以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の円形の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。よって、演出表示装置9は、演出図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を可変表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
遊技盤6における下部の左側には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示部)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。遊技盤6における下部の右側には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示部)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。また、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(可変表示部)と総称することがある。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、可変表示時間が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、入賞とは、入賞口などの予め入賞領域として定められている領域に遊技球が通過したことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を停止表示させることである(いわゆる再変動の前の停止を除く。)。また、この実施の形態では、第1始動入賞口13への入賞および第2始動入賞口14への入賞に関わりなく、始動入賞が生じた順に可変表示の開始条件を成立させるが、第1始動入賞口13への入賞と第2始動入賞口14への入賞のうちのいずれかを優先させて可変表示の開始条件を成立させるようにしてもよい。例えば第1始動入賞口13への入賞を優先させる場合には、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態であれば、第2保留記憶数が0でない場合でも、第1保留記憶数が0になるまで、第1特別図柄の可変表示を続けて実行する。
第1特別図柄表示器8aの近傍には、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての第1飾り図柄の可変表示を行う第1飾り図柄表示器9aが設けられている。この実施の形態では、第1飾り図柄表示器9aは、2つのLEDで構成されている。第1飾り図柄表示器9aは、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。また、第2特別図柄表示器8bの近傍には、第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての第2飾り図柄の可変表示を行う第2飾り図柄表示器9bが設けられている。第2飾り図柄表示器9bは、2つのLEDで構成されている。第2飾り図柄表示器9bは、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。
なお、第1飾り図柄と第2飾り図柄とを、飾り図柄と総称することがあり、第1飾り図柄表示器9aと第2飾り図柄表示器9bを、飾り図柄表示器と総称することがある。
飾り図柄の変動(可変表示)は、2つのLEDが交互に点灯する状態を継続することによって実現される。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、第1飾り図柄表示器9aにおける第1飾り図柄の可変表示とは同期している。第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、第2飾り図柄表示器9bにおける第2飾り図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第1飾り図柄表示器9aにおいて大当りを想起させる側のLEDが点灯されたままになる。第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第2飾り図柄表示器9bにおいて大当りを想起させる側のLEDが点灯されたままになる。なお、第1飾り図柄表示器9aおよび第2飾り図柄表示器9bの機能を、演出表示装置9で実現するようにしてもよい。すなわち、第1飾り図柄および第2飾り図柄が、演出表示装置9の表示画面において画像として可変表示されるように制御してもよい。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。従って、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
第1飾り図柄表示器9aの側方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
第2飾り図柄表示器9bの側方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(以下、合算保留記憶表示部18cという。)が設けられている。合計数を表示する合算保留記憶表示部18cが設けられているので、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。なお、第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられているので、合算保留記憶表示部18cは、必ずしも設けられていなくてもよい。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
演出表示装置9の周囲の飾り部において、左側には、モータ86の回転軸に取り付けられ、モータ86が回転すると移動する可動部材78が設けられている。この実施の形態では、可動部材78は、予告演出(可動物予告演出)が実行されるときに動作する。また、演出表示装置9の周囲の飾り部において、左右の下方には、モータ87の回転軸に取り付けられ、モータ87が回転すると移動する羽根形状の可動部材(以下、羽根モノという。)79a,79bが設けられている。この実施の形態では、羽根モノ79a,79bは、予告演出(羽根モノ予告演出)が実行されるときに動作する。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
遊技領域6には、遊技球の入賞に基づいて予め決められている所定数の景品遊技球の払出を行うための入賞口(普通入賞口)29,30,33,39も設けられている。入賞口29,30,33,39に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aで検出される。
遊技盤6の右側方には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。また、確変状態ではないが図柄の変動時間が短縮されている時短状態(特別図柄の可変表示時間が短縮される遊技状態)でも、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
打球供給皿3を構成する部材においては、遊技者により操作可能な操作手段としての操作ボタン120が設けられている。操作ボタン120には、遊技者が押圧操作をすることが可能な押しボタンスイッチが設けられている。なお、操作ボタン120は、遊技者による押圧操作が可能な押しボタンスイッチが設けられているだけでなく、遊技者による回転操作が可能なダイヤルも設けられている。遊技者は、ダイヤルを回転操作することによって、所定の選択(例えば演出の選択)を行うことができる。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、第1飾り図柄表示器9aにおいて第1飾り図柄の可変表示が開始され、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄、第1飾り図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、第2飾り図柄表示器9bにおいて第2飾り図柄の可変表示が開始され、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄、第2飾り図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
この実施の形態では、確変大当りであることや確変昇格演出(確変状態に昇格することを示す特別な演出:再抽選演出ともいう。)において確変に昇格したことを報知した場合には、遊技状態を高確率状態に移行するとともに、遊技球が始動入賞しやすくなる(すなわち、特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行する。また、遊技状態が時短状態に移行されたときも、高ベース状態に移行する。高ベース状態である場合には、例えば、高ベース状態でない場合と比較して、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高められたり、可変入賞球装置15が開状態となる時間が延長されたりして、始動入賞しやすくなる。
なお、可変入賞球装置15が開状態となる時間を延長する(開放延長状態ともいう)のでなく、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となると、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。この場合、普通図柄確変状態に移行制御することによって、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高まる。従って、普通図柄確変状態に移行すれば、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。すなわち、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(始動入賞しやすい状態)に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
また、普通図柄表示器10における普通図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなる。従って、普通図柄が当りとなる頻度が高くなることによって、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。
また、特別図柄や演出図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、特別図柄や演出図柄の変動が開始される頻度が高くなり(換言すれば、保留記憶の消化が速くなる。)、結果として、始動入賞しやすくなり大当り遊技が行われる可能性が高まる。
さらに、上記に示した全ての状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
また、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ13a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、飾り図柄を可変表示する第1飾り図柄表示器9aおよび第2飾り図柄表示器9bと、演出図柄を可変表示する演出表示装置9との表示制御を行う。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、遊技盤に設けられている装飾LED25、および枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行うとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行う。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドに基づいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータを予め格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
また、演出制御用CPU101は、出力ポート106を介して、可動部材78を動作させるためにモータ86を駆動する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート106を介して、羽根モノ79a,79bを動作させるためのモータ87を駆動する。
また、演出制御用CPU101は、入力ポート107を介して、遊技者による操作ボタン120の押圧操作に応じて操作ボタン120からの信号を入力する。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、LEDを駆動する信号に基づいて枠LED28などの枠側に設けられている発光体に電流を供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾LED25に電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。なお、本実施形態におけるスピーカ27は、右用のスピーカ27Rと左用のスピーカ27Lの2つにより構成されている。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
遊技中は原則として、遊技状態(例えば大当り遊技中や演出図柄変動中)に応じた演出制御実行データ(プロセスデータ)の音番号データに基づいて音声や楽曲が出力される。図37及び図38に示す例では、図柄の変動開始〜図柄最終停止までに演出制御実行データ1〜nが実行されており、この間は音番号データ1〜nに基づいて音声や楽曲が出力されることになる。但し、大当り遊技終了後であっても、楽曲継続フラグがセットされている期間中は(ステップS800AでY)、大当り遊技中の演出制御実行データの音番号データに従って大当り中楽曲が出力されるようになっている(ステップS800B実行)。そして、当該期間中は、所定の条件となる場合を除き、原則として演出図柄が変動するときも、演出制御実行データ(演出図柄変動開始〜演出図柄変動停止までのプロセスデータ)の音番号データに従わない(ステップS8008Bで音番号データ1を除く,S844Bで音番号データを除く)。即ち、大当り中楽曲の優先度を通常時楽曲の優先度より高くしている。また、ここでいう所定の条件とは、リーチ演出の発生であり、このときは演出制御実行データ(演出図柄変動開始〜演出図柄変動停止までのプロセスデータ)の音番号データに従う(ステップS855Dでプロセスデータ(音番号データ)の内容に従って演出装置を制御)。即ち、予告音の優先度を大当り中楽曲の優先度より高くしている。
音声合成用IC703は、SSG音源と高性能圧縮音声再生機能を併せ持つ自動演奏LSIである。その内部構成及び機能は、例えば特開2007−130189号公報(第4図及び第42図)に開示されているLSIと同様である。図65及び図66を用いてその概要を説明する。図65は、音声合成用ICの内部構成を示すブロック図である。音声合成用IC703は、音声データROM704に格納されているAMMデータ形式のフレーズデータをPCMデータにデコードして出力するAMMデコーダ714と、各種の複雑な音(矩形波3音+ノイズ1音)を独自に発生して出力するSSG音源715とを備えた自動演奏LSIである。
図65に示す構成において、CPUインタフェース711は、入出力ポート104および入出力ドライバ702を介して演出制御用CPU101と接続するためのインタフェースであって、演出制御用CPU101からの情報や信号を入力する。CPUインタフェース711は、/SEL(インタフェースモード選択端子)、S6M(CPUインタフェースモード選択端子)、/CS(チップセレクト信号入力端子)、/WR(ライトイネーブル信号入力端子)、ENA(イネーブル信号またはライトイネーブル信号入力端子)、AD(アドレスデータ選択信号入力端子)およびCD0〜CD7(CPUからのコマンドデータ入力端子:データバス)の端子が接続されている。/SELおよびS6Mの端子の信号レベルによってモードが選択され、/CS、/WR、ENAおよびADの端子の信号レベルによってモードに応じたコマンドデータの書き込みが行われる。
タイミング発生回路712は、処理タイミングを決定するためのクロックを発生する回路であり、XI(水晶発振子接続端子または外部クロック入力端子)、XO(水晶発振子接続端子)、CLKO(クロック出力端子)および/RESET(リセット入力端子)の端子が接続されている。XIおよびXOの端子が水晶発振子と接続されることにより水晶発振回路が構成される。外部からのクロックをXIの端子より入力することも可能である。CLKOの端子からは所定周波数のクロックが出力される。/RESETの端子がロウレベルのとき、内部レジスタが初期化される。音声合成用IC703では、電源投入時にシステムリセットを行う必要がある。
外部ROMインタフェース713は、音声データROM(外部ROM)704と接続するためのインタフェースであって、音声データROM704との間で情報や信号の入出力を行う。外部ROMインタフェース713は、MA00〜MA23(アドレスバス)、MD00〜MD15(データバス)およびMBMD(データバス幅選択信号入力端子)の端子が接続されている。外部ROMインタフェース713は、MA00〜MA23の端子よりアドレスを音声データROM704に出力し、MD00〜MD15の端子より音声データROM704からのデータを読み込む。MBMDの端子がハイレベルのとき、16ビットのデータバスに対応し、ロウレベルのとき、8ビットのデータバスに対応する。
AMMデコーダ714は、演出制御用CPU101からの命令(コマンド)により、AMMデータ形式に圧縮されたフレーズデータを音声データROM704から外部ROMインタフェース713を介して読み出し、読み出したフレーズデータをPCMデータ(Pulse Code Modulation)にデコード(復号化、伸張)する。また、AMMデコーダ714は、演出制御用CPU101からの命令に従って、ボリューム、パン(ステレオ再生したときの、音が聞こえる定位(方向)を設定する機能)およびバスブースト(低音強調)を制御する機能を備えている。この実施の形態では、AMMデコーダ714には、音声の再生チャンネルとして8チャンネルが設けられ、独立した8フレーズの同時再生が可能である。なお、AMMデコーダ714の詳しい内容については後述する(図66等参照)。
SSG音源715は、3系列のパルスジェネレータと1系列のノイズジェネレータとエンベローブジェネレータで構成されており、効果音、警報など、各種の複雑な音(矩形波3音+ノイズ1音)を発生することが可能である。なお、SSG音源715の詳しい内容については後述する(図66等参照)。
デジタル出力インタフェース716は、AMMデコーダ714によってPCMデータにデコードされたフレーズデータをデジタル出力するためのインタフェースである。デジタル出力インタフェース716は、LRO(ワードクロックのデジタル出力端子)、BCO(ビットクロックのデジタル出力端子)およびSDO(フレーズデータのデジタル出力端子)の端子が接続されている。LROの端子からワードクロックが出力され、BCOの端子からビットクロックが出力され、SDOの端子からフレーズデータが出力される。なお、デジタル出力を行わないときは、LRO、BCO、SDOの端子はオープンにされる。
DAコンバータオペアンプ717は、AMMデコーダ714によってPCMデータにデコードされたフレーズデータをアナログデータに変換し、変換したアナログデータを増幅してアナログ出力する回路である。DAコンバータオペアンプ717は、AOL(Lチャンネルのアナログ出力端子)およびAOR(Rチャンネルのアナログ出力端子)の端子が接続されている。AOLの端子から左側のスピーカ27Lに対してアナログデータが出力され、AORの端子から右側のスピーカ27Rに対してアナログデータが出力される。
OR回路718には、AMMデコーダ714とSSG音源715とが入力側に接続され、/PLAYの端子が出力されている。/PLAYの端子は、AMMデコーダ714およびSSG音源715の各再生チャンネルのいずれかが再生中の場合はロウレベルとなる。全ての再生チャンネルが停止中の場合はハイレベルになる。
図66に示すように、AMMデコーダ714には、フレーズを独立して再生可能な再生チャンネルとして8チャンネル(ch0〜ch7)が設けられている。偶数再生チャンネルはモノラル、ステレオフレーズのデコードが可能であり、奇数再生チャンネルはモノラルフレーズのみデコードが可能である。再生チャンネル0がステレオフレーズデコード時に、再生チャンネル1はデコード不可能になる。同様に、再生チャンネル2,4,6がステレオフレーズデコード時に、再生チャンネル3,5,7はデコード不可能になる。なお、モノラルおよびステレオフレーズの識別は、音声合成用IC703内でフレーズデータから自動的に検出される。また、図66に示すように、SSG音源715には、各種の音(矩形波3音+ノイズ1音)を発生する音源が2系統設けられている。
音声合成用IC703は、8系統のシーケンサーを内蔵しており、フレーズ再生停止検出機能やタイマ機能を利用して、フレーズの出力順序の指定や、フェードイン/フェードアウト、オートパン(音像を左右、前後に周期的に移動させるエフェクト)などを実現する。
音声合成用IC703では、演出制御用CPU101からのコマンドにもとづいて、音声データROM704に登録された制御データ(コードデータ)を実行し、フレーズ再生制御レジスタ、SSG音源制御レジスタ、およびシーケンサーレジスタにデータを設定して、フレーズデータの再生やシーケンサーの起動などを実行する。
フレーズ再生を制御するためのフレーズ再生制御レジスタには、全チャンネルの制御レジスタと各チャンネルの制御レジスタが設けられている。そして、全チャンネルの制御レジスタには、ミュートの設定を行うためのレジスタや全再生チャンネルの音量を設定するためのレジスタ、バスブーストの設定を行うためのレジスタなどが設けられている。また、各チャンネルの制御レジスタには、再生するフレーズナンバーの設定を行うためのレジスタ、各再生チャンネルの音量を設定するためのレジスタ、各再生チャンネルのパンポット(L/Rの定位)を設定するためのレジスタ(PAN設定用のレジスタ)、再生の繰り返しを設定するためのレジスタ、再生スタート/ストップを設定するためのレジスタなどが設けられている。
SSG音源715を制御するためのSSG音源制御レジスタには、6チャンネル(1A,1B,1C,2A,2B,2C)のパルスジェネレータで生成される矩形波の周波数を設定するためのレジスタ(楽音周波数の設定用のレジスタ)、ノイズジェネレータで生成されるノイズ音の周波数を設定するためのレジスタ、各チャンネル(1A,1B,1C,2A,2B,2C)ごとに楽音(トーン)およびノイズ音を出力するかどうかを設定するためのレジスタ(ミキサー設定用のレジスタ)、各チャンネル(1A,1B,1C,2A,2B,2C)の音量を設定するためのレジスタ、エンベローブジェネレータ(電子楽器の音源部で、鍵盤を弾いた瞬間から音が消えるまでの、音の出力レベルを変化させる部分(装置)。音の立ち上がりの鋭さや減衰などを調節することが可能。)を設定するためのレジスタ、各チャンネル(1A,1B,1C,2A,2B,2C)のパンポット(L/Rの定位)を設定するためのレジスタ(PAN設定用のレジスタ)、SSG音全チャンネルのトータルボリュームを設定するためのレジスタなどが設けられている。
シーケンサーを制御するためのシーケンサーレジスタには、8系統のシーケンサーごとに、各シーケンサーが実行する制御データ(コードデータ)を設定するためのレジスタ、各シーケンサーの起動/停止を設定するためのレジスタ、タイマの設定を行うためのレジスタなどが設けられている。
AMMデコーダ714では、再生するフレーズナンバーを示すデータが制御レジスタに設定された一または複数の再生チャンネルにおいて、音声データROM704から読み出されたAMMデータ形式のフレーズデータがPCMデータにデコードされる。そして、ボリューム(VOL)において、制御レジスタに設定されたデータに従ってデコードされた音声データの音量が調整される。また、パン(pan)において、制御レジスタに設定されたデータに従ってパンポット(L/Rの定位)が調整される。そして、各再生チャンネルからの音声データが合成され、バスブーストにおいて、制御レジスタに設定されたデータに従って低音を強調する音声データ処理が行われる。そして、音声データが出力I/F(デジタル出力インタフェース716および(または)DAコンバータオペアンプ717)に出力される。
SSG音源715では、制御レジスタに設定されたデータに従って、パルスジェネレータおよびノイズジェネレータが所定周波数の楽音およびノイズ音の音源データを出力する。パルスジェネレータおよびノイズジェネレータから出力された楽音およびノイズ音は、ミキサーでミックス(混合)される。そして、制御レジスタに設定されたデータに従って、エンベローブジェネレータによって音の立ち上がりの鋭さや減衰などが調節され、また、パンポット(L/Rの定位)が調整される。そして、各チャンネルからの音声データが合成され、合成された音声データが出力I/F(デジタル出力インタフェース716および(または)DAコンバータオペアンプ717)に出力される。
出力I/F716,717は、AMMデコーダ714およびSSG音源715からの音声データをデジタル出力またはアナログ出力する。
このようにAMMデコーダ714には、フレーズを独立して再生可能な再生チャンネルとして8チャンネル(ch0〜ch7)が設けられていて、独立した8フレーズの同時再生が可能である。即ち各再生チャンネル毎に、制御レジスタに設定されたデータに従ってデコードされた音声データの音量を調整することが可能である。
図67は、各種音のチャンネル割当を示す説明図である。図67に示すように、各再生チャンネル(ch0〜ch7)には各種の音が予め割り当てられている。チャンネル0にはエラーを報知するエラー音(警報音)が割り当てられ、チャンネル1にはリーチ演出の際に出力される音声や楽曲である予告音(リーチを予告する音声(例えば「チャンス」)やリーチ中楽曲(例えば楽曲D))が割り当てられ、チャンネル2には大当り遊技中に出力される特定の楽曲である大当り中楽曲が割り当てられ、チャンネル3には演出図柄変動開始〜停止までの期間に再生される通常時楽曲が割り当てられる。さらにチャンネル4〜7には、効果音1〜4(例えば後述するイントロ1〜3や、図柄停止時の効果音等)が割り当てられる。
また、各チャンネルに割り当てられている音に優先順位(優先度)が予め設定されている。優先順位の高い音が優先して音声出力される。例えば、予告音と大当り中楽曲とが同時に出力される状況になったときは、予告音の方が大当り中楽曲よりも優先順位が高いため優先して出力される。即ち、大当り中楽曲の音量を徐々に小さくしあるいは消去し、予告音の音量を大きくして音声出力する。このような音声制御(音量の制御)は、上述したように、演出制御用CPU101が音声合成用IC703にコマンドデータを出力することにより実現される。具体的には、音声合成用IC703が演出制御用CPU101からのコマンドデータに応じた制御データを音声データROM704から読み出し、読み出した制御データに従って所定のレジスタにデータを設定して、所定の音声制御を実行する。
演出制御用CPU101と音声合成用IC703との間におけるコマンド送受によって、大当り中楽曲が継続して再生されているときに、所定条件が成立した場合に、当該大当り楽曲のボリュームを所定期間低下させ、所定期間経過後に該ボリュームを回復させるという音量調整処理を行うことができる。本実施形態における所定条件とは、リーチ演出の実行である。リーチ演出期間中は大当り中楽曲のボリュームを低下させ、リーチ演出終了後にボリュームを回復させる。大当り中楽曲と予告音を同時に出力するときに、大当り中楽曲よりも予告音を優先して出力するように構成することにより、大当り中楽曲再生中に予告音を出力するときに予告音が聞き取りにくくなることがなくなり、遊技者に容易に予告の発生を認識させることができる。
ここで、本実施形態における通常時楽曲は、演出図柄の変動開始に伴い再生開始され、演出図柄変動中に再生継続され、演出図柄停止に伴い再生が停止されるため、演出図柄変動中の効果音でもある。また、本実施形態における大当り中楽曲は、大当り遊技中(ラウンド中)に限らず、楽曲終了まで再生される。即ち、大当り終了後も楽曲が終了していなければ終了時まで継続して再生されるようになっており、大当り楽曲再生中は通常時楽曲のボリュームがオフとされる。また、本実施形態において、通常時楽曲のボリュームは予告音再生時にはオフとされる。さらに、本実施形態において大当り中楽曲のボリュームは予告音再生時にはオフとされる。即ち、本実施形態における音出力の優先度は、予告音(「チャンス」等の音声やリーチ中楽曲)>大当り中楽曲>通常時楽曲となっており、これらの音出力が同時に行われる場合には、優先度の最も高いチャンネルの音声のみボリュームがオンとなり、他のチャンネルのボリュームはオフとなる。
なお、図67に示した例では、再生チャンネル0にエラー音を割り当て、そのエラー音の優先順位を高く設定していたが、各再生チャンネル0〜7にエラー音を割り当てずに、エラー音はSSG音源715から音声出力させるように構成されていてもよい。この場合も、SSG音源715のチャンネルの優先順位を予め高く設定しておき、エラーが発生したときは、優先的にエラー音が音声出力されるように構成されているのが好ましい。なお、SSG音源715は、エラー音を発生するためだけに用いられるわけではなく、各種の演出用の効果音を発生して音声出力させることも当然可能である。
次に、遊技機の動作について説明する。図4は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理(ステップS10〜S15)を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS43)。また、CPU56は、バックアップRAMに保存されている表示結果(確変大当り、通常大当り、突然確変大当り、小当り、またははずれ)を指定した表示結果指定コマンドを演出制御基板80に対して送信する(ステップS44)。そして、ステップS14に移行する。なお、ステップS44において、CPU56は、例えば、後述する特別図柄ポインタの値もバックアップRAMに保存している場合には、第1図柄変動指定コマンドや第2図柄変動指定コマンド(図6参照)も送信するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、バックアップRAM領域には、後述する変動時間タイマの値も保存される。従って、停電復旧した場合には、ステップS44で表示結果指定コマンドが送信された後、保存していた変動時間タイマの値の計測を再開して特別図柄の変動表示が再開されるとともに、保存していた変動時間タイマの値がタイムアウトしたときに、さらに後述する図柄確定指定コマンドが送信される。また、この実施の形態では、バックアップRAM領域には、後述する特別図柄プロセスフラグの値も保存される。従って、停電復旧した場合には、保存されている特別図柄プロセスフラグの値に応じたプロセスから特別図柄プロセス処理が再開される。
なお、停電復旧時に必ず表示結果指定コマンドを送信するのではなく、CPU56は、まず、バックアップRAM領域に保存している変動時間タイマの値が0であるか否かを確認するようにしてもよい。そして、変動時間タイマの値が0でなければ、変動中に停電した場合であると判断して、表示結果指定コマンドを送信するようにし、変動時間タイマが0であれば、停電時に変動中の状態ではなかったと判断して、表示結果指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
また、CPU56は、まず、バックアップRAM領域に保存している特別図柄プロセスフラグの値が3であるか否かを確認するようにしてもよい。そして、特別図柄プロセスフラグの値が3であれば、変動中に停電した場合であると判断して、表示結果指定コマンドを送信するようにし、特別図柄プロセスフラグが3でなければ、停電時に変動中ではなかったと判断して、表示結果指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値または予め決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路503に大当り判定用乱数値(図7に示す特図表示結果決定用の乱数値MR1)の値を更新させるための設定を行う。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば4ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、この実施の形態では、リーチ演出は、演出表示装置9において可変表示される演出図柄を用いて実行される。また、特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、リーチ演出は常に実行される(ただし、突然確変大当りの場合には、リーチとはならずに突然確変大当り図柄(例えばチャンス目「135」)が停止表示される場合もある)。特別図柄の表示結果を大当り図柄にしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数を用いた変動パターン種別や変動パターンを決定する抽選を行うことによって、リーチ演出を実行するか否か決定する。ただし、実際にリーチ演出の制御を実行するのは、演出制御用マイクロコンピュータ100である。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図5に示すステップS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、ステップS32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS28)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS32)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S33(ステップS29を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示態様を、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の可変表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、演出図柄が揃って停止表示される(ただし、突然確変大当りの場合には、リーチとはならずに突然確変大当り図柄(例えば「135」等)が停止表示される場合もある)。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当りである「5」が停止表示される場合には、演出表示装置9において、演出図柄の可変表示態様が「突然確変大当り」である場合と同様に演出図柄の可変表示が行われた後、所定の小当り図柄(突然確変大当り図柄と同じ図柄。例えばチャンス目「135」)が停止表示されることがある。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当り図柄である「5」が停止表示されることに対応する演出表示装置9における表示演出を「小当り」の可変表示態様という。
ここで、小当りとは、大当りと比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容される当りである。なお、小当り遊技が終了した場合、遊技状態は変化しない。すなわち、確変状態から通常状態に移行したり通常状態から確変状態に移行したりすることはない。また、突然確変大当りとは、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容されるが大入賞口の開放時間が極めて短い大当りであり、かつ、大当り遊技後の遊技状態を確変状態に移行させるような大当りである(すなわち、そのようにすることにより、遊技者に対して突然に確変状態となったかのように見せるものである)。つまり、この実施の形態では、突然確変大当りと小当りとは、大入賞口の開放パターンが同じである。そのように制御することによって、大入賞口の0.1秒間の開放が2回行われると、突然確変大当りであるか小当りであるかまでは認識できないので、遊技者に対して高確率状態(確変状態)を期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
図6は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図6(A)に示す例において、コマンド8001(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8002(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。なお、「(H)」は16進数であることを示す。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド81XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図8に示す変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド81XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8CXX(H)は、大当りとするか否か、小当りとするか否か、および大当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8CXX(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8CXX(H)を表示結果指定コマンドという。具体的には、図6(B)に示すように、コマンド8C00は、表示結果がハズレに決定されたことを示す表示結果1指定コマンド(はずれ指定コマンド)であり、コマンド8C01は、表示結果が非確変大当り(通常大当り)に決定されたことを示す表示結果2指定コマンド(通常大当り指定コマンド)であり、コマンド8C02は、表示結果が確変大当りのうちの確変大当りSに決定されたことを示す表示結果3指定コマンドであり、コマンド8C03は、表示結果が確変大当りのうちの16R確変大当りAに決定されたことを示す表示結果4指定コマンドであり、コマンド8C03は、表示結果が確変大当りのうちの16R確変大当りAに決定されたことを示す表示結果4指定コマンドであり、コマンド8C04は、表示結果が確変大当りのうちの16R確変大当りBに決定されたことを示す表示結果5指定コマンドであり、コマンド8C05は、表示結果が確変大当りのうちの16R確変大当りCに決定されたことを示す表示結果6指定コマンドであり、コマンド8C06は、表示結果が突然確変大当りに決定されたことを示す表示結果7指定コマンド(突然確変大当り指定コマンド)であり、コマンド8C07は、表示結果が小当りに決定されたことを示す表示結果6指定コマンド(小当り指定コマンド)である。
なお、コマンド8C02〜8C05を、確変大当り指定コマンドと総称することがある。
コマンド8F00(H)は、演出図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、演出図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド95XX(H)は、現在の遊技状態に応じた背景表示を指定する演出制御コマンド(遊技状態背景指定コマンド)である。図6(A)には示していないが、コマンド9500(H)は、遊技状態が通常状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(通常状態背景指定コマンド)である。コマンド9501(H)は、遊技状態が時短状態(確変状態を含まない)であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(時短状態背景指定コマンド)である。コマンド9502(H)は、遊技状態が確変状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(確変状態背景指定コマンド)である。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA0XX(H)は、大当り遊技の開始(ファンファーレ画面を表示すること)および小当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。当り開始指定コマンドには、大当りの種類に応じた大当り開始1指定コマンド、大当り開始指定2指定コマンドおよび小当り/突然確変大当り開始指定コマンドがある。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然確変大当りである場合に突然確変大当り開始指定用のファンファーレ指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはファンファーレ指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA3XX(H)は、大当り遊技の終了および小当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(当り終了指定コマンド:エンディング指定コマンド)である。ここで、コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、通常大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了1指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、確変大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了2指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。コマンドA303(H)は、小当りの遊技の終了または突然確変大当りの遊技の終了を指定する演出制御コマンド(小当り/突然確変大当り終了指定コマンド:エンディング3指定コマンド)である。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然大当りである場合に突然確変大当り終了指定用のエンディング指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはエンディング指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
コマンドC000(H)は、第1保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第2保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC200(H)は、第1保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンド)である。コマンドC300(H)は、第2保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数減算指定コマンド)である。
なお、この実施の形態では、第1保留記憶数と第2保留記憶数とについて、それぞれ保留記憶数が増加または減少したことを示す演出制御コマンドを送信する場合を示しているが、保留記憶数そのものを指定する演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。この場合、例えば、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とのいずれに始動入賞したかを指定する演出制御コマンドを送信するとともに、保留記憶数を指定する保留記憶数指定コマンドとして第1保留記憶数と第2保留記憶数とで共通の演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。
また、例えば、第1保留記憶数を指定する場合と第2保留記憶数を指定する場合とで別々の演出制御コマンド(保留記憶数指定コマンド)を送信するようにしてもよい。この場合、例えば、保留記憶数指定コマンドとして、MODEデータとして第1保留記憶数または第2保留記憶数を特定可能な値(例えば、第1保留記憶数を指定する場合には「C0(H)」、第2保留記憶数を指定する場合には「C1(H)」)を含むとともに、EXTデータとして保留記憶数の値を設定した演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。
また、例えば、同じ第1保留記憶数を指定する場合であれば、MODEデータを共通として、EXTデータを異ならせることによって、第1保留記憶数の加算または減算を指定した演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。例えば、共通のMODEデータ「C0(H)」を用い、第1保留記憶数の減算を指定する場合にはコマンドC000(H)を送信するようにし、第1保留記憶数の加算を指定する場合にはコマンドC001(H)を送信するようにしてもよい。さらに、第2保留記憶数を指定する場合にはMODEデータを異ならせて、第2保留記憶数の減算を指定する場合にはコマンドC100(H)を送信するようにし、第2保留記憶数の加算を指定する場合にはコマンドC101(H)を送信するようにしてもよい。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図6に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞があり第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の可変表示が開始される度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
主基板31では、例えば図3に示す遊技制御用マイクロコンピュータ560が備える乱数回路503などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。図7は、主基板31の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図7に示すように、この実施の形態では、主基板31の側において、特図表示結果決定用(表示結果決定用)の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3、変動パターン決定用の乱数値MR4、普図表示結果決定用の乱数値MR5のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。なお、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。
こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。乱数回路503は、これらの乱数値MR1〜MR5の全部又は一部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU56は、例えば図16に示す遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路503とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することで、乱数値MR1〜MR5の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。一例として、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データは、乱数回路503によりCPU56とは独立して更新され、それ以外の乱数値MR2〜MR5を示す数値データは、CPU56がランダムカウンタを用いてソフトウェアにより更新されればよい。また、乱数回路503により更新された数値データの全部又は一部を用いて、スクランブル処理や演算処理といった所定の処理を実行することにより、乱数値MR1〜MR5の全部又は一部を示す数値データが更新されるようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有していてもよい。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行って得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。このような処理を行うことにより、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「65535」の範囲の値をとる。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合における演出図柄の可変表示態様である大当り種別を「非確変」、「確変」、「突確」のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「100」の範囲の値をとる。
変動パターン種別決定用の乱数値MR3は、特別図柄や演出図柄の可変表示における変動パターン種別を、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「251」の範囲の値をとる。変動パターン決定用の乱数値MR4は、特別図柄や演出図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「997」の範囲の値をとる。普図表示結果決定用の乱数値MR5は、普通図柄表示器10による普図ゲームにおける可変表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかなどの決定を行うために用いられる乱数値であり、例えば「3」〜「13」の範囲の値をとる。すなわち、普図表示結果決定用の乱数値MR5は、普図ゲームにおける可変表示結果に基づき普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しがたい状態(通常開放状態)から遊技球が通過(進入)しやすい状態(拡大開放状態)へと変化させるか否かなどの決定を行うために用いられる。
図8は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、演出図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果が「大当り」となる場合のうち、大当り種別が「非確変」又は「確変」である場合と「突確」である場合、さらには、可変表示結果が「小当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。なお、可変表示結果が「ハズレ」で演出図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターン(「非リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称され、可変表示結果が「ハズレ」で演出図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターン(「リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称される。また、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応したハズレ変動パターンに含まれる。可変表示結果が「大当り」や「小当り」である場合に対応した変動パターンは、当り変動パターンと称される。
図8に示すように、この実施の形態では、表示結果がハズレとなる非リーチ変動パターンとして、変動パターンPA1−1〜変動パターンPA1−3と、変動パターンPA2−1〜変動パターンPA2−3とが予め用意されている。また、表示結果がハズレとなるリーチ変動パターンとして、変動パターンPA3−1〜変動パターンPA3−6が予め用意されている。
さらに、表示結果がハズレとなるがイントロ演出を伴う変動パターンとして、変動パターンPA4−1〜変動パターンPA4−4が予め用意されている。
イントロ演出とは、リーチ演出の効果音として出力される楽曲(曲、音楽)のイントロ(導入部分、序奏)の演出である。このように、イントロ演出は、リーチ演出の発生に先立って実行される演出であり、遊技者にリーチ発生の期待感を抱かせる等の目的で実行される。また、イントロ演出は、リーチ演出中に出力される楽曲(音楽)のイントロが出力される演出であるので、イントロ演出とリーチ演出とは対応関係を有する。すなわち、イントロ演出に対応した楽曲(イントロと同じ曲)のリーチ演出に発展する。具体的には、イントロAの演出が実行されるときはイントロAに対応する楽曲を流すスーパーリーチAが実行され、イントロBの演出が実行されるときはイントロBに対応する楽曲を流すスーパーリーチBが実行される(図9参照)。なお、この実施の形態では、スーパーリーチA,Bとして、ムービー画像を用いたムービー画像演出を実行する。ここで、ムービー画像とは、実写等の映像による画像データを用いて動画として表示する画像であって、ムービー画像を実際に使用する際には圧縮された画像データを復号して順次展開していくことにより描画される。
また、イントロ演出として、複数段階の演出(例えば、イントロ1、イントロ2、イントロ3)に区切られ(イントロAの場合はイントロ1A,2A,3A、イントロBの場合はイントロ1B,2B,3Bに区切られ)、イントロ演出のいずれの段階からもリーチ演出(スーパーリーチAまたはB)に移行可能である。この実施の形態では、複数段階に区切られたイントロ演出が特定の段階(この実施の形態では2段階のイントロ2)まで移行すると、イントロ演出とリーチ演出が一連の演出(一連の楽曲)として実行される(図9参照)。なお、最終段階(この実施の形態では3段階のイントロ3)まで移行した場合にのみ、イントロ演出とリーチ演出が一連の演出(一連の楽曲)として実行されるようにしてもよい。ここで、「一連の演出」とは、一つの流れをもったストーリーを実行するような演出であり、演出のデータが一纏まりになっているなどによって、音声出力や画像表示などにより実現される演出が遊技者にとって別々の演出(分離された演出)として認識されないような演出のことをいう。
表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」又は「確変」となる場合であって、リーチ(ノーマルリーチまたはスーパーリーチ)を伴う当り変動パターンとして、変動パターンPB1−1〜変動パターンPB1−6が予め用意されている。また、表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」又は「確変」となる場合であって、イントロ演出を伴う変動パターンとして、変動パターンPB2−1〜変動パターンPB2−4が予め用意されている。変動パターンPB2−1〜変動パターンPB2−3の内容は、イントロ演出を伴う変動パターンPA4−2〜変動パターン4−4と同内容である。
また、表示結果が「突然確変大当り」又は「小当り」となる場合の変動パターンとして、変動パターンPC1−1〜変動パターンPC1−3が予め用意されている。変動パターンPC1−3は、イントロ1が実行されてからスーパーリーチAまたはBが実行された後、2ラウンドの突然確変大当り又は小当りが発生する変動パターンである。
図9は、飾り図柄の変動中に実行される演出の一例を示す説明図である。図9(A)に示すように、変動パターンPA4−1による飾り図柄の変動が実行される場合には、イントロ1の演出に続いて非リーチ演出が実行される。イントロ演出が実行されると通常はリーチ演出に発展するが、この変動パターンの場合ではイントロ演出が実行されてもリーチ演出に発展しないので、イントロ演出はガセの演出である。
図9(B)に示すように、変動パターンPA4−2および変動パターンPB2−1による飾り図柄の変動が実行される場合には、イントロ1の演出に続いてノーマルリーチ演出が実行される。換言すれば、イントロ1の演出がスーパーリーチ演出AまたはBに発展する。また、イントロ1の演出とスーパーリーチ演出AまたはBとは、分離した演出となっている。分離した演出とは、イントロ演出とスーパーリーチ演出とが連続していない途切れた演出であることをいう。
図9(C)に示すように、変動パターンPA4−3および変動パターンPB2−2による飾り図柄の変動が実行される場合には、イントロ1の演出に続いてイントロ2の演出が実行され、さらに続いてスーパーリーチAまたはBの演出が実行される。換言すれば、イントロ2の演出がスーパーリーチAまたはBに発展する。また、イントロ1の演出とイントロ2の演出とスーパーリーチAまたはBの演出とは、一連の演出を構成する。一連の演出とは、上述したように、イントロの楽曲とスーパーリーチ演出の楽曲とが一連の楽曲として流れるような演出のことをいう。
図9(D)に示すように、変動パターンPA4−4および変動パターンPB2−3による飾り図柄の変動が実行される場合は、イントロ1の演出に続いてイントロ2の演出が実行され、続いてイントロ3の演出が実行され、さらに続いてスーパーリーチAまたはBの演出が実行される。換言すれば、イントロ3の演出がスーパーリーチAまたはBに発展する。また、イントロ1の演出とイントロ2の演出とイントロ3の演出とスーパーリーチAまたはBの演出とは、一連の演出を構成する。
図9(E)に示すように、変動パターンPB2−4による飾り図柄の変動が実行される場合には、イントロ1の演出に続いてイントロ2の演出が実行され、続いてイントロ3の演出が実行され、さらに続いてスーパーリーチAまたはBの演出が実行される。換言すれば、イントロ3の演出がスーパーリーチAまたはBに発展する。また、イントロ1の演出とイントロ2の演出とイントロ3の演出とスーパーリーチAまたはBの演出とは、一連の演出を構成する。なお、変動パターンPB2−4を設けないようにしてもよい。この場合、変動パターンPA4−4を設けないようにすれば、はずれのときはイントロ2までしか発展せず、イントロ3まで発展する変動パターンPB3−3が実行されれば、大当りが確定することになる。
上述したように、イントロ1〜3の演出として、複数種類のイントロ演出(イントロ1A〜3A、イントロ1B〜3B)が設けられている。そして、イントロAの演出が実行されたときはスーパーリーチAに発展し、イントロBの演出が実行されたときはスーパーリーチBに発展する。なお、この実施の形態では、イントロの種類は演出制御用CPU101が決定する(図41、図42参照)。
図10は、この実施の形態における変動パターン種別を示している。図8に示す各変動パターンは、図10に示す複数の変動パターン種別のうち、少なくとも1つの変動パターン種別に含まれている。すなわち、各変動パターン種別は、例えば演出図柄の可変表示中に実行される演出動作などに基づいて分類(グループ化)された1つ又は複数の変動パターンを含むように構成されていればよい。一例として、複数の変動パターンをリーチ演出の種類(演出態様)で分類(グループ化)して、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態とならない変動パターンが含まれる変動パターン種別と、ノーマルリーチを伴う変動パターンが含まれる変動パターン種別と、スーパーリーチ(スーパーリーチα又はスーパーリーチβ)を伴う変動パターンが含まれる変動パターン種別とに分ければよい。他の一例として、複数の変動パターンを「滑り」などの可変表示演出の有無、あるいは、演出図柄の可変表示時間などに応じて、分類(グループ化)してもよい。複数の変動パターン種別のうちには、共通の変動パターンを含んで構成されたものがあってもよい。
図10に示す例では、可変表示結果が「ハズレ」で「非リーチ」の可変表示態様となる場合に対応して、変動パターン種別CA1−1〜変動パターン種別CA1−5が、予め用意されている。また、可変表示結果が「ハズレ」で「リーチ」の可変表示態様となる場合に対応して、変動パターン種別CA2−1〜変動パターン種別CA2−2が、予め用意されている。可変表示結果が「ハズレ」で「イントロ演出」を実行する可変表示態様となる場合に対応して、変動パターン種別CA3−1が予め用意されている。また、可変表示結果が「非確変大当り」又は「確変大当り」の大当り種別で「リーチ」の可変表示態様に対応して、変動パターン種別CB1−1〜変動パターン種別CB1−2が、予め用意されている。また、可変表示結果が「非確変大当り」又は「確変大当り」の大当り種別で「イントロ演出」を実行する可変表示態様となる場合に対応して、変動パターンCB2−1が予め用意されている。また、可変表示結果が「突然確変大当り」又は「小当り」となる可変表示態様に対応して、変動パターン種別CC1−1が予め用意されている。
変動パターン種別CA1−1は、遊技状態が低ベース中であるときに、特別図柄や演出図柄の可変表示時間が短縮されない「短縮なし」の変動パターン種別であり、予め対応付けられた変動パターンPA1−1,PA2−3を含んでいる。変動パターン種別CA1−2は、遊技状態が低ベース中であるときに、合計保留記憶数としての特図保留記憶数が2〜4個であることに対応して、特別図柄や演出図柄の可変表示時間が短縮される「保留2〜4個短縮」の変動パターン種別であり、予め対応付けられた変動パターンPA1−2を含んでいる。変動パターン種別CA1−3は、遊技状態が低ベース中であるときに、合計保留記憶数が5〜8個であることに対応して、特別図柄や演出図柄の可変表示時間が短縮される「保留5〜8個短縮」の変動パターン種別であり、予め対応付けられた変動パターンPA1−3を含んでいる。
変動パターン種別CA1−4は、遊技状態が時短状態などの高ベース中であるときに、特別図柄や演出図柄の可変表示時間が短縮されない「短縮なし(高ベース中)」の変動パターン種別であり、予め対応付けられた変動パターンPA2−1,PA2−3を含んでいる。変動パターン種別CA1−5は、遊技状態が時短状態などの高ベース中であるときに、合計保留記憶数が2〜8個であることに対応して、特別図柄や演出図柄の可変表示時間が短縮される「保留2〜8個短縮(高ベース中)」の変動パターン種別であり、予め対応付けられた変動パターンPA2−2を含んでいる。
変動パターン種別CA2−1は、演出図柄の可変表示状態をリーチ状態とした後に通常のリーチ演出となるノーマルリーチを伴い、リーチ演出が終了したときにリーチ組み合わせの確定演出図柄を導出表示する「ノーマルリーチ(ハズレ)」の変動パターン種別であり、予め対応付けられた変動パターンPA3−1,PA3−2を含んでいる。変動パターン種別CA2−2は、演出図柄の可変表示状態をリーチ状態とした後に特別なリーチ演出となるスーパーリーチを伴い、リーチ演出が終了したときにリーチ組み合わせの確定演出図柄を導出表示する「スーパーリーチ(ハズレ)」の変動パターン種別であり、予め対応付けられた変動パターンPA3−3,PA3−4,PA3−5,PA3−6を含んでいる。変動パターン種別CA3−1は、可変表示中にイントロ演出を実行する「イントロ演出(ハズレ)」の変動パターン種別であり、予め対応付けられた変動パターンPA4−1,PA4−2,PA4−3,PA4−4を含んでいる。
変動パターン種別CB1−1は、演出図柄の可変表示状態をリーチ状態とした後にノーマルリーチを伴い、リーチ演出が終了したときに大当り組み合わせの確定演出図柄を導出表示する「ノーマルリーチ(大当り)」の変動パターン種別であり、予め対応付けられた変動パターンPB1−1,PB1−2を含んでいる。変動パターン種別CB1−2は、演出図柄の可変表示状態をリーチ状態とした後にスーパーリーチを伴い、リーチ演出が終了したときに大当り組み合わせの確定演出図柄を導出表示する「スーパーリーチ(大当り)」の変動パターン種別であり、予め対応付けられた変動パターンPB1−3〜PB1−6を含んでいる。変動パターン種別CB2−1は、可変表示中にイントロ演出を実行する「イントロ演出(大当り)」の変動パターン種別であり、予め対応付けられた変動パターンPB2−1,PB2−2,PB2−3,PB2−4を含んでいる。また、変動パターン種別CC1−1は、2回開放チャンス目TC1〜TC4のいずれかとなる確定演出図柄を導出表示する「2回開放チャンス目停止」の変動パターン種別であり、「2回開放チャンス目停止」と予め対応付けられた変動パターンPC1−1,PC1−2を含んでいる。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ560が備えるROM54には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM54には、CPU56が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM54には、CPU56が主基板31から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、図8に示すような変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
図11は、ROM54に記憶される特図表示結果決定テーブル130の構成例を示している。特図表示結果決定テーブル130は、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄を用いた特図ゲームの開始を許容する第1開始条件が成立したときや、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄を用いた特図ゲームの開始を許容する第2開始条件が成立したときに、特別図柄の可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
特図表示結果決定テーブル130では、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態又は時短状態であるか確変状態であるかに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、「大当り」や「小当り」、「ハズレ」の特図表示結果のいずれかに割り当てられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、同一の特図表示結果決定テーブル130を参照して特図表示結果が決定される。
これに対して、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄を用いた特図ゲームの場合と、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄を用いた特図ゲームの場合のそれぞれに対応して、特図表示結果に対する決定値の割当てが異なる決定テーブルを用意してもよい。この場合には、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄を用いた特図ゲームの場合と、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄を用いた特図ゲームの場合とでは、「小当り」の特図表示結果に対する決定値の割当てを異ならせてもよい。一例として、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄を用いた特図ゲームの場合には、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄を用いた特図ゲームの場合に比べて、「小当り」の特図表示結果に決定される割合が低くなるように、各特図表示結果に決定値が割り当てられるようにしてもよい。
このような設定により、第2特別図柄を用いた特図ゲームでは、第1特別図柄を用いた特図ゲームに比べて、可変表示結果が「小当り」となる確率を低下させて、確変状態や時短状態における高開放制御で第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすくなっているときに、特図表示結果が「小当り」となって賞球がほとんど得られない小当り遊技状態に制御されてしまうことを防止して、確変状態や時短状態での遊技に間延びが生じることによる遊技興趣の減退を抑制することができる。特に、第2特別図柄表示器8bにおける特図ゲームが第1特別図柄表示器8aにおける特図ゲームよりも優先して実行される場合には、確変状態や時短状態で第2特別図柄表示器8bにおける特図ゲームが実行される頻度が高められることから、このような設定により確変状態や時短状態(特に確変状態)から16ラウンド大当り状態となるまでの時間が短縮されて、遊技興趣の減退を抑制できる効果が大きい。さらに、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄を用いた特図ゲームの場合には、「小当り」の特図表示結果に決定されることがないように決定値が割り当てられるようにしてもよい。
図12は、ROM54に記憶される大当り種別決定テーブル131の構成例を示している。大当り種別決定テーブル131は、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御することが決定(事前決定)されたときに、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づき、可変表示態様を「非確変」や「確変」、「突確」といった複数種類の大当り種別のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り種別決定テーブル131では、図16に示す遊技制御バッファ設定部155に設けられた変動特図指定バッファの値(変動特図指定バッファ値)が「1」であるか「2」であるかに応じて、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、「非確変」や「確変」、「突確」などの大当り種別に割り当てられている。ここで、変動特図指定バッファ値は、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄を用いた特図ゲームが実行されるときに「1」となり、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄を用いた特図ゲームが実行されるときに「2」となる。
大当り種別決定テーブル131において、複数種類の大当り種別に割り当てられた決定値を示すテーブルデータは、16ラウンド大当り(確変大当りS、16R(ラウンド)確変大当りA、16R確変大当りB、16R確変大当りC)状態に制御するか2ラウンド大当り状態に制御するかの決定結果や、大当り遊技状態の終了後には確変状態に制御するか否かの決定結果に対応した決定用データとなっている。例えば、「非確変」又は「確変」の大当り種別に割り当てられている決定値を示すテーブルデータは、16ラウンド大当り(確変大当りS、16R(ラウンド)確変大当りA、16R確変大当りB、確変大当りC)状態に制御するとの決定結果に対応する一方で、「突確」の大当り種別に割り当てられている決定値を示すテーブルデータは、2ラウンド大当り状態に制御するとの決定結果に対応している。また、「非確変」の大当り種別に割り当てられている決定値を示すテーブルデータは、確変状態に制御しないとの決定結果に対応する一方で、「確変」又は「突確」の大当り種別に割り当てられている決定値を示すテーブルデータは、確変状態に制御するとの決定結果を示している。大当り種別決定テーブル131は、遊技制御バッファ155に設けられた大当り種別バッファの値(大当り種別バッファ値)を、決定された大当り種別に対応する値(例えば「0」〜「2」のいずれか)に設定するためのテーブルデータ(設定用データ)を含んでいてもよい。
図12に示す大当り種別決定テーブル131では、変動特図指定バッファ値が「1」であるか「2」であるかに応じて、各大当り種別に対する決定値の割当てが異なっている。例えば、「確変大当りS」の大当り種別に対して、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に「37」〜「45」の範囲の決定値が割り当てられている。「16R確変大当りA」の大当り種別に対して、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に「46」〜「54」の範囲の決定値が割り当てられている。「16R確変大当りB」の大当り種別に対して、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に「55」〜「63」の範囲の決定値が割り当てられている。「16R確変大当りC」の大当り種別に対して、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に「64」〜「72」の範囲の決定値が割り当てられている。
変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、「確変大当りS」の大当り種別に対して、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に「37」〜「52」の範囲の決定値が割り当てられている。「16R確変大当りA」の大当り種別に対して、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に「53」〜「68」の範囲の決定値が割り当てられている。「16R確変大当りB」の大当り種別に対して、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に「69」〜「84」の範囲の決定値が割り当てられている。「16R確変大当りC」の大当り種別に対して、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に「85」〜「100」の範囲の決定値が割り当てられている。
「突確」の大当り種別に対しては、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に「73」〜「100」の範囲の決定値が割り当てられているが、変動特図指定バッファ値が「2」である場合には決定値が割り当てられていない。
なお、「確変大当りS」にもとづく大当り遊技では、大入賞口(特別可変入賞球装置20)が開放状態に制御されるラウンド数は16であり、1ラウンドの許容時間(最大開放時間)は29秒である。「16R確変大当りA」にもとづく大当り遊技では、大入賞口が開放状態に制御されるラウンド数は16であるが、大入賞口の1回の許容時間(最大開放時間)は5秒であって各ラウンド中に大入賞口は3回開放する。すなわち、1ラウンド当りのトータルの開放期間は15秒であり、16ラウンドでは16×15秒となる。「16R確変大当りB」にもとづく大当り遊技では、大入賞口が開放状態に制御されるラウンド数は16であるが、大入賞口の1回の許容時間(最大開放時間)は5秒であって各ラウンド中に大入賞口は2回開放する。すなわち、1ラウンド当りのトータルの開放期間は10秒であり、16ラウンドでは16×10秒となる。「16R確変大当りC」にもとづく大当り遊技では、大入賞口が開放状態に制御されるラウンド数は16であるが、大入賞口の1回の許容時間(最大開放時間)は5秒であって各ラウンド中に大入賞口は1回開放する。すなわち、1ラウンド当りのトータルの開放期間は5秒であり、16ラウンドでは16×5秒となる。
図12に示す設定例では、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定したときには、大当り種別を「突確」として2ラウンド大当り状態に制御すると決定されることがない。このような設定により、確変状態や時短状態における高開放制御で第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすくなっているときに、大当り種別が「突確」となって賞球がほとんど得られない2ラウンド大当り状態に制御されてしまうことを防止して、確変状態や時短状態での遊技に間延びが生じることによる遊技興趣の減退を抑制することができる。特に、第2特別図柄表示器8bにおける特図ゲームが第1特別図柄表示器8aにおける特図ゲームよりも優先して実行される場合には、確変状態や時短状態で第2特別図柄表示器8bにおける特図ゲームが実行される頻度が高められることから、このような設定により遊技興趣の減退を抑制できる効果が大きい。さらに、このような設定とともに、第2特別図柄表示器8bにおける特図ゲームが第1特別図柄表示器8aにおける特図ゲームよりも優先して実行されることで、確変状態や時短状態から16ラウンド大当り状態となる割合を高めて、遊技興趣を向上させることができる。
なお、変動特図指定バッファ値が「2」である場合でも、例えば変動特図指定バッファ値が「1」であるときよりも少ない決定値が、「突確」の特図表示結果に対して割り当てられるようにしてもよい。また、遊技状態が時短状態であるときには、大当り種別が「突確」となって2ラウンド大当り状態の終了後に確変状態へと移行すれば、遊技者にとっての有利度合いが増大することになる。そこで、遊技状態が時短状態であるときには、変動特図指定バッファ値が「2」である場合でも、「突確」の特図表示結果に対して決定値が割り当てられるように、大当り種別決定テーブル131におけるテーブルデータを構成してもよい。
図13及び図14は、ROM54に記憶される変動パターン種別決定テーブルの構成例を示している。この実施の形態では、変動パターン種別決定テーブルとして、図13(A)に示す大当り変動パターン種別決定テーブル132Aと、図13(B)に示す小当り変動パターン種別決定テーブル132Bと、図14(A)に示すハズレ変動パターン種別決定テーブル(低ベース中)133Aと、図14(B)に示すハズレ変動パターン種別決定テーブル(高ベース中)133Bとが、予め用意されている。
大当り変動パターン種別決定テーブル132Aは、特図表示結果を「大当り」にすると決定(事前決定)されたときに、大当り種別の決定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別決定用の乱数値MR3に基づいて、複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り変動パターン種別決定テーブル132Aでは、大当り種別の決定結果が「非確変」や「確変」、「突確」のいずれであるかに応じて、変動パターン種別決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターン種別CB1−1〜CB1−2,CB2−1,CC1−1のいずれかに割り当てられている。大当り変動パターン種別決定テーブル132Aでは、大当り種別が複数種類のいずれに決定されたかに応じて、各変動パターン種別に決定される割合が異なるように、決定値が各変動パターン種別に割り当てられている部分がある。例えば、大当り種別が「非確変」であるか「確変」であるかに応じて、変動パターン種別に対する決定値の割当てが異なっている。これにより、大当り種別を複数種類のいずれにするかの決定結果に応じて、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。
小当り変動パターン種別決定テーブル132Bは、特図表示結果を「小当り」にすると決定(事前決定)されたときに、変動パターン種別を決定するために参照されるテーブルである。小当り変動パターン種別決定テーブル132Bでは、変動パターン種別決定用の乱数値MR3と比較される全ての数値(決定値)が、変動パターン種別CC1−1に対して割り当てられている。ここで、変動パターン種別CA4−1には、図13(A)に示す大当り変動パターン種別決定テーブル132Aにおいて、大当り種別が「突確」である場合に応じて決定値の一部が割り当てられている。このように、変動パターン種別CC1−1は、大当り種別が「突確」となる場合と、特図表示結果が「小当り」となる場合とで、共通の変動パターン種別となっている。すなわち、大当り変動パターン種別決定テーブル132Aにて大当り種別が「突確」に対応したテーブルデータと、小当り変動パターン種別決定テーブル132Bを構成するテーブルデータとには、共通の変動パターン種別が含まれるように設定されている。
ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)133Aと、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(高ベース中)133Bは、特図表示結果を「ハズレ」にすると決定(事前決定)されたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別決定用の乱数値MR3に基づいて、複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。ここで、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)133Aは、例えば遊技状態が通常状態・潜伏確変状態(低ベース状態)であるときに使用テーブルとして選択される。これに対して、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(高ベース中)133Bは、例えば遊技状態が時短状態であるときや、確変状態のうち時短制御や高開放制御が行われる高確高ベース状態(高確率かつ高ベースの遊技状態)であるときに、使用テーブルとして選択される。
ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)133A、およびハズレ変動パターン種別決定テーブル(高ベース中)133Bでは、合計保留記憶数としての特図保留記憶数に応じて、変動パターン種別決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターン種別CA1−1〜CA1−5,CA2−1〜CA2−2,CC1−1のいずれかに割り当てられている。ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)133A、およびハズレ変動パターン種別決定テーブル(高ベース中)133Bでは、互いに各変動パターン種別に決定される割合が異なるように、決定値が各変動パターン種別に割り当てられている部分がある。これにより、遊技状態が低ベース中であるか高ベース中であるかに応じて、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。
図15は、ROM54に記憶される変動パターン決定テーブルの構成例を示している。この実施の形態では、変動パターン決定テーブルとして、図15(A)に示すハズレ変動パターン決定テーブル134Aと、図15(B)に示す当り変動パターン決定テーブル134Bとが、予め用意されている。
ハズレ変動パターン決定テーブル134Aは、特図表示結果を「ハズレ」にすると決定(事前決定)されたときに、変動パターン種別の決定結果などに応じて、変動パターン決定用の乱数値MR4に基づき、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。ハズレ変動パターン決定テーブル134Aでは、変動パターン種別に応じて、変動パターン決定用の乱数値MR4と比較される数値(決定値)が、特図表示結果を「ハズレ」とする場合に対応した1つ又は複数の変動パターン(ハズレ変動パターン)に割り当てられている。
大当り変動パターン決定テーブル134Bは、特図表示結果を「大当り」や「小当り」にすると決定(事前決定)されたときに、変動パターン種別の決定結果などに応じて、変動パターン決定用の乱数値MR4に基づき、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。当り変動パターン決定テーブル134Bでは、変動パターン種別に応じて、変動パターン決定用の乱数値MR4と比較される数値(決定値)が、特図表示結果を「大当り」や「小当り」とする場合に対応した1つ又は複数の変動パターン(当り変動パターン)に割り当てられている。
図16および図17は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aがオンしていたら、すなわち、第1始動入賞口13への始動入賞が発生していたら、第1始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS311,S312)。また、CPU56は、第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち第2始動入賞口14への始動入賞が発生していたら、第2始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS313,S314)。そして、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。第1始動入賞口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aがオンしていなければ、内部状態に応じて、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行い、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において第4図柄が停止されるように制御する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4となったことに基づいて、後述するように、特別図柄表示制御処理において特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され(図37参照)、ステップS22の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(ステップS308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理は小当り遊技中の大入賞口の開放毎に実行されるが、小当り遊技中の最初の開放を開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(ステップS309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ大入賞口の開放回数が残っている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS310に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。
小当り終了処理(ステップS310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
なお、この実施の形態において、大当り遊技状態(特定遊技状態)とは、大当りを開始することが報知されてから、所定数のラウンド(例えば、16ラウンド)にわたって大入賞口が開放する制御が行われ、最終ラウンドの大入賞口の開放を終了して大当りを終了することが報知されるまでの状態である。具体的には、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放前処理(ステップS305参照)から大当り終了処理(ステップS307参照)までの処理が実行されている状態である。
図18は、ステップS312,S314の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。このうち、図18(A)は、ステップS312の第1始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。また、図18(B)は、ステップS314の第2始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。
まず、図18(A)を参照して第1始動口スイッチ通過処理について説明する。第1始動口スイッチ13aがオン状態の場合に実行される第1始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(ステップS211A)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS212A)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS213A)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図19参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS214A)。なお、ステップS214Aの処理では、ハードウェア乱数である特図表示結果決定用乱数MR1(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数MR2、変動パターン種別決定用乱数MR3、変動パターン決定用乱数MR4および普図表示結果決定用乱数MR5が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン決定用乱数MR4を第1始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域に予め格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン決定用乱数MR4を生成するための変動パターン決定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
図19は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留バッファ)の構成例を示す説明図である。図19に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。この実施の形態では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数である特図表示結果決定用乱数MR1(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数MR2、変動パターン種別決定用乱数MR3および変動パターン決定用乱数MR4が記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
次いで、CPU56は、第1保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS218A)。
次に、図18(B)を参照して第2始動口スイッチ通過処理について説明する。第2始動口スイッチ14aがオン状態の場合に実行される第2始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(ステップS211B)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS212B)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS213B)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(図19参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS214B)。なお、ステップS214Bの処理では、ハードウェア乱数である特図表示結果決定用乱数MR1(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数MR2、変動パターン種別決定用乱数MR3および変動パターン決定用乱数MR4が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン決定用乱数MR4を第2始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域に予め格納しておくのではなく、第2特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン決定用乱数MR4を生成するための変動パターン決定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、第2保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS218B)。
図20および図21は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば、まだ客待ちデモ指定コマンドを送信していなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して客待ちデモ指定コマンドを送信する制御を行い(ステップS51A)、処理を終了する。なお、例えば、CPU56は、ステップS51Aで客待ちデモ指定コマンドを送信すると、客待ちデモ指定コマンドを送信したことを示す客待ちデモ指定コマンド送信済フラグをセットする。そして、客待ちデモ指定コマンドを送信した後に次回のタイマ割込以降の特別図柄通常処理を実行する場合には、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグがセットされていることに基づいて重ねて客待ちデモ指定コマンドを送信しないように制御すればよい。また、この場合、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグは、次回の特別図柄の変動表示が開始されるときにリセットされるようにすればよい。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、第2保留記憶数が0であるか否かを確認する(ステップS52)。具体的には、第2保留記憶数カウンタの値が0であるか否かを確認する。第2保留記憶数が0でなければ、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(ステップS53)。第2保留記憶数が0であれば(すなわち、第1保留記憶数のみが溜まっている場合)には、CPU66は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(ステップS54)。
この実施の形態では、ステップS52〜S54の処理が実行されることによって、第1特別図柄の変動表示に対して、第2特別図柄の変動表示が優先して実行される。言い換えれば、第2特別図柄の変動表示を開始させるための第2の開始条件が第1特別図柄の変動表示を開始させるための第1の開始条件に優先して成立するように制御される。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶数バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶数バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶数バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(ステップS58)。なお、CPU56は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。
また、CPU56は、現在の遊技状態に応じて背景指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS60)。この場合、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされている場合には、確変状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、確変フラグがセットされておらず、時短状態であることを示す時短フラグがセットされている場合には、時短状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、確変フラグも時短フラグもセットされていなければ、通常状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。
なお、この実施の形態では、変動ごとに背景指定コマンドを毎回送信する場合を示しているが、例えば、変動開始時に前回の変動時から遊技状態が変化したか否かを判定するようにし、遊技状態が変化した場合にのみ変化後の遊技状態に応じた背景指定コマンドを送信するようにしてもよい。そのように構成すれば、背景指定コマンドの送信回数を低減することができ、遊技制御用マイクロコンピュータ560の処理負担を軽減することができる。
なお、具体的には、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する際に、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(予めROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS28)において演出制御コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、特別図柄の変動を開始するときに、タイマ割込ごとに、背景指定コマンド、変動パターンコマンド、表示結果指定コマンド、保留記憶数減算指定コマンドの順に演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されることになる。具体的には、特別図柄の変動を開始するときに、まず、背景指定コマンドが送信され、4ms経過後に変動パターンコマンドが送信され、さらに4ms経過後に表示結果指定コマンドが送信され、さらに4ms経過後に保留記憶数減算指定コマンドが送信される。なお、特別図柄の変動を開始するときにはさらに図柄変動指定コマンド(第1図柄変動指定コマンド、第2図柄変動指定コマンド)も送信されるが、図柄変動指定コマンドは、変動パターンコマンドと同じタイマ割込において演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信される。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、ステップS300〜S310の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域から特図表示結果決定用乱数MR1(大当り判定用乱数)を読み出し、大当り判定モジュールを実行する。なお、この場合、CPU56は、第1始動口スイッチ通過処理のステップS214Aや第2始動口スイッチ通過処理のステップS214Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り判定用乱数を読み出し、大当り判定を行う。大当り判定モジュールは、予め決められている大当り判定値や小当り判定値と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りや小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定や小当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態および時短状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、予め大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(図11参照)と、大当り判定値の数が確変大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(図11参照)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行い、遊技状態が通常遊技状態や時短状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(特図表示結果決定用乱数MR1)の値が図11に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(ステップS61)、ステップS71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行われる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、確変大当りまたは突然確変大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
大当り判定用乱数(特図表示結果決定用乱数MR1)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(ステップS61のN)、CPU56は小当り判定テーブル(図11参照)を使用して小当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(特図表示結果決定用乱数MR1)の値が図11に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りとすることに決定する。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示すデータを確認し、特別図柄ポインタが示すデータが「第1」である場合には、図11に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。また、特別図柄ポインタが示すデータが「第2」である場合には、図11に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。そして、小当りとすることに決定した場合には(ステップS62)、CPU56は、小当りであることを示す小当りフラグをセットし(ステップS63)、ステップS75に移行する。
なお、特図表示結果決定用乱数MR1の値が大当り判定値および小当り判定値のいずれにも一致しない場合には(ステップS62のN)、すなわち、はずれである場合には、そのままステップS75に移行する。
ステップS71では、CPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、特別図柄ポインタが示す方の大当り種別判定テーブルを選択する(ステップS72)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図12に示す第1特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131を選択する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、図12に示す第2特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131を選択する。
次いで、CPU56は、選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数MR2の値と一致する値に対応した種別(「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」)を大当りの種別に決定する(ステップS73)。なお、この場合、CPU56は、第1始動口スイッチ通過処理のステップS214Aや第2始動口スイッチ通過処理のステップS214Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り種別判定用乱数を読み出し、大当り種別の決定を行う。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(ステップS74)。例えば、大当り種別が「通常大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「00」が設定され、大当り種別が「確変大当りS」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「16R確変大当りA」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定され、大当り種別が「16R確変大当りB」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定され、大当り種別が「16R確変大当りC」の場合には大当り種別を示すデータとして「04」が設定され、大当り種別が「突然確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「05」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(ステップS75)。具体的には、大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」、「2」、「3」、「4」、「6」、「7」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、大当り種別を「突然確変大当り」に決定した場合には「1」を特別図柄の停止図柄に決定し、「通常大当り」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定し、「確変大当りS」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定し、「16R確変大当りA」に決定した場合には「2」を特別図柄の停止図柄に決定し、「16R確変大当りB」に決定した場合には「4」を特別図柄の停止図柄に決定し、「16R確変大当りC」に決定した場合には「6」を特別図柄の停止図柄に決定する。また、小当りフラグがセットされている場合には、小当り図柄となる「5」を特別図柄の停止図柄に決定する。
なお、この実施の形態では、まず大当り種別を決定し、決定した大当り種別に対応する特別図柄の停止図柄を決定する場合を示したが、大当り種別および特別図柄の停止図柄の決定方法は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、予め特別図柄の停止図柄と大当り種別とを対応付けたテーブルを用意しておき、大当り種別決定用乱数に基づいてまず特別図柄の停止図柄を決定すると、その決定結果に基づいて対応する大当り種別も決定されるように構成してもよい。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS76)。
図22は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS91)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、大当り用変動パターン種別決定テーブル132A(図13(A)参照)を選択する(ステップS94)。そして、ステップS101に移行する。なお、ステップS94では、大当り種別(「非確変」「確変」「突然確変」)を確認し、大当り種別に応じたテーブルを選択する。
大当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS92)。小当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、小当り用変動パターン種別決定テーブル132B(図13(B)参照)を選択する(ステップS93)。そして、ステップS101に移行する。
小当りフラグもセットされていない場合には、CPU56は、高ベース状態であるか否かを確認する(ステップS95)。なお、高ベース状態であるか否かは、確変フラグ又は時短フラグのいずれかがセットされているか否かによって確認することができる。高ベース状態でなければ、CPU56は、低ベース時のハズレ用変動パターン種別決定テーブル(図14(A)参照)を選択する(ステップS96)。高ベース状態であれば、高ベース時のハズレ用変動パターン種別決定テーブル(図14(B)を選択する(ステップS97)。なお、ステップS96では、保留記憶数(合計保留記憶数)が「0,1」「2〜4」「5〜8」のいずれの範囲の値であるかを確認し、保留記憶数に応じたテーブルを選択する。同様に、ステップS97では、保留記憶数(合計保留記憶数)が「0,1」「2〜8」のいずれの範囲の値であるかを確認し、保留記憶数に応じたテーブルを選択する。そして、ステップS101に移行する。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)から変動パターン種別決定用乱数MR3を読み出し、ステップS93、S94、S96またはS97の処理で選択したテーブルを参照することによって、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS101)。
次いで、CPU56は、ステップS101の変動パターン種別の決定結果に基づいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、当り変動パターン決定テーブル134B(図15参照)、ハズレ変動パターン決定テーブル134A(図15参照)のうちのいずれかを選択する(ステップS102)。また、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)から変動パターン決定用乱数MR4を読み出し、ステップS102の処理で選択した変動パターン決定テーブルを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS103)。なお、始動入賞のタイミングで変動パターン決定用乱数MR4を抽出しないように構成する場合には、CPU56は、変動パターン決定用乱数MR4を生成するための変動パターン決定用乱数カウンタから値を直接抽出し、抽出した乱数値に基づいて変動パターンを決定するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の図柄変動指定コマンドを、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS104)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS105)。
次に、CPU56は、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(ステップS106)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS107)。
なお、はずれと決定されている場合において、いきなり変動パターン種別を決定するのではなく、まず、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。そして、リーチとするか否かの判定結果に基づいて、ステップS95〜S97,S101の処理を実行し、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。この場合、予め非リーチ用の変動パターン種別決定テーブル(図10に示す非リーチCA1−1〜非リーチCA1−5の変動パターン種別を含むもの)と、リーチ用の変動パターン種別決定テーブル(図10に示すノーマルCA2−1、スーパーCA2−2の変動パターン種別を含むもの)とを用意しておき、リーチ判定結果に基づいて、いずれかの変動パターン種別決定テーブルを選択して、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。
また、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定する場合にも、合算保留記憶数(第1保留記憶数や第2保留記憶数でもよい)に応じて、リーチの選択割合が異なるリーチ判定テーブルを選択して、保留記憶数が多くなるに従ってリーチ確率が低くなるようにリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。この場合、CPU56は、例えば、入賞時演出処理における「スーパーリーチはずれ」や「非リーチはずれ」となるか否かの判定において、リーチ判定テーブルの共通の範囲に割り当てられた判定値に合致するか否かを判定することによって、リーチとなるか否かを予め判定するようにしてもよい。
図23は、表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)を示すフローチャートである。表示結果指定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種類、小当り、はずれに応じて、表示結果1指定〜表示結果5指定のいずれかの演出制御コマンド(図7参照)を送信する制御を行う。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS110)。セットされていない場合には、ステップS116に移行する。
大当りフラグがセットされている場合、大当りの種別が確変大当りSであるときには、表示結果3指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS111,S112)。大当りの種別が16R確変大当りAであるときには、表示結果4指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS113A,S113B)。大当りの種別が16R確変大当りBであるときには、表示結果5指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS113C,S113D)。大当りの種別が16R確変大当りCであるときには、表示結果6指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS113E,S113F)。なお、確変大当りの種類は、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「01」〜「04」であるか否かを確認することによって判定できる(図12参照)。
また、CPU56は、大当りの種別が突然確変大当りであるときには、表示結果4指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS113G,S114)。なお、突然確変大当りであるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「05」であるか否かを確認することによって判定できる。そして、確変大当りおよび突然確変大当りのいずれでもないときには(すなわち、通常大当りであるときには)、CPU56は、表示結果2指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS115)。
CPU56は、大当りフラグがセットされていないときには(ステップS110のN)、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS116)。小当りフラグがセットされていれば、CPU56は、表示結果7指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS117)。小当りフラグもセットされていないときは(ステップS116のN)、すなわち、はずれである場合には、CPU56は、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS118)。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS119)。
図24は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、まず、保留記憶数減算指定コマンドを既に送信済みであるか否かを確認する(ステップS121)。なお、保留記憶数減算指定コマンドを既に送信済みであるか否かは、例えば、後述するステップS122で保留記憶数減算指定コマンドを送信する際に保留記憶数減算指定コマンドを送信したことを示す保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグをセットするようにし、ステップS121では、その保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグがセットされているか否かを確認するようにすればよい。また、この場合、セットした保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグは、特別図柄の変動表示を終了する際や大当りを終了する際に後述する特別図柄停止処理や大当り終了処理でリセットするようにすればよい。
次いで、保留記憶数減算指定コマンドを送信済みでなければ、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数減算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS122)。この場合、特別図柄ポインタに「第1」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第1保留記憶数減算指定コマンドを送信する制御を行う。また、特別図柄ポインタに「第2」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第2保留記憶数減算指定コマンドを送信する制御を行う。
次いで、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(ステップS125)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS126)、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS127)。そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS128)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図25は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS133)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされている場合には、高ベース記憶フラグをセットする(ステップS133A,S133B)。そして、確変状態であることを示す確変フラグ、および時短フラグをリセットし(ステップS134)、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS135)。具体的には、大当りの種別が通常大当りである場合には大当り開始1指定コマンドを送信する。大当りの種別が確変大当りである場合には大当り開始2指定コマンドを送信する。大当りの種別が突然確変大当りである場合には小当り/突然確変大当り開始指定コマンドを送信する。なお、大当りの種別が通常大当り、確変大当りまたは突然確変大当りのいずれであるかは、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)に基づいて判定される。
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS137)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば、通常大当りまたは確変大当りの場合には15回。突然確変大当りの場合には2回。)をセットする(ステップS138)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS139)。
また、ステップS133で大当りフラグがセットされていなければ、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS140)。確変フラグがセットされていなければ、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否か確認する(ステップS141)。時短フラグがセットされている場合には(すなわち、確変状態をともなわず、時短状態にのみ制御されている場合には)、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値を−1する(ステップS142)。そして、CPU56は、減算後の時短回数カウンタの値が0になった場合には(ステップS144)、時短フラグをリセットする(ステップS145)。
次いで、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS147)。小当りフラグがセットされていれば、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に小当り/突然確変大当り開始指定コマンドを送信する(ステップS148)。また、小当り表示時間タイマに小当り表示時間(小当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS149)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば2回)をセットする(ステップS150)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開放前処理(ステップS308)に対応した値に更新する(ステップS151)。
小当りフラグもセットされていなければ(ステップS147のN)、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS152)。
図26は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS160)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS164に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットし(ステップS161)、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS162)。ここで、通常大当りであった場合には大当り終了1指定コマンドを送信し、確変大当りであった場合には大当り終了2指定コマンドを送信し、突然確変大当りであった場合には小当り/突然確変大当り終了指定コマンドを送信する。そして、大当り終了表示タイマに、画像表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS163)、処理を終了する。
ステップS164では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS165)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(ステップS165のY)、CPU56は、大当りの種別が確変大当りまたは突然確変大当りであるか否かを確認する(ステップS166)。なお、確変大当りまたは突然確変大当りであるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「01」〜「05」であるか否かを確認することによって判定できる。確変大当りおよび突然確変大当りのいずれでもなければ(すなわち、通常大当りであれば)、CPU56は、時短フラグをセットして遊技状態を時短状態に移行させる(ステップS167)。また、CPU56は、時短回数をカウントするための時短回数カウンタに所定回数(例えば100回)をセットする(ステップS168)。そして、ステップS173に移行する。
確変大当りまたは突然確変大当りであれば、CPU56は、確変フラグをセットして遊技状態を確変状態に移行させる(ステップS169)。また、CPU56は、突然確変大当りであるか否かを確認し(ステップS170)、突然確変大当りであれば、高ベース状態中の突然確変大当りであるか否か(すなわち、現在の遊技状態が高ベース状態であるか否か)を確認する(ステップS171)。なお、CPU56は、例えば、高ベース記憶フラグ(図25参照)がセットされていたら現在の遊技状態が高ベース状態であると判定する。ステップS170で突然確変大当りでない場合(ステップS170のN)、またはステップS171で高ベース状態中の突然確変大当りである場合(ステップS171のY)は、時短フラグをセットして高確率高ベース状態(高ベースの確変状態)に移行させる(ステップS172)。そして、ステップS173に移行する。一方、ステップS171で高ベース中の突然確変大当りでない場合(ステップS171のN)は、時短フラグをセットせずにステップS173に移行する。この場合、高確率低ベース状態(低ベースの確変状態)に移行されることになる。
なお、この実施の形態では、ステップS167,S172でセットした時短フラグは、可変入賞球装置15の開放時間を長くしたり開放回数を増加させたりするか否かを判定するためにも用いられる。この場合、具体的には、CPU56は、普通図柄プロセス処理(ステップS27参照)において、普通図柄の変動表示結果が当りとなったときに、時短フラグがセットされているか否かを確認し、セットされていれば、開放時間を長くしたり開放回数を増加させたりして可変入賞球装置15を開放する制御を行う。また、ステップS167,S172でセットした時短フラグは、特別図柄の変動時間を短縮するか否かを判定するために用いられる。なお、この実施の形態では、時短フラグは、図18に示した第1始動口スイッチ通過処理において遊技状態が確変状態や時短状態であるか否かを判定する際にも用いられる(ステップS215A参照)。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS173)。
図27は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄表示制御処理(ステップS32)のプログラムの一例を示すフローチャートである。特別図柄表示制御処理では、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が3であるか否かを確認する(ステップS3201)。特別図柄プロセスフラグの値が3であれば(すなわち、特別図柄変動中処理の実行中であれば)、CPU56は、特別図柄変動表示用の特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定または更新する処理を行う(ステップS3202)。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の変動表示を行うための特別図柄表示制御データを設定または更新する。例えば、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される特別図柄表示制御データの値を+1する。そして、その後、表示制御処理(ステップS22参照)が実行され、特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファの内容に応じて特別図柄表示器8a,8bに対して駆動信号が出力されることによって、特別図柄表示器8a,8bにおける特別図柄の変動表示が実行される。
特別図柄プロセスフラグの値が3でなければ、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が4であるか否かを確認する(ステップS3203)。特別図柄プロセスフラグの値が4であれば(すなわち、特別図柄停止処理に移行した場合には)、CPU56は、特別図柄通常処理で設定された特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する処理を行う(ステップS3204)。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データを設定する。そして、その後、表示制御処理(ステップS22参照)が実行され、特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファの内容に応じて特別図柄表示器8a,8bに対して駆動信号が出力されることによって、特別図柄表示器8a,8bにおいて特別図柄の停止図柄が停止表示される。なお、ステップS3204の処理が実行され停止図柄表示用の特別図柄表示制御データが設定された後には、設定データの変更が行われないので、ステップS22の表示制御処理では最新の特別図柄表示制御データに基づいて最新の停止図柄を次の変動表示が開始されるまで停止表示し続けることになる。また、ステップS3201において特別図柄プロセスフラグの値が2または3のいずれかであれば(すなわち、表示結果指定コマンド送信処理または特別図柄変動中処理のいずれかであれば)、特別図柄変動表示用の特別図柄表示制御データを更新するようにしてもよい。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で認識する変動時間と演出制御用マイクロコンピュータ100側で認識する変動時間との間にズレが生じないようにするため、表示結果指定コマンド送信処理においても変動時間タイマを1減算するように構成すればよい。
なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄表示制御データを出力バッファに設定する場合を示したが、特別図柄プロセス処理において、特別図柄の変動開始時に開始フラグをセットするとともに、特別図柄の変動終了時に終了フラグをセットするようにしてもよい。そして、特別図柄表示制御処理(ステップS32)において、CPU56は、開始フラグがセットされたことに基づいて特別図柄表示制御データの値の更新を開始するようにし、終了フラグがセットされたことに基づいて停止図柄を停止表示さえるための特別図柄表示制御データをセットするようにしてもよい。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図28は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、4ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS704)。
次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御及び各チャンネル(チャンネル0〜7)の音声出力制御を実行する。演出制御プロセス処理として、図34に示す処理が実行される。演出図柄が変動するときには、図36に示す演出図柄変動開始処理、図50及び図51に示す演出図柄変動中処理、並びに図53に示す演出図柄変動停止処理が実行されることになる。
次いで、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS707)。その後、ステップS702に移行する。
図29は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図6参照)であるのか解析する。
図30〜図33は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS614)、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(ステップS617)、演出制御用CPU101は、表示結果指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS618A)。また、演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果5指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップS618B)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS619)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS620)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始1指定コマンドまたは大当り開始2指定コマンドであれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、大当り開始1指定コマンド受信フラグまたは大当り開始2指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS622)。
受信した演出制御コマンドが小当り/突然確変大当り開始指定コマンドであれば(ステップS623)、演出制御用CPU101は、小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS624)。
受信した演出制御コマンドが第1図柄変動指定コマンドであれば(ステップS625)、第1図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS626)。受信した演出制御コマンドが第2図柄変動指定コマンドであれば(ステップS627)、第2図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS628)。
受信した演出制御コマンドが電源投入指定コマンド(初期化指定コマンド)であれば(ステップS631)、演出制御用CPU101は、初期化処理が実行されたことを示す初期画面を演出表示装置9に表示する制御を行う(ステップS632)。初期画面には、予め決められている演出図柄の初期表示が含まれる。
また、受信した演出制御コマンドが停電復旧指定コマンドであれば(ステップS633)、予め決められている停電復旧画面(遊技状態が継続していることを遊技者に報知する情報を表示する画面)を表示する制御を行い(ステップS634)、停電復旧フラグをセットする(ステップS635)。
受信した演出制御コマンドが大当り終了1指定コマンドであれば(ステップS641)、演出制御用CPU101は、大当り終了1指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS642)。受信した演出制御コマンドが大当り終了2指定コマンドであれば(ステップS643)、演出制御用CPU101は、大当り終了2指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS644)。受信した演出制御コマンドが小当り/突然確変大当り終了指定コマンドであれば(ステップS645)、演出制御用CPU101は、小当り/突然確変大当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS646)。
受信した演出制御コマンドが第1保留記憶数加算指定コマンドであれば(ステップS651)、演出制御用CPU101は、第1保留記憶数保存領域に格納する第1保留記憶数の値を1加算する(ステップS652)。また、演出制御用CPU101は、更新後の第1保留記憶数に従って、第1保留記憶表示部18cにおける第1保留記憶数の表示を更新する(ステップS653)。
受信した演出制御コマンドが第2保留記憶数加算指定コマンドであれば(ステップS654)、演出制御用CPU101は、第2保留記憶数保存領域に格納する第2保留記憶数の値を1加算する(ステップS655)。また、演出制御用CPU101は、更新後の第2保留記憶数に従って、第2保留記憶表示部18dにおける第2保留記憶数の表示を更新する(ステップS656)。
受信した演出制御コマンドが第1保留記憶数減算指定コマンドであれば(ステップS657)、演出制御用CPU101は、第1保留記憶数保存領域に格納する第1保留記憶数の値を1減算する(ステップS658)。また、演出制御用CPU101は、更新後の第1保留記憶数に従って、第1保留記憶表示部18cにおける第1保留記憶数の表示を更新する(ステップS659)。
受信した演出制御コマンドが第2保留記憶数減算指定コマンドであれば(ステップS660)、演出制御用CPU101は、第2保留記憶数保存領域に格納する第2保留記憶数の値を1減算する(ステップS661)。また、演出制御用CPU101は、更新後の第2保留記憶数に従って、第2保留記憶表示部18dにおける第2保留記憶数の表示を更新する(ステップS662)。
なお、ステップS652,S653,S655,S656,S658,S659,S661,S662において、コマンドを受信したことに基づいて直ちに保留記憶数や保留記憶表示を更新するのではなく、まず、保留記憶数加算指定コマンドを受信したときに、連続予告禁止フラグがセットされているか否かを確認するようにしてもよい。そして、連続予告禁止フラグがセットされていれば、保留記憶数の加算や保留記憶表示を行わないようにしてもよい。この場合、その後、保留記憶減算指定コマンドを受信したときにも、保留記憶数の減算や保留記憶表示を行わないようにし、保留記憶数の整合がとれるようすればよい。そのようにすれば、保留記憶数が一瞬点灯および消灯するような煩わしい表示を低減することができる。
受信した演出制御コマンドが客待ちデモ指定コマンドであれば(ステップS663)、演出制御用CPU101は、客待ちデモ指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS663A)。また、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値が0であるか否かを確認する(ステップS663B)。演出制御プロセスフラグの値が0であれば、そのままステップS664に移行する。演出制御プロセスフラグの値が0でなければ(すなわち、後述する演出制御プロセス処理中の変動パターンコマンド受信待ち処理以外の処理に遷移している場合であれば)、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する(ステップS663C)。すなわち、この実施の形態では、変動パターンコマンド受信待ち処理以外の処理(例えば、演出図柄変動中処理)に遷移されているときに客待ちデモ指定コマンドを受信した場合には、強制的に変動パターンコマンド受信待ち処理に移行するように制御することによって、演出表示装置9を用いた演出が不自然となる事態を極力防止している。なお、客待ちデモ指定コマンドを受信した場合には、コマンドを受信したことに基づいて演出が大きく変化することはない(例えば、変動表示が開始されたり大当りの演出に切り替わったりすることがない)。そのため、客待ちデモ指定コマンドを受信した場合には、強制的にプロセスを移行させて演出を終了させないようにしてもよい(具体的には、ステップS663A,S663Cを行わないようにしてもよい)。
次いで、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に予め決められている客待ちデモ画面を表示する制御を行う(ステップS664)。なお、客待ちデモ指定コマンドを受信したことに基づいて直ちに客待ちデモ画面を表示するのではなく、客待ちデモ指定コマンドを受信した後、所定期間(例えば、10秒)を経過してから客待ちデモ画面の表示を開始するようにしてもよい。また、演出制御用CPU101は、第1保留記憶数保存領域に格納する第1保留記憶数および第2保留記憶数保存領域に格納する第2保留記憶数をクリアする(ステップS665)。すなわち、客待ちデモ指定コマンドを受信して客待ちデモ画面が表示される場合には、第1保留記憶数および第2保留記憶数のいずれもが0となり変動表示が実行されない場合であるので、格納する保留記憶数をリセットする。ステップS665の処理が実行されることによって、演出制御用マイクロコンピュータ100で保留記憶数の加算漏れまたは減算漏れが発生し誤った保留記憶数を認識する状態となった場合であっても、保留記憶を途切れさせることによって保留記憶数をリセットして正常な状態に戻すことができる。
受信した演出制御コマンドが通常状態背景指定コマンドであれば(ステップS666)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に表示する背景画面を通常状態に応じた背景画面(例えば、青色の表示色の背景画面)に変更する(ステップS667)。また、演出制御用CPU101は、セットされていれば、遊技状態が時短状態であることを示す時短状態フラグをリセットする(ステップS668)。
また、受信した演出制御コマンドが時短状態背景指定コマンドであれば(ステップS669A)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に表示する背景画面を時短状態に応じた背景画面(例えば、緑色の表示色の背景画面)に変更する(ステップS670)。また、演出制御用CPU101は、時短状態フラグをセットする(ステップS671)。
また、受信した演出制御コマンドが確変状態背景指定コマンドであれば(ステップS672)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に表示する背景画面を確変状態に応じた背景画面(例えば、赤色の表示色の背景画面)に変更する(ステップS674)。また、演出制御用CPU101は、確変状態フラグをセットする(ステップS675)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS680)。そして、ステップS611に移行する。
図34は、図28に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、大当り遊技中に出力される楽曲が全て終了していないことを示す楽曲継続フラグがセットされている場合には、そのときに使用されている音番号データに従って楽曲の出力を継続して実行する(ステップS800A,S800B)。この実施の形態では、ステップS800A,S800Bを実行することによって、大当り遊技の終了時に大当り遊技中に出力される楽曲が全て終了していない場合には、大当り遊技の終了後も継続して楽曲を出力する。なお、楽曲が全て終了すると、楽曲継続フラグがリセットされて楽曲の出力が終了する(ステップS840A,S840B参照)。
その後、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。なお、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示と、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示とを、別の演出制御プロセス処理により実行するように構成してもよい。また、この場合、いずれの演出制御プロセス処理により演出図柄の変動表示が実行されているかによって、いずれの特別図柄の変動表示が実行されているかを判断するようにしてもよい。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(ステップS803):演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS804):大当りである場合には、変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。また、小当りである場合には、変動時間の終了後、演出表示装置9に小当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。例えば、大当りの開始を指定するファンファーレコマンドを受信したら、ファンファーレ演出を実行する。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(ステップS805):ラウンド中の表示制御を行う。例えば、大入賞口が開放中であることを示す大入賞口開放中表示コマンドを受信したら、ラウンド数の表示制御等を行う。
ラウンド後処理(ステップS806):ラウンド間の表示制御を行う。例えば、大入賞口が開放後(閉鎖中)であることを示す大入賞口開放後表示コマンドを受信したら、インターバル表示を行う。
大当り終了演出処理(ステップS807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。例えば、大当りの終了を指定するエンディングコマンドを受信したら、エンディング演出を実行する。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図35は、図34に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(ステップS812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に更新する(ステップS813)。なお、前述したように、この実施の形態では、停電復旧時にも表示結果指定コマンドの送信が行われる(ステップS44参照)のであるが、図35に示すように、この実施の形態では、通常時には、変動パターンコマンドを受信したことに基づいて演出図柄変動開始処理に移行し演出図柄の変動表示を開始するので、変動パターンコマンドを受信することなく表示結果指定コマンドを受信したのみでは演出図柄の変動表示は開始されない。
図36は、図34に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、昇格演出を実行するか否かを決定する昇格演出設定処理を実行する(ステップS8001)。
次に、演出制御用CPU101は、演出図柄の停止図柄(表示結果)を決定する表示結果決定処理を実行する(ステップS8002)。具体的には、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンを読み出し、読み出した変動パターンの内容に従って演出図柄の停止時柄(左図柄・中図柄・右図柄)を決定するためのテーブル(停止図柄決定テーブル)を選択する。そして、選択したテーブルを用いて、停止図柄を決定するための乱数(表示結果決定用乱数;図17では図示せず)に応じた停止図柄を決定する。例えば、変動パターンの内容が非リーチハズレ変動であれば、停止図柄としてハズレ図柄(左中右の演出図柄が揃っていない演出図柄の組み合わせ)を決定し、変動パターンの内容がリーチハズレ変動であれば、停止図柄としてリーチ図柄(左右の演出図柄が揃っているが中の演出図柄が左右の演出図柄と揃っていない演出図柄の組み合わせ)を決定し、変動パターンの内容が大当り変動であれば、停止図柄として大当り図柄(左中右の演出図柄が揃っている演出図柄の組み合わせ)を決定する。この実施の形態では、大当り図柄として、奇数図柄が同一図柄で揃った演出図柄の組み合わせである確変図柄(確変大当り図柄)確変大当り図柄と、偶数図柄が同一図柄で揃った演出図柄の組み合わせである非確変図柄(非確変大当り図柄)とを設けている。ただし、この実施の形態では、大当り種別が確変大当りであるか非確変大当り(通常大当り)であるかを問わず、大当りの変動終了時に停止表示(導出表示)する大当り図柄(停止図柄)として非確変図柄を決定する。そして、演出制御用CPU101は、表示結果指定コマンド格納領域から表示結果指定コマンドを読み出し、読み出した表示結果指定コマンドの内容に基づいて、大当り種別が確変大当りであるか否かを確認する。そして、演出制御用CPU101は、大当り種別が確変大当りであり、昇格演出設定処理(ステップS8001)にて昇格演出を実行すると決定されている場合は、確変状態に移行されることを報知するとともに確変図柄を導出表示するときのために、最終停止図柄としての確変図柄を決定する。
なお、昇格演出設定処理(ステップS8001)にて、昇格演出として、確変大当りが報知されない(通常大当りが報知される)演出も実行される。
また、演出制御用CPU101は、イントロ演出選択処理を行う(ステップS8003)。また、予告演出設定処理を行う(ステップS8004)。この実施の形態では、イントロ演出(リーチ演出を遊技者に予告(報知)する予告演出の一種)のほかに、大当りとなることまたは大当りとなる可能性があることを予告する予告演出が実行可能に構成されている。予告演出の種類としては、予め定められた順番に従って1段階から複数段階まで演出の態様を段階的に変化させる複数系統のステップアップ予告演出、ステップアップ予告演出と異なる他系統の液晶予告演出、ボタン操作に応じて実行されるメール予告演出、ボタン操作に応じて実行されるカード予告演出、ミニキャラ(小さなキャラクタ)を出現させるミニキャラ予告演出、羽根モノ79a,79bを動作させる羽根モノ予告演出、可動物78を動作させる可動物予告演出、枠LED28を点灯させる枠予告演出が設けられている。
次に、演出制御用CPU101は、変動パターンと、昇格演出、イントロ演出および予告演出を実行する場合にはその昇格演出、イントロ演出および予告演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS8007)。具体的には、昇格演出設定処理(ステップS8001)にて昇格演出を実行すると決定した場合は、変動の後半に昇格演出を実行するためのプロセステーブルを選択する。また、イントロ演出を伴う変動パターンの場合は、イントロ演出選択処理にて選択したイントロ演出を実行するためのプロセステーブルを選択する。また、予告演出設定処理にて所定の予告演出を実行すると決定した場合には、所定の予告演出を実行するためのプロセステーブルを選択する。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS8008)。
図37は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音番号データおよび可動部材制御データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等(演出図柄の表示態様の他に演出表示装置9の表示画面における演出図柄以外の演出態様を含む。)が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その演出態様での演出時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている態様で演出図柄を表示させるとともに表示画面に表示されるキャラクタ画像や背景を表示させる制御を行う。また、ランプ制御実行データおよび音番号データに設定されている態様で発光体の点滅を制御するとともに、スピーカ27からの音出力を制御する。また、可動部材制御データに設定されている態様で可動部材78および羽根モノ79a,79bを制御する。
図37に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各演出制御パターンや予告演出の内容に応じて用意されている。なお、ステップS8004の処理で予告演出を実行することに決定されている場合には、予告演出に対応したデータが設定されてプロセステーブルを選択し、予告演出を実行することに決定されていない場合には、予告演出に対応したデータが設定されていないプロセステーブルを選択する。
図38は、プロセステーブルの内容に従って実行される演出を説明するための説明図である。演出制御用CPU101は、プロセステーブルにおける演出制御実行データに従って表示制御を実行する。すなわち、プロセスタイマ設定値に設定されたタイマ値に応じた時間が経過すると、プロセステーブルにおける次の演出制御実行データに従って、演出表示装置9、LED等の発光体、スピーカ27、可動部材78、および羽根モノ79a,79bを制御する処理を繰り返すことによって、1回の演出図柄の変動における演出が実現される。なお、変動期間中に制御対象にならない演出用部品に対応するデータ(例えば、可動部材制御データ)には、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されている。
また、演出制御用CPU101は、楽曲継続フラグがセットされているか否か確認し(ステップS8008A)、楽曲継続フラグがセットされている場合には、プロセステーブルにおけるプロセスデータ(音番号データを除く。)に従って演出装置(演出表示装置9、ランプなど)の制御を行う(ステップS8008B)。
楽曲継続フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、選択したプロセスデータ1の内容に従って演出装置(演出表示装置9、スピーカ27、ランプなど)の制御を開始する(ステップS8009)。また、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(ステップS8010)。
そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にする(ステップS8011)。
図39は、昇格演出設定処理(ステップS8001)を示すフローチャートである。昇格演出設定処理において、演出制御用CPU101は、昇格演出を実行するか否か決定する(ステップS6000)。具体的には、演出制御用CPU101は、表示結果指定コマンド格納領域から表示結果指定コマンドの内容を読み出し、表示結果指定コマンドの内容が確変大当りを指定する表示結果指定コマンド(8C02(H)〜8C05(H)のいずれか)であるか否かを確認する。確変大当りを指定する表示結果指定コマンドである場合は、昇格演出決定用の乱数SR3に基づいて、所定の確率(例えば2/3の確率)で昇格演出を実行すると決定する。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101が昇格演出設定処理にて昇格演出を実行するか否かを決定しているが、遊技制御手段が昇格演出を実行するか否かを決定するように構成してもよい。この場合、遊技制御手段(具体的には、CPU56)は、大当り種別として、「非確変大当り(通常大当り)」「確変大当りS(昇格なし)」「確変大当りS(昇格あり)」「16R確変大当りA(昇格なし)」「16R確変大当りA(昇格あり)」「16R確変大当りB(昇格なし)」「16R確変大当りB(昇格あり)」「16R確変大当りC(昇格なし)」「16R確変大当りC(昇格あり)」「突然確変大当り」のいずれかを決定し、その決定結果を指定する演出制御コマンドとして表示結果指定コマンドまたは変動パターンコマンドの一方または双方を送信する。そして、演出制御用CPU101は、表示結果指定コマンドまたは変動パターンコマンドの内容に基づいて、昇格演出を実行するか否かを判定する。
図40は、昇格演出決定テーブルを示す説明図である。演出制御用CPU101は、昇格演出を実行することに決定した場合には、昇格演出決定テーブルにおける確変昇格用のテーブル(図40(A)参照)を選択する(ステップS6001,S6002)。昇格演出を実行しないことに決定した場合には、昇格演出決定テーブルにおける確変非昇格用のテーブル(図40(B)参照)を選択する(ステップS6003)。
そして、昇格演出選択用の乱数SR4−1を抽出し、抽出した乱数に一致する数値に対応する種類の演出を、実行する確変昇格演出(又は確変非昇格演出)として決定する(ステップS6004)。
なお、昇格演出として、昇格演出A〜Cが設けられている。ここで、昇格演出Aは、非確変大当り図柄の仮停止後に演出図柄の全図柄(左中右の図柄)が再変動を開始し、その後に大当り図柄として確変大当り図柄または非確変大当り図柄を停止表示する演出である。また、昇格演出Bは、非確変大当り図柄の仮停止後にキャラクタが登場して当該キャラクタが非確変大当り図柄を変更していき確変大当り図柄または非確変大当り図柄を停止表示させる演出である。昇格演出Cは、昇格演出中に大当り遊技中の楽曲を出力する(流す)とともに大当り遊技中の演出を実行する。これにより、昇格演出Cが実行されると大当り遊技が開始される前に大当り遊技中の演出(楽曲の出力を含む)が開始されることになる。このように、昇格演出A,Bでは確変大当りに昇格するか否かが未定であるのに対し、昇格演出Cでは確変大当りに昇格することが確定することになる。
図41は、イントロ演出選択処理を示すフローチャートである。イントロ演出選択処理において、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドがイントロ演出を伴う変動パターン(図8参照)を示すコマンドであるか否か確認する(ステップS6101)。イントロ演出を伴う変動パターンを示すコマンドでない場合には、処理を終了する。
イントロ演出を伴う変動パターンを示すコマンドである場合には、最終段階の演出(イントロ3)まで実行する変動パターンを示すコマンドであるか否か確認する(ステップS6102)。
図42は、イントロ演出決定テーブルを示す説明図である。受信した変動パターンコマンドが最終段階の演出まで実行する変動パターンを示すコマンドでない場合には、演出制御用CPU101は、非最終段階用のイントロ選択テーブル(図42(A)参照)を選択する(ステップS6103)。受信した変動パターンコマンドが最終段階の演出まで実行する変動パターンを示すコマンドである場合には、最終段階用のイントロ選択テーブル(図42(B)参照)を選択する(ステップS6104)。
そして、イントロ演出選択用の乱数SR4−2を抽出し、抽出した乱数に一致する数値に対応する種類の演出を、実行するイントロ演出として決定する(ステップS6015)。なお、上述したように、イントロAが決定された場合は、スーパーリーチAが実行され、イントロBが決定された場合は、スーパーリーチBが実行される。この実施の形態では、イントロAされた場合とイントロBが決定された場合(スーパーリーチAが実行される場合とスーパーリーチBが実行される場合)のいずれも同一の変動時間内で演出が実行される。
なお、この実施の形態では、イントロAまたはB(およびイントロの種類に対応したスーパーリーチAまたはB)を演出制御用CPU101が決定するように構成しているが、CPU56がイントロAまたはB(およびイントロの種類に対応したスーパーリーチAまたはB)を決定し、決定した内容の変動パターンを指定する変動パターンコマンドを演出制御用CPU101に送信して、当該変動パターンにもとづく演出制御を実行させるようにしてもよい。
図43および図44は、ステップS8004の予告演出設定処理を示すフローチャートである。予告演出設定処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドとして、はずれの変動パターンに対応したコマンドを受信したか否か確認する(ステップS571)。はずれの変動パターンに対応したコマンドを受信したか否かは、例えば、変動パターンコマンド格納領域に格納されているデータによって判定される。はずれの変動パターンに対応したコマンドを受信したと判定した場合には(ステップS571のY)、図45左に示すはずれ用の第1予告設定テーブルを用いて、第1ステップアップ予告演出の内容(有無、演出態様)を決定する(ステップS572)。
この実施の形態において、ステップアップ予告演出とは、1回の図柄の変動(可変表示)中に予め定められた順番に従って、予め定められたタイミングで予告演出(第1段階から複数段階までの予告演出)を1回または複数回変化(発展)させることによって大当りとなる可能性があることを段階的に遊技者に報知する予告演出のことをいう。この実施の形態では、予告演出を変化させる回数が増えるほど(多段階の予告演出まで実行されるほど)、大当りの可能性が高いことを遊技者に報知する。なお、ステップアップ予告演出は、最初の予告演出が変化せずに終了する場合もある。
なお、ステップアップ予告演出は、1つのキャラクタの形状や色が変化するようなものでもよく、遊技者からみて予告する手段(表示、音、ランプ、可動物等)の状態が段階的に変化したと認識可能なものであれば「ステップアップ予告」と言える。
この実施の形態では、後述するように(図55参照)、第1ステップアップ予告演出の内容は、演出表示装置9の表示画面の下部において段階的にキャラクタ(人のキャラクタ)を登場させていく演出としている。第1ステップアップ予告演出の詳しい内容については、図55を参照して後述する。
図45左に示すはずれ用の第1予告設定テーブルでは、予告演出「なし」と、予告演出Aのみ実行される演出態様(「A」の発展パターン)と、予告演出Aが実行されてから予告演出Bが実行される演出態様(「A→B」の発展パターン)と、予告演出Aが実行されてから予告演出Bが実行され、その後に予告演出Cが実行される演出態様(「A→B→C」の発展パターン)と、予告演出Aが実行されてから予告演出B、予告演出C、予告演出Dが順に実行される演出態様(「A→B→C→D」の発展パターン)と、予告演出Aが実行されてから予告演出B、予告演出C、予告演出D、予告演出Eが順に実行される演出態様(「A→B→C→D→E」の発展パターン)と、が設定されている。そして、各演出態様に対して所定数の判定値がそれぞれ割り振られている。なお、「割振」に示す数字は、各演出態様に割り振られた判定値の数を示している。他のテーブル(図46〜図49)においても同様である。
演出制御用CPU101は、ステップS572において、第1ステップアップ予告決定用の乱数SR5−1の値を抽出し、抽出した乱数値と第1予告設定テーブルに設定されている判定値とを比較する。そして、乱数値と一致する判定値に割り当てられた予告演出(「なし」、「A」、「A→B」・・・)に基づいて、第1ステップアップ予告演出の有無と演出態様を決定する。
また、演出制御用CPU101は、ステップS572で第1ステップアップ予告演出の内容を決定した後、図46左に示すはずれ用の第2予告設定テーブルを用いて、第2ステップアップ予告演出の内容(有無、演出態様)を決定する(ステップS573)。
なお、この実施の形態では、第2ステップアップ予告演出の内容は、演出表示装置9の表示画面の背景画像を段階的に変化(発展、転換)させていく演出である。
図46左に示すはずれ用の第2予告設定テーブルでは、予告演出「なし」と、予告演出Xのみ実行される演出態様(「X」の発展パターン)と、予告演出Xが実行されてから予告演出Yが実行される演出態様(「X→Y」の発展パターン)と、予告演出Xが実行されてから予告演出Yが実行され、その後に予告演出Zが実行される演出態様(「X→Y→Z」の発展パターン)と、が設定されている。そして、各演出態様に対して所定数の判定値がそれぞれ割り振られている。
演出制御用CPU101は、ステップS573において、第2ステップアップ予告決定用の乱数SR5−2の値を抽出し、抽出した乱数値と第2予告設定テーブルに設定されている判定値とを比較する。そして、乱数値と一致する判定値に割り当てられた予告演出(「なし」、「X」、「X→Y」・・・)に基づいて、第2ステップアップ予告演出の有無と演出態様を決定する。
ステップS571において、演出制御用CPU101は、はずれの変動パターンに対応したコマンドを受信していないと判定した場合には(ステップS571のN)、大当りの変動パターンに対応したコマンドを受信したと判断する。そして、演出制御用CPU101は、図45右に示す大当り用の第1予告設定テーブルを用いて、第1ステップアップ予告演出の内容(有無、演出態様)を決定する(ステップS574)。
図45右に示す大当り用の第1予告設定テーブルでは、予告演出「なし」と、予告演出Aのみ実行される演出態様(「A」の発展パターン)と、予告演出Aが実行されてから予告演出Bが実行される演出態様(「A→B」の発展パターン)と、予告演出Aが実行されてから予告演出Bが実行され、その後に予告演出Cが実行される演出態様(「A→B→C」の発展パターン)と、予告演出Aが実行されてから予告演出B、予告演出C、予告演出Dが順に実行される演出態様(「A→B→C→D」の発展パターン)と、予告演出Aが実行されてから予告演出B、予告演出C、予告演出D、予告演出Eが順に実行される演出態様(「A→B→C→D→E」の発展パターン)と、が設定されている。そして、各演出態様に対して所定数の判定値がそれぞれ割り振られている。
演出制御用CPU101は、ステップS575において、第1ステップアップ予告決定用の乱数SR5−1の値を抽出し、抽出した乱数値と第1予告設定テーブルに設定されている判定値とを比較する。そして、乱数値と一致する判定値に割り当てられた予告演出(「なし」、「A」、「A→B」・・・)に基づいて、第1ステップアップ予告演出の有無と演出態様を決定する。
また、演出制御用CPU101は、ステップS575で第1ステップアップ予告演出の内容を決定した後、図46右に示す大当り用の第2予告設定テーブルを用いて、第2ステップアップ予告演出の内容(有無、演出態様)を決定する(ステップS576)。
図46右に示す大当り用の第2予告設定テーブルでは、予告演出「なし」と、予告演出Xのみ実行される演出態様(「X」の発展パターン)と、予告演出Xが実行されてから予告演出Yが実行される演出態様(「X→Y」の発展パターン)と、予告演出Xが実行されてから予告演出Yが実行され、その後に予告演出Zが実行される演出態様(「X→Y→Z」の発展パターン)と、が設定されている。そして、各演出態様に対して所定数の判定値がそれぞれ割り振られている。
演出制御用CPU101は、ステップS576において、第2ステップアップ予告決定用の乱数SR5−2の値を抽出し、抽出した乱数値と第2予告設定テーブルに設定されている判定値とを比較する。そして、乱数値と一致する判定値に割り当てられた予告演出(「なし」、「X」、「X→Y」・・・)に基づいて、第2ステップアップ予告演出の有無と演出態様を決定する。
この実施の形態では、第1ステップアップ予告演出と第2ステップアップ予告演出は同時に実行可能である。また、図45および図46に示すように、はずれと決定された場合(はずれの変動パターンコマンドを受信した場合)よりも大当りと決定された場合(大当りの変動パターンコマンドを受信した場合)に、第1ステップアップ予告演出よりも第2ステップアップ予告演出を高い割合で実行するように、第1予告設定テーブルおよび第2予告設定テーブルにおいて判定値が割り振られている。すなわち、大当りのときは、第1ステップアップ予告演出の場合、50/100(=1/2)の割合で予告演出が実行されない(予告「なし」)と決定されるのに対し、第2ステップアップ予告演出の場合、20/100(=1/5)の割合でしか予告演出が実行されない(予告「なし」)と決定される。よって、第2ステップアップ予告演出の方が第1ステップアップ予告演出よりも大当りのときの信頼度が高い。
次いで、演出制御用CPU101は、図47に示す可動物予告設定テーブルを用いて、可動物予告演出の内容(有無、演出態様)を決定する(ステップS582)。具体的には、変動パターンコマンドにもとづく変動パターンの内容または表示結果指定コマンドにもとづく表示結果(大当りの判定結果)の内容に基づいて、はずれか大当りかを判定し、はずれのときははずれ用の可動物予告設定テーブルを用いて、可動物予告演出の内容(有無、演出態様)を決定し、大当りのときは大当り用の可動物予告設定テーブルを用いて、可動物予告演出の内容を決定する。
この実施の形態では、可動物予告演出は、ステップアップ予告演出ではなく、可動部材78が予定の態様で動作することによって大当りの可能性があることを報知する演出である。つまり、可動物予告演出は、1回または複数回変化する予告演出ではない(稼動部材78が段階的に1回または複数回変化(発展、動作)させる予告演出ではない)。
図47に示す可動物予告設定テーブルでは、予告演出「なし」と、第1予告タイミングで可動部材78が動作する演出態様と、第2予告タイミング(第1予告タイミングとは異なるタイミング)で可動部材78が動作する演出態様と、第3予告タイミング(第1予告タイミングと第2予告タイミングのいずれも)で可動部材78が動作する演出態様と、が設定されている。そして、各演出態様に対して所定数の判定値がそれぞれ割り振られている。
演出制御用CPU101は、ステップS582において、可動物予告決定用の乱数SR5−3の値を抽出し、抽出した乱数値と可動物予告設定テーブルに設定されている判定値とを比較する。そして、乱数値と一致する判定値に割り当てられた予告演出(「なし」、「第1予告タイミング」、「第2予告タイミング」、「第3予告タイミング」)に基づいて、可動物予告演出の有無と演出態様を決定する。
なお、大当り時において同じ大当り用の可動物予告設定テーブルを用いて可動物予告演出の内容を決定しているが、大当りの種類(確変大当り、通常大当り、突然確変大当り、小当り)に応じて複数の可動物予告設定テーブルを設け、大当りの種類に応じたテーブルを用いて可動物予告演出の内容を決定するようにしてもよい。この場合、大当りの種類に応じて、各テーブルの振分値を異ならせることにより、可動物予告演出の実行割合や演出態様の出現割合を異ならせることができる。
次いで、演出制御用CPU101は、図48に示すボタン予告設定テーブルを用いて、ボタン予告演出の内容(有無、演出態様)を決定する(ステップS583)。具体的には、変動パターンコマンドにもとづく変動パターンの内容または表示結果指定コマンドにもとづく表示結果(大当りの判定結果)の内容に基づいて、はずれか大当りかを判定し、はずれのときははずれ用のボタン予告設定テーブルを用いて、ボタン予告演出の内容(有無、演出態様)を決定し、大当りのときは大当り用のボタン予告設定テーブルを用いて、ボタン予告演出の内容を決定する。
この実施の形態では、ボタン予告演出も、ステップアップ予告演出ではなく、遊技者による操作ボタン120の押圧操作に応じて演出表示装置9の表示画面に所定の画像を表示することによって大当りの可能性があることを報知する演出である。つまり、ボタン予告演出は、1回または複数回変化する予告演出ではない(操作ボタン120の操作に応じて段階的に1回または複数回変化(発展)させる予告演出ではない)。
図48に示すボタン予告設定テーブルでは、予告演出「なし」と、早いタイミングで第1メール予告演出(メールの開封1段階のメール予告演出)が実行される演出態様と、遅いタイミングで第1メール予告演出(メール予告演出)が実行される演出態様と、早いタイミングで第2メール予告演出(メールの開封2段階のメール予告演出)が実行される演出態様と、遅いタイミングで第2メール予告演出(メール予告演出)が実行される演出態様と、早いタイミングでカード予告演出(カードが出現する予告演出)が実行される演出態様と、遅いタイミングでカード予告演出が実行される演出態様と、が設定されている。そして、各演出態様に対して所定数の判定値がそれぞれ割り振られている。
演出制御用CPU101は、ステップS583において、ボタン予告決定用の乱数SR5−4の値を抽出し、抽出した乱数値とボタン予告設定テーブルに設定されている判定値とを比較する。そして、乱数値と一致する判定値に割り当てられた予告演出(「なし」、「第1メール予告で早いタイミング」、「第1メール予告で遅いタイミング」、「第2メール予告で早いタイミング」、「第2メール予告で遅いタイミング」、「カード予告で早いタイミング」、「カード予告で遅いタイミング」)に基づいて、ボタン予告演出の有無と演出態様を決定する。
なお、大当り時において同じ大当り用のボタン予告設定テーブルを用いてボタン予告演出の内容を決定しているが、大当りの種類(確変大当り、通常大当り、突然確変大当り、小当り)に応じて複数のボタン予告設定テーブルを設け、大当りの種類に応じたテーブルを用いてボタン予告演出の内容を決定するようにしてもよい。この場合、大当りの種類に応じて、各テーブルの振分値を異ならせることにより、ボタン予告演出の実行割合や演出態様の出現割合を異ならせることができる。
次いで、演出制御用CPU101は、図49に示す枠(ランプ)予告設定テーブルを用いて、枠(ランプ)予告演出の有無を決定する(ステップS584)。具体的には、変動パターンコマンドにもとづく変動パターンの内容または表示結果指定コマンドにもとづく表示結果(大当りの判定結果)の内容に基づいて、はずれか大当りかを判定し、はずれのときははずれ用の枠予告設定テーブルを用いて、枠予告演出の内容(有無、演出態様)を決定し、大当りのときは大当り用の枠予告設定テーブルを用いて、枠予告演出の内容を決定する。
この実施の形態では、枠(ランプ)予告演出も、ステップアップ予告演出ではなく、枠ランプ28を所定の点灯ぱターンで点灯させることによって大当りの可能性があることを報知する演出である。つまり、枠(ランプ)予告演出は、1回または複数回変化する予告演出ではない(点灯パターンを1回または複数回段階的に変化(発展)させる予告演出ではない)。枠予告演出の具体的な内容については省略する。
図49に示す枠予告設定テーブルは、はずれのときのテーブルと大当りのときのテーブルとが設けられている。そして、各枠予告設定テーブルでは、予告演出「なし」と、枠予告演出「実行」と、が設定されている。そして、「なし」と「実行」に対して所定数の判定値がそれぞれ割り振られている。なお、はずれのときよりも大当りのときの方が枠予告予告演出の実行確率が高くなるように判定値が設定されている。
演出制御用CPU101は、ステップS584において、枠予告決定用の乱数SR5−5の値を抽出し、抽出した乱数値と枠予告設定テーブルに設定されている判定値とを比較する。そして、乱数値と一致する判定値に割り当てられた予告演出(「なし」、「実行」)に基づいて、枠予告演出の有無を決定する。
次いで、演出制御用CPU101は、図49に示すミニキャラ予告設定テーブルを用いて、ミニキャラ予告演出の有無を決定する(ステップS585)。具体的には、変動パターンコマンドにもとづく変動パターンの内容または表示結果指定コマンドにもとづく表示結果(大当りの判定結果)の内容に基づいて、はずれか大当りかを判定し、はずれのときははずれ用のミニキャラ予告設定テーブルを用いて、ミニキャラ予告演出の内容(有無、演出態様)を決定し、大当りのときは大当り用のミニキャラ予告設定テーブルを用いて、ミニキャラ予告演出の内容を決定する。
この実施の形態では、ミニキャラ予告演出も、ステップアップ予告演出ではなく、演出表示装置9の表示画面にミニキャラ(サイズの小さいキャラクタの画像)を表示させることによって大当りの可能性があることを報知する演出である。つまり、ミニキャラ予告演出は、1回または複数回変化する予告演出ではない(ミニキャラを1回または複数回段階的に変化(発展)させる予告演出ではない)。
図49に示すミニキャラ予告設定テーブルは、はずれのときのテーブルと大当りのときのテーブルとが設けられている。そして、各ミニキャラ予告設定テーブルでは、予告演出「なし」と、ミニキャラ予告演出「実行」と、が設定されている。そして、「なし」と「実行」に対して所定数の判定値がそれぞれ割り振られている。なお、はずれのときよりも大当りのときの方がミニキャラ予告予告演出の実行確率が高くなるように判定値が設定されている。
演出制御用CPU101は、ステップS585において、ミニキャラ予告決定用の乱数SR5−6の値を抽出し、抽出した乱数値とミニキャラ予告設定テーブルに設定されている判定値とを比較する。そして、乱数値と一致する判定値に割り当てられた予告演出(「なし」、「実行」)に基づいて、ミニキャラ予告演出の有無を決定する。
なお、ミニキャラ予告演出は複数種類設けられ、ミニキャラ予告の実行(ミニキャラ出現)を決定したときに、いずれのミニキャラを出現させるかを決定するようにしてもよい。ミニキャラの種類には、大当り時のみ出現可能なキャラが設定されていてもよい。ミニキャラは、大当りの予告のほかに、大当り時の確率変動を伴う大当りとなるかどうかを示唆する予告、変動がリーチとなるかどうかを示唆する予告、スーパーリーチになるかどうかを示唆する予告、滑り演出が発生するかどうかを示唆する予告等、予告する対象の異なる複数系統のミニキャラ予告を備え、各々の系統において、大当り判定の判定結果および変動パターンの内容に基づいて選択されるようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、はずれの場合と大当りの場合とでテーブルにおける振分値を変更しているが、大当りにおいても確変大当り、通常大当り、突確、小当りの各々において使用する振分値の異なるミニキャラ予告決定用のテーブルを備え、それらのテーブルに基づいてミニキャラの出現および種類を選択するようにしてもよい。この場合に、複数系統のミニキャラを備えている場合には、各系統において各々テーブルを設けて複数系統の各々のミニキャラの出現を選択するようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、図49に示す羽根モノ予告設定テーブルを用いて、羽根モノ予告演出の有無を決定する(ステップS586)。具体的には、変動パターンコマンドにもとづく変動パターンの内容または表示結果指定コマンドにもとづく表示結果(大当りの判定結果)の内容に基づいて、はずれか大当りかを判定し、はずれのときははずれ用の羽根モノ予告設定テーブルを用いて、羽根モノ予告演出の内容(有無、演出態様)を決定し、大当りのときは大当り用の羽根モノ予告設定テーブルを用いて、羽根モノ予告演出の内容を決定する。
この実施の形態では、羽根モノ予告演出も、ステップアップ予告演出ではなく、羽根モノ79a,79bを所定タイミングで動作させることによって大当りの可能性があることを報知する演出である。つまり、羽根モノ予告演出は、羽根モノ79a,79bを1回または複数回動作させる予告演出ではない。羽根モノ予告演出の具体的な内容については省略する。
図49に示す羽根モノ予告設定テーブルは、はずれのときのテーブルと大当りのときのテーブルとが設けられている。そして、各羽根モノ予告設定テーブルでは、予告演出「なし」と、羽根モノ予告演出「実行」と、が設定されている。そして、「なし」と「実行」に対して所定数の判定値がそれぞれ割り振られている。なお、はずれのときよりも大当りのときの方が羽根モノ予告予告演出の実行確率が高くなるように判定値が設定されている。
演出制御用CPU101は、ステップS586において、羽根モノ予告決定用の乱数SR5−7の値を抽出し、抽出した乱数値と羽根モノ予告設定テーブルに設定されている判定値とを比較する。そして、乱数値と一致する判定値に割り当てられた予告演出(「なし」、「実行」)に基づいて、羽根モノ予告演出の有無を決定する。
次いで、演出制御用CPU101は、図49に示す他系統液晶予告設定テーブルを用いて、他系統液晶予告演出(ステップアップ予告やボタン予告等の他の予告とは別系統の予告演出)の有無を決定する(ステップS587)。具体的には、変動パターンコマンドにもとづく変動パターンの内容または表示結果指定コマンドにもとづく表示結果(大当りの判定結果)の内容に基づいて、はずれか大当りかを判定し、はずれのときははずれ用の他系統液晶予告設定テーブルを用いて、他系統液晶予告演出の内容(有無、演出態様)を決定し、大当りのときは大当り用の他系統液晶予告設定テーブルを用いて、他系統液晶予告演出の内容を決定する。
この実施の形態では、他系統液晶予告演出も、ステップアップ予告演出ではなく、演出表示装置9の表示画面に所定の画像(ステップアップ予告で登場するキャラクタの画像やボタン予告で表示される画像、ミニキャラの画像とは異なる画像)を所定タイミングで表示することによって大当りの可能性があることを報知する演出である。つまり、他系統液晶予告演出は、演出表示装置9の表示画面に所定の画像を1回または複数回変化させる予告演出ではない。
図49に示す他系統液晶予告設定テーブルは、はずれのときのテーブルと大当りのときのテーブルとが設けられている。そして、各他系統液晶予告設定テーブルでは、予告演出「なし」と、他系統液晶予告演出「実行」と、が設定されている。そして、「なし」と「実行」に対して所定数の判定値がそれぞれ割り振られている。なお、はずれのときよりも大当りのときの方が他系統液晶予告予告演出の実行確率が高くなるように判定値が設定されている。
演出制御用CPU101は、ステップS587において、他系統液晶予告決定用の乱数SR5−7の値を抽出し、抽出した乱数値と他系統液晶予告設定テーブルに設定されている判定値とを比較する。そして、乱数値と一致する判定値に割り当てられた予告演出(「なし」、「実行」)に基づいて、他系統液晶予告演出の有無を決定する。
図50および図51は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、大当り中の一連の楽曲が終了したか否か確認する(ステップS840A)。大当り中の楽曲が終了した場合には、楽曲継続フラグをリセットし(ステップS840B)、ステップS840に移行する。なお、ステップS840A,S840Bの処理(すなわち、楽曲が終了したか否かを判定し、楽曲が終了したと判定した場合に楽曲継続フラグをリセットする処理)を演出図柄変動中処理において実行するのではなく、演出制御プロセス処理の先頭(例えばステップS800A,S800Bの処理の実行後)に実行するようにしてもよい。この場合、大当り終了演出の実行中やデモ表示中などにおいて楽曲が終了したときも楽曲継続フラグをリセットさせることにより、楽曲の継続出力を停止させることができる。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(ステップS840)、変動時間タイマの値を1減算する(ステップS841)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS842)、プロセスデータの切替を行う(ステップS843)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(ステップS844)。また、楽曲継続フラグがセットされていない場合には(ステップS844A)、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音番号データおよび可動部材制御データに基づいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する(ステップS845)。
楽曲継続フラグがセットされている場合には、プロセステーブルにおけるプロセスデータ(音番号データを除く。)に従って演出装置(演出表示装置9、ランプなど)の制御を行う(ステップS844B)。なお、このとき、前回の大当り遊技において使用される音番号データに従って楽曲が継続して出力されている(ステップS800B)。
ステップS844B,S845において、演出制御用CPU101は、イントロ演出を実行すると決定されている場合はプロセスデータの内容に基づいてイントロ演出を実行し、昇格演出を実行すると決定されている場合はプロセスデータの内容に基づいて大当り図柄を仮停止表示させた後に昇格演出を実行する。例えば、イントロ演出としては、後述する図59、図60に示すような内容の演出が実行される。また、昇格演出としては、後述する図61に示すような内容の演出が実行される。なお、昇格演出Cは、図61(43)〜(45)に示すように、大当り遊技中のラウンド遊技(ラウンド演出)と同内容の演出を実行するものであって、当該昇格演出Cが実行されると確変大当りが確定したことを遊技者は認識する。
次に、演出制御用CPU101は、ステップS844B,S845において、プロセスデータ(表示制御実行データ等)の内容に従ってステップアップ予告演出(第1ステップアップ予告演出、第2ステップアップ予告演出)が実行されているかどうかを確認する(ステップS846)。ステップアップ予告演出が実行されている場合は(ステップS846のY)、演出制御用CPU101は、プロセスデータの内容に基づいてステップアップ予告演出の切替タイミングであるか否か判定する(ステップS847)。ステップアップ予告演出の切替タイミングであれば(ステップS847のY)、演出制御用CPU101は、プロセスデータ(特に、予告演出を含む表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび可動部材制御データ)の内容に従ってステップアップ予告演出の切替(変化、発展)を実行する(ステップS848)。
次に、演出制御用CPU101は、操作ボタン120の操作が可能な期間(ボタン有効期間)中であるか否か確認する(ステップS849)。なお、操作ボタン120は、ボタン予告演出が実行されているときに有効となる。ボタン有効期間であるときは(ステップS849のY)、演出制御用CPU101は、操作ボタン120がオンとなったか(押下されたか)どうかを検出する処理を実行する(ステップS850)。操作ボタン120のオンは、操作ボタン120からのオン信号を入力したことで検出する。演出制御用CPU101は、操作ボタン120のオンを検出すると(ステップS850のY)、設定されているボタン予告演出(メール予告またはカード予告)における操作ボタン120のオンに応じた演出を実行する(ステップS851)。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスデータ(可動部材制御データ等)の内容に基づいて可動物予告演出の実行タイミングであるか否か判定する(ステップS852)。可動物予告演出の実行タイミングであれば(ステップS852のY)、プロセスデータ(特に、可動部材制御データ)の内容に従って可動部材78を動作させて可動物予告演出を実行する(ステップS853)。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスデータの内容に基づいてその他の予告演出(枠予告演出、ミニキャラ予告演出、羽根モノ予告演出、他系統液晶予告演出)の実行タイミングであるか否か判定する(ステップS854)。その他の予告演出の実行タイミングであれば(ステップS854のY)、プロセスデータの内容に従ってその他の予告演出を実行する(ステップS855)。すなわち、枠ランプ28を所定の点灯パターンで点灯させたり、演出表示装置9の画面にミニキャラの画像を所定のタイミングで表示させたり、羽根モノ79a,79bを動作させたり、演出表示装置9の画面に他の演出で用いられる画像とは異なる画像(他系統の画像)を表示させたりする。
次いで、演出制御用CPU101は、リーチ演出を行うか否かを判定する(ステップS855A)。ステップS855Aでリーチ演出を行う(YES)と判定したときには、次に楽曲継続フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS855B)。ステップS855Bで楽曲継続フラグがセットされている(YES)と判定したときには、大当り中楽曲のボリュームをオフにすると共に、予告音のボリュームをオンにし(ステップS855C)、プロセスデータの内容に従って演出装置を制御する(ステップS855D)。例えばプロセスデータの音番号データとしてリーチ演出用の予告音が格納されている場合、この予告音が規定ボリューム(オンの状態)で出力され、ステップS856に進む。一方、ステップS855Bで楽曲継続フラグがセットされていない(NO)と判定したときには、ステップS856に進む。この場合にも、図50のステップS845に示す処理の継続によって、予告音が規定ボリューム(オンの状態)で出力され、このとき大当り中楽曲は再生されていない(図50のステップS844AでNO)。
次いで、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS856)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS858)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(ステップS857)、ステップS848に移行する。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、演出図柄の変動を終了させることができる。
次に、各種予告演出の実行タイミング(予告タイミング)について説明する。図52は、各種予告演出の実行タイミングを示すタイミング図である。図52に示すように、他系統液晶予告、第1ステップアップ予告、第2ステップアップ予告、メール予告(ボタン予告の一種)、カード予告(ボタン予告の一種)およびミニキャラ予告は、演出表示装置9に表示される画像を用いる予告であるので、これらの予告のことを液晶予告という。
図52に示すように、イントロ演出は、第2ステップアップ予告演出と同時に実行可能である。また、図52には、イントロ演出(具体的には、イントロ1〜3)とリーチ演出が継続(連続)して実行されることが示されている。なお、上述したように、この実施の形態では、イントロ2まで発展した場合に、イントロ演出(イントロ1、イントロ2)とリーチ演出が連続して実行され、イントロ1からリーチ演出に発展する場合は、イントロ1の演出とリーチ演出が連続して実行されない。
また、図52に示すように、第1ステップアップ予告は、ステップ(A)からステップ(B)、ステップ(C)、ステップ(D)、ステップ(E)の順にステップアップする予告(「A→B→C→D→E」)である。ここで、ステップ(A)は予告演出Aが実行されている段階(期間)を示し、ステップ(B)は予告演出Bが実行されている段階(期間)を示し、ステップ(C)は予告演出Cが実行されている段階(期間)を示し、ステップ(D)は予告演出Dが実行されている段階(期間)を示し、ステップ(E)は予告演出Eが実行されている段階(期間)を示している。
また、図52に示すように、第2ステップアップ予告は、ステップ(X)からステップ(Y)にステップアップし、ステップ(Y)からステップ(Z)にステップアップする予告(「X→Y→Z」)である。ここで、ステップ(X)は予告演出Xが実行されている段階(期間)を示し、ステップ(Y)は予告演出Yが実行されている段階(期間)を示し、ステップ(Z)は予告演出Zが実行されている段階(期間)を示している。
図52に示す例では、複数の予告演出のうち、ミニキャラ予告演出と枠予告演出(枠フラッシュ)は、演出表示装置9における演出図柄の変動の開始と同時に実行可能な予告演出とされている。また、第1ステップアップ予告演出、第2ステップアップ予告演出、メール予告演出、カード予告演出、ミニキャラ予告演出、羽根モノ予告演出、可動物予告演出および枠予告演出は、演出図柄の変動が高速変動に移行された時点から実行可能な予告演出とされている。
図52に示す例において、メール予告は、メールを受信したことを遊技者に報知し、操作ボタン120の操作を遊技者に促し、遊技者の操作ボタン120の操作に応じてメールを開封してメールの内容を報知し、メールの内容に応じて大当りの可能性の高低を認識させる。
また、図52に示す例において、カード予告は、カードを表示し、操作ボタン120の操作を遊技者に促し、遊技者の操作ボタン120の操作に応じてカードを開放し(つまり、ひっくり返し)、カードに書かれている内容を報知し、その内容に応じて大当りの可能性の高低を認識させる。
また、図52に示す例において、ミニキャラ予告は、演出図柄の変動開始とともに、演出表示装置9の画面上にミニキャラを登場させて(例えばチョウチョを飛ばす)、大当りの可能性があることを遊技者に認識させる。
また、図52に示す例において、羽根モノ予告は、演出図柄が高速変動しているときに羽根モノ79a,79bを動作させて、大当りの可能性があることを遊技者に認識させる。
また、図52に示す例において、可動物予告は、演出図柄の変動が高速変動となる時点(第1予告タイミング)で可動部材78を動作させるか、第1ステップアップ予告におけるステップ(B)の実行された後でステップ(D)が実行される前の時点(第2予告タイミング)で可動部材78を動作させるか、第1予告タイミングおよび第2予告タイミングのいずれのタイミング(第3予告タイミング)でも可動部材78を動作させることにより、大当りの可能性があることを遊技者に認識させる。
また、図52に示す例において、枠予告は、演出図柄の変動開始とともに、枠ランプ28を所定の点灯パターンで点灯させて、大当りの可能性があることを遊技者に認識させる。
また、図52に示す例において、他系統液晶予告は、第1ステップアップ予告におけるステップ(B)の実行された後でステップ(D)が実行される前の時点で演出表示装置9の画面に所定の画像(他の液晶予告で表示される画像とは異なる画像)を表示することによって、大当りの可能性があることを遊技者に認識させる。この場合、第1ステップアップ予告がステップ(B)で終了したと見せかけた後に、他系統液晶予告を実行し、その後、第1ステップアップ予告におけるステップ(D)を実行させることにより、第1ステップアップ予告が復活したように見せることが可能となる。
図53は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、まず、演出制御用CPU101は、楽曲継続フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS860)。ステップS860で楽曲継続フラグがセットされていないと判定されたときには(NO)、ステップS870に進む。一方、ステップS860で楽曲継続フラグがセットされていると判定されたときには(YES)、大当り中楽曲が終了しているか否かを判定する(ステップS861)。この判定で大当り中楽曲が終了していると判定されたときには(YES)、通常時楽曲ボリュームをオンとし、大当り中楽曲ボリュームをオフとして(ステップS862)、ステップS870に進む。一方、ステップS861で大当り中楽曲が終了していないと判定されたときには(NO)、通常時楽曲ボリュームをオフとし、大当り中楽曲ボリュームをオンとして(ステップS863)、ステップS870に進む。
本実施形態において大当り中楽曲の再生中にリーチ演出がされたときには、予告音が大当り中楽曲よりも優先して再生されるが、演出図柄変動停止に際して、大当り楽曲が終了していなければ(ステップS861でNO)、再度大当り中楽曲ボリュームをオンとする(ステップS863)ため、遊技者は大当り中楽曲を最後まで聞くことができる。
次いで演出図柄の停止図柄を表示していることを示す停止図柄表示フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS870)。停止図柄表示フラグがセットされていれば、ステップS877に移行する。この実施の形態では、演出図柄の停止図柄として大当り図柄を表示した場合には、ステップS876で停止図柄表示フラグがセットされる。そして、ファンファーレ演出を実行するときに停止図柄表示フラグがリセットされる。従って、停止図柄表示フラグがセットされているということは、大当り図柄を停止表示したがファンファーレ演出をまだ実行していない段階であるので、ステップS871〜S876の演出図柄の停止図柄を表示する処理を実行することなく、ステップS877に移行する。
停止図柄表示フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、演出図柄の変動停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS871)。確定コマンド受信フラグがセットされている場合には、決定されている停止図柄(はずれ図柄、小当り図柄または大当り図柄)を停止表示させる制御を行う(ステップS872)。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101が、遊技制御用マイクロコンピュータ560から図柄確定指定コマンドを受信したことに応じて演出図柄を停止表示する制御を行うが、変動時間タイマがタイムアップしたことに基づいて演出図柄を停止表示するようにしてもよい。
ステップS872の処理で小当り図柄また大当り表示図柄を表示しなかった場合(すなわち、はずれ図柄を表示した場合)には、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS874)。
ステップS872の処理で小当り図柄また大当り図柄を停止表示した場合には、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをセットし(ステップS876)、大当り開始指定コマンドを受信したことを示す大当り開始指定コマンド受信フラグ(大当り開始1指定コマンド受信フラグまたは大当り開始2指定コマンド受信フラグ)または小当り/突確開始指定コマンドを受信したことを示す小当り/突確開始指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS877)。
大当り開始指定コマンド受信フラグまたは小当り/突確開始指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをリセットする(ステップS878)。そして、楽曲継続フラグがセットされているか否か確認する(ステップS878A)。楽曲継続フラグがセットされている場合には、プレミア演出としてQRコードを演出表示装置9の画面に表示する演出を実行する(ステップS878B)。遊技者は、演出表示装置9の画面上に表示されるQRコードを携帯電話のカメラ機能で撮影して特定のサイトにアクセスすることが可能となる。なお、QRコードを表示する以外に、大当り中の演出で登場するキャラクタ画像をプレミア画像にする等、通常の大当り遊技では実行されないような演出をプレミア演出として実行するものであってもよい。
次に、演出制御用CPU101は、昇格演出Cが実行されていたか否か確認する(ステップS878C)。昇格演出Cが実行されていなかった場合には、ファンファーレ演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS879)。一方、演出制御用CPU101は、ステップS878Cの処理で演出Cが実行されていたことを確認した場合には、昇格演出Cを継続するプロセステーブルを選択する(ステップS878D)。昇格演出Cは、大当り中のラウンド演出と同内容の演出を実行するものであって、昇格演出Cを実行することにより大当り遊技の開始前に大当り遊技が開始されたかのように見せることができる。そして、大当り遊技の開始後も昇格演出Cを継続するような演出をファンファーレ演出に代えて実行することにより、途切れることなく昇格演出Cから大当り遊技中のラウンド演出へ連続して実行させることができるようになる。
なお、この実施の形態では、大当り種別にかかわらず大当り遊技中の楽曲として同一の楽曲が選択される。ただし、ステップS879において、複数のプロセステーブルのうちから一つのプロセステーブルを選択し、大当り遊技中は選択したプロセステーブルにもとづく楽曲の出力や演出表示を実行するようにしてもよい。
そして、プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをスタートさせ(ステップS880)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1、可動部材制御データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、演出用部品としてのスピーカ27、および演出用部品としての可動部材78と羽根モノ79a,79b)の制御を実行する(ステップS881)。その後、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)に応じた値に更新する(ステップS882)。
図54は、大当り表示処理を示すフローチャートである。大当り表示処理において、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中指定コマンドを受信したことを示す大入賞口開放中指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS901)。大入賞口開放中指定コマンド受信フラグがセットされていた場合には、ステップS907に移行する。
大入賞口開放中指定コマンド受信フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算する(ステップS902)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS903)、プロセスデータの切替を行う(ステップS904)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(ステップS905)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データに基づいて演出装置の制御状態を変更する(ステップS906)。
ステップS907では、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中指定コマンド受信フラグをリセットする。また、ラウンド中演出に応じたプロセステーブルを選択し(ステップS908)、プロセスタイマをスタートさせる(ステップS909)。なお、このとき選択したプロセステーブルに基づいて実行する演出の内容はラウンド数の表示等だけであり、キャラクタを用いた演出についてはステップS879で選択したプロセステーブルにもとづく演出が継続して(連続的に)実行される。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に応じた値に更新する(ステップS910)。
図55は、第1ステップアップ予告における各予告演出の内容と第2ステップアップ予告における各予告演出の内容を示す説明図である。第1ステップ予告(右側のステップアップ予告)では、5つの予告演出(予告演出A、予告演出B、予告演出C、予告演出D、予告演出E)で構成されている。図55に示すように、予告演出Aとして、演出表示装置9の表示画面の下部領域において人のキャラクタAが画面右から登場し、画面左へ去っていく演出が行われる。予告演出Bとして、演出表示装置9の表示画面の下部領域において人のキャラクタBが画面右から登場し、画面左へ去っていく演出が行われる。予告演出Cとして、演出表示装置9の表示画面の下部領域において人のキャラクタCが画面右から登場し、画面左へ去っていく演出が行われる。予告演出Dとして、演出表示装置9の表示画面の下部領域においてキャラクタA,B,Cが同時に画面左から登場し、画面の中央で停止する演出が行われる。予告演出Eとして、演出表示装置9の表示画面の下部領域においてキャラクタA,B,Cが集合しているところに大きな人のキャラクタDが画面右から登場する演出が行われる。
また、第2ステップ予告(左側のステップアップ予告)では、3つの予告演出(予告演出X、予告演出Y、予告演出Z)で構成されている。図55に示すように、予告演出Xとして、演出表示装置9の表示画面の背景においてカブト虫のキャラクタが画面右から飛んでくる演出が行われる。予告演出Yとして、演出表示装置9の表示画面の背景においてカブト虫のキャラクタが木にとまる演出が行われる。予告演出Zとして、背景が演出表示装置9の表示画面の全領域まで拡大することに伴って、気が拡大するとともにカブト虫のキャラクタも拡大する演出が行われる。
図56は、演出制御プロセス処理におけるラウンド中処理(ステップS805)を示すフローチャートである。ラウンド中処理において、まず、演出制御用CPU101は、大入賞口開放後コマンドを受信したことを示す大入賞口開放後フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS921)。なお、大入賞口開放後フラグはコマンド解析処理でセットされる。大入賞口開放後フラグがセットされていないときは(ステップS921のN)、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算する(ステップS922)。また、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS924)、次のプロセスタイマをスタートさせる(ステップS925)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、および音番号データに基づいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する(ステップS926)。
ステップS921において大入賞口開放後フラグがセットされているときは(ステップS921のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大入賞口開放後コマンドの内容に基づいてインターバル演出(ラウンド数に応じたインターバル表示を行う演出)を選択する(ステップS950)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大入賞口開放後フラグをリセットし(ステップS951)、選択したインターバル演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS952)。そして、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS953)、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(ステップS806)に対応した値に設定する(ステップS954)。なお、ステップS952で選択したプロセスデータに基づいて実行する演出の内容はラウンド数の表示等だけであり、キャラクタを用いた演出についてはステップS879で選択したプロセステーブルにもとづく演出が継続して(連続的に)実行される。
図57は、演出制御プロセス処理における大当り終了演出処理(ステップS807)を示すフローチャートである。大当り終了演出処理において、演出制御用CPU101は、大当り終了演出の実行時間を計測するための大当り終了演出タイマが動作中であるか否かを判定し(ステップS971)、動作中でなければ、大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS972)。大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされていなければ、そのまま処理を終了する。大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされていれば、演出制御用CPU101は、大当り終了指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS973)、大当り終了演出タイマを設定する(ステップS974)。そして、演出制御用CPU101は、楽曲が終了したか否か判定する(ステップS975A)。演出制御用CPU101は、楽曲が終了していない場合には楽曲継続フラグをセットする(ステップS975D)。一方、楽曲が終了している場合は、演出制御用CPU101は、大当り終了演出に応じたプロセステーブルを選択し(ステップS975B)、プロセスタイマをスタートさせる(ステップS975C)。次に、演出制御用CPU101は、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データに基づいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する(ステップS976)。
ステップS971で大当り終了演出タイマが動作中であると判定されたときは、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を−1する(ステップS977)。そして、プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS978)、プロセスデータの切替を行う(ステップS979)。また、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(ステップS980)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データに基づいて演出装置の制御状態を変更する(ステップS981)。
また、演出制御用CPU101は、大当り終了演出タイマの値を1減算し(ステップS982)、大当り終了演出タイマがタイムアウトしたかどうか、つまり、大当り終了演出時間が経過したか否かを判定する(ステップS983)。
そして、大当り終了演出時間が経過したと判定したときは、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS987)。
なお、ステップS971で大当り終了演出タイマが動作中であると判定した際(ステップS971のY)に、大当り中の楽曲が終了したか否かを判定するようにしてもよい。
図58は、大当り前、大当り中および大当り後の楽曲の出力タイミングを示すタイミングチャートである。図58(A)に示すように、大当り遊技は、大当り図柄(例えば「777」)が停止表示された後に開始される。そして、大当り遊技(大当り遊技が開始されたことを示すファンファーレ演出(大当り開始演出))が開始されると同時に、大当り遊技が実行されていることを示す楽曲の出力が開始される。大当り遊技中の楽曲としては、特定のアーティストをテーマにした遊技機の場合は当該アーティストの有名な曲、特定のアニメをテーマにした遊技機の場合は当該アニメの主題歌などである。大当り遊技が開始されると、各ラウンドおよびラウンド間のインターバルにおいて楽曲が出力される。最終ラウンド(この実施の形態では16ラウンド)が終了すると、エンディング演出(大当り終了演出)が実行された後、大当り遊技が終了する。大当り遊技が終了するとき、楽曲が最後まで終了していない場合が起こり得る。例えば、大当り遊技におけるラウンドの消化速度(例えば上限個数の遊技球が大入賞口に入賞するまでの時間)によって大当り遊技中の音楽(楽曲)がどこまで流れるかが変わる。そして、ラウンドの消化速度が速い場合には、大当り遊技中の楽曲(音楽)の最後まで流れないことが起こりうる。この場合、遊技者は大当り遊技中の音楽を最後までの聞くことができず、満足感を得ることができず、演出効果を低減させてしまうおそれがある。そこで、この実施の形態では、大当り遊技の終了時に楽曲全体が終了しているか否かを判定し、楽曲全体が終了していない場合は、大当り遊技が終了し、さらに変動が開始された後においても大当り遊技中に出力されていた楽曲を継続して出力する。
また、この実施の形態では、演出図柄の変動の終了時に昇格演出が実行され得る。図58(B)に示すように、常に確変大当りに昇格させる昇格演出Cが実行される場合は、昇格演出Cの実行の開始と同時に大当り遊技中の楽曲を出力する。これにより、大当り遊技が開始される前に大当り遊技中の楽曲の出力が開始されることになる。そして、大当り図柄(例えば「777」)が停止表示されている期間や、大当り遊技が開始される演出(ファンファーレ演出、大当り開始演出)が実行されている期間においても、大当り遊技中の楽曲を継続して出力する。その後、各ラウンドおよびラウンド間のインターバルにおいても楽曲が出力される。最終ラウンド(この実施の形態では16ラウンド)が終了すると、エンディング演出(大当り終了演出)が実行された後、大当り遊技が終了する。大当り遊技が終了するとき、楽曲が最後まで終了していない場合には、上述した場合と同様に、大当り遊技が終了後の変動が開始された後においても大当り遊技中に出力されていた楽曲を継続して出力する。
図59は、リーチ時のイントロ演出の表示例を示す説明図である。図59(1)〜(5)が図9(B)に示す変動パターンPA4−2,PB2−1にもとづく変動中の演出に相当し、図59(1)〜(3),(6)〜(9)が図9(C)に示す変動パターンPA4−3,PB2−2にもとづく変動中の演出に相当し、図59(1)〜(3),(6),(7),(10)〜(15)が図9(D)に示す変動パターンPA4−4,PB2−3にもとづく変動中の演出に相する。
図59(1)に示すように、演出図柄の変動が開始されると演出図柄の高速変動が行われる。演出図柄の高速変動が所定期間行われると、左の演出図柄(左図柄)が停止し、右の演出図柄(右図柄)が停止する。(2)に示す例では、左図柄として「3」が停止表示され、右図柄として「2」が停止表示されている。そして、(2)に示すように、イントロ演出が実行される場合は、女の子のキャラクタ1000が演出表示装置9の画面上に登場し、(3)に示すように、女の子のキャラクタ1000が左図柄および右図柄を弾き飛ばす。このとき、スーパーリーチAまたはBのイントロAまたはBが出力される。これがイントロ1の演出である。
そして、(4)に示すように、再び、左図柄と右図柄が停止する。このとき、左図柄として「4」が停止表示され、右図柄として「4」が停止表示されているので、リーチが成立する。その後、(5)に示すように、リーチ演出(スーパーリーチAまたはBの演出)が実行される。
また、(6)に示すように、再び停止した左図柄と右図柄が「4」と「3」である場合は、(7)に示すように、女の子のキャラクタ1000が再度、左図柄および右図柄を弾き飛ばす。このときも、スーパーリーチAまたはBのイントロAまたはBが出力される。これがイントロ2の演出である。
そして、(8)に示すように、再び、左図柄と右図柄が停止する。このとき、左図柄として「2」が停止表示され、右図柄として「2」が停止表示されているので、リーチが成立する。その後、(9)に示すように、リーチ演出(スーパーリーチAまたはBの演出)が実行される。
また、(10)に示すように、再び停止した左図柄と右図柄が「2」と「1」である場合は、(11)に示すように、女の子のキャラクタ1000が再度、左図柄および右図柄を弾き飛ばす。このときも、スーパーリーチAまたはBのイントロAまたはBが出力される。これがイントロ3の演出である。
そして、(12)に示すように、再び、左図柄と右図柄が停止する。このとき、左図柄として「2」が停止表示され、右図柄として「2」が停止表示されているので、リーチが成立する。その後、(13)〜(14)に示すように、リーチ演出(スーパーリーチAまたはBの演出)が実行される。そして、(15)に示すように、中の演出図柄(中図柄)として「2」が停止されることにより、左中右の演出図柄が大当り図柄「222」で揃い、大当りが開始される。
上述したように、この実施の形態では、図59(3)から(4)の過程で楽曲が途切れる。つまり、イントロ1の演出からリーチ演出に発展する場合は、楽曲が途切れる。一方、図59(3)から(6)の過程、図59(7)から(8)の過程、図59(7)から(10)の過程では、楽曲が途切れずに連続して実行される。これにより、イントロ演出とリーチ演出の一体感を持たせ、遊技者の期待感も途切れてしまうのを防止することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
図60は、突然確変大当りまたは小当り時のイントロ演出の表示例を示す説明図である。図50(21)〜(27)が図8に示す変動パターンPC1−3にもとづく変動中の演出に相当する。
図60(21)に示すように、演出図柄の変動が開始されると演出図柄の高速変動が行われる。演出図柄の高速変動が所定期間行われると、左の演出図柄(左図柄)が停止し、右の演出図柄(右図柄)が停止する。(22)に示す例では、左図柄として「3」が停止表示され、右図柄として「2」が停止表示されている。そして、(22)に示すように、イントロ演出が実行される場合は、女の子のキャラクタ2000が演出表示装置9の画面上に登場し、(23)に示すように、女の子のキャラクタ1000が左図柄および右図柄を弾き飛ばす。このとき、スーパーリーチBのイントロBが出力される。これがイントロ1の演出(イントロ1Bの演出)である。
そして、(24)に示すように、再び、左図柄と右図柄が停止する。このとき、左図柄として24」が停止表示され、右図柄として「2」が停止表示されているので、リーチが成立する。その後、(25)〜(26)に示すように、リーチ演出(図60に示す例ではスーパーリーチBの演出)が実行される。そして、(27)に示すように、中の演出図柄(中図柄)として「2」が停止されることにより、左中右の演出図柄が突然確変大当り図柄または小当り図柄「222」で揃い、突然確変大当りまたは小当りが開始される。なお、図60に示す例では、突然確変大当りまたは小当り時においてイントロ1の演出を実行した後、リーチ演出を実行し、その後に突然確変大当り図柄または小当り図柄として「222」を停止表示するようにしているが、突然確変大当り図柄または小当り図柄として「135」のようなチャンス目を停止表示させるのが好ましい。
この実施の形態では、図60(23)から(24)の過程で楽曲が途切れることがない。つまり、イントロ1の演出からリーチ演出に発展する場合は、楽曲が途切れない。これにより、イントロ演出が途中段階で終了した場合でも、突然確変大当りに対する期待感を持たせることができる。その結果、期待感が途切れることがないので遊技の興趣を向上させることができる。なお、突然確変大当りまたは小当り時にイントロ演出を実行する場合、スーパーリーチAまたはBに発展するように構成していたが、このような構成に限られず、スーパーリーチAまたはB以外のリーチ演出であってもよい。
図61は、大当り前(昇格演出中)および大当り中の演出の表示例を示す説明図である。図61(33)〜(34)は昇格演出Aに相当し、図61(43)〜(44)は昇格演出Cに相当する。
図61(31)に示すように、左中右の演出図柄が停止した状態から大当りの変動が開始され、(32)に示すように、停止図柄(大当り図柄)として非確変図柄「666」が仮停止表示される。そして、昇格演出Aが実行される場合は、(33)に示すように、左中右の演出図柄(全図柄)の再変動が開始され、(34)に示すように、あらためて大当り図柄(例えば確変図柄「777」)が停止表示(導出表示)される。これにより、大当り遊技が開始され、大当り遊技の開始と同時に大当り遊技中の楽曲(A−1)の出力が開始される。そして、女の子のキャラクタ3000が登場するラウンド中の演出が進行し(35)〜(36)参照)、最終ラウンド(16ラウンド)が終了すると、(37)に示すように、エンディング演出(「またね!」を表示する演出)が実行される。
一方、図61(32)に示すように、停止図柄(大当り図柄)として非確変図柄「666」が仮停止表示された後、昇格演出Cが実行される場合は、(43)に示すように、女の子のキャラクタ3000が登場して昇格演出Cが開始され、左中右の演出図柄(全図柄)の再変動が開始されると同時に、大当り遊技中の楽曲(A−1)の出力が開始される。なお、昇格演出Cは確変確定の演出である。(44)に示すように、あらためて大当り図柄(例えば確変図柄「777」)が停止表示(導出表示)される。(43),(44)に示すように、昇格演出Cはラウンド中の演出と同内容の演出である。その後、大当り遊技が開始されると、ラウンド中の演出が進行し(45)〜(46)参照)、最終ラウンド(16ラウンド)が終了すると、(47)に示すように、エンディング演出(「またね!」を表示する演出)が実行される。なお、昇格演出Cは確変確定の演出であるので、昇格演出Cを実行する前の大当り図柄の仮停止図柄として確変図柄を停止表示するようにしてもよい。
図62は、大当り中および大当り後の演出の表示例を示す説明図である。図62(51)に示すように、左中右の演出図柄が停止した状態から大当りの変動が開始され、(52)に示すように、停止図柄(大当り図柄)として「777」が停止表示(導出表示)される。これにより、大当り遊技が開始され、大当り遊技の開始と同時に大当り遊技中の楽曲(B−1)の出力が開始される。そして、女の子のキャラクタ4000が登場するラウンド中の演出が進行し(53)〜(54)参照)、最終ラウンド(16ラウンド)が終了して大当り遊技が終了した時点で、楽曲(B−1)の全体が既に終了しているか否か判定する。図62に示す例では、未だ楽曲の全体が終了していないので、(55)に示すように、大当り終了演出(「またね!」を表示する演出)が実行する。そして、大当り終了演出が終了すると演出図柄の変動を開始させる。
このように、大当り遊技の終了時、楽曲(B−1)が既に終了しているか否かを判定し(図57のステップS984参照)、楽曲(B−1)の全体がまだ終了していない場合は、(55)に示すように、大当り終了演出の実行中の楽曲(B−1)を継続して出力するとともに、演出図柄の変動を開始させた後も楽曲(B−1)を継続して出力する。
楽曲(B−1)が終了すると、(57)〜(60)に示すように、変動中の効果音(B−2)を出力しつつ演出図柄の変動を実行する。具体的には、ステップS840Aで楽曲が終了したと判定されて楽曲継続フラグがリセットされ(ステップS840B)、その結果、楽曲の継続出力が停止される(ステップS800A,S800B)。なお、変動の途中で楽曲の継続出力が終了した場合、変動の残り時間において、[1]特定の演出(例えばキャラクタが空中を飛んでいるような場つなぎの演出表示や音声出力等を行う演出)を実行する構成、[2]大当りが終了してから変動が開始される際に変動時の効果音(変動音)についても大当り中の楽曲を出力するチャンネルとは別のチャンネルで出力しておき、大当り中の楽曲が終了した時点でチャンネルを切り替えて変動中の効果音を出力(復帰)させる構成、[3]変動が終了するまで演出はそのままにしておく構成、などが考えられる。
以上に説明したように、この実施の形態では、リーチ演出と対応関係を有するイントロ演出を実行可能であり、イントロ演出は、複数段階に区切られ、イントロ演出のいずれの段階からもリーチ演出に移行可能であり、演出制御用CPU101は、イントロ演出が複数段階のうちの所定の段階(例えば2段階のイントロ2)まで移行するときは、イントロ演出と該予告演出と対応関係を有するリーチ演出(スーパーリーチAまたはBの演出)を区切ることなく一連の演出として実行するように構成されている。このような構成によれば、演出の一体感を持たせることによって演出効果を高め、遊技の興趣を向上させることができる。
図63は、大当り中および大当り後の演出の他の例を示す説明図である。図63(61)〜(62)に示すように、大当り中楽曲が再生されていない状態においては、演出図柄変動開始〜演出図柄変動停止までの間に原則として通常時楽曲が再生される。その後、(63)に示すように、停止図柄(大当り図柄)として「222」が停止表示(導出表示)されると、これにより大当り遊技が開始され、大当り遊技の開始と同時に大当り中楽曲である楽曲Cの出力が開始される。
この楽曲Cは全4分であり、ラウンドの開始に伴い楽曲の最初から再生される。そして、女の子のキャラクタが登場するラウンド中の演出が進行し((64)(65)参照)、最終ラウンド(16ラウンド)が終了して大当り遊技が終了したときには、(66)に示すように、大当り終了演出(「またね!」を表示する演出)が実行される。この大当り遊技の終了に伴い、楽曲Cの全体が終了しているか否か判定する(図57のステップS975A)。図63に示す例では、未だ楽曲の全体が終了していないので(ステップS975AでNO)、楽曲Cを継続して出力する(ステップS975D実行,図34のステップS800AでYES,ステップS800B実行)。なお、楽曲全体が終了している場合には(図57のステップS975AでYES,図34のステップS800AでNO)、大当り中楽曲のボリュームがオフになり、通常時楽曲のボリュームがオンになる(図36のステップS8008AでNO,ステップS8009実行)。
この(66)に示す大当り終了演出において、演出表示装置9には、「引き続きBGM XXXXX(楽曲Cの曲名)」と表示され、大当りのラウンドは終了したが、大当り中楽曲は継続して出力する旨を報知する。そして、(66)の大当り終了演出が終了すると演出図柄の変動を開始させる。
このように、大当り遊技の終了時、楽曲Cの全体がまだ終了していない場合は、(66)に示すように、大当り終了演出の実行中の楽曲Cを継続して出力するとともに、演出図柄の変動を開始させた後も楽曲Cを継続して出力する。即ち大当り中楽曲の優先度を通常時楽曲よりも高くしており、大当り遊技中に出力される楽曲が途中で途切れてしまうことを防止することにより演出効果を向上させ、遊技の興趣を向上させることができる。
大当り遊技の終了後は、演出図柄の変動が再開され((67)〜(69))、各変動に際してリーチ演出を行うか否かの判定がされる(図51のステップS855A)。この判定でリーチ演出を行わないと判定されると(NO)、大当り中楽曲のボリュームはONのまま、楽曲Cが継続して再生される(図53のステップS860でYES,ステップS861でNO,ステップS863実行)。一方、図64(71)〜(73)に示すようなリーチ演出が行われる場合には(図51のステップS855AでYES)、当該リーチ演出の開始に伴い大当り中楽曲のボリュームがオフとなり、予告音のボリュームがONとなる(ステップS855BでYES,ステップS855C)。この例の大当り中楽曲(全4分)は、リーチ演出前のリーチを予告する音声予告(「チャンス」)の出力時点で再生開始から3分しか経過しておらず未だ全体が終了していない。本例では、予告音のボリュームがオンの期間は、大当り中楽曲の再生自体はボリュームオフの状態で3分以降も進行させている。
本例においては、図63(70)に示すように演出表示装置9に女の子のキャラクタが表示され、予告音として「チャンス」という音声が出力される。次いで図64(71)に示すように左右の演出図柄が「7」で停止し、リーチ中楽曲である楽曲Dの再生がスタートし、中の演出図柄の変動中は楽曲Dが継続して再生される。この音声予告からリーチ演出期間中、大当り中楽曲のボリュームはオフ状態のままであり、(72)に示すように演出表示画面9には大当りの期待感を持たせるべく左中右の演出図柄と共に女の子のキャラクタが表示される。そして(73)に示すように、中の演出図柄が停止すると、楽曲Dの再生が終了する。本例では中の演出図柄が「8」であり、大当りとならなかったことを示すメッセージ(「残念」)が表示されてリーチ演出が終了する。
このリーチ演出の終了に伴い、大当り中楽曲(楽曲C)の全体が終了しているか否かを判定する(図53のステップS861)。図63に示す例では、楽曲Cの再生開始から3分45秒が経過しているが、未だ楽曲の全体が終了していないので、通常時楽曲のボリュームをオフとし、大当り中楽曲(楽曲C)のボリュームをオンとする(ステップS861でNO,ステップS863実行)。また、リーチ演出の終了に伴い、(74)(75)に示すように演出図柄の変動を再開させる。リーチ演出を伴わない演出図柄の変動においては、大当り中楽曲(楽曲C)が通常時楽曲よりも優先して再生されるため、遊技者は楽曲Cの終了(4:00)まで聞くことができる。本例では、(76)に示す演出図柄の停止時に楽曲C全体が終了するので、このとき大当り中楽曲(楽曲C)のボリュームがオフとなり、通常時楽曲のボリュームがオンとなる(S861でYES,S862実行)。そして(77)以降に示す演出図柄の変動に伴い、通常時楽曲が再生されるようになる。
このように、大当り遊技終了後にも大当り中楽曲が終了するまで継続して出力されるが、リーチ演出等の大当りが発生する期待感を抱かせるような特定の演出に関しては、大当り楽曲継続中であっても予告音を優先させる音量制御を行うことで演出効果を高められる。また、リーチ演出終了後には大当り中楽曲のボリュームが再度オンになるので、遊技者は大当り中楽曲を最後まで聞くことができる。大当り中楽曲の長さが大当り遊技の開始から終了までの時間より長い場合であっても、大当り中楽曲全体を最後まで再生することが可能である。本例のように4分以上の長い楽曲を大当り楽曲として採用することも可能であり、遊技機の設計時において大当り中楽曲の選択幅が広がる。また、近年では、大当り遊技状態の開始に伴い、遊技者の操作によって大当り中楽曲を選択可能な遊技機が存在するが、このような遊技機において遊技者が選択できる楽曲の選択肢を増やすこともできる。さらに、大当り遊技状態の終了に伴い、大当り楽曲を強制的に終了させる処理等を行う必要がないため、時間制御を簡素化することができる。
楽曲Cが終了すると、(77)〜(80)に示すように、演出図柄の変動に伴い通常時楽曲の再生を開始する。具体的には、ステップS840Aで楽曲が終了したと判定されて楽曲継続フラグがリセットされ(ステップS840B)、その結果、大当り中楽曲の継続出力が停止されて通常時楽曲が出力されるようになる(ステップS844AでN,S845を実行)。即ち、本例では演出図柄変動中に大当り中楽曲が終了したときには、その直後から通常時楽曲が出力されるようになっている。ここで、本例はリーチ演出の結果、大当り図柄が導出されなかった例を示しているが、仮にリーチ演出の結果、大当り図柄が導出されたとき、即ち、大当り中楽曲が終了する前に大当りとなったときには、プレミア演出としてQRコードを演出表示装置9の画面に表示する演出を実行する(ステップS878B)。遊技者は、演出表示装置9の画面上に表示されるQRコードを携帯電話のカメラ機能で撮影して特定のサイトにアクセスすることが可能となる。なお、QRコードを表示する以外に、大当り中の演出で登場するキャラクタ画像をプレミア画像にする等、通常の大当り遊技では実行されないような演出をプレミア演出として実行するものであってもよい。
[変形例]
最後に本発明の変形例に関して例示する。
上記の実施の形態では、イントロ演出は3段階に区切られている(イントロ1〜3)。そして、2段階のイントロ演出(イントロ2)まで発展すると、イントロ演出とリーチ演出とが一連の演出として実行されるように構成されていた。しかし、このような構成に限られず、最終段階(3段階)のイントロ演出(イントロ3)まで発展すると、イントロ演出とリーチ演出とが一連の演出として実行されるように構成されていてもよい。この場合、はずれの場合よりも大当りの場合に高い割合で最終段階のイントロ演出まで発展する変動パターンが選択される。すなわち、図15(A)のCA3−1において、最終段階までのイントロ演出を伴うはずれの変動パターンPA4−4に対する判定値の割り当ては951〜957であるのに対し、図15(B)のCB2−1において、最終段階までのイントロ演出を伴う大当りの変動パターンPB2−3,2−4に対する判定値の割り当ては401〜997である。このような構成によれば、イントロ演出が最終段階まで移行するか否かに注目させることができるとともに、遊技者の期待感を途切れさせることがなく、遊技の興趣を向上させることができる。
また、上記の実施の形態では、2ラウンドの突然確変大当りまたは小当りが生じる場合は、予告演出が所定の段階まで移行しないときにも、イントロ演出とリーチ演出を区切ることなく一連の演出として実行するように構成されているので、最終段階に移行するまでの途中段階でイントロ演出が終了した場合でも、遊技者の期待感を途切れさせることがなく、遊技の興趣を向上させることができる。
また、上記の実施の形態では、一連のイントロ演出とリーチ演出をムービー画像演出として実行するように構成されているので、処理負担を増加させることなく演出効果を高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、上記の実施の形態では、イントロ演出のほかに、複数系統のステップアップ予告演出を同時に実行可能であり、複数系統のステップアップ予告演出のうちの第2ステップアップ予告演出を実行するタイミングでイントロ演出の実行を開始し、はずれとすると決定された場合よりも大当りとすると決定された場合に、第1ステップアップ予告演出よりも第2ステップアップ予告演出を高い割合で実行するように構成されている。そのような構成によれば、複数系統の演出が同時進行で実行されるため、遊技者の期待感を途切れさせることがなく、遊技の興趣を向上させることができる。
また、上記の実施の形態では、イントロ演出として複数種類のイントロ演出(イントロA、イントロB)が設けられ、イントロ演出の種類に応じて異なる割合で最終段階まで移行する予告演出を選択するように構成されている(図42参照)。そのような構成によれば、いずれの種類のイントロ演出が実行されるかについて注目させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、上記の実施の形態では、大当り遊技状態に制御されているときに遊技機に設けられているスピーカ27を用いて特定の楽曲(大当り遊技中の楽曲)を出力する遊技機であって、大当り遊技状態が終了するときに特定の楽曲が終了していない場合に、大当り遊技状態が終了した後も特定の楽曲を継続して出力するように構成されているので、大当り遊技状態の制御中の楽曲が途中で途切れてしまうことを防止することにより演出効果を向上させ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、上記の実施の形態では、大当り遊技状態に制御されているときに遊技球が入賞可能な状態に変化可能な大入賞口を開放させる回数を複数種類のうちから決定可能な構成(図12参照)であって、大入賞口を開放させる回数にかかわらず、同一の楽曲を大当り遊技状態中に出力するように構成されているので、大入賞口を遊技球が入賞可能な状態に開放(変化)させる回数にかかわらず、楽曲を最後まで出力することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、上記の実施の形態では、大当り遊技状態に制御されているときに遊技球が入賞可能な状態に変化可能な大入賞口を開放させる回数を複数種類のうちから決定するように構成していたが(図12参照)、このような構成に限られず、大当りのラウンド数を複数種類のうちから決定可能に構成してもよい(例えば16ラウンドのほかに、7ラウンドなどを設ける)。このような構成によっても、大入賞口を遊技球が入賞可能な状態に開放(変化)させる時間にかかわらず、楽曲を最後まで出力することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、上記の実施の形態では、特定の楽曲(大当り遊技中の楽曲)を出力しているときに大当りとすると決定された場合、特定の演出(プレミア演出)を実行するように構成しているので、特定の演出によって高揚感を高め、遊技の興趣を向上させることができる。
また、上記の実施の形態では、大当り開始前の昇格演出Cの実行を開始すると同時に特定の楽曲(大当り中の楽曲)を出力するとともに、昇格演出Cをラウンド中の演出と同内容の演出としているので、昇格演出において特別表示結果が導出表示されたことよる高まった興奮を途切れさせることがないため、より一層、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、リーチとなるときに「リーチ」という音声を出力する場合、イントロ演出に基づいて出力された楽曲の音量を下げるようにしてもよい。
また、イントロ演出の最終段階まで発展(移行)すれば、常に大当り確定としてもよい。この場合、リーチ中に演出自体は実行するが、大当りとなるかはずれとなるかの煽り演出を実行しない(省略する)ようにしてもよい。
なお、上記の実施の形態において、大当り遊技中の楽曲を最後まで出力できないような長さの楽曲とせず(遊技者が最後まで聞けないような長さの楽曲とはせず)、短い長さの楽曲(楽曲の一部(サビの部分)や1番だけ等)をループさせることにより、大当り遊技の時間内で楽曲を終了させるようにすることができる。しかし、楽曲の全体を通して初めて1つの作品となるものであり、楽曲の一部分のみではその作品の良さが伝わらない場合もある。この場合、演出効果が著しく低下してしまうおそれがある。また、楽曲のファンであれば、楽曲全体を聞きたいと希望する。特に、演奏時間の長い楽曲の場合、本願の効果が顕著となる。
なお、上記の実施の形態において、楽曲の最後まで出力したか否かを判断する際に、(1)演出制御用CPU101が1曲を最後まで出力する指示を音合成用ICに出力し、音合成用ICが音声出力する処理を実行しているときに活性化された信号(音声の再生中であることを示す再生中信号)を演出制御用CPU101にフィードバックさせ、当該信号に基づいて演出制御用CPU101が判断する、または(2)楽曲を最後まで出力したか否かの判断をハードウェア回路で行うもので、演出制御用CPU101が1曲を最後まで出力する指示を論理回路(AND回路)に出力し、音合成用ICが音声出力する処理を実行しているときに活性化された信号(再生中信号)を論理回路(AND回路)に出力し、論理回路(AND回路)は演出制御用CPU101からの指示の信号のみ入力しているときに音合成用ICに指示の信号を出力することによって、演出制御用CPU101から新たな音声出力の指示(例えば変動開始時の効果音の音声出力の指示)が出力された場合でも音合成用ICには演出制御用CPU101からの指示が入力されないようにする、などの方法が考えられる。上記(1)、(2)のいずれの場合も、再生中信号が出力されなくなれば、演出制御用CPU101からの新たな指示の信号が音合成用ICに入力されることとなる。
なお、上記の実施の形態において、大当り遊技中に楽曲が終了しないことを想定した場合、大当り遊技中に出力する楽曲として演奏時間が長い楽曲を出力することが前提となるが、演奏時間の長い楽曲や短い楽曲を複数用意しておき、複数の楽曲のうちの演奏時間の長い一部の楽曲のときだけ、大当り遊技の終了時に楽曲の全体が終了していない場合に、大当り終了後も継続して出力するようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、大当り遊技中に楽曲の全体が終了しなかった場合を想定していたが、大当り遊技中に楽曲と同時進行で表示される演出表示も大当り遊技中に終了しなかった場合に、大当り遊技の終了後も継続して演出表示を実行するようにしてもよい。この場合、ステップS800Bで楽曲の継続出力だけでなく、表示制御実行データにもとづく演出表示も同様に実行する。そして、演出図柄の変動に関する表示(変動表示)に関しては、演出表示の画像に合成することで実現することが可能である。さらに、演出表示を大当り遊技の終了後も継続して実行する場合には、演出表示の邪魔にならないように演出図柄の変動に関する表示を演出表示装置9の画面の隅で実行するのが好ましい。
上記の実施形態では、リーチ演出がなされているときに大当り中楽曲のボリュームをオフとし、予告音のボリュームをオンとする例について説明したが、これに限らず、大当り中楽曲のボリュームを完全にオフ(0)とせずに低下させ、予告音のボリュームよりも低く抑えた状態で継続して再生させるようにして、予告音の再生終了後に、ボリュームを回復させるようにしても良い。例えば、リーチ演出前の大当り中楽曲のボリュームを10とすると、リーチ演出中は大当り中楽曲のボリュームを3,予告音のボリュームを10とし、リーチ演出終了後に大当り中楽曲のボリュームを10に戻すようにしても良い。
上記の実施形態では、遊技機がパチンコ機である例について説明したが、これに限らず遊技機はスロット機であっても良い。即ち、遊技媒体(例えばコイン)を投入して所定の賭け数を設定し、操作レバーを操作することにより複数種類の図柄を回転させ、ストップボタンを操作して図柄を停止させたときに停止図柄の組み合わせが所定の図柄の組み合わせになると、所定数の遊技媒体が遊技者に払い出されるものである。また、取り込まれた遊技媒体数に応じて所定の賭け数を設定し、操作レバーを操作することにより複数種類の図柄を回転させ、ストップボタンを操作して図柄を停止させたときに停止図柄の組み合わせが所定の図柄の組み合わせになると、所定数の遊技媒体が遊技者に払い出されるものである。
スロット機における可変表示部には、それぞれ独立に回転する3個の回転ドラムが左右並列に設けられ、その回転ドラムの外周面には、各々を識別可能な複数種類の識別情報として所定数(例えば7種合計21個)の図柄が描かれている。回転ドラムの回転に伴って前面(遊技者側)に表示される図柄が変動し、回転ドラムの停止時には描かれている図柄のうち3個づつ(上中下)が前面(遊技者側)に表示されるようになっている。横並び及び斜め並びの5本の入賞ラインのいずれかについて、停止図柄(3個)の組み合わせを所定の図柄の組み合わせとすることができたときには所定数の遊技媒体が遊技者に払い出される。
スロット機において、停止図柄の組み合わせを特定の図柄の組み合わせとすることができたときには(例えば777)、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御され(所謂ビッグボーナス又はレギュラーボーナスであり、所定期間はストップボタンを操作して図柄を停止させたときに停止図柄の組み合わせが所定の図柄の組み合わせになる確率が高まる)、大当り中楽曲が再生されるが、特定遊技状態終了時までに大当り中楽曲が最後まで再生されなかったときには、特定遊技状態終了後も継続して大当り中楽曲を再生するようにしておくと良い。そして、特定遊技状態終了後、大当り中楽曲が継続して再生されている期間に、「ストップボタンの操作によって停止図柄の組み合わせを特定の図柄の組み合わせとすることができる」ことを報知する演出(予告演出)が行われたときには、大当り中楽曲のボリュームをオフとし、予告演出に伴う予告音を出力することで、演出効果を高めることができる。さらに、予告演出終了後、大当り中楽曲のボリュームを再度オンとすると良い。
なおスロット機において、特定遊技状態は、ビッグボーナスやレギュラーボーナスには限られず、リプレイ図柄が揃いやすくなる所謂リプレイタイムや、子役図柄が揃いやすくなる所謂アシストタイムであっても良く、これらの場合にも、特定の楽曲が再生されるが、特定遊技状態終了時までに該特定の楽曲が最後まで再生されなかったときには、特定遊技状態終了後も継続して特定の楽曲を再生するようにしておくと良い。そして、特定遊技状態終了後、特定の楽曲が継続して再生されている期間に、「ストップボタンの操作によって停止図柄の組み合わせを特定の図柄の組み合わせとすることができる」ことを報知する演出(予告演出)が行われたときには、特定の楽曲のボリュームをオフとし、予告演出に伴う予告音を出力することで、演出効果を高めることができる。さらに、予告演出終了後、特定の楽曲のボリュームを再度オンとすると良い。
上記の実施形態では、リーチ演出中は、ボリュームをオフとした状態で大当り中楽曲の再生時間を進行させる(楽曲Cを3:00〜3:45まで進行させる)例について説明したが、これに限らず、予告音再生中は、大当り中楽曲の再生時間を進行させないようにしても良い。例えば楽曲Cを3分再生した時点で予告音の発生に伴い、大当り中楽曲の再生を一時停止しておき(3:00で停止)、リーチ演出終了後に、一時停止を解除して再生(3:00から再生)するようにしても良い。
上記の実施形態では、大当り楽曲出力中及び予告音出力中には、通常時楽曲が再生されていない例について説明したが、大当り楽曲出力中又は予告音出力中に、通常時楽曲のボリュームを0とした状態で、通常時楽曲の再生時間を進行させるようにしても良い。
上記の実施形態では、大当り中楽曲全体の再生が終了すると(楽曲Cであれば4分)、通常時楽曲の再生が開始される例について説明したが、これに限らず、大当り中楽曲全体の再生終了後、再度大当り中楽曲を最初から再生するループ再生を行うようにしても良い。図63及び図64に示すように、リーチ演出期間は大当り中楽曲のボリュームがオフになるので、当該期間に関しては遊技者が大当り中楽曲を聞くことができないが、ループ再生を行うことで遊技者は楽曲全体を聞くことができる。
さらにループ再生を行うことを前提とした場合、リーチ演出中に大当り楽曲が終了したときには、その直後(リーチ演出中)に大当り中楽曲の頭から再生が行われてしまうことになる。このとき遊技者は、リーチ演出終了後に、ループ再生された大当り中楽曲の途中から聞くことになってしまい、折角ループされた楽曲の序奏を聞くことができない。これにより違和感が生じて演出効果が低下してしまうという問題がある。リーチ演出中に大当り中楽曲が終了したときには、直ちにループ再生を行わず、リーチ演出終了後に大当り中楽曲の頭から再生を行うようにすることで、演出効果を損なわないようにすることができる。即ち大当り中楽曲終了時に、リーチ演出中であるか否かを判定し、リーチ演出中でなければ直ちにループ再生を行い、リーチ演出中であれば直ちにループ再生を行わずに待機し、リーチ演出が終了したときにループ再生を開始させると良い。
上記の実施形態では、大当り中楽曲が大当り遊技期間より長い例について説明したが、本発明は、大当り中楽曲が大当り遊技期間より短い場合にも用いることができる。大当り遊技期間内に大当り中楽曲が終了したときには、当該大当り中楽曲をループ再生させるようにすると良い。例えば大当り遊技期間が3分であり、大当り中楽曲が2分であるときに当該大当り中楽曲をループ再生させることで、遊技者は2回目の終了まで聞くことができる。このようにすることで大当り中楽曲として短い曲を選択することも可能となり、楽曲選びの幅が広がり、時間設計も容易化する。
上記の実施形態では,リーチ演出が行われるときに大当り中楽曲のボリュームをオフとする例について説明したが、大当り中楽曲のボリュームをオフにするタイミングはリーチ演出期間中に限定されるものではない。例えば、演出表示装置9に表示される背景画面が切り替わる際(所謂ステージチェンジの際)に効果音が出力される遊技機において、当該効果音出力期間に大当り中楽曲のボリュームをオフとしても良い。また、実際にはリーチ状態とならないが、リーチ状態となることを示唆する演出(所謂ガセ予告)期間中に大当り中楽曲のボリュームをオフとするようにしても良い。即ち、大当り中楽曲のボリュームをオフにするタイミングは、所定の演出が行われる期間であれば良く、上記実施形態に限定されない。
上記の実施形態では、リーチ演出が行われるときに大当り中楽曲のボリュームをオフとする例について説明したが、リーチ演出の中でも特に大当りとなる確率が高いことを示唆する演出(例えばスーパーリーチ)を行うときにのみ、大当り中楽曲のボリュームをオフとするようにしても良い。このようにすることで遊技者が大当り中楽曲全体を聞くことができる確率が高まり、且つ、特に大当りとなる確率が高いことを示唆する演出に関しては、特に期待感を持つことができる。
上記の実施形態では、大当り遊技において、大入賞口(特別可変入賞球装置20)が開放状態に制御されるラウンド数は16であり、1ラウンドの許容時間(最大開放時間)は29秒である例について説明したが、例えば同じラウンド数16の場合であっても、前半8ラウンドの最大開放時間を29秒とし、後半8ラウンドの最大開放時間を0.2秒とするように、最大開放時間の異なるラウンドで構成するようにしても良い。この場合には、全てのラウンドの最大開放時間を29秒とする場合と比較して、特定遊技状態の期間が短く、大当り中楽曲が当該機関内に終了しない可能性が高くなるが、本発明を適用することにより、特に特定遊技状態に制御されているときに出力される楽曲が途中で途切れてしまうことを防止することにより演出効果を向上させ、遊技の興趣を向上させることができる。
上記の実施形態では、演出図柄の変動中に大当り中楽曲が終了したときは、その終了直後に、通常時楽曲の再生が開始される例について説明したが(ステップS844AでN,ステップS845を実行)、これに限らず、演出図柄の変動中に大当り中楽曲が終了したときは、当該変動が停止して、次回の演出図柄の変動開始のときに通常時楽曲の再生を開始するようにしても良い。