JP5518232B2 - 板金タービンハウジング - Google Patents
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Description
本発明は、エンジンの排ガスエネルギーを利用してエンジンに対する過給圧を発生させるターボチャージャに採用される板金製のタービンハウジング構造に関し、特に、スクロールの巻き終わり部の舌部領域に発生する熱応力に起因する亀裂等の発生を防止する構造に関する。
従来、エンジンから排出される排ガスエネルギーを利用して吸気マニホールド内に加圧空気を供給することによって出力を向上するターボチャージャが知られている。このターボチャージャを車載用として装着して用いる場合には、特に、近年の燃費向上の観点から軽量化が要求され、従来の鋳造製のタービンハウジングに代えて、板金製のタービンハウジングが使用されるようになっている。
一方、タービンハウジングは、エンジン排ガスを取り込み、排ガスを用いてタービンロータを回転させる機能を有するため、600〜1050℃程度の排ガスが流入して、円周形状をしているタービンハウジングの流入口と排ガスが回り込んだ部分の集合部分、所謂舌部においては、流入流れと集合流れにより急激に加熱される。
舌部が急激に加熱されることにより、舌部周辺との温度差によって熱伸び拘束力が発生し圧縮熱応力が発生する。そして熱応力の繰返しにより、熱応力に起因する亀裂が発生する問題があった。
板金製のタービンハウジングにおいても、舌部部分における急加熱による熱応力の繰返しによる亀裂の発生が問題であり、板厚の均一化や、内圧による損傷が起こらない程度に薄肉化して熱応力を低減する必要がある。
なお、関連する先行技術として、板金製のタービンハウジング構造としては、特許文献1(特開2008−57448号公報)や、特許文献2(特表2003−536009号公報)が提案されており、さらに、舌部の耐摩耗性を向上するため舌部近傍領域を他の領域に比べて膜厚の厚い溶射被膜を形成する構造として特許文献3(特開2002−194525号公報)が提案されている。
しかし、特許文献1に示される板金製のタービンハウジングは、図8に示すようにスクロール部02を左右の板金部材04と06とを突き合わせて周方向に溶接する構造からなっている。このため、スクロール部02の巻き終わり部となる舌部領域では急激な加熱および冷却が繰り返して作用するため、突き合わせ部の溶接による強度低下と相俟って熱応力に起因する亀裂等の発生が生じやすい。
また、特許文献2においても、スクロール部を、板金部材を突き合わせて形成する構造であり、前記特許文献1で説明したように舌部領域において熱応力に起因する亀裂等の発生が生じやすい問題がある。さらに、特許文献3には舌部の被膜形成については示されるが、スクロールの巻き終わり部となる舌部領域における急激な加熱およびその加熱の繰り返しによる熱疲労強度の低下に起因する亀裂の発生等の防止策については開示されていない。
また、特許文献2においても、スクロール部を、板金部材を突き合わせて形成する構造であり、前記特許文献1で説明したように舌部領域において熱応力に起因する亀裂等の発生が生じやすい問題がある。さらに、特許文献3には舌部の被膜形成については示されるが、スクロールの巻き終わり部となる舌部領域における急激な加熱およびその加熱の繰り返しによる熱疲労強度の低下に起因する亀裂の発生等の防止策については開示されていない。
そこで、本発明は、これら問題に鑑みてなされたもので、板金製のタービンハウジング構造において、スクロールの巻き終わり部となる舌部領域における急激な加熱の繰り返しから生じる熱疲労に起因する亀裂の発生等を防止して軽量且つ舌部の耐久性を向上することを課題とする。
上記の課題を解決するために、本発明の参考発明は、渦状の排ガス通路を構成するスクロール部が板金製のスクロール部材を向い合わせて接合して形成される板金タービンハウジングにおいて、スクロール部の巻き終わり部を構成する舌部の近傍領域であって、スクロール部材の外壁面に、スクロール部材の合せ部の両側に壁部材を設けて該合せ部を覆うように密閉空間を形成して舌部近傍の外周壁を2重壁構造とすることを特徴とする。
かかる参考発明によれば、排ガスが流入して、円周形状をしているタービンハウジングの流入口と排ガスが回り込んだ部分の集合部分、所謂舌部においては、流入流れと集合流れにより急激に加熱されるため、冷却と加熱との繰り返しによって、熱応力が高くなるとともに熱疲労が生じる。従ってこの部分を2重壁構造とすることによって、熱応力負荷部と耐圧部との機能を分担させることができ、舌部近傍での熱応力の発生および熱疲労による亀裂の発生等の危険を回避できる。
すなわち、2重壁構造とすることによって、内部流れに沿う内側の板金部分にて熱応力を受け、仮に亀裂発生および貫通が生じたとしても、外側の壁部材によって耐圧されるため、内部ガスの漏えいを防ぐことができる。
その結果、板金タービンハウジングの舌部近傍での亀裂発生を防止でき、板金タービンハウジングの安全性および信頼性を向上できる。
その結果、板金タービンハウジングの舌部近傍での亀裂発生を防止でき、板金タービンハウジングの安全性および信頼性を向上できる。
また、参考発明において好ましくは、前記壁部材はスクロール部材の外壁面と排ガスの流入口外壁面とを繋ぐようにしてスクロール部材の合せ部の両側に設けられるとよく、つまり排ガスの流入口の外壁とスクロール部材の終端部の外壁との間に形成される窪み状の部分に、これら排ガスの流入口の外壁とスクロール部材の終端部の外壁との間を繋ぐようにして、合せ部材の両側に壁部材を形成するとよい。これによって、壁部材を亀裂貫通の危険性がある部位に限定して2重壁構造を簡単に設けることができる。
また、参考発明において好ましくは、向い合わされた両スクロール部材は、スクロール部の渦巻方向全周にわたって溶接接合して一体化してもよく、また、向い合わされた両スクロール部材は、前記壁部材の内側に位置する両スクロール部材の合わせ部は溶接されずに、それ以外の合わせ部をスクロール部の渦巻方向に沿って溶接接合されて一体化してもよい。
このように、壁部材によって覆われる内側の合せ部を溶接してスクロール部の旋回方向全周にわたって溶接する場合には、溶接による熱応力で強度低下を伴うが排ガスの漏えいに対するシール性は向上する。また一方、壁部材によって覆われる内側の合せ部を溶接しない場合には、溶接による熱応力の発生がないため強度低下を防止できるとともに、排ガスの漏えいに対するシール性は外側の壁部材によって十分に達成される。
また、本発明の第2の発明は、渦状の排ガス通路を構成するスクロール部が板金製のスクロール部材を向い合わせて接合して形成される板金タービンハウジングにおいて、前記スクロール部は両スクロール部材を渦巻方向全周にわたって溶接接合して一体化されるとともに、スクロール部の巻き終わり部を構成する舌部の近傍領域では、溶接接合ラインが、タービンの回転軸方向において舌部形成位置から外れるようにずれて設けられ、前記舌部はいずれか一方のスクロール部材だけによって形成されることを特徴とする。
かかる第2の発明によれば、スクロール部材を向い合わせて溶接接合する部分は溶接によって熱応力が高くなるため、その溶接ラインを舌部が形成される舌部形成位置に設けないようにタービン回転軸方向にずらして、舌部はいずれか一方のスクロール部材だけによって形成するので、熱応力による舌部の強度低下を防止できるとともに、舌部近傍での亀裂の発生等の危険を回避でき、板金タービンハウジングの安全性および信頼性を向上できる。
本発明の参考発明によれば、舌部の近傍領域において、2重壁構造とすることによって、熱応力負荷部と耐圧部との機能を分担させることができ、舌部近傍での熱応力、熱疲労に起因する亀裂の発生等の危険を回避できる。
また、第2の発明によれば、その溶接ラインを舌部が形成される舌部形成位置に設けないようにタービン回転軸方向にずらして、舌部はいずれか一方のスクロール部材だけによって形成するので、熱応力による舌部の強度低下を防止できるとともに、舌部近傍での熱応力および熱疲労に起因する亀裂の発生等の危険を回避できる。
以上のように、参考発明および第2の発明によれば、舌部近傍での熱応力に起因する亀裂の発生等の危険を回避でき、板金タービンハウジングの安全性および信頼性を向上できる。
また、第2の発明によれば、その溶接ラインを舌部が形成される舌部形成位置に設けないようにタービン回転軸方向にずらして、舌部はいずれか一方のスクロール部材だけによって形成するので、熱応力による舌部の強度低下を防止できるとともに、舌部近傍での熱応力および熱疲労に起因する亀裂の発生等の危険を回避できる。
以上のように、参考発明および第2の発明によれば、舌部近傍での熱応力に起因する亀裂の発生等の危険を回避でき、板金タービンハウジングの安全性および信頼性を向上できる。
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではない。
(参考実施形態)
図1〜図5を参照して、本発明の参考実施形態に係る板金タービンハウジンについて説明する。
図1、2に示すように、板金製のタービンハウジング1は大きく分けてスクロール部3とセンターコア部9と、出口管部23とからなり、さらに、スクロール部3は向かい合わせて設けられる第1スクロール部5と、第2スクロール部7とからなっている。そしてこれら4つの部材が溶接接合されることでタービンハウジング1が形成される。
図1〜図5を参照して、本発明の参考実施形態に係る板金タービンハウジンについて説明する。
図1、2に示すように、板金製のタービンハウジング1は大きく分けてスクロール部3とセンターコア部9と、出口管部23とからなり、さらに、スクロール部3は向かい合わせて設けられる第1スクロール部5と、第2スクロール部7とからなっている。そしてこれら4つの部材が溶接接合されることでタービンハウジング1が形成される。
渦巻状のガス通路を形成するスクロール部3は、第1スクロール部5と、第2スクロール部7の2つの部材を突き合わせて、その突き合せの部分を溶接接合し、ガス通路を形成するようになっている。図3に示すA−A断面の位置においては、それぞれのスクロール部はほぼ半円形状の断面を有している。
スクロール部3の旋回中心部には、センターコア部9が設けられ、このセンターコア部9は全体に略円筒形状をし、タービン動翼13(図5、6参照)の回転軸を支持するベアリングが配設されるベアリングハウジング部15と、ガス流出側を形成する流路出口部17とを有し、これらベアリングハウジング部15と、流路出口部17との間には複数の支柱21が設けられている。
この支柱21は、スクロール部3内を渦巻き方向に流れるガスが、中心側に向けてスムーズに流れることができる流路19を確保するとともに、ベアリングハウジング部15と流路出口部17とを結合するために、タービン動翼の周方向の所定位置に間隔をおいて複数本設けられる。ベアリングハウジング部15と流路出口部17とはこの支柱21よって連結して一体化される。
さらに、支柱21の位置は周方向に等間隔でも不等間隔でもよく、さらに、支柱21の断面形状は略四角形に形成されているが、流路19を流れるガス流に対して抵抗とならずにタービン中心側に流すことができように流れ方向に傾斜面を有した三角形状や、または切削加工の削り出しが複雑化するが流線形の曲面形状等に形成されていてもよい。
また、支柱21はベアリングハウジング部15と流路出口部17とを連結して、タービン動翼13とセンターコア部9の内周面との隙間を、高温時または外力発生時においても一定に保つことができるような強度および耐熱性を持った材料で形成されている。
なお、流路出口部17の先端にはパイプ形状の出口管部23が全周溶接によって接合されている。
なお、流路出口部17の先端にはパイプ形状の出口管部23が全周溶接によって接合されている。
第1スクロール部5、第2スクロール部7は薄板の板金材(板厚1〜3mm程度)を成形加工して、それぞれの端面同士を突き合わせて渦巻状のガス通路を形成しており、図3に示すように、先端を重ね合わせて外側から片側すみ肉溶接によって溶接部aを形成し、該溶接部aをスクロール部3の渦巻き方向全周にわたって形成している。
なお、溶接は片側すみ肉溶接でなく、板金材の先端同士を突き合わせてその部分を溶接する突合せ溶接によって接合してもよい。また、板金材はオーステナイト系とステンレス鋼等の耐熱鋼によって構成されるとよい。
なお、溶接は片側すみ肉溶接でなく、板金材の先端同士を突き合わせてその部分を溶接する突合せ溶接によって接合してもよい。また、板金材はオーステナイト系とステンレス鋼等の耐熱鋼によって構成されるとよい。
また、第1スクロール部5、第2スクロール部7のそれぞれのセンターコア部9側の端部は、ベアリングハウジング部15、流路出口部17の外周に沿って溶接接合され、流路出口部17の外周には溶接部bを、ベアリングハウジング部15の外周には溶接部cがそれぞれ形成される。
なお、ベアリングハウジング部15、流路出口部17、さらにこれらを連結する支柱21は一体構造を有するため、ベアリングハウジング部15と流路出口部17と支柱2は一体として切削加工によって削り出しによって作成されるようになっている。また、出口管部23も同様に、削り出し加工によって作成される。
排ガスは、入口パイプ部25(図1、2)から流入し、スクロール部3のガス流路に沿って流れて、旋回して回り込み、入口部分に流入する排ガスと集合して、その排ガスの集合部分であるスクロール部3の巻き終わり部を構成する舌部27の近傍では、急激な加熱を生じる。そして、舌部27が、急激に加熱されることにより、舌部27の周辺との温度差によって熱伸び拘束力が発生し圧縮側の熱応力が発生する。そして熱応力の繰返しにより、熱応力に起因する亀裂が発生する。
この舌部27の近傍における熱応力に起因する亀裂の発生は、本発明の板金タービンハウジングに限らず、従来の鋳造によるタービンハウジンにおいても発生するものであり、数値解析、試験等において確認されている。
そして、この舌部27の近傍における熱応力に起因する亀裂の発生を防止するために、参考発明は、図5に示すように溶接部aの両側に壁部材31が設けられる。
すなわち、壁部材31が、スクロール部3の巻き終わり部分の外壁と、排ガスの流入口から舌部27に向う第1および第2スクロール部5、7の外壁との間にわたって形成され、壁部材31の上端が第1および第2スクロール部5、7の外壁に溶接接合し、壁部材31の下端がスクロール部3の巻き終わり部分の外壁に溶接接合し、さらに、両壁部材31、31の先端部は閉じられて、第1および第2スクロール部5、7の重ね合せ部を覆うようにして内部に密閉空間33を形成している。
すなわち、壁部材31が、スクロール部3の巻き終わり部分の外壁と、排ガスの流入口から舌部27に向う第1および第2スクロール部5、7の外壁との間にわたって形成され、壁部材31の上端が第1および第2スクロール部5、7の外壁に溶接接合し、壁部材31の下端がスクロール部3の巻き終わり部分の外壁に溶接接合し、さらに、両壁部材31、31の先端部は閉じられて、第1および第2スクロール部5、7の重ね合せ部を覆うようにして内部に密閉空間33を形成している。
壁部材31が設けられる範囲は、図4の領域Xに示すような舌部近傍領域において形成されている。この舌部近傍領域は、舌部27が形成されるスクロール部3の巻き終わり部分の外壁と、排ガスの流入口から舌部27に向う第1および第2スクロール部5、7の外壁との間に形成される窪み状の部分をいい、該窪み部の底部分を形成する第1および第2スクロール部5、7の内側部分に舌部27が形成される(図4参照)。
このように、壁部材31によって、亀裂貫通の危険性がある舌部近傍領域Xに限定して2重壁構造を簡単に設けることができる。
このように、壁部材31によって、亀裂貫通の危険性がある舌部近傍領域Xに限定して2重壁構造を簡単に設けることができる。
また、両側の壁部材31の内側に位置する第1スクロール部5と第2スクロール部7との合せ部を、溶接せずに重ね合わせた状態のままでもよい。壁部材31によって覆われる密閉空間33の内側の合せ部を溶接してスクロール部3の旋回方向全体にわたって溶接する場合には、溶接による熱応力で強度低下を伴うが排ガスの漏えいに対するシール性は向上するが、壁部材31によって覆われる内側の合せ部を溶接しない場合には、溶接による熱応力の発生がないため強度低下を防止できるとともに、排ガスの漏えいに対するシール性は外側に設置された壁部材31によって十分に達成される。
以上のように、第1スクロール部5と、第2スクロール部7との合せ部による壁構造と、その外側の壁部材31による壁構造との2重壁構造とすることによって、内部流れに沿う内側の第1スクロール部5および第2スクロール部7によって熱応力を受け、仮に亀裂発生および貫通が生じたとしても、外側の壁部材31によって耐圧されるため、内部ガスの漏えいを防ぐことができる。
その結果、板金製のタービンハウジング1の舌部27近傍での排ガスが漏えいするような亀裂発生を防止でき、板金タービンハウジングの安全性および信頼性を向上できる。
(第2実施形態)
その結果、板金製のタービンハウジング1の舌部27近傍での排ガスが漏えいするような亀裂発生を防止でき、板金タービンハウジングの安全性および信頼性を向上できる。
(第2実施形態)
次に、図6、図7を参照して第2実施形態について説明する。
図6は、図5に対応するものであり、図4のD−D線方向のタービンハウジング1の全体断面形状を示す。舌部近傍領域X内において、第1スクロール部5と第2スクロール部7との合せ部を溶接する溶接部aのラインが、タービンの回転軸方向において舌部27の形成位置から外れるように迂回して設けられる。スクロール部3の外周側の溶接部aのラインはa1位置に移動して設けられ、舌部側の溶接部aのラインはa2位置に移動して設けられる。
また、舌部27が形成される舌部形成位置Yにおいては、突き合わされる第1スクロール部5と第2スクロール部7との合わせ部が存在せず、溶接部aは舌部形成位置Yの外側(タービン軸方向外側)に移動されて位置させることで、舌部形成位置Yには第1スクロール部5の部材だけが存在して形成される。
なお、舌部形成位置Yとは、図5、6に示すようにスクロール部3からタービン動翼13への径方向流入通路を形成する部分をいう。
図6は、図5に対応するものであり、図4のD−D線方向のタービンハウジング1の全体断面形状を示す。舌部近傍領域X内において、第1スクロール部5と第2スクロール部7との合せ部を溶接する溶接部aのラインが、タービンの回転軸方向において舌部27の形成位置から外れるように迂回して設けられる。スクロール部3の外周側の溶接部aのラインはa1位置に移動して設けられ、舌部側の溶接部aのラインはa2位置に移動して設けられる。
また、舌部27が形成される舌部形成位置Yにおいては、突き合わされる第1スクロール部5と第2スクロール部7との合わせ部が存在せず、溶接部aは舌部形成位置Yの外側(タービン軸方向外側)に移動されて位置させることで、舌部形成位置Yには第1スクロール部5の部材だけが存在して形成される。
なお、舌部形成位置Yとは、図5、6に示すようにスクロール部3からタービン動翼13への径方向流入通路を形成する部分をいう。
図7に、図2対応の第2実施形態を示す要部断面図を示し、舌部近傍領域X内において、スクロール部3の外周側の溶接部aのラインがa1位置に移動した状態を示す。また、図示しないが舌部側の溶接部aのラインも、a1位置と同様の溶接ラインの変更によってa2位置に移動して設けられる。
かかる第2実施形態によれば、第1スクロール部5と第2スクロール部7を向い合わせて溶接接合する部分は、溶接によって熱応力が高くなり熱疲労による亀裂等の発生の問題が生じる可能性が高いため、その溶接ラインを舌部27が形成される位置からずらして、舌部27には向い合わせて接合される第1スクロール部5と第2スクロール部7のいずれか一方のスクロール部材だけが存在して形成されることで、舌部27における溶接による熱応力の発生を回避し、低サイクル疲労強度を向上することができる。
その結果、熱応力、熱疲労による舌部27および舌部近傍領域での亀裂の発生等の危険を回避でき、板金タービンハウジングの安全性および信頼性を向上できる。
その結果、熱応力、熱疲労による舌部27および舌部近傍領域での亀裂の発生等の危険を回避でき、板金タービンハウジングの安全性および信頼性を向上できる。
本発明によれば、板金製のタービンハウジング構造において、スクロールの巻き終わり部となる舌部領域における急激な加熱の繰り返しから生じる熱疲労に起因する亀裂の発生等を防止して軽量且つ舌部の耐久性を向上できるので、板金製のタービンハウジングへの利用に適している。
1 タービンハウジング
3 スクロール部
5 第1スクロール部(スクロール部材)
7 第2スクロール部(スクロール部材)
9 センターコア部
13 タービン動翼
15 ベアリングハウジング部
17 流路出口部
21 支柱
23 出口管部
27 舌部
31 壁部材
33 密閉空間
a、b、c 溶接部
X 舌部近傍領域
Y 舌部形成位置
3 スクロール部
5 第1スクロール部(スクロール部材)
7 第2スクロール部(スクロール部材)
9 センターコア部
13 タービン動翼
15 ベアリングハウジング部
17 流路出口部
21 支柱
23 出口管部
27 舌部
31 壁部材
33 密閉空間
a、b、c 溶接部
X 舌部近傍領域
Y 舌部形成位置
Claims (1)
- 渦状の排ガス通路を構成するスクロール部が板金製のスクロール部材を向い合わせて接合して形成される板金タービンハウジングにおいて、
前記スクロール部は両スクロール部材を渦巻方向全周にわたって溶接接合して一体化されるとともに、スクロール部の巻き終わり部を構成する舌部の近傍領域では、溶接接合ラインが、タービンの回転軸方向において舌部形成位置から外れるようにずれて設けられ、前記舌部はいずれか一方のスクロール部材だけによって形成されることを特徴とすることを板金タービンハウジング。
Priority Applications (1)
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