以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、本発明による遊技システム1000の全体の構成について説明する。図1は、本発明による遊技システム1000の全体の構成例を示すブロック図である。図1に示すように、遊技システム1000は、遊技店に設置される遊技機の一例であるパチンコ遊技機1と、遊技者の遊技履歴を管理する管理サーバ200と、遊技者の所持する携帯端末300とを含む。なお、図1に示すように、遊技システム1000は、複数のパチンコ遊技機1を含んでいてもよい。また、これら複数のパチンコ遊技機1は、同じ遊技店に設置されているものでもよいし、異なる遊技店に設置されているものであってもよい。
管理サーバ200および携帯端末300は、インターネット網400を介して通信可能である。携帯端末300は、パチンコ遊技機1から出力される遊技履歴等を特定可能な2次元コードを読取る機能を有する。
以下、遊技システム1000の構成要素であるパチンコ遊技機1および管理サーバ200の構成および動作、ならびに、携帯端末300の構成および動作について個別に説明を行う。
図2は、本実施の形態における携帯端末300の構成の一例を示すブロック図である。図2を参照して、携帯端末300は、制御部310と、記憶部320と、操作部330と、表示部340と、音声入出力部350と、無線通信部360と、アンテナ361と、赤外線通信部380と、カメラ部390とを含む。
記憶部320は、ROM(Read Only Memory)やフラッシュメモリなどの不揮発性メモリやRAM(Random Access Memory)などの揮発性メモリなどの半導体メモリで構成される。記憶部320は、携帯端末300の各種機能を制御部310に実行させるためのアプリケーションプログラムなどのプログラムやデータを記憶する。
操作部330は、電話番号や各種データなどの数字やアルファベットやその他の文字などを入力するためのダイヤルキーや十字操作キーやその他のファンクションキーで構成される。操作部330は、ユーザからデータの入力を受付けて、入力されたデータを制御部310に受渡す。
表示部340は、液晶表示装置(Liquid Crystal Display、以下「LCD」という)で構成される。なお、表示部340は、EL(Electro Luminescence)ディスプレイなど他の表示装置で構成されてもよい。表示部340は、制御部310から受けた文字データおよび画像データを表示する。
音声入出力部350は、マイクおよびスピーカで構成される。音声入出力部350は、外部からマイクに入力された音声を電気信号に変えて、制御部310に受渡し、制御部310からの電気信号を音声に変換して、スピーカで外部に出力する。
無線通信部360は、他の携帯端末またはサーバからアンテナ361で受信した信号を制御部310に受渡し、制御部310から他の携帯端末またはサーバへ送信する信号をアンテナ361から出力させる。
赤外線通信部380は、他の装置から赤外線で受信した信号を制御部310に受渡し、他の装置へ送信する信号を制御部310から受取り、赤外線で送信する。
カメラ部390は、撮影対象を撮像して、撮像された画像を画像データに変換して、変換された画像データを制御部310に出力する。本実施の形態においては、2次元コードを撮像する。
制御部310は、マイクロプロセッサ(Micro Processing Unit、以下「MPU」という)で構成される。制御部310は、記憶部320に記憶されたアプリケーションプログラムなどのプログラムに従って、記憶部320、操作部330、音声入出力部350、無線通信部360、赤外線通信部380、または、カメラ部390から入力されたデータを処理して、記憶部320、表示部340、音声入出力部350、無線通信部360、または、赤外線通信部380に出力する。
なお、本実施の形態においては、携帯端末300は、音声入出力部350を含んでも含まなくてもよい。
図3は、本実施の形態における管理サーバ200の構成の一例を示すブロック図である。図3を参照して、管理サーバ200は、制御部210と、記憶部220と、操作部230と、表示部240と、通信部260とを含む。
記憶部220は、ROMやフラッシュメモリなどの不揮発性メモリやRAMなどの揮発性メモリなどの半導体メモリ、および、ハードディスクなどの外部記憶装置で構成される。記憶部220には、管理サーバ200の各種機能を制御部210に実行させるためのプログラムやデータが記憶される。
操作部230は、キーボードおよびマウスなどの入力装置で構成される。操作部230は、管理サーバ200の管理者などのユーザからデータの入力を受付けて、入力されたデータを制御部210に受渡す。
表示部240は、LCDで構成される。なお、表示部240は、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイやEL(Electro Luminescence)ディスプレイなど他の表示装置で構成されてもよい。表示部240は、制御部210から受けた文字データおよび画像データを表示する。
通信部260は、携帯端末300または他のサーバから、インターネット網400を介して受信したデータを制御部210に受渡し、制御部210からインターネット網400を介して携帯端末300または他のサーバに送信するデータを出力する。
制御部210は、MPUで構成される。制御部210は、記憶部220に記憶されたプログラムに従って、記憶部220、操作部230、または、通信部260から入力されたデータを処理して、記憶部220、表示部240、または、通信部260に出力する。
次に、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図4はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
余剰球受皿(下皿)4を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒操作が可能なスティックコントローラ122が取り付けられている。なお、スティックコントローラ122には、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作が可能なトリガボタン121(図6を参照)が設けられ、スティックコントローラ122の操作桿の内部には、トリガボタン121に対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサ125(図6を参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ122の下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット123(図6を参照)が設けられている。また、スティックコントローラ122には、スティックコントローラ122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ126(図6を参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ122の上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なチャンスボタン120が設けられている。チャンスボタン120は、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。チャンスボタン120の設置位置における上皿の本体内部などには、チャンスボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ124(図6を参照)が設けられていればよい。図4に示す構成例では、チャンスボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、チャンスボタン120及びスティックコントローラ122の取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、チャンスボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が上下の位置関係にはなく、例えば左右の位置関係にあるものとしてもよい。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。よって、演出表示装置9は、演出図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を可変表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(例えば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(例えば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出をリーチ演出という。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出を含む可変表示をリーチ可変表示という。そして、演出表示装置9に変動表示される図柄の表示結果が大当り図柄でない場合には「はずれ」となり、変動表示状態は終了する。遊技者は、大当りをいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行う。
なお、この実施の形態では、演出表示装置9における液晶表示の演出として演出図柄の変動表示を行う場合を示しているが、演出表示装置9で行われる演出は、この実施の形態で示したものにかぎらず、例えば、所定のストーリー性をもつ演出を実行して、大当り判定や変動パターンの決定結果にもとづいてストーリーの結果を表示するような演出を実行するようにしてもよい。例えば、プロレスやサッカーの試合や敵味方のキャラクタが戦うバトル演出を行うとともに、大当りであれば試合やバトルに勝利する演出を行い、はずれであれば試合やバトルに敗北する演出を行うようにしてもよい。また、例えば、勝敗などの結果を表示するのではなく、物語などの所定のストーリーを順に展開させていくような演出を実行するようにしてもよい。
演出表示装置9の表示画面の右上方部には、演出図柄と後述する特別図柄および普通図柄とに次ぐ第4図柄を表示する第4図柄表示領域9c,9dが設けられている。この実施の形態では、後述する第1特別図柄の変動表示に同期して第1特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cと、第2特別図柄の変動表示に同期して第2特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dとが設けられている。
この実施の形態では、特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示が実行されるのであるが(ただし、正確には、演出図柄の変動表示は、演出制御用マイクロコンピュータ100側で変動パターンコマンドにもとづいて認識した変動時間を計測することによって行われる。)、演出表示装置9を用いた演出を行う場合、例えば、演出図柄の変動表示を含む演出内容が画面上から一瞬消えるような演出が行われたり、可動物が画面上の全部または一部を遮蔽するような演出が行われるなど、演出態様が多様化してきている。そのため、演出表示装置9上の表示画面を見ていても、現在変動表示中の状態であるのか否か認識しにくい場合も生じている。そこで、この実施の形態では、演出表示装置9の表示画面の一部でさらに第4図柄の変動表示を行うことによって、第4図柄の状態を確認することにより現在変動表示中の状態であるのか否かを確実に認識可能としている。なお、第4図柄は、常に一定の動作で変動表示され、画面上から消えたり遮蔽物で遮蔽することはないため、常に視認することができる。
なお、第1特別図柄用の第4図柄と第2特別図柄用の第4図柄とを、第4図柄と総称することがあり、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cと第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dを、第4図柄表示領域と総称することがある。
第4図柄の変動(可変表示)は、第4図柄表示領域9c,9dを所定の表示色(例えば、青色)で一定の時間間隔で点灯と消灯とを繰り返す状態を継続することによって実現される。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおける第1特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおける第2特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。
また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいて大当りを想起させる表示色(はずれとは異なる表示色。例えば、はずれのときには青色で表示されるのに対して、大当りのときには赤色で表示される。なお、大当りの種類(確変大当りや通常大当りのいずれであるか)に応じて表示色を異ならせてもよい。また、大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当り(例えば、突然確変大当り以外の大当り)であるか否かに応じて表示色を異ならせてもよく、ラウンド数の異なる複数種類の大当りに制御可能である場合には、大当り遊技において継続されるラウンド数に応じて表示色を異ならせてもよい。また、各大当りのラウンド数が同じであっても、例えば、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が短く(例えば1秒)、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できない大当りと、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が長く(例えば30秒)、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当りとがある場合には、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できるか否かに応じて表示色を異ならせてもよい。また、例えば、1ラウンドあたりの大入賞口の開放回数が異なることによって、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当りと期待できない大当りがある場合にも、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できるか否かに応じて表示色を異ならせてもよい。
また、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおいて大当りを想起させる表示色(はずれとは異なる表示色。例えば、はずれのときには青色で表示されるのに対して、大当りのときには赤色で表示される。なお、大当りの種類(確変大当りや通常大当りのいずれであるか)に応じて表示色を異ならせてもよい。また、大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当り(例えば、突然確変大当り以外の大当り)であるか否かに応じて表示色を異ならせてもよく、ラウンド数の異なる複数種類の大当りに制御可能である場合には、大当り遊技において継続されるラウンド数に応じて表示色を異ならせてもよい。また、各大当りのラウンド数が同じであっても、例えば、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が短く(例えば1秒)、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できない大当りと、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が長く(例えば30秒)、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当りとがある場合には、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できるか否かに応じて表示色を異ならせてもよい。また、例えば、1ラウンドあたりの大入賞口の開放回数が異なることによって、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当りと期待できない大当りがある場合にも、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できるか否かに応じて表示色を異ならせてもよい。
なお、第4図柄表示領域9c,9dの消灯時の表示色は、消灯したときに背景画像と同化して見えなくなることを防止するために、背景画像とは異なる表示色(例えば、黒色)であることが望ましい。
なお、この実施の形態では、第4図柄表示領域を演出表示装置9の表示画面の一部に設ける場合を示しているが、演出表示装置9とは別に、ランプやLEDなどの発光体を用いて第4図柄表示領域を実現するようにしてもよい。この場合、例えば、第4図柄の変動(可変表示)を、2つのLEDが交互に点灯する状態を継続することによって実現されるようにしてもよく、2つのLEDのうちのいずれのLEDが停止表示されたかによって大当り図柄が停止表示されたか否かを表すようにしてもよい。
また、この実施の形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とにそれぞれ対応させて別々の第4図柄表示領域9c,9dを備える場合を示しているが、第1特別図柄と第2特別図柄とに対して共通の第4図柄表示領域を演出表示装置9の表示画面の一部に設けるようにしてもよい。また、第1特別図柄と第2特別図柄とに対して共通の第4図柄表示領域をランプやLEDなどの発光体を用いて実現するようにしてもよい。この場合、第1特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときと、第2特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときとで、例えば、一定の時間間隔で異なる表示色の表示を点灯および消灯を繰り返すような表示を行うことによって、第4図柄の変動表示を区別して実行するようにしてもよい。また、第1特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときと、第2特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときとで、例えば、異なる時間間隔で点灯および消灯を繰り返すような表示を行うことによって、第4図柄の変動表示を区別して実行するようにしてもよい。また、例えば、第1特別図柄の変動表示に対応して停止図柄を導出表示するときと、第2特別図柄の変動表示に対応して停止図柄を導出表示するときとで、同じ大当り図柄であっても異なる態様の停止図柄を停止表示するようにしてもよい。
演出表示装置9の右方には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示部)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、演出表示装置9の右方(第1特別図柄表示器8aの右隣)には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示部)8bも設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。また、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(可変表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲートなどのあらかじめ入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。従って、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、図4に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器18bのさらに上方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面の下部には、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部18cと、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部18dとが設けられている。なお、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(合算保留記憶表示部)が設けられるようにしてもよい。そのように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられているようにすれば、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
また、図4に示すように、可変入賞球装置15の下方には、大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。また、特別可変入賞球装置20には、後述する点灯演出中に遊技球が入賞したときに点灯表示される大入賞口LED20Aが設けられている。
演出表示装置9の左方には、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。なお、普通図柄表示器10は、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。また、普通図柄表示器10は、7セグメントLEDなどにかぎらず、例えば、所定の記号表示を点灯表示可能な表示器(例えば、「○」や「×」を交互に点灯表示可能な装飾ランプ)で構成されていてもよい。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。例えば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(通常状態と比較して、特別図柄の変動表示結果として大当りと判定される確率が高められた状態)では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。また、確変状態ではないが図柄の変動時間が短縮されている時短状態(特別図柄の可変表示時間が短縮される遊技状態)でも、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
この実施の形態では、確変大当りとなった場合には、遊技状態を高確率状態に移行するとともに、遊技球が始動入賞しやすくなる(すなわち、特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行する。また、遊技状態が時短状態に移行されたときも、高ベース状態に移行する。高ベース状態である場合には、例えば、高ベース状態でない場合と比較して、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高められたり、可変入賞球装置15が開状態となる時間が延長されたりして、始動入賞しやすくなる。
なお、可変入賞球装置15が開状態となる時間を延長する(開放延長状態ともいう)のでなく、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となると、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。この場合、普通図柄確変状態に移行制御することによって、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高まる。従って、普通図柄確変状態に移行すれば、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。すなわち、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(始動入賞しやすい状態)に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
また、普通図柄表示器10における普通図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなる。従って、普通図柄が当たりとなる頻度が高くなることによって、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。
また、特別図柄や演出図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、特別図柄や演出図柄の変動が開始される頻度が高くなり(換言すれば、保留記憶の消化が速くなる。)、無効な始動入賞が生じてしまう事態を低減することができる。従って、有効な始動入賞が発生しやすくなり、結果として、大当り遊技が行われる可能性が高まる。
さらに、上記に示した全ての状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか1つの状態にのみ移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。
図5は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図5は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや、確変フラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号を、ターミナル基板160を介して、ホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9の表示制御を行う。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28、および大入賞口に設けられている大入賞口LED20Aの表示制御を行うとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行う。
図6は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図6に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
また、演出制御用CPU101は、年月日や時刻を計時するRTC(Real Time Clock)108からの計時情報に基づいて所定の処理を実行する。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図6には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図5に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122のトリガボタン121に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ125から、入力ポート106Aを介して入力する。また、演出制御用CPU101は、チャンスボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、入力ポート106Bを介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、入力ポート107を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、LEDを駆動する信号にもとづいて枠LED28や大入賞口LED20Aなどの発光体に電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703には、音声の再生するためのチャンネルとして複数の音声チャンネルが設けられ、各音声チャンネルごとに独立した音声の同時再生が可能である。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
また、本実施の形態では、大当り中(より正確には大当りの第2ラウンドから大当り状態が終了するまでの期間)に「特別楽曲」がスピーカ27から出力される。特別楽曲用の音声データは、変動演出や大当り演出のプロセスデータとは異なるデータとして記憶されている。本実施の形態では、特別楽曲として、6種類の楽曲A〜Fのいずれか一の楽曲が選択される。その際、継続回数Kに基づいて決定された選択肢から一の楽曲が選択される。継続回数Kとは、通常状態に移行することなく大当りが発生した回数であり、いわゆる連荘回数である。
本例では、継続回数Kの値が大きいほど特別楽曲の選択肢が増え、より多くの選択肢からの楽曲選択が可能となっていくよう構成されている。例えば、継続回数Kの値が1以上6未満(最初の大当りから6回目の大当り発生前まで)であれば3種類の楽曲A〜Cが選択可能であり、継続回数Kの値が6以上11未満(6回目の大当りから11回目の大当り発生前まで)であれば4種類の楽曲A〜Dが選択可能であり、継続回数Kの値が11以上16未満(11回目の大当りから16回目の大当り発生前まで)であれば5種類の楽曲A〜Eが選択可能であり、継続回数Kの値が16以上(16回目の大当り以降)であれば6種類の楽曲A〜Fが選択可能である。すなわち、継続回数Kが「6」、「11」、「16」になる大当りが発生する際に、選択可能な特別楽曲が追加される構成となっている。
また、出力する特別楽曲の選択方法(選曲方法ともいう)には、遊技者によって楽曲が指定される遊技者選択と、遊技機によってランダムな抽選で選択されるランダム選択とがあり、いずれの選択方法に設定するかを遊技者に指定させる構成としている。遊技者選択による特別楽曲の出力が終了したとき、該遊技者選択による特別楽曲を再度出力するよう構成されている一方、ランダム選択による特別楽曲の出力が終了したとき、再度、いずれかの特別楽曲が遊技機によってランダムな抽選で選択されて出力されるよう構成されている。なお、本実施の形態では、大当り遊技状態における第1ラウンドにて選択方法を遊技者に設定させ、設定された選択方法によって選択された特別楽曲を第2ラウンドから出力することとしている。また、本実施の形態では、新たに選択肢が追加されたときのランダム選曲では、新たに追加された選択肢の選択率の方が、該新たに追加された選択肢以外の選択率よりも高くなるよう設定されている。また、その次のランダム選曲では、該新たに追加された選択肢の選択率の方が、該新たに追加された選択肢以外の選択率よりも高くなる設定はされないよう構成されている。また、本実施の形態では、リーチ発生時には特別楽曲の音量をオフにすることにより、リーチ演出における楽曲を遊技者に聴かせるよう構成している。
次に遊技機の動作について説明する。図7は、遊技機に対して電力供給が開始され遊技制御用マイクロコンピュータ560へのリセット信号がハイレベルになったことに応じて遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56が実行するメイン処理を示すフローチャートである。リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになると、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、プログラムの内容が正当か否かを確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、マスク可能割込の割込モードを設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。なお、ステップS2では、遊技制御用マイクロコンピュータ560の特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込番地を示すモードに設定する。また、マスク可能な割込が発生すると、CPU56は、自動的に割込禁止状態に設定するとともに、プログラムカウンタの内容をスタックにセーブする。
次いで、内蔵デバイスレジスタの設定(初期化)を行う(ステップS5)。ステップS5の処理によって、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の設定(初期化)がなされる。
この実施の形態で用いられる遊技制御用マイクロコンピュータ560は、I/Oポート(PIO)およびタイマ/カウンタ回路(CTC)504も内蔵している。
次いで、CPU56は、RAM55をアクセス可能状態に設定し(ステップS6)、クリア信号のチェック処理に移行する。
なお、遊技の進行を制御する遊技装置制御処理(遊技制御処理)の開始タイミングをソフトウェアで遅らせるためのソフトウェア遅延処理を実行するようにしてもよい。そのようなソフトウェア遅延処理によって、ソフトウェア遅延処理を実行しない場合に比べて、遊技制御処理の開始タイミングを遅延させることができる。遅延処理を実行したときには、他の制御基板(例えば、払出制御基板37)に対して、遊技制御基板(主基板31)が送信するコマンドを他の制御基板のマイクロコンピュータが受信できないという状況が発生することを防止できる。
次いで、CPU56は、クリアスイッチがオンされているか否か確認する(ステップS7)。なお、CPU56は、入力ポートを介して1回だけクリア信号の状態を確認するようにしてもよいが、複数回クリア信号の状態を確認するようにしてもよい。例えば、クリア信号の状態がオフ状態であることを確認したら、所定時間(例えば、0.1秒)の遅延時間をおいた後、クリア信号の状態を再確認する。そのときにクリア信号の状態がオン状態であることを確認したら、クリア信号がオン状態になっていると判定する。また、このときにクリア信号の状態がオフ状態であることを確認したら、所定時間の遅延時間をおいた後、再度、クリア信号の状態を再確認するようにしてもよい。ここで、再確認の回数は、1回または2回に限られず、3回以上であってもよい。また、2回チェックして、チェック結果が一致していなかったときにもう一度確認するようにしてもよい。
ステップS7でクリアスイッチがオンでない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS8)。この実施の形態では、電力供給の停止が生じた場合には、バックアップRAM領域のデータを保護するための処理が行われている。そのような電力供給停止時処理が行われていたことを確認した場合には、CPU56は、電力供給停止時処理が行われた、すなわち電力供給停止時の制御状態が保存されていると判定する。電力供給停止時処理が行われていないことを確認した場合には、CPU56は初期化処理を実行する。
電力供給停止時処理が行われていたか否かは、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に保存されるバックアップ監視タイマの値が、電力供給停止時処理を実行したことに応じた値(例えば2)になっているか否かによって確認される。なお、そのような確認の仕方は一例であって、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップフラグ領域に電力供給停止時処理を実行したことを示すフラグをセットし、ステップS8において、そのフラグがセットされていることを確認したら電力供給停止時処理が行われたと判定してもよい。
電力供給停止時の制御状態が保存されていると判定したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS9)。この実施の形態では、クリアデータ(00)をチェックサムデータエリアにセットし、チェックサム算出開始アドレスをポインタにセットする。また、チェックサムの対象になるデータ数に対応するチェックサム算出回数をセットする。そして、チェックサムデータエリアの内容とポインタが指すRAM領域の内容との排他的論理和を演算する。演算結果をチェックサムデータエリアにストアするとともに、ポインタの値を1増やし、チェックサム算出回数の値を1減算する。以上の処理が、チェックサム算出回数の値が0になるまで繰り返される。チェックサム算出回数の値が0になったら、CPU56は、チェックサムデータエリアの内容の各ビットの値を反転し、反転後のデータをチェックサムにする。
電力供給停止時処理において、上記の処理と同様の処理によってチェックサムが算出され、チェックサムはバックアップRAM領域に保存されている。ステップS9では、算出したチェックサムと保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっている可能性があることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理(ステップS10〜S14の処理)を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、ROM54に格納されているバックアップ時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定する(ステップS43)。また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS44)。そして、ステップS15に移行する。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータをそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、ROM54に格納されている初期化時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS13)、その内容に従ってサブ基板を初期化するための初期化コマンドをサブ基板に送信する処理を実行する(ステップS14)。初期化コマンドとして、演出表示装置9に表示される初期図柄を示すコマンドや払出制御基板37への初期化コマンド等を使用することができる。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS15)。
そして、CPU56は、所定時間(例えば4ms)ごとに定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なうタイマ割込設定処理を実行する(ステップS16)。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4msごとに定期的にタイマ割込がかかるとする。
タイマ割込の設定が完了すると、CPU56は、まず、割込禁止状態にして(ステップS17)、初期値用乱数更新処理(ステップS18a)と表示用乱数更新処理(ステップS18b)を実行して、再び割込許可状態にする(ステップS19)。すなわち、CPU56は、初期値用乱数更新処理および表示用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態にして、初期値用乱数更新処理および表示用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態にする。
なお、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りの種類を決定するための判定用乱数(例えば、大当りを発生させる特別図柄を決定するための大当り図柄決定用乱数や、遊技状態を確変状態に移行させるかを決定するための確変決定用乱数、普通図柄にもとづく当りを発生させるか否かを決定するための普通図柄当たり判定用乱数)を発生するためのカウンタ(判定用乱数発生カウンタ)等のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータが、遊技機に設けられている演出表示装置9、可変入賞球装置15、球払出装置97等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、判定用乱数発生カウンタのカウント値が1周すると、そのカウンタに初期値が設定される。
また、表示用乱数とは、特別図柄表示器8の表示を決定するための乱数である。この実施の形態では、表示用乱数として、特別図柄の変動パターンを決定するための変動パターン決定用乱数や、大当りを発生させない場合にリーチとするか否かを決定するためのリーチ判定用乱数が用いられる。また、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。
また、表示用乱数更新処理が実行されるときに割込禁止状態にされるのは、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が後述するタイマ割込処理でも実行される(すなわち、タイマ割込処理のステップS26,S27でも同じ処理が実行される)ことから、タイマ割込処理における処理と競合してしまうのを避けるためである。すなわち、ステップS18a,S18bの処理中にタイマ割込が発生してタイマ割込処理中で初期値用乱数や表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新してしまったのでは、カウント値の連続性が損なわれる場合がある。しかし、ステップS18a,S18bの処理中では割込禁止状態にしておけば、そのような不都合が生ずることはない。
次に、タイマ割込処理について説明する。図8は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。メイン処理の実行中に、具体的には、ステップS17〜S19のループ処理の実行中における割込許可になっている期間において、タイマ割込が発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、タイマ割込の発生に応じて起動されるタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、CPU56は、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断処理(電源断検出処理)を実行する(ステップS20)。そして、CPU56は、スイッチ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23等のスイッチの検出信号を入力し、各スイッチの入力を検出する(スイッチ処理:ステップS21)。具体的には、各スイッチの検出信号を入力する入力ポートの状態がオン状態であれば、各スイッチに対応して設けられているスイッチタイマの値を+1する。
次に、CPU56は、特別図柄表示器8、普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。特別図柄表示器8および普通図柄表示器10については、ステップS36,S37で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
次いで、CPU56は、大入賞口への異常入賞の発生を検出して異常入賞報知を行うための入賞報知処理を実行する(ステップS24)。
次いで、CPU56は、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS25)。また、CPU56は、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理:ステップS26)。さらに、CPU56は、表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(表示用乱数更新処理:ステップS27)。
次いで、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS28)。特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS29)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
次いで、CPU56は、特別図柄の変動に同期する演出図柄に関する演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する処理を行う(演出図柄コマンド制御処理:ステップS30)。なお、演出図柄の変動が特別図柄の変動に同期するとは、変動時間(可変表示期間)が同じであることを意味する。
次いで、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される始動口信号、図柄確定回数1信号、図柄確定回数2信号、大当り1〜3信号、時短信号などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS31)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS32)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
また、遊技機の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する(ステップS33)。また、この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポート0のRAM領域におけるソレノイドに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS34:出力処理)。そして、CPU56は、保留記憶数の増減をチェックする記憶処理を実行する(ステップS35)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS36)。さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS37)。
次いで、CPU56は、各状態表示灯の表示を行うための状態表示制御データを状態表示制御データ設定用の出力バッファに設定する状態表示灯表示処理を行う(ステップS38)。この場合、遊技状態が時短状態である場合には、時短状態であることを示す状態表示灯の表示を行うための状態表示制御データを出力バッファに設定する。なお、遊技状態が高確率状態(例えば、確変状態)にも制御される場合には、高確率状態であることを示す状態表示灯の表示を行うための状態表示制御データを出力バッファに設定するようにしてもよい。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS39)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S39(ステップS31,33を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示態様を、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の可変表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、演出図柄が揃って停止表示される(ただし、突然確変大当りの場合には、リーチとはならずに突然確変大当り図柄(例えば「135」)が停止表示される場合もある。)。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当りである「5」が停止表示される場合には、演出表示装置9において、演出図柄の可変表示態様が「突然確変大当り」である場合と同様に演出図柄の可変表示が行われた後、所定の小当り図柄(突然確変大当り図柄と同じ図柄。例えば「135」)が停止表示されることがある。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当り図柄である「5」が停止表示されることに対応する演出表示装置9における表示演出を「小当り」の可変表示態様という。
ここで、小当りとは、大当りと比較して大入賞口の開放が少なく1回あたりの開放時間も極めて短い(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)当りである。なお、小当り遊技が終了した場合、遊技状態は変化しない。すなわち、確変状態から通常状態に移行したり通常状態から確変状態に移行したりすることはない。また、突然確変大当りとは、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が他の大当りと比較して少なく1回あたりの開放時間も極めて短い(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)大当りであり、かつ、大当り遊技後の遊技状態を確変状態に移行させるような大当りである(すなわち、そのようにすることにより、遊技者に対して突然に確変状態となったかのように見せるものである)。つまり、この実施の形態では、突然確変大当りと小当りとは、大入賞口の開放パターンが同じである。そのように制御することによって、大入賞口の0.1秒間の開放が2回行われると、突然確変大当りであるか小当りであるかまでは認識できないので、遊技者に対して高確率状態(確変状態)を期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、この実施の形態では、突然確変大当りや小当りとなった場合に、1回あたりの開放時間を短くするとともに、大入賞口の開放回数を通常大当りや確変大当りより少ない場合を示しているが、そのいずれか一方であってもよい。例えば、突然確変大当りや小当りとなった場合には、大入賞口の15秒間の開放を2回だけ行うように制御してもよい。また、例えば、突然確変大当りや小当りとなった場合に、大入賞口の0.1秒間の開放を15回だけ行うように制御してもよい。そのように、突然確変大当りや小当りとなる場合には、通常大当りや確変大当りと比較して、大入賞口の開放回数を少なくしたり、または1回あたりの大入賞口の開放時間を短くしたりすることによって、少なくとも通常大当りや確変大当りと比較して大入賞口への遊技球の入賞数が少なくなるものであればよい。
図9は、あらかじめ用意された演出図柄の変動パターンを示す説明図である。図9に示すように、この実施の形態では、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、非リーチPA1−1〜非リーチPA1−4の変動パターンが用意されている。また、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−1〜ノーマルPA2−2、ノーマルPB2−1〜ノーマルPB2−2、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2、スーパーPB3−1〜スーパーPB3−2の変動パターンが用意されている。なお、図9に示すように、リーチしない場合に使用され擬似連の演出を伴う非リーチPA1−4の変動パターンについては、再変動が1回行われる。リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−1を用いる場合には、再変動が1回行われる。また、リーチしない場合に使用される非リーチPA1−2の変動パターンは、短縮変動用の変動パターンであり、演出図柄の変動時間が短い時間(本例では、1.5秒)に短縮される。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−2を用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2を用いる場合には、再変動が3回行われる。なお、再変動とは、演出図柄の可変表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに一旦はずれとなる演出図柄を仮停止させた後に演出図柄の可変表示を再度実行することである。
また、図9に示すように、この実施の形態では、特別図柄の可変表示結果が大当り図柄または小当り図柄になる場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−3〜ノーマルPA2−4、ノーマルPB2−3〜ノーマルPB2−4、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4、スーパーPB3−3〜スーパーPB3−4、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1〜特殊PG2−2の変動パターンが用意されている。なお、図9において、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1〜特殊PG2−2の変動パターンは、突然確変大当りまたは小当りとなる場合に使用される変動パターンである。
また、図9に示すように、突然確変大当りまたは小当りでない場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−3を用いる場合には、再変動が1回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−4を用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4を用いる場合には、再変動が3回行われる。また、突然確変大当りまたは小当りの場合に使用され擬似連の演出を伴う特殊PG1−3の変動パターンについては、再変動が1回行われる。
なお、この実施の形態では、図9に示すように、リーチの種類に応じて変動時間が固定的に定められている場合(例えば、擬似連ありのスーパーリーチAの場合には変動時間が32.75秒で固定であり、擬似連なしのスーパーリーチAの場合には変動時間が22.75秒で固定である)を示しているが、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、合算保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。例えば、同じ種類のスーパーリーチを伴う場合であっても、合算保留記憶数が多くなるに従って、変動時間が短くなるようにしてもよい。また、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、第1保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよく、第2特別図柄の変動表示を行う場合には、第2保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。この場合、第1保留記憶数や第2保留記憶数の値ごとに別々の判定テーブルを用意しておき(例えば、保留記憶数0〜2用の変動パターン種別判定テーブルと保留記憶数3,4用の変動パターン種別判定テーブルとを用意しておき)、第1保留記憶数または第2保留記憶数の値に応じて判定テーブルを選択して、変動時間を異ならせるようにしてもよい。
図10は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1(MR1):大当りの種類(後述する通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)を決定する(大当り種別判定用)
(2)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)
(3)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(4)ランダム4(MR4):普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)
なお、この実施の形態では、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。
なお、変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴に従ってグループ化したものである。例えば、複数の変動パターンをリーチの種類でグループ化して、ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチAを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチBを伴う変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連の再変動の回数でグループ化して、擬似連を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動1回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動2回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動3回の変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連や滑り演出などの特定演出の有無でグループ化してもよい。
図8に示された遊技制御処理におけるステップS25では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り種別判定用乱数、および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2、ランダム3)または初期値用乱数(ランダム5)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。なお、大当り判定用乱数として、ハードウェア乱数ではなく、ソフトウェア乱数を用いてもよい。
図11(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態や時短状態(すなわち、確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図11(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図11(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図11(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
図11(B),(C)は、小当り判定テーブルを示す説明図である。小当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される小当り判定値が設定されているテーブルである。小当り判定テーブルには、第1特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第1特別図柄用)と、第2特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第2特別図柄用)とがある。小当り判定テーブル(第1特別図柄用)には、図11(B)に記載されている各数値が設定され、小当り判定テーブル(第2特別図柄用)には、図11(C)に記載されている各数値が設定されている。また、図11(B),(C)に記載されている数値が小当り判定値である。
なお、第1特別図柄の変動表示を行う場合にのみ小当りと決定するようにし、第2特別図柄の変動表示を行う場合には小当りを設けないようにしてもよい。この場合、図11(C)に示す第2特別図柄用の小当り判定テーブルは設けなくてもよい。この実施の形態では、遊技状態が確変状態に移行されているときには主として第2特別図柄の変動表示が実行される。遊技状態が確変状態に移行されているときにも小当りが発生するようにし、確変となるか否かを煽る演出を行うように構成すると、現在の遊技状態が確変状態であるにもかかわらず却って遊技者に煩わしさを感じさせてしまう。そこで、第2特別図柄の変動表示中は小当りが発生しないように構成すれば、遊技状態が確変状態である場合には小当りが発生しにくくし必要以上に確変に対する煽り演出を行わないようにすることができ、遊技者に煩わしさを感じさせる事態を防止することができる。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図11(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(後述する通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)にすることに決定する。また、大当り判定用乱数値が図11(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。なお、図11(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、図11(B),(C)に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
なお、この実施の形態では、図11(B),(C)に示すように、小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いる場合には300分の1の割合で小当りと決定されるのに対して、小当り判定テーブル(第2特別図柄)を用いる場合には3000分の1の割合で小当りと決定される場合を説明する。従って、この実施の形態では、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「小当り」と決定される割合が高い。
図11(D),(E)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブル131a,131bを示す説明図である。このうち、図11(D)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aである。また、図11(E)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bである。
大当り種別判定テーブル131a,131bは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)にもとづいて、大当りの種別を「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施の形態では、図11(D),(E)に示すように、大当り種別判定テーブル131aには「突然確変大当り」に対して5個の判定値が割り当てられている(40分の5の割合で突然確変大当りと決定される)のに対して、大当り種別判定テーブル131bには「突然確変大当り」に対して1個の判定値が割り当てられている(40分の1の割合で突然確変大当りと決定される)場合を説明する。従って、この実施の形態では、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「突然確変大当り」と決定される割合が高い。なお、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブル131aにのみ「突然確変大当り」を振り分けるようにし、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブル131bには「突然確変大当り」の振り分けを行わない(すなわち、第1特別図柄の変動表示を行う場合にのみ、「突然確変大当り」と決定される場合がある)ようにしてもよい。
この実施の形態では、図11(D),(E)に示すように、大当り種別として、「通常大当り」、「確変大当り」および「突然確変大当り」がある。なお、この実施の形態では、大当り遊技において実行されるラウンド数が、通常大当りについては8ラウンド、確変大当りについては15ラウンドおよび突然確変大当りについては2ラウンドである場合を示しているが、大当り遊技において実行されるラウンド数は、この実施の形態で示したものに限られない。例えば、10ラウンドの大当り遊技に制御する10R確変大当りや、7ラウンドの大当り遊技に制御する7R確変大当り、5ラウンドの大当り遊技に制御する5R確変大当りが設けられていてもよい。また、この実施の形態では、大当り種別が「通常大当り」、「確変大当り」および「突然確変大当り」の3種類である場合を示しているが、3種類にかぎらず、例えば、4種類以上の大当り種別を設けるようにしてもよい。また、逆に、大当り種別が3種類よりも少なくてもよく、例えば、大当り種別として2種類のみ設けられていてもよい。
「通常大当り」とは、8ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に時短状態のみに移行させる大当りである。そして、時短状態に移行した後、変動表示を所定回数(この実施の形態では30回)行なうと、時短状態が終了する。なお、変動表示を所定回数行なう前であっても、次の大当りが発生した場合にも、時短状態が終了する。
「確変大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行させる大当りである(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに時短状態にも移行される。)。そして、確変状態および時短状態に移行した後、変動表示を所定回数(この実施の形態では100回)行なうと、確変状態および時短状態が終了する。なお、変動表示を所定回数行なう前であっても、次の大当りが発生した場合にも、確変状態および時短状態が終了する。
また、「突然確変大当り」とは、「通常大当り」や「確変大当り」と比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容される大当りである。すなわち、「突然確変大当り」となった場合には、2ラウンドの大当り遊技状態に制御される。また、「通常大当り」や「確変大当り」では、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が29秒と長いのに対して、「突然確変大当り」では1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が0.1秒と極めて短く、大当り遊技中に大入賞口に遊技球が入賞することは殆ど期待できない。そして、この実施の形態では、その突然確変大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行される(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに時短状態にも移行される。)。そして、確変状態および時短状態に移行した後、変動表示を所定回数(この実施の形態では100回)行なうと、確変状態および時短状態が終了する。なお、変動表示を所定回数行なう前であっても、次の大当りが発生した場合にも、確変状態および時短状態が終了する。
なお、突然確変大当りの態様は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、大入賞口の開放回数は通常大当りや突然確変大当りと同じ15回(15ラウンド)とし、大入賞口の開放時間のみ0.1秒と極めて短くするようにしてもよい。
なお、前述したように、この実施の形態では、「小当り」となった場合にも、大入賞口の開放が0.1秒間ずつ2回行われ、「突然確変大当り」による大当り遊技状態と同様の制御が行われる。そして、「小当り」となった場合には、大入賞口の2回の開放が終了した後、遊技状態は変化せず、「小当り」となる前の遊技状態が維持される。そのようにすることによって、「突然確変大当り」であるか「小当り」であるかを認識できないようにし、遊技の興趣を向上させている。なお、大当り種別が全て確変大当りであるように構成する場合、小当りを設けなくてもよい。また、大当り種別が全て確変大当りである場合に小当りを設けるように構成する場合には、確変状態(高確率状態)に移行されるのみで時短状態(高ベース状態)を伴わない突然確変大当りを設けるようにすること(大入賞口の開放パターンも突然確変大当りと小当りの場合とで同じにすること)が好ましい。
大当り種別判定テーブル131a,131bには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU56は、ランダム1の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
図12および図13は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図12および図13に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C05(H)は、大当りとするか否か、小当りとするか否か、および大当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C05(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C05(H)を表示結果指定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、第4図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、第4図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001,A002(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。この実施の形態では、大当りの種類に応じて、大当り開始指定コマンドまたは小当り/突然確変大当り開始指定コマンドが用いられる。具体的には、「通常大当り」や「確変大当り」である場合には大当り開始指定コマンド(A001(H))が用いられ、「突然確変大当り」や「小当り」である場合には小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(A002(H))が用いられる。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然大当りである場合に突然確変大当り開始指定用のファンファーレ指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはファンファーレ指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。なお、大入賞口開放中指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放中指定コマンドが送信される。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。なお、大入賞口開放後指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放後指定コマンドが送信される。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。なお、大当り終了指定コマンド(A301(H))は、「通常大当り」や「確変大当り」による大当り遊技を終了する場合に用いられる。コマンドA302(H)は、小当りの遊技の終了または突然確変大当りの遊技の終了を指定する演出制御コマンド(小当り/突然確変大当り終了指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然確変大当りである場合に突然確変大当り終了指定用のエンディング指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはエンディング指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(通常状態背景指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が確変状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(確変状態背景指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、遊技状態が時短状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(時短状態背景指定コマンド)である。
コマンドC000(H)は、第1保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第2保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC200(H)は、第1保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンド)である。コマンドC300(H)は、第2保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数減算指定コマンド)である。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図12および図13に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞があり第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の可変表示が開始される度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
図12および図13に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)と第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)とで共通に使用でき、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に伴って演出を行う演出表示装置9などの演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
図14は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13a、または第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち、第1始動入賞口13への始動入賞または第2始動入賞口14への始動入賞が発生していたら、始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS311,S312)。そして、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。第1始動入賞口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aがオンしていなければ、内部状態に応じて、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行い、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において第4図柄が停止されるように制御する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4となったことにもとづいて、後述するように、特別図柄表示制御処理において特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され、ステップS22の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(ステップS308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理は小当り遊技中の大入賞口の開放毎に実行されるが、小当り遊技中の最初の開放を開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(ステップS309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ大入賞口の開放回数が残っている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS310に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。
小当り終了処理(ステップS310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図15は、ステップS312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ13aがオン状態であるか否かを確認する(ステップS211)。第1始動口スイッチ13aがオン状態でなければ、ステップS217に移行する。第1始動口スイッチ13aがオン状態であれば、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(ステップS212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、ステップS217に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS213)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS214)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図16参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS215)。なお、ステップS215の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)や変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を生成するための変動パターン種別判定用乱数カウンタから値を直接抽出したり、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出したりするようにしてもよい。
図16は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留バッファ)の構成例を示す説明図である。図16に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。この実施の形態では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
そして、CPU56は、第1保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS216)。
次いで、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオン状態であるか否かを確認する(ステップS217)。第2始動口スイッチ14aがオン状態でなければ、そのまま処理を終了する。第2始動口スイッチ14aがオン状態であれば、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(ステップS218)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS219)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS220)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(図16参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS221)。なお、ステップS221の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第2特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
そして、CPU56は、第2保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS222)。
図17および図18は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば、まだ客待ちデモ指定コマンドを送信していなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して客待ちデモ指定コマンドを送信する制御を行い(ステップS51A)、処理を終了する。なお、例えば、CPU56は、ステップS51Aで客待ちデモ指定コマンドを送信すると、客待ちデモ指定コマンドを送信したことを示す客待ちデモ指定コマンド送信済フラグをセットする。そして、客待ちデモ指定コマンドを送信した後に次回のタイマ割込以降の特別図柄通常処理を実行する場合には、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグがセットされていることにもとづいて重ねて客待ちデモ指定コマンドを送信しないように制御すればよい。また、この場合、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグは、次回の特別図柄の変動表示が開始されるときにリセットされるようにすればよい。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、第2保留記憶数が0であるか否かを確認する(ステップS52)。具体的には、第2保留記憶数カウンタの値が0であるか否かを確認する。第2保留記憶数が0でなければ、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(ステップS53)。第2保留記憶数が0であれば(すなわち、第1保留記憶数のみが溜まっている場合)には、CPU66は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(ステップS54)。
この実施の形態では、ステップS52〜S54の処理が実行されることによって、第1特別図柄の変動表示に対して、第2特別図柄の変動表示が優先して実行される。言い換えれば、第2特別図柄の変動表示を開始させるための第2の開始条件が第1特別図柄の変動表示を開始させるための第1の開始条件に優先して成立するように制御される。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶数バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶数バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶数バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(ステップS58)。なお、CPU56は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。
また、CPU56は、現在の遊技状態に応じて背景指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS60)。この場合、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされている場合には、確変状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、確変フラグがセットされておらず、時短状態であることを示す時短フラグがセットされている場合には、時短状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、確変フラグおよび時短フラグのいずれもセットされていなければ、通常状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。
なお、この実施の形態では、変動ごとに背景指定コマンドを毎回送信する場合を示しているが、例えば、変動開始時に前回の変動時から遊技状態が変化したか否かを判定するようにし、遊技状態が変化した場合にのみ変化後の遊技状態に応じた背景指定コマンドを送信するようにしてもよい。そのように構成すれば、背景指定コマンドの送信回数を低減することができ、遊技制御用マイクロコンピュータ560の処理負担を軽減することができる。
なお、具体的には、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する際に、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出図柄コマンド制御処理(ステップS30)において演出制御コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、特別図柄の変動を開始するときに、タイマ割込ごとに、背景指定コマンド、変動パターンコマンド、表示結果指定コマンド、保留記憶数減算指定コマンドの順に演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されることになる。具体的には、特別図柄の変動を開始するときに、まず、背景指定コマンドが送信され、4ms経過後に変動パターンコマンドが送信され、さらに4ms経過後に表示結果指定コマンドが送信され、さらに4ms経過後に保留記憶数減算指定コマンドが送信される。なお、特別図柄の変動を開始するときにはさらに図柄変動指定コマンド(第1図柄変動指定コマンド、第2図柄変動指定コマンド)も送信されるが、図柄変動指定コマンドは、変動パターンコマンドと同じタイマ割込において演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信される。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、ステップS300〜S310の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し、大当り判定モジュールを実行する。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のステップS215,S221で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り判定用乱数を読み出し、大当り判定を行う。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値や小当り判定値(図11参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りや小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定や小当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態および時短状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、あらかじめ大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図11(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図11(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行い、遊技状態が通常遊技状態や時短状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図11(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(ステップS61)、ステップS71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行われる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、確変大当りまたは突然確変大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(ステップS61のN)、CPU56は、小当り判定テーブル(図11(B),(C)参照)を使用して小当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図11(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りとすることに決定する。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示すデータを確認し、特別図柄ポインタが示すデータが「第1」である場合には、図11(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。また、特別図柄ポインタが示すデータが「第2」である場合には、図11(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。そして、小当りとすることに決定した場合には(ステップS62)、CPU56は、小当りであることを示す小当りフラグをセットし(ステップS63)、ステップS75に移行する。
なお、ランダムRの値が大当り判定値および小当り判定値のいずれにも一致しない場合には(ステップS62のN)、すなわち、はずれである場合には、そのままステップS75に移行する。
ステップS71では、CPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、特別図柄ポインタが示す方の大当り種別判定テーブルを選択する(ステップS72)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図11(D)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131aを選択する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、図11(E)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131bを選択する。
次いで、CPU56は、選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した種別(「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」)を大当りの種別に決定する(ステップS73)。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のステップS215,S221で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り種別判定用乱数を読み出し、大当り種別の決定を行う。また、この場合に、図11(D),(E)に示すように、第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、突然確変大当りが選択される割合が高い。言い換えれば、第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第1特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、遊技価値の高い(1回あたりの大入賞口の開放時間が29秒と長く射幸性が高い)通常大当りや確変大当りが選択される割合が高い。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(ステップS74)。例えば、大当り種別が「通常大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定され、大当り種別が「突然確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「08」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(ステップS75)。具体的には、大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、「通常大当り」に決定した場合には「2」を特別図柄の停止図柄に決定し、「確変大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定し、大当り種別を「突然確変大当り」に決定した場合には「1」を特別図柄の停止図柄に決定する。また、小当りフラグがセットされている場合には、小当り図柄となる「5」を特別図柄の停止図柄に決定する。
なお、この実施の形態では、まず大当り種別を決定し、決定した大当り種別に対応する特別図柄の停止図柄を決定する場合を示したが、大当り種別および特別図柄の停止図柄の決定方法は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、あらかじめ特別図柄の停止図柄と大当り種別とを対応付けたテーブルを用意しておき、大当り種別決定用乱数にもとづいてまず特別図柄の停止図柄を決定すると、その決定結果にもとづいて対応する大当り種別も決定されるように構成してもよい。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS76)。
図19は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS80)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、大当り種別に応じて、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、大当り用変動パターン種別判定テーブルのいずれかを選択する(ステップS81)。そして、ステップS89に移行する。
大当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS82)。小当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、小当り用変動パターン種別判定テーブルを選択する(ステップS83)。そして、ステップS89に移行する。
小当りフラグもセットされていない場合には、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS84)。なお、時短フラグは、遊技状態を時短状態に移行するとき(確変状態に移行するときを含む)にセットされ、時短状態を終了するときにリセットされる。具体的には、通常大当り、確変大当り、または突然確変大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、時短回数を消化したタイミングや、大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。時短フラグがセットされていれば(ステップS84のY)、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、確変/時短用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択する(ステップS85)。そして、ステップS89に移行する。
時短フラグがセットされていなければ(ステップS84のN)、CPU56は、合算保留記憶数が3以上であるか否かを確認する(ステップS86)。合算保留記憶数が3未満であれば(ステップS86のN)、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、通常のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択する(ステップS87)。そして、ステップS89に移行する。
合算保留記憶数が3以上である場合(ステップS86のY)には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、変動時間短縮時のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択する(ステップS88)。そして、ステップS89に移行する。
この実施の形態では、ステップS84〜S88の処理が実行されることによって、合算保留記憶数が3以上である場合には、変動時間短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルが選択される。また、遊技状態が時短状態である場合(確変状態である場合を含む)には、確変/時短用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルが選択される。この場合、後述するステップS89の処理で変動パターン種別として非リーチCA2−3が決定される場合があり、非リーチCA2−3の変動パターン種別が決定された場合には、ステップS91の処理で変動パターンとして短縮変動の非リーチPA1−2が決定される。従って、この実施の形態では、遊技状態が時短状態である場合(確変状態である場合を含む)または合算保留記憶数が3以上である場合には、短縮変動の変動表示が行われる場合がある。
なお、この実施の形態では、時短状態で用いる短縮変動用の変動パターン種別判定テーブルと、保留記憶数にもとづく短縮変動用の変動パターン種別判定テーブルとが異なるテーブルである場合を示したが、短縮変動用の変動パターン種別判定テーブルとして共通のテーブルを用いるようにしてもよい。
なお、遊技状態が時短状態である場合であっても、合算保留記憶数がほぼ0である場合(例えば、0であるか、0または1である場合)には、短縮変動の変動表示を行わないようにしてもよい。この場合、例えば、CPU56は、ステップS84でYと判定したときに、合算保留記憶数がほぼ0であるか否かを確認し、合算保留記憶数がほぼ0であれば、はずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム2(変動パターン種別判定用乱数)を読み出し、ステップS81,S83,S85,S87またはS88の処理で選択したテーブルを参照することによって、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS89)。なお、始動入賞のタイミングでランダム2(変動パターン種別判定用乱数)を抽出しないように構成する場合には、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を生成するための変動パターン種別判定用乱数カウンタから値を直接抽出し、抽出した乱数値にもとづいて変動パターン種別を決定するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、ステップS89の変動パターン種別の決定結果にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、当り変動パターン判定テーブル、はずれ変動パターン判定テーブルのうちのいずれかを選択する(ステップS90)。また、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム3(変動パターン判定用乱数)を読み出し、ステップS90の処理で選択した変動パターン判定テーブルを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS91)。なお、始動入賞のタイミングでランダム3(変動パターン判定用乱数)を抽出しないように構成する場合には、CPU56は、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出し、抽出した乱数値にもとづいて変動パターンを決定するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の図柄変動指定コマンドを、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS92)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS93)。
次に、CPU56は、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(ステップS94)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS95)。
なお、はずれと決定されている場合において、いきなり変動パターン種別を決定するのではなく、まず、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。そして、リーチとするか否かの判定結果にもとづいて、ステップS84〜S88,S89の処理を実行し、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。この場合、あらかじめ非リーチ用の変動パターン種別判定テーブルと、リーチ用の変動パターン種別判定テーブルとを用意しておき、リーチ判定結果にもとづいて、いずれかの変動パターン種別判定テーブルを選択して、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。
また、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定する場合にも、合算保留記憶数(第1保留記憶数や第2保留記憶数でもよい)に応じて、リーチの選択割合が異なるリーチ判定テーブルを選択して、保留記憶数が多くなるに従ってリーチ確率が低くなるようにリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。
図20は、表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)を示すフローチャートである。表示結果指定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種類、小当り、はずれに応じて、表示結果1指定〜表示結果5指定のいずれかの演出制御コマンド(図12参照)を送信する制御を行う。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS110)。セットされていない場合には、ステップS116に移行する。大当りフラグがセットされている場合、大当りの種別が「通常大当り」であるときには、表示結果2指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS111,S112)。なお、「通常大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「01」であるか否かを確認することによって判定できる。また、CPU56は、大当りの種別が「確変大当り」であるときには、表示結果3指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS113,S114)。なお、「確変大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「02」であるか否かを確認することによって判定できる。そして、「通常大当り」および「確変大当り」のいずれでもないときには(すなわち、「突然確変大当り」であるときには)、CPU56は、表示結果4指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS115)。
一方、CPU56は、大当りフラグがセットされていないときには(ステップS110のN)、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS116)。小当りフラグがセットされていれば、CPU56は、表示結果5指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS117)。小当りフラグもセットされていないときは(ステップS116のN)、すなわち、はずれである場合には、CPU56は、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS118)。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS119)。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図21は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、4ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS704)。
次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、演出制御用CPU101は、大当り中において特別楽曲フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS706)。特別楽曲フラグとは、大当り中に出力される特別楽曲が選択されていることを示すフラグである。大当り中において特別楽曲フラグがリセットされているとき、ステップS709へ移行する。大当り中において特別楽曲フラグがセットされているとき、演出制御用CPU101は、特別楽曲の選択方法を遊技者の意向に沿って切り替えるための選択方法切替処理を行う(ステップS707)。選択方法切替処理の詳細は、図45に後述する。その後、演出制御用CPU101は、楽曲切替処理を実行する(ステップS708)。楽曲切替処理は、現在の特別楽曲から次の特別楽曲に切り替えるための処理である。楽曲切替処理の詳細は、図46に後述する。
次いで、演出制御用CPU101は、第4図柄プロセス処理を行う(ステップS709)。第4図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第4図柄プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の第4図柄表示領域9c,9dにおいて第4図柄の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS710)。その後、ステップS702に移行する。
図22は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS614)、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(ステップS617)、演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果10指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップS618)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS619)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS620)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始1指定コマンドまたは大当り開始2指定コマンドであれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、大当り開始1指定コマンド受信フラグまたは大当り開始2指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS622)。そして、継続回数Kに1を加算する(ステップS1900)。これにより、通常状態で大当りが発生してから時短状態が終了するまでの大当りの発生回数が継続回数Kとして計測されるようになっている。
なお、この実施の形態では、ステップS622でセットされる大当り開始1指定コマンド受信フラグ、大当り開始2指定コマンド受信フラグ、および図示していない小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグのことを、ファンファーレフラグともいう。
受信した演出制御コマンドが通常状態背景指定コマンドであれば(ステップS651)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に表示する背景画面を通常状態に応じた背景画面(例えば、青色の表示色の背景画面)に変更する(ステップS652)。また、演出制御用CPU101は、セットされていれば、遊技状態が確変状態であることを示す確変状態フラグや、遊技状態が時短状態であることを示す時短状態フラグをリセットする(ステップS653)。そして、特別楽曲フラグをリセットし(ステップS2100)、継続回数Kに0をセットする(ステップS2101)。これにより、通常状態において変動を開始した時点で、特別楽曲の再生が終了し、継続回数Kがリセットされることとなる。すなわち、時短状態や確変状態が終了して通常状態に移行することにより、連荘が終了することとしている。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセット、または処理を実行する(ステップS664)。そして、ステップS611に移行する。
図23は、図21に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。なお、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示と、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示とを、別の演出制御プロセス処理により実行するように構成してもよい。また、この場合、いずれの演出制御プロセス処理により演出図柄の変動表示が実行されているかによって、いずれの特別図柄の変動表示が実行されているかを判断するようにしてもよい。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(ステップS803):演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS804):大当りである場合には、変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。また、小当りである場合には、変動時間の終了後、演出表示装置9に小当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。例えば、大当りの開始を指定するファンファーレ指定コマンドを受信したら、ファンファーレ演出を実行する。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(ステップS805):ラウンド中の表示制御を行う。例えば、大入賞口が開放中であることを示す大入賞口開放中表示コマンドを受信したら、ラウンド数の表示制御等を行う。
ラウンド後処理(ステップS806):ラウンド間の表示制御を行う。例えば、大入賞口が開放後(閉鎖中)であることを示す大入賞口開放後表示コマンドを受信したら、インターバル表示を行う。
大当り終了演出処理(ステップS807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。例えば、大当りの終了を指定するエンディング指定コマンドを受信したら、エンディング演出を実行する。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図24は、図23に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(ステップS812)。そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に更新する(ステップS813)。
変動パターンコマンド受信フラグがリセットされている場合(ステップS811にてNO)、すなわち演出図柄が可変表示されていない場合、変動中に出力していた音(以下「変動中出力音」ともいう)を変動表示終了後にも継続して出力する期間(以下「変動後音出力期間」という。たとえば、10秒)が経過したか否かを判断する(ステップS811A)。変動後音出力期間が経過していない(ステップS811AでNO)と判断した場合、演出制御用CPU101は、変動中出力音を継続して出力する(ステップS811B)。ただし、枠LED28などのランプ、演出表示装置9での演出表示などは、変動中とは異なる態様で制御する。
一方、変動後音出力期間が経過した(ステップS811AでYES)と判断した場合、演出制御用CPU101は、変動中出力音を停止する(ステップS811C)。ステップS811BおよびステップS811Cの後、演出制御用CPU101は、実行する処理をステップS814に進める。
図26は、変動中および変動後の音演出およびランプ演出を説明するためのタイミングチャートである。図26を参照して、変動表示中には、所定の音データが用いられて音演出が実行されるとともに、変動パターンに対応するプロセスデータに基づいてランプデータAが用いられてランプ演出が実行される。そして、変動表示が終了した後にも、同じ音データが用いられて音演出が実行される。一方、変動表示が終了した後は、ランプ演出については、ランプデータAと異なるランプデータBが用いられて実行される。なお、ここでは、ランプデータBは、ランプを発光させないデータであることとするが、これに限定されず、ランプデータBは、ランプデータAと異なる発光パターンで発光させるデータであればよい。
なお、変動中は、大当り図柄が導出表示される可能性がある点で、遊技者にとって有利な状態である。一方、変動表示が終了した後は、大当り図柄が導出表示され得ない点で、遊技者にとって不利な状態である。
このように、不利な状態において、有利な状態と同様の演出態様で音演出が実行される。また、ランプ演出については、有利な状態と不利な状態とで異なる演出態様で実行される。このため、遊技者にとって不利な状態における演出効果を向上させつつ、有利な状態または不利な状態であるとの遊技者の錯覚を防止することができる。その結果、遊技の興趣を向上させることができる。
図24に戻って、演出制御用CPU101は、変動中楽曲フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS814)。変動中楽曲フラグとは、変動中出力音が変動中楽曲に決定されていることを示すフラグである。変動中楽曲とは、大当り中に出力可能な特別楽曲のうちから選択された、可変表示中に出力される楽曲である。
変動中楽曲フラグがセットされていない場合(S814にてNO)、演出制御用CPU101は、特定の非公開操作があったか否かを判定する(S815)。ここで、非公開操作とは、遊技者に公開されていない特定の操作であって、「かくしコマンド」あるいは「裏コマンド」などとも呼ばれる。本実施の形態においては、スティックコントローラ122の特定の操作(たとえば、スティックコントローラ122を3秒以内に3回連続して手前方向に傾ける操作)が検出された場合に、演出制御用CPU101は、特定の非公開操作があったと判定する。なお、特定の非公開操作の有無を判定する方法は、これに限定されるものではない。たとえばチャンスボタン120の特定の操作を検出することによって特定の非公開操作の有無を判定するようにしてもよい。また、たとえば遊技者の特定の動作を図示しない赤外線センサや撮像装置などを用いて非接触で検出することによって特定の非公開操作の有無を判定するようにしてもよい。
本実施の形態においては、非公開操作の受付期間は、変動パターンコマンド受信フラグがリセットされている期間、すなわち演出図柄が可変表示されていない期間(以下「無変動期間」ともいう)である。したがって、非公開操作は、可変表示の終了直後から検出可能となる。可変表示が終了から所定時間(たとえば1分)が経過すると、演出表示装置9には図示しないデモ画面が表示される。したがって、演出表示装置9にデモ画面が表示される期間も、非公開操作の受付期間の一部に含まれる。なお、非公開操作の受付期間をデモ画面が表示される期間としてもよい。
非公開操作が検出された場合(S815にてYES)、演出制御用CPU101は、変動中選択可能楽曲を上述の継続回数Kに応じて抽出する(S816)。変動中選択可能楽曲とは、可変表示中に出力可能な特別楽曲である。
図25は、変動中選択可能楽曲の抽出手法を説明するための図である。図25において「○」が付された楽曲が変動中選択可能楽曲であり、「(△)」が付された楽曲が大当り中に選択可能な特別楽曲(後述の図40参照)である。変動中選択可能楽曲は、大当り中に選択可能な特別楽曲のうちから抽出される。
継続回数Kの値が1〜5のいずれかであるとき(1≦K≦5のとき)、大当り中に選択可能な特別楽曲は、楽曲A〜Cである(後述の図40の第1楽曲選択テーブル参照)。これらの楽曲A〜Cのうち、楽曲Cを除く楽曲A,Bが、1≦K≦5のときの変動中選択可能楽曲として抽出される。
継続回数Kの値が6〜10のいずれかであるとき(6≦K≦10のとき)、大当り中に選択可能な特別楽曲には、楽曲A〜Cに加えて、楽曲Dが追加される(後述の図40の第2楽曲選択テーブル参照)。これらの楽曲A〜Dのうち、楽曲Dを除く楽曲A〜Cが、6≦K≦10のときの変動中選択可能楽曲として抽出される。
継続回数Kの値が11〜15のいずれかであるとき(11≦K≦15のとき)、大当り中に選択可能な楽曲には、楽曲A〜Dに加えて、楽曲Eが追加される(後述の図40の第3楽曲選択テーブル参照)。この楽曲A〜Eのうち、楽曲Eを除く楽曲A〜Dが、11≦K≦15のときの変動中選択可能楽曲として抽出される。
継続回数Kが16以上であるとき(K≧16のとき)、大当り中に選択可能な楽曲には、楽曲A〜Eに加えて、楽曲Fが追加される(後述の図40の第4楽曲選択テーブル参照)。この楽曲A〜Fのすべてが、K≧16のときの変動中選択可能楽曲として抽出される。
このように、本実施の形態においては、継続回数Kに応じて変動中選択可能楽曲を追加する。なお、変動中選択可能楽曲を追加するために用いるパラメータは、必ずしも継続回数Kに限定されない。たとえば、遊技状態や、演出モードや、所定の演出の発生の有無や、遊技媒体の払出数や、遊技時間や、現在時刻や、1日当りの大当り回数などに応じて、変動中選択可能楽曲を追加するようにしてもよい。また、経験値に応じて加算されるレベル(後述)に応じて変動中選択可能楽曲を追加するようにしてもよい。
また、継続回数Kの値に関わらず、大当り中に選択可能な特別楽曲のすべてを変動中選択可能楽曲として抽出してもよい。本実施の形態においては、大当り中に選択可能な特別楽曲が継続回数Kに応じて増加する(後述の図40参照)。したがって、大当り中に選択可能な特別楽曲のすべてを変動中選択可能楽曲として抽出することで、変動中選択可能楽曲も継続回数Kに応じて間接的に増加することになる。
また、本実施の形態においては、変動中選択可能楽曲が追加される時の継続回数Kの値(図25に示された1≦K≦5、6≦K≦10、11≦K≦15、K≧16)が、大当り中に選択可能な特別楽曲が追加される時の継続回数Kの値(図40に示された1≦K≦5、6≦K≦10、11≦K≦15、K≧16)と同じ値に設定されているが、両者を異ならせるようにしてもよい。たとえば、図25に示された1≦K≦5、6≦K≦10、11≦K≦15、K≧16をそれぞれ1≦K≦10、11≦K≦20、11≦K≦30、K≧31に変更してもよい。このようにすることで、大当り中に選択可能な楽曲と変動中に選択可能な楽曲とを異ならせる(たとえば変動中に選択可能な楽曲を大当り中に選択可能な楽曲の一部とする)ことができるため、遊技の興趣が向上する。
図24に戻って、演出制御用CPU101は、抽出された変動中選択可能楽曲を演出表示装置9に表示し(ステップS817)、変動中選択可能楽曲のうちから変動中楽曲を選択するように遊技者に促すメッセージを演出表示装置9に表示する(ステップS818)。なお、遊技者は、たとえばスティックコントローラ122を操作することにより、演出表示装置9に表示された変動中選択可能楽曲のうちからいずれか1曲を変動中楽曲として選択することができる。
演出制御用CPU101は、変動中楽曲の選択を促すメッセージを表示してから一定時間内に、遊技者による変動中楽曲の選択があったか否かを判定する(ステップS819)。
変動中楽曲の選択があった場合(ステップS819にてYES)、演出制御用CPU101は、選択された「変動中楽曲」を変動中出力音に決定する(ステップS820)。変動中楽曲が変動中出力音に決定されたことに応じて、演出制御用CPU101は、変動中楽曲フラグをセットする(ステップS821)。変動中楽曲フラグは、変動中出力音が変動中楽曲に決定されていることを示すフラグである。
特定の非公開操作が検出されない場合(ステップS815にてNO)、あるいは、一定時間内に変動中楽曲の選択がない場合(ステップS819にてNO)、演出制御用CPU101は、「通常音」を変動中出力音に決定する(ステップS822)。ここで、通常音とは、大当り中に出力可能な特別楽曲A〜Fのいずれともメロディ(旋律)が異なるように予め設定された音である。通常音が変動中出力音に決定されたことに応じて、演出制御用CPU101は、変動中楽曲フラグをリセットする(ステップS823)。
一方、変動中楽曲フラグがセットされている場合(ステップS814にてYES)、すなわち変動中出力音が変動中楽曲に決定されている場合、演出制御用CPU101は、無変動期間が基準期間(たとえば5分)を超えたか否かを判定する(ステップS824)。無変動期間が基準期間を超えた場合(ステップS824にてYES、たとえば遊技者が遊技を止めてから基準期間が経過した場合)、演出制御用CPU101は、変動中出力音を変動中楽曲から通常音に戻し(ステップS822)、変動中楽曲フラグをリセットする(ステップS823)。
無変動期間が基準期間を超えていない場合(ステップS824にてNO)、演出制御用CPU101は、そのまま処理を終了する。したがって、変動中楽曲フラグがセットされた状態(なわち変動中出力音が変動中楽曲に決定されている状態)がそのまま維持される。
図27は、図23に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、まず、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(ステップS8001)。次いで、演出制御用CPU101は、ステップS8001で読み出した変動パターンコマンド、および表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS8002)。すなわち、演出制御用CPU101によってステップS8002の処理が実行されることによって、可変表示パターン決定手段が決定した可変表示パターン(変動パターン)に応じて、識別情報の可変表示の表示結果(演出図柄の停止図柄)を決定する表示結果決定手段が実現される。このとき、変動パターンコマンドで大当りが指定されている場合には、左図柄、中図柄、右図柄として同一の図柄を決定する。その際、例えば、通常大当りであれば偶数の図柄を決定する一方、確変大当りであれば奇数の図柄を決定するようにしてもよい。また、変動パターンコマンドでリーチはずれが指定されている場合には、左図柄および右図柄に同一の図柄を決定するとともに、中図柄には該同一の図柄とは異なる図柄を決定する。また、変動パターンコマンドでリーチ無しはずれが指定されている場合には、全図柄とも一致しないような図柄を決定する。なお、変動パターンコマンドで擬似連が指定されている場合には、演出制御用CPU101は、擬似連中の仮停止図柄としてチャンス目図柄(例えば、「223」や「445」のように、リーチとならないものの大当り図柄と1つ図柄がずれている図柄の組み合わせ)も決定する。なお、演出制御用CPU101は、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。
次いで、演出制御用CPU101は、第2飾り図柄の変動表示中に演出表示装置9において予告演出(例えば、ステップアップ予告演出や、モチーフ表示予告演出、群予告演出、ボタン予告演出、ミニキャラ予告演出)を実行するか否かを決定したり予告演出の演出態様を設定する予告演出設定処理を実行する(ステップS8003)。
次いで、演出制御用CPU101は、変動パターン、予告演出を実行する場合にはその予告演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS8004)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS8005)。
図28は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、および音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等(演出図柄の表示態様の他に演出表示装置9の表示画面における演出図柄以外の演出態様を含む。)が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その演出態様での演出時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている態様で演出図柄を表示させるとともに表示画面に表示されるキャラクタ画像や背景を表示させる制御を行う。また、ランプ制御実行データおよび音番号データに設定されている態様で発光体の点滅を制御するとともに、スピーカ27からの音出力を制御する。
図28に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンや予告演出の内容に応じて用意されている。なお、ステップS8003の処理で予告演出を実行することに決定されている場合には、予告演出に対応したデータが設定されてプロセステーブルを選択し、予告演出を実行することに決定されていない場合には、予告演出に対応したデータが設定されていないプロセステーブルを選択する。
また、リーチ演出を伴う変動パターンについて演出制御を実行する場合に用いられるプロセステーブルには、変動開始から所定時間が経過したときに左図柄を停止表示させ、さらに所定時間が経過すると右図柄を停止表示させることを示すプロセスデータが設定されている。なお、停止表示させる図柄をプロセステーブルに設定するのではなく、決定された停止図柄、擬似連や滑り演出における仮停止図柄に応じて、図柄を表示するための画像を合成して生成するようにしてもよい。
その後、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1、および図24のステップS820またはステップS822で決定された変動中出力音(変動中楽曲または通常音)の内容に従って、スピーカ27を含む演出装置を制御する(ステップS8007)。なお、変動中出力音の内容は、プロセスデータに含まれる音番号データよりも優先される。つまり、スピーカ27からは、変動中出力音(変動中楽曲または通常音)が出力される。
遊技者が無変動期間中に特定の非公開操作を行なっていない場合、可変表示中には、大当り中に選択可能な特別楽曲とはメロディが異なる「通常音」が出力される。
一方、遊技者が無変動期間中に特定の非公開操作を行なった場合(より正確にはさらに変動中楽曲を選択した場合)、可変表示中には、大当り中に選択可能な特別楽曲のうちから選択された「変動中楽曲」が出力される。すなわち、遊技者は、無変動期間中に特定の非公開操作を行なうことによって、通常では大当り中にしか聴けない特別楽曲を、可変表示中にも聴けるようになる。そのため、遊技の興趣を効果的に向上させることができる。
なお、変動中に出力される変動中楽曲は、特別楽曲と微差があってもよい。すなわち、たとえば変動中楽曲として「特別楽曲A」が選択された場合、変動中楽曲は、特別楽曲Aと少なくともメロディが同じものであればよく、音量、音質、テンポ、歌詞の有無などのメロディ以外の要素が特別楽曲Aと異なるものであってもよい。また、大当り中と変動中とでランプの表示態様を異ならせるようにしてもよい。
本実施の形態においては、変動中楽曲の音量は、大当り中に出力される特別楽曲の音量よりも小さくなるように制御される。具体的には、演出制御用CPU101は、音声出力基板70に、変動中楽曲の音量を、大当り中に出力される特別楽曲の音量よりも小さくする制御信号を送信する。
図29は、大当り状態中および変動中の音演出およびランプ演出を説明するためのタイミングチャートである。図29を参照して、変動中出力音として変動中楽曲(特別楽曲)が選択された場合には、変動中には、大当り中に出力される特別楽曲のいずれかと同じ音データが用いられて音演出の実行が、図27のステップS8007から開始される。一方、ランプ演出については、変動中には、変動パターンに対応するプロセスデータに基づいて、大当り中に用いられるランプデータDとは異なるランプデータCが用いられて、図27のステップS8007から演出の実行が開始される。なお、ここでは、ランプデータDは、ランプを虹色(レインボー)に光らせる演出態様のデータであり、ランプデータCは、ランプを虹色以外に光らせる演出態様のデータであることとするが、これに限定されず、ランプデータCは、ランプデータDと異なる発光パターンで発光させるデータであればよい。
なお、変動中は、大当り状態になるか否か不確定である点で、遊技者にとって不利な状態である。一方、大当り状態中は、遊技者にとって有利な状態である。
このように、スピーカ27により大当り状態中に実行される特別楽曲を可変表示中にも出力させることができるとともに、枠LED28などのランプによる演出は、大当り状態中にスピーカ27により特別楽曲が出力されるときと変動中にスピーカ27により特別楽曲が出力されるときとで、異なる態様で実行される。このため、変動中に遊技の興趣を効果的に向上させることができるとともに、変動中に大当り状態中であると遊技者に誤認させることを防止することができる。
図30は、第1特別図柄および第2特別図柄の変動中の音演出およびランプ演出を説明するためのタイミングチャートである。図30を参照して、本実施の形態においては、第1特別図柄の変動中と第2特別図柄の変動中とで同じ音データが用いられて音演出が実行される場合がある。この場合であっても、ランプ演出については、第1特別図柄および第2特別図柄の変動のそれぞれの変動パターンに対応するプロセスデータに基づいてランプデータEおよびランプデータEとは異なるランプデータFが用いられて、図27のステップS8007から演出の実行が開始される。
なお、図11(D)および図11(E)で示したように、第2特別図柄の方が第1特別図柄よりも、出玉が多い大当りになる確率が高い点で、遊技者にとって有利な状態である。なお、確変大当りになる確率が高い点で、遊技者にとって有利であってもよい。
図31は、高ベース100回および30回の場合の変動中の音演出およびランプ演出を説明するためのタイミングチャートである。図31を参照して、本実施の形態においては、高ベース100回および30回(前述したように、それぞれ確変大当りおよび通常大当りの後の時短状態)の場合の変動中で同じ音データが用いられて音演出が実行される場合がある。この場合であっても、ランプ演出については、高ベース100回および30回の場合の変動のそれぞれの変動パターンに対応するプロセスデータに基づいてランプデータGおよびランプデータGとは異なるランプデータHが用いられて、図27のステップS8007から演出の実行が開始される。
なお、高ベース100回の方が30回よりも、時短状態の期間が長い点で、遊技者にとって有利な状態である。
図32は、イントロ予告および歌リーチにおける音演出およびランプ演出を説明するためのタイミングチャートである。図32を参照して、イントロ予告は、変動中の第1の期間で行なわれる演出であり、楽曲のイントロ(イントロダクション、前奏部、導入部)の部分を出力する演出である。また、イントロ予告は、当該楽曲の歌リーチになる可能性があることを予告する演出である。歌リーチは、第1の期間の後の変動中の第2の期間で行なわれる演出であり、楽曲のイントロ以降の部分(たとえば、歌の部分)を出力する演出であり、演出図柄がリーチ状態となったときに実行され、大当りとなる可能性があることを予告する演出である。
この場合は、イントロ予告および歌リーチは、同じ楽曲であるので、同じ音データの異なる部分のデータがそれぞれ用いられて音演出が実行される。この場合であっても、ランプ演出については、イントロ予告および歌リーチの変動の変動パターンに対する同じプロセスデータに含まれる異なる発光パターンのランプデータIおよびランプデータJが用いられて、図27のステップS8007から演出の実行が開始される。
なお、イントロ予告が実行されても歌リーチが実行されるとは限らない点で、歌リーチの方がイントロ予告よりも遊技者にとって有利な状態である。また、イントロ予告から歌リーチにはシームレスに移行する。
このように、不利な状態において、有利な状態と同様の演出態様で音演出が実行される。また、ランプ演出については、有利な状態と不利な状態とで異なる演出態様で実行される。このため、遊技者にとって不利な状態における演出効果を向上させつつ、有利な状態または不利な状態であるとの遊技者の錯覚を防止することができる。その結果、遊技の興趣を向上させることができる。
図27に戻って、次いで、演出制御用CPU101は、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(ステップS8009)。そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にする(ステップS8010)。
図33は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、まず、プロセスタイマの値を1減算するとともに(ステップS8101)、変動時間タイマの値を1減算する(ステップS8102)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS8103)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してスタートさせる(ステップS8104)。
その後、演出制御用CPU101は、リーチ中であるか否かを判定し(ステップS8106)、リーチ中でなかった場合、次のプロセスデータ、および図24のステップS820またはステップS822で決定された変動中出力音(変動中楽曲または通常音)の内容に従って、演出装置を制御する(ステップS8107)。ステップS8106においてリーチ中である場合、次のプロセスデータの内容にもとづいて演出装置を制御(ステップS8108)。これにより、リーチが発生した場合に、変動中出力音ではなく、リーチに対応した音声を出力することができる。
そして、演出制御用CPU101は、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS8112)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS8113)。
図34は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、演出制御用CPU101は、演出図柄の停止図柄を表示していることを示す停止図柄表示フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS861)。そして、停止図柄表示フラグがセットされていれば、演出制御用CPU101は、ステップS867に移行する。この実施の形態では、後述するように、演出図柄の停止図柄として大当り図柄を表示した場合には、ステップS866で停止図柄表示フラグがセットされる。そして、ファンファーレ演出を実行するときにステップS868で停止図柄表示フラグがリセットされる。従って、ステップS861で停止図柄表示フラグがセットされているということは、大当り図柄または小当り図柄を停止表示したもののファンファーレ演出をまだ実行していない段階であるので、ステップS862の演出図柄の停止図柄を表示する処理を重ねて実行することなく、ステップS867に移行する。
停止図柄表示フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、記憶されている停止図柄(はずれ図柄、大当り図柄、または小当り図柄)を停止表示させる制御を行う(ステップS862)。なお、演出制御用CPU101は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの図柄確定指定コマンドの受信に応じて演出図柄を停止表示する制御を行うようにしてもよい。
次いで、ステップS862で大当り図柄および小当り図柄のいずれも表示しない場合(すなわち、はずれ図柄を表示する場合:ステップS863のN)は、演出制御用CPU101は、所定のフラグをリセットする(ステップS864)。例えば、演出制御用CPU101は、表示結果指定コマンド受信フラグなどのコマンド受信フラグをリセットする。なお、演出制御用CPU101は、コマンド受信フラグを演出制御プロセス処理や第4図柄プロセス処理において参照されたあと直ぐにリセットするようにしてもよい(例えば、変動パターンコマンド受信フラグを確認すると直ちに変動パターンコマンド受信フラグをリセットするようにしてもよい)。そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS865)。
ステップS862で大当り図柄または小当り図柄を表示する場合には(ステップS863のY)、演出制御用CPU101は、大当りの連続して実行された回数(いわゆる連チャン回数)に応じた長さの効果音(ピキーン音)の特定チャンネルでの出力を開始させる(ステップS863A)。
図35は、変動終了から大当りが開始されるまでの音を再生する音声チャンネルの用いられ方を説明するためのタイミングチャートである。図35を参照して、前述したように、音声出力基板70の音声合成用IC703には、音声を再生するための音声チャンネルが、複数、設けられている。図柄の変動中時間から大当りが発生を報知するファンファーレ時間に掛けては、図柄が大当り図柄で揃ってからファンファーレ時間が開始するまでの図柄確定時間において図柄確定中BGM(background music)を出力するためにチャンネルBが用いられ、ファンファーレ時間においてファンファーレBGMを出力するためにチャンネルCが用いられる。
従来は、このように、制御状態を跨いで音声が出力される場合には、前の制御状態と後の制御状態とで異なる音声チャンネルを用いて音声を出力するようにしていた。このように制御状態を跨ぐ場合に、2つの音声チャンネルで音声が連続して出力されるように制御する必要がある。このため、制御が複雑になり、音声の出力に問題が生じ得る。また、どちらの音声チャンネルで連続する音声のどの部分を出力するかを予め定めておく必要があるため、音声の出力の自由度が限定されてしまう。
しかし、本実施の形態においては、制御状態が変わる少し前から、連チャン回数に応じた長さのピキーン音を出力する。たとえば、変動中の制御状態から大当り中の制御状態に変わるときに、初当り時には「ピキーン」といった音声を出力し、3連チャン時には「ピキピキピキーン」といった音声を出力する。このため、ピキーン音が制御状態を跨ぐ状況が生じ得る。
このような制御状態を跨ぐ状況において、連チャン回数に応じた長さが変わるピキーン音を、1つの音声チャンネル(チャンネルA)を用いて出力する。これにより、有限数の音声チャンネルの数を節約することができ、音声チャンネルを有効に利用することができる。また、制御が容易になるので、音声の出力に問題が生じ難くなる。さらに、音声の出力の自由度を向上させることができる。
図34に戻って、ステップS863Aの後、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをセットし(ステップS866)、ファンファーレフラグ(大当り開始1指定コマンド受信フラグ、大当り開始2指定コマンド受信フラグ、または小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグ)がセットされたか否か確認する(ステップS867)。ファンファーレフラグがセットされたときは(ステップS867のY)、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをリセットする(ステップS868)とともに、ファンファーレ演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS869)。そして、プロセスタイマをスタートさせる(ステップS870)。
次に、演出制御用CPU101は、特別楽曲フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS872)。特別楽曲フラグとは、上述のように、大当り中に出力される特別楽曲が選択されていることを示すフラグである。セットされていないと判定した場合(ステップS872でNOの場合)、演出制御用CPU101は、実行する処理をステップS871に進める。
一方、特別楽曲フラグが既にセットされている場合(ステップS872でYES)、すなわち以前の大当り中に遊技者が特別楽曲を選択していた場合、演出制御用CPU101は、その特別楽曲を再出力させる(ステップS873)。すなわち、大当り終了後に低確低ベースとならずに通常状態背景指定コマンドが受信されず特別楽曲フラグがセットされたまま残っていたときには、今回の大当りにおいて特別楽曲が新たに選択されるまで前回の大当り中に選択された楽曲を再出力することができる。なお、大当り終了時に特別楽曲フラグをリセットするようにした上で、ステップS872およびステップS873の処理を設けないようにしてもよい。
そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)に対応した値に設定する(ステップS871)。ただし、小当りである場合には、大当りではないのであるから、大当り表示処理(ステップS804)〜大当り終了演出処理(ステップS807)の大当り中の演出を実行するのではなく、ステップS869でセットしたプロセスデータに従って所定の演出期間にわたって小当り遊技に応じた演出を実行し、ステップS800の変動パターンコマンド受信待ち処理に戻るようにすることが好ましい。
演出図柄変動停止処理において演出図柄が停止されるときには、変動中出力音(変動中楽曲または通常音)の出力が停止される。なお、大当りまたは小当りでない場合には、変動中出力音の出力を停止せずに、出力し続けるようにしてもよい。たとえば、変動中出力音が変動中楽曲に決定されている場合においては、無変動期間が基準期間を超えて変動中出力音が通常音に切り替えられるまで、変動中楽曲を出力し続けてもよい。また、演出図柄の停止後、基準期間よりも短い期間(たとえば10秒間)だけ、決定されている変動中出力音を出力し続けるようにしてもよい。
図36は、演出制御プロセス処理における大当り表示処理(ステップS804)を示すフローチャートである。大当り表示処理において、演出制御用CPU101は、まず、大入賞口開放中表示コマンドを受信したことを示す大入賞口開放中フラグがセットされているか否か(すなわち、ラウンド1開始時の大入賞口開放中表示コマンドを受信したか否か)を確認する(ステップS1901)。大入賞口開放中フラグがセットされていないときは(ステップS1901のN)、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS1902)、特別楽曲フラグがセットされていなければ(ステップS2700)、プロセスデータnの内容に従って全ての演出装置(演出表示装置9、スピーカ27、枠LED28等)の制御を実行する(ステップS1903)。例えば、演出表示装置9において大当り図柄を表示するとともに、大当りが発生したことを示す文字やキャラクタなどを表示する演出が実行される。また、ステップS2700において特別楽曲フラグがセットされていれば、プロセスデータnの内容に従ってスピーカ27以外の演出装置(演出表示装置9、枠LED28等)の制御を実行する(ステップS2701)。これにより、特別楽曲および大当り演出の音声が重なって出力されることを防ぐことができる。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS1904)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS1905)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS1906)。
大入賞口開放中フラグがセットされているときは(ステップS1901のY)、すなわち、ラウンド1の開始タイミングとなっていれば、演出制御用CPU101は、未選択フラグをセットする(ステップS2702)。未選択フラグとは、大当り遊技状態において、特別楽曲の選択を実行していないことを示すフラグである。そして、大入賞口開放中フラグをリセットする(ステップS1907)。そして、演出制御用CPU101は、ラウンド中演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS1908)。そして、演出制御用CPU101は、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS1909)、特別楽曲フラグがセットされていなければ(ステップS2703)、プロセスデータ1の内容に従って全ての演出装置(演出表示装置9、スピーカ27、枠LED28等)の制御を実行する(ステップS2704)。また、ステップS2703において特別楽曲フラグがセットされていれば、プロセスデータ1の内容に従ってスピーカ27以外の演出装置(演出表示装置9、枠LED28等)の制御を実行する(ステップS2705)。これにより、特別楽曲およびラウンド中演出の音声が重なって出力されることを防ぐことができる。なお、特別楽曲フラグがセットされていれば、特別楽曲とラウンド中演出に対応した楽曲とを重畳して出力するものであってもよい。その際、ラウンド中演出に対応した楽曲の音量を小さくして出力することにより、特別楽曲を遊技者に認識させるようなものであってもよい。その後、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に設定する(ステップS1910)。
図37は、16ラウンド大当り中および8ラウンド大当り中の音演出およびランプ演出を説明するためのタイミングチャートである。図37を参照して、本実施の形態においては、16ラウンドおよび8ラウンドの大当り中(前述したように、それぞれ、確変大当り中および通常大当り中)で同じ音データが用いられて音演出が実行される。この場合であっても、ランプ演出については、16ラウンドおよび8ラウンドの大当りのそれぞれの演出パターンに対応するプロセスデータに基づいてランプデータKおよびランプデータKとは異なるランプデータLが用いられて、図36のステップS2704またはステップS2705から演出の実行が開始される。
なお、16ラウンド大当りの方が8ラウンド大当りよりも、大当りのラウンド数が多い点で、遊技者にとって有利な状態である。
このように、不利な状態において、有利な状態と同様の演出態様で音演出が実行される。また、ランプ演出については、有利な状態と不利な状態とで異なる演出態様で実行される。このため、遊技者にとって不利な状態における演出効果を向上させつつ、有利な状態または不利な状態であるとの遊技者の錯覚を防止することができる。その結果、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、ここでは、16ラウンド大当りおよび8ラウンド大当りがそれぞれ有利な状態および不利な状態であるとして、それぞれ、同様の音データおよび異なるランプデータを用いて演出を行なうことについて説明した。しかし、これに限定されず、確変大当りおよび通常大当りがそれぞれ有利な状態および不利な状態であるとしてもよいし。
図38は、演出制御プロセス処理におけるラウンド中処理(ステップS805)を示すフローチャートである。ラウンド中処理において、演出制御用CPU101は、まず、大入賞口開放後指定コマンドを受信したことを示す大入賞口開放後フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS2801)。
大入賞口開放後フラグがセットされていないときは(ステップS2801のN)、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS2802)、特別楽曲フラグがセットされていなければ(ステップS2803)、プロセスデータnの内容に従って全ての演出装置(演出表示装置9、スピーカ27、枠LED28等)の制御を実行する(ステップS2804)。例えば、通常用のラウンド中演出を実行する場合には、演出表示装置9において大当り表示図柄を表示するとともに、ラウンド数を示す文字やその他のキャラクタなどを表示する演出が実行される。また、例えば、高速用のラウンド中演出を実行する場合には、演出表示装置9において大当り表示図柄を表示するとともに、その他のキャラクタなどを表示する演出が実行される(ただし、ラウンド数表示や大入賞口への入賞数の表示は行わない)。また、例えば、点灯用のラウンド中演出を実行する場合には、演出表示装置9の表示画面において所定数の入賞ごとにリング状に赤表示や青表示を点灯させていくような態様の演出が実行され、ラウンド数表示や大入賞口への入賞数の表示は行われない。また、例えば、継続用のラウンド中演出を実行する場合には、キャラクタなどを登場させるなどして大当りが継続する可能性があることを示唆する演出を行うとともに、継続成功演出を実行する場合であれば大当り継続に成功した旨の表示を行い、継続失敗演出を実行する場合であれば大当り継続に失敗した旨の表示を行う。また、ステップS2803において特別楽曲フラグがセットされていれば、プロセスデータnの内容に従ってスピーカ27以外の演出装置(演出表示装置9、枠LED28等)の制御を実行する(ステップS2805)。なお、特別楽曲フラグがセットされている場合、特別楽曲とラウンド中に対応した楽曲とを重畳して出力するものであってもよい。その際、例えば、ラウンド中に対応した楽曲の音量を小さくして出力することにより、特別楽曲を遊技者に認識させるようなものであってもよい。
次に、演出制御用CPU101は、発生中の大当りの種別が突然確変大当りであるか否かを判定し(ステップS2806)、突然確変大当りである場合、ステップS2810へ移行する。確変大当りまたは通常大当りである場合、継続回数Kが「1」であるか否かを判定し(ステップS2807)、「1」であれば初当り中処理を実行する(ステップS2808)。初当り中処理は、通常状態において確変大当りまたは通常大当りが発生した際に行う処理であり、特別楽曲の選曲方法を遊技者に指定させるための処理である。その詳細は、図39に後述する。また、ステップS2807において、継続回数Kが「1」でなければ継続中処理を実行する(ステップS2809)。継続中処理は、確変状態または時短状態において確変大当りまたは通常大当りが発生した際に行う処理であり、特別楽曲を選択するための処理である。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS2810)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS2811)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS2812)。
ステップS2801において大入賞口開放後フラグがセットされているときは(ステップS2801のY)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放後フラグをリセットする(ステップS2813)。そして、インターバル演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS2814)。
そして、演出制御用CPU101は、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS2815)、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(ステップS806)に対応した値に設定する(ステップS2816)。
次に、図39は、初当り中処理を示すフローチャートである。初当り中処理において、まず、演出制御用CPU101は、未選択フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS2901)、セットされていない場合、すなわち、既に特別楽曲の選択を行った場合、そのまま初当り中処理を終了する。セットされている場合、操作有効期間が終了したか否かを判定する(ステップS2902)。操作有効期間は所定のタイミングに設けられており、遊技者から選曲方法の指定を受付可能となっている。その際、遊技者選択が指定された場合は、楽曲の選択も該操作有効期間において受け付けるものである。なお、具体的には、チャンスボタン120、トリガボタン121、スティックコントローラ122の操作桿などへの操作を検出することにより、遊技者からの操作を受け付ける。なお、本実施の形態では、第1ラウンドの開始時点から操作有効期間が開始されるものとする。そのとき、例えば、いずれかの特別楽曲か、ランダム演出とするかに、カーソルを合わせ指定できるように画面表示されている。操作有効期間が終了していない場合(ステップS2902でNOの場合)、演出制御用CPU101は、図54、図55で後述する特定演出モードであるか否かを判定する(ステップS2902A)。特定演出モードであると判定した場合(ステップS2902AでYESの場合)、遊技者から操作を受け付けたか否かを判定し(ステップS2903)、受け付けていない場合(ステップS2903でNOの場合)、そのまま初当り中処理を終了する。
遊技者から操作を受け付けた場合(ステップS2903でYESの場合)、ランダム選曲の指示を受け付けていれば(ステップS2904)、ランダムフラグをセットする(ステップS2905)。ランダムフラグは、ランダム選曲を行うことを示すフラグである。次に、複数の楽曲選択テーブルのうち第1楽曲選択テーブルを選択し(ステップS2906)、出力する楽曲を選択するための楽曲抽選を行う(ステップS2907)。その際、具体的には、楽曲抽選乱数を取得し、取得した乱数値と選択した楽曲選択テーブルとを比較することにより、楽曲を選択する。楽曲抽選乱数は、楽曲抽選をおこなうための乱数であり、本実施の形態では、楽曲抽選を実行するタイミングで取得するものとするが、取得するタイミングは、始動入賞時や、図柄停止時など、いずれのタイミングであってもよい。また、本実施の形態において、楽曲抽選乱数の乱数値は0〜299のうちいずれかである。
ここで、図40、図41を用いて、本実施の形態における楽曲選択テーブルについて説明する。各楽曲選択テーブルには、楽曲毎に対応付けられた判定値と、その選択割合の情報が含まれている。また、本実施の形態における楽曲選択テーブルには、図40に示す継続回数Kの値に応じて追加された楽曲を含めた楽曲毎の選択割合が均一な楽曲選択テーブルと、図41に示す継続回数Kの値に応じて追加された楽曲の選択割合が他の楽曲の選択割合と不均一な特殊楽曲選択テーブルとがある。
図40は、楽曲選択テーブルを示す説明図である。本実施の形態において、継続回数Kの範囲毎に4種類の楽曲選択テーブルが設けられている。例えば、第1楽曲選択テーブルは、継続回数Kの値が1〜5のいずれかであるときの楽曲抽選に用いられる楽曲選択テーブルである。具体的には、取得した楽曲抽選乱数の乱数値が0〜99のいずれかであれば楽曲Aが、100〜199のいずれかであれば楽曲Bが、200〜299のいずれかであれば楽曲Cが、選択される。このように、第1楽曲選択テーブルが用いられた楽曲抽選では、楽曲A〜Cが100/300ずつの割合で選択されるよう構成されている。
また、例えば、第2楽曲選択テーブルは、継続回数Kの値が7〜10のいずれかであるときの楽曲抽選と、継続回数Kの値が6である場合の2回目以降の楽曲抽選(継続回数Kの値が6である場合の1回目の楽曲抽選には、第1特殊楽曲選択テーブルが用いられる)に用いられる楽曲選択テーブルである。具体的には、取得した楽曲抽選乱数の乱数値が0〜74のいずれかであれば楽曲Aが、75〜149のいずれかであれば楽曲Bが、150〜224のいずれかであれば楽曲Cが、225〜299のいずれかであれば楽曲Dが、選択される。このように、第2楽曲選択テーブルが用いられた楽曲抽選では、楽曲A〜Dが75/300ずつの割合で選択されるよう構成されている。本実施の形態では、継続回数Kの値が6である場合、大当り遊技状態の第1ラウンドにて最初に出力する特別楽曲を選択するときには、図41に示す第1特殊楽曲選択テーブルを用いて楽曲抽選を行う一方、次の大当りが発生するよりも前に特別楽曲の出力が終了した時点で次に出力する楽曲を選択するときには、図40に示した第2楽曲選択テーブルを用いて楽曲抽選を行う。なお、本実施の形態では、ランダム抽選が設定されている場合、特別楽曲の出力が終了する毎に楽曲抽選を行うこととしたが、決定された特別楽曲が繰り返し出力されることとしてもよく、その場合、継続回数Kの値が6である状態の楽曲抽選では第1特殊楽曲選択テーブルを用いることとなるため、第2楽曲選択テーブルは、継続回数Kが7以上10以下の場合に選択される楽曲選択テーブルとなる。
同様に、第3楽曲選択テーブルは、継続回数Kの値が12〜15のいずれかであるときの楽曲抽選と、継続回数Kの値が11である場合の2回目以降の楽曲抽選(継続回数Kの値が11である場合の1回目の楽曲抽選には、第2特殊楽曲選択テーブルが用いられる)に用いられる楽曲選択テーブルである。第3楽曲選択テーブルが用いられた楽曲抽選では、楽曲A〜Eが60/300ずつの割合で選択される。本実施の形態では、継続回数Kの値が11である場合、大当り遊技状態の第1ラウンドにて最初に出力する特別楽曲を選択するときには、図41に示す第2特殊楽曲選択テーブルを用いて楽曲抽選を行う一方、次の大当りが発生するよりも前に特別楽曲の出力が終了した時点で次に出力する楽曲を選択するときには、図40に示した第3楽曲選択テーブルを用いて楽曲抽選を行う。
また、第4楽曲選択テーブルは、継続回数Kの値が17以上のいずれかであるときの楽曲抽選と、継続回数Kの値が16である場合の2回目以降の楽曲抽選(継続回数Kの値が16である場合の1回目の楽曲抽選には、第3特殊楽曲選択テーブルが用いられる)に用いられる楽曲選択テーブルである。第4楽曲選択テーブルが用いられた楽曲抽選では、楽曲A〜Fが50/300ずつの割合で選択されるよう構成されている。本実施の形態では、継続回数Kの値が16である場合、大当り遊技状態の第1ラウンドにて最初に出力する特別楽曲を選択するときには、図41に示す第3特殊楽曲選択テーブルを用いて楽曲抽選を行う一方、次の大当りが発生するよりも前に特別楽曲の出力が終了した時点で次に出力する楽曲を選択するときには、図40に示した第4楽曲選択テーブルを用いて楽曲抽選を行う。このように、継続回数Kの値が大きくなるとともに、選択可能な楽曲が追加される構成となっている。
なお、上述の図25に示した変動中選択可能楽曲は、継続回数Kの値に応じて、図40に示す第1〜第4楽曲選択テーブルにおいて選択可能な楽曲のうちから抽出される。たとえば、継続回数Kの値が1〜5のいずれかであるときの変動中選択可能楽曲は、図39に示す第1楽曲選択テーブルにて選択可能な楽曲A〜Cのうちから抽出される。継続回数Kの値が6以上である場合も同様である。
図41は、特殊楽曲選択テーブルを示す説明図である。本実施の形態において、継続回数Kの範囲に3種類の特殊楽曲選択テーブルが設けられている。例えば、第1特殊楽曲選択テーブルは、継続回数Kの値が6であるの場合の1回目の楽曲抽選に用いられる特殊楽曲選択テーブルである。具体的には、取得した楽曲抽選乱数の乱数値が0〜49のいずれかであれば楽曲Aが、50〜99のいずれかであれば楽曲Bが、100〜149のいずれかであれば楽曲Cが、150〜299のいずれかであれば楽曲Dが、選択される。このように、第1特殊楽曲選択テーブルが用いられた楽曲抽選では、楽曲A〜Cが50/300ずつの割合で、楽曲Dが150/300の割合で、選択されるよう構成されている。
また、例えば、第2特殊楽曲選択テーブルは、継続回数Kの値が11であるの場合の1回目の楽曲抽選に用いられる特殊楽曲選択テーブルである。具体的には、取得した楽曲抽選乱数の乱数値が0〜49のいずれかであれば楽曲Aが、50〜99のいずれかであれば楽曲Bが、100〜149のいずれかであれば楽曲Cが、150〜199のいずれかであれば楽曲Dが、200〜299のいずれかであれば楽曲Eが、選択される。このように、第2特殊楽曲選択テーブルが用いられた楽曲抽選では、楽曲A〜Dが50/300ずつの割合で、楽曲Eが100/300の割合で、選択されるよう構成されている。
また、例えば、第3特殊楽曲選択テーブルは、継続回数Kの値が16であるの場合の1回目の楽曲抽選に用いられる特殊楽曲選択テーブルである。具体的には、取得した楽曲抽選乱数の乱数値が0〜39のいずれかであれば楽曲Aが、40〜79のいずれかであれば楽曲Bが、80〜119のいずれかであれば楽曲Cが、120〜159のいずれかであれば楽曲Dが、160〜199のいずれかであれば楽曲Eが、200〜299のいずれかであれば楽曲Fが、選択される。このように、第3特殊楽曲選択テーブルが用いられた楽曲抽選では、楽曲A〜Eが40/300ずつの割合で、楽曲Fが100/300の割合で、選択されるよう構成されている。このように、特殊楽曲選択テーブルでは、新たに追加された楽曲が選択され易いように構成されている。なお、新たに追加された楽曲が必ず選択されるよう構成された楽曲選択テーブル(すなわち、300/300の割合で新たに追加された楽曲が選択されるテーブル)を用いるものであってもよい。
ステップS2904においてランダム抽選の指示を受け付けなかった場合、すなわち、遊技者選択が指定されて楽曲が指定された場合、演出制御用CPU101は、選択された特別楽曲を出力する楽曲として決定する(ステップS2908)。ステップS2907またはS2908の後、演出制御用CPU101は、ステップS2907またはS2908で決定した楽曲を記憶する(ステップS2909)。なお、本実施の形態では、大当り遊技状態の第2ラウンドから楽曲の出力を開始するため、ステップS2909にて楽曲を一旦記憶し、記憶した楽曲の出力を第2ラウンドにて行うこととしたが、仮に第1ラウンドから出力することとする場合、ステップS2907またはS2908にて決定した楽曲の出力をステップS2909のタイミングで行うものとしてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、未選択フラグをリセットする(ステップS2910)。また、操作有効期間を終了した場合(ステップS2902でYESの場合)、および、特定演出モードでないと判定した場合(ステップS2902AでNOの場合)、演出制御用CPU101は、実行する処理をステップS2905の処理に進める。これにより、操作有効期間が終了するまで遊技者から操作を受け付けなかった場合および特定演出モードでない場合に、強制的にランダム選択を決定するものとしている。なお、操作有効期間中に遊技者から操作を受け付けなかった場合および特定演出モードでない場合、特別楽曲を出力しないものとしてもよい。
図42は、継続中処理を示すフローチャートである。継続中処理において、まず、演出制御用CPU101は、未選択フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS3200)、セットされていない場合、そのまま継続中処理を終了する。セットされている場合、ランダムフラグがセットされているか否かを判定する(ステップS3201)。ランダムフラグがセットされている場合(ステップS3201でYESの場合)、すなわち、既にランダム選曲が指定されている場合、ステップS3206へ移行し、ランダム選曲を行う。
ランダムフラグがセットされていない場合(ステップS3201でNOの場合)、操作有効期間が終了したか否かを判定する(ステップS3202)。操作有効期間が終了していない場合、遊技者から操作を受け付けたか否かを判定し(ステップS3203)、受け付けていない場合、そのまま継続中処理を終了する。
遊技者から操作を受け付けた場合(ステップS3202でNOの場合)、演出制御用CPU101は、特定演出モードであるか否かを判定する(ステップS3202A)。特定演出モードであると判定した場合(ステップS3202AでYESの場合)、ランダム選曲の指示を受け付けていれば(ステップS3204)、ランダムフラグをセットする(ステップS3205)。なお、本実施の形態では、遊技者選択が設定されている状態で大当りが発生した場合、第1ラウンドにてランダム選択への切替を可能としたが、切替不能としてもよい。また、ランダム選択が設定されている状態で大当りが発生した場合には、第1ラウンドにて遊技者選択への切替を行わないこととしたが、これに限るものではなく、遊技者選択への切替を可能としたものであってもよい。
次に、演出制御用CPU101は、継続回数Kが「6」、「11」、「16」のいずれかである場合(ステップS3206でYESの場合)、継続回数Kに応じた特殊楽曲選択テーブルを選択する(ステップS3207)。また、継続回数Kが「6」、「11」、「16」のいずれかではない場合(ステップS3206でNOの場合)、継続回数Kに応じた楽曲選択テーブルを選択する(ステップS3208)。そして、楽曲抽選を行う(ステップS3209)。ステップS3204においてランダム抽選の指示を受け付けなかった場合、すなわち、遊技者選択が指定されて楽曲が指定された場合、演出制御用CPU101は、選択された楽曲を、出力する楽曲として決定する(ステップS3210)。ステップS3209またはS3210の後、演出制御用CPU101は、ステップS3209またはS3210で決定した楽曲を記憶し(ステップS3211)、未選択フラグをリセットする(ステップS3212)。また、操作有効期間を終了した場合(ステップS3202でYESの場合)、および、特定演出モードでないと判定した場合(ステップS3202AでNOの場合)、演出制御用CPU101は、実行する処理をステップS3205の処理に進める。これにより、操作有効期間が終了するまで遊技者から操作を受け付けなかった場合および特定演出モードでない場合に、強制的にランダム選択を決定するものとしているが、これに限るものではなく、例えば、前回に選択された特別楽曲を再度選択するものとしてもよいし、特別楽曲を出力しないようなものであってもよい。
なお、操作有効期間が第1ラウンド中に設けられていることにより、大当り表示処理においてセットされた未選択フラグは第1ラウンド中にリセットされることとなる。すなわち、初当り中処理におけるステップS2902〜S2910および継続中処理におけるステップS3201〜S3212は、第1ラウンドでのみ実行可能な処理となっている。従って、ステップS3206において継続回数Kが「6」、「11」、「16」のいずれかである場合とは、継続回数Kが「6」、「11」、「16」のいずれかの大当りの第1ラウンドであるということであり、すなわち、特別楽曲の選択肢が追加されたときの楽曲抽選である。そのため、ステップS3207において継続回数Kおよび時期に応じた特殊楽曲選択テーブルを選択することにより、特別楽曲の選択肢が追加されたときに、追加された特別楽曲の方が追加された特別楽曲以外よりも高い構成となっている。これにより、新たに追加された楽曲の楽曲演出が実行され易く、折角追加された選択肢がなかなか選択されないことを防止し、演出効果の向上を図ることができる。
図43および図44は、演出制御プロセス処理におけるラウンド後処理(ステップS806)を示すフローチャートである。ラウンド後処理において、演出制御用CPU101は、まず、大当り終了指定コマンド受信フラグ(具体的には、大当り終了1指定コマンド受信フラグ、大当り終了2指定コマンド受信フラグ、または小当り/突然確変大当り終了指定コマンド受信フラグ)がセットされているか否かを確認する(ステップS3901)。大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされていないときは(ステップS3901のN)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中指定コマンドを受信したことを示す大入賞口開放中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS3902)。大入賞口開放中フラグがセットされていないときは(ステップS3902のN)、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算する(ステップS3903)。
そして、特別楽曲フラグがセットされていれば(ステップS3301)、プロセスデータnの内容に従ってスピーカ27以外の演出装置(演出表示装置9、LED25,28等)の制御を実行する(ステップS3302)。なお、特別楽曲フラグがセットされていれば、特別楽曲とインターバル中に対応した楽曲とを重畳して出力するものであってもよい。その際、例えば、インターバル中に対応した楽曲の音量を小さくして出力することにより、特別楽曲を遊技者に認識させるようなものであってもよい。ステップS3301において特別楽曲フラグがセットされていなければ、プロセスデータnの内容に従って全ての演出装置(演出表示装置9、スピーカ27、LED25,28等)の制御を実行する(ステップS3303)。例えば、通常用のインターバル演出を実行する場合には、演出表示装置9において大当り表示図柄を表示するとともに、所定のキャラクタなどを表示する演出が実行される。また、例えば、高速用のインターバル演出を実行する場合には、演出表示装置9において大当り表示図柄を表示するとともに、その他のキャラクタなどを表示する演出が実行される(ただし、ラウンド数表示や大入賞口への入賞数の表示は行わない)。また、例えば、点灯用のインターバル演出を実行する場合には、演出表示装置9の表示画面において所定数の入賞ごとにリング状に赤表示や青表示を点灯させていくような態様の演出が実行され、ラウンド数表示や大入賞口への入賞数の表示は行われない。また、例えば、継続用のインターバル演出を実行する場合には、キャラクタなどを登場させるなどして大当りが継続する可能性があることを示唆する演出を行うとともに、継続成功演出を実行する場合であれば大当り継続に成功した旨の表示を行い、継続失敗演出を実行する場合であれば大当り継続に失敗した旨の表示を行う。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS3905)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS3906)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS3907)。
ステップS3902において、大入賞口開放中フラグがセットされているときは(ステップS3902のY)、演出制御用CPU101は、大当り種別が突然確変大当りであるか否かを判定する(ステップS3304)。なお、突然確変大当りであるか否かは、具体的には、表示結果指定コマンド格納領域に表示結果4指定コマンドが格納されているか否かを確認することにより判定できる。
突然確変大当りでない場合、第2ラウンドであるか否かを判定する(ステップS3305)。なお、第2ラウンドであるか否かは、具体的には、大入賞口開放中指定コマンド格納領域にいずれのラウンド数を示すコマンドが格納されているかを確認することにより判定できる。第2ラウンドであれば、選択した楽曲(すなわち、ステップS2909またはS3211にて記憶された楽曲)のプロセステーブルを読出し(ステップS3306)、楽曲用プロセスタイマをスタートさせ(ステップS3307)、音声データを音声出力基板70に出力し(ステップS3308)、特別楽曲フラグをセットする(ステップS3309)。これにより、本実施の形態では、大当り遊技状態における第2ラウンドから特別楽曲の出力を開始することとしている。また、ステップS3304にて突然確変大当りである場合(ステップS3304のY)、またはステップS3305にて第2ラウンドでない場合(ステップS3305のN)、ステップS3908へ移行する。
その後、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中フラグをリセットする(ステップS3908)。そして、演出制御用CPU101は、ラウンド中演出(ラウンドごとにラウンド数表示を行ったり大入賞口への入賞数を表示したりする演出)に応じたプロセスデータを選択する(ステップS3909)。そして、演出制御用CPU101は、プロセスタイマをスタートさせる(ステップS3910)。そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に設定する(ステップS3911)。
ステップS3901において大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされたときは(ステップS3901のY)、演出制御用CPU101は、大当り終了指定コマンド受信フラグをリセットする(ステップS3913)。次いで、演出制御用CPU101は、エンディング演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS3914)。また、演出制御用CPU101は、演出期間計測タイマをスタートさせるとともに、プロセスタイマをスタートさせる(ステップS3915)。そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(ステップS807)に対応した値に設定する(ステップS3916)。
図45は、選択方法切替処理を示す説明図である。選択方法切替処理は、図21のステップS706で大当り中において特別楽曲フラグがセットされている(ステップS706でYES)と判断された場合に、次のステップS707で実行される処理である。
選択方法切替処理において、演出制御用CPU101は、特定演出モードであるか否かを判定する(ステップS3500)。特定演出モードでないと判定した場合(ステップS3500でNOの場合)、演出制御用CPU101は、そのまま、この選択方法切替処理を終了する。特定演出モードであると判定した場合(ステップS3500でYESの場合)、演出制御用CPU101は、楽曲の選択指示を受け付けたか否かを判定する(ステップS3501)。楽曲の選択指示を受け付けていたら、出力する楽曲として、選択された楽曲を決定し(ステップS3502)、ランダムフラグをリセットする(ステップS3503)。
また、ステップS3501において、楽曲の選択を受け付けていない場合(ステップS3501のN)、ランダム選択への変更指示を受け付けたか否かを判定する(ステップS3504)。ランダム選択への変更指示も受け付けていない場合、そのまま、この選択方法切替処理を終了する。ランダム選択への変更指示を受け付けた場合、ランダムフラグをセットし(ステップS3505)、継続回数Kに応じた楽曲選択テーブルを選択し(ステップS3506)、選択した楽曲選択テーブルを用いて楽曲抽選を行う(ステップS3507)。
ステップS3503またはS3507の後、楽曲用プロセステーブルを選択し(ステップS3508)、楽曲用プロセスタイマをスタートさせ(ステップS3509)、音声データを音声出力基板70に出力する(ステップS3510)。これにより、遊技者から選曲方法の変更を受け付け可能な構成としている。なお、特別楽曲フラグがセットされている状態では、常に選択方法切替処理を実行可能としているが、実行タイミングを限るものであってもよく、例えば、所定演出の実行中や、客待ちデモンストレーション演出の実行中や、所定のラウンド(例えば、10ラウンド)中や、継続回数Kが所定の値であるとき(例えば、継続回数Kの値が10であるとき)の大当り中などに限るものとしてもよい。また、選択方法の切替が不可能なものであってもよい。
図46は、楽曲切替処理を示すフローチャートである。楽曲切替処理は、図21のステップS706で大当り中において特別楽曲フラグがセットされている(ステップS706でYES)と判断された場合に、ステップS707で図45で説明した選択方法切替処理が実行された後に、ステップS708で実行される処理である。
楽曲切替処理において、演出制御用CPU101は、楽曲用プロセスタイマから1を減算し(ステップS3601)、楽曲用プロセスタイマがタイムアウトしたか否かを判定する(ステップS3602)。タイムアウトしていない場合、そのまま楽曲切替処理を終了する。タイムアウトした場合、演出制御用CPU101は、最終プロセスデータであったか否かを判定し(ステップS3603)、最終プロセスデータでない場合、次のプロセスデータに切り替えて(ステップS3604)、ステップS3610へ移行する。また、最終プロセスデータであった場合は、演出制御用CPU101は、ランダムフラグがセットされているか否かを判定し(ステップS3605)、セットされている場合、継続回数Kに応じた楽曲選択テーブルを選択し(ステップS3606)、選択した楽曲選択テーブルを用いて楽曲抽選を行い(ステップS3607)、楽曲のプロセステーブルの読み出しを行う(ステップS3608)。
その後、演出制御用CPU101は、楽曲用プロセスタイマをスタートさせ(ステップS3610)、音声データを音声出力基板70に出力する(ステップS3611)。また、ランダムフラグがセットされていない場合、すなわち、遊技者選択が指定されている場合、同一の楽曲用のプロセステーブルをセットし(ステップS3609)、ステップS3610へ移行する。これにより、楽曲の再生が終了した際に、次の楽曲の再生が開始される構成となっている。このように、本実施の形態では、ランダム選曲が設定されている場合、楽曲の再生が終了する毎に楽曲抽選を行う一方、遊技者選択が設定されている場合、遊技者によって指定された楽曲を繰り返し再生するよう構成されているが、これに限るものではない。例えば、ランダム選曲が設定されている場合、ランダム選曲に設定されたときの楽曲抽選にて決定された特別楽曲が、次の大当りが開始されるまで繰り返し再生されることとしてもよい。
図47は、遊技時の音演出パターンを例示した図である。なお、図47は、大当り中に出力される特別楽曲が「楽曲A」に選択されている場合を例示している。
パターン(a)は、遊技者が非公開操作を行なっていない場合である。このパターン(a)では、変動中(可変表示中)には「通常音」が出力され、大当り中には「楽曲A」が出力される。すなわち、変動中には、大当り中に出力される「楽曲A」は出力されない。
パターン(b)は、遊技者が無変動期間中に非公開操作を行ない、かつ変動中楽曲として「楽曲A」を選択した場合を例示している。このパターン(b)では、非公開操作前の変動中には「通常音」が出力される。遊技者が無変動期間中に非公開操作を行なって変動中出力音を「通常音」から「楽曲A」に変更すると、その後の変動中には「楽曲A」が出力される。すなわち、遊技者は、無変動期間中に特定の非公開操作を行なうことによって、通常では大当り中にしか聴けない「楽曲A」を、変動中にも聴けるようになる。そのため、遊技の興趣を効果的に向上させることができる。
さらに、本実施の形態においては、非公開操作の受付期間を、無変動期間中に設定している。これにより、変動中出力音を通常音および特定音のどちらにするのかを変動開始前に決定することができる。そのため、変動中出力音を変動中に決定する場合に比べて、変動中の音出力制御が複雑になってしまうことを抑制できる。
また、パターン(b)では、変動中および大当り中に同じ「楽曲A」が出力されるが、変動中における楽曲Aの音量は、大当り中における楽曲Aの音量よりも小さい。したがって、変動中および大当り中に同じ「楽曲A」が出力される場合においても、遊技者は、楽曲Aの音量の大小によって、変動中であるのか大当り中であるのかを認識することができる。
また、パターン(b)に示すように、無変動期間が基準期間(たとえば5分)に亘って継続すると、変動中出力音が「楽曲A」から「通常音」に戻される。そのため、遊技者が入れ替わった後にも、変動中出力音が楽曲Aに変更されたままの状態(前遊技者に対する演出制御)が引き継がれてしまうことを抑制できる。
また、本実施の形態によるパチンコ遊技機1は、変動中出力音が非公開操作によって変更可能である旨を遊技者に報知する映像あるいは音声を出力しない。すなわち、非公開操作の受付期間やその作用を非公開の仕様としている。そのため、非公開操作およびその作用を知らない遊技者には、意外性を与えることができる。また、非公開操作およびその作用を既に知っている遊技者には、非公開の仕様を知っているという優越感を与えることができる。
図48は、遊技時の他の音演出パターンを例示した図である。
パターン(b1)〜(b3)は、いずれも遊技者が無変動期間中に非公開操作を行なった場合を例示している。
パターン(b1)では、変動中および大当り中に同じ「楽曲A」が出力されるが、変動中における楽曲Aの音量と、大当り中における楽曲Aの音量とが同じである。このような演出であっても遊技の興趣を効果的に向上させることができる。
パターン(b2)では、変動中および大当り中に同じ「楽曲A」が出力されるが、変更中には楽曲Aの歌詞の音声が出力されず、大当り中には楽曲Aの歌詞の音声が出力される。したがって、変動中および大当り中に同じ「楽曲A」が出力される場合においても、遊技者は、楽曲Aの歌詞の有無によって、変動中であるのか大当り中であるのかを認識することができる。
なお、図47のパターン(b)、図48のパターン(b1)、(b2)のいずれのパターンで音演出を行なうのかを、演出制御用CPU101が遊技状態に応じて適宜自動的に選択するようにしてもよいし、遊技者が選択できるようにしてもよい。
また、パターン(b3)では、変動中に「楽曲C」が出力され、大当り中には「楽曲B」が出力される。このように、変動中に出力される楽曲は、大当り中に出力可能な楽曲であればよく、必ずしも大当り中に実際に出力される楽曲である必要はない。
図49は、大当り時の演出の実行例を示す図である。この実行例には、タイミング毎の演出表示装置9の表示例およびスピーカ27からの楽曲の出力例について示している。例えば、タイミング(A)にて大当りが発生し、継続回数Kの値が1〜5のいずれかである場合、大当り遊技状態の第1ラウンド中のタイミング(B)にて、楽曲A〜Cへの指定およびランダム選択のいずれかを受け付ける。ここでは、特別楽曲の選択肢とランダム選択とが演出表示装置9に表示される。そして、遊技者は、スティックコントローラ122を操作してカーソルを所望の選択肢上に合わせてチャンスボタン120(またはトリガボタン121等)を押下することにより、いずれかの特別楽曲またはランダム選択を決定する。なお、いずれかの選択肢にカーソルが合ったまま操作有効期間が終了した場合、カーソルが合っていた選択肢に決定するものであってもよい。なお、遊技者による選択肢の決定方法はこれに限るものではなく、例えば、遊技機が所定タイミング(例えば、2秒毎)でカーソルを移動させ、遊技者は所望の選択肢上にカーソルが合っているときに決定ボタンを押下することにより、いずれかの特別楽曲またはランダム選択を決定するものであってもよい。ここでランダム選択が指定され、第1楽曲選択テーブルを用いた楽曲抽選を行い、楽曲Cが選択される。そして、第2ラウンドのタイミング(C)から楽曲Cが出力される。大当りが終了すると、楽曲Cの出力が停止される。
また、タイミング(A)にて大当りが発生し、継続回数Kの値が6である場合、新たに選択可能な楽曲が追加され、大当り遊技状態の第1ラウンド中のタイミング(E)にて、楽曲A〜Dへの指定およびランダム選択のいずれかを受け付ける。ここでランダム選択が指定され、第1特殊楽曲選択テーブルを用いた楽曲抽選を行うことにより、新たに追加された楽曲Dが選択され易くなる。そして、楽曲Dが選択された場合、第2ラウンドのタイミング(F)から楽曲Dが出力される。大当りが終了すると、楽曲Dの出力が停止される。
図50は、演出制御プロセス処理における大当り終了演出処理(ステップS807)を示すフローチャートである。大当り終了演出処理において、演出制御用CPU101は、大当り終了演出タイマが設定されているか否か確認する(ステップS880)。大当り終了演出タイマは、大当り遊技の終了を報知する大当り終了画面を表示する時間を計測するためのタイマである。大当り終了演出タイマが設定されている場合(ステップS880でYESの場合)には、演出制御用CPU101は、実行する処理をステップS885に移行させる。
大当り終了演出タイマが設定されていない場合(ステップS880でNOの場合)には、演出制御用CPU101は、大当り終了指定コマンドを受信したことを示す大当り終了指定コマンド受信フラグ等がセットされているか否かを判断する。セットされていないと判断した場合(ステップS881でNOの場合)には、演出制御用CPU101は、この処理を終了する。
一方、大当り終了指定コマンド受信フラグ等がセットされていると判断した場合(ステップS881でYESの場合)には、演出制御用CPU101は、大当り終了指定コマンド受信フラグをリセットする(ステップS882)。
次に、演出制御用CPU101は、大当り終了演出タイマに大当り終了表示時間に相当する値(たとえば、2秒に相当する値)を設定して(ステップS883)、演出表示装置9に、大当り終了画面(大当り遊技の終了を報知する画面)を表示する制御を行なう(ステップS884)。具体的には、VDP109に、大当り終了画面を表示させるための指示を与える。
ステップS885では、演出制御用CPU101は、大当り終了演出タイマの値を1減算する。そして、演出制御用CPU101は、大当り終了演出タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了演出時間が経過したか否か確認する(ステップS886)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了演出時間が経過している場合には(ステップS886でYESの場合)、演出制御用CPU101は、特別楽曲の出力を停止するよう制御する(ステップS893)。具体的には、演出制御用CPU101は、スピーカ27からの特別楽曲の出力を停止するための制御信号を音声出力基板70に出力する。音声出力基板70は、当該制御信号を受信した場合、出力している特別楽曲の音量を小所定値に変更する。
その後、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS894)。
[遊技履歴の蓄積等の説明]
本実施の形態において演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技開始時に後述するパスワードが入力された場合に、予め定められた達成条件が成立したことを条件に経験値を付与し、10経験値獲得する毎にレベルを1、加算するようになっている。そしてレベルの値が一定値を超える毎に、実行される可能性のある演出の種類数を増加させるようになっている。詳しくは、レベル1〜30の場合に用いる演出テーブル1、レベル31〜60の場合に用いる演出テーブル2、レベル61〜99の場合に用いる演出テーブル3を備えており、演出テーブル2には、演出テーブル1に登録されている演出パターンに加えて演出テーブル1に登録されていない演出パターンが定められており、演出テーブル3には、演出テーブル1、2に登録されている演出パターンに加えて演出テーブル1、2に登録されていない演出パターンが定められており、演出テーブル1〜3のうち現在のレベルに応じた演出テーブルを用いて演出パターンを選択することにより、レベルが30を超えた場合、60を超えた場合にそれぞれ演出パターンが増加することとなる。
また、レベルの値が一定値を超える毎に、演出設定として選択可能な項目を増加させるようになっている。詳しくは、遊技者の選択操作により演出の頻度(演出設定1)、メインとなるキャラクタ(演出設定2)、キャラクタの衣装(演出設定3)、演出の背景デザイン(演出設定4)、BGM(演出設定5)を選択可能とされており、これら演出設定においてレベルが30を超えるまでは、3種類から選択可能であり、レベルが30を超えると5種類から選択可能となり、レベル60を超えると8種類から選択可能となる。
経験値が付与される達成条件としては、例えば、図51に示すように、擬似連無しスーパーリーチが実行され大当りに当選した場合または外れた場合、擬似連有りスーパーリーチが実行され大当りに当選した場合または外れた場合、大当り確定画面が表示された場合などが定められており、各達成条件の難易度、現在のレベル、遊技を開始してからの変動表示回数に応じて付与される経験値が定められ、達成条件が成立した時点の状況に応じた経験値が付与されることとなる。
図51に示す擬似連有りスーパーリーチは、擬似連無しスーパーリーチに比較して大当りに当選している可能性が高い旨を示す演出、すなわち大当りの当選時に選択される比率が擬似連無しスーパーリーチよりも高い演出であり、かつ擬似連無しスーパーリーチより出現率の低い演出である。
そして、擬似連無しスーパーリーチが実行され、かつ大当りに当選していない場合と、擬似連有りスーパーリーチが実行され、かつ大当りに当選していない場合と、を比較すると後者の方が多くの経験値が付与されるようになっており、大当りに当選している可能性が高いことを示す演出が行なわれたにも関わらず、大当りが当選していない場合には、より多くの経験値が付与されるようになっている。
また、擬似連無しスーパーリーチが実行され、かつ大当りに当選していない場合と、擬似連無しスーパーリーチが実行され、かつ大当りに当選している場合と、を比較すると後者の方が多くの経験値が付与されるようになっており、大当りに当選している可能性が低いことを示す演出が行なわれたにも関わらず、大当りが当選していた場合には、より多くの経験値が付与されるようになっている。
また、同じ達成条件が成立した場合でも、変動表示回数0〜499回と、500〜699回と、700回以上と、で付与される経験値が異なり、変動表示回数が多いほどより多くの経験値が付与されるようになっている。
また、レベルの値が一定の値を超える毎に、付与される経験値が少なくなり、付与される経験値は少なくなる。詳しくは、レベル30を超えた場合、レベルを60を超えた場合に、それぞれ付与される経験値が減少するようになっており、達成条件によっては、経験値が付与されなくなる。このため、レベルが一定の値を超える毎に、さらなるレベルの上昇が困難となる。
このように本実施の形態のパチンコ遊技機1では、遊技を行った結果に応じた達成条件が成立することで経験値が付与され、その経験値に応じてレベルが上昇し、演出パターンが増加したり、演出の設定項目が増加するようになっており、遊技者が遊技を行う意欲を効果的に高めることができる。
なお、達成条件は、図51で示される条件以外の条件も予め用意されており、たとえば、特定のミッションの達成という結果が得られる条件なども含まれる。
また、一定以上のレベルであることや累積変動表示回数や累積大当り回数などが一定数以上であることを条件に実行される演出が用意されており、さらに前述のミッションとしてこのような一定以上のレベル、累積変動表示回数や累積大当り回数などが一定数以上でなければ出現しない演出が実行されることにより達成されるミッション、すなわち一定以上のレベル、累積変動表示回数や累積大当り回数などが一定数以上でなければ達成できないミッションが定められており、遊技者が遊技を行い、レベルを上昇させることへの意欲も効果的に高めることができる。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技開始時に後述するパスワードが入力された場合に、変動表示回数に応じて演出表示装置9にて複数段階からなるストーリーが順次進行するようになっている。詳しくは、変動表示回数に応じてストーリーがある段階まで到達すると、次の段階が展開されることとなる。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技開始時に後述するパスワードが入力された場合に、入力されたパスワードから特定される記念日が、特定の記念日を示す場合には、その記念日にちなんだ記念日演出(例えば、遊技者の誕生日が特定される場合には、ある条件を満たすことで遊技者を祝福する演出が実行されるなど)を実行することが可能となる。
また、レベルの値は、1台のパチンコ遊技機1において上昇した値のみならず、他のパチンコ遊技機1において上昇した値を引き継ぐことも可能である。また、レベルの値だけでなく、他のパチンコ遊技機1において進展したストーリーの段階や他のパチンコ遊技機1において遊技者が演出設定を変更した場合、その設定内容も引き継ぐことが可能である。
具体的には、図52(a)に示すメインメニュー画面から「パスワード入力」を選択し、管理サーバ200にて発行されたパスワードを入力することにより、以前の遊技履歴に応じたレベル及び演出設定(ストーリーの段階も含まれる)を引き継いで遊技を行うことが可能となる。
パスワードは、後に詳述するが、後述する管理サーバ200にて管理されている遊技者個人の遊技履歴に応じた記念日、レベル、機種情報、直近情報、その他の演出設定を特定可能な8文字からなる文字データである。
メインメニュー画面は、変動表示が行なわれていない状態において、チャンスボタン120が操作された場合に、演出表示装置9に表示される。
メインメニュー画面が表示されている状態では、図52(a)、図52(b)に示すように、スティックコントローラ122が左側に操作されることで、左側のメニュー項目が手前に移動し、スティックコントローラ122が右側に操作されることで右側のメニュー項目が手前に移動する。そして、チャンスボタン120が操作されることで手前に表示されているメニュー項目が選択される。また、メニュー項目として「終了」が手前に表示されている状態でチャンスボタン120が操作されると、図52(c)に示すように、「YES」「NO」を選択可能な終了確認画面が表示され、終了確認画面にてスティックコントローラ122、チャンスボタン120を操作し、「YES」「NO」のうち「YES」を選択することで、基本画面(メインメニュー画面に移行する前の通常画面)に戻るようになっている。また、何も操作されずに画面毎に定められた時間が経過することでも基本画面に戻る。
パスワード入力前や後述する簡単スタートによる遊技開始前のメインメニュー画面では、図52(a)に示すように、「簡単スタート」「パスワード入力」「会員登録」「終了」のメニュー項目が表示されるようになっており、このパスワード入力前や後述する簡単スタートによる遊技開始前のメインメニュー画面にてスティックコントローラ122およびチャンスボタン120を操作してパスワードメニューを選択することにより、パスワード入力画面が表示される。パスワード入力画面では、スティックコントローラ122あるいはチャンスボタン120を操作することで、文字選択が可能になる。
遊技者が入力したパスワードが正規のパスワードであると認証されると、演出制御用マイクロコンピュータ100のRAMに割り当てられた個人履歴格納領域(総変動表示回数、確変大当り回数、通常大当り回数、達成ミッション)の値が初期化されるとともに、パスワードから解析される記念日が演出制御用マイクロコンピュータ100のRAMに割り当てられた記念日格納領域に、パスワードから解析されるレベルが演出制御用マイクロコンピュータ100のRAMに割り当てられたレベル格納領域に、パスワードから解析される機種を識別するための機種情報が演出制御用マイクロコンピュータ100のRAMに割り当てられた機種情報格納領域に、パスワードから解析される直近の遊技履歴を示す直近情報が演出制御用マイクロコンピュータ100のRAMに割り当てられた直近情報格納領域に、パスワードから解析されるその他の演出設定1〜3が演出制御用マイクロコンピュータ100のRAMに割り当てられた演出設定格納領域に設定され、これに伴い以前の遊技履歴に応じたレベル、及び演出設定が引き継がれることとなる。また、この際、入力されたパスワードそのものが演出制御用マイクロコンピュータ100のRAMに割り当てられたパスワード格納領域に格納されるようになっている。
また、前述のように演出制御用マイクロコンピュータ100のRAMには、個人履歴格納領域が割り当てられており、パスワードを入力し、正規のパスワードと認証されてからの遊技履歴(総変動表示回数、確変大当り回数、通常大当り回数)が蓄積されるようになっている。さらに予めパチンコ遊技機に設定されたミッション(課題)を達成した場合には、達成したミッションの種類を示す達成ミッションの履歴も蓄積されるようになっている。また、前述のように経験値を10経験値獲得する毎に、レベル格納領域に格納されたレベルが上昇するようになっている。
そして、遊技者が遊技を終える場合には、当該遊技者の遊技履歴、現在のレベル、経験値、演出設定(機種情報、および、直近情報は含まず)、達成ミッションの履歴を特定可能な2次元コードを携帯端末300で取得し、2次元コードから特定される内容を携帯端末300から管理サーバ200が備える後述の遊技者データベースの内容に反映させることができるようになっている。
図52(b)に示すように、パスワード入力後や後述する簡単スタートによる遊技開始後のメインメニュー画面では、「データクリア」「2次元コード作成」「本日の結果」「終了」のメニュー項目が表示されるようになっている。この画面にて、「2次元コード作成」のメニュー項目を選択することにより、2次元コードが生成され、生成された2次元コードが演出表示装置9に表示される。出力される2次元コードには、管理サーバ上の更新ページの所在を示すURL、遊技開始時に入力されたパスワード、および、2次元コード作成毎に取得されるランダムな値である遊技乱数(本実施の形態では、32ビットの乱数)、ならびに、遊技履歴を更新するための遊技の進行に応じて更新されるデータである遊技履歴更新データとしての、個人履歴格納領域に記憶されている総変動表示回数、確変大当り回数、通常大当り回数、レベル格納領域に格納されているレベル値、演出制御用マイクロコンピュータ100のRAMに割り当てられた経験値格納領域に格納されている経験値、演出設定格納領域に格納されている演出設定1〜3、および、達成ミッションの種類が格納されている。
なお、本実施の形態においては、経験値格納領域に格納されている経験値は、レベルアップに用いられた残りの端数の経験値である。
そして、この2次元コードを携帯端末300により読み取り、2次元コードから特定される管理サーバ200のURLにアクセスすることで、2次元コードから特定される内容が管理サーバ200が備える遊技者データベースの内容に反映されるようになっている。
また、パスワードが認証されてから2次元コードが表示されるまでの間は、新たなパスワードの入力が禁止されるようになっており、2次元コードが表示され、その表示がクリアされると、パスワード格納領域に格納されているパスワード、個人履歴格納領域に記憶されている総変動表示回数、確変大当り回数、通常大当り回数、達成ミッションの種類、レベル格納領域に格納されているレベル値、経験値格納領域に格納されている経験値、および、演出設定格納領域に格納されている演出設定1〜3の内容が全てクリアされ、再びパスワードの入力が許可されるようになっている。
このように本実施の形態のパチンコ遊技機1では、遊技を開始する際にパスワードを入力することで、以前遊技を行った際のレベルや演出設定など、過去の遊技履歴を反映した演出を実行させることが可能となり、長期間にわたり継続性のある演出を行わせることができる。また、新たな遊技履歴を特定するために出力される2次元コードに、パスワードが含まれるため、パスワードを発行する管理サーバ200にて2次元コードに含まれるパスワードを認証することで、パスワードの発行を受けた遊技者であるかを判別することが可能となり、第三者が他人のパスワードを入手して遊技を行い2次元コードを取得したり、他人の2次元コードを取得したりしても、この2次元コードから特定される遊技履歴を自らのものに反映させることはできず、パスワードの発行を受けた遊技者による新たな遊技履歴を引き継ぐことは可能となる一方でパスワードの発行を受けた遊技者以外の遊技者が遊技履歴を引き継ぐことが不可能となる。これによりパスワードや2次元コードを流用したり盗用したりしても意味がなくなるため、パスワード及び2次元コードの流用や盗用を防止することができる。
また、パスワードが、当該パスワードが管理サーバ200によって発行される毎に変化するランダム値によって変化するため、同一内容の遊技履歴が特定される場合であっても同一パスワードとなる訳ではなく、パスワードを推測することが困難となる。
また、本実施の形態では、管理サーバ200への登録を済ませている遊技者であれば、チャンスボタン120を操作するのみで、パスワードを入力せず、遊技履歴を蓄積可能な遊技を開始することが可能となる。
詳しくは、遊技の開始操作、本実施の形態ではチャンスボタン120を一定時間以上操作すること(以下、チャンスボタン120の長押しとする)で、演出制御用マイクロコンピュータ100のRAMに割り当てられた個人履歴格納領域(総変動表示回数、確変大当り回数、通常大当り回数、達成ミッション)の値が初期化される。チャンスボタン120が長押しされた場合には、チャンスボタン120が長押しされたことやパスワードの入力に伴う遊技の開始操作がなされた後、「2次元コード作成」が選択されていない場合であっても、個人履歴格納領域の値が初期化されるようになっている。
個人履歴格納領域には、チャンスボタン120の長押しに伴う遊技の開始操作からの遊技履歴(総変動表示回数、確変大当り回数、通常大当り回数)が蓄積されるようになっている。さらにパスワードが入力された場合と同様に予めパチンコ遊技機1に設定されたミッション(課題)を達成した場合には、達成したミッションの種類を示す達成ミッションの履歴も蓄積されるようになっている。ただし、パスワードを入力せずにチャンスボタン120の長押しに伴う遊技の開始操作を行った場合には、パスワードを入力した場合と異なり経験値は付与されず、レベルも上昇することはなく、演出設定もデフォルトの設定から変更できないようになっている。
そして、遊技者が遊技を終える場合に、遊技の終了操作(メインメニュー画面にて「2次元コード作成」を選択)を行うと、チャンスボタン120の長押しに伴う遊技の開始操作がされてからの遊技履歴から2次元コードが生成され、表示される。
そして、遊技者は、携帯端末300にて、この表示された2次元コードを取得して管理サーバ200にアクセスすることで、2次元コードから特定される遊技履歴を、当該遊技者の所持する携帯端末300の端末識別情報に対応して遊技者データベースに登録されている遊技履歴に反映させることができるようになっている。
チャンスボタン120の長押しに伴う遊技の開始操作により遊技を開始した後、遊技を終了する際に表示される2次元コードは、パスワードを入力して開始した場合と異なり、管理サーバ200上の更新ページの所在を示すURLと、個人履歴格納領域に記憶されている総変動表示回数、確変大当り回数、通常大当り回数、達成ミッションの種類と、が格納されている。
そして、この2次元コードを携帯端末300により読み取り、2次元コードから特定される管理サーバ200のURLにアクセスすることで、アクセスした携帯端末300の端末識別情報(SIMデータ)が遊技者データベースに既に登録されているか否かが判定され、アクセスした携帯端末300の端末識別情報(SIMデータ)が既に登録されている場合には、一致する端末識別情報に対応する遊技履歴が更新されるようになっている。
このように本実施の形態のパチンコ遊技機1では、既に管理サーバ200に登録されている遊技者であれば、チャンスボタン120を長押しするのみで、パスワードを入力することなく、パスワードを入力した場合と同様に遊技を行うことが可能となる。そして、遊技終了時には、チャンスボタン120の長押しに伴う遊技の開始操作がされてから終了までの遊技履歴を特定可能な2次元コードが表示される。そして、遊技終了時に表示された2次元コードにて管理サーバ200にアクセスすることで、管理サーバ200側では、当該遊技履歴を送信した携帯端末300の端末識別情報が、管理サーバ200の遊技者データベースに既に登録されているか否かを判断し、既に登録されている場合には、該当する端末識別情報に対応する遊技履歴が2次元コードから特定される遊技履歴に更新されることとなる。このため、既に端末識別情報が遊技者データベースに登録されている遊技者であれば、パスワードの発行を受けることなく、遊技履歴の蓄積機能を利用することが可能となり、その後、遊技の終了操作により表示された2次元コードで管理サーバ200にアクセスするだけで、その間の遊技履歴を管理サーバ200に登録・蓄積させることが可能となる。
尚、本実施の形態では、チャンスボタン120を1回長押しすることで、遊技履歴を蓄積する機能の利用を開始できる構成であるが、メインメニュー画面のメニュー項目として「簡単スタート」とは別に遊技履歴を蓄積する機能の利用開始項目を設け、当該項目を指定することにより遊技履歴を蓄積する機能の利用を開始できる構成としても良いし、チャンスボタン120の長押し及びメインメニュー画面による項目指定の双方にて遊技履歴を蓄積する機能の利用を開始できる構成としても良い。
本実施の形態では、管理サーバ200からパスワードの発行を受けるためには、予め、携帯端末300などで管理サーバ200にアクセスし、会員登録などにより携帯端末300の端末識別情報(SIMデータ)を登録しておく必要がある。尚、本実施の形態では、図52(a)に示す、パスワード入力前のメインメニュー画面にて「会員登録」を選択することで管理サーバ200の会員登録ページの所在を示すURLが特定される2次元コードが生成されて表示されるようになっており、携帯端末300にて2次元コードを読み取ることにより簡単に管理サーバ200の会員登録ページにアクセスできるようになっている。
また、本実施の形態では、予め、管理サーバ200にアクセスして会員登録を済ませていない遊技者であっても、遊技履歴を蓄積する機能を利用した遊技を開始することができる。
具体的には、図52(a)に示すメインメニュー画面から「簡単スタート」を選択することで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、一定の範囲で更新される乱数から開始時乱数を取得し、演出制御用マイクロコンピュータ100のRAMに割り当てられた開始時乱数格納領域に取得した開始時乱数を格納し、初回開始時用の2次元コードを生成し、表示させる。この2次元コードには、管理サーバ200上の仮登録ページの所在を示すURLと、開始時乱数と、が格納されており、この2次元コードを携帯端末300により読み取り、2次元コードから特定される管理サーバ200のURLにアクセスすることで、アクセスした携帯端末300に割り当てられた端末識別情報(SIMデータ)と、2次元コードから特定される開始時乱数と、が対応付けて仮登録されるようになっている。
一方、パチンコ遊技機1では、「簡単スタート」を選択すると、演出制御用マイクロコンピュータ100のRAMに割り当てられた個人履歴格納領域(総変動表示回数、確変大当り回数、通常大当り回数、達成ミッション)の値が初期化される。
個人履歴格納領域には、「簡単スタート」が選択されてからの遊技履歴(総変動表示回数、確変大当り回数、通常大当り回数)が蓄積されるようになっている。さらにパスワードが入力された場合と同様に予めパチンコ遊技機に設定されたミッション(課題)を達成した場合には、達成したミッションの種類を示す達成ミッションの履歴も蓄積されるようになっている。また、前述のように経験値を10経験値獲得する毎に、レベル格納領域に格納されたレベルが上昇するようになっている。
そして、遊技者が遊技を終える場合には、当該遊技者の遊技履歴、現在のレベル、演出設定、達成ミッションの履歴を特定可能な2次元コードを取得し、2次元コードから特定される内容を管理サーバ200が備える後述の遊技者データベースの内容に反映させることができるようになっている。
「簡単スタート」を選択して遊技を開始した後、遊技を終了する際に表示される2次元コードは、パスワードを入力して開始した場合と異なり、管理サーバ上の本登録ページの所在を示すURL、および、開始時乱数格納領域に格納されている開始時乱数、ならびに、前述した遊技履歴更新データとしての、個人履歴格納領域に記憶されている総変動表示回数、確変大当り回数、通常大当り回数、レベル格納領域に格納されているレベル値、経験値格納領域に格納されている(端数の)経験値、演出設定格納領域に格納されている演出設定1〜3、および、達成ミッションの種類が格納されている。
そして、この2次元コードを携帯端末300により読み取り、2次元コードから特定される管理サーバ200のURLにアクセスすることで、アクセスした携帯端末300の端末識別情報(SIMデータ)が仮登録されているか否かが判定され、アクセスした携帯端末300の端末識別情報(SIMデータ)が仮登録されている場合には、仮登録されている端末識別情報に対応する開始時乱数と、2次元コードから特定される開始時乱数と、が一致するかが判定され、一致したことを条件に、端末識別情報に対応付けて、2次元コードから特定される遊技履歴、現在のレベル、(端数の)経験値、演出設定、達成ミッションの履歴が登録され、遊技者のデータが本登録されるようになっており、以後、これらのデータに基づいてパスワードの発行を受けることが可能となる。
このように本実施の形態のパチンコ遊技機1では、「簡単スタート」を入力することで、開始時乱数を取得し、この開始時乱数を特定可能な2次元コードが表示されるのみで、パスワードを入力することなく、パスワードを入力した場合と同様に遊技を行うことが可能となる。そして、遊技終了時には、「簡単スタート」を入力してから終了までの遊技履歴と、「簡単スタート」入力時に取得した開始時乱数と、を特定可能な2次元コードが表示される。そして、遊技者は、遊技開始時に表示された2次元コードにて管理サーバ200にアクセスして仮登録しておき、遊技終了時に表示された2次元コードにて管理サーバ200にアクセスすることで、管理サーバ200側では、遊技終了時に送信された2次元コードから特定される開始時乱数と、管理サーバ200に仮登録されている開始時乱数と、が一致したことを条件に、当該2次元コードから特定される遊技履歴、すなわち当該遊技者の遊技履歴を新規に登録することが可能となる。このため、初めて遊技履歴の蓄積機能を利用する遊技者は、遊技を行う前に予め管理サーバ200にアクセスして会員登録を行う必要がなく、「簡単スタート」の入力により表示された2次元コードで管理サーバ200にアクセスするだけで、パスワードを入力したのと同様の遊技を開始することが可能となり、その後、遊技の終了操作により表示された2次元コードで管理サーバ200にアクセスするだけで、その間の遊技履歴を管理サーバ200に登録・蓄積させることが可能となる。
本実施の形態の演出制御用マイクロコンピュータ100は、前述のようにメインメニュー画面から移行する各種メニュー画面を表示させた後、何らの操作もなされない場合に、所定時間の経過で基本画面に切り替えるようになっている。
本実施の形態の演出制御用マイクロコンピュータ100は、パスワードを入力するか、「簡単スタート」を入力した場合、またはチャンスボタン120の長押しに伴う遊技の開始操作がなされた場合に、パスワードの入力も「簡単スタート」の入力もせず、チャンスボタン120による遊技の開始操作もなされずに遊技を行った場合の演出態様(通常演出モード)とは異なる演出態様の特定演出モードに制御する。
次に、本発明の管理装置の一例である管理サーバ200について説明すると、管理サーバ200は、CPU、RAMなどを備えた一般的なサーバコンピュータにて構成されており、インターネット網400を介して携帯端末300からアクセス可能とされており、遊技履歴の管理、パスワードの発行、特典の付与などを行う。尚、本実施の形態の管理サーバ200は、端末識別情報(SIMデータ)が付与された端末のみからアクセスが可能とされており、端末識別情報が付与されていない端末や端末識別情報は付与されているものの、端末識別情報の送信を拒否した端末についてはアクセスを拒否するようになっている。
管理サーバ200は、遊技者の遊技履歴を管理する遊技者データベース、遊技毎の遊技履歴を管理する遊技履歴データベース、遊技者に対して付与される特典データを格納する特典データベース及び未登録の遊技者の仮登録データを管理する仮登録データベースを備えている。
遊技者データベースには、遊技者の所有する携帯端末300を識別可能な端末識別情報(SIMデータ)に対応して、現在のステータス(待機中、遊技中)、パスワード(最後に発行されたもの)、アクセス数(パスワードの発行回数)、現在までの総変動表示回数、総確変大当り回数、総通常大当り回数、現在のレベル、(端数の)経験値、ポイント、演出設定1〜3の設定内容、ミッション別の達成状況(達成済みのミッションは1、未達成のミッションは0)が格納されている。
遊技履歴を更新するための遊技履歴更新データは、現在までの総変動表示回数、総確変大当り回数、総通常大当り回数、現在のレベル、現在の経験値、演出設定1〜3の設定内容、および、ミッション別の達成状況(達成済みのミッションは1、未達成のミッションは0)などのデータである。また、獲得データは、ポイントなどのデータである。
遊技履歴データベースには、遊技を行った遊技者の所有する携帯端末300を識別可能な端末識別情報(SIMデータ)及び遊技日時に対応して、当該遊技の遊技終了時にパチンコ遊技機1にてランダムに取得される遊技乱数、当該遊技での変動表示回数、当該遊技での確変大当り回数、当該遊技での通常大当り回数、当該遊技の遊技終了時のレベル値、当該遊技の遊技終了時の(端数の)経験値、当該遊技の遊技終了時の演出設定1〜3の設定内容、当該遊技でのミッション別達成状況が格納されている。
特典データベースには、特典を識別可能な特典IDに対応して、特典データの格納場所、特典データの種別、特典を付与する条件の種別、該当する種別の条件値が格納されている。条件の種別としては、レベル、ミッションの達成率、変動表示回数、確変大当り回数、通常大当り回数などが設定可能であり、その種別に応じた条件値が設定可能とされている。
仮登録データベースには、開始時登録要求を送信した携帯端末300の端末識別情報(SIMデータ)と、開始時登録要求から特定される開始時乱数と、開始時登録要求を受けた登録日時と、が対応付けて登録されている。
次に、携帯端末300から管理サーバにアクセスして会員登録を行う際の、管理サーバ200、パチンコ遊技機1、および、携帯端末300の動作を、図53に基づいて説明する。図53は、会員登録時の携帯端末300、管理サーバ200のやり取りを示す図である。
図52(a)で示したパスワード入力前のメインメニューにおいて、「会員登録」が選択されたと判断した場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、管理サーバ200の会員登録ページのURLを特定可能な2次元コードを演出表示装置9に表示するよう表示制御回路92を制御する。
ユーザは、携帯端末300を操作して、2次元コードを読み込むためのアプリケーションソフトを起動し、その2次元コードを携帯端末300のカメラ部190で撮影する。そのアプリケーションソフトによって、読み込まれた2次元コードが解析された結果、会員登録ページのURLが携帯端末300の表示部140に表示される。ユーザが、そのURLを選択することによって、携帯端末300でブラウザが起動され、当該URLで特定される会員登録ページに接続される。
そして、図53に示すように、ユーザは、会員登録ページにて氏名などの会員情報を入力し、入力された会員情報及び携帯端末300の端末識別情報を含む会員登録要求を管理サーバ200に対して送信する。
携帯端末300から会員登録要求がなされると、管理サーバ200は、会員登録要求を行った携帯端末300の端末識別情報が、遊技者データベースに既に登録されている端末識別情報と一致するか否かを判定し、一致する端末識別情報がある場合には、既に登録済みの会員情報の更新、或いは、簡単スタートにて端末識別情報のみ登録済みとして、遊技者データベースの該当する端末識別情報に対応する会員情報を会員登録要求から特定される会員情報に更新し、会員登録要求を行った携帯端末300に対して登録結果を通知する。
会員登録要求を行った携帯端末300の端末識別情報が、遊技者データベースに既に登録されている端末識別情報と一致しなかった場合には、未登録の遊技者による会員登録要求として、会員登録要求を行った携帯端末300の端末識別情報及び会員登録要求から特定される会員情報を対応付けて遊技者データベースに新規に登録し、会員登録要求を行った携帯端末300に対して登録結果を通知する。
登録結果を受けた携帯端末300では、登録結果が表示され、遊技者にその旨が通知される。
次に、初めて遊技を行う遊技者が「簡単スタート」を入力し、パチンコ遊技機1にて遊技を行う際の管理サーバ200、パチンコ遊技機1、および、携帯端末300の動作を、図54に基づいて説明する。図54は、会員登録せずに遊技を行う場合のパチンコ遊技機1、携帯端末300、管理サーバ200のやり取りを示す図である。
図54を参照して、パチンコ遊技機1において「簡単スタート」が選択されると、開始時乱数を取得し、仮登録ページの所在を示すURLと、開始時乱数と、を特定可能な初回開始時用の2次元コードを生成し、表示させる。
遊技者は、携帯端末300にて表示された2次元コードを読み取り、2次元コードから解析された開始時乱数及び携帯端末300の端末識別情報を含む開始時登録要求を管理サーバ200に対して行うことにより、端末識別情報を管理サーバ200の仮登録データベースに登録することができる。
携帯端末300から開始時登録要求がされると、管理サーバ200は、開始時登録要求を行った携帯端末の端末識別情報が、遊技者データベースに既に登録されている端末識別情報と一致するか否かを判定し、一致する端末識別情報がある場合には、登録不可としてその旨を携帯端末300に対して通知する。
一方、開始時登録要求を行った携帯端末300の端末識別情報が、遊技者データベースに既に登録されている端末識別情報と一致しない場合には、開始時登録要求から特定される端末識別情報、開始時乱数、登録日時(開始時登録要求を受けた日時)を対応付けて仮登録データベースに登録し、その旨を携帯端末300に対して通知する。
また、パチンコ遊技機1では、「簡単スタート」が入力され、2次元コードを表示すると、開始時乱数を開始時乱数格納領域に格納するとともに、遊技履歴を初期化して通常演出モードから特定演出モードに移行する。その後、遊技者によって遊技が開始される。
遊技者が遊技を終了し、メインメニュー画面から「2次元コード作成」を選択することで開始時乱数格納領域に格納されている開始時乱数、ならびに、個人履歴格納領域に記憶されている総変動表示回数、確変大当り回数、通常大当り回数、達成ミッションの種類、レベル格納領域に格納されているレベル値、経験値格納領域に格納されている経験値、および、演出設定格納領域に格納されている演出設定1〜3からなる遊技履歴からなる獲得データを取得し、これらのデータと、本登録ページの所在を示すURLと、から2次元コードが生成され、所定の記憶領域にパスワードと対応付けて記憶され、演出表示装置9に表示されるとともに、個人履歴格納領域、レベル格納領域、経験値格納領域、演出設定格納領域が初期化され、特定演出モードから通常演出モードに移行する。
遊技者は、携帯端末300にて表示された2次元コードを読み取り、2次元コードから解析された開始時乱数、遊技履歴、獲得データ、及び携帯端末300の端末識別情報を含む終了時登録要求を管理サーバ200に対して行うことにより、端末識別情報及び初回の遊技履歴および獲得データを管理サーバ200の遊技者データベース及び遊技履歴データベースに登録することができる。
携帯端末300から終了時登録要求がされると、管理サーバ200は、終了時登録要求を行った携帯端末300の端末識別情報が、仮登録データベースに登録されている端末識別情報と一致するか否かを判定し、一致する端末識別情報がない場合には、登録不可としてその旨を携帯端末300に対して通知する。
一方、終了時登録要求を行った携帯端末300の端末識別情報が、仮登録データベースに登録されている端末識別情報と一致した場合には、一致した端末識別情報に対応して仮登録データベースに登録されている開始時乱数が、終了時登録要求から特定される開始時乱数と一致するか否かを判定し、双方の開始時乱数が一致しない場合には、登録不可としてその旨を携帯端末300に対して通知する。
また、双方の開始時乱数が一致した場合には、終了時登録要求を行った携帯端末300の端末識別情報を遊技者データベースに新規に登録するとともに、該端末識別情報に対応付けて終了時登録要求から特定される遊技履歴および獲得データを遊技者データベースに登録するとともに、該端末識別情報及び遊技日時(現在の日時データ)に対応付けて終了時登録要求から特定される遊技履歴を遊技履歴データベースにも登録し、終了時登録要求を行った携帯端末300に対して本登録完了を通知する。
また、双方の開始時乱数が一致した場合に、終了時登録要求を行った携帯端末300の端末識別情報が遊技者データベースに新規に登録されるのと同時に、仮登録データベースの端末識別情報及び対応する開始時乱数、登録日時が削除される。
また、仮登録データベースに登録されている端末識別情報及び対応する開始時乱数、登録日時は、終了時登録要求に伴い本登録が行われない場合、登録日の翌日まで維持されるが、その後は、終了時登録要求に伴い本登録が行われなかった場合でも消去される。
次に、パスワードを発行し、パチンコ遊技機1にて遊技を行う際の管理サーバ200、パチンコ遊技機1、および、携帯端末300の動作を、図55に基づいて説明する。図55は、パスワードを入力して遊技を行う場合のパチンコ遊技機1、携帯端末300、管理サーバ200のやり取りを示す図である。
図55を参照して、携帯端末300から新たなパスワードの発行要求がなされると、管理サーバ200は、発行要求を行った携帯端末300の端末識別情報が、遊技者データベースに登録されている端末識別情報と一致するか否かを判定し、一致する端末識別情報がない場合には、発行不可としてその旨を携帯端末300に対して通知する。
一方、発行要求を行った携帯端末の端末識別情報が、遊技者データベースに登録されている端末識別情報と一致した場合には、端末識別情報に対応するレベル、及び演出設定を遊技者データベースから取得してパスワードを発行する。
次いで、遊技者データベースの該当する端末識別情報に登録されているパスワード、すなわち前回発行されたパスワードと一致するか否かを判定し、一致する場合には、前述した手順にて前回のパスワードと一致しないと判定されるまで、再度パスワードを生成する。
なお、遊技履歴のうちパスワードの生成に影響を与える部分が前回の遊技履歴と変更がない場合は、同じパスワードが読出され、発行される。
管理サーバ200は、上記のようにしてパスワードを発行し、発行要求を行った携帯端末300に送信するとともに、遊技者データベースにおいて発行要求を行った携帯端末300の端末識別情報に対応するパスワードを今回発行したパスワードに更新し、該当する端末識別情報のステータスを遊技中に更新する。尚、パスワードの発行要求を受け付けた際に、該当する端末識別情報のステータスが遊技中であってもパスワードの発行が禁止されることはなく、このような状況で新たにパスワードの発行要求を受け付けた場合でも、新たにパスワードが発行され、前回のパスワードは無効となる。
パスワードの発行要求に応じてパスワードが発行されると携帯端末300には、発行されたパスワードが表示されることとなり、遊技者は表示されたパスワードをパチンコ遊技機1に入力する。そしてパスワードが入力されたパチンコ遊技機1では、前述のように入力されたパスワードを解析し、パスワードが認証されると、パスワードから特定されるレベル及び演出設定がパチンコ遊技機1側に設定されることにより、管理サーバ200にて管理されているレベル及び演出設定を引き継いで遊技を行うことが可能となる。この際、パスワードがパスワード格納領域に格納されるとともに、通常演出モードから特定演出モードに移行する。その後、遊技者によって遊技が開始される。
尚、パスワードには、前述のように記念日データを設定することが可能とされており、記念日データとして特定の記念日が設定されている場合には、特定演出モードにて記念日に特有の演出を実行させることが可能となる。
また、パスワードには、前述のように機種情報および直近情報を設定されており、機種情報および直近情報に応じた演出を遊技機で実行することが可能である。
遊技者が遊技を終了し、メインメニュー画面から「2次元コード作成」を選択することでパスワード格納領域に格納されているパスワード、および、一定の範囲で更新される乱数から遊技乱数、ならびに、個人履歴格納領域に記憶されている総変動表示回数、確変大当り回数、通常大当り回数、達成ミッションの種類、レベル格納領域に格納されているレベル値、経験値格納領域に格納されている経験値、演出設定格納領域に格納されている演出設定1〜3からなる遊技履歴からなる獲得データを取得し、これらのデータと、更新ページの所在を示すURLと、から2次元コードが生成され、所定の記憶領域にパスワードと対応付けて記憶され、演出表示装置9に表示されるとともに、個人履歴格納領域が初期化され、特定演出モードから通常演出モードに移行する。
遊技者は、携帯端末300にて表示された2次元コードを読み取り、2次元コードから解析された遊技履歴、獲得データ、パスワード、遊技乱数及び携帯端末300の端末識別情報を含む更新要求を管理サーバ200に対して行うことにより、2次元コードにて取得した遊技履歴および獲得データを管理サーバ200の遊技者データベースに反映させることができる。
携帯端末300から更新要求がされると、管理サーバ200は、更新要求を行った携帯端末300の端末識別情報が、遊技者データベースに登録されている端末識別情報と一致するか否かを判定し、一致する端末識別情報がない場合には、更新不可としてその旨を携帯端末300に対して通知する。
一方、更新要求を行った携帯端末300の端末識別情報が、遊技者データベースに登録されている端末識別情報と一致した場合には、更新要求から特定されるパスワードを、更新要求から特定される端末識別情報に対応付けて遊技者データベースに登録されているパスワードと照合する。そして、更新要求から特定されるパスワードと、遊技者データベースに登録されているパスワードと、が一致した場合には、パスワードを発行した遊技者であると認証し、さらに更新要求から特定されるパスワード及び遊技乱数と、遊技履歴データベースにおいて更新要求から特定される端末識別情報に対応付けて登録されているパスワード及び遊技乱数と、を照合し、一致するか否かを判定し、一致しない場合には、更新要求から特定される遊技履歴および獲得データに基づいて遊技者データベースの該当する端末識別情報の対応する項目を更新するとともに、該端末識別情報及び遊技日時(現在の日時データ)に対応付けて更新要求から特定される遊技履歴及び遊技乱数を遊技履歴データベースに登録し、該当する端末識別情報のステータスを待機中に更新し、更新要求を行った携帯端末300に対して更新完了を通知する。一方、更新要求から特定されるパスワード及び遊技乱数と、遊技履歴データベースに更新要求から特定される端末識別情報に対応付けて登録されているパスワード及び遊技乱数と、が一致した場合には、以前の更新要求に用いられたのと同一の2次元コードによる更新要求である可能性が極めて高いので、更新不可としてその旨を携帯端末300に対して通知する。
また、更新要求から特定されるパスワードを、更新要求から特定される端末識別情報に対応付けて遊技者データベースに登録されているパスワードと照合した結果、双方のパスワードが一致しなかった場合には、いずれか1文字のみパスワード入力時の配列上前後1字違いの相違であるか、を判定する。パスワード入力時の配列上前後1字違いとは、パスワード入力画面の前後1文字であり、例えば、パスワード入力画面に「Y」、「Z」、「=」の文字がこの順に並べて表示されている場合に、正規のパスワードが「Z」であれば、その前後1字とは「Y」と「=」が該当する。
そして、いずれか1文字のみ前後1字違いの相違以外の相違である場合、すなわち2文字以上相違する場合や相違するのは1文字であるが、前後1字違いにあたらない場合には、更新不可としてその旨を携帯端末300に対して通知する。一方で、いずれか1文字のみ前後1字違いの相違である場合には、入力ミスの条件を満たすとして、パスワードを発行した遊技者であると一応認証し、さらに更新要求から特定されるパスワード及び遊技乱数と、遊技履歴データベースにおいて更新要求から特定される端末識別情報に対応付けて登録されているパスワード及び遊技乱数と、を照合し、一致するか否かを判定し、一致しない場合には、更新要求から特定される遊技履歴に基づいて遊技者データベースの該当する端末識別情報の対応する項目を更新するとともに、該端末識別情報及び遊技日時(現在の日時データ)に対応付けて更新要求から特定される遊技履歴及び遊技乱数を遊技履歴データベースに登録し、該当する端末識別情報のステータスを待機中に更新し、更新要求を行った携帯端末300に対して更新完了を通知する。
この際、更新要求から特定される遊技履歴に基づいて遊技者データベースの該当する端末識別情報の対応する項目の全てを更新するのではなく、このうち総変動表示回数、確変大当り回数、通常大当り回数、遊技者データベースに登録されている該当する端末識別情報のレベル値で出現しうる達成ミッションの種類など、遊技履歴の連続性に影響のない項目のみ更新し、レベル、演出設定、該当する端末識別情報のレベル値では出現しない達成ミッションの種類など、遊技履歴の連続性に影響する項目の更新は行われないようになっている。また、更新完了の通知においては、パスワードが完全には一致しなかったが入力ミスの範囲であったこと、そのため、連続性に影響のない一部の項目しか更新されなかったことを併せて通知するようになっている。
また、更新要求から特定されるパスワード及び遊技乱数と、遊技履歴データベースに更新要求から特定される端末識別情報に対応付けて登録されているパスワード及び遊技乱数と、が一致した場合には、以前の更新要求に用いられたのと同一の2次元コードによる更新要求である可能性が極めて高いので、更新不可としてその旨を携帯端末300に対して通知する。
また、遊技終了時に2次元コードを取得するのを忘れてしまった場合に、ステータスが遊技中のままであっても、前述のように更新要求を行わずとも新たなパスワードの発行が許可されるようになっている。
[実施の形態の効果]
(1) 従来、演出図柄の可変表示が行なわれていないデモ画面表示中に可変表示中の演出モードを遊技者が選択でき、かつ選択された演出モードによって可変表示中に実行される音およびランプによる演出態様を変更する遊技機があった(たとえば、特開2006−174956号公報)。
しかしながら、特開2006−174956号公報に開示された遊技機は、遊技者の操作によって可変表示中に実行される音およびランプによる演出態様を単に変更するものに過ぎない。そのため、遊技の興趣を効果的に向上させることができないおそれがある。また、可変表示中に特定遊技状態中であると遊技者に誤認させることを防止することは特に考慮されていなかった。
この発明によれば、可変表示中に遊技の興趣を効果的に向上させることができるとともに、可変表示中に特定遊技状態中であると遊技者に誤認させることを防止することが可能な遊技機を提供することができる。
(1−1) つまり、この発明は、以下のように構成される。
各々を識別可能な識別情報(たとえば、演出図柄)の可変表示を行ない、特定表示結果(たとえば、大当り図柄)が導出表示されたときに遊技者にとって有利な特定遊技状態(たとえば、大当り状態)に制御する遊技機(たとえば、パチンコ遊技機1、スロットマシン)であって、
第1演出装置(たとえば、スピーカ27、演出表示装置9)による演出を制御する第1制御手段(たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100)と、
前記第1演出装置と異なる第2演出装置(たとえば、枠LED28)による演出を制御する第2制御手段(たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100)と、
遊技者の動作(たとえば、非公開操作)を検出する検出手段(たとえば、スティックコントローラ122、チャンスボタン120、赤外線センサ)とを備え、
前記第1制御手段は、
前記特定遊技状態において特定演出を実行させる制御を行なう第1特定制御手段(たとえば、図36のステップS2704、図38のステップS2804、図37のステップS3308、図34のステップS873)と、
前記検出手段による検出(たとえば、非公開操作の検出)に基づいて、可変表示中に実行される通常演出(たとえば、図24のステップS822で決定された通常音による音演出)に代えて、前記特定演出(たとえば図24のステップS820で決定された変動中楽曲。変動中楽曲は、特定遊技状態において出力可能な特別楽曲と少なくともメロディが同じであり、音量、音質、テンポ、歌詞の有無などのメロディ以外の要素は特別楽曲と異なる態様であってもよい。)を可変表示中に実行させる制御を行なう第1通常制御手段(たとえば、図26のステップS8007、図29参照)とを含み、
前記第2制御手段は、前記第1特定制御手段による制御が行なわれるときと、前記第1通常制御手段による制御が行なわれるときとで、前記第2演出装置による演出を異なる態様(たとえば、前者は図36のステップS2704,ステップS2705、図38のステップS2804,ステップS2805で示すように大当り時の演出態様。後者は図27のステップS8007、図33のステップS8107で示すように変動時の演出態様。図29参照)で制御する。
このような構成によれば、第1演出装置による特定遊技状態中に実行される特定演出を可変表示中にも実行させることができるとともに、第2演出装置による演出は、特定遊技状態中に第1演出装置による特定演出が実行されるときと可変表示中に第1演出装置による特定演出が実行されるときとで、異なる態様で実行される。そのため、可変表示中に遊技の興趣を効果的に向上させることができるとともに、可変表示中に特定遊技状態中であると遊技者に誤認させることを防止することが可能な遊技機を提供することができる。
(1−2) 上記(1−1)の遊技機において、
前記特定遊技状態において実行可能な前記特定演出は複数種類(たとえば、楽曲A〜楽曲C)存在し、
前記第1通常制御手段は、前記特定遊技状態において実行可能な複数種類の前記特定演出のうちのいずれか1つを可変表示中に実行させる特定演出として選択し(たとえば、図24のステップS819、ステップS820)、
前記第1通常制御手段は、可変表示中に実行させる特定演出として選択可能な種類数(たとえば、変動中選択可能楽曲の数)を遊技の進行度合い(たとえば、大当り発生回数、経験値に応じたレベル)に応じて増加させる(たとえば、図24のステップS816、図25)。
このような構成によれば、可変表示中に実行可能な特定演出の種類を、遊技の進行度合いに応じて増加させることができる。そのため、遊技者の遊技意欲を効果的に高めることができる。
(1−3) 上記(1−1)または(1−2)の遊技機において、
前記特定演出は特定音による演出であり、可変表示中に実行される前記特定演出の特定音の音量は、前記特定遊技状態において実行される前記特定演出の特定音の音量よりも小さい(たとえば、図26のステップS8007)。または、前記特定演出は特定パターンでのランプによる演出であり、可変表示中に実行される特定パターンでの前記特定演出におけるランプの輝度は、前記特定遊技状態において実行される前記特定演出におけるランプの輝度よりも低い。
このような構成によれば、可変表示中および特定遊技状態中に同じ特定音による特定演出または同じ特定パターンでのランプによる特定演出を実行する場合においても、可変表示中であるのか特定遊技状態中であるのかを遊技者に分からせることができる。
(1−4) 上記(1−1)〜(1−3)のいずれかの遊技機において、
前記第1通常制御手段は、可変表示が行なわれていない状態(たとえば、演出図柄が変動していない状態)で前記検出手段によって特定動作(たとえば、非公開操作)が検出された場合(図24のステップS815でYESと判定された場合)に、可変表示中に実行させる演出を前記通常演出から前記特定演出に変更する(たとえば、図24のステップS820、ステップS822、図26のステップS8007)。
このような構成によれば、可変表示中に実行させる演出を通常演出から特定演出に変更するか否かを、可変表示が行なわれていない期間中(可変表示が行なわれる前)に決定することができる。そのため、可変表示中に実行させる演出を変更するか否かを可変表示中に決定する場合に比べて、可変表示中の演出制御が複雑になってしまうことを抑制できる。
(1−5) 上記(1−4)の遊技機において、
前記遊技機は、可変表示中に実行される演出が前記特定動作によって変更可能である旨を遊技者に報知しない(たとえば、非公開操作の存在を遊技者に報知する映像あるいは音声を出力しない)。
このような構成によれば、可変表示中に実行される演出が特定動作によって変更可能である旨を遊技者に報知しないため、特定動作およびその作用を非公開の仕様(スペック)とすることができる。そのため、特定動作およびその作用を知らない遊技者には、意外性を与えることができる。また、特定動作およびその作用を既に知っている遊技者には、非公開の仕様を知っているという優越感を与えることができる。
(1−6) 上記(1−1)〜(1−5)のいずれかの遊技機において、
前記第1通常制御手段は、可変表示中に実行させる演出が前記通常演出から前記特定演出に変更された後に、可変表示が行なわれていない期間が基準期間(たとえば、5分)を超えた場合(たとえば、図24のステップS824でYESと判定された場合)、可変表示中に実行させる演出を前記通常演出に戻す(たとえば、図24のステップS822、図26のステップS8007)。
このような構成によれば、遊技者が入れ替わった後も、可変表示中に実行させる演出が通常演出から特定演出に変更された状態が引き継がれてしまうことを抑制できる。
(1−7) 上記(1−1)から(1−6)のいずれかの遊技機において、
前記第1演出装置は、スピーカ(たとえば、スピーカ27)であり、
前記第1制御手段は、第1状態(たとえば、図35で示す図柄確定時間)において出力する音(たとえば、図柄確定中BGM)に対して割当てられるチャンネル(たとえば、チャンネルB)と、第2状態(たとえば、図35で示すファンファーレ時間)において出力する音(たとえば、ファンファーレBGM)に対して割当てられるチャンネル(たとえば、チャンネルC)とを含む複数のチャンネルから、それぞれ異なる音を前記第1演出装置に出力させることが可能であり、
前記複数のチャンネルは、さらに、前記第1状態と前記第2状態とにおいて継続して出力(たとえば、図34のステップS863A)され得る特別音(たとえば、ピキーン音)に対して割当てられるチャンネル(たとえば、チャンネルA)を含む。
このような構成によれば、特別音の出力に問題が生じることなく、特別音による音演出の自由度を向上させることができる。
(2) 従来、遊技者にとって不利な状態(たとえば、通常時)と有利な状態(たとえば、確変状態、時短状態)とで同様の演出を実行可能な遊技機があった(たとえば、特開2004−154347号公報)。
しかし、特開2004−154347号公報の遊技機において、遊技者にとって不利な状態において有利な状態と同様の演出が実行されると、現在の状態が有利な状態であると遊技者を錯覚させてしまう虞がある。このため、遊技の興趣を低下させてしまうといった問題がある。
この発明によれば、遊技の興趣を向上させることが可能な遊技機を提供することができる。
(2−1−1) つまり、この発明は、以下のように構成される。
各々を識別可能な識別情報(たとえば、演出図柄)の可変表示を行ない、特定表示結果(たとえば、大当り図柄)が導出表示されたときに遊技者にとって有利な特定遊技状態(たとえば、大当り状態)に制御可能な遊技機(たとえば、パチンコ遊技機1、スロットマシン)であって、
第1演出装置(たとえば、スピーカ27、演出表示装置9)による演出(たとえば、音演出、背景演出)を制御する第1制御手段(たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100)と、
前記第1演出装置と異なる第2演出装置(たとえば、枠LED28)による演出(たとえば、ランプ演出)を制御する第2制御手段(たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100)とを備え、
前記第1制御手段は、前記識別情報の可変表示中と表示結果の導出表示後とにおいて、前記第1演出装置による演出を同様の態様(たとえば、同じ楽曲を出力する演出態様)で制御する(たとえば、図24のステップS820、図27のステップS8007、図33のステップS8107、図24のステップS811B、図26参照)一方、
前記第2制御手段は、前記識別情報の可変表示中と表示結果の導出表示後とにおいて、前記第2演出装置による演出を異なる態様(たとえば、異なる発光パターンの演出態様)で制御する(たとえば、図27のステップS8007、図33のステップS8107、図26参照、ランプデータBとしては発光演出を実行しないデータであるが、発光演出を実行するデータであってもよい。)。
このような構成によれば、遊技者にとって不利な状態における演出効果を向上させつつ、有利な状態であるとの遊技者の錯覚を防止することができる。その結果、遊技の興趣を向上させることが可能な遊技機を提供することができる。
(2−1−2) また、この発明は、以下のように構成される。
各々を識別可能な第1識別情報および第2識別情報(たとえば、第1特別図柄、第2特別図柄)の可変表示を行ない、特定表示結果(たとえば、大当り図柄)が導出表示されたときに遊技者にとって有利な特定遊技状態(たとえば、大当り状態)に制御可能な遊技機(たとえば、パチンコ遊技機1、スロットマシン)であって、
第1演出装置(たとえば、スピーカ27、演出表示装置9)による演出(たとえば、音演出、背景演出)を制御する第1制御手段(たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100)と、
前記第1演出装置と異なる第2演出装置(たとえば、枠LED28)による演出(たとえば、ランプ演出)を制御する第2制御手段(たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100)とを備え、
前記第1識別情報と前記第2識別情報の可変表示とで有利度が異なり(たとえば、第2特別図柄の方が第1特別図柄よりも有利度の高い大当りになる確率が高い)、
前記第1制御手段は、前記第1識別情報の可変表示中と前記第2識別情報の可変表示中とにおいて、前記第1演出装置による演出を同様の態様(たとえば、同じ楽曲を出力する演出態様)で制御する(たとえば、図24のステップS820、図27のステップS8007、図33のステップS8107図30参照)一方、
前記第2制御手段は、前記第1識別情報の可変表示中と前記第2識別情報の可変表示中とにおいて、前記第2演出装置による演出を異なる態様(たとえば、異なる発光パターンの演出態様)で制御する(たとえば、図27のステップS8007、図33のステップS8107、図30参照)。
このような構成によれば、遊技者にとって不利な状態における演出効果を向上させつつ、有利な状態であるとの遊技者の錯覚を防止することができる。その結果、遊技の興趣を向上させることが可能な遊技機を提供することができる。
(2−1−3) また、この発明は、以下のように構成される。
各々を識別可能な識別情報(たとえば、演出図柄)の可変表示を行ない、特定表示結果(たとえば、大当り図柄)が導出表示されたときに遊技者にとって有利な特定遊技状態(たとえば、大当り状態)に制御可能な遊技機(たとえば、パチンコ遊技機1、スロットマシン)であって、
第1演出装置(たとえば、スピーカ27、演出表示装置9)による演出(たとえば、音演出、背景演出)を制御する第1制御手段(たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100)と、
前記第1演出装置と異なる第2演出装置(たとえば、枠LED28)による演出(たとえば、ランプ演出)を制御する第2制御手段(たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100)と、
前記特定遊技状態として有利度が異なる第1特定遊技状態(たとえば、16R大当り、確変大当り)または第2特定遊技状態(たとえば、8R大当り、通常大当り)のいずれかに制御可能な遊技状態制御手段とを備え、
前記第1制御手段は、前記第1特定遊技状態と前記第2特定遊技状態とにおいて、前記第1演出装置による演出を同様の態様(たとえば、同じ楽曲を出力する演出態様)で制御する(たとえば、図34のステップS873、図37参照)一方、
前記第2制御手段は、前記第1特定遊技状態と前記第2特定遊技状態とにおいて、前記第2演出装置による演出を異なる態様(たとえば、異なる発光パターンの演出態様)で制御する(たとえば、図36のステップS2705、図38のステップS2805、図43のステップS3302、図37参照)。
このような構成によれば、遊技者にとって不利な状態における演出効果を向上させつつ、有利な状態であるとの遊技者の錯覚を防止することができる。その結果、遊技の興趣を向上させることが可能な遊技機を提供することができる。
(2−1−4) また、この発明は、以下のように構成される。
可変表示の実行条件が成立(たとえば、第2始動入賞口14を通過)したことに基づいて各々を識別可能な識別情報(たとえば、演出図柄)の可変表示を行ない、特定表示結果(たとえば、大当り図柄)が導出表示されたときに遊技者にとって有利な特定遊技状態(たとえば、大当り状態)に制御可能な遊技機(たとえば、パチンコ遊技機1、スロットマシン)であって、
第1演出装置(たとえば、スピーカ27、演出表示装置9)による演出(たとえば、音演出、背景演出)を制御する第1制御手段(たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100)と、
前記第1演出装置と異なる第2演出装置(たとえば、枠LED28)による演出(たとえば、ランプ演出)を制御する第2制御手段(たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100)と、
前記実行条件が成立し易く有利度の異なる第1の高頻度状態と第2の高頻度状態(たとえば、第2始動入賞口14の可変入賞球装置の開状態の頻度が高い100回または30回の高ベース状態)とに制御可能な高頻度状態制御手段とを備え、
前記第1制御手段は、前記第1の高頻度状態と前記第2の高頻度状態とにおいて、前記第1演出装置による演出を同様の態様(たとえば、同じ楽曲を出力する演出態様)で制御する(たとえば、図24のステップS820、図27のステップS8007、図33のステップS8107、図31参照)一方、
前記第2制御手段は、前記第1の高頻度状態と前記第2の高頻度状態とにおいて、前記第2演出装置による演出を異なる態様(たとえば、異なる発光パターンの演出態様)で制御する(たとえば、図27のステップS8007、図33のステップS8107、図31参照)。
このような構成によれば、遊技者にとって不利な状態における演出効果を向上させつつ、有利な状態であるとの遊技者の錯覚を防止することができる。その結果、遊技の興趣を向上させることが可能な遊技機を提供することができる。
(2−1−5) また、この発明は、以下のように構成される。
各々を識別可能な識別情報(たとえば、演出図柄)の可変表示を行ない、特定表示結果(たとえば、大当り図柄)が導出表示されたときに遊技者にとって有利な特定遊技状態(たとえば、大当り状態)に制御可能な遊技機(たとえば、パチンコ遊技機1、スロットマシン)であって、
第1演出装置(たとえば、スピーカ27、演出表示装置9)による演出(たとえば、音演出、背景演出)を制御する第1制御手段(たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100)と、
前記第1演出装置と異なる第2演出装置(たとえば、枠LED28)による演出(たとえば、ランプ演出)を制御する第2制御手段(たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100)と、
可変表示において第1の期間(たとえば、イントロ予告タイミング)で第1予告演出(たとえば、イントロ予告)を、前記第1の期間と異なる第2の期間(たとえば、リーチタイミング)で第2予告演出(たとえば、イントロ予告に対応した歌リーチ演出)を、それぞれ実行可能な予告演出実行手段とを備え、
前記第1予告演出は、前記第2予告演出が実行されることを予告する演出であり、
前記第1制御手段は、前記第1の期間と前記第2の期間とにおいて、前記第1演出装置による演出を同様の態様(たとえば、同じ楽曲を出力する演出態様)で制御する(たとえば、図24のステップS820、図27のステップS8007、図33のステップS8107、図32参照)一方、
前記第2制御手段は、前記第1の期間と前記第2の期間とにおいて、前記第2演出装置による演出を異なる態様(たとえば、異なる発光パターンの演出態様)で制御する(たとえば、図27のステップS8007、図33のステップS8107、図32参照)。
このような構成によれば、遊技者にとって不利な状態における演出効果を向上させつつ、有利な状態であるとの遊技者の錯覚を防止することができる。その結果、遊技の興趣を向上させることが可能な遊技機を提供することができる。
(2−2) 上記(2−1−1)から(2−1−5)のいずれかの遊技機において、
前記特定遊技状態において制御可能な前記第1演出装置による演出は複数種類(たとえば、楽曲A〜楽曲C)存在し、
前記第1制御手段は、前記特定遊技状態において制御可能な複数種類の前記第1演出装置による演出のうちのいずれか1つを可変表示中に制御し(たとえば、図24のステップS819、ステップS820)、
前記第1制御手段は、第1演出装置による演出として可変表示中に制御可能な種類数(たとえば、変動中選択可能楽曲の数)を遊技の進行度合い(たとえば、大当り発生回数、経験値に応じたレベル)に応じて増加させる(たとえば、図24のステップS816、図25)。
このような構成によれば、可変表示中に制御可能な第1演出装置による演出の種類を、遊技の進行度合いに応じて増加させることができる。そのため、遊技者の遊技意欲を効果的に高めることができる。
(2−3) 上記(2−1−1)から(2−1−5)のいずれかまたは(2−2)の遊技機において、
前記特定遊技状態において制御可能な前記第1演出装置による演出は特定音による演出であり、可変表示中に制御される第1演出装置による演出の特定音の音量は、前記特定遊技状態において制御される前記第1演出装置による演出の特定音の音量よりも小さい(たとえば、図26のステップS8007)。または、前記特定遊技状態において制御可能な前記第1演出装置による演出は特定パターンでのランプによる演出であり、可変表示中に制御される特定パターンでの第1演出装置による演出におけるランプの輝度は、前記特定遊技状態において制御される前記第1演出装置による演出におけるランプの輝度よりも低い。
このような構成によれば、可変表示中および特定遊技状態中に同じ特定音による第1演出装置による演出または同じ特定パターンでのランプによる第1演出装置による演出を制御する場合においても、可変表示中であるのか特定遊技状態中であるのかを遊技者に分からせることができる。
(2−4) 上記(2−1−1)から(2−1−5)のいずれか、または、(2−2)もしくは(2−3)のいずれかの遊技機において、
前記第1制御手段は、可変表示が行なわれていない状態(たとえば、演出図柄が変動していない状態)で前記検出手段によって特定動作(たとえば、非公開操作)が検出された場合(図24のステップS815でYESと判定された場合)に、可変表示中において制御される第1演出装置による演出を前記特定遊技状態において制御可能な第1演出装置による演出で制御する(たとえば、図24のステップS820、ステップS822、図26のステップS8007)。
このような構成によれば、可変表示中に制御される第1演出装置による演出を特定遊技状態において制御可能な第1演出装置による演出で制御するか否かを、可変表示が行なわれていない期間中(可変表示が行なわれる前)に決定することができる。そのため、可変表示中に制御される第1演出装置による演出を可変表示中に決定する場合に比べて、可変表示中の演出制御が複雑になってしまうことを抑制できる。
(2−5) 上記(2−4)の遊技機において、
前記遊技機は、可変表示中に制御される第1演出装置による演出が前記特定動作によって変更可能である旨を遊技者に報知しない(たとえば、非公開操作の存在を遊技者に報知する映像あるいは音声を出力しない)。
このような構成によれば、可変表示中に制御される第1演出装置による演出が特定動作によって変更可能である旨を遊技者に報知しないため、特定動作およびその作用を非公開の仕様(スペック)とすることができる。そのため、特定動作およびその作用を知らない遊技者には、意外性を与えることができる。また、特定動作およびその作用を既に知っている遊技者には、非公開の仕様を知っているという優越感を与えることができる。
(2−6) 上記(2−1−1)から(2−1−5)のいずれか、または、(2−2)から(2−5)のいずれかの遊技機において、
前記第1制御手段は、可変表示中に制御する第1演出装置による演出が前記特定遊技状態において制御可能な第1演出装置による演出に変更された後に、可変表示が行なわれていない期間が基準期間(たとえば、5分)を超えた場合(たとえば、図24のステップS824でYESと判定された場合)、可変表示中に制御する第1演出装置による演出を元に戻す(たとえば、図24のステップS822、図26のステップS8007)。
このような構成によれば、遊技者が入れ替わった後も、可変表示中に制御する第1演出装置による演出が特定遊技状態において制御可能な第1演出装置による演出に変更された状態が引き継がれてしまうことを抑制できる。
(2−7) 上記(2−1−1)から(2−1−5)のいずれか、または、(2−2)から(2−6)のいずれかの遊技機において、
前記第1演出装置は、スピーカ(たとえば、スピーカ27)であり、
前記第1制御手段は、第1状態(たとえば、図35で示す図柄確定時間)において出力する音(たとえば、図柄確定中BGM)に対して割当てられるチャンネル(たとえば、チャンネルB)と、第2状態(たとえば、図35で示すファンファーレ時間)において出力する音(たとえば、ファンファーレBGM)に対して割当てられるチャンネル(たとえば、チャンネルC)とを含む複数のチャンネルから、それぞれ異なる音を前記第1演出装置に出力させることが可能であり、
前記複数のチャンネルは、さらに、前記第1状態と前記第2状態とにおいて継続して出力(たとえば、図34のステップS863A)され得る特別音(たとえば、ピキーン音)に対して割当てられるチャンネル(たとえば、チャンネルA)を含む。
このような構成によれば、特別音の出力に問題が生じることなく、特別音による音演出の自由度を向上させることができる。
[変形例]
(1) この実施の形態では、遊技機としてパチンコ遊技機1を適用しているが、スロットマシンであっても良い。
(2) この実施の形態では、遊技機に入力する遊技履歴を特定可能な情報としてパスワードを適用しており、外部から情報を入力するために専用の読み取り装置などを備える必要のないことから好ましいが、バーコードや2次元コードなどのようにコード化され、コードリーダにて読み取り可能なデータ、有線接続、無線接続、赤外線接続などによって入力可能なデータであっても良く、このような構成とすることでこれらデータの入力を簡単に行うことができる。
(3) この実施の形態では、遊技機から出力する遊技履歴を特定可能な情報として2次元コードを適用しており、遊技者が2次元コードリーダをかざすのみで簡単にデータを取得できることから好ましいが、バーコードなどのコードリーダにて読み取り可能な他のコードデータにて出力するようにしても良いし、有線接続、無線接続、赤外線接続などによって出力可能なデータであっても良く、さらには、遊技機へ入力する情報と同様にパスワードを適用しても良い。
(4) この実施の形態の遊技システム1000では、管理サーバ200の遊技者データベースに蓄積されている遊技者の遊技履歴に応じて特典が付与される構成であるが、少なくとも遊技機において入力されたパスワードから遊技履歴を特定し、特定した遊技履歴を反映した演出を行う構成であれば、必ずしも遊技履歴に応じて特典を付与する構成でなくとも良く、このような構成であっても、他人の2次元コードを取得したりしても、その2次元コードから特定される遊技履歴を自らの遊技履歴に反映させることはできず、パスワードの発行を受けた遊技者による新たな遊技履歴を引き継ぐことは可能となる一方でパスワードの発行を受けた遊技者以外の遊技者が遊技履歴を引き継ぐことが不可能となる。これによりパスワードや2次元コードを流用したり盗用したりしても意味がなくなるため、パスワード及び2次元コードの流用や盗用を防止することができる。その結果、他人のパスワードなどを利用して、自らの遊技履歴を不正に操作し、当該遊技履歴を演出に反映させるなど、遊技履歴を反映した演出の価値が著しく低下してしまうことを防止できる。
(5) この実施の形態では、「簡単スタート」にて仮登録を行って遊技を行う場合に、当該遊技を特定可能な情報として一定範囲で変動する乱数から抽出した開始時乱数を適用しているが、遊技終了時に管理サーバ200側で当該遊技を特定できるデータであれば良く、例えば、「簡単スタート」が入力される毎に、加算される番号など、規則的に変化するデータを適用しても良い。
(6) この実施の形態では、端末識別情報が付与された携帯端末であり、かつ端末識別情報の送信が許可された携帯端末のみ、管理サーバ200にてアクセスを許可するようになっているが、少なくとも携帯端末を識別可能な情報(Cookie)にて遊技者を識別したり、管理サーバ200側で付与した遊技者IDにて遊技者を識別したりできる場合には、端末識別情報が付与された端末や、端末識別情報の送信が許可されていない端末からもアクセスを許可する構成としても良い。
(7) この実施の形態では、端末識別情報に対応付けて遊技者に関する情報(遊技履歴など)を管理しているが、遊技者を識別可能な遊技者IDに対応付けて遊技者に関する情報を管理する構成でも良い。
(8) 前述した実施の形態においては、遊技者によって手入力で遊技機に遊技履歴を示すパスワードが入力されるようにした。しかし、これに限定されず、遊技機に遊技履歴を示す情報が入力されるのであれば、他の方法であってもよい。
たとえば、携帯端末300から赤外線通信および電波による通信などの無線通信および有線通信などで遊技機に遊技履歴を示す情報が入力されるようにしてもよい。会員カードなどの記録媒体に遊技履歴を記録するようにしておいて、会員カードから遊技機に遊技履歴を示す情報が入力されるようにしてもよい。管理サーバ200に遊技機への遊技履歴を示す情報の送信を要求したことに応じて、管理サーバ200からインターネットなどの公衆回線網および遊技場の管理コンピュータなどを介して遊技機に、直接、遊技履歴を示す情報が入力されるようにしてもよい。
(9) 前述した実施の形態においては、遊技履歴を示す情報であるパスワードに、遊技履歴の累計に基づいて設定される累計情報(レベルおよびその他の演出設定)と、前回の遊技履歴に基づいて設定される直近情報とが含まれるようにした。
しかし、これに限定されず、直近情報は、直近の所定回数または所定期間の遊技履歴に基づいて設定される情報であればよい。たとえば、直近の複数回の遊技履歴に基づいてもよいし、直近の1ヶ月の遊技履歴に基づいてもよい。
(10) 前述した実施の形態においては、累計情報に応じた演出として、レベルを表示するようにした。
しかし、これに限定されず、累計情報に応じた演出としては、レベルのメータの表示演出をするようにしてもよいし、選択した背景、音楽、キャラクタで遊技できるカスタマイズ演出をするようにしてもよい。
(11) 前述した実施の形態においては、遊技機にパスワードが入力されることによって、遊技者により開始条件が設定されたこととした。しかし、これに限定されず、遊技者により、上述の(8)で示したような方法で遊技履歴を示す情報が入力されることによって、遊技者により開始条件が設定されたこととするようにしてもよい。
(12) 前述した実施の形態においては、遊技機から2次元コードが出力されることによって、遊技者により終了条件が設定されたこととした。
しかし、これに限定されず、遊技者により終了条件が設定されたこととするのは、遊技者による操作に応じて、遊技履歴が会員カードなどの記録媒体に記録されることによってでもよいし、遊技者による操作に応じて、遊技履歴が遊技場の管理コンピュータおよびインターネットなどの公衆回線網を介して管理サーバ200に直接遊技履歴が送信されることによってでもよいし、遊技機から直接またはカードユニットを介して携帯端末に赤外線通信などの無線通信および有線通信によって携帯端末300に遊技履歴が送信されることによってでもよい。
(13) 前述した実施の形態においては、図51で説明したように、レベルが低いうちは、レベルが高くなった場合よりも取得できる経験値が多いので、レベルが上がり易くなる。
しかし、レベルが低いうちは、レベルが上がり易くする方法は、これに限定されず、他の方法であってもよい。前述した実施の形態においては、経験値がレベルによらず一定の所定値(たとえば10)に達するとレベルを上昇させるようにしたが、たとえば、レベルが低いうちは、レベル上昇に必要な経験値を少なくするようにしてもよい。
(14) 前述した実施の形態においては、遊技システム1000として発明を説明した。しかし、これに限定されず、遊技システム1000に含まれる、管理サーバ200、携帯端末300またはパチンコ遊技機1などの遊技機として発明を捉えることもできるし、それぞれの装置で行われる方法として発明を捉えることもできるし、それぞれの装置で実行されるプログラムとして発明を捉えることもできる。
(15) この実施の形態によれば、大当り中にランダム選択を行う際、複数の楽曲のうち、新たに追加された楽曲を選択する割合が、該新たに追加された楽曲以外の楽曲を選択する割合よりも高くなる構成とした。これにより、新たに追加された楽曲の楽曲演出が実行され易く、折角追加された選択肢がなかなか選択されないことを防止し、演出効果の向上を図ることができる。
(16) 本実施の形態において、大当り中において、楽曲が追加されて2回目以降の楽曲選択では、楽曲選択テーブルを用いて選曲するものとした。すなわち、楽曲が追加されて2回目以降の楽曲選択では、追加された楽曲を、該追加された楽曲以外の楽曲よりも高い割合で選択する制御を行わないこととした。これにより、追加された楽曲が過度に選択されることにより却って演出効果を低下させてしまうことを防ぐことができる。
(17) 本実施の形態において、変動中において、変動中楽曲の出力中にリーチが発生した場合、変動中楽曲の出力を停止させることとした。これにより、リーチ演出において出力される音声を妨げることを防止することができ、リーチ演出の演出効果を十分に発揮することができる。
(18) 本実施の形態では、大当り中において、ランダム選択によって選択される演出として特別楽曲を再生する楽曲演出を用いて説明したが、これに限るものではなく、例えば、動画を再生する動画演出や、静止画像を表示する静止画演出など、いずれの演出をランダム選択する際に、新たに追加された演出を選択する割合が、新たに追加された演出以外の演出を選択する割合よりも高くなるようにしてもよい。
(19) 本実施の形態では、継続回数Kに基づいて特別楽曲の選択肢が追加される構成としたが、これに限るものではない。例えば、遊技状態や、演出モードや、所定の演出の発生の有無や、遊技媒体の払出数や、遊技時間や、現在時刻や、1日当りの大当り回数などに基づいて特別楽曲の選択肢が追加されるものであってもよい。また、その際、選択肢が一つ追加されるようなものであってもよいし、複数追加されるようなものであってもよい。また、追加される選択肢の数は、予め定められているものであってもよいし、抽選によって決定されるようなものであってもよい。また、遊技に応じたポイントを付与し、該ポイントの合計値が閾値を超えた場合に選択肢を追加するようなものであってもよい。
(20) 本実施の形態では、選択可能な特別楽曲を追加した次の楽曲抽選からは、追加した楽曲の方が該追加した楽曲以外の楽曲よりも高い割合で選択および実行する制御を行わないこととしたが、該制御を行わなくなるタイミングについてはこれに限るものではない。例えば、追加した楽曲を選択した次の楽曲抽選からは、追加した楽曲の方が該追加した楽曲以外の楽曲よりも高い割合で選択および実行する制御を行わないものとしてもよい。その場合、該制御が、追加された楽曲が選択されるまで行われるため、追加された楽曲がより選択されやすくすることができる。
(21) 本実施の形態では、継続回数Kの計測期間を、通常大当りまたは確変大当りが発生してから、時短状態が終了して通常状態へ移行するまでの期間としたが、これに限るものではない。例えば、確変大当りが発生してから確変状態が終了して時短状態へ移行するまで(すなわち、通常大当りが終了するまで)の期間としてもよい。また、大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当り(例えば、通常大当りおよび確変大当り)の発生回数を継続回数Kとして換算することとしたが、大入賞口への遊技球の入賞を期待できない大当り(例えば、突然確変大当り)の発生回数も継続回数Kとして換算することとしてもよい。
(22) 前述した実施の形態においては、大当り中に特別楽曲の選択が可能となるようにした。しかし、これに限定されず、デモ画面あるいは図52に示したような画面の表示中に特別楽曲の選択が可能となるようにしてもよい。
(23) 前述した実施の形態においては、大当り状態の第1ラウンドで選択された特別楽曲が第2ラウンドから出力されるようにした。そして、特別楽曲が出力されている状態、つまり、大当り中に特別楽曲フラグがセットされている状態においては、図21のステップS706からステップS707で示すように、いつでも、特別楽曲の変更および特別楽曲の出力の停止が可能なようにした。しかし、これに限定されず、特別楽曲の変更および特別楽曲の出力の停止が可能な期間を特定の期間のみ、たとえば、大当り状態の各ラウンドでのみとしてもよい。
(24) 前述した実施の形態においては、遊技履歴を蓄積するモードである場合に特別楽曲を出力することが可能となるようにした。しかし、これに限定されず、遊技履歴を蓄積するモードでなくても特別楽曲を出力可能なようにしてもよい。
(25) 特別楽曲の選曲を含めた遊技機での演出の選択が管理サーバ200から送信されて携帯端末300に表示される画面で行なえるようにしてもよい。そして、前述のパスワードが発行されるときに、パスワードに選択された演出(選曲された特別楽曲)を特定可能な情報が含まれるようにして、パスワードが遊技機に入力されると、遊技機において、パスワードで示される演出が選択され実行される(特別楽曲が選曲され出力される)ようにしてもよい。
(26) 本実施の形態では、非公開操作(変動中出力音を通常音から変動中楽曲に変更するための操作)の受付期間を無変動期間としたが、必ずしも無変動期間に限定されない。たとえば、非公開操作の受付期間を、無変動期間に代えてあるいは加えて、可変表示中あるいは大当り中などとしてもよい。非公開操作の受付期間を大当り中とする場合には、大当り中に非公開操作が検出されたことに応じて大当り中に変動中楽曲の選択を受付け、大当り中に選択された変動中楽曲を変動中に出力するようにしてもよい。
(27) 本実施の形態では、変動中出力音が変動中楽曲に決定されている場合において、無変動期間が基準期間を超えた場合に変動中出力音を通常音に戻すようにしたが、変動中出力音を通常音に戻す条件はこれに限定されない。たとえば、遊技球が発射されていない期間あるいは遊技者が打球操作ハンドル5に触れていない期間が基準期間を超えた場合に、変動中出力音を通常音に戻すようにしてもよい。
(28) 本実施の形態では、特別楽曲の選択方法の1つとしてランダム選択を用いたが、このランダム選択と同様の手法を変動中楽曲の選択方法の1つとして用いるようにしてもよい。
(29) 変動中において、通常音を出力する場合と変動中楽曲を出力する場合とで音声合成用IC703で使用される音声チャンネルを異ならせるようにしてもよい。このようにすると、通常音と変動中楽曲との切替時の制御が容易になる。
(30) 同様の演出態様は、演出用のデータは同じであるが異なる態様で演出を実行する態様であってもよいし、演出用のデータは異なるが所定の関連性がある態様であってもよい。音データの場合、所定の関連性は、たとえば、楽曲のメロディが同じであること、楽曲のジャンルが同じであること、および、楽曲の演奏者が同じであることなどである。たとえば、前述した実施の形態においては、同様の演出態様の音演出は、同じ音データが用いられて実行されるようにした。しかし、これに限定されず、同様の演出態様の音演出が、同じ楽曲(同じメロディ)で異なるアレンジ(たとえば、音量、音質、テンポ、歌詞の有無などのメロディ以外の要素が異なる態様)の音演出であってもよい。この場合は、異なる音データを用いることとなる。
(31) 異なる演出態様は、演出用のデータは異なるが所定の関連性がある態様であってもよいし、演出用のデータは同じであるが異なる態様で演出を実行する態様であってもよい。たとえば、前述した実施の形態においては、異なる演出態様のランプ演出は、異なるランプデータが用いられて実行されるようにした。しかし、これに限定されず、ランプデータは同じであっても異なるランプ(たとえば、虹色の組合せの複数のランプおよび同色の組合せの複数のランプ、赤および白のランプ)を発光させるために用いることで、異なる演出態様のランプ演出が実行されるようにしてもよい。また、異なる演出態様のランプ演出が、同じ発光パターンのランプデータであるが輝度を異ならせることで実行されるようにしてもよい。
(32)前述した実施の形態においては、第1演出装置がスピーカ27であり、第1演出装置と異なる第2演出装置が枠LED28であることとした。しかし、これに限定されず、第1演出装置と第2演出装置とを入替えて、第1演出装置が枠LED28であり、第1演出装置と異なる第2演出装置がスピーカ27であることとしてもよい。
ランプ演出の場合、前述の所定の関連性は、発光パターンがテンポ(点滅の速さ)もリズム(点滅のパターン)も同じであること、および、発光パターンのテンポは異なるがリズムが同じであることなどである。たとえば、この場合に、同様の演出態様のランプ演出は、同じランプデータが用いられて実行されるようにする。しかし、これに限定されず、同様の演出態様のランプ演出が、同じランプデータを用いて異なるランプ(たとえば、虹色の組合せの複数のランプおよび同色の組合せの複数のランプ、赤および白のランプ)を発光させることで実行されるようにしてもよい。
また、異なる演出態様の音演出は、異なる音データが用いられて実行されるようにする。しかし、これに限定されず、異なる演出態様の音演出が、同じ楽曲(同じメロディ)で異なるアレンジ(たとえば、音量、音質、テンポ、歌詞の有無などのメロディ以外の要素が異なる態様)の音演出であってもよい。この場合は、異なる音データを用いることとなる。
(33) 前述した実施の形態の図29において、変動表示の終了後から大当り状態の開始前までの期間にも、音演出が途切れないようにしてもよい。また、当該期間で音演出の制御は途切れないが、音量を0にすることで、出力される音は途切れさせるようにしてもよい。
また、当該期間も、変動中に用いるランプデータCまたは大当り状態中に用いるランプデータDでランプ演出を実行するようにしてもよい。また、当該期間は、ランプデータCおよびランプデータDと異なるランプデータを用いてランプ演出を実行するようにしてもよい。
(34) 前述した実施の形態においては、遊技者にとって有利な状態と遊技者にとって不利な状態とにおいて、同様の演出態様で第1演出装置による演出を制御する一方、異なる態様で第2演出装置による演出を制御する例として、スピーカ27による音演出を同じ音データを用いて実行し、枠LED28によるランプ演出を異なる発光パターンのランプデータを用いて実行するようにした。
しかし、これに限定されず、同様の演出態様が、同じ音データを用いて同じ音量で音演出を実行する態様であってもよいし、同じ音データを用いて異なる音量で音演出を実行する態様であってもよい。また、異なる演出態様が、異なる発光パターンのランプデータを用いて同じ輝度で発光演出を実行する態様であってもよいし、異なる発光パターンのランプデータを用いて異なる輝度で発光演出を実行する態様であってもよい。
(35) 前述した実施の形態においては、図10で示した大当り種別判定用乱数の値によって確変状態に制御するか否かを決定するようにした。しかし、これに限定されず、特定領域を有する大入賞口の特定領域に玉が入った場合に、確変状態に制御するようにしてもよい。たとえば、大当り状態が16ラウンド固定で、15ラウンド目までは特定領域の無い大入賞口の開閉板が開き、16ラウンド目だけ特定領域の有る大入賞口の開閉板が開くように制御する。そして、特定領域に玉が入ることを条件として確変状態に制御するようにする。この場合に、16ラウンド目の大入賞口の開閉板の開放パターンが変わる(開放時間が長いまたは短い、開放回数が多いまたは少ない)ことによって遊技者にとって有利または不利となるようにしてもよい。この両者が、それぞれ有利な大当りおよび不利な大当りであってもよい。
(36) 前述した実施の形態においては、第1演出装置がスピーカ27であり、第1演出装置と異なる第2演出装置が枠LED28であることとした。しかし、第1演出装置および第2演出装置は、スピーカおよび枠LED28のようなランプに限定されず、演出表示装置9のような図柄を変動表示させるためのメイン表示器であってもよいし、図柄を変動表示させるものとは異なるサブ表示器であってもよいし、可動役物であってもよいし、遊技者に風を送る送風機であってもよいし、遊技者に熱さまたは冷たさを感じさせる熱源であってもよいし、遊技者に振動を感じさせる装置であってもよい。メイン表示器の場合は、背景など変動する図柄以外の部分の演出態様が、同様の演出態様になるようにしたり、異なる演出態様になるようにしたりする。
(37) 前述した実施の形態においては、図27のステップS8007で示したように、可変表示中に出力する特別楽曲の音量を、特定遊技状態において出力される特別楽曲の音量よりも小さくなるように制御するようにした。しかし、これに限定されず、特定遊技状態において特別楽曲とともに実行されるランプ演出を可変表示中にも実行する場合に、可変表示中に実行するランプ演出におけるランプの輝度を、特定遊技状態において実行されるランプ演出におけるランプの輝度よりも小さくなるように制御するようにしてもよい。
(38) 前述した実施の形態においては、図34のステップS863Aおよび図35で説明したように、ピキーン音を出力させるようにした。しかし、これに限定されず、ピキーン音に加えて演出表示装置9で表示演出を実行させる(たとえば、キャラクタを表示させる)ようにしてもよい。また、連チャン回数に応じて、ピキーン音を長くするだけでなく、合わせて、キャラクタが増えるようしてもよい。また、出力される音は、ピキーン音に限定されず、他の効果音であってもよい。
(39) 前述した実施の形態においては、図24のステップS815で示したように、非公開操作があった場合に、大当り中に出力される楽曲が変動中に出力される楽曲として選択可能となるようにした。しかし、これに限定されず、選択可能となるのが、非公開操作でなく公開された操作があった場合であってもよい。つまり、大当り中に出力される楽曲が変動中に出力される楽曲として選択可能であることを報知するものであってもよい。
(40) 前述した実施の形態においては、図24のステップS820で大当り中に出力される楽曲が変動中に出力される楽曲に決定された場合に、変動中のランプデータは、大当り中にその楽曲が出力されるときに用いられるランプデータではなく、変動中のランプデータが用いられるようにした。このため、図24のステップS822で、変動中に出力される楽曲が大当り中に出力される楽曲ではない変動中の元の楽曲に戻される場合には、ランプデータについてはそのまま変動中のランプデータが用いられるようにした。
しかし、図24のステップS820で大当り中に出力される楽曲が変動中に出力される楽曲に決定された場合に、変動中のランプデータは、大当り中にその楽曲が出力されるときに用いられるランプデータでも変動中に用いられるランプデータでもない、他のランプデータが用いられるようにするようにしてもよい。この場合は、図24のステップS822で、変動中に出力される楽曲が大当り中に出力される楽曲ではない変動中の元の楽曲に戻される場合には、ランプデータについても変動中の元のランプデータに戻されるようにする。
(41) 前述した実施の形態においては、図24で示したように、変動表示が終了した後に次の変動パターンコマンドが受信されていない場合は、変動表示の終了後、演出表示装置9では特に何も表示演出が行なわれず、変動後音出力期間が経過した後は、スピーカ27での音演出が行なわれないようにした。
しかし、これに限定されず、変動表示が終了した後に次の変動パターンコマンドが受信されていない場合は、変動表示の終了後、演出表示装置9でデモ表示演出が行なわれるようにし、変動後音出力期間が経過した後は、スピーカ27でデモ表示演出に対応した音演出が行なわれるようにしてもよい。
(42) 前述した実施の形態においては、図31で示したように、回数の異なる高ベース状態において、スピーカ27による音演出は同様の演出態様で制御し、ランプ演出は異なる態様で制御するようにした。しかし、高ベース状態は回数が異なることに限らず、ベースが異なることであってもよい。たとえば、高ベース(たとえば、ベース80%)と中ベース(たとえば、ベース50%)であってもよい。
(43) 前述した実施の形態においては、大当りの継続回数が所定回数(K=6,11,16)の場合は、追加された楽曲(楽曲D,E,F)が他の楽曲よりも選択され易くして、所定回数以外の場合は、追加された楽曲は他の楽曲と同じ確率で選択されるようにした。
しかし、これに限定されず、大当りの継続回数が所定回数の場合に、追加された楽曲(楽曲D,E,F)が他の楽曲よりも選択され易くして、楽曲が追加された後、徐々にその楽曲が選択される確率を減らすようにしてもよい。たとえば、大当り継続回数K=6のときに楽曲Dが選曲可能な楽曲として追加され、図41の第1特殊楽曲選択テーブルと同じように楽曲Dが150/300の確率で選択され、その後、大当り継続回数K=7,8,9と大当り継続回数が増加するに従って、楽曲Dが選択される確率を125/300,100/300,85/300と減少させ、大当り継続回数K=10となったときに、図40の第2楽曲選択テーブルと同じように楽曲Dが他の楽曲と同じ75/300の確率で選択されるようにしてもよい。
(44) 前述した実施の形態においては、図11(D),(E)で説明したように、変動表示を所定回数行なわれたとの条件および次の大当りが発生したとの条件のいずれかが成立した場合に確変状態および時短状態が終了するようにした。しかし、これに限定されず、確変状態または時短状態のいずれかが次の大当りが発生したとの条件が成立するまで継続するようにしてもよい。また、確変状態または時短状態のいずれかを終了させるか否かを変動表示が終了するごとに抽選(いわゆる転落抽選)するようにしてもよい。
(45) 前述した実施の形態においては、図24のステップS815で示した非公開操作の受付期間は、変動パターンコマンド受信フラグがリセットされている期間、すなわち無変動期間であることとした。しかし、これに限定されず、無変動期間になってから所定時間経過後にデモ演出が開始されてから非公開操作の受付期間が開始するようにしてもよい。また、デモ演出中に遊技球の発射を検出するとデモ演出を終了させるようにしてもよい。この場合であっても、無変動期間であれば非公開操作の受付期間であることとしてもよい。
(46) 前述した実施の形態においては、大当り中の楽曲を変動中にも出力させる場合に、変動中の楽曲の音量を、大当り中の楽曲の音量よりも小さくするように制御した。これに加えて、または、これとは別に、大当り中のランプ演出と同じ発光パターンのランプ演出を変動中にも実行する場合に、変動中のランプ演出の輝度を、大当り中のランプ演出の輝度よりも低くするようにしてもよい。
また、前述した実施の形態において、演出図柄の変動表示中と表示結果の導出表示後とで同じ音データを用いて演出を実行する場合に、遊技者にとって不利な導出表示後の音量を、遊技者にとって有利な変動表示中の音量よりも小さくするように制御してもよい。これに加えて、または、これとは別に、演出図柄の変動表示中と表示結果の導出表示後とで同じランプデータを用いて演出を実行する場合に、遊技者にとって不利な導出表示後の輝度を、遊技者にとって有利な変動表示中の輝度よりも低くするように制御してもよい。
また、前述した実施の形態において、第1特別図柄の変動表示中と第2特別図柄の変動表示中とで同じ音データを用いて演出を実行する場合に、遊技者にとって不利な第1特別図柄の変動表示中の音量を、遊技者にとって有利な第2特別図柄の変動表示中の音量よりも小さくするように制御してもよい。これに加えて、または、これとは別に、第1特別図柄の変動表示中と第2特別図柄の変動表示中とで同じランプデータを用いて演出を実行する場合に、遊技者にとって不利な第1特別図柄の変動表示中の輝度を、遊技者にとって有利な第2特別図柄の変動表示中の輝度よりも低くするように制御してもよい。
また、前述した実施の形態において、16R確変大当り中などの第1特定遊技状態と8R通常大当り中などの第2特定遊技状態とで同じ音データを用いて演出を実行する場合に、遊技者にとって不利な第2特定遊技状態中の音量を、遊技者にとって有利な第1特定遊技状態中の音量よりも小さくするように制御してもよい。これに加えて、または、これとは別に、第1特定遊技状態中と第2特定遊技状態中とで同じランプデータを用いて演出を実行する場合に、遊技者にとって不利な第2特定遊技状態中の輝度を、遊技者にとって有利な第1特定遊技状態中の輝度よりも低くするように制御してもよい。
また、前述した実施の形態において、100回の高ベース状態中などの第1の高頻度状態と30回の高ベース中などの第2の高頻度状態とで同じ音データを用いて演出を実行する場合に、遊技者にとって不利な第2の高頻度状態中の音量を、遊技者にとって有利な第1の高頻度状態中の音量よりも小さくするように制御してもよい。これに加えて、または、これとは別に、第1の高頻度状態中と第2の高頻度状態中とで同じランプデータを用いて演出を実行する場合に、遊技者にとって不利な第2の高頻度状態中の輝度を、遊技者にとって有利な第1の高頻度状態中の輝度よりも低くするように制御してもよい。
また、前述した実施の形態において、変動表示中におけるイントロ予告のような第1予告演出が実行される第1の期間と歌リーチのような第2予告演出が実行される第2の期間とで同じ音データを用いて演出を実行する場合に、遊技者にとって不利な第1の期間の音量を、遊技者にとって有利な第2の期間の音量よりも小さくするように制御してもよい。これに加えて、または、これとは別に、第1の期間と第2の期間とで同じランプデータを用いて演出を実行する場合に、遊技者にとって不利な第1の期間の輝度を、遊技者にとって有利な第2の期間の輝度よりも低くするように制御してもよい。
(47) 本実施の形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出す遊技機を説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式の遊技機を採用してもよい。封入式の遊技機には、遊技媒体の一例となる複数の玉を遊技機内で循環させる循環経路が形成されているとともに、遊技点を記憶する記憶部が設けられており、玉貸操作に応じて遊技点が記憶部に加算され、玉の発射操作に応じて遊技点が記憶部から減算され、入賞の発生に応じて遊技点が記憶部に加算される。
このような封入式の遊技機には、遊技点を計数した上で、計数結果を記録媒体処理装置(遊技用装置)の一例となるカードユニットに送信する機能を設けてもよい。この場合、遊技点の計数を指示するための計数操作手段(計数ボタン)を封入式の遊技機に設けることが望ましい。たとえば、遊技点の計数結果は“持点”に変換されて、カードユニットに挿入されている(受付けられている)会員カードなどの「遊技者によって携帯される記録媒体」に直接記録される。あるいは、カードユニットに接続された点数管理用サーバで記録媒体に記録されているカードIDを管理し、計数結果をカードユニットから点数管理用サーバに送信することによって、点数管理用サーバがカードID毎に遊技者の持点を記憶するようにしてもよい。
なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
特定遊技状態(大当り状態)は可変表示装置にて特定の図柄の組み合わせ(同一図柄のゾロ目)が表示された後に、所定時間(図柄確定停止時間+大当り開始演出時間)経過した後に大入賞口が開放され、特定遊技状態が開始するものを例示したが、これに限らず、可変表示装置にて特定の図柄の組み合わせ(同一図柄のゾロ目)が表示された後に、遊技領域に設けられた特定の領域(特定の通過ゲートセンサ、または入賞センサ)に球を通過させることにより特定遊技状態が開始するものであってもよい。これにより大当りの発生時期を遊技者がコントロールすることができ、大当り開始前に持ち玉が無くなってしまった場合でも玉貸しを行って球を補充する時間を持てることになる。
さらに特定の領域は複数設けてもよく、いずれの特定の領域を通過させるかにより、大当りのラウンド数を異ならせてもよい。また、特定の領域の通過で大当りラウンド数の抽選を行うものでもよい。さらにその場合に、特定の領域が複数あれば、いずれの特定の領域を通過させるかにより、ラウンド数の抽選割合を異ならせるようにしてもよい。