JP5524023B2 - ホース端部に口元部材を形成一体化したホースの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は可撓性ホースの端部に口元部材を接続した接続構造、および可撓性ホース本体と口元部材が一体化されたホースの製造方法に関する。特に電気掃除機や配水管などに用いられる可撓性ホースの端部を口元部材に一体に接続する接続構造であって、合成樹脂の射出成形を利用した可撓性ホース端部接続構造やホースの製造方法に関する。
可撓性ホースは、電気掃除機や吸引器具や排水設備などの多様な用途に使用されている。可撓性ホースのホース本体端部に口元部材を一体化しておくと、口元部材を利用したホースの接続操作が可能となり、便利である。近年、可撓性ホースと口元部材の一体化技術において、いわゆるオーバーモールド成形あるいはインサート成形と呼ばれる技術により、可撓性ホースのホース本体端部に既製の口元部材を挿入して、ホース端部と口元部材を射出成形金型内部に導入して樹脂の射出成形を行い、射出された樹脂により、ホース本体端部と口元部材とを一体化する技術が利用されている。
例えば、特許文献1には、波付管を透明な接続用ソケット(口元部材)の差し口に嵌合し、接続ソケットの外周と波付管の外周にまたがって合成樹脂製の固定リングを射出成形によって抜け止め状態に形成して、両者を嵌合固着させる技術が開示されている。本技術によれば、固定リングが抜け止め状態に形成されることによって、波付管端部が接続用ソケットに容易に一体化され、コンパクトな接続部が実現できることが開示されている。
また、特許文献2には、螺旋状の凹凸条を有する可撓性ホースに対して上記オーバーモールド成形技術を適用するにあたり、口元部材をインナ部材とアウタ部材で構成して、アウタ部材にホースの凹凸条と螺合する螺旋状の突条を設け、アウタ部材の回転操作によりホース本体端部の軸方向位置を調整して射出成形に供する技術が開示されている。この技術によれば、ホース端部とインナ部材の間に隙間が生ずることを未然に防止でき、射出成形工程において射出された樹脂がホース内部に漏れ出してしまう不具合が未然防止されることが開示されている。
特開2002−357292号公報 特開2009−250273号公報
上記公知文献に開示された技術はホース本体と既製の口元部材とを樹脂の射出成形を利用して一体化する技術であるが、発明者らは、ホース本体端部を射出成形金型内部に導入して、ホース本体端部に口元部材を直接形成一体化する技術も検討している。この技術によれば、よりコンパクトで製造効率に優れるホース端部接続構造が得られる。
このような口元部材と可撓性ホース端部とが接続される部分においては、ホースの用途に応じた接続強度や気密性、液密性などが要求されている。これら要求を満たすためには、ホース端部が射出成形された樹脂により覆われる領域を大きく(ホース軸方向に長く)取る必要がある。特に、ホースに設けられる凹凸条が螺旋状に設けられる場合には、少なくとも螺旋の1ピッチを完全に含む程度にその領域を設けないと、強度や気密性が不十分となりやすい。
一方で、口元部材と可撓性ホース端部の接続部においては、そのコンパクト化が求められている。これは、ホース端部が射出成形された樹脂により覆われる領域では、可撓性ホースの可撓性が失われるため、ホースの口元部分での可撓性部分が少なくなってしまうこと、および、可撓性ホースを利用する製品のデザイン上の要求に起因している。
したがって、本発明の目的は、コンパクトでありながら、強度や気密性または液密性を備える可撓性ホースと口元部材の接続構造、及びその接続構造によりホース本体と口元部材が接続一体化されたホースの製造方法を提供することにある。
発明者は、鋭意検討の結果、ホース本体の端部をホース軸方向に圧縮した状態で、射出成形を利用して口元部材に一体化すると、接続部をコンパクトにしながら所期の接続強度や気密性もしくは液密性を発揮しうることを知見し、本発明を完成させた。
本発明は、外周面に螺旋状もしくはリング状の突条を有するホース本体の端部を、少なくともホース本体端部の外周面を覆うような形状に射出成形されてホース本体に一体化される口元部材に接続したホース端部接続構造に関連する。そして、本発明は、口元部材によって覆われるホース本体端部での突条の間隔が、ホース本体の無負荷状態の突条の間隔よりも小さくなるように、ホース本体端部をホース軸方向に圧縮した状態で口元部材に接続したホース端部接続構造に関連した、ホースの製造方法である。
前記ホース端部接続構造においては、ホース本体は適度な可撓性を有し、その外周面に突条が設けられた形態のものであれば特に限定されるものではない。突条は、単条あるいは複数条の螺旋状の突条であっても良く、複数のリング状(円環状)の突条がホース長さ方向に所定の間隔で連設された形態の突条であっても良い。
また、前記ホース端部接続構造において、口元部材とは、可撓性ホース本体の端部に接合一体化されるパイプ状部分を含む部材をいう。口元部材は、少なくともその一部がホース本体端部の外周面を覆うような円環状形状に射出成形により形成され、その部分がホース本体に一体化される部材である。口元部材は、上記射出成形工程により口元部材全体が形成されるものであっても良いし、上記射出成形工程とは別にあらかじめ形成しておいた部材を上記射出成形工程を通じて口元部材に一体に含ませるように構成されるものであっても良い。
さらに、前記ホース端部接続構造において、ホース本体がホース壁内周面に螺旋状の凹溝を有するホースとされて、口元部材に覆われるホース本体端部においてはホース端部が軸方向に圧縮されて前記凹溝が閉塞されることが好ましい
本発明は、ホース本体端部に樹脂の射出成形によって口元部材を形成一体化したホースの製造方法であって、外周面に螺旋状もしくはリング状の突条を有するホース本体の端部を、射出成形金型のコア型の外側にはめ込んで、両者を共に射出成形金型のキャビティ型内部に導入し、コア型に外嵌されるホース本体端部における突条の間隔が、ホース本体の無負荷状態の突条の間隔よりも小さくなるよう、ホース本体端部をホース軸方向に圧縮した状態としながら、金型を型締めして、圧縮状態にあるホース本体端部の外周面を覆うような円環状形状を少なくとも含むキャビティを形成し、キャビティ内部に液状の樹脂を射出し、さらに樹脂を固化させて口元部材を形成すると共に、ホース本体端部と口元部材を一体化させるホースの製造方法である(第発明)。
前記ホース端部接続構造によれば、ホース本体と口元部材の接続部の強度や気密性を犠牲にすることなく、接続部をコンパクトにできるという効果が得られる。即ち、強度や気密性を確保するために相当数のホース本体突条を覆うように口元部材を形成するようにしても、当該部位での突条の間隔が狭くなるように圧縮されているため、口元部材が覆う部分のホース軸方向の長さが短くできる。
さらに、前記ホース端部接続構造において、ホース内周面の凹溝が閉塞される程度にホース本体端部を圧縮した場合には、ホース本体内周面に凹溝が存在する場合であっても、口元部材を形成するために射出された樹脂が当該凹溝によってホース内部に漏れ出してしまう成形不良の発生を抑制できるという効果が得られる。
そして、本発明のホース製造方法によれば、ホース本体と口元部材とが前記ホース端部接続構造で接続一体化されたホースを効率的に製造することができる。
本発明に係るホースが使用された電気掃除機の外観を示す図である。 本発明の第1実施形態のホース端部接続構造を示す部分断面図である。 口元部材の形成一体化工程の例を示す断面図である。 本発明の第2実施形態のホース端部接続構造を示す部分断面図である。 本発明の第3実施形態のホース端部接続構造を示す部分断面図である。
以下図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。本発明は以下に示す個別の実施形態に限定されるものではなく、その形態を変更して実施することもできる。
第1の実施の形態においては、一例として電気掃除機の可撓性ホース接続部における実施の形態について説明する。図1は電気掃除機の全体の外観を示し、可撓性ホース2は、掃除機本体40に設けられた吸気口に接続管1を介してホース2の一端で接続され、ホース2の他端は手元操作部42に接続され、手元操作部42に連続して延長管43、続いて床用ノズル44が接続されて電気掃除機が構成されている。
本実施形態においては、接続管1が口元部材として可撓性ホースに一体化されている。以下、可撓性ホース2と接続管(口元部材)1の接続部について、本発明実施の形態を詳細に説明する。
図2は本実施形態におけるホース端部と口元部材の接続構造を示す部分断面図である。略円筒形状の口元部材1は、そのホース本体側の被覆部12が、可撓性ホース(ホース本体)2の端部2aの外周面を覆うように、ホース本体2に一体化されている。
ホース本体2は、合成樹脂製の可撓性ホースであり、少なくとも外周に螺旋状又はリング状の突条21、21を有するホースである。本実施形態においては、ホース本体2のホース壁は、螺旋状の凹凸条を有する蛇腹状に形成されていて、ホース壁の凹凸条がそのままホース外周面の突条21となっている。
このようなホースは、例えば、略S字状断面を有する樹脂条帯を螺旋状に捲回しながら、互いに隣接する条帯側縁部を接着一体化するいわゆるスパイラル法や、連続ブロー成形法によって製造することができる。
口元部材1は、ホース本体2の端部に、射出成形により形成され一体化されている。本実施形態においては、口元部材1は可撓性ホース本体端部2aを覆うように形成された円筒状の被覆部12と、電気掃除機本体に挿入されて接続される挿入部11とを有するように、全体が円筒状に形成されている。即ち、口元部材1は、被覆部12によってホース本体端部2aと接続一体化されており、挿入部11によって、図1における接続管1としての機能を果たす。
口元部材11は、後述する射出成形工程により、ホース本体端部2aに直接形成一体化される。口元部材の被覆部12は、ホース本体端部2aの外周を覆うような円環状に形成されると共に、その内周側では、ホース本体の突条によって形成される凹凸形状と、被覆部内周面とが互いにかみ合うようにされている。本実施形態においては、このかみ合いおよび、ホース本体外周面と口元部材被覆部12との溶着により、両者が強固に一体化されている。
口元部材の挿入部11は、その内周面がホース本体2の内周面とほぼ平滑に連続するような円筒状に形成されると共に、その外周面が、挿入部末端に向けて縮径するようなテーパ状とされている。挿入部11の形状は、相手側部材との接続に適するよう、適宜変更されうる。
さらに、口元部材被覆部12により覆われるホース本体端部の部分は、ホース軸方向(ホースの長さ方向)に圧縮された状態とされている。即ち、無負荷状態におけるホースの突条の間隔(ピッチ)p1よりも、口元部材被覆部12により覆われるホース本体端部の部分でのホースの突条の間隔(ピッチ)p2が小さくなるようにされている。
さらに、本実施形態においては、ホース本体2の内周面には、螺旋状の凹溝22が存在しているが、口元部材被覆部12により覆われるホース本体端部の部分においては、ホース本体が軸方向に圧縮される結果、該凹溝が潰れてほぼ閉塞した状態とされ、その状態でホース本体と口元部材が接続一体化されている。
ホース本体2を構成する軟質合成樹脂は特に限定されるものではないが、ホースの柔軟性が得られるような比較的軟質の熱可塑性樹脂が使用でき、特に、軟質塩化ビニル樹脂(PVC樹脂)、エチレン酢酸ビニル樹脂(EVA樹脂)、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、ポリプロピレン樹脂(PP)、などが例示できる。
口元部材1を構成する材料としては、比較的硬質の合成樹脂が使用でき、特に熱可塑性樹脂、例えば、ポリプロピレン樹脂(PP)やポリアミド樹脂(PA)、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂(ABS樹脂)などが好適に使用できるほか、ゴム材料などの熱硬化性樹脂材料やウレタン樹脂などの反応硬化性樹脂材料を使用することもできる。ホース本体2と口元部材1は後述するように射出成形により一体化するので、これら部材の材質は互いに接着性や相溶性が良好なものから選択することが好ましい。
上記実施形態に係る、ホース本体端部に口元部材を形成一体化する方法、即ち、口元部材がホース本体端部に一体化されたホースの製造方法について説明する。
ホース本体2は公知の工法などによりあらかじめ製造し、所定の長さに調整して、以下の樹脂射出成形による口元部材の形成一体化工程に供する。
樹脂の射出成形金型を準備する。代表的には、上下方向に型開き動作が可能な一対のキャビティ型31,32とホース端部に挿入されるコア型33とで構成される射出成形金型を用いる。この射出成形金型により、コア型がホース端部に挿入された状態で、キャビティ型内部にホース端部とコア型を導入して、型閉じして、樹脂を射出固化させて、口元部材を形成し、ホース本体端部に一体化する。
まず、図3(a)のように、ホース本体端部2aをコア型33に外挿する。この際、外挿される部分がホース長さ方向に圧縮された状態となるようにする。挿入部の圧縮状態が維持されやすいように、コア型33の外周面に係止用の小突起を設けたり、コア型挿入部外周面の直径をホース本体2の内周面直径よりもやや大きくしたりしておくことが好ましい。(図3(d)に描かれたコア型33を参照)
ホース本体端部2aとコア型33の圧縮挿入状態を維持しながら、両者をキャビティ型31,32の内部に導入し、キャビティ型を型閉じする(図3(b))。後述する第3実施形態のように、口元部材と一体化する部材が他にある場合には、この工程で金型内部の所定位置に導入しておく。なお、図3においては、金型部材及びホース本体は全てホース中心線に沿った断面で示している。
金型が閉じられることにより、ホース本体端部2aの外周面及び、コア型33、キャビティ型31,32によって、形成されるべき口元部材の形状と合致する円筒状形状のキャビティCが形成される(図3(c))。
金型に設けられたゲート(図示省略)から、溶融状態の液状の熱可塑性樹脂材料をキャビティ内部に射出して、口元部材を形成する。この際、射出された溶融樹脂の持つ熱量により、ホース本体端部の外周面を一部溶融させて、口元部材とホース本体端部を溶着一体化させることが好ましい。そして、樹脂を冷却して固化させ、口元部材を完成させる。口元部材を熱硬化性の樹脂や反応硬化性の樹脂で構成する場合には、適切な硬化条件により、射出した液状樹脂を固化させて口元部材を完成させればよい。
その後、型開きして、口元部材1が形成一体化されたホース本体2をコア型33とともにキャビティ型31,32から取り出す。そして、コア型33をホースから引き抜いて、口元部材1がホース本体端部に形成一体化されたホースが得られる(図3(d))。
上記実施形態のようにホース本体端部と口元部材を接続すれば、以下のような効果が得られる。まず、ホース本体端部2aを覆うように口元部材の被覆部12が射出成形により形成一体化されたので、ホース本体端部の突条によって生ずる凹凸に対応する形状に口元部材被覆部内周面が合致して形成され、両者が機械的に係合して、接続強度が十分に高められる。
そして、射出成形される被覆部12の内周面とホース端部2aの外周面とは、密着状態で両者が接合されることになって、十分な気密性や液密性が得られる。
十分な接続強度や気密性もしくは液密性を得るためには、口元部材被覆部12が、少なくともホース本体端部の突条の1回転分を覆うような長さに設けられることが好ましく、2ないし3回転分以上を覆うような長さに設けられることがより好ましい。
そして、上記実施形態のようにホース本体端部と口元部材を接続すれば、ホース本体端部2aをホース長さ方向に圧縮した状態で両者が接続されているので、口元部材被覆部12の長さを短くできる。すなわち、多くの回転数の突条を覆うように口元部材被覆部12を設けて接続強度や気密性を保ちながらも、ホース長さ方向にコンパクトに口元部材被覆部12を形成することができ、ホース本体の可撓性領域を長く取りつつ、口元部の省スペース化を図れる。
さらに、上記実施形態のようにホース本体端部を、ホース本体内周面の凹溝が潰れる程度に圧縮した状態として、ホース本体端部に口元部材を形成一体化するようにした場合には、ホース本体内周面の凹溝が螺旋状をなす場合であっても、当該凹溝を通じて射出された樹脂がホース内部に侵入してしまう成形不良を未然に防止することができる。
そして、上記実施形態のようにホース本体端部に口元部材を射出成形を利用して形成一体化すれば、口元部材の形成及び接合一体化の工程を効率的に行うことができる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の改変をして実施することができる。以下に本発明の他の実施形態について説明するが、以下の説明においては、上記実施形態と異なる部分を中心に説明し、同様である部分については同じ番号をつけると共にその説明を省略する。
上記実施形態では、口元部材被覆部12とホース本体端部2aとが互いに融着する形態について説明したが、口元部材とホース本体とは必ずしも融着しなければならないわけではなく、互いに接着されるものであっても良いし、密着するだけであってもよい。接合の強度や気密性もしくは液密性を高める観点からは、両者が互いに接着もしくは溶着されるように、ホース本体と口元部材の材料を選択することが好ましい。
図4にはホース本体を変更した第2の実施形態を示す。本実施形態においては、可撓性のホース本体5は、比較的軟質の樹脂材料により略平滑な円筒状に形成されたホース壁52の外周に、比較的硬質の樹脂材料からなる螺旋状の突条形状に設けられた硬質補強体51が添着一体化されて構成されている。
本実施形態においても、ホース本体5の端部5aは、ホース長さ方向に圧縮されて、端部5aにおける突条の間隔(ピッチ)p2が、ホース本体の非圧縮状態すなわち無負荷状態における突条の間隔(ピッチ)p1よりも小さくなるようにされおり、圧縮状態のホース端部5aが、射出成形により形成される口元部材1の被覆部12によって覆われるようにされて、ホース本体の端部5aに口元部材1が形成一体化されている。
本実施形態の接続構造を備えるホースもまた、第1実施形態と同様の製造工程により製造することができ、第1の実施形態と同じく、所定の接続強度や気密性などを有しながらもコンパクトな口元部を実現することができる。
本実施形態のように、可撓性の高いホース壁に硬質の補強体が添着一体化されたようなホース本体5に対して、本発明を適用し、口元部材1の形成一体化を行う場合には、射出成形のキャビティに対して液状の樹脂を供給するゲートを、口元部材の被覆部の外周面に相当する位置に設けるようにして、射出成形工程を行うことが特に好ましい。そのようにすれば、射出された樹脂の圧力によって、可撓性の高いホース壁が、ホース内側のコア型に向かって押し付けられるようになり、射出された樹脂がホース内部に漏れ出す成形不具合の発生が未然に防止又は抑制されるからである。
なお、第1及び第2の実施形態においては、ホース本体外周の突条が螺旋状に設けられた場合について説明したが、ホース本体外周面の突条は、螺旋状の突条に限定されず、複数のリングが並んで連設された形態であっても良い。そのようなホースとして、例えば、通常コンジット成形法と称されている連続ブロー成形法により製造されたものが使用できる。複数のリングが並んで連設された形態のホースをホース本体として使用すると、螺旋状のものよりも、ホース内周面側への射出樹脂の漏れ出しが抑制しやすくなって好ましい。
ホース本体端部において、ホース本体をホース長さ方向に圧縮する程度は必要に応じて調整可能であるが、前述したように、ホース本体内周面に螺旋状の凹溝がある場合には、凹溝が潰れて閉塞する程度に圧縮することが好ましい。ただしそれは必須ではない。また、ホースの圧縮の程度は、第1実施形態や第2実施形態に示したように、ホース本体外周に設けられた突条の間の凹部が完全に潰れてしまうことなく、射出された樹脂が入り込む程度の凹部がホース外周面側に残る程度とすることが、ホースと口元部材の接続強度の観点から好ましい。
ホース本体端部に形成され一体化される口元部材の形態にも種々の変更が可能である。口元部材は単純な円筒状形状に限定されるものではない。例えば、図1の電気掃除機の例で言えば、手元操作部42となる部材の一部を口元部材として形成一体化することも可能である。
また、射出成形によりホース本体に形成一体化される口元部材には、上述した口元部材の形成一体化に先立ってあらかじめ形成された他の部材を含ませることができる。そのような部材としては、例えば、図5に示すような、ホース端部の内周側に配置される円筒状のインナ部材61や、口元部材の最外周に配置されるようなアウタ部材62などを例示できる。この場合には、インナ部材61の外周面、ホース本体端部2aの外周面およびアウタ部材62の内周面を含んだ面によって、射出成形工程におけるキャビティが形成されて、キャビティに射出され固化した樹脂63と共にインナ部材61とアウタ部材62が一体化されて口元部材6となり、当該口元部材がホース本体端部2aに接続一体化される。
このような実施形態とした場合には、インナ部材61やアウタ部材62を利用してホース本体端部をホース長さ方向に圧縮して射出成形工程に供することが可能となり、射出成形金型を簡略なものとすることが可能となる。例えば、インナ部材にはホース本体内周に挿入される挿入円筒部611を設けると共に、インナ部材外周に円環状の係合部612を設けてホース本体端部の端面を係合部612に当接させる一方で、アウタ部材62には、ホース本体の突条と互いに係合可能な係号突条621を設けると共に、インナ部材の係合部612と係合可能に形成された係止部622を設け、ホース本体端部2aが圧縮された状態となるように、インナ部材の係合部612とアウタ部材の係止部622を係止させて射出成形工程に供するようにすれば良い。
射出成形工程において使用されうるコア型は、特に限定されるものではないが、以下のようなものとすることが好ましい。第1実施形態や第2実施形態のように、コア型33にホース本体端部を直接外挿して、射出成形工程に供する場合には、ホースの圧縮状態が適切に維持されるように、コア型の表面には、突起や突条などが形成されている、もしくは、コア型の外径がホース本体の内径よりも大径とされていることが好ましい。
また、ホース本体内周に凹溝がある場合には、凹溝を通じて射出した樹脂がホース内部に漏れ出さないように、コア型の表面に凹溝を閉塞可能な突起もしくは突条が設けられることが好ましい。
このほか、コア型33は、ホース端部の圧縮状態の維持および成形後のコア型の脱型が容易となるように、分割コア型とされたり可動部を有するコア型とされたりすることもある。例えば、コア型表面から出入り可能な爪部材などを設けて、爪部材を出した状態でホース本体端部を圧縮状態に維持しながら射出成形工程に供してホース本体端部に口元部材を形成一体化し、その後、爪部材を引っ込めてコア型をホースや口元部材から脱型するようにしても良い。
また、ホース本体端部と金型コア部材を射出成形金型(キャビティ型)内部に導入して、型締めを行う工程においては、金型のスライドなどを利用して、ホース本体端部をホース軸方向に圧縮するようにしても良い。従って、本発明においては、ホース端部をホース長さ方向に圧縮する工程は、必ずしもホース本体とコア型をキャビティ型内部に導入する前に行わなければならないわけではない。例えば、ホース端部が非圧縮の状態でホースとコア型をキャビティ型内部に導入し、スライド機構を利用して、型締め動作に先立ってあるいは型締め動作と同時並行的に、ホース本体端部が圧縮状態でコア型に外挿されるように金型を構成することもできる。
本発明が適用されうる可撓性ホースの用途には特に限定は無く、上記実施形態において示したような電気掃除機以外にも、排水ホースや、各種吸引ホースなどの可撓性ホース本体端部に口元部材を一体化する際に、本発明は広く利用できる。
本発明のホース端部接続構造や、そのようなホース端部構造を有するホース、およびそうしたホースの製造方法は、電気掃除機や排水ホースなどの可撓性ホースを口元部材に一体化する際に使用することができ、産業上の利用価値が高い。
1 口元部材(接続管)
11 挿入部
12 被覆部
2 ホース本体
2a ホース本体端部
21 突条
22 凹溝
3 射出成形金型
31、32 キャビティ型
33 コア型
5 ホース本体
51 硬質補強体(突条)
52 ホース壁
6 口元部材
61 インナ部材
62 アウタ部材
63 射出された樹脂により形成される部分

Claims (1)

  1. ホース本体端部に樹脂の射出成形によって口元部材を形成一体化したホースの製造方法であって、
    外周面に螺旋状もしくはリング状の突条を有するホース本体の端部を、射出成形金型のコア型の外側にはめ込んで、両者を共に射出成形金型のキャビティ型内部に導入し、
    コア型に外嵌されるホース本体端部における突条の間隔が、ホース本体の無負荷状態の突条の間隔よりも小さくなるよう、ホース本体端部をホース軸方向に圧縮した状態としながら、金型を型締めして、圧縮状態にあるホース本体端部の外周面を覆うような円環状形状を少なくとも含むキャビティを形成し、
    キャビティ内部に液状の樹脂を射出し、
    さらに樹脂を固化させて口元部材を形成すると共に、ホース本体端部と口元部材を一体化させるホースの製造方法。
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