JP5522675B2 - 電力線通信システム及びインバータユニット - Google Patents

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Description

本発明は、電力線通信システム及びインバータユニットに関し、特に、直流配電網が構築された建物等において電力線通信を行う場合に適用して有用なものである。
近年、電力線通信が一般家庭を中心に普及しつつある(例えば、特許文献1参照)。電力線通信は、既設の電力線を通信回線として利用するため、屋内に新たに通信用の配線を行うことなくLANを構築できるという利点を有する。特に、無線LANでは十分な通信速度が得られない又は通信できないという環境においては、電力線通信は有用な代替手段となる。
一方、一般家庭で用いられる負荷、例えば、電化製品の多くは交流電力を直流電力に変換して動作する。また、電源については、電気事業者から一般家庭に交流電力が供給される他に、ガス供給事業者からのガスで発電する燃料電池や、太陽光発電装置等の直流電源が一般家庭に導入され始めている。現状では、一般家庭の配電網は交流電力を供給するものであるので、上述した直流電源からの直流電力は交流電力に変換され、配電網を介して電化製品等に供給され、電化製品等においてはその交流電力は直流電力に変換されて使用される。
このように交流・直流の電力変換により電力の損失が生じるので、昨今では、直流電力を供給する配電網を一般家庭に構築することが試みられている。直流電力の配電網を構築すれば、直流・交流の変換による電力の損失を低減することができる。
しかしながら、直流配電網を通信線として用いて電力線通信を行おうとすると、通信を行えないという問題が生じる。なぜならば、電力線通信装置は、交流の電力線に適用されることが前提であるので、電力線通信装置はインバータを介して直流配電網に接続されることとなるが、電力線通信装置が送信する信号は、インバータで遮られて直流配電網に伝送されないからである。
特開2008−236355号公報
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、直流配電網において電力線通信を行うことができる電力線通信システム及びインバータユニットを提供することを目的とする。
上記目的を達成するための第1の態様は、直流電源又は直流負荷が接続される直流配電網と、前記直流配電網にインバータを介して接続された複数の電力線通信装置と、前記インバータと前記電力線通信装置との間の電力線同士を接続する共通導体と、前記共通導体に設けられて高周波信号を選択的に伝達する回路とを備えることを特徴とする電力線通信システムにある。
かかる第1の態様では、直流配電網にインバータを介して接続される電力線通信装置の相互間では、通信をすることができないという事態を回避し、共通導体を信号の伝送路として用いることで電力線通信装置間の高周波信号の通信を可能とすることができる。
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載する電力線通信システムにおいて、前記直流配電網が前記共通導体を兼ねていることを特徴とする電力線通信システムにある。
かかる第2の態様では、直流配電網を共通導体として用いる。すなわち、既設の直流配電網を用いて電力線通信を可能とすることができる。これにより、共通導体を新たに敷設する必要が無く、共通導体の敷設に係る手間やコストを低減することができる。
本発明の第3の態様は、第1又は第2の態様に記載する電力線通信システムにおいて、前記共通導体は、二本の導体であり、前記電力線は、前記インバータと前記電力線通信装置とを接続する二本の導体であり、前記電力線の各導体は、前記共通導体の各導体にそれぞれ接続されていることを特徴とする電力線通信システムにある。
かかる第3の態様では、各電力線通信装置との間の通信は、二本の導体からなる共通導体を用いたディファレンシャルモードでの通信形態となる。このため、ループ面積が小さくなり、周囲に対するノイズの影響を小さくすることができる。
本発明の第4の態様は、第1又は第2の態様に記載する電力線通信システムにおいて、前記電力線は、前記インバータと前記電力線通信装置とを接続する二本の導体であり、前記電力線の各導体のうち一本が、前記共通導体に接続されていることを特徴とする電力線通信システムにある。
かかる第4の態様では、各電力線通信装置との間の通信は、一本の導体からなる共通導体を用いればよいため、共通導体の配線を簡略化することができる。
本発明の第5の態様は、直流電源又は直流負荷が接続される直流配電網に電力線通信装置を接続するためのインバータユニットであって、前記電力線通信装置が接続される接続端子及び前記直流配電網に接続され、前記直流配電網の直流電力を交流電力に変換し、前記接続端子を介して前記電力線通信装置に交流電力を供給するインバータと、前記インバータと前記接続端子との間の電力線に接続されると共に他のインバータユニットにおけるインバータと接続端子との間の電力線に接続される共通導体と、前記共通導体に設けられて高周波信号を選択的に伝達する回路とを備えることを特徴とするインバータユニットにある。
かかる第5の態様では、直流配電網にインバータを介して接続される電力線通信装置の相互間では、通信をすることができないという事態を回避し、共通導体を信号の伝送路として用いることで電力線通信装置間の高周波信号の通信を可能とすることができる。
また、インバータユニットを直流配電網に設置するだけで、電力線通信装置による通信を可能とすることができるので、既存の電力線通信装置をそのまま使用することができ、新たな通信装置を導入してLANを構築するための費用が不要となる。さらに、インバータユニットの設置によっても直流配電網自体に施工する必要はないので、直流配電網におけるエネルギー変換による損失を低減できるという直流配電網のメリットを損なうことなく電力線通信装置による通信を実現できる。
本発明の第6の態様は、第5の態様に記載するインバータユニットにおいて、前記共通導体は、二本の導体であり、前記電力線は、前記インバータと前記接続端子とを接続する二本の導体であり、前記電力線の各導体は、前記共通導体の各導体にそれぞれ接続されていることを特徴とするインバータユニットにある。
かかる第6の態様では、各電力線通信装置との間の通信は、二本の導体からなる共通導体を用いたディファレンシャルモードでの通信形態となる。このため、ループ面積が小さくなり、周囲に対するノイズの影響を小さくすることができる。
本発明の第7の態様は、第5の態様に記載するインバータユニットにおいて、前記電力線は、前記インバータと前記接続端子とを接続する二本の導体であり、前記電力線の各導体のうち一本が、前記共通導体に接続されていることを特徴とするインバータユニットにある。
かかる第7の態様では、各電力線通信装置との間の通信は、一本の導体からなる共通導体を用いればよいため、共通導体の配線を簡略化することができる。
本発明によれば、直流配電網において電力線通信を行うことができる電力線通信システム及びインバータユニットを提供することができる。
直流電源、直流負荷等が配置された家屋の構成図である。 直流配電網及びこれに接続された直流電源、直流負荷等の構成図である。 本発明の実施形態1に係るインバータユニットの外観を説明するための概略図である。 本発明の実施形態1に係るインバータユニットの概略構成図である。 共通導体に設けられるコンデンサの容量と通信速度との関係を表すグラフである。 変形例に係る交流配電網及びこれに接続された接続装置、交流負荷等の構成図である。 ディファレンシャルモード及びコモンモードの接続形態を説明するための接続装置の回路構成を示す図である。 共通導体及びキャパシタの態様について説明するための概略構成図である。 本発明の実施形態2に係るインバータユニットの概略構成図である。 本発明の実施形態2に係るインバータユニットの概略構成図である。 本発明の実施形態3に係るインバータユニットの概略構成図である。
〈実施形態1〉
図1に基づいて、インバータユニットを利用するための前提となる直流配電網について説明する。本実施形態では、直流配電網が一般家屋に配設されている場合を例に取り説明する。図1に示すように、家屋の各階には、交流負荷の一例である照明1、2や直流負荷の一例であるエアコン3、4が設置されている。また屋外には、直流電源の一例として、太陽光発電装置5により発電された電力を蓄電する二次電池6、及びガス会社からのガスにより発電する燃料電池7が設置されている。さらに、屋外には、直流電源及び直流負荷として機能する電気自動車50が駐車している。
また、各階には、直流電力網との接続部となるコンセント11を有するインバータユニット10(詳細は後述する)がそれぞれ設けられており、そのコンセント11には、電力線通信を行うための電力線通信装置20が接続されている。また、各電力線通信装置20には、データの送受信を行うパソコン30、及び記憶装置(ストレージ)31が通信ケーブルを介してそれぞれ接続されている。
図2に基づいて、直流配電網に接続された直流電源、直流負荷、電力線通信装置20の構成を説明する。図示するように、直流配電網40は、所定電圧が印加された二本の電線(導体)から構成され、直流配電網40には、二次電池6及び燃料電池7が接続されており、二次電池6に蓄電された電力と、燃料電池7により発電された電力とが直流配電網40に供給されている。また、電力会社の配電網がコンバータ9を介して接続されており、電力会社からの交流電力がコンバータ9により直流電力に変換されて直流配電網40に供給されている。これらの電源から供給される直流電力は、直流配電網40に接続されたエアコン3、4や、インバータ8を介して照明1、2に供給されている。電気自動車(EV)50は、充電時においては直流負荷として機能し、非充電時(例えば、停電時などの非常時)には直流電源として機能するように構成されている。すなわち、電気自動車50は、充電時には直流配電網からの直流電力を電池に充電し、非充電時には電池に蓄えた直流電力を直流配電網に供給する。
なお、直流配電網40は、電力会社に売電するために、電力会社の配電網とインバータ8を介して接続されており、太陽光発電装置5又は燃料電池7で発電した余剰の電力が電力会社の配電網に供給できるようになっている。
各電力線通信装置20は、それぞれインバータユニット10を介して直流配電網40に接続されており、さらに各電力線通信装置20には、パソコン30及び記憶装置31がそれぞれ接続されている。ここでいう電力線通信装置20は、パソコン30等の情報処理機器の情報を変調し、この変調した信号を交流の電力線に重畳して送信すると共に、他の電力線通信装置20により交流の電力線に重畳された信号を受信して復調し、この復調した信号を情報処理機器に送信する機器である。また、記憶装置31は、記憶媒体と通信手段を備える装置であって、電力線通信を介してパソコン30から受け取った指令に応じてパソコン30からのデータを記憶媒体に記録し、若しくは記録媒体からデータを読み出しパソコン30に送信するものである。
したがって、このような交流配電網を前提とする電力線通信装置20を直流配電網40にインバータを介して接続すると、電力線通信装置20同士では通信することができない。そこで、本発明に係るインバータユニット10を介して直流配電網40に電力線通信装置20を接続することで、この電力線通信装置20同士で通信させることができる。
図3及び図4を用いて、本発明に係るインバータユニット10を詳細に説明する。図3は、インバータユニットの概略構成を説明するための斜視図であり、図4は、図2に示した直流配電網と電力線通信装置の部分を抽出して詳細に示したものである。
図3に示すように、インバータユニット10は、電力線通信装置20の電気プラグ21が接続されるコンセント11(接続端子)が設けられた筐体部12を備えている。筐体部12は、壁を隔てた室内とは反対側の空間に設置されており、コンセント11が室内に露出している。筐体部12の内部には、直流配電網40が導かれており、直流配電網40は、その内部に設置されたインバータ(図示せず)に接続されている。
このようなインバータユニット10には、コンセント11に電力線通信装置20の電気プラグ21が接続され、電力線通信装置20には、そのLANインタフェース22(RJ−45等)を介してパソコン30や記憶装置31が接続される。
次に、図4に基づいて、インバータユニットを用いた電力線通信について説明する。図示するように、直流配電網40は、2本の導体からなり、共通導体を兼ねている。共通導体とは、インバータユニット10同士を接続し、電力線通信装置20の高周波信号が伝送される伝送路である。以後、高周波信号の伝送路としての直流配電網40に言及する際には、共通導体13と表記し、2本の導体のそれぞれに言及する際には共通導体13a、13bと表記する。
共通導体13には、3つのインバータユニットが接続されている。詳細には、各インバータユニット10は、2本の電力線16が設けられており、各電力線16は、一端がコンセント11に接続され、他端がインバータ14を介して共通導体13a、13bに接続されている。インバータ14は、直流配電網40の直流電力を交流電力に変換し、コンセント11を介して電力線通信装置20に交流電力を供給する。
また、2本の電力線16のそれぞれは、途中で分岐し、共通導体13a及び共通導体13bにキャパシタ15を介して接続されている。
キャパシタ15は、高周波信号を選択的に伝達する回路の一例である。ここでいう高周波信号とは、電力線通信装置20が、交流の電力線に重畳した信号である。一般的に使用される電力線通信装置20では、高周波信号の周波数は2〜30MHz程度である。
このようなインバータユニット10によれば、電力に関しては、コンセント11に電気プラグ21を接続した電力線通信装置20に対して、直流配電網40からインバータ14を介して交流電力が供給される。
一方、信号に関しては、インバータユニット10では、共通導体13が信号の伝達路となり、電力線通信装置20間での通信が可能となる。パソコン30と記憶装置31との間の通信を例に取り詳言すると、電力線通信装置20が、パソコン30から受信したデータを交流の電力線16に重畳するために変調した高周波信号は、電気プラグ21及びこれに接続されたコンセント11を介して電力線16に伝達される。このとき、キャパシタ15により、各インバータユニット10の電力線16における50〜60Hzの交流電力は遮断され、高周波信号はキャパシタ15を通過し共通導体13に伝達する。そして、共通導体13に伝達した高周波信号は、他のインバータユニット10のキャパシタ15を通過し、電力線16を介して他の電力線通信装置20に伝達されると共に復調され、記憶装置31が復調されたデータを受信する。
また、直流配電網40とインバータ14との間にはフェライトコア19が設けられている。このようにフェライトコア19を設けることにより、インバータ14から直流配電網40にノイズが伝わることが抑制され、高周波信号にノイズが影響を及ぼすことを防いで良好な通信速度を保つことができる。
ここで、キャパシタ15の容量とパソコン30間の通信速度との関係について説明する。図5は、キャパシタの容量と、電力線通信装置に接続されたパソコン間での通信速度との関係を示すグラフである。キャパシタ15の容量が1〜10pFまでの間においては、通信速度が0〜30Mbpsに至るまで漸増し、10〜10pFまでの間においては、ほぼ30Mbpsで一定している。なお、容量が10pF以上である場合、キャパシタ15からは異音が発生したり、故障が生じる虞がある。
ここでいうキャパシタ15の容量とは、共通導体13から各電力線通信装置20との間に配設されたキャパシタ15の容量をいう。本実施形態では、各キャパシタ15の容量を100pFとした。この場合、同グラフによれば、各パソコン30及び記憶装置31は、100pFに対応する通信速度である30Mbpsでデータ通信をすることができる。
このように、本発明に係るインバータユニット10によれば、直流配電網40にインバータを介して接続される電力線通信装置20の相互間では、通信をすることができないという事態を回避し、共通導体13を兼ねた直流配電網40を信号の伝送路として用いることで電力線通信装置20間の高周波信号の通信を可能とすることができる。
また、インバータユニット10を直流配電網40に設置するだけで、電力線通信装置20による通信を可能とすることができるので、既存の電力線通信装置20をそのまま使用することができ、新たな通信装置を導入してLANを構築するための費用が不要となる。さらに、インバータユニット10の設置によっても直流配電網40自体に施工する必要はないので、直流配電網40におけるエネルギー変換による損失を低減できるという直流配電網40のメリットを損なうことなく電力線通信装置20による通信を実現できる。
また、既設の直流配電網40に共通導体13を兼ねさせたので、別途に新たな共通導体を敷設する必要が無く、共通導体の敷設に係る手間やコストを低減することができる。
ここで、上述した実施形態に係るインバータユニット10では、2本の共通導体13a、13bに、2本の電力線16のそれぞれがキャパシタ15を介して接続されていたが、このような接続形態に限られず、2本の電力線16の何れか一本が共通導体13a、13bの何れかに接続されていてもよい。
図6は、変形例に係る直流配電網及びこれに接続されたインバータユニット、負荷等の構成図である。なお、図1〜図4と同一のものには同一の符号を付し、重複する説明は省略する。図示するように、インバータユニット10は、直流配電網40とコンセント11とを接続する2本の電力線16を有している。この2本の電力線16のうち一本がキャパシタ15を介して共通導体13aに接続されている。
このような共通導体13とインバータユニット10との接続形態においても、共通導体13aが信号の伝送路となり、電力線通信装置20間での通信が可能となる。すなわち、電力線通信装置20から送信された高周波信号は、電気プラグ21及びこれに接続されたコンセント11を介して電力線16に伝達され、高周波信号はキャパシタ15を通過し共通導体13aに伝達する。そして、共通導体13aに伝達した高周波信号は、他のインバータユニット10のキャパシタ15を通過し、電力線16を介して他の電力線通信装置20に伝達される。
ここで、(A)2本の共通導体13a、13bに対して2本の電力線16がそれぞれキャパシタ15を介して接続されたインバータユニット10(図4参照)と、(B)2本の共通導体13a、13bに対して2本の電力線16のうち一本がキャパシタ15を介して接続されたインバータユニット10(図6参照)との接続形態について説明する。図7(a)は、(A)のインバータユニット10の回路構成を示し、図7(b)は、(B)のインバータユニット10の回路構成を示す図である。
図7(a)に示すように、共通導体13を成す2つの共通導体13a、13bの双方に、キャパシタ15を介して電力線16が接続されている。すなわち、2本の共通導体13a、13bを高周波信号の伝送路として用いている。この場合、一方の共通導体13a(又は共通導体13b)が信号の往路となり、他方の共通導体13b(又は共通導体13a)が信号の帰路(シグナルグランド)となるディファレンシャルモードで、インバータユニット10間の通信が行われることになる。
一方、図7(b)に示すように、共通導体13を成す2つの導体の一方である共通導体13aに、キャパシタ15を介して2本の電力線16のうちの1本が接続されている。この場合、共通導体13aが信号の往路となり、浮遊容量18を介して接続されたグランド17が信号の帰路となるコモンモードで、インバータユニット10間の通信が行われることになる。
ディファレンシャルモード、及びコモンモードの何れの通信形態であっても、電力線通信装置20同士の通信は可能であるが、ノイズの観点からは、ディファレンシャルモード、すなわち、図4に示したように2本の共通導体13a、13bの双方にキャパシタ15を介して電力線16を接続したインバータユニット10を用いることが好ましい。ディファレンシャルモードにおける共通導体13aと共通導体13bからからなる閉回路は、コモンモードにおける共通導体13aとグランド17からなる閉回路よりもループ面積が小さいため、ディファレンシャルモードの閉回路から発せられるノイズの影響は、コモンモードの閉回路から発せられるノイズよりも小さいからである。
したがって、ディファレンシャルモードのインバータユニット10は、コモンモードよりもノイズの影響を少なくすることができ、コモンモードのインバータユニット10は、配線をさらに簡略化できるメリットがある。
〈実施形態2〉
本発明に係るインバータユニット10は、実施形態1に説明した構成に限られない。インバータユニットとして採用できる共通導体及びキャパシタの様々な構成について説明する。
図8は、共通導体及びキャパシタの態様について説明するための概略構成図である。図示するように、共通導体13を中心として各インバータユニット10に対して1つのキャパシタ15が設けられており、それぞれの容量を100pFとすることで30Mbpsの通信速度を実現できる(図5参照)。ただし、図示しない浮遊容量も100pFとしている。
このとき、図8(b)に示すように、2つのインバータユニット10に着目すれば、共通導体13は、2つのキャパシタ15間に配置されている。直列に接続された2つのキャパシタ15は、図8(c)に示すように、これらの2つの合成容量を有する1つのキャパシタ15と電気回路的に等価である。この場合、共通導体13は、キャパシタ15の内部に埋め込まれていると考えることができる。すなわち、図8(c)に示すように、共通導体13は、キャパシタ15に含まれた態様であってもよい。
このような共通導体13がキャパシタ15に含まれた態様のインバータユニットを示す。
図9は、共通導体がキャパシタに含まれるインバータユニットの構成図である。同図に示すように、各インバータユニット10は、2本の電力線16のうち一本がキャパシタ15Aを介して他方のインバータユニット10の電力線16の1本に接続されている。図8(c)で述べたように、共通導体13はキャパシタ15A内部に含まれている。
実施形態1では、共通導体13と各インバータユニット10との間に配設されるキャパシタ15の容量は、100pFであったが、本実施形態では、キャパシタ15Aの容量は、そのような2つのキャパシタ15を合成したものに相当する。すなわち、キャパシタ15Aの容量を、50pF(1/100[pF−1]+1/100[pF−1]=50[pF−1])とすることで、実施形態1の100pFのキャパシタ15を用いた場合と同様に、30MBpsの通信速度を実現することができる。
また、図9に示した各インバータユニット10では、2本の電力線16のうち1本がキャパシタ15A(共通導体13)を介して他のインバータユニット10に接続されている。すなわち、その1本の電力線16、キャパシタ15A(共通導体13)と、浮遊容量で接続されたグランド(特に図示せず)とからなる閉回路が形成され、コモンモードでの通信形態となる。
図10は、共通導体がキャパシタに含まれる態様であってキャパシタを2つ用いたインバータユニットの構成図である。同図に示すように、2つのキャパシタ15Bのそれぞれは、各インバータユニット10の2本の電力線16同士をそれぞれ接続している。キャパシタ15Bの容量は共に50pFである。この場合、2つのキャパシタ15Bのうち一方は浮遊容量100pFの合成容量となる。したがって、同図に示したインバータユニット10においても、30Mbps(図5参照)の通信速度で、パソコン30間の通信を行うことができる。
図10に示した各インバータユニット10では、2本の電力線16のそれぞれがキャパシタ15B(共通導体13)を介して他のインバータユニット10に接続されている。すなわち、その2本の電力線16、キャパシタ15B(共通導体13)とからなる閉回路が形成され、ディファレンシャルモードでの通信形態となる。
〈実施形態3〉
実施形態1又は実施形態2においては、直流配電網40が共通導体13を兼ねていたが、別体であってもよい。図11は、実施形態3に係るインバータユニットの構成図である。同図に示すように、直流配電網40とは別に、高周波信号の伝送路となる共通導体13が配設されている。
各インバータユニット10は、直流配電網40とコンセント11とを接続する2本の電力線16を有し、一本の電力線16は分岐してキャパシタ15Cを介して共通導体13に接続されている。キャパシタ15Cの容量は100pFとしてある。
このようなインバータユニット10においても、電力線通信装置20からの高周波信号は、電力線16からキャパシタ15Cを通過し、共通導体13に送信される。そして、この共通導体13に送信された高周波信号は、他方のインバータユニット10のキャパシタ15Cを通過し、他方の電力線通信装置20に送信される。このような構成においても、共通導体13から電力線16には100pFのキャパシタ15Cが設けられているので、30Mbps(図5参照)の通信速度で、各パソコン30同士の通信を行うことができる。この場合の通信形態は、共通導体13と、特に図示しない浮遊容量で接続されたグランドとからなるコモンモードとなる。
なお、直流配電網40とは別に共通導体を配設する場合においても、2本の共通導体を配設し、インバータユニット10の2本の電力線16のそれぞれを各共通導体にキャパシタを介して接続してもよい。この場合においては、ディファレンシャルモードの通信形態となり、外部に放出されるノイズをコモンモードに比べて低減することができる。
〈他の実施形態〉
実施形態1〜実施形態3では、インバータ14、共通導体13及びキャパシタ15を備えるインバータユニット10を用いたが、このような場合に限らない。すなわち、直流配電網40において電力線通信を可能とするために、各電力線通信装置20は、キャパシタ15が設けられた共通導体13に接続されていればよい。
例えば、キャパシタ15は、インバータユニット10の筐体部12に配設されていたが、共通導体13に設けられていれば物理的な配置場所は特に限定されない。つまり、全体構成として、直流配電網40と、直流配電網40にインバータを介して接続された電力線通信装置20と、インバータと電力線通信装置20との間の電力線同士を接続する共通導体13と、共通導体13に設けられたキャパシタ15とを備えていればよい。
このような構成からなる電力線通信システムによれば、実施形態1〜3と同様に、直流配電網40にインバータ14を介して接続される電力線通信装置20の相互間では、通信をすることができないという事態を回避し、共通導体13を信号の伝送路と用いることで電力線通信装置20間の高周波信号の通信を可能とすることができる。
本発明は、直流配電網が敷設された施設において電力線通信を提供する産業分野で利用することができる。
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12 筐体部
13 共通導体
14 インバータ
15、15A、15B、15C キャパシタ
16 電力線
19 フェライトコア
20 電力線通信装置
21 電気プラグ
22 LANインタフェース
30 パソコン
40 直流配電網

Claims (7)

  1. 直流電源又は直流負荷が接続される直流配電網と、
    前記直流配電網にインバータを介して接続された複数の電力線通信装置と、
    前記インバータと前記電力線通信装置との間の電力線同士を接続する共通導体と、
    前記共通導体に設けられて高周波信号を選択的に伝達する回路とを備える
    ことを特徴とする電力線通信システム。
  2. 請求項1に記載する電力線通信システムにおいて、
    前記直流配電網が前記共通導体を兼ねている
    ことを特徴とする電力線通信システム。
  3. 請求項1又は請求項2に記載する電力線通信システムにおいて、
    前記共通導体は、二本の導体であり、
    前記電力線は、前記インバータと前記電力線通信装置とを接続する二本の導体であり、
    前記電力線の各導体は、前記共通導体の各導体にそれぞれ接続されている
    ことを特徴とする電力線通信システム。
  4. 請求項1又は請求項2に記載する電力線通信システムにおいて、
    前記電力線は、前記インバータと前記電力線通信装置とを接続する二本の導体であり、
    前記電力線の各導体のうち一本が、前記共通導体に接続されている
    ことを特徴とする電力線通信システム。
  5. 直流電源又は直流負荷が接続される直流配電網に電力線通信装置を接続するためのインバータユニットであって、
    前記電力線通信装置が接続される接続端子及び前記直流配電網に接続され、前記直流配電網の直流電力を交流電力に変換し、前記接続端子を介して前記電力線通信装置に交流電力を供給するインバータと、
    前記インバータと前記接続端子との間の電力線に接続されると共に他のインバータユニットにおけるインバータと接続端子との間の電力線に接続される共通導体と、
    前記共通導体に設けられて高周波信号を選択的に伝達する回路とを備える
    ことを特徴とするインバータユニット。
  6. 請求項5に記載するインバータユニットにおいて、
    前記共通導体は、二本の導体であり、
    前記電力線は、前記インバータと前記接続端子とを接続する二本の導体であり、
    前記電力線の各導体は、前記共通導体の各導体にそれぞれ接続されている
    ことを特徴とするインバータユニット。
  7. 請求項5に記載するインバータユニットにおいて、
    前記電力線は、前記インバータと前記接続端子とを接続する二本の導体であり、
    前記電力線の各導体のうち一本が、前記共通導体に接続されている
    ことを特徴とするインバータユニット。
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