JP5520038B2 - 映像処理装置及び映像処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、映像処理装置及び映像処理方法に関し、更には撮像装置の撮像信号から撮影シーンを検出して信号処理を行う方法に関するものである。
電子カメラなどの撮像装置において、その露出を最適値に自動設定する自動露出制御装置が設けられている。しかしながら、夜景撮影時等では、被写体と背景との輝度差が大きいため、適切な測光値が得られず、適切な露出設定が行えなくなる。不適切な露出設定のままで夜景を撮影すると、被写体のネオンなどの色とびが生じ、不自然な画像になるという課題がある。この課題を解決する為に、輝度レベルのヒストグラムを検出し、ヒストグラムの形状から夜景を判定するものが提案されている(特許文献1参照)。
以下、図2により、提案に係る夜景検出方法について説明する。図2は夜景のヒストグラムの説明図である。この提案方法では、図2に示す実線のヒストグラムのように極端に輝度の高いレベルと極端に輝度の低いレベルのみで分布されている場合を夜景として判定する。また、夜景状態をより正確に判定するために、ゲインが非常に高い時または、絞りエンコーダの情報が絞り開放近くの時のみ夜景状態と判定する制御も含まれる。夜景と判定されると、絞りを絞る方向に露出制御が行われ、これにより色とびのない最適な撮像画像を得ることができる。
特願平3−263870号公報
しかしながら、上記の提案方法には以下のような課題がある。例えば逆光シーンを撮影した場合のヒストグラムも極端に輝度の高いレベルと極端に輝度の低いレベルのみで分布される可能性が高い。また、コントラストが高い被写体でも同様なヒストグラム分布となり得る。逆に、明るめ、或いは暗めの夜景では、期待したスレッシュレベルにヒストグラム分布が入らない場合も考えられる。こうした場合、輝度レベルのヒストグラムの形状から夜景として判定している当該提案方法では、夜景と判定する精度が悪化して、夜景以外のシーンを夜景と誤判定したり、夜景シーンであるにもかかわらず夜景と検出できなかったりするという課題がある。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、夜景であることの判定をより正確に行なえるようにすることを目的とする。
上記目的を達成するための本発明の一態様による映像処理装置は以下の構成を備える。すなわち、
撮影手段によって撮影された映像の輝度信号から得られる輝度値のヒストグラム前記映像が夜景であると判定されるための条件を満たすか否かを判定する第1判定手段と、
前記映像の輝度信号に基づコントラストの評価値に基づいて前記映像に点光源の被写体が含まれるか否かを判定する第2判定手段と、
前記第1判定手段により前記条件を満たすと判定され、且つ、前記第2判定手段により前記映像に点光源の被写体が含まれると判定された場合に、前記撮影手段によって撮影されシーンが夜景であると判定する夜景シーン判定手段とを備え
前記第2判定手段は、前記撮影手段が備えるオートフォーカス手段によるフォーカスレンズの光軸方向への移動に伴う前記評価値の変化を示す変化曲線において、前記オートフォーカス手段が検出した合焦位置を挟んで2つの上に凸なピークが存在する場合に、前記映像に点光源が含まれると判定する。
本発明の映像処理装置及び映像処理方法によれば、夜景であることの判定をより正確に行なえる。
第1実施形態のビデオカメラのブロック図。 撮像装置で夜景を検出するヒストグラムの例を示す図。 ラインピーク積分評価値のグラフ例を示す図。 点光源のAF評価値を説明する図。 夜景撮影におけるヒストグラムの例を示す図。 第2実施形態のビデオカメラのブロック図。 映像の、ヒストグラムを算出する中央部を示す図。 実施形態による夜景判定処理のフローチャート。
<第1実施形態>
図1は第1実施形態によるビデオカメラの撮像系のブロック図である。図1において、レンズ100に入射した光は、露光量調節を行う光学絞り101で適正露光に調整され、イメージセンサ102で光電変換される。イメージセンサ102は、CCDやCMOS等の撮像素子で構成される。イメージセンサ102で光電変換された映像信号は、利得の変更を行うゲインアンプ103で適切なレベルに変換された後、信号処理装置104へ入力される。信号処理装置104は、入力信号の輝度信号や色信号に対してガンマ処理、輪郭強調処理、ノイズリダクション処理、ホワイトバランス処理、カラーバランス処理、各種記録フォーマットに則ったエンコード処理などを施す。信号処理装置104における信号処理結果として得られた映像信号は、記録装置105で動画として記録される。その一方で、当該映像信号は撮影時に撮像画をモニタするために表示装置106にも入力され、表示される。また、表示装置106には、撮像中の映像に重ねて撮像装置の状態やユーザによる各種設定状態などがOSD表示される。
次に、撮像装置の露出制御に関する部分について説明をする。本実施形態の露出制御では、撮像した映像の輝度レベルをもとに露出の評価を行い、入射光量から蓄積時間、さらには撮像信号のアンプゲインなどの制御をフィードバック制御し、映像信号レベルを最適に保つように制御する。測光値取得装置107は、信号処理装置104から信号処理途中の輝度信号をもとに露出情報を取得する。より具体的には、信号処理中の映像信号から複数の領域ごとに積分された輝度レベル信号を測光値として取得する。
評価値算出装置108は、測光値取得装置107で取得された測光値に基づき、露出制御の為の評価値を算出する。映像信号に基づく露出の評価は、例えば撮像領域の中央部分に重みを置いた中央部重点平均測光や、複数の領域中の明るい部分だけを用いるピーク測光、全体的に平均して測光する平均測光など様々な評価方法がある。この中で、撮影モードなどに応じて算出方法を切替えて使い分けることが一般的な手法となっている。評価値算出装置108はさらに、露出制御装置109における露出制御の目標レベルも算出する。目標レベルは、被写体の条件や測光方法によって変わる場合があり、評価値が到達すべきレベルとして設定される。例えば、評価値が目標レベルよりも低い場合は露光量を増やす方向、逆に評価値が目標レベルよりも高い場合は露光量を減らす方向を露出制御装置109に対して指示する。
露出制御装置109は、評価値算出装置108から指示された露出制御方向に対して、絞り値、シャッター速度(電荷蓄積時間)、アンプゲインなどの露出制御パラメータを決定する。露出制御については、被写体の明るさによって予め決定された制御パラメータの組み合わせにより制御を行うプログラムAE方式が一般的だが、被写体の条件や測光方法によって異なるパラメータの組合せを選択してもよい。露出制御装置109で決定された露出制御パラメータのうち、絞り値は絞り機構駆動装置116、電荷蓄積時間はセンサ駆動装置117、アンプゲインはゲインアンプ103の制御にそれぞれ使用される。
アクチュエータ115は光学絞り101を機械的に作動させ、絞り値を変化させる。アクチュエータ115は絞り機構駆動装置116から駆動されるもので、ガルバノメータやステッピングモータなどで構成される。絞り機構駆動装置116はアクチュエータ115の構成に合わせた駆動装置で、露出制御装置109からの指示に従って、電流制御やパルス制御などでアクチュエータ115を駆動する。センサ駆動装置117はイメージセンサ102の蓄積時間を制御するもので、電荷の蓄積タイミングや電荷読み出しタイミング等をイメージセンサ102に与える。
以下、本実施形態による夜景か否かの判定(以下、夜景判定という)に係る構成及び処理に関して述べる。図8は本実施形態による夜景判定処理を示すフローチャートである。本実施形態の夜景判定には、「輝度信号のヒストグラムの形状」と「点光源判定」の2種類の情報が用いられる。まず、輝度信号のヒストグラム形状から行なわれる夜景判定(S11〜S14)に関して説明する。この夜景判定は、イメージセンサ102を含む撮影部により撮影された映像から輝度値のヒストグラムを取得する第1取得処理と、この第1取得処理で取得したヒストグラムの形状から映像が夜景であるか否かを判定する第1判定処理によりなされる。第1取得処理を実行するヒストグラム生成装置110は、信号処理装置104から処理中の映像の輝度信号を取得する(S11)。そして、ヒストグラム生成装置110は、取得した映像の全域或いはほぼ全域の画素の輝度信号から輝度レベルのヒストグラム分布を生成する(S12)。ヒストグラム生成装置110で生成されたヒストグラム情報はヒストグラム形状判定装置111に入力される。ヒストグラム形状判定装置111はヒストグラム情報から輝度レベル分布のパターンから夜景撮影か否かを判定する。本実施形態ではヒストグラム形状が低輝度部分と高輝度部分にそれぞれ山がある形で形成される被写体を夜景であると判定する(S13,S14)が、ヒストグラム形状の詳細は後ほど述べる。ヒストグラム形状判定装置111で判定された結果は最終的に夜景判定装置114での判定に用いられる。
次に、本実施形態の二つ目の夜景判定である点光源判定に基づく夜景判定に関する流れ(S15〜S18)を説明する。点光源判定に基づく夜景判定は、映像の輝度信号の高周波成分に基づいてコントラストの評価値を取得する第2取得処理と、その評価値に基づいて映像に点光源の被写体が含まれるか否かを判定することで映像が夜景かどうかを判定する第2判定処理を含む。図1には示していないが、ビデオカメラ等の映像機器に用いられているオートフォーカス(AF)装置としては、いわゆるTV−AF方式が一般的になっている。この方式では、イメージセンサから得られる映像信号中の高周波成分を抽出し、この高周波成分が大きくなるようにフォーカスレンズを光軸方向へ駆動して焦点調節を行う。このTV−AF方式の評価値として水平ラインごとの評価値のピーク値を垂直方向に積分したラインピーク積分評価値がある。ラインピーク積分評価値は、積分効果でノイズの少ない安定した評価値であり、瞬時のノイズの影響を受けにくく、少しの焦点移動で敏感に信号が変化するのでオートフォーカス処理時の方向判定(レンズ移動方向の判定)に最適である。なお、オートフォーカス装置では、AF枠内のラインピーク積分評価値が用いられるが、以下の夜景判定では、映像の全域についてのラインピーク積分評価値が用いられる。なお、例えば、点光源の判別が不要な領域が予め判っている場合等は、全域ではなく必要な部分領域についてのラインピーク積分評価値を用いるようにしてもよい。或いは、映像の全域ではなく、予め定められた部分領域におけるラインピーク積分評価値を用いるようにしてもよい。
AF評価値取得装置112は信号処理装置104から輝度信号を取得し、その輝度信号から高周波成分を抽出し、水平ラインごとの評価値のピーク値を垂直方向に積分した(全水平ラインのピーク値の合計)ラインピーク積分評価値を取得する(S15)。詳細は後に記すが、通常はラインピーク積分評価値の最大点が合焦位置となるが、点光源の被写体を撮影した場合にはラインピーク積分評価値の最大点が合焦位置とならない特性がある。点光源判定部113は、オートフォーカス装置がフォーカスレンズを光軸方向へ駆動する間にAF評価値取得装置112からラインピーク積分評価値を取得することにより、その評価値の変化曲線を取得し、解析する(S16)。そして、点光源判定部113は、評価値の変化曲線をもとに、撮像中の被写体の点光源が含まれるかどうかを判定し、点光源が含まれる場合には夜景であると判定する。なお、この判定では、上述の「点光源ではラインピーク積分評価値の最大点が合焦位置とならない」という特性が利用される。点光源判定部113で判定された結果は、ヒストグラム形状判定装置111で判定された結果と合わせて夜景判定装置114での最終的な夜景判定に用いられる。
夜景判定装置114は、上述したヒストグラム形状による判定と点光源判定とをもとに撮影されたシーンが夜景かどうかを判定する。より具体的には、上述のヒストグラム形状判定装置111及び点光源判定部113での両方の判定結果が夜景である場合に、最終的に夜景であるとの判定を下す(S14、S18)。夜景判定装置114で夜景と判定された場合、評価値算出装置108において、夜景の撮影に適した評価値算出および目標値設定がなされる(S19)。他方、ヒストグラム形状または点光源判定による夜景判定の少なくとも何れかにおいて夜景でないと判定された場合には、夜景撮影以外に適した評価値算出および目標値設定がなされる(S20)。以上が、本実施形態における映像処理装置の構成に関する説明である。なお、ヒストグラムの形状による夜景判定(ステップS11〜S14)と点光源判定に基づく夜景判定(ステップS15〜S18)の処理の順番はこれに限られるものではない。例えば、点光源判定に基づく夜景判定を先に実行するようにしても良いし、両者が同時に実行されるようにしても良い。
<ヒストグラム形状による判定>
次に、輝度信号のヒストグラム形状から夜景を判定する手法に関して説明する。図2を参照して説明した通り、一般的な夜景シーンの輝度ヒストグラムでは、極端に輝度の高いレベルと極端に輝度の低いレベルとに値が分布している場合が多い。極端に輝度の高いレベルとは夜景被写体中のイルミネーション部分に相当し、逆に極端に輝度の低いレベルとは夜景被写体中のイルミネーションではない部分に相当する。
図5の(A)は夜景シーンの輝度のヒストグラムの一例を示すグラフである。実線で示された曲線は、夜景シーンの輝度ヒストグラム曲線601を表す。また、点線602は低輝度部分の頻度分布を検出するための低輝度閾値TH1、点線603は高輝度部分の頻度分布を検出するための高輝度閾値TH2をそれぞれ表す。このように、低輝度値域TH1と高輝度閾値TH2とにより、ヒストグラムは3分割される。極端に輝度の高いレベルと極端に輝度の低いレベルの頻度を検出する方法としては、低輝度閾値TH1と高輝度閾値TH2とにより分割された各輝度範囲内での画素数を頻度として計数して比較を行うことが挙げられる。まず、極端に輝度の低いレベルの頻度を検出する為に低輝度閾値TH1以下の輝度レベルの画素数を計数する。具体的にはヒストグラム曲線601中の低輝度閾値TH1以下の斜線で示した部分の画素数を積算したものをイルミネーションでは無い部分の面積として捉える。これを輝度レベルの範囲(TH1−0)で正規化(平均化)すれば低輝度の範囲中の頻度の平均値となり、低輝度レベルの評価値となる。
同様にして、中輝度レベルの頻度を検出する為に低輝度閾値TH1より大きく高輝度閾値TH2未満までの範囲の輝度レベルの画素数を計数する。これを輝度レベルの範囲(TH2−TH1)で正規化(平均化)すれば、中輝度レベルの評価値となる。また、高輝度レベルの頻度を検出する為に高輝度閾値TH2以上の範囲の輝度レベルの画素数を計数する。これを輝度レベルの範囲(TH2−100)で正規化(平均化)すれば、高輝度レベルの評価値となる。図5の(A)のようなヒストグラム形状の被写体が極端に輝度の高いレベルと極端に輝度の低いレベルのみで分布されていると判断する為には、
(低輝度レベル評価値 > 中輝度レベル評価値) ・・・ 条件1
(高輝度レベル評価値 > 中輝度レベル評価値) ・・・ 条件2
において、条件1 かつ 条件2、であれば良い。すなわち、条件1と条件2の両方を満たすと、当該画像は夜景シーンであると判断される。
ここまでは特許文献1の提案方法と同様であり、上記の条件により夜景をか否かを判定してもよい。しかしながら、実際の夜景シーンは様々で、例えば、夕景に近い状態の夜景では、まだ暗くなりきらないために中輝度レベルの頻度が高くなる場合が想定される。また、イルミネーションが少ないと高輝度レベルの頻度が低くなり、中輝度レベルの評価値よりも低くなる場合が想定される。図5の(B)は図5の(A)で示した夜景シーンよりもイルミネーションが少なく、かつ全体が明るめで中輝度レベルの頻度が高い夜景シーンのヒストグラムの一例を示したグラフである。
夜景シーンの検出精度を向上させるためには、図5の(B)で示されるヒストグラムの夜景シーンをも検出できることが必要になる。図5の(B)において実線デ示された曲線は夜景シーンの輝度ヒストグラム曲線701を表す。点線702は低輝度部分の頻度分布を検出する低輝度閾値TH1、点線703は高輝度部分の頻度分布を検出する高輝度閾値TH2をそれぞれ表す。図5の(A)と(B)とで、ヒストグラム曲線701はヒストグラム曲線601と異なるが、低輝度閾値TH1と高輝度閾値TH2は同等の輝度レベルの設定である。
図5の(A)に関して上述した方法を用いて、図5の(B)に示すヒストグラムについて、低輝度閾値TH1と高輝度閾値TH2で区切られた各部分の画素数を計数することで、低輝度レベル評価値、中輝度レベル評価値、高輝度レベル評価値が取得され得る。図5の(B)のようなヒストグラム形状の被写体が夜景シーンであると判断する為には、まず上述の「条件1」を満足する必要がある。ここで、この夜景シーンでは中輝度レベルの分布が多いことと、イルミネーションが少なく高輝度レベルの分布が少ないことから、「条件2」を満たす必要は無い。ただし、高輝度レベル評価値が低輝度レベル評価値よりも高くなると、夜景とはいえない状態になるため、
(低輝度レベル評価値 > 高輝度レベル評価値) ・・・ 条件3
である必要がある。このことは極端に輝度の高いレベルと極端に輝度の低いレベルのみで分布されている場合にも言えることで、ここまでをまとめると、
(低輝度レベル評価値 > 中輝度レベル評価値) ・・・ 条件1
(低輝度レベル評価値 > 高輝度レベル評価値) ・・・ 条件3
において、条件1 かつ 条件3、であることが、図5の(A),(B)のヒストグラムで表された夜景シーンの被写体検出に共通の条件となることがわかる。よって、本実施形態ではこの条件で夜景か否かの判定を行う。
このように、輝度信号のヒストグラム形状を評価することで夜景シーンを判定することが可能になる。そこで、本実施形態では、上述の条件1かつ条件3により夜景判定を行うものとする。なお、「条件1かつ条件3」または「条件1かつ条件2」の場合に夜景であると判定するようにしても良い。ただし、これまで述べてきたように、逆光シーンなども夜景シーンに似たヒストグラム形状となるため、ここまで説明した構成だけでは精度の高い夜景検出は出来ない。本実施形態では、輝度信号のヒストグラム形状は夜景検出の為の条件の1つとして利用されるものであり、後述の点光源判定などの条件が追加されて高精度な夜景判定が実現される。
<点光源検出による判定>
次に、AF評価値から点光源を判定する手法に関して説明する。上述のように、水平ラインごとの評価値のピーク値を垂直方向に積分したラインピーク積分評価値を用いたTV−AFシステムにおいて、点光源を検出することが可能である。ラインピーク積分評価値は積分効果でノイズの少ない安定した評価値なので、瞬時のノイズの影響を受けにくく、少しの焦点移動で敏感に信号が変化するのでフォーカスレンズの駆動方向の判定に最適である。
図3の(A)は通常の被写体を撮影した場合のラインピーク積分評価値とフォーカスレンズ位置との関係を示したグラフ(ラインピーク積分評価値の変化曲線)である。図3の(A)に示すように、通常の被写体では合焦位置に近づくにつれて像のコントラストが向上し、ラインピーク積分評価値が大きくなる。従って、AF制御としてはフォーカスレンズ位置を移動させながらラインピーク積分評価値が最大となる点を探し出し、そこを合焦位置とする。
一方で、ラインピーク積分評価値は、必ずしも値の大きなレンズ位置が合焦位置とならない場合が存在する。図4の(A)(B)は点光源のような被写体を撮影した場合、合焦フォーカスレンズ位置と非合焦フォーカスレンズ位置で撮像したそれぞれの像に対してラインピーク積分評価値を左側に示した図である。焦点調節により長さが変動する点光源のような被写体を撮影した場合、図4の(A)のように点光源に合焦しているときはそれぞれのラインのピーク値(Y1)は大きいが被写体像が掛かるライン数が少なくなりラインピーク積分地は減少する。一方、図4の(B)のように点光源に対して非合焦になるとそれぞれのラインのピーク値(Y2,Y3)は小さくなる(Y1>Y2>Y3)が、被写体像が掛かるライン数が増えるためラインピーク積分評価値が増加する。すなわち、合焦近傍でラインピーク積分評価値が最大(Y2×2+Y3×2)となり、合焦位置では落ち込む(Y1×2<Y2×2+Y3×2)現象が発生する。
図3の(B)は点光源のような被写体を撮影した場合のラインピーク積分評価値とフォーカスレンズ位置との関係を示したグラフである。図3の(B)のように点光源のような被写体ではラインピーク積分評価値の最大点が合焦位置とならない。このため、AFの制御としては点光源のようにラインピーク積分評価値が合焦位置で小さくなる被写体を判別し、自動焦点制御を切り替えることで確実に合焦できるようになる。
本実施形態の点光源判定部113は、上述の「点光源ではラインピーク積分評価値の最大点が合焦位置とならない」という特性を利用し、ラインピーク積分評価値をもとに撮像中の被写体の点光源が含まれるかどうかを判定する。
また、AF評価値としてはラインピーク積分評価値を利用するが、図4に示したような点光源の被写体では、図3の(B)に示したような特徴的なラインピーク積分評価値の分布となる。これを利用して、高輝度のラインと低コントラストのラインの関係からも点光源の判定を行うことが可能である。すなわち、夜景シーンの特徴としては、低輝度かつ低コントラストのラインが多い中に点光源で構成される高輝度かつ高コントラストのラインが存在する。従って、高輝度ラインと低コントラストラインの比率から点光源であるという判定を行うこともできる。すなわち、上記評価値が第1の閾値より小さい水平ラインの数に対する、上記評価値が第1の閾値よりも大きい第2の閾値より大きい水平ラインの数との比率が所定値以下の場合に映像に点光源が含まれると判定する。
さらには、上述の高コントラストラインと低コントラストラインの比率から点光源であるという判定と、合焦近傍でラインピーク積分評価値が最大となり合焦位置では落ち込むことを利用した判定を併用してもよい。このようにすることで、点光源の判定精度をさらに向上させることができる。
ラインピーク積分評価値を用いた点光源の判定は夜景検出の為の条件の1つとして利用するものであり、上述の輝度信号のヒストグラム形状による夜景検出の条件とともに用いることにより高い精度の夜景判定を実現できる。なお、上記では映像の全域にわたるラインピーク積分評価値を用いたが、オートフォーカス装置がもちいるAF枠内の映像についてのラインピーク積分評価値を利用するようにしても良い。その場合、オートフォーカス装置が焦点位置検出のために取得したラインピーク積分評価値をそのまま利用することができる。さらに、複数のAF枠が存在する場合に、それらの少なくとも1つにおいて上記点光源を示す特性が検出された場合に、夜景であるとの判定を行うようにしても良い。
次に、夜景シーンと判定された場合の露出制御に関して説明する。一般に、夜景を意識しない通常の露出制御において夜景シーンを撮影すると、暗い部分が多い為に実際の被写体の見え方以上に明るくする方向に制御されることとなる。その結果、ゲインを多くかける必要が生じショットノイズが増加する上に、暗い部分が明るくなって浮いた映像となる。さらにはイルミネーション部分はイメージセンサ上あるいは信号処理上で飽和し、白く飛んだ状態となってしまう。
夜景シーンに適した露出制御は種々考えられるが、例えば測光方式を夜景に向いたものにすることが上げられる。イルミネーション部分が白飛びしないようにするためには、映像中の輝度のピークレベルから測光評価値を生成する測光(ピーク測光)が有効となる。輝度のピークレベルを白飛びしないレベルに制御すれば、イルミネーションの色や諧調が表現できるだけでなく、暗い部分は暗く撮影することが可能である。しかし、通常の被写体に対してピーク測光を適用すると適正レベルよりも暗い映像となってしまう。そのため、上述の夜景シーン判定がなされた場合にピーク測光を行う構成にすれば、特別な切替えなど無しに通常シーンから夜景シーンまで自動的に最適な露出を得ることができる。
また、夜景シーンに適した別の露出制御の例として、露出の目標レベルを低くすることが挙げられる。上述のように夜景を意識しない通常の露出制御において夜景シーンを撮影すると、暗い部分が多い為に実際の被写体の見え方以上に明るくする方向に制御されることとなる。これを避けるには露出の目標レベルを低くすれば良く、被写体中の暗い部分を必要以上に明るくすることを避けることが出来る。これは、露出制御量を押えてゲインの上昇を避ける手法でも同様の効果を得ることが出来るし、上述のピーク測光と合わせてさらに効果を上げることも可能である。これらの手法も夜景ではない通常の被写体に対して適用すると適正レベルよりも暗い映像となってしまう。そのため、上述の夜景シーン判定がなされた場合に露出制御を自動的に切り替える構成にすれば、特別な切替えなど無しに通常シーンから夜景シーンまで自動的に最適な露出を得ることが出来る。
以上が第1実施形態による夜景判定に関する説明である。本実施形態によれば、ヒストグラム形状が低輝度部分と高輝度部分にそれぞれ山がある形で形成され、かつ被写体中に点光源があると判定された場合に夜景シーンであると判定される。このため、一般的な夜景判定による撮像制御では誤判定してしまうような画像(例えば逆光シーンなどを撮影した場合)であっても、夜景シーンであるかどうかを正しく判定することが可能となる。そのため、夜景に特化した露出制御への切り替えを適切に行うことができ、最適な画像を得ることが可能となる。さらには、明るめの夜景などヒストグラムの形状として夜景の特徴が少なくても夜景シーンとして検出することが可能となる。
なお、本実施形態ではAF制御の為のラインピーク積分評価値で説明したが、夜景検出専用に点光源を検出できる構成にしても良いし、ラインではなく画素単位で点光源を検出することも容易に可能である。また、本実施形態では夜景判定に応じて露出制御を変える構成を説明したが、輝度のγカーブやセットアップレベル、また、色信号の処理を変えることも夜景撮影としての効果を得るようにしてもよいことはいうまでもない。
<第2実施形態>
第1実施形態では、「輝度信号のヒストグラムの形状」と「点光源判定」の2種類の情報を用いて夜景判定を行った。第2実施形態では、「点光源判定」に代えて「中央部の高輝度画素の比率判定(後述)」を用いる。図6は第2実施形態によるビデオカメラの撮像系のブロック図である。図6において、第1実施形態のビデオカメラ(図1)と同様の構成には、同一の参照番号を付してある。ゲート部812はヒストグラム生成装置110で生成したヒストグラムから画像中央部の頻度だけを抽出する。高輝度部計数装置813は、ゲート部812が抽出した画像中央部における高輝度部の画素数が画像全体に対して占める比率を算出する。夜景判定装置814はヒストグラム形状判定装置による夜景判定と、中央部の高輝度画素の比率に基づく夜景判定とをもとに撮影されたシーンが夜景かどうかを判定する。なお、露出制御は第1実施形態と同様である。
以下、第2実施形態による夜景判定に係る構成に関して述べる。第2実施形態による夜景判定は2種類の情報からなされるが、その一つが輝度信号のヒストグラム形状から判定するもの(第1取得処理と第2判定処理)であるところは第1実施形態と同様である。したがって、ヒストグラムを生成し夜景判定をする流れに関しては第1実施形態(ステップS11〜S14)で説明しているので、ここでは割愛する。ヒストグラム形状判定装置111で判定された結果は最終的に夜景判定装置814での判定に用いられる。
次に、第2実施形態における二つ目の夜景判定である中央部の高輝度画素の比率判定に関する流れを説明する。第2実施形態では、第1実施形態の点光源による夜景判定を行う第2取得処理と第2判定処理を、中央部の高輝度画素の比率による判定に置き換える。すなわち、第2取得処理において、映像の中央に設定された部分領域の内部において所定の輝度値を超える画素の数を取得し、第2判定処理において、当該取得された画素の数の映像の全画素数に対する割合に基づいて映像が夜景であるか否かを判定する。なお、図8のステップS15〜S18においてこの夜景判定処理が実行される。
夜景シーンといっても様々な映像があるが、映像中の中央部分にイルミネーションが存在しない場合には、そこに別の被写体が存在する可能性が高い。あるいは、そのような被写体は実際には夜景ではなく逆光シーンであったりする場合があるし、撮影者が意図して中央部に主被写体を入れて撮影している可能性が高い。そのような被写体に対して夜景に適した露出制御を行うと、中央部は黒く潰れ、主被写体に対して階調が出ない映像になってしまう。以上のことを踏まえ、夜景シーンの条件として「映像中の中央部に閾値以上の高輝度部が存在していること」を加えると、誤検出が減少して検出精度が向上する。
ゲート部812はヒストグラム生成装置110が生成した輝度信号レベルのヒストグラムから、映像中の中央部分のみの情報を抜き出す(第2取得処理)。そして、ゲート部812は、上述の映像中の中央部分にイルミネーションが存在するか否かを検出する為の準備として、当該中央部分に特化したヒストグラムを生成する。高輝度部計数装置813は、ゲート部812で生成した中央部分に特化したヒストグラムのうち、高輝度部の画素数を計数する。より具体的には、高輝度部計数装置813は、ヒストグラムのうち予め定められた輝度レベルの閾値を超えた部分の画素数を計数し、映像全体の画素数に対する中央部分の高輝度画素数の割合を算出する。高輝度部計数装置813はさらに算出した高輝度画素数の割合を閾値と比較し、割合が閾値以上である場合を夜景シーンであると判定する(第2判定処理)。高輝度部計数装置813で判定された結果はヒストグラム形状判定装置111で判定された結果と合わせて最終的に夜景判定装置814での判定に用いられる。
夜景判定装置814では上述のヒストグラム形状判定装置111で判定された結果と高輝度部計数装置813で判定された結果の両方が夜景であるとされた場合に最終的に夜景であると判定する。夜景判定装置814で夜景と判定された場合、評価値算出装置108において、夜景の撮影に適した評価値算出および目標値設定がなされる。
図7は、ゲート部812が扱う、映像全体の領域に対する中央部分の領域を示すイメージ図である。図中、901は映像全体の領域、902は中央部分の領域である。中央部分の領域902の大きさ及び位置は、たとえば、横幅は映像全体の領域901の1/3程度の大きさで中央位置、縦幅は領域901の1/3程度の大きさで中央よりも若干下の配置とする。ここで、縦方向について中央よりも若干下の配置とするのは、一般に、夜景シーンの撮影において被写体を画面のやや下側に捕らえる傾向があるためである。もちろん中央部分の設定はこれに限られるものではなく、横方向についてもずらすようにしてもよい。すなわち、映像の中心と中央部分の領域の中心は一致している必要はなく、予め定められた大きさ、位置の部分領域を使用すればよいが、以下ではそのような部分領域を中央部分の領域として説明する。ゲート部812は、中央部分の領域902の内側に位置する輝度信号の頻度のみを抜き出す処理を行う。
高輝度部計数装置813が計数する高輝度レベルについて図5の(B)を流用して説明する。但し、ゲート部812により生成されたヒストグラムは、中央分の領域902内の画素について作成されたヒストグラムである。高輝度部計数装置813は、閾値TH2以上の輝度レベルの画素数を計数する。なお、閾値TH2は、上述のヒストグラム形状判定装置111が使用した閾値TH2と同じでも良いし、異なっていても良い。高輝度部計数装置813は、この中央部分における高輝度レベルの画素数の全画素に対する割合が規定の閾値Aを超えた場合を夜景であると判定する。閾値Aとしては、様々な夜景シーンのデータを調査した結果0.7%程度が適切であるという結果が出ている。
中央部分の高輝度画素数の割合を用いた夜景シーンの判定は夜景検出の為の条件の1つとして利用するもので、上述の輝度信号のヒストグラム形状による夜景検出とともに用いることにより高精度な夜景判定を実現することができる。また、第1実施形態で説明したラインピーク積分評価値を用いた点光源の判定をさらに条件に加えることで、夜景の検出制度をさらに向上させることができる。
なお、夜景シーンと判定された場合の露出制御は第1実施形態と同様である。たとえば、上述の夜景シーン判定がなされた場合にピーク測光を行う構成にすれば、特別な切替え操作をすること無しに通常シーンから夜景シーンまで自動的に最適な露出を得ることが出来る。また、夜景シーンに適した別の露出制御の例として、第1実施形態で説明したように、露出の目標レベルを低くすることや露出制御量を押えてゲインの上昇を避ける手法でも同様の効果を得ることが出来る。また、上述のピーク測光と合わせてさらに効果を上げることも可能である。これらの手法も夜景以外の通常の被写体に対して適用すると適正レベルよりも暗い映像となってしまう。そのため、上述の夜景シーン判定がなされた場合に露出制御を自動的に切り替える構成にすれば、特別な切替えなど無しに通常シーンから夜景シーンまで自動的に最適な露出を得ることが出来る。
以上が第2実施形態による夜景判定に関する説明である。第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果が得られる。
なお、第2実施形態では、ゲート部812は、ヒストグラムを生成してから中央部分を抜き出す構成で説明したが、映像の中央部分を抜き出して、当該中央部部分の輝度ヒストグラムを生成するようにしても良い。また、ゲート部812は、中央部分のみを抜き出すのではなく、中央部分に重み付けを置いて周辺部分も加味した輝度値の中央部重点平均をとることにより得られた輝度値が所定の閾値を超えるか否かで夜景判定を行っても良い。すなわち、前記映像の中央に設定された部分領域の内部の画素の輝度値に対して、部分領域の外部よりも大きい重み値を乗じて、映像における輝度値の平均輝度値を算出し、これが所低値よりも大きい場合に夜景である旨の判定を行うようにしてもよい。なお、重み値としては、たとえば、中央部領域の重み:中央部領域外の重み=2:1が好ましいが、これに限られるものではない
また、第3実施形態で示すように、第1実施形態で説明した点光源の検出による夜景判定を加えても良い。すなわち、第1実施形態で説明したラインピーク積分評価値の取得と、その評価値に基づく点光源の検出による夜景判定を第3取得処理、第3判定処理として加え、第1〜第3判定処理の全てが夜景と判定した場合に夜景であると判定するようにしてもよい。
<第3実施形態>
以上説明した第1、第2実施形態によれば、ラインピーク積分評価値を用いた点光源の判定や輝度信号のヒストグラム形状、さらには中央部の高輝度画素数の割合などを組み合せることで精度の高い夜景判定を実現することが出来る。しかし、高い精度で夜景であることを検出したにもかかわらず、それぞれの条件の閾値に近い評価値で検出された場合にはちょっとした被写体の変化で夜景ではないと判断される場合がある。夜景であると判断された場合の露出制御を考慮すると、頻繁に検出シーンが変わること(夜景か否かが切り替わること)は露出レベルが安定しないことになり、撮像装置として望ましくない。そこで、第3実施形態では、それぞれの閾値にヒステリシスを設け、夜景判定条件と、夜景と判定された状態から抜けるための判定条件とを異ならせることにより上記課題を解決する。
第3実施形態では、一度夜景であると判定された後に、夜景ではないと判定するための判定条件に関して説明する。夜景であると判断する条件を「IN条件」、夜景と判定されている状態から夜景でなくなったと判断する条件を「OUT条件」とすると、上述の夜景判定条件をそれぞれ以下のように定義する。
点光源による判定 : 判定A
ヒストグラム形状による判定 : 判定B
中央部の高輝度画素数の割合による判定 : 判定C
この場合、検出精度を高める為にそれぞれの判定条件の論理積をIN条件とする。すなわち、
IN条件:(判定A かつ 判定B かつ 判定C)
とし、IN条件としてはどの判定条件も夜景である(肯定)となった場合に夜景シーンと判定することが望ましい。
しかしながら、上記のIN条件で夜景判定された状態から、一つでも判定条件が欠けた場合(一つでも否定の判定結果となった場合)に夜景ではないと判定してしまうと、判定の変更が頻繁になってしまう。従って、この条件で一度夜景と判定された場合、OUT条件としては全ての条件が満たせなくなった場合のみ夜景ではないと判定を変えるようにすれば、安定した制御が可能になる。つまり、
OUT条件:(判定Aではない かつ 判定Bではない かつ 判定Cではない)
をOUT条件とし、この条件が満たされるまで夜景シーンであるとの判定が維持される。但し、これは一例であって、例えば、
OUT条件:(判定Aではない かつ (判定Bではない または 判定Cではない))
などとしても構わない。すなわち、IN条件よりも緩い条件とすればよく、その組み合せは様々となる。すなわち、本実施形態の特徴は、複数の判定条件をもった夜景検出に於いて、夜景検出状態から外れる条件(OUT条件)における判定の組み合せをIN条件における判定の組み合わせと異なるものとすることにある。
以上が本発明の夜景シーン検出後の再判定に関する説明である。本実施形態によれば、従来の夜景検出による撮像制御では被写体の変化やパンニングなどで夜景シーン検出が不安定になる場合にも安定して夜景であるとの判定を保つことが出来るようになる。
本実施形態では上述の3種類の判定手段について説明したが、判定手段の数は複数であれば数は問わない。また、IN条件には無い条件をOUT条件に加えても良いし、逆にIN条件にある条件がOUT条件には無くても構わない。また、第1、第2実施形態のように2つの判定条件が用いられる場合は、両方の判定の結果が否定となるまで、夜景シーンであるとの判定を維持するようにすれば良い。
以上のように、本発明によれば、逆光シーンを撮影した場合や、コントラストが高い被写体を撮影した場合などにおいて、誤って夜景であると判定されることが防止され、夜景判定の精度を向上させることができる。さらには、夜景のシーンを撮影した際に自動的に色とびのない最適な輝度レベルの撮像画像を取得することが可能となる。
なお、上記実施形態では、デジタルビデオカメラへの適用を説明したが、デジタルスチルカメラ似て起用することも可能である。この場合、上述した処理を、デジタルカメラにおけるオートフォーカス処理時に行って、夜景撮影モードを自動的に設定するにすることができる。また、撮像装置に限らず、本発明は、動画ファイルを再生するデジタルテレビ等の再生装置やパーソナルコンピュータで実行されるアプリケーションソフトウェアにも適用可能である。この場合、所定フレームごとに、映像の輝度信号の輝度値のヒストグラムやコントラストの評価値を動画ファイルに記録しておき、それを読み出して利用する方法や、再生した動画の映像信号を解析して直接的にそれらの情報を取得する方法がある。
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。上述の実施形態の一部を適宜組み合わせてもよい。
なお、システム制御回路1の制御は1つのハードウェアが行ってもよいし、複数のハードウェアが処理を分担することで、装置全体の制御を行ってもよい。
また、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。さらに、上述した各実施形態は本発明の一実施形態を示すものにすぎず、各実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
また、上述した実施形態においては、本発明をデジタルカメラに適用した場合を例にして説明したが、これはこの例に限定されない。すなわち、本発明はパーソナルコンピュータやPDA、携帯電話端末や携帯型の画像ビューワ、プリンタ装置に設けられた印刷画像選択および確認のためのディスプレイ、デジタルフォトフレームなど、複数の画像を同時に表示するように制御可能な表示制御装置であれば適用可能である。
(他の実施形態)
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)をネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムコードを読み出して実行する処理である。この場合、そのプログラム、及び該プログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。

Claims (17)

  1. 撮影手段によって撮影された映像の輝度信号から得られる輝度値のヒストグラム前記映像が夜景であると判定されるための条件を満たすか否かを判定する第1判定手段と、
    前記映像の輝度信号に基づコントラストの評価値に基づいて前記映像に点光源の被写体が含まれるか否かを判定する第2判定手段と、
    前記第1判定手段により前記条件を満たすと判定され、且つ、前記第2判定手段により前記映像に点光源の被写体が含まれると判定された場合に、前記撮影手段によって撮影されシーンが夜景であると判定する夜景シーン判定手段とを備え
    前記第2判定手段は、前記撮影手段が備えるオートフォーカス手段によるフォーカスレンズの光軸方向への移動に伴う前記評価値の変化を示す変化曲線において、前記オートフォーカス手段が検出した合焦位置を挟んで2つの上に凸なピークが存在する場合に、前記映像に点光源が含まれると判定することを特徴とする映像処理装置。
  2. 撮影手段によって撮影された映像の輝度信号から得られる輝度値のヒストグラムが前記映像が夜景であると判定されるための条件を満たすか否かを判定する第1判定手段と、
    前記映像の輝度信号に基づくコントラストの評価値に基づいて前記映像に点光源の被写体が含まれるか否かを判定する第2判定手段と、
    前記第1判定手段により前記条件を満たすと判定され、且つ、前記第2判定手段により前記映像に点光源の被写体が含まれると判定された場合に、前記撮影手段によって撮影されるシーンが夜景であると判定する夜景シーン判定手段とを備え、
    前記第2判定手段は、前記評価値が第1の閾値より小さい水平ラインの数に対する、前記評価値前記第1の閾値よりも大きい第2の閾値より大きい水平ラインの数との比率が所定値以下の場合に前記映像に点光源が含まれると判定することを特徴とする映像処理装置。
  3. 前記第2判定手段は、前記映像の水平ラインごとに高周波成分のピーク値を取得し、前記映像の水平ラインについての前記ピーク値の積算値を前記評価値として取得することを特徴とする請求項1または2に記載の映像処理装置。
  4. 前記撮影手段が映像の輝度信号の高周波成分に基づいたコントラストの評価値を用いて合焦位置の検出を行なうオートフォーカス手段を有し、
    記評価値は、前記オートフォーカス手段が合焦位置の検出に用いる評価値であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の映像処理装置。
  5. 撮影手段によって撮影された映像の輝度信号から得られる輝度値のヒストグラム前記映像が夜景であると判定されるための条件を満たすか否かを判定する第1判定手段と、
    前記映像の部分領域において所定の輝度値を超える画素の数を取得する第1取得手段と、
    前記第1取得手段により取得された画素の数の前記映像の全画素数に対する割合が所定値を超えるか否かを判定する第2判定手段と、
    前記第1判定手段により前記条件を満たすと判定され、且つ、前記第2判定手段により前記割合が前記所定値を超えると判定された場合に、前記撮影手段によって撮影されたシーンが夜景であると判定する夜景シーン判定手段とを備えることを特徴とする映像処理装置。
  6. 撮影手段によって撮影された映像の輝度信号から得られる輝度値のヒストグラム前記映像が夜景であると判定されるための条件を満たすか否かを判定する第1判定手段と、
    前記映像の部分領域の画素の輝度値に対して、前記映像の前記部分領域の外部よりも大きい重み値を乗じて、前記映像における輝度値の平均値を算出し、平均輝度値を取得する第1取得手段と、
    前記第1取得手段により取得された平均輝度値が所定値よりも大きいか否かを判定する第2判定手段と、
    前記第1判定手段により前記条件を満たすと判定され、且つ、前記第2判定手段により前記平均輝度が前記所定値よりも大きいと判定された場合に、前記撮影手段によって撮影されたシーンが夜景であると判定する夜景シーン判定手段とを備えることを特徴とする映像処理装置。
  7. 前記第1判定手段は、
    前記ヒストグラムを低輝度閾値と、前記低輝度閾値よりも大きい高輝度閾値により3分割し、
    前記低輝度閾値よりも小さい低輝度レベルの輝度値を有する画素の数を当該低輝度レベルの範囲で平均化した低輝度レベル評価値と、
    前記高輝度閾値を超える高輝度レベルの輝度値を有する画素の数を当該高輝度レベルの範囲で平均化した高輝度レベル評価値と、
    前記低輝度閾値と前記高輝度閾値の間の中輝度レベルの輝度値を有する画素の数を当該中輝度レベルの範囲で平均化した中輝度レベル評価値とを取得し、
    前記低輝度レベル評価値が前記中輝度レベル評価値と前記高輝度レベル評価値のそれぞれより大きい場合に前記条件を満たすと判定することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の映像処理装置。
  8. 前記第1判定手段は、前記ヒストグラムの形状が低輝度部分と高輝度部分にそれぞれ山がある形で形成される場合に、前記条件を満たすと判定することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の映像処理装置。
  9. 前記夜景シーン判定手段は、
    前記撮影手段によって撮影されるシーンが夜景であると判定した後は、前記第1判定手段と前記第2判定手段の両方において否定の判定が得られるまで、前記撮影手段が夜景を撮影しているとの判定を維持することを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の映像処理装置。
  10. 前記映像の輝度信号の高周波成分に基づいてコントラストの評価値を取得する第2取得手段と、
    前記第2取得手段により取得された評価値に基づいて前記映像に点光源の被写体が含まれるか否かを判定する第3判定手段とを更に備え、
    前記夜景シーン判定手段は、前記第1判定手段と前記第2判定手段の両方から肯定の判定結果が得られ、且つ、前記第3判定手段により前記映像に点光源の被写体が含まれると判定された場合に、前記撮影手段によって撮影されるシーンが夜景であると判定することを特徴とする請求項5または6に記載の映像処理装置。
  11. 前記夜景シーン判定手段は、前記撮影手段によって撮影されるシーンが夜景であると判定した後は、前記第1判定手段と前記第2判定手段と第3判定手段のすべてから否定の判定結果が得られるまで、前記撮影手段によって撮影されたシーンが夜景であるとの判定を維持することを特徴とする請求項10に記載の映像処理装置。
  12. 前記夜景シーン判定手段は、前記撮影手段によって撮影されるシーンが夜景であると判定した後は、前記第2判定手段と第3判定手段の少なくともいずれかから否定の判定結果が得られ、且つ、前記第1判定手段から否定の判定結果が得られるまで、前記撮影手段によって撮影されるシーンが夜景であるとの判定を維持することを特徴とする請求項10に記載の映像処理装置。
  13. 撮影手段によって撮影された映像の輝度信号から得られる輝度値のヒストグラム前記映像が夜景であると判定されるための条件を満たすか否かを判定する第1判定工程と、
    前記映像の輝度信号に基づコントラストの評価値に基づいて前記映像に点光源の被写体が含まれるか否かを判定する第2判定工程と、
    前記第1判定工程により前記条件を満たすと判定され、且つ、前記第2判定工程により前記映像に点光源の被写体が含まれると判定された場合に、前記撮影手段によって撮影されシーンが夜景であると判定する夜景シーン判定工程とを備え、
    前記第2判定工程では、前記撮影手段が備えるオートフォーカス手段によるフォーカスレンズの光軸方向への移動に伴う前記評価値の変化を示す変化曲線において、前記オートフォーカス手段が検出した合焦位置を挟んで2つの上に凸なピークが存在する場合に、前記映像に点光源が含まれると判定することを特徴とする映像処理方法。
  14. 撮影手段によって撮影された映像の輝度信号から得られる輝度値のヒストグラムが前記映像が夜景であると判定されるための条件を満たすか否かを判定する第1判定工程と、
    前記映像の輝度信号に基づくコントラストの評価値に基づいて前記映像に点光源の被写体が含まれるか否かを判定する第2判定工程と、
    前記第1判定工程により前記条件を満たすと判定され、且つ、前記第2判定工程により前記映像に点光源の被写体が含まれると判定された場合に、前記撮影手段によって撮影されるシーンが夜景であると判定する夜景シーン判定工程とを備え、
    前記第2判定工程では、前記評価値が第1の閾値より小さい水平ラインの数に対する、前記評価値が前記第1の閾値よりも大きい第2の閾値より大きい水平ラインの数との比率が所定値以下の場合に前記映像に点光源が含まれると判定することを特徴とする映像処理方法。
  15. 撮影手段によって撮影された映像の輝度信号から得られる輝度値のヒストグラム前記映像が夜景であると判定されるための条件を満たすか否かを判定する第1判定工程と、
    前記映像の部分領域において所定の輝度値を超える画素の数を取得する取得工程と、
    前記取得工程により取得された画素の数の前記映像の全画素数に対する割合が所定値を超えるか否かを判定する第2判定工程と、
    前記第1判定工程により前記条件を満たすと判定され、且つ、前記第2判定工程により前記割合が前記所定値を超えると判定された場合に、前記撮影手段によって撮影されたシーンが夜景であると判定する夜景シーン判定工程とを備えることを特徴とする映像処理方法。
  16. 撮影手段によって撮影された映像の輝度信号から得られる輝度値のヒストグラム前記映像が夜景であると判定されるための条件を満たすか否かを判定する第1判定工程と、
    前記映像の部分領域の画素の輝度値に対して、前記映像の前記部分領域の外部よりも大きい重み値を乗じて、前記映像における輝度値の平均値を算出し、平均輝度値を取得する取得工程と、
    前記取得工程により取得された平均輝度値が所定値よりも大きいか否かを判定する第2判定工程と、
    前記第1判定工程により前記条件を満たすと判定され、且つ、前記第2判定工程により前記平均輝度が前記所定値よりも大きいと判定された場合に、前記撮影手段により撮影されたシーンが夜景であると判定する夜景シーン判定工程とを備えることを特徴とする映像処理方法。
  17. 請求項13乃至16のいずれか1項に記載の映像処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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