーザーの選択内容を認識する。図4(a)の表示例において、充電器Aのボタン画像がタッチされ、かつ、OKのボタン画像がタッチされた場合に、充電器Aのボタン画像について座標情報が入力表示器12から管理側制御部11に送信される。管理側制御部11では、受信した座標情報に基づいて充電器Aが選択されたことを認識する。
次に、普通充電器20について説明する。普通充電器20は、駆動用バッテリー44に付設された車載充電器43に単相交流を供給することで駆動用バッテリー44を充電させる装置であり、例えば図2に示すように、充電側制御部21、及び、開閉器22を有している。
充電側制御部21は、普通充電器20における制御の中心となる部分であり、図5(a)に示すように、CPU23及びメモリー24を有する制御部本体25と、通信用インタフェース26とを有している。これらの制御部本体25及び通信用インタフェース26は、管理側制御部11で説明したものと同様に構成されている。
開閉器22は、単相交流の供給制御を行う部分である。この開閉器22は充電側制御部21によって開閉動作が制御され、単位充電動作に対応する単位充電時間に亘って閉状態になり、単相交流を車載充電器43に供給する。そして、単位充電時間の経過によって開閉器22が開状態に復帰される。なお、充電側制御部21は、管理側制御部11からの動作指示信号に基づいて、開閉器22の開閉動作を制御する。
次に制御部本体25のメモリー24について説明する。図5(b)に示すように、メモリー24の一部領域は、プログラム記憶領域、及び、識別情報記憶領域として用いられている。そして、プログラム記憶領域には、CPU23によって読み出されて実行されるプログラムが記憶され、識別情報記憶領域には、その普通充電器20を示す固有の識別情報が記憶されている。
次に、電気自動車40について説明する。図6に示すように、電気自動車40は、車両側制御部41と、普通充電インレット42Aと、急速充電インレット42Bと、車載充電器43と、駆動用バッテリー44と、補機用バッテリー45と、インバーター46と、駆動モーター47と、トランスミッション48とを有している。なお、図6の太線は電源の供給線を示し、細線はデータや信号の通信線を示している。
車両側制御部41は、電気自動車40における制御の中心となる部分であり、図7(a)に示すように、CPU61及びメモリー62を有する制御部本体63と、通信用インタフェース64とを有している。これらの制御部本体63及び通信用インタフェース64は、管理側制御部11等で説明したものと同様に構成されている。
普通充電インレット42Aは普通充電器20の充電プラグPLGが接続される部分であり、急速充電インレット42Bは急速充電器の充電プラグ(図示せず)が接続される部分である。これらの充電インレット42A,42Bに関し、普通充電インレット42Aは普通充電器20からの単相交流が供給されるのに対し、急速充電インレット42Bは急速充電器(図示せず)からの直流が供給される点で相違している。また、普通充電インレット42Aは、車両側制御部41と通信線を介して接続されていないのに対し、急速充電インレット42Bは、車両側制御部41と通信線を介して接続されている点でも相違(図示せず)している。
車載充電器43には、駆動用バッテリー44及び補機用バッテリー45が接続されている。そして、車載充電器43は、供給された単相交流によって、これらの駆動用バッテリー44及び補機用バッテリー45を充電する。なお、駆動用バッテリー44は、駆動モーター47を動作させるための直流電力を蓄える部分である。補機用バッテリー45は、車両側制御部41等の計器類を動作させるための直流電力を蓄える部分である。
各バッテリー44,45への充電時において、車載充電器43は、充電電圧の調整や充電終了といった充電に関する制御も行う。なお、駆動用バッテリー44と補機用バッテリー45とは、蓄える直流電力の電圧が異なっている。このため、車載充電器43には、DC/DCコンバーター回路が設けられており(図示せず)、適した電圧で充電が行えるように構成されている。
インバーター46は、駆動用バッテリー44に蓄えられた直流電力から交流電力を生成する電力変換装置である。このインバーター46は、車両側制御部41からの制御信号に応じて、周波数が調整された交流電力が出力される。そして、インバーター46で生成された交流電力は、駆動モーター47に供給される。従って、駆動モーター47の回転数は、車両側制御部41からの制御信号に応じて制御される。
駆動モーター47は、タイヤTRを回転させる駆動源となる部分である。すなわち、駆動モーター47の回転軸は、トランスミッション48に接続されており、駆動モーター47からの回転力は、適宜減速されて車軸に伝達されている。車軸DFの端部にはタイヤTRが取り付けられているため、駆動モーター47の回転によってタイヤTRが回転する。
制御部本体63が有するメモリー62の一部領域は、図7(b)に示すように、プログラム記憶領域、総容量記憶領域、残存容量記憶領域、充電電流値記憶領域として用いられている。なお、各領域に記憶されている情報については前述しているので、ここでは説明を省略する。
次に、この充電システムにおける動作について説明する。図8は、この充電システムによる電気自動車40の充電動作を説明するメインフローチャートである。なお、図8のフローチャート、及び、後述する図9のフローチャートにおいて、「NC」と記載されているが、これは普通充電器20を意味している。
この充電システムでは、最初に充電動作を行う普通充電器20の選択の有無を判定する(S1)。すなわち、管理側制御部11は、ユーザーによって入力部12aに対する充電器の選択動作がなされたか否かを判断する。図4(a)の例では、選択可能な充電器A又は充電器Bのボタン画像がタッチされ、その後にOKのボタン画像がタッチされた場合に、管理側制御部11は、タッチされた普通充電器20が選択されたことを認識する。
普通充電器20が選択されたならば、管理側制御部11は、電気自動車に関する必要な情報の取り込みを行う(S2)。ここでは、ユーザーによって管理側カードリーダ17に装着された情報記憶カードCRDから、電気自動車40が備える駆動用バッテリー44の総容量、残存容量、充電電流値の各情報を取得する。前述したように、これらの情報は、車両のイグニッションオフに伴って情報記憶カードCRDに書き込まれた情報である。なお、この必要情報取り込み処理において、情報記憶カードCRDが管理側カードリーダ17に装着されていなかった場合、管理側制御部11は、音声や文字のメッセージ等によって、その旨をユーザーに通知する。
必要な情報を取り込んだならば、管理側制御部11は、希望充電量、及び、希望充電完了時間の入力を待つ(S3,S4)。
図4(b)の例では、5水準のうち選択可能な3水準(60%以上,80%以上,100%)の希望充電量を示すボタン画像が表示されているので、任意の1つのボタン画像がタッチされ、その後にOKのボタン画像がタッチされた場合に、管理側制御部11は、タッチされた希望充電量が選択されたことを認識する。
図4(c)の例でも、5水準のうち選択可能な3水準(4時間以内,8時間以内,12時間以内)の希望充電完了時間を示すボタン画像が表示されているので、任意の1つのボタン画像がタッチされ、その後にOKのボタン画像がタッチされた場合に、管理側制御部11は、タッチされた希望充電完了時間が選択されたことを認識する。
次に、管理側制御部11は、充電制御の内容を決定する(S5)。この決定処理において、管理側制御部11は、単位充電条件取得部として機能し、車載充電器43毎の充電電流値(普通充電器20毎の個別電流値)と希望充電量とから、単位充電量の充電に必要な単位充電時間、及び、予想充電完了時間を取得する。また、管理側制御部11は、充電制御パターン決定部として機能し、駆動用バッテリー44に対する1回の単位充電動作で商用系統50から普通充電器20へ流れ込む単位電流値の合計を時系列で求め、対応する時間帯の上限電流値と比較し、単位電流値の合計が上限電流値以下の場合に、普通充電器20からの単相交流の供給が許可されるように、充電制御の内容を決定する。決定された充電制御の内容は、充電制御パターンとしてメモリー14の制御パターン記憶領域に記憶される。なお、この充電制御の決定処理については、後で詳しく説明する。
充電制御の内容を決定したならば、管理側制御部11は、決定結果の通知処理を行う(S6)。この通知処理では、充電完了までの予想時間を表示部12bに表示させる。また、ユーザーによる充電要望を達成することはできない場合には、その旨を表示する。図4(d)の表示例では、6時間30分後に充電が完了する予定の旨を入力表示器12(表示部12b)に表示させている。また、充電中の注意事項についても入力表示器12に表示させている。
通知処理が行われたならば、充電処理が行われる(S7)。この充電処理において、管理側制御部11は充電許可部として機能し、ステップS6で決定された充電制御パターンに則って、動作対象となる普通充電器20(充電側制御部21)に対し、開閉器22を動作させるための指示情報などを送信する。普通充電器20は受信した指示情報に基づき、単位充電時間に亘って開閉器22を閉状態にすることで、単相交流を車載充電器43へ供給する。そして、車載充電器43は、単相交流が供給されている期間に亘って駆動用バッテリー44の充電を行う。
充電処理において、この充電システムでは、後述する具体例のように、単位充電量の充電動作(単位充電動作)が各駆動用バッテリー44に対して繰り返し行われるように、普通充電器20を制御する。すなわち、普通充電器20の開閉器22を単位充電量に対応する単位充電時間に亘って閉状態にすることで、車載充電器43による駆動用バッテリー44の充電を繰り返し行わせている。このため、管理側制御部11は、充電制御パターンにおける制御の切換時点(断面)が到来する毎に、動作対象となる普通充電器20に対して、開閉器22用の動作指示情報を送信する。
この充電処理は、全ての駆動用バッテリー44の充電が終了するまで継続して行われる(S8)。そして、新たな普通充電器20が選択されるまでは、決定された充電制御パターンで充電を行う(S9)。一方、新たな普通充電器20が追加で選択された場合には、ステップS2に戻って必要情報の取り込み以降の処理を繰り返し行う。この場合、充電途中の駆動用バッテリー44については、既に充電が行われた分を差し引いた形での処理が行われる。なお、全ての駆動用バッテリー44の充電が終了した場合には(S8)、ステップS1に戻って普通充電器20が選択されるまで待機する。
次に、図9のフローチャートを参照して、管理側制御部11による充電制御決定処理の詳細について説明する。
この充電制御決定処理では、対象の普通充電器20のうち、識別番号が最も若いものを選択する(S11)。ここで、識別番号がアルファベットで構成されている場合にはアルファベット順の最も若いものが選択され、識別番号が順序数で構成されている場合には最も小さな数字が付されたものが選択される。
次に、選択された普通充電器20に関して予想総充電量が算出される(S12)。本実施形態において、この予想総充電量は、次式(1)によって算出される。
予想総充電量=バッテリー総容量×希望充電量(%)−電池残存容量 … (1)
予想総充電量が算出されたならば、充電完了予想時間が算出される(S13)。本実施形態において、この充電完了予想時間は、次式(2)によって算出される。なお、式(2)において、充電電圧値は単相交流の電圧値である。このため、この処理では管理側制御部11のメモリー14(充電電圧値記憶領域)から単相交流の電圧値が読み出される。
充電完了予想時間=予想総充電量÷AC/DC変換効率÷力率÷(充電電圧値×充電電流値) … (2)
次に、単位充電時間(一巡回充電間隔)が算出される(S14)。本実施形態において、この単位充電時間は、次式(3)によって算出され、1サイクルの巡回充電における充電時間を示す。なお、式(3)において、基準巡回充電時間は、1サイクルの巡回充電において基準となる充電時間であり、充電システムの管理者によって任意の時間に設定できる。また、基準充電電流値は、1サイクルの巡回充電において基準となる充電電流値(車載充電器43に流れ込む単相交流の電流値)であり、充電システムの管理者によって任意の値に設定できる。これらの基準巡回充電時間及び基準充電電流値は、1サイクルの巡回充電において駆動用バッテリー44に充電される充電量を平等にするために定められる。
単位充電時間=基準巡回充電時間×基準充電電流値÷充電電流値 … (3)
次に、充電緊急度が算出される(S15)。前述したように、充電緊急度は、充電の優先度を定めるための指標であり、本実施形態では次式(4)によって算出される。すなわち、充電緊急度が大きいほど、ユーザーの希望充電時間よりも長い時間に亘って充電をしなければならないことを意味している。
充電緊急度=予想完了時間÷希望完了時間 … (4)
充電緊急度を算出したならば、ステップS12からS15までの各算出処理が、全ての普通充電器20に対して行われたか否かが判断される(S16)。ここで、算出処理が行われていない普通充電器20があった場合には、次に識別情報の若い普通充電器20が選択され(S17)、この普通充電器20に対する各算出処理(S12−S15)が行われる。
一方、各算出処理が、全ての普通充電器20に対して行われた場合には、充電緊急度の高い順に普通充電器20の優先順位が並べ替えられる(S18)。この処理は、ステップS15で算出された充電緊急度に基づいて行われる。
次に、対象断面の設定が行われる(S19)。ここで断面とは、充電制御パターンにおける制御の切換時点であり、各普通充電器20で充電に使用できる電流値の合計上限値を超えているか否かの判断タイミングに相当する。前述したように、この断面としては、普通充電器20毎の充電開始時点、充電終了時点がある。また、合計上限値を規定する時間帯同士の境界も断面に該当する。従って、充電の開始時点が1番目の断面になる。このため、ステップS18から移行してきた場合には、充電の開始時点(具体例における時刻t0)が対象断面として設定される。
対象断面を設定したならば、対象断面における制約条件を満足するか否かが判断される(S20)。ここでは、優先順位(充電緊急度)の高い順に充電電流値が積算される。そして、全ての普通充電器20についての積算値が、対象断面における上限電流値以下である場合に、制約条件を満足すると判断される。
ここで、制約条件を満足している場合には、その断面における充電制御パターンが決定される(S21)。一方、制約条件を満足していない場合には、優先順位の低い普通充電器20や単位充電回数(巡回充電回数)の多い普通充電器20を順に待機状態にし(S22)、充電電流の積算値を上限電流値以下にすることで、その断面における充電制御パターンが決定される(S21)。
この様にして対象断面の充電制御パターンが決定されたならば、全ての対象断面について充電制御パターンが決定されたか否かが判断される(S23)。ここで、充電制御パターンが決定されていない断面があった場合には、その断面を対象断面に設定し(S19)、前述の処理を繰り返し行う(S20〜S22)。
この設定処理において、管理側制御部11は、ある普通充電器20による1サイクル分の充電(単位充電)の終了時点で、その普通充電器20を待機状態に設定する。また、単位充電回数が他の普通充電器20よりも多い普通充電器20については、その優先順位を一時的に低く設定する。このような設定を行うことで、特定の駆動用バッテリー44が連続して充電されてしまう不具合を抑制している。なお、この設定処理については、具体例に基づいて説明する。
全ての断面について充電制御パターンが決定されたならば(S23)、全ての普通充電器20について充電要望を満足しているか否かが判断される(S24)。ここで、希望する充電量を希望する時間内に充電できる場合、充電要望を満足していると判断される。一方、希望する充電量を充電するに際して希望する時間を超えてしまう場合、充電要望を満足していないと判断される。
そして、充電要望を満足していると判断された場合には、要望達成見込みである旨の報知データが作成される(S25)。この報知データはステップS7の結果通知で表示される。一方、充電要望を満足していないと判断された場合には、要望不達成である旨の報知データが作成される(S26)。この報知データもまたステップS7の結果通知で表示される。これらの報知データ作成処理を行ったならば、充電制御決定処理(S6)を終了し、メインフローチャートに復帰する。
以上の充電制御決定処理について、図10(a)〜図13(d)の具体例に基づいて詳しく説明する。これらの図において、横軸は時間であり、縦軸は電流値である。また、階段状に描かれている点線は、時間帯毎の合計上限値(普通充電器20の全体で使用可能な商用系統50側の電流値)である。この具体例では、時刻t0−t1,時刻t1−t2,時刻t2−t3,時刻t3−t4,時刻t4−からなる5つの時間帯が描かれている。
また、この具体例では、5台の普通充電器20で充電を行っており、各普通充電器20による充電量を、符号NC1〜NC5を付して示している。ここで、充電量NC1〜NC5に関し、優先順位の高い順に符号NC1,NC2,NC3,NC4,NC5を付している。また、充電量を示す矩形状図形に関し、面積(充電量)は等しく、縦横比は相違している。これは、各駆動用バッテリー44を平等に充電する観点から、1サイクルの充電量NC1〜NC5を揃えていることによる。
すなわち、各電気自動車40の車載充電器43は、それぞれに固有の充電電流値が設定されている。この充電電流値に応じて、矩形状図形における縦軸の大きさ(商用系統50から普通充電器20に流れ込む個別電流値)が定まるので、1サイクルの充電量を揃えた場合、充電電流値が相対的に大きいと1サイクルの充電動作(単位充電動作)は相対的に短時間で終了し、充電電流値が相対的に小さいと単位充電動作は相対的に長時間を要する。このため、充電電流値が相対的に大きい車載充電器43に接続された普通充電器20では縦長の矩形状図形になり、充電電流値が相対的に小さい車載充電器43に接続された普通充電器20では横長の矩形状図形になる。
以下、充電制御パターンの決定手順について説明する。
図10(a)に示すように、まず管理側制御装置は、時刻t0を始点(開始断面)にして優先順位の高い充電量NC1から順に合計上限値を超えない範囲で充電量を積算する。この例では、時間帯t0−t1の合計上限値が電流値I1であり、充電量NC1〜NC4までを合計した電流値(縦軸の合計)が電流値I1を超えてしまうため、充電量NC1〜NC3までが開始断面における充電対象として決定される。これらの中で1サイクルの充電が最初に終了するものは充電量NC2である。このため、充電量NC2の充電完了時刻である時刻t0aが次の断面に設定される。
次いで図10(b)に示すように、次断面である時刻t0aにおける充電制御パターンが決定される。ここでは、待機状態にある充電量NC2,NC4,NC5のうち、単位充電回数が他よりも多い充電量NC2の優先順位が最下位になり、最も優先順位の高い充電量NC4の電流値が積算される。そして、充電量NC1,NC3,NC4の積算電流量が電流値I1よりも低いので、制約条件を満たすと判断される。次いで、充電量NC2よりも優先順位の高い充電量NC5も積算されるが、積算電流値が電流値I1よりも高くなるため、制約条件を満たさないとして待機状態とされる。以上より、充電量NC1,NC3,NC4がこの断面における充電対象として決定される。そして、これらの中で1サイクルの充電が最初に終了するものは充電量NC1である。このため、充電量NC1の充電完了時刻である時刻t0bが次の断面に設定される。
次いで図10(c)に示すように、時刻t0bにおける充電制御パターンが決定される。ここでは、充電量NC1,NC2が待機状態にあるが、両者とも単位充電回数が同じであるので、もともとの優先順位の高い充電量NC1が積算対象になる。しかし、積算電流値が電流値I1よりも高いので待機状態が維持される。そして、合計上限値が電流I2に切り替わる時刻t1が次の断面に設定される。
次いで図10(d)に示すように、時刻t1における充電制御パターンが決定される。ここでは、時間帯t1−t2の合計上限値が電流値I2であり、NC1〜NC5の積算電流値よりも高いので、全ての充電量NC〜NC5が充電対象に設定される。そして、充電量NC4の充電終了時刻t1aが次の断面に設定される。
次いで図11(a)に示すように、時刻t1aにおける充電制御パターンが決定される。この時刻t1aでは、1サイクルの充電が完了した充電量NC4が積算されるが、電流値I2はNC1〜NC5の積算電流値よりも高いため、充電量NC4も充電対象に設定される。この場合、充電は継続して行われることになる。そして、充電量NC3の充電終了時刻t1bが次の断面に設定される。
以後は、同様な手順で、断面が到来する毎に充電制御パターンが設定される。要点を説明すると、時間帯t1−t2においては、合計上限値が電流値I2であり、充電量NC1〜NC5の積算電流値よりも高いため、単位充電回数の差に起因して優先順位が入れ代わるが、充電量NC1〜NC5の全てが充電対象となる(図11(b)−図12(b))。
時刻t1gで1サイクルの充電が完了した充電量NC4は、他のものが充電中であることから引き続き充電対象として選択される。ここで、時間帯t2−t3では合計上限値が電流値I3に下がるため、充電量NC4を充電してしまうと、時刻t2以降において制約条件をみたさない。そこで、充電量NC4については、時刻t1gから時刻t2までの時間帯においてのみ充電を行い、時刻t2以降は待機状態にする(図12(c),(d))。
ところで、充電量NC4に関し、対応する車載充電器43の充電電流値が他の車載充電器43の充電電流値よりも高いことから、他の充電量に比べて単位充電回数が多い。例えば、時刻t0から時刻t2までの時間帯において、充電量NC4による単位充電回数は3回に設定されている。これに対し、充電量NC1,2による単位充電回数は2回に設定され、充電量NC3,5による単位充電回数は1回に設定されている。
そこで、管理側制御部11は、充電量NC4については、他の充電量1〜3,5よりも優先順位を下げて、他の充電量の充電を優先させる(図13(a)−(d))。具体的には、断面が到来する毎に、管理側制御部11が単位充電回数カウンタ(図3(b)を参照)の値を参照し、カウント値の少ない充電量については、カウント値の多い充電量よりも優先するように優先順位を変更する。
以上説明したように、本実施形態の充電システムでは、集中管理装置10(充電制御装置)に管理側カードリーダ17(情報取得部)を設けて駆動用バッテリー44の総容量、残存容量、充電電流値の各情報を取得しているので、情報入力の手間を省力化でき、ユーザーに対する利便性を向上させることができる。
また、この充電システムでは、管理側カードリーダ17(情報読出し部)を用いて、可搬性の情報記憶カードCRDから情報を読み出しているので、情報の転送が容易である。
また、この充電システムでは、時間帯毎の合計上限値(上限電流値)がメモリー14に記憶されており、駆動用バッテリー44の充電に使用する充電電流値(個別電流値)と駆動用バッテリー44に対する希望充電量とから単位充電量の充電に要する単に充電時間を取得し、駆動用バッテリー44に対する1回の単位充電動作に必要な単相交流側の単位電流値の合計を時系列で求め、断面毎に合計上限値と比較し、充電の許否(単相交流の供給/非供給)を定めるので、時間帯毎の負荷変動を考慮した効率のよい充電制御を実現できる。
また、この充電システムでは、普通充電器20毎の優先順位を管理側制御部11のメモリー14に記憶させておき、優先順位の高い順に単位電流値を積算し、合計電流値が合計上限値を超えた際の最後の普通充電器20を待機状態にするとともに、それより前の普通充電器20について単位充電動作を行わせているので、優先順位の高い普通充電器20によって駆動用バッテリー44が優先的に充電され、ユーザーの要望を反映させた充電制御が実現できる。
また、この充電システムにおいて管理側制御部11は、単位充電回数が相対的に少ない駆動用バッテリー44と相対的に多い駆動用バッテリー44が混在する場合に、充電回数が相対的に少ない駆動用バッテリー44が、充電回数が相対的に多い駆動用バッテリー44よりも優先して充電されるように、優先順位を変更しているので、特定の駆動用バッテリー44が連続して充電されてしまう不具合を抑制できる。
また、この充電システムにおいて優先順位は、予想充電完了時間の希望完了時間に対する比率が大きいほど高い順位に定められているので、充電制御パターンをユーザーの希望に近付けることができる。
以上の実施形態の説明は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に本発明にはその等価物が含まれる。例えば、次のように構成してもよい。
図14に示す他の実施形態では、情報の送受を無線通信で行っている点が、前述の第1実施形態と相違している。すなわち、管理側カードリーダ17に代えて管理側送受信機17´(無線情報受信部)を、車両側カードライタ49に代えて車両側送受信機49´(無線情報送信部)をそれぞれ設けている。さらに、充電プラグPLGには、普通充電インレット42Aへの装着を検知するプラグ側スイッチSW1を設け、普通充電インレット42Aには充電プラグPLGが装着されたことを検知する車両側スイッチSW2を設けている。そして、プラグ側スイッチSW1の検知信号を、信号線及び充電側制御部21を介して管理側制御部11に入力し、車両側スイッチSW2の検知信号を、信号線を介して車両側制御部41に入力している。
この充電システムでは、充電プラグPLGが普通充電インレット42Aへ装着されると、普通充電器20から集中管理装置10に対して、プラグ側スイッチSW1に基づく装着検知信号が送信され、管理側制御部11は、充電プラグPLGが装着されたことを認識する。同様に、車両側スイッチSW2に基づく装着検知信号が車両側制御部41へ送信されるので、車両側制御部41もまた、充電プラグPLGが装着されたことを認識する。これに伴い、車両側制御部41は、車両側送受信機49´を制御し、駆動用バッテリー44の総容量、残存容量、充電電流値の各情報を送信可能な状態に移行させる。また、管理側制御部11は、管理側送受信機17´を制御し、各情報を受信可能な状態に移行させる。
このように構成することで、図8のフローチャートにおけるステップS1の選択有無判断、ステップS9の選択有無判断、及び、ステップS2の必要情報取り込み処理を、充電プラグの装着という充電時の必須動作に連動して行うことができる。また、情報の送受信が無線通信で行われているため、情報記憶カードCRDを介さずに必要な情報を電気自動車40から集中管理装置へと容易に転送することができる。
なお、前述の実施形態では、メモリー14のAC/DC変換効率記憶領域に、車両充電器43におけるAC/DC変換効率の標準的な値が記憶されていたが、このAC/DC変換効率についても、車両側制御部41から管理側制御部11へと送信するようにしてもよい。この場合、その車載充電器43のAC/DC変換効率を記憶するAC/DC変換効率記憶領域をメモリー62に設ける。
また、前述の各実施形態では、電動車両として電気自動車40を例示したが、プラグインハイブリッド車や工事用車両などの、車載充電器を備えた電動車両であれば同様に充電できる。
また、充電電流値については、電動車両からデータとして取得する他、規定時間に亘って単相交流を車載充電器43へ試験的に印加し、その際の電力量を取得することで、その都度求めてもよい。