JP5517439B2 - 窒素化合物の製造方法及び製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、アンモニア、NOx、硝酸、亜硝酸等の窒素化合物の製造方法、及び製造装置に関する。
窒素化合物、中でもアンモニアは、基礎化学品、硫安等の窒素肥料の原料となるため、工業的に極めて重要な物質である。アンモニアの製造は、鉄を主体とした触媒上で水素と窒素とを500℃、200〜1000気圧付近の超臨界流体状態で直接反応させるという、フリッツ・ハーバーらによって開発された方法(ハーバー・ボッシュ法)を用いて行われている。
また、これまで、大気圧下かつ常温でアンモニアを合成する方法に関する研究論文がいくつか報告されているが(非特許文献1参照)、いずれの方法も触媒として金属錯体を必要とする。
Dmitry V.Yandulov and Richard R.Schrock、SCIENCE、2003年7月4日、Vol.301、p.76−78
上述したハーバー・ボッシュ法は、高温・高圧環境を実現することが必須であるため、大規模な生産設備が必要となってしまい、窒素化合物の製造コストが高くなってしまう。また、従来の、大気圧下かつ常温でアンモニアを合成する方法も、高価な金属錯体を使用するため、やはり、窒素化合物の製造コストが高くなってしまう。
本発明は以上の点に鑑みなされたものであり、高温・高圧環境や金属錯体が無くても、窒素化合物を製造できる窒素化合物の製造方法及び製造装置を提供することを目的とする。
本発明の素化合物の製造方法は、
窒素と、窒素以外の原料物質とから窒素化合物を製造する窒素化合物の製造方法であって、少なくとも窒素を含むガスのプラズマと、前記原料物質を含む液体とを接触させることにより、前記窒素化合物を製造することを特徴とする。
本発明によれば、窒素化合物(例えば、アンモニア、NOx、硝酸、亜硝酸、アンモニウム基や硝酸基を有する有機化合物等)を、常温・常圧下で、触媒を用いることなく製造できる。また、製造に用いる物質として、例えば、窒素、水素、空気、水、アルコール、ケイ皮酸、安息香酸等、安価なものを用いることができるから、窒素化合物の製造コストを低くすることができる。
本発明の窒素化合物の製造方法は、プラズマのガス種と、液体の種類との組み合わせを変えることで、同一のシステムにおいて、種々の窒素化合物を作り分けすることができる。
前記窒素を含むガスとしては、例えば、窒素のみから成るガス、窒素と他の成分とを含むガス(例えば空気)が挙げられる。
前記液体に含まれる原料物質としては、例えば、水、有機化合物等が挙げられる。その有機化合物としては、例えば、各種アルコール(例えばエタノール等)、安息香酸、ケイ皮酸等が挙げられる。
前記液体が、原料物質として、水を含む場合は、窒素化合物として、硝酸を製造することができる。また、前記液体が、原料物質として、水とアルコールとを含む場合は、窒素化合物として、アンモニア、亜硝酸、又はその両方を製造することができる。
また、前記液体が、原料物質として、有機化合物(例えば、安息香酸、ケイ皮酸等)を含んでいる場合は、その有機化合物の分子に窒素原子が挿入された物質、有機化合物の分子における一部が窒素原子に置換された物質、有機化合物に窒素原子を含む官能基(例えば、アンモニウム基や硝酸基等)が導入された物質を製造することができる。
さらに、本発明によれば、例えば、各種のアミノ酸、プリン、ピリジン等の核酸塩基、ピロールやフタロシアニン誘導体の合成等、生命の起源に関連する反応も可能である。
前記ガスは、前記原料物質の一部を含んでいてもよい。例えば、前記ガスが原料物質として酸素を含み、前記液体が前記原料物質として水を含んでいてもよい。この場合、窒素化合物として、亜硝酸、硝酸、又はその両方を製造することができる。前記ガスに含まれる前記原料物質は、前記液体に含まれる原料物質と同一であってもよいし、異なっていてもよい。
前記プラズマと前記液体とを接触させる方法としては、例えば、
(a)前記液体の液面に、プラズマジェットを直接吹き込むこと
(b)プラズマ生成用ガスに流れを起こすとともに、その流れに関し、プラズマ放電領域よりも下流において、前記プラズマを前記液体に直接触れさせること
(c)プラズマ生成用ガスに流れを起こすとともに、その流れに関し、プラズマ放電領域よりも下流において、前記液体を滝状にして落下させることにより、前記プラズマを前記滝状の液体に直接触れさせること
(d)プラズマ生成用ガスに流れを起こすとともに、その流れに関し、プラズマ放電領域よりも下流において、前記液体を噴霧状とし、前記プラズマを前記噴霧状の液体に直接触れさせること
等が挙げられる。
なお、プラズマジェットを液面に充分近づけて液体を激しく泡立たせることは、プラズマと液体との化学反応を進める上で有効である。プラズマジェットで激しく泡立たせることは、プラズマと液体との接触面積を増大させるだけでなく、生じた液滴もプラズマ中に投入され化学反応を促進する。さらに、液体を攪拌させることにもなり、液体全体で化学反応が均一に進行し易くなる。
本発明の素化合物の製造方法において、前記プラズマは、高繰り返しパルス放電により発生させた大気圧プラズマであることが好ましい。高繰り返しパルス放電により発生させたプラズマは、その近傍の温度が高くなり過ぎない。そのため、プラズマによって、原料物質を不必要に熱分解してしまったり、窒素化合物を捕集するための部材を過熱させてしまったりするようなことがない。また、大気圧プラズマを用いることにより、窒素化合物の大量生産が容易になる。
本発明の窒素化合物の製造装置は、請求項1〜のいずれかに記載の窒素化合物の製造方法に使用されるものであって、前記ガスのプラズマを発生させるプラズマ発生手段を備えることを特徴とする。この製造装置を用いれば、請求項1〜のいずれかに記載の窒素化合物の製造方法を実施することができる。
前記プラズマ発生手段は、例えば、プラズマの放電領域におけるガスの流れを回転(例えば、図1において、鉛直方向を回転軸とする回転)させることにより、前記プラズマを安定化することができる。
本発明の実施形態を説明する。
1.第1の実施形態
(1)窒素化合物の製造装置
窒素化合物の製造装置1の構成を図1に基づいて説明する。図1は窒素化合物の製造装置1の断面を表す模式図である。窒素化合物の製造装置1は、フラスコ3と、プラズマジェット(プラズマ発生手段)5と、パルス電源9と、冷却管20とを備えている。プラズマジェット5は、棒状の内部電極7と、それを囲む円筒状の外部電極13とを備えており、それらの間には放電領域14が形成されている。また、外部電極13は、その下端に、生成されたプラズマ19を外部(下方)に噴出させるためのプラズマジェットノズル11を備えている。このプラズマジェットノズル11における孔の直径は4mmである。さらに、窒素化合物の製造装置1は、プラズマジェット5の上方における開口部から、その内部に向けてプラズマ生成用のガス15を供給するガス供給手段(図示略)を備えている。
フラスコ3は、その側面に接続した枝管3aを備えており、冷却管20は、その枝管3aの先端に取り付けられている。冷却管20は、枝管3a側の端部20aから、反対側の端部20b側の出口まで連通している。冷却管20は、その外周側に、入口21から入り、出口22から排出される水の流路23が形成されており、流路23を流れる水により冷却される。フラスコ3に収容された液体17との反応に使われたプラズマガスは、液体17が気化したガスとともに冷却管20に流入する。液体17が気化したガスは冷却管20内で冷却されて凝縮し、フラスコ3内に戻る。残りのガスは、冷却管20における端部20b側の出口から排出される。
(2)窒素化合物の製造方法
窒素化合物の製造装置1に、プラズマ生成用のガス15として、窒素と水素との混合ガスを供給した。この混合ガスは、窒素の流量毎分30リットルに対して、水素を数%〜10%程度混入したものである。また、フラスコ3に収容する液体17として、純水100mlをフラスコ3に入れた。なお、この純水は、プラズマジェット内(図1において14、18、および19)にて製造された水溶性の窒素化合物を捕集する機能を有する。プラズマジェットノズル11の位置は、その先端が純水の液面から数cm離れるようにした。まず、1分間プラズマを発生させずに、窒素と水素との混合ガスを流し、フラスコ3、及び冷却管20内の気体を、窒素と水素との混合ガスで置換した。その後、大気圧中でプラズマを発生させて数分間運転した。このとき、プラズマ19は、純水中に吹き込まれた。
プラズマの発生を停止した後、フラスコ3内の液体17のうち4mlを小瓶にとり、ネスラー試薬を2滴加えると、溶液が茶褐色に変色した。これは、液体17中にアンモニアが存在していることを示している。このアンモニアは、窒素と水素との混合ガス中に含まれていた窒素と水素とが、プラズマ中で反応して生成されたものである。
2.第2の実施形態
(1)窒素化合物の製造装置
前記第1の実施形態で使用した製造装置のうち、プラズマジェット5及びパルス電源9のみを用い、プラズマを大気中に噴射可能とした。
(2)窒素化合物の製造方法
プラズマ生成用のガス15として毎分30リットルの窒素を供給した。このとき、窒素プラズマ19は大気中へと噴出された。ノズル11の先端から50mmの位置で、ガス分析器を用いて、噴出された窒素プラズマ19中に含まれるガスの成分を測定したところ、26ppmのNOxが観測された。プラズマ生成用のガス15には酸素が含まれていないことから、これは大気中に噴出された窒素プラズマ19が、大気中の酸素をプラズマ中に巻き込んで反応し、窒素酸化物が生成されたことを示している。
3.第3の実施形態
(1)窒素化合物の製造装置
前記第1の実施形態と同様である。
(2)窒素化合物の製造方法
窒素化合物の製造装置1に、プラズマ生成用のガス15として、空気を供給した。空気の流量は毎分30リットルとした。また、フラスコ3に収容する液体17として、純水100mlをフラスコ3に入れた。なお、この純水は、後述するように、反応に関与する。また、純水は、製造された水溶性の窒素化合物を捕集する機能も有する。プラズマジェットノズル11の位置は、その先端が純水の液面すれすれとなるようにした。まず、1分間プラズマを発生させずに空気を流し、フラスコ3、及び冷却管20内の気体を、空気で置換した。その後、大気圧中でプラズマを発生させて5分間運転した。このとき、プラズマは、純水中に吹き込まれた。
プラズマの発生を停止した後、フラスコ3内の液体17を、イオンクロマトグラフィにて分析した。その結果、亜硝酸イオン(NO2 -)が18.1mg/l検出され、硝酸イオン(NO3 -)が335.1mg/l検出された。この結果は、プラズマ中の窒素と酸素、及び純水の反応により硝酸が製造されたことを示している。すなわち、プラズマと液体との化学反応が実現され、窒素化合物が製造されたことを示している。
4.第4の実施形態
(1)窒素化合物の製造装置
前記第1の実施形態と同様である。
(2)窒素化合物の製造方法
窒素化合物の製造装置1に、プラズマ生成用のガス15として、窒素を供給した。窒素の流量は毎分30リットルとした。また、フラスコ3に収容する液体17として、純水100mlをフラスコ3に入れた。なお、この純水は、後述するように、反応に関与する。また、純水は、製造された水溶性の窒素化合物を捕集する機能も有する。プラズマジェットノズル11の位置は、その先端が純水の液面すれすれとなるようにした。まず、1分間プラズマを発生させずに窒素を流し、フラスコ3、及び冷却管20内の気体を、窒素で置換した。その後、大気圧中でプラズマを発生させて5分間運転した。このとき、プラズマ19は、純水中に吹き込まれた。
プラズマの発生を停止した後、フラスコ3内の液体17を、イオンクロマトグラフィにて分析した。その結果、硝酸イオン(NO3 -)が42.6mg/l検出された。この結果は、プラズマ中の窒素と、フラスコ3内の純水との反応により硝酸が製造されたことを示している。また、硝酸の製造のために供給された酸素は、純水中及び雰囲気中に残留した酸素、及び純水がプラズマにより分解されて供給された酸素であると考えられる。本第4の実施形態では、前記第3の実施形態の場合に比べて、酸素の供給量が少ないため、硝酸の製造量が減少したと考えられる。
5.第5の実施形態
(1)窒素化合物の製造装置
前記第1の実施形態と同様である。
(2)窒素化合物の製造方法
窒素化合物の製造装置1に、プラズマ生成用のガス15として、窒素を供給した。窒素の流量は毎分30リットルとした。また、フラスコ3に収容する液体17として、純水80mlと純エタノール20mlとを混合した20%エタノール水溶液を、フラスコ3に入れた。なお、この20%エタノール水溶液は、後述するように、反応に関与する。また、20%エタノール水溶液は、製造された水溶性の窒素化合物を捕集する機能も有する。プラズマジェットノズル11の位置は、その先端が20%エタノール水溶液の液面すれすれとなるようにした。まず、1分間プラズマを発生させずに窒素を流し、フラスコ3、及び冷却管20内の気体を、窒素で置換した。その後、大気圧中でプラズマを発生させて5分間運転した。このとき、プラズマ19は、液体17中に吹き込まれた。
プラズマの発生を停止した後、フラスコ3内の液体17を、イオンクロマトグラフィにて分析した。その結果、アンモニウムイオン(NH4 +)が58mg/l検出され、亜硝酸イオン(NO2 -)が5mg/l検出された。この結果は、プラズマ中の窒素、及び20%エタノール水溶液中の水、エタノールの反応によりアンモニアが製造されたことを示している。また、亜硝酸は、プラズマ中の窒素と20%エタノール水溶液中の水とにより、前記第4の実施形態と同様に製造されたと考えられる。アンモニアの製造量は、亜硝酸の製造量よりも1桁以上多い。このことは、本第5の実施形態の製造方法により、アンモニアを優先的に製造できることを示している。
また、本第5の実施形態は、プラズマ生成用のガス15や、フラスコ3に収容する液体の組成を、前記第3の実施形態や前記第4の実施形態におけるものとは変えることにより、同一のシステムにおいて、製造する窒素化合物の作り分けが可能であることを示している。
6.第6の実施形態
(1)窒素化合物の製造装置
前記第1の実施形態と同様である。
(2)窒素化合物の製造方法
窒素化合物の製造装置1に、プラズマ生成用のガス15として、窒素を供給した。窒素の流量は毎分30リットルとした。また、純水80mlと純エタノール20mlとを混合し、さらに、ケイ皮酸100mgを溶かして反応用の液体17を作成した。この液体17を、フラスコ3に入れた。なお、液体17は、後述するように、反応に関与する。また、液体17は、製造された水溶性の窒素化合物を捕集する機能も有する。プラズマジェットノズル11の位置は、その先端が液体17の液面すれすれとなるようにした。まず、1分間プラズマを発生させずに窒素を流し、フラスコ3、及び冷却管20内の気体を、窒素で置換した。その後、大気圧中でプラズマを発生させて5分間運転した。このとき、プラズマ19は、液体17中に吹き込まれた。
プラズマの発生を停止した後、液体17から溶媒を蒸発させて得られた固体成分の試料をX線光電子分光(XPS)により分析を行った結果、ケイ皮酸アンモニウムの存在が確認された。この結果は、何らかの化合物を混ぜた液体17を用いることで、その化合物中に窒素を導入し、新たな窒素含有化合物を生成出来ることを示している。
7.第7の実施形態
(1)窒素化合物の製造装置
前記第1の実施形態と同様である。
(2)窒素化合物の製造方法
窒素化合物の製造装置1に、プラズマ生成用のガス15として、窒素を供給した。窒素の流量は毎分30リットルとした。また、純水80mlと純エタノール20mlとを混合し、さらに、安息香酸100mgを溶かして反応用の液体17を作成した。この液体17を、フラスコ3に入れた。なお、液体17は、後述するように、反応に関与する。また、液体17は、製造された水溶性の窒素化合物を捕集する機能も有する。プラズマジェットノズル11の位置は、その先端が液体17の液面すれすれとなるようにした。まず、1分間プラズマを発生させずに窒素を流し、フラスコ3、及び冷却管20内の気体を、窒素で置換した。その後、大気圧中でプラズマを発生させて5分間運転した。このとき、プラズマ19は、液体17中に吹き込まれた。
プラズマの発生を停止した後、液体17から得られた試料を核磁気共鳴分光法(NMR)
により分析した結果、安息香酸アンモニウムの存在が確認された。また、イオンクロマトグラフィにて分析を行ったところ、アンモニウムイオンの存在が確認され、安息香酸アンモニウムの生成が支持された。これらの結果は、上記第6の実施形態と同様に、何らかの化合物を混ぜた液体17を用いることで、その化合物中に窒素を導入し、新たな窒素含有化合物を生成出来ることを示している。
8.第8の実施形態
(1)窒素化合物の製造装置
前記第1の実施形態と同様である。
(2)窒素化合物の製造方法
窒素化合物の製造装置1に、プラズマ生成用のガス15として、窒素を供給した。窒素の流量は毎分30リットルとした。また、純水100mlに安息香酸100mgを溶かし、反応用の液体17を作成した。この液体17を、フラスコ3に入れた。なお、液体17は、窒素化合物を生成する反応に関与する。また、液体17は、製造された水溶性の窒素化合物を捕集する機能も有する。プラズマジェットノズル11の位置は、その先端が液体17の液面すれすれとなるようにした。まず、1分間プラズマを発生させずに窒素を流し、フラスコ3、及び冷却管20内の気体を、窒素で置換した。その後、大気圧中でプラズマを発生させて5分間運転した。このとき、プラズマ19は、液体17中に吹き込まれた。
プラズマジェットの運転を停止した後、イオンクロマトグラフィにて液体17の分析を行った結果、アンモニウムイオンおよび硝酸イオンの存在が確認された。また、生成量は硝酸イオンの方が多かった。この結果は、前記第4の実施形態(安息香酸を含まない純水を用いる方法)の結果とは異なっている。すなわち、本第8の実施形態の結果は、液体17中に何らかの化合物を混ぜることで、生成される窒素化合物を選択出来ることを示している。
9.第9の実施形態
(1)窒素化合物の製造装置
前記第1の実施形態と同様である。
(2)窒素化合物の製造方法
窒素化合物の製造装置1に、プラズマ生成用のガス15として、空気を供給した。空気の流量は毎分30リットルとした。また、純水100mlに安息香酸100mgを溶かし、反応用の液体17を作成した。この液体17を、フラスコ3に入れた。なお、液体17は、窒素化合物を生成する反応に関与する。また、液体17は、製造された水溶性の窒素化合物を捕集する機能も有する。プラズマジェットノズル11の位置は、その先端が液体17の液面すれすれとなるようにした。まず、1分間プラズマを発生させずに空気を流し、フラスコ3、及び冷却管20内の気体を、空気で置換した。その後、大気圧中でプラズマを発生させて5分間運転した。このとき、プラズマ19は、液体17中に吹き込まれた。
プラズマジェットの運転を停止した後、イオンクロマトグラフィにて分析を行った結果上記第8の実施形態とほぼ同様の結果が得られた。
尚、本発明は前記実施の形態になんら限定されるものではなく、本発明を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
例えば、前記各実施の形態において、プラズマジェットノズル11の位置は、液体17の液面下としてもよい。
窒素化合物の製造装置1の断面を表す模式図である。
1・・・窒素化合物の製造装置、3・・・フラスコ、3a・・・枝管、
5・・・プラズマジェット、7・・・内部電極、9・・・パルス電源、
11・・・プラズマジェットノズル、13・・・外部電極、14・・・放電領域、
15・・・プラズマ生成用のガス、17・・・液体、19・・・プラズマ、
20・・・冷却管、20a、20b・・・端部、21・・・入口、22・・・出口、
23・・・流路

Claims (5)

  1. 窒素と、窒素以外の原料物質とから窒素化合物を製造する窒素化合物の製造方法であって、
    少なくとも窒素及び酸素を含むガスのプラズマと、前記原料物質である水を含む液体とを接触させることにより、亜硝酸及び/又は硝酸を含む前記窒素化合物を製造することを特徴とする窒素化合物の製造方法。
  2. 窒素と、窒素以外の原料物質とから窒素化合物を製造する窒素化合物の製造方法であって、
    少なくとも窒素を含むガスのプラズマと、前記原料物質である水及びアルコールを含む液体とを接触させることにより、アンモニアを含む前記窒素化合物を製造することを特徴とする窒素化合物の製造方法。
  3. 窒素と、窒素以外の原料物質とから窒素化合物を製造する窒素化合物の製造方法であって、
    少なくとも窒素を含むガスのプラズマと、前記原料物質である有機化合物を含む液体とを接触させることにより、前記窒素化合物を製造することを特徴とする窒素化合物の製造方法。
  4. 前記プラズマは、高繰り返しパルス放電により発生させた大気圧プラズマであることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の窒素化合物の製造方法。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載の窒素化合物の製造方法に使用される窒素化合物の製造装置であって、前記ガスのプラズマを発生させるプラズマ発生手段を備えることを特徴とする窒素化合物の製造装置。
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