JPH05227603A - 電気自動車のバッテリー管理システム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 車に搭載されるバッテリーの充電を効率よく
でき、電力エネルギーの損失を防止し、電力の平準化の
要請に対応できる電気自動車のバッテリー管理システム
を提供する。 【構成】 車の動力としてバッテリーを搭載した電気自
動車において、運転時の放電や自己放電等のバッテリー
情報検出手段と、運転時の放電や自己放電等の自動車搭
載時のバッテリー情報と充電状況に関する情報と種類や
特性等のバッテリー固有情報とを記録する携帯可能な記
録媒体１４と、該記録媒体１４の情報を読む手段と前記
バッテリー情報検出手段で検出した情報を記録媒体１４
に書き込む手段とを備えた記録媒体読み取り書き込み装
置と、該記録媒体１４に記録された情報からバッテリー
残量等を算出するバッテリー解析手段１５とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、電気自動車に搭載され
るバッテリーに関連ある情報をデータベース化し、バッ
テリーの使用状況から適切な充電等を行うために車側で
全情報を記録媒体に記録し、残量等を算出し、表示し、
診断は充電器側で行う電気自動車のバッテリー管理シス
テムに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】今日、環境問題、またこれにリンクした
エネルギー問題から、バッテリーを搭載し電気を動力源
とする電気自動車が注目されており、積極的な導入が検
討されている。今後、電気自動車が普及した場合には、
従来のガソリン、ジーゼル自動車の給油とは異なり、バ
ッテリーの充電（更新）に関することが大きな問題とな
る。すなわち、車に搭載されるバッテリーに応じていか
に充電していくか（バッテリー特性上の問題）、またど
のようにバッテリーに電力を供給していくか（電力供給
上の問題）、さらにどのような電力供給のサービスステ
ーションを設置していくか（サービスステーションの整
備上の問題）等の諸問題に対応していく必要がある。

【０００３】（１）バッテリー特性上の問題： 電気自
動車用のバッテリーとしては、種々のものが使用されて
いるが、代表的なものとしては、鉛電池、ニッケル・カ
ドミウム電池、ニッケル・亜鉛電池、ナトリウム・硫黄
電池等が知られている。これらの電池は、それぞれの種
類ごとに、充電方法、放電深度、温度特性、自己放電特
性、バッテリー寿命、バッテリー間のバラツキ等、バッ
テリー特性に影響を及ぼす要因が多い。例えば、充電方
法としては、急速充電か長時間充電か、定電流充電か定
電圧充電か、さらに充電量はどの程度かが問題になる。
温度特性は、充電量が温度によって影響されることであ
り、バッテリーの種類に応じて、例えば、図４に示すよ
うに、ニッケル・カドミウム電池の−１０℃での容量低
下率は、１０％未満になるが、鉛電池のそれは約２５％
にも達してしまうことが知られている。また、自己放電
特性とは、使用しないで放置したときに自己放電により
容量が低下する割合のことで、図５に示すように、放置
しないときの５時間率容量を１００％として、ニッケル
・カドミウム電池を３０日間放置すると、容量は約８０
％まで低下するが、鉛電池では９０％を越える容量が残
っていることが知られている。さらに、寿命としては、
ニッケル・カドミウム電池では、図６に示すように、容
量が８０％に低下するまでに約１６００サイクルの充放
電が可能であるが、鉛電池では、図７に示すように、約
６００サイクルであることが知られている。

【０００４】（２）電力供給上の問題： バッテリーへ
の電力供給は、電力供給のピークが生じる昼間より、夜
間の深夜電力を利用できるようにすることが、電力平準
化の立場から望ましい。また、上記のバッテリー特性上
の問題とともに、効率よい充電により無駄な電力使用を
防止する必要がある。

【０００５】（３）サービスステーションの整備上の問
題： 電気自動車が普及するためには、適切な場所に電
力供給できるサービスステーション（充電スタンド）を
設置することが大切であるとともに、各種のバッテリー
と充電経歴に対応して適切な充電ができる設備が必要と
される。また、充電経歴はどこでも取出すことができる
ことが必要であり、さらに、深夜電力を利用できる充電
スタンドでは、無人化しても商取引きの安全が図れるこ
とが必要とされる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】以上のように、今後電
気自動車が普及していくために上記の諸問題に対応して
いく必要があるが、そのためには、バッテリー固有の特
性を知るだけでは十分でなく、個々の充放電状態等の過
去の経歴を知らなければならない。例えば、バッテリー
の種類に応じて標準的な寿命があるが、上記の各種バッ
テリー特性上の要因で寿命が個々に異なり、寿命に近く
なると充電しても熱に変わったり、すぐに放電してしま
ったりして効率が悪く、電力供給者のみならず電力使用
者の立場からも電力エネルギーの損失が生じる。すなわ
ち、電気自動車のバッテリーを適切に効率よく充電する
とともに、商取引の安全を図っていくためには、バッテ
リーの種類、製造時期、充放電特性等の充放電経歴に関
係しないバッテリー固有の情報だけでなく、バッテリー
の充電電流、充電電圧、充電量等の充電状態や充電回
数、また充電に影響する情報として外気温度、エンジン
ルーム温度、電解液温度等の温度情報、発進等の運行状
況に関する放電状態の情報が必要となり、これらのバッ
テリーに関する情報をいかにデータベース化していくか
が大切になる。

【０００７】そこで本発明は、車に搭載されるバッテリ
ーの充電を効率よくでき、電力エネルギーの損失を防止
し、電力の平準化の要請に対応できる電気自動車のバッ
テリー管理システムを提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の電気自動車のバッテリー管理システムは、
車の動力としてバッテリーを搭載した電気自動車におい
て、運転時の放電や自己放電等のバッテリー情報検出手
段と、運転時の放電や自己放電等の自動車搭載時のバッ
テリー情報と充電状況に関する情報と種類や特性等のバ
ッテリー固有情報とを記録する携帯可能な記録媒体と、
該記録媒体の情報を読む手段と前記バッテリー情報検出
手段で検出した情報を記録媒体に書き込む手段とを備え
た記録媒体読み取り書き込み装置と、該記録媒体に記録
された情報からバッテリー残量等を算出するバッテリー
解析手段とを備えたものである。

【０００９】

【作用】本発明によれば、充電時に車載側の記録媒体で
あるＩＣカード等を読み取り、診断を行う。残量は車側
で記録した量を表示するか、または充電器側で算出した
量を表示する。充電方法等の充電情報は、充電終了時に
ＩＣカードに書き込む。車側で運行時の放電事故放電情
報を書き込む。残量は車側で算出して表示する。従っ
て、その診断結果によりバッテリーの種類に応じて充電
を効率よくでき、電力エネルギーの損失が防止され、深
夜電力の利用によって電力の平準化の要請にも対応でき
る。

【００１０】

【実施例】以下、本発明を図示の一実施例により具体的
に説明する。図１は本発明実施例の構成を説明するブロ
ック図、図２は図１で示される構成をさらに具体化した
ブロック図、図３は本発明実施例の充電スタンドを説明
する図である。

【００１１】図１において、電気自動車のバッテリー管
理システムは、車の動力としてバッテリーを搭載した電
気自動車において、運転時の放電や自己放電等のバッテ
リー情報検出手段と、運転時の放電や自己放電等の自動
車搭載時のバッテリー情報入力手段１１と、充電時に充
電器側の充電状況に関する情報入力手段１２と、バッテ
リー購入店側または車側の種類や特性等のバッテリー固
有情報入力手段１３と、これら入力手段で入力した情報
を記録する携帯可能なＩＣカード等からなる記録媒体１
４と、この記録媒体１４の情報を読む手段と前記バッテ
リー情報検出手段で検出した情報を記録媒体１４に書き
込む手段とを備えた記録媒体読み取り書き込み装置と、
この記録媒体１４に記録された情報からバッテリー残量
等を算出するバッテリー解析手段１５と、このバッテリ
ー解析手段１５で解析した結果として残量（寿命、最適
充電方法）等を表示する表示手段１７とからなる構成さ
れる。

【００１２】図２において、バッテリーに関する運転情
報やバッテリー固有情報等を記録する携帯可能な記録媒
体１４としては、例えば、ＩＣカード２１が使用され
る。このＩＣカード２１は、バッテリーに関する過去の
運転情報の経歴等を記録する領域と、すでに車に対応し
て搭載されるバッテリー固有情報を記録する領域が設け
られている。バッテリー固有情報としては、例えば、バ
ッテリーの種類、製造時期、充放電特性等の過去の充電
状況等に関係しない情報であり、車に搭載されるときに
すでに記録されている情報である。なお、ＩＣカード２
１には、サービススタンドにおける充電時のキーとして
の役割、あるいは料金精算に使用される識別番号等も記
録されている。

【００１３】車側には、バッテリー２２、ＩＣカードリ
ーダ・ライタ２３、検出回路２４、車側表示部２５、及
び車に関する運転情報を検知する車センサー２６及びバ
ッテリー２２に関する使用時の情報を検知するバッテリ
ーセンサー２７等が搭載されている。このような車セン
サー２６は、車の各部に配置されており、例えば、充電
に影響する外気温度、エンジンルーム温度、また放電状
態を知るために車の発進の運行状態等の車に関する情報
を検知する。また、バッテリーセンサー２７は、バッテ
リーに関する過去の経歴を検知するセンサーであり、充
電時間や充電量等の充電状態、充電回数等のバッテリー
２２に関する運転時の情報を検知する。このようなセン
サー２６、２７からの信号は、検出回路２４を介して、
ＩＣカードリーダ・ライタ２３に入力され、ＩＣカード
２１に記録される。また、ＩＣカード２１に記録された
情報は、ＩＣカードリーダ・ライタ２３で必要時に読み
取られ、どの程度の充電量があるか等が運転者のために
車側表示部２５に表示される。なお、車側には、バッテ
リー２２へ外部から電気を供給する電線の接続口として
コンセント２８を備えている。

【００１４】充電のサービスステーション側では、急速
充電設備を備えており、一般の電力線等の電源部３０か
ら供給される電気を交流から直流に変換するダイオード
整流器等からなる交流・直流変換部３１と、変換された
直流の電圧や電流を制御する制御部３２及びその電力を
計測する電力計３３と、この制御部３２から供給される
電気を充電するバッテリ−３４と、制御部３２の出力と
バッテリー３４の出力とを比較して制御信号を制御部３
２へフィードバックする検出部３５と、バッテリー３４
の出力電圧を調整する電圧調整器３６及びその電力を計
測する電力計３７と、この電力計３７に接続される電力
の表示部３８と、この電力計３８に接続される充電器制
御部３９と、この充電器制御部３９との間で情報の送受
信を行うＩＣカードリーダ・ライタ４０と、このＩＣカ
ードリーダ・ライタ４０から出力される情報により電気
の充電料金等を精算する料金精算器４１等を備えてい
る。ＩＣカードリーダ・ライタ４０は、ＩＣカード２１
に記録されたバッテリー２２に関する情報を読み出し、
充電に関する診断結果を得るコンピュータソフトウェア
による解析手段を備えており、その診断結果が充電器制
御部３９に与えられる。充電器制御部３９は、ＩＣカー
ドリーダ・ライタ４０から与えられた診断結果に応じて
充電器側の充電開始や終了、充電電圧や電流等を制御す
る。そして、車側のバッテリ２２に充電を行うときに
は、充電器制御部３９の電力出力を電線等でコンセント
２８に接続する。

【００１５】図３において、４２は電力・電灯ケーブ
ル、４３は深夜電力ケーブル、４４はキューピクル、４
５は電圧調整器３６と電圧計３７に対応し、４６は交流
・直流変換とその電力を制御する充電器、４７は電力貯
蔵用のバッテリー、４８は表示部３８に対応する表示
計、４９はリール等により伸縮可能に設けられた充電用
ケーブル、５０はＩＣカードリーダ・ライタでありバッ
テリー診断を行う解析手段と料金精算器等を併せ備えて
いる。電気自動車５１に搭載されたバッテリーに充電す
るには、充電用ケーブル４９の先端に設けられたプラグ
５２を車側のコンセント２８に差し込むことで行う。

【００１６】上記構成のバッテリー管理システムでは、
車側に設けられた各種センサー２６、２７により車載バ
ッテリー２２に関する必要情報が検知され、検出回路２
４を介して、ＩＣカードリーダ・ライタ２３に取り込ま
れ、ＩＣカード２１の運転状況の記憶領域に経歴情報と
して記録される。この記録された情報は、車側のＩＣカ
ードリーダ・ライタ２３で必要時に読み取られ、車側表
示部２５に表示される。これにより、運転者は、バッテ
リ２２の充電量（残容量）や寿命等を知ることができ
る。バッテリ２２に充電する時には、運転状況に関する
情報、バッテリー固有情報、及びキー情報や識別番号が
記録されたＩＣカード２１を充電スタンド側に設置され
たＩＣカードリーダ・ライタ４０で読み取る。これによ
り、充電スタンド側は、キー情報や識別番号により充電
対象の車の特定ができると同時に、運転状況に関する情
報とバッテリー固有情報により、バッテリーの放電状
況、放電状態、充電回数、バッテリー種類、充放電特性
等を知ることで、ＩＣカードリーダ・ライタ４０に備え
る解析手段１９によりバッテリーの診断が可能になり、
最も適切な充電をすることができる。すなわち、充電器
制御部３９は、キー情報や識別番号により充電の開始を
制御し、また解析結果は電圧調整器３６等にフィードバ
ックし、適切な電圧と電流に制御して充電を行う。ま
た、充電の情報は、充電器制御部３９からＩＣカードリ
ーダ・ライタ４０で読み取られ、充電条件や充電時間等
が再びＩＣカード２１に書き込まれる。充電時間等の情
報は、ＩＣカードリーダ・ライタ４０から料金精算器４
１に出力され、ここで必要な料金が計算される。従っ
て、バッテリーの充電に関わる必要情報をＩＣカード２
１を用いてデータベース化でき、車に搭載されるバッテ
リーの充電を効率よくでき、エネルギーの損失を防止す
ることが可能になる。また、ＩＣカード２１にキー情報
等を記憶することで、例えば、ＩＣカード２１を挿入し
ないとケーブルの扉が開かないようにし、充電状況が自
動的に記録できるようにでき、充電スタンドにおけるキ
ーとしての役目を持たることができる。このことで、夜
間においても充電スタンドで深夜電力を有効に利用する
ことが可能になり、電力の平準化の要請に対応すること
が可能になる。さらに、電気料金の精算もカード処理が
できるようになる。

【００１７】なお、上記実施例においては、ＩＣカード
２１を用いてバッテリーに関する情報をデータベース化
した例を説明したが、車に搭載でき情報の記録ができる
記録媒体であれば、例えば、磁気記録媒体であってもよ
い。

【００１８】また、バッテリー診断を行うバッテリー解
析手段は、バッテリーの種類等に応じた種々の解析がで
きる。

【００１９】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、充
電時に車載側の記録媒体であるＩＣカード等を読み取
り、診断を行う。残量は車側で記録した量を表示する
か、または充電器側で算出した量を表示する。充電方法
等の充電情報は、充電終了時にＩＣカードに書き込む。
車側で運行時の放電事故放電情報を書き込む。残量は車
側で算出して表示する。従って、その診断結果によりバ
ッテリーの種類に応じて充電を効率よくでき、電力エネ
ルギーの損失が防止され、深夜電力の利用によって電力
の平準化の要請にも対応できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明実施例の構成を説明するブロック図であ
る。

【図２】図１で示される構成をさらに具体化したブロッ
ク図である。

【図３】本発明実施例の充電スタンドを説明する図であ
る。

【図４】従来のバッテリーの種類による温度特性を比較
する図である。

【図５】従来のバッテリーの種類による自己放電特性を
比較する図である。

【図６】従来のニッケル・カドミウム電池の寿命を示す
図である。

【図７】従来の鉛電池の寿命を示す図である。

【符号の説明】

１１ 自動車搭載時バッテリー情報入力手段 １２ 充電時バッテリー情報入力手段 １３ バッテリー固有情報入力手段 １４ 携帯記録媒体 １５ バッテリー解析手段 １６ 表示手段 ２１ ＩＣカード ２２ 車載バッテリー ２３ ＩＣカードリーダ・ライタ ２４ 検出回路 ２５ 車側表示部 ２６、２７ センサー ３０ 電源部 ３１ 交流・直流変換部 ３３ 電力計 ３４ バッテリー ３５ 検出部 ３６ 電圧調整器 ３７ 電力計 ３８ 表示部 ３９ 充電器制御部 ４０ ＩＣカードリーダ・ライタ ４１ 料金精算器

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 車の動力としてバッテリーを搭載した電
   気自動車において、運転時の放電や自己放電等のバッテ
   リー情報検出手段と、運転時の放電や自己放電等の自動
   車搭載時のバッテリー情報と充電状況に関する情報と種
   類や特性等のバッテリー固有情報とを記録する携帯可能
   な記録媒体と、該記録媒体の情報を読む手段と前記バッ
   テリー情報検出手段で検出した情報を記録媒体に書き込
   む手段とを備えた記録媒体読み取り書き込み装置と、該
   記録媒体に記録された情報からバッテリー残量等を算出
   するバッテリー解析手段とを備えた電気自動車のバッテ
   リー管理システム。