JP5521831B2 - パンタグラフ検出装置及びその方法 - Google Patents
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Description
この装置は、列車が接近した際に車輌接近警報装置が発生する列車接近信号を基に、照明点灯と録画開始を行い、列車接近信号が発生している期間の画像を録画することで、その間に通過する列車の屋根上を撮影するものである。
特許文献1は、振動センサをレールに直接磁石を利用して取り付け、鉄道車輌が接近する際の振動を検出して列車接近信号を発生した。
特許文献3は、送信手段と受信手段とを備え、送信手段で探査信号をレールに送信し、近付いた軌道車両に反射された反射信号を受信手段で受信することで、列車の接近を検出した。
即ち、画像処理により監視カメラの画像中に進入した列車を検知し、画像中に列車が存在している期間の画像を録画することで、通過列車の屋根上状態の画像を効率よく撮影し保管した。
更に、侵入者検知装置の技術を適用した進入検知処理により列車を検知し、画像中に列車が存在している期間の画像を録画することで、通過列車の屋根上状態の画像を効率よく撮影し保管した。
この場合、列車の撮影されていない不必要な画像データのために、録画装置の多くの画像保管領域が使用されると共に、屋根上装置として重要な監視対象であるパンタグラフが映っている画像を検索するために、時間と労力を要する。
しかしながら、屋根上装置として重要な監視対象であるパンタグラフが映っている画像を検索するためには、特許文献1,2,3と同様に時間と労力を要する。
上記課題を解決する本発明の請求項2に係るパンタグラフ検出装置は、請求項1記載のパンタグラフ検出装置において、前記画像処理装置は、前記入力画像の明るさにより前記方向符号探索閾値を変動させることを特徴とする。
上記課題を解決する本発明の請求項5に係るパンタグラフ検出装置は、請求項4記載のパンタグラフ検出装置において、前記画像処理装置は、前記コントラスト強調を行う際、前記パンタグラフを含む画像中央の一定領域内の濃度値ヒストグラムを用いることを特徴とする。
上記課題を解決する本発明の請求項7に係るパンタグラフ検出方法は、列車が通過する線路上方に監視カメラを設置し、該監視カメラにより下方を撮影し、撮影した入力画像を画像処理することにより前記入力画像中にパンタグラフが映っている画像のみを保管するパンタグラフ検出方法において、前記画像処理は、前記入力画像に対して方向符号照合を行い、予め設定した方向符号探索閾値よりも適合度が高いときには前記入力画像中にパンタグラフが映っていると判断し、前記入力画像中において前記方向符号照合によりパンタグラフ検出を行う探索範囲は、前記パンタグラフの形状特徴を用いてエッジヒストグラムを作成し、前記エッジヒストグラムが予め設定した閾値以上の範囲に設定したことを特徴とする。
上記課題を解決する本発明の請求項10に係るパンタグラフ検出方法は、請求項9記載のパンタグラフ検出方法において、前記画質補正として、濃度分布の線形濃度変換によるコントラスト強調を行うことを特徴とする。
上記課題を解決する本発明の請求項12に係るパンタグラフ検出方法は、請求項7記載のパンタグラフ検出方法において、前記線路上方にパンタグラフ検出センサをも設置し、該パンタグラフ検出センサが前記列車上のパンタグラフを検出した際に前記監視カメラにより前記パンタグラフを撮影することを特徴とする。
ただし、パンタグラフ検出センサがパンタグラフ以外の車輌屋根上構造物や何らかの飛翔物に過敏反応し、パンタグラフが存在しない画像を誤って撮影する場合もある。
パンタグラフが存在するか否かの判断は、非特許文献1の方向符号照合(OCM:Orientation Code Matching)により画像中からパンタグラフを検出することで、明るさ変化や隠れに頑健な照合を行うことができる。
そのため、パンタグラフが映っている画像のみを保管するごとができるため、特許文献4よりも記憶装置の画像保管領域を効率よく使用することができ、パンタグラフが映っている画像を検索する時間と労力を省くことができる。
そのため、明るさ変動に頑健な方向符号照合を行っても、パンタグラフ基準画像との適合度が減少してしまい、パンタグラフを検出することができないという問題がある。
以下に、このような問題を解決する実施例について図面を参照して説明する。
そこで、録画した画像に対してパンタグラフ1aが存在するか否かを画像処理装置50により判断し、パンタグラフ1aが映っている画像のみを保管する。
画像処理装置50は、方向符号照合により入力画像中からパンタグラフ1aを検出する。
即ち、パンタグラフ基準画像を画像部分の濃淡強さで符号化した方向符号画像(「基準符号画像」と呼ぶ)を作成し、さらにパンタグラフ基準画像におけるパンタグラフ部分の位置やパンタグラフ部分の範囲から成るパンタグラフ照合データを作成しておく。
最後に、パンタグラフ検出照合値と予め設定した閾値Thocm(「方向符号探索閾値」と呼ぶ)を比較し、適合度が高い場合は、検査した画像中にパンタグラフ1aが存在したと判断する。
このようにしたのは、明るい画像の適合度の推移と比べて、暗い画像の適合度は全体的に減少するためである。
図2(a)(b)、図3(b)(b)に示す通り、パンタグラフ1aが存在するY座標では、パンタグラフ検出照合値が大きくなり急唆な山となっており、暗い画像では適合度が減少し全体的に山が小さくなる。なお、Y座標は、列車1の進行方向に沿った座標、つまり、縦座標である。
ここで、modeocmはパンタグラフ探索範囲における適合度のモード値(=最も出現頻度が高い値)である。
パンタグラフ1aが存在しない部分では、パンタグラフ探索範囲A内でパンタグラフ検出照合値が小さく出現頻度が高いため、モード値modeocmはパンタグラフ1aが存在しない通常部分の適合度を表すと考えることができる。
即ち、図2(a)(b)に示すように、画像が明るいほど(=aveが大きいほど)方向符号探索閾値Thocmは通常値から大きく離れた値に設定され、逆に、図3(a)(b)に示すように、画像が暗いほど(=aveが小さいほど)方向符号探索閾値Thocmは通常値から近い値に設定される。
Thocm=modeocm+avexWocm …(1)
即ち、パンタグラフ部分は横長の物体が集中しており(=横線が多い)、境界がはっきりとしている(=エッジ強度が大きい)という形状的な特徴がある。
そこで、入力画像に対して以下の前処理(画質補正)を施すことにより明瞭なエッジを抽出できるようにする。
線形濃度変換とは、変換前の濃度値と変換後の濃度値の関係が線形になるように濃度値を変換する操作であり、図4に示すように変換前は濃度値ヒストグラムがa〜bの濃度範囲に分布していたものが、変換後は0〜255の濃度範囲に伸張される。
なお、変換前の濃度範囲a〜bは入力画像に対して最小濃度値と最大濃度値を求めることにより決定する。
また、画像端の背景部分の濃度値が濃度値ヒストグラムに影響しないようにするため、パンタグラフ1aが映る画像中央の一定領域に範囲を限定して濃度値ヒストグラムを作成するようにしている。
メディアンフィルタとは、図6に示すように注目画素の周囲nxnの局所領域における濃度値を順番にソートした場合、中央値を注目画素に置き換える処理である。
これによりエッジをぼかさずにノイズを除去することができる。
まず、図8(a)に示すように、横幅=画像幅、縦幅=パンタグラフ1aの高さ程度の領域(「横エッジカウント領域」と呼ぶ)Bを横エッジ画像に対して縦方向に走査していく。
一方、車輌屋根上構造物部分は、横長でない・横長の物体が一箇所に集中しない・似た色が多いといういずれかの特徴である場合が多く、横エッジカウント領域B内に横エッジ画素がそれほど存在していないか、エッジ強度が小さい。
パンタグラフ1aが存在する領域では、横エッジ画素数が多く、横エッジ強度も強いため、エッジ強度平均値が大きくなる。
このとき、図9に示す明るい画像に比べて、図10に示す暗い画像の方がエッジ強度平均値は全体的に小さくなる。
ここで、modehistはエッジヒストグラムにおけるエッジ強度平均値のモード値、Whistは閾値Thhistの調整量を決める重み定数、aveは入力画像の平均輝度値である。
式(1)の場合と同様、画像が暗いほど閾値Thhistは通常値から近い値に設定される。
従って、誤検出が減り、精度が向上すると同時に、方向符号照合時の照合回数を減らせるので照合処理の高速化を行うことができる。
Thhist=modehist+ave×Whist …(2)
(1)パンタグラフ探索範囲Aを次の(ア)〜(力)の処理で求める
(ア)入力画像に対して線形濃度変換を行い、コントラスト強調を行い(ステップS1)、
(イ) (ア)で作成した画像に対してメディアンフィルタをかけてノイズ除去を行い(ステップS2)、
(ウ) (イ)で作成した画像に対してエッジ検出を行う(ステップS3)。
(オ) (エ)で作成した画像に対して横エッジカウント領域Bを縦方向に走査し、領域内の横エッジ強度の平均値を求める。求めた平均値を横エッジカウント領域B中心のY座標ごとに投影し、エッジヒストグラムを作成する(ステップS5)。
(カ) (オ)で作成したエッジヒストグラムと入力画像の明るさにより算出される閾値を用いて、パンタグラフ探索範囲Aを求める(ステップS6)。
(3) (1),(2)で求めたパンタグラフ探索範囲A、入力符号画像および用意しておいた基準符号画像を用いて方向符号照合を行う(ステップS8)
(4) (3)により求まるパンタグラフ検出照合値と入力画像明るさにより算出される閾値を比較し、適合度の判定、即ち、パンタグラフ1aの有無を判定する(ステップS9)。
本実施例の構成を図12に示す。
本実施例は、入力画像の取得方法が実施例1とは異なる。
即ち、本実施例では、図12に示すように、列車1が通過する線路2の上方に、監視カメラ30、照明装置20を設置し、監視カメラ30により下方を撮影し、その画像を録画する。
本実施例では、パンタグラフ検出センサ40を省くことができるため、実施例1よりも低コストで、簡単な装置構成にできる。
しかし、撮影した画像全てに対して実施例1で述べたパンタグラフ検出方法を用いることによりパンタグラフ検出を行うことができるので、パンタグラフ1aが映っている画像のみを最終的に保管することができる。
・ 撮影した画像を一通り録画装置の画像保管領域に保管しておいてからパンタグラフ検出を行う。パンタグラフ1aが映っていない画像の場合は、その画像を画像保管領域から削除する。
1a パンタグラフ
2 線路
20 照明装置
30 監視カメラ
40 パンタグラフ検出センサ
50 画像処理装置
A パンタグラフ探索範囲
B 横エッジカウント領域
Claims (12)
- 列車が通過する線路上方に監視カメラを設置し、該監視カメラにより下方を撮影し、撮影した入力画像を画像処理することにより前記入力画像中にパンタグラフが映っている画像のみを保管するパンタグラフ検出装置において、前記入力画像に対して方向符号照合を行い、予め設定した方向符号探索閾値よりも適合度が高いときには前記入力画像中にパンタグラフが映っていると判断する画像処理装置を備え、前記画像処理装置は、前記入力画像中において前記方向符号照合によりパンタグラフ検出を行う探索範囲として、前記パンタグラフの形状特徴を用いてエッジヒストグラムを作成し、前記エッジヒストグラムが予め設定した閾値以上の範囲に設定したことを特徴とするパンタグラフ検出装置。
- 請求項1記載のパンタグラフ検出装置において、前記画像処理装置は、前記入力画像の明るさにより前記方向符号探索閾値を変動させることを特徴とするパンタグラフ検出装置。
- 請求項1記載のパンタグラフ検出装置において、前記画像処理装置は、前記エッジヒストグラムの作成の前処理として、前記入力画像に対して画質補正を行うことを特徴とするパンタグラフ検出装置。
- 請求項3記載のパンタグラフ検出装置において、前記画像処理装置は、前記画質補正として、濃度分布の線形濃度変換によるコントラスト強調を行うことを特徴とするパンタグラフ検出装置。
- 請求項4記載のパンタグラフ検出装置において、前記画像処理装置は、前記コントラスト強調を行う際、前記パンタグラフを含む画像中央の一定領域内の濃度値ヒストグラムを用いることを特徴とするパンタグラフ検出装置。
- 請求項1記載のパンタグラフ検出装置において、前記線路上方にパンタグラフ検出センサをも設置し、該パンタグラフ検出センサが前記列車上のパンタグラフを検出した際に前記監視カメラにより前記パンタグラフを撮影することを特徴とするパンタグラフ検出装置。
- 列車が通過する線路上方に監視カメラを設置し、該監視カメラにより下方を撮影し、撮影した入力画像を画像処理することにより前記入力画像中にパンタグラフが映っている画像のみを保管するパンタグラフ検出方法において、前記画像処理は、前記入力画像に対して方向符号照合を行い、予め設定した方向符号探索閾値よりも適合度が高いときには前記入力画像中にパンタグラフが映っていると判断し、前記入力画像中において前記方向符号照合によりパンタグラフ検出を行う探索範囲は、前記パンタグラフの形状特徴を用いてエッジヒストグラムを作成し、前記エッジヒストグラムが予め設定した閾値以上の範囲に設定したことを特徴とするパンタグラフ検出方法。
- 請求項7記載のパンタグラフ検出方法において、前記方向符号照合は、前記入力画像の明るさにより前記方向符号探索閾値を変動させることを特徴とするパンタグラフ検出方法。
- 請求項8記載のパンタグラフ検出方法において、前記エッジヒストグラムの作成の前処理として、前記入力画像に対して画質補正を行うことを特徴とするパンタグラフ検出方法。
- 請求項9記載のパンタグラフ検出方法において、前記画質補正として、濃度分布の線形濃度変換によるコントラスト強調を行うことを特徴とするパンタグラフ検出方法。
- 請求項10記載のパンタグラフ検出方法において、前記コントラスト強調を行う際、前記パンタグラフを含む画像中央の一定領域内の濃度値ヒストグラムを用いることを特徴とするパンタグラフ検出方法。
- 請求項8記載のパンタグラフ検出方法において、前記線路上方にパンタグラフ検出センサをも設置し、該パンタグラフ検出センサが前記列車上のパンタグラフを検出した際に前記監視カメラにより前記パンタグラフを撮影することを特徴とするパンタグラフ検出方法。
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