JP5522586B2 - シート綴じ装置又はシートの綴じ方法 - Google Patents

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本発明は、オフィスなどで文書用紙などの複数のシートを綴じる方法およびその装置に係り、詳しくは、バインダーとして熱軟化性を有する樹脂バインダーを用いた新規なシート綴じ装置およびシートの綴じ方法に関するものである。
従来、複数の文書用紙を束ねる際には、通常ステープラー(ホッチキス)やクリップなどが用いられているが、廃棄する際に、ステープラーの針やクリップが邪魔になるという問題点があった。
そこで、特許文献1には、シートの綴代相当部分に熱軟化性を有する電子写真用トナーを付着させ、かつ、該部分に他のシートの綴代相当部分を重ねた状態で、該綴代相当部分同士を加熱および加圧して接着することを特徴とするシートの綴じ方法や、熱軟化性を有する電子写真用トナーを綴代相当部分に介在させて重ね合わされた複数のシートの該綴代相当部分を厚み方向に加圧するための加圧装置と、該綴代相当部分を加熱する加熱手段とを有することを特徴とするシート綴じ装置が開示されている。
特開平7−223387号公報
特許文献1は、前記の方法でシート綴じを行うので、従来のステープラーの針やクリップを用いるものに比して、綴じたシートの取扱いが容易であるという効果を奏する記載がある。
しかし、このシート綴じ装置では、綴代相当部分を加熱する加熱手段に、平面ヒータからなる加熱体を用いているため、下台の加熱体と加圧台の加熱体とを所定温度まで昇温させておく必要がある(特許文献1段落0020に記載)。
そのため、加熱体は、待機状態において、常に所定温度を維持しておかなければならずエネルギーロスが生じるし、また、仮に待機中は昇温せず、使用の都度昇温するように設計した場合であっても、所定温度に到達するまでに時間が長くかかる不具合が生じていた。
また、加熱体が弾性体でないため、加熱体とシートとが斜めに接触すると、接触面積にムラが生じ、設計通りにシートを綴じることができない不具合が生じていた。
仮に、加熱体の周りに耐熱性ゴムを装着してこの課題を解決したとしても、加熱体から耐熱性ゴムへ熱伝導する際にエネルギーロスが生じる。
上記の課題を解決するために完成された第1の発明のシート綴じ装置は、自己発熱性弾性体と、基底部と、電極とからなる加熱体と、前記加熱体を略先端部に設けたベース片と、略板体のハンドル片からなるシート綴じ装置であって、前記加熱体と前記ハンドル片の間でシートの綴代相当部分を挟持できるように前記ハンドル片を前記ベース片の後端で回動可能に軸着させたことを特徴とする。
また、第2の発明は、前記自己発熱性弾性体は、耐熱性のあるゴム中に導電体を分散させてなり、前記導電体がカーボン又はカーボンナノチューブであることを特徴とする第1の発明のシートの綴じ方法である。
また、第3の発明は、第1の発明または第2の発明に記載のシート綴じ装置を用いてシートを綴じる方法であって、シートの綴代相当部分に熱軟化性を有する樹脂バインダーを付着させ、かつ、前記綴代相当部分に他のシートの綴代相当部分を重ねた状態で、前記綴代相当部分同士を前記加熱体と前記ハンドル片の間で挟持しつつ前記加熱体で加熱することで、前記綴代相当部分同士を接着することを特徴とするシートの綴じ方法である。
本発明は、綴代相当部分を加熱する発熱体が弾性体であるため、発熱体がシートに接触するとシートの形状に合わせて発熱体が変形する。そのため、発熱体が、シートに対してムラなく接触するため、設計仕様通りのシート綴じが可能となる。
また、シリコーンゴム中にカーボン又はカーボンナノチューブを分散させた発熱体は、温度上昇速度が速いため、これを前記自己発熱性弾性体に使用すると、通電後瞬時に所定温度まで上昇する。そのため、従来のように待機状態を必要としないので、エネルギーロスが少なくてすむ。
次に、本発明の好ましい実施の形態を図1から図4に基づいて詳細に説明する。
本発明で使用する自己発熱性弾性体1は、耐熱性のあるゴムとして、シリコーンゴムを採用できる。
シリコーンゴムを用いた自己発熱性弾性体1は、シリコーンゴム中に導電体を分散させてなるタイプの発熱体であって、特に前記導電体がカーボンやチューブ径0.4〜35nmのカーボンナノチューブを用いることができる。具体的には、未架橋シリコーンゴム、カーボンあるいはカーボンナノチューブ、架橋剤、その他必要に応じて添加剤を加え、均一に分散した混合物を架橋させて製造される。
ここで使用できる未架橋シリコーンは特に限定されないが、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製TSE221−5U、TSE221−6U、TSE2122−6U、TSE270−6U、TSE260−5U、TSE261−5U、TSE2323−5U等や、信越化学工業(株)社製KE931−U、KE941−U、KE951−U、KE953−U、KE961−U、KE971−U、KE981−U、KE765−U、KE540−U、KE552−U等や、東レ・ダウコーニング株式会社製SH745U、SH35U、SH52U、SH502UA.B、U、SH841U、SH851U、SE1120U、SE1185U、SE1602U、SE4706U、SE6749U等を例示することができる。
また、前記未架橋シリコーンゴム以外にも、本発明発熱体の使用温度(約100℃〜200℃)で耐熱性のあるゴムであれば特に制限はなく、例えば、フッ素ゴム、エチレン−プロピレンゴム(EPM)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム(EPDM)等の未加硫ゴムを採用可能である。また、前記ゴム以外にも、例えばナイロン、ポリイミド、ポリエステル等の合成樹脂を採用することも可能である。
カーボンは、粒径0.01〜0.3μmのものが好ましく用いられ、前記混合物中20〜60重量%の割合で配合される。なお、生シリコーンゴムにカーボンを分散させたシリコーンゴムとして市販されている、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製YE3452UB、TCM5406U、TCM5407U、TCM5417U、XE23−A3228、XE23−B2484等や、信越化学工業(株)社製KE3603−U、KE3601SB−U、KE3611−U、KE3711−U、KE3801M−U等や、東レ・ダウコーニング株式会社製SE6758U、SE6765U、SE6770U、SRX539UT、DY38−008、DY32−408U等を用いてもよい。
また、カーボンナノチューブを配合する際は、チューブ径0.4〜35nmのものが好ましく用いられ、具体的には、チューブ径0.4〜35nm・チューブ長1〜100μm・チューブ層5〜50の多層カーボンナノチューブ(MWNT)、又は、チューブ径0.4〜35nm・チューブ長0.01〜100μmの単層カーボンナノチューブ(SWNT)を用いることができる。当該カーボンナノチューブは、前記未架橋シリコーンゴム100重量部に対して、20〜80重量部の割合(20〜80phr)で配合される。配合量が少なすぎると十分に発熱しない発熱体となるし、配合量が多すぎると割れたり脆くなったり柔軟性が無くなったり物性的に劣る発熱体となるので好ましくない。
架橋剤は、公知のパーオキサイドが使用でき、例えばベンゾイルパーオキサイド、2,4ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジターシャリーブチルパーオキサイド、2,5ジメチル2,5ジターシャリーブチルパーオキシヘキサン、パラクロロベンゾイルパーオキサイド、ターシャリーブチルクミルパーオキサイド、ターシャリーブチルパーベンゾエートなどを用いることができ、前記混合物中1〜5重量%の割合で配合できる。
基底部2は、絶縁、断熱、耐熱の材質のものを用いることができる。特に、ガラス、セラミックス、フッ素ゴム、シリコーンゴム等が好ましく用いられ、これらは前記市販シリコーンゴム等の各種の市販品を用いることができる。また、ガラス繊維、アラミド繊維等からなる耐熱布も用いることができ、使用温度が200℃前後、使用時間が30〜60秒/回程度ならば綿布でも実用上問題なく使用できる。
電極3は、導電性のものであれば何でもよいが、特に導電率の高い銅が好ましく用いられる。
本発明の加熱体4は、自己発熱性弾性体1と基底部2の間に電極3を挟んで一体化することで作製する。
自己発熱性弾性体1と基底部2の間に電極3を挟み込んで同時に加圧加熱すれば、一度に3者を一体化することができる。例えば、基底部2にシリコーンゴムを用いた場合は、カーボン含有シリコーンゴム混合物と未架橋シリコーンゴムをそれぞれシート状にして、その間に電極3を挟み込んで重ね合せた後、金型に入れ加圧加熱すればよい。この際、基底部2に自己発熱性弾性体1より軟らかい硬度40〜70の生シリコーンゴムを用いれば、均一な厚さの加熱体が得られるので好ましい。
ここで、前記金型を、凹状の図や文字等を彫った金型とすれば、自己発熱性弾性体1の表面に凸状の図や文字が形成される。この自己発熱性弾性体1を使用すると、シートに対する圧力が高められるので、シート間の熱伝導率が向上し、シートの瞬間的な接着が実現される。
また他の方法として、カーボン含有シリコーンゴム混合物と未架橋シリコーンゴムをそれぞれシート状にして、その間に電極3を挟み込んで重ね合せて一定の圧力下で加熱して架橋させた後、彫刻機やレーザ加工機などで図や文字等を彫刻してもよい。
また、自己発熱性弾性体1は、前記混合物をシート状にして、凹状の図や文字等を彫った金型に入れ、加圧加熱して得る方法も採用可能である。圧力は100〜200kg/cm、温度は150〜200℃、加熱時間は5〜20分が適当である。本発明において自己発熱性弾性体1の厚さは0.1〜5mmにすることができるが、0.3〜3mmが最も好ましい。0.3mm以下では図や文字部分の成形が困難であり、3mm以上では発熱効率が低下するからである。
また、未架橋シリコーンゴム、カーボンあるいはカーボンナノチューブ、架橋剤、その他必要に応じて添加剤を加え、これを均一に分散した混合物をシート状に成形し、一定の圧力下で加熱して架橋させた後、彫刻機やレーザ加工機などで図や文字等を彫刻してもよい。
このようにして得られた自己発熱性弾性体1を用いて本発明の発熱体を作製する場合は、自己発熱性弾性体1と基底部2の間に電極3を挟み込んだ状態で、接着剤等により接着する方法や、クリップ等で挟着する方法や、支持体等で保持する方法で一体化し、前記加熱体を得ることができる。
前記加熱体4は、電極3にリード線31を接続し電圧を印加することで発熱する。
前記加熱体4は、ベース片5の略先端部に、基底部2側を下にして設置する。前記設置の方法は、加熱体4とベース片5が接続されれば如何なる方法でもよく、例えば、嵌合や接着等が選択可能である。前記ベース片5の後端には、ハンドル片6を回動可能に軸着する。ベース片5およびハンドル片6の形状は、略板体である。
前記ベース片5とハンドル片6の間には、スプリング7を設ける。スプリング7は、一方の端部が、ベース片5かハンドル片6のどちらか一方に固着されており、他方の端部は自由端であり弾性を有している。
ハンドル片6の略先端部であって、前記加熱体4と対向する位置に、加熱体受け8を設けてもよい。加熱体受け8としては、加熱体の昇温後の温度よりも高い融点を有する樹脂や金属等を用いることができる。
次に、以上説明したシート綴じ装置を用いて、シートを綴じる方法について詳細に説明する。
まず、シート9としては、各種紙を使用可能である。前記シート9の四隅や側縁部等を、綴代相当部分10とする。前記綴代相当部分10は、従来から紙を綴じる際にステープラーの針やクリップ等を装着する箇所に相当する。前記綴代相当部分10は、種類によって統一しておくと都合がよい。
前記綴代相当部分10は、熱軟化性を有する樹脂バインダーを付着させて完成する。前記樹脂バインダーとしては、公知のトナーを採用できる。
前記トナーとは、レーザープリンタおよび複写機で使用される、帯電性を持ったプラスチック粒子に黒鉛・顔料等の色粒子を付着させたミクロサイズの粒であり、静電気を利用して紙にトナーを転写させ、熱によって定着させることで印刷するものである。カラー印刷の場合、通常シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色が用意される。
前記綴代相当部分10にトナーを付着させるには、レーザープリンタや複写機を使用する。トナーの付着量や大きさ、形状、色等は、適宜採用可能である。
ここで、前記樹脂バインダーとして、前記トナーの代わりに、前記トナーから色粒子を除いた無色の樹脂バインダーも採用可能である。前記樹脂バインダーとしては、スチレン−アクリル系共重合体、ポリエステル等の合成樹脂バインダーを採用可能である。樹脂バインダーを無色とすると、シートは今までと同様無地となるため、使用に際して使用者が違和感を抱くことなく有用である。
このようにして、トナーを綴代相当部分10に付着させたシート9が準備される。このように準備されたシート9は、従来からの紙と同様に使用可能である。
次に、従来のようにシート9を使用した後、これらシートを束ねる方法について詳細に説明する。
綴じるための複数枚のシート9は、綴代相当部分10を重ねた状態で積層する。そして、重なった綴代相当部分10同士を、前記シート綴じ装置のベース片5とハンドル片6の間に配置し、前記綴代相当部分10に、前記ベース片5に設置した加熱体4を位置合わせする。この状態で、ベース片5とハンドル片6とを近づけるように回動すると、前記綴代相当部分10同士は、ベース片5とハンドル片6の間で挟持される。この際、綴代相当部分10同士は、加圧状態にある。
そして、加熱体4に電圧を印加して、加熱体4を加熱することで、前記綴代相当部分10に付着した樹脂バインダーを軟化させ、綴代相当部分10同士を接着により綴じるものである。
次に実施例により本発明を更に具体的に説明する。
実施例1のシート綴じ装置は、次のように作製した。
まず、未架橋シリコーンゴム100重量部と、粒径0.04μmのカーボン50重量部と、架橋剤として2,5ジメチル2,5ジターシャリーブチルパーオキシヘキサン0.5重量部とを加え、これを分散混練りした混合物を、厚さ0.5mmのシートにした。これが、自己発熱性弾性体1に相当する。
次に、未架橋シリコーンゴム100重量部と、架橋剤として2,5ジメチル2,5ジターシャリーブチルパーオキシヘキサン0.5重量部とを加え、混練りした後、厚さ2.0mmのシートにした。これが、基底部2に相当する。
次に、両シートの間に、銅箔を電極3として挟み込んで重ね合わせ金型に入れ、150kg/cm、170℃で10分間加熱した。そして離型した後、さらに200℃で4時間、オーブンでアフターキュアを行った。
これを一辺10mmの角型に切断し、自己発熱性弾性体の厚み0.5mm、加熱体の総厚み2.3mmの加熱体4を作製した。
前記加熱体4のうち、基底部2の底面に接着剤を塗布し、ベース片5の略先端部に接着により設置する。ベース片5の後端には、ハンドル片6の後端を回動可能に軸着する。ベース片5とハンドル片6の間には、スプリング7を設ける。ハンドル片6の略先端部には、加熱体受け8を設置する。
前記加熱体4の電極3にはリード線31を接続し、18Vの電圧を印加できるように、9Vの電池2個を直列に接続する。電池11は電池ボックスに入れ、ベース片5あるいはハンドル片6のいずれかに固定する。また、適宜スイッチを設けてもよい。
比較例1として、シート綴じ装置を次のように作製した。実施例1の加熱体4の代わりに発熱金属体を使用した。前記発熱金属体としては、太陽電機産業株式会社製「半田こて」MW−10を使用した。それ以外は、前記実施例1と全く同一の方法でシート綴じ装置を作製し、比較例1とした。
実施例1および比較例1のシート綴じ装置を用いて、次のように温度上昇試験を行った。
温度上昇試験は、加熱体4および発熱金属体の表面温度を、通電してから5秒ごとに、表面温度計(横河電機株式会社製 非接触放射温度計 PM112)を用いて測定した。
また、200℃に到達した段階で通電を切り、その後も5秒ごとに表面温度を測定した。
実施例1および比較例1の温度上昇試験結果をグラフ1に示す。
Figure 0005522586
温度上昇試験の結果から、加熱体の温度上昇は、発熱金属体と比較して、とても速いことが分かる。200℃まで上昇するのに要する時間は、加熱体で約5秒、発熱金属体で約300秒かかり、発熱金属体は、加熱体より60倍の時間がかかることが分かる。
また、200℃に到達した段階で通電を切った後の表面温度の変化についてみてみる。通電を切った時点は、グラフ1上において、A(加熱体)、B(発熱金属体)で表示している。加熱体は、通電を切ると急速に温度が下がっていき、60秒以内に70℃まで低下することが分かる。一方で、発熱金属体は、180秒経過しても170℃の温度を維持しており、温度低下に時間がかかることが分かる。
この結果より、加熱体は熱し易く冷め易く、発熱金属体は熱し難く冷め難いことが分かる。そのため、発熱金属体では待機状態が必要であるのに対し、加熱体では待機状態が必要なく、その分エネルギーロスが少なくてすむことが分かる。
実施例1および比較例1のシート綴じ装置を用いて、シート綴じ試験を行った。シート綴じ試験は、加熱体4および発熱金属体の表面形状を直径10mm(約0.8cm)の円形とし、表面温度を200℃に設定する。
加熱体4の場合、綴代相当部分を重ねた状態で圧接し、設定温度200℃に到達したときに通電を切り、その後5秒間、6.0kgで圧着した。設定温度で通電を切る装置としては、サーモスタットやバイメタル等を使用することができる。
発熱金属体の場合、まず、表面温度を200℃まで上昇させた状態で、綴代相当部分に圧接し、圧接した直後に通電を切る。その後5秒間、6.0kgで圧着した。試験環境は、温度20℃湿度65%で行った。
重ねるシートの枚数は、ベースの1枚(以下、ベースシートという)に対して、1枚、2枚、3枚と順番に増やしていき、シートを持ち上げたときに、シートが接着せず、外れたときの枚数を確認した。
ここで、試験条件を統一させるために、発熱金属体の場合は、表面温度を200℃まで上昇させた状態から圧接させた。発熱金属体は、設定温度200℃に到達するまでに、約300秒の時間を要するため、はじめから圧接してしまうと、シートにかかる熱量が加熱体4より大きくなってしまうためである。
実施例1および比較例1のシート綴じ試験結果を表1に示す。
Figure 0005522586
表1中、○は接着されたことを示し、×は、シートが接着されず外れてしまったことを示す。
シート綴じ試験結果より、加熱体は、発熱金属体より、沢山のシートを綴じることができることが分かる。加熱体では、ベースシートに対して11枚のシートを接着できるのに対し、発熱金属体では、8枚のシートしか接着できない。
実施例1および比較例1のシート綴じ装置を用いて、綴じたシートの剥離強度試験を行った。前記シート綴じ試験で接着したシートを用いて、最終ページの剥離強度を株式会社島津製作所製 精密万能試験機オートグラフAG−500により測定した。
実施例1および比較例1を用いて綴じたシートの剥離強度試験結果をグラフ2に示す。
Figure 0005522586
剥離強度試験結果より、加熱体で綴じたシートは、発熱金属体で綴じたシートより、剥離強度が高いことが分かる。
ベースシートに対して1枚接着したときの剥離強度は、加熱体で0.80kgに対し、発熱金属体は0.45kgであり、5枚接着したときは、加熱体で0.70kgに対し、発熱金属体は0.35kgであった。加熱体は、発熱金属体より2倍近くの剥離強度を与えることができることが分かる。
この結果は、加熱体の場合、綴代相当部分を加熱する発熱体が弾性体であるため、発熱体がシートに接触するとシートの形状に合わせて発熱体が変形し、発熱体がシートに対してムラなく接触する結果、熱がムラなく伝導するためと思われる。
一方、発熱金属体はそれ自身変形しないため、接触面積にムラが生じることで接着ムラが生じ、結果的に剥離強度が低下するものと思われる。
また、加熱体は通電を切ると、急速に温度が低下するため、6.0kgで圧着した状態でトナーが固着し始める。しかし、発熱金属体では、通電を切っても温度はなかなか低下しないため、圧着した状態ではトナーは溶融状態のままとなり、固着が始まるのは発熱金属体が離れ、圧着が解除された後となる。よって、圧着しながら固着することができる加熱体は、綴代相当部分同士をより強固に接着することができるものと思われる。
以上、本発明を前記実施形態により説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
本発明シート綴じ装置の断面図 本発明の加熱体を示す図 本発明の加熱体の断面図 本発明のシートを示す図(a)および、シートを重ねた状態を示す図(b)
1 自己発熱性弾性体
2 基底部
3 電極
31 リード線
4 加熱体
5 ベース片
6 ハンドル片
7 スプリング
8 加熱体受け
9 シート
10 綴代相当部分
11 電池

Claims (3)

  1. 自己発熱性弾性体と、基底部と、電極とからなる加熱体と、
    前記加熱体を略先端部に設けたベース片と、
    略板体のハンドル片からなるシート綴じ装置であって、
    前記加熱体と前記ハンドル片の間でシートの綴代相当部分を挟持できるように前記ハンドル片を前記ベース片の後端で回動可能に軸着させたことを特徴とするシート綴じ装置。
  2. 前記自己発熱性弾性体は、耐熱性のあるゴム中に導電体を分散させてなり、前記導電体がカーボン又はカーボンナノチューブであることを特徴とする請求項1に記載のシート綴じ装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載のシート綴じ装置を用いてシートを綴じる方法であって、シートの綴代相当部分に熱軟化性を有する樹脂バインダーを付着させ、かつ、前記綴代相当部分に他のシートの綴代相当部分を重ねた状態で、前記綴代相当部分同士を前記加熱体と前記ハンドル片の間で挟持しつつ前記加熱体で加熱することで、前記綴代相当部分同士を接着することを特徴とするシートの綴じ方法。
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