JP5516748B2 - スパイラル溝スラスト軸受 - Google Patents
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Description
本発明は、スラスト軸受に関する。本願は、2010年10月26日に日本国に出願された特願2010−239908号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
従来、高速回転体用の軸受として、回転軸に設けられたスラストカラーに対向して配置されるスラスト軸受が知られている。スラスト軸受のうち、動圧効果を利用するスラスト動圧軸受は、例えば軸受の軸受面にスパイラル溝を形成し、スラストカラーと軸受面との間に流体潤滑膜を形成することによって、潤滑膜を介して回転軸を支持している。
スラスト動圧軸受の軸受面に形成されるスパイラル溝として、ポンプイン形、ポンプアウト形、またはヘリングボーン形が知られている。スパイラル溝は、例えばポンプイン形やポンプアウト形では多数の螺旋形溝(スパイラル状の溝)が同ピッチで形成されている。また、スパイラル溝は、全て同一の流入角を有して形成されている。螺旋形溝の一端は、軸受面の最内周もしくは最外周においてランド部により閉止され、他端は開放されている。
最内周にランド部を有するタイプはポンプイン形、最外周にランド部を有するタイプはポンプアウト形と呼ばれている。これらを高速回転するスラストカラーと組み合わせると、スラストカラーの回転によってスラストカラーと軸受との間に挟まれた潤滑流体は、自らの粘性でスラストカラーに引きずられる。その結果、潤滑流体は、溝に沿うように流れる。
例えば、ポンプイン形の場合、軸受面の最外周で潤滑流体を引き込む。引き込まれた潤滑流体は、軸受の最外周から溝に沿うように最内周側へ導かれる(引き込まれる)。その後、潤滑流体は、溝の閉止端で最内周ランド部に乗り上げる。その際、急激に流路が狭められることにより、流体潤滑膜の圧力(膜圧)が高められる。
例えば、ポンプイン形の場合、軸受面の最外周で潤滑流体を引き込む。引き込まれた潤滑流体は、軸受の最外周から溝に沿うように最内周側へ導かれる(引き込まれる)。その後、潤滑流体は、溝の閉止端で最内周ランド部に乗り上げる。その際、急激に流路が狭められることにより、流体潤滑膜の圧力(膜圧)が高められる。
その結果、ポンプイン形の流体潤滑膜の膜圧は、最内周ランド部と溝との境界部(溝の閉止端)をピーク(頂点)とした山形の分布になる。同様に、ポンプアウト形の流体潤滑膜の膜圧は、最外周ランド部と溝との境界部(溝の閉止端)をピーク(頂点)とした山形の分布になる。
なお、実際には全ての潤滑流体は、溝に沿って流れない。潤滑流体の一部は、円周方向へ流れて溝列間に設けられたスパイラル状のランド部を乗り越える。このため、ポンプイン形では外周側の螺旋形溝とランド部との間においても膜圧が発生し、ポンプアウト形では内周側の螺旋形溝とランド部との間においても膜圧が発生する。
なお、実際には全ての潤滑流体は、溝に沿って流れない。潤滑流体の一部は、円周方向へ流れて溝列間に設けられたスパイラル状のランド部を乗り越える。このため、ポンプイン形では外周側の螺旋形溝とランド部との間においても膜圧が発生し、ポンプアウト形では内周側の螺旋形溝とランド部との間においても膜圧が発生する。
また、ポンプイン形やポンプアウト形の他にも、前述したヘリングボーン形や、ポンプイン形、及びポンプアウト形等を組み合わせたスパイラル溝を備えた軸受が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
従来の一般的なポンプイン形やポンプアウト形では、前述したように、流体潤滑膜の圧力(膜圧)分布において膜圧が高くなる部位が、溝の閉止端付近に集中する。すなわち、溝の閉止端付近に膜圧のピークが形成される。しかし、計算上では流体潤滑膜はピーク圧を形成するが、実際のピーク圧は、軸受面の面粗さ等により、理論値から外れてしまう。このようにピーク圧発生部位において理論上のピーク圧が得られなくなってしまう場合、外乱等により大きな荷重が作用すると、ピーク圧発生部位において、流体潤滑膜が破断し易くなる。そして、流体潤滑膜が破断してしまうと、軸受面とスラストカラーとの接触が起こり、焼き付きが生じる可能性がある。
また、特許文献1に開示された軸受では、開放端から閉止端までの間に螺旋形溝が連通しており、かつ、内周側と外周側とで螺旋形溝の向きが逆になっている。しかしながら、流体潤滑膜の圧力(膜圧)分布において膜圧が高くなる部位は、前述した一般的なポンプイン形などと同様に、溝の閉止端付近に集中する。したがって、特許文献1に開示された軸受においては、前述したように、膜圧が高くなる部位において流体潤滑膜が破断し易くなるという課題は解消されていない。
また、特許文献2に開示された軸受では、螺旋形溝(スパイラル溝)の途中に円環状のランドを設け、螺旋形溝を内周側と外周側とで2分割している。しかしながら、螺旋形溝を内周側と外周側とをランドによって2分割すると、流体潤滑膜の圧力(膜圧)分布において膜圧が高くなる部位は、2分割するためのランドの付近(外周側の螺旋形溝の閉止端)に集中する。したがって、特許文献2に開示された軸受においても、前述したように、膜圧が高くなる部位において流体潤滑膜が破断し易くなるという課題は解消されていない。
本発明は前述した事情に鑑みてなされたもので、本発明の目的は、膜圧が高くなる部位においても流体潤滑膜が破断し難くなり、軸受面とスラストカラーとの接触が起こり難くなって焼き付きが抑制された、スラスト軸受を提供することにある。
本発明のスラスト軸受は、回転軸に設けられたスラストカラーに対向して配置されるスラスト軸受であって、
前記スラストカラーに対向して配置される軸受面に溝部が形成され、
前記溝部は、前記軸受面の内周側に形成された複数の第1螺旋形溝からなる第1溝群と、前記第1溝群より前記軸受面の外周側に形成され、かつ前記第1螺旋形溝と同方向に周回する複数の第2螺旋形溝からなる第2溝群とを少なくとも有し、
前記第1溝群より内周側と前記第2溝群より外周側とのうち、流体が引き込まれる側に、円環状のランド部が設けられ、
前記第1溝群における一部の第1螺旋形溝と前記第2溝群における一部の第2螺旋形溝とは、少なくとも一方が一部分で他方に連通してなる部分連通部を介して連続している。
前記スラストカラーに対向して配置される軸受面に溝部が形成され、
前記溝部は、前記軸受面の内周側に形成された複数の第1螺旋形溝からなる第1溝群と、前記第1溝群より前記軸受面の外周側に形成され、かつ前記第1螺旋形溝と同方向に周回する複数の第2螺旋形溝からなる第2溝群とを少なくとも有し、
前記第1溝群より内周側と前記第2溝群より外周側とのうち、流体が引き込まれる側に、円環状のランド部が設けられ、
前記第1溝群における一部の第1螺旋形溝と前記第2溝群における一部の第2螺旋形溝とは、少なくとも一方が一部分で他方に連通してなる部分連通部を介して連続している。
このスラスト軸受によれば、第1溝群における一部の第1螺旋形溝と第2溝群における一部の第2螺旋形溝とが、部分連通部を介して連続している。したがって、例えばこの構造をポンプイン形に適用した場合に、外周側の第2溝群における前記第2螺旋形溝の一部を沿うように流れてきた潤滑流体は、その一部が部分連通部で一旦せきとめられ、この部分連通部で高い膜圧を発生する。また、その残部は、内周側の第1溝群における第1螺旋形溝を通り、潤滑流体が引き込まれる側となる第1溝群より内周側に設けられたランド部に達し、ここでも高い膜圧を発生する。さらに、螺旋形溝に沿った主流から外れた傍流は、円周方向の流れとなって螺旋形溝間のランドを乗り越えて膜圧を発生させる。
上記の結果、軸受面上に形成される潤滑流体からなる潤滑膜の圧力(膜圧)は、その膜圧分布が、従来のように1箇所で高い膜圧(ピーク圧)を有していたのと異なり、全体的に膜圧が分散した圧力分布となる。また、膜圧分布における最高膜圧も従来に比べ低くなる。したがって、膜圧が高くなる部位において流体潤滑膜が破断し難くなる。
上記の結果、軸受面上に形成される潤滑流体からなる潤滑膜の圧力(膜圧)は、その膜圧分布が、従来のように1箇所で高い膜圧(ピーク圧)を有していたのと異なり、全体的に膜圧が分散した圧力分布となる。また、膜圧分布における最高膜圧も従来に比べ低くなる。したがって、膜圧が高くなる部位において流体潤滑膜が破断し難くなる。
また、前記スラスト軸受においては、前記第1溝群における他の一部の第1螺旋形溝と前記第2溝群における他の一部の第2螺旋形溝とのうちの少なくとも一方は、他方の溝群の螺旋形溝と連通することなく独立して形成されるとよい。
特に、潤滑流体を引き込む側となる溝群の一部の螺旋形溝を独立して形成するとよい。前記螺旋形溝に沿って流れてきた潤滑流体は、その一部が他の溝群側に連通していないため、前記螺旋形溝の終端(閉塞端)でより高い膜圧を発生する。したがって、潤滑流体を引き込む側となる溝群の一部の螺旋形溝に、高い膜圧を発生する箇所を形成するので、膜圧分布は全体的に分散した圧力分布となる。
特に、潤滑流体を引き込む側となる溝群の一部の螺旋形溝を独立して形成するとよい。前記螺旋形溝に沿って流れてきた潤滑流体は、その一部が他の溝群側に連通していないため、前記螺旋形溝の終端(閉塞端)でより高い膜圧を発生する。したがって、潤滑流体を引き込む側となる溝群の一部の螺旋形溝に、高い膜圧を発生する箇所を形成するので、膜圧分布は全体的に分散した圧力分布となる。
また、前記スラスト軸受においては、前記第1溝群の第1螺旋形溝の本数と前記第2溝群の第2螺旋形溝の本数とが、異なっていてもよい。前記第1溝群における一部の第1螺旋形溝と、前記第2溝群における一部の第2螺旋形溝との間に、部分連通部が形成し易くなり、溝部の設計が容易になる。
本発明のスラスト軸受によれば、潤滑流体からなる潤滑膜の圧力(膜圧)を全体的に分散した圧力分布とし、圧力分布における最高膜圧も従来に比べ低くなる。その結果、従来のスパイラル溝を形成したスラスト軸受と同等の軸受負荷能力を維持しつつ、流体潤滑膜を破断し難くすることができる。したがって、より高い軸受荷重が作用しても使用することができる軸受が得られる。また、外乱等による突発的な荷重の作用に対しても十分に対応できる軸受が得られる。
以下、図面を参照して本発明のスラスト軸受を詳しく説明する。なお、以下の図面においては、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
図1は、本発明のスラスト軸受の一実施形態を示す側断面図である。また、図2は、図1に示したスラスト軸受の軸受面の平面図である。図1及び図2において、符号1はスラスト軸受である。
図1に示すように、スラスト軸受1は、例えばターボチャージャーやターボ圧縮機の回転軸2に外挿されて配置されている。
図1は、本発明のスラスト軸受の一実施形態を示す側断面図である。また、図2は、図1に示したスラスト軸受の軸受面の平面図である。図1及び図2において、符号1はスラスト軸受である。
図1に示すように、スラスト軸受1は、例えばターボチャージャーやターボ圧縮機の回転軸2に外挿されて配置されている。
スラスト軸受1は、円環状に形成され、回転軸2に固定された円環状(円板状)のスラストカラー3に対向して配置される。なお、図1ではスラストカラー3の一方の側にのみスラスト軸受1を示しているが、スラストカラー3の両方の側に、それぞれ同一構成のスラスト軸受1を配設してもよい。
スラスト軸受1は、本実施形態ではスラストカラー3に対向して配置される軸受板4からなっている。軸受板4は、円環板状に形成され、回転軸2を挿通するための貫通孔4aを有する。また、スラストカラー3に対向する軸受板4の面を、軸受面4bとする。軸受面4bには、図2に示すように溝部5が形成されている。
溝部5は、本実施形態では軸受面4bの内周側に形成された複数の第1螺旋形溝6からなる第1溝群6Aと、第1溝群6Aより軸受面4bの外周側に形成された複数の第2螺旋形溝7からなる第2溝群7Aと、を有して構成されている。第1螺旋形溝6と第2螺旋形溝7とは、同一の方向に周回して形成されている。すなわち、本実施形態では第1螺旋形溝6及び第2螺旋形溝7のいずれも、軸受面4bの外周側から内周側に向かって、スラストカラー3の回転方向に沿って螺旋状に周回するように形成されている。
第1螺旋形溝6及び第2螺旋形溝7は、いずれも、回転軸2の回転に伴うスラストカラー3の回転により、軸受面4bの外周側から潤滑流体を引き込み、引き込んだ潤滑流体をそれぞれの螺旋形溝6(7)に沿うように内周側に導く(引き込む)。すなわち、第1螺旋形溝6及び第2螺旋形溝7は、いずれも、ポンプイン形のスパイラル溝として機能するようになっている。
なお、内周側に形成された第1螺旋形溝6からなる第1溝群6Aのさらに内周側、すなわち潤滑流体が引き込まれる側には、従来のポンプイン形のスパイラル溝の場合と同様に、貫通孔4aの周囲に円環状のランド部8が配設されている。すなわち、第1螺旋形溝6は、軸受面4bの半径方向における略中央部から、ランド部8にまで延びて形成されている。ランド部8は、第1螺旋形溝6の底面に対して相対的に高い位置(外側の位置)に外面を有している。
なお、第1螺旋形溝6とそれに隣接する第1螺旋形溝6の間も、螺旋形のランド部(第1ランド9)となっており、同様に第2螺旋形溝7とそれに隣接する第2螺旋形溝7の間も、螺旋形のランド部(第2ランド10)となっている。ランド部8、第1ランド(ランド部)9、及び第2ランド(ランド部)10は、いずれもその高さが同じになるように形成されている。すなわち、最外面が同一面上に位置するように形成されている。
また、本実施形態では、全ての第1螺旋形溝6は、同じ流入角を有し、かつ同じピッチで形成されている。同様に全ての第2螺旋形溝7も、同じ流入角を有し、かつ同じピッチで形成されている。螺旋形溝6(7)の流入角は、図3の模式図に示すように軸受面4b上に軸心を中心とする同心円Q1、Q2…を描いたときの、螺旋形溝6(7)(の側壁)と同心円Q1、Q2との交点Pにおける、それぞれの接線に基づいて定義される。すなわち、螺旋形溝6(7)の流入角は、螺旋形溝6(7)の側壁(外形線)の接線と同心円Q1(Q2)の接線とのなす角βによって定義される。流入角βは、同一の螺旋形溝6(7)では側壁の全ての位置において一定になっている。言い換えれば、螺旋形溝6(7)は、側壁の全ての位置において、流入角βが一定になる形状の溝となっている。
ただし、図2に示した本実施形態では、第1螺旋形溝6の流入角βを8.5度としており、第2螺旋形溝6の流入角βを17度としている。また、第1溝群6Aの第1螺旋形溝6の本数を12本としており、第2溝群7Aの第2螺旋形溝7の本数を24本としている。したがって、第1螺旋形溝6と第2螺旋形溝7とでは、ピッチが異なっている。すなわち、第1螺旋形溝6とそれに隣接する第1螺旋形溝6の間に形成された第1ランド9と、第2螺旋形溝7とそれに隣接する第2螺旋形溝7の間に形成された第2ランド10とは、位相がずれた配置となっている(図4B参照)。
溝部5においては、第1溝群6Aにおける一部の第1螺旋形溝6と第2溝群7Aにおける一部の第2螺旋形溝7との少なくとも一方は、部分的に他方に連通する部分連通部11を介して、連続するように形成されている。
図4Aは、軸受面4bにおける溝部5を模式的に示す図である。この模式図では、見易くして理解を容易にするため、第1螺旋溝6及び第2螺旋溝7を、螺旋形に周回させることなく、単に放射状に配置された溝6a及び7aとして示している。
図4Aに示すように、第1螺旋溝6に対応する溝6aは、その両壁が軸受面4bの中心にまで延ばされて形成された扇形を有し、その中心角θ1は18度である。また、溝6aとそれに隣接する溝6aの間に配置されるランド9a(第1ランド9に対応)も、その両壁が軸受面4bの中心に向かって延ばされて形成された扇形を有し、溝6aと同様にして求めたその中心角θ3は12度である。
図4Aに示すように、第1螺旋溝6に対応する溝6aは、その両壁が軸受面4bの中心にまで延ばされて形成された扇形を有し、その中心角θ1は18度である。また、溝6aとそれに隣接する溝6aの間に配置されるランド9a(第1ランド9に対応)も、その両壁が軸受面4bの中心に向かって延ばされて形成された扇形を有し、溝6aと同様にして求めたその中心角θ3は12度である。
一方、第2螺旋溝7に対応する溝7aは、その両壁が軸受面4bの中心に向かって延ばされて形成された扇形を有し、溝6aと同様にして求めたその中心角θ2が9度であり、溝7aとそれに隣接する溝7aの7a間に配置されるランド10a(第2ランド10に対応)は、その両壁が軸受面4bの中心に向かって延ばされて形成された扇形を有し、溝6aと同様にして求めたその中心角θ4が6度である。したがって、軸受面4bには、溝6a(第1螺旋溝6)及びランド9a(第1ランド9)がそれぞれ12本ずつ形成され、溝7a(第2螺旋溝7)及びランド10a(第2ランド10)がそれぞれ24本ずつ形成される。
溝7a(第2螺旋溝7)と溝6a(第1螺旋溝6)とは、その一部において、前述したように、少なくとも一方が他方に部分的に連通する部分連通部11を介して連続している。したがって、図4Aにおいて溝7a’は、その幅全体が、溝6a’の幅の一部に対してのみ連通している。すなわち、溝7a’と溝6a’とは、溝7a’の幅分に相当する部分連通部11のみを介して連続している。
ただし、実際には、第1螺旋溝6及び第2螺旋溝7は螺旋状に周回しており、互いの接続箇所がずれている。したがって、図4Bに示すように、第1螺旋溝6と第2螺旋溝7とは、その一部の第1螺旋形溝6と一部の第2螺旋形溝7とが、互いに一部分で他方に連通し、互いに一部分で他方に連通しないよう構成された部分連通部11を介して連続する。
また、図4Aおいて外周側の溝7aの一部の溝7a”は、内周側の溝6a”に連通することなく、独立して形成されている。独立した溝7a”は、図4Bに示すように、実際にも独立した溝7”として存在するようになる。
また、図4Aおいて外周側の溝7aの一部の溝7a”は、内周側の溝6a”に連通することなく、独立して形成されている。独立した溝7a”は、図4Bに示すように、実際にも独立した溝7”として存在するようになる。
第1溝群6Aにおける一部の第1螺旋溝6と第2溝群7Aにおける一部の第2螺旋形溝7とは、部分連通部11を介して連続している。しかしながら、部分連通部11の一部は、一部の第1螺旋形溝6と一部の第2螺旋形溝7とが互いに連通しないよう構成されている。したがって、外周側の第2螺旋形溝7を沿うように流れてきた潤滑流体は、その一部が部分連通部11(図4B参照)で一旦せきとめられ、部分連通部11で高い膜圧が発生する。
すなわち、一部の外周側の第2螺旋形溝7’は内周側の溝6’に連通しているが、一部の外周側の第2螺旋形溝7”は内周側の溝6に連通することなく、独立して形成されている。したがって、螺旋形溝7”に沿って流れてきた潤滑流体は、螺旋形溝7”の終端(閉塞端)でより高い膜圧が発生する。
すなわち、一部の外周側の第2螺旋形溝7’は内周側の溝6’に連通しているが、一部の外周側の第2螺旋形溝7”は内周側の溝6に連通することなく、独立して形成されている。したがって、螺旋形溝7”に沿って流れてきた潤滑流体は、螺旋形溝7”の終端(閉塞端)でより高い膜圧が発生する。
すなわち、本実施形態のスラスト軸受1においては、図1に示した回転軸1が回転し、スラストカラー3が回転すると、軸受面4bはその外周側から第2螺旋形溝7に沿って内周側に潤滑流体を引き込む。その結果、スラストカラー3と軸受面4bとの間に潤滑流体からなる流体潤滑膜が形成される。その際、前述したように、一部の第1螺旋溝6(6’)と一部の第2螺旋形溝7(7’)とは部分連通部11を介して連通しているが、他の一部の第2螺旋形溝7(7”)は内周側の溝6に連通することなく独立して形成されている。したがって、流体潤滑膜は、螺旋形溝7(7”)の終端(閉塞端)でより高い膜圧が発生する。
すなわち、本実施形態では、一部の第1溝群6Aと一部の第2溝群7Aとの間の境界部13に部分連通部11を形成し、さらに他の一部の第2螺旋形溝7(7”)を独立した状態に形成している。このため、境界部13近傍において高い膜圧が発生する。なお、図2では境界部13を分かり易くするため実線で示しているが、実際には第1溝群6Aと第2溝群7Aとの間に境界線は存在しない。
また、第2螺旋形溝7を通った潤滑流体は、内周側の第1螺旋形溝6を通り、潤滑流体が引き込まれる側となる内周側に設けられたランド部8に達する。したがって、ここでも高い膜圧が発生する。
さらに、一部の第2螺旋形溝7(7’)や他の一部の第2螺旋形溝7(7”)に沿った主流から外れた傍流は、円周方向の流れとなって、第2ランド10及び第1ランド9を乗り越えて膜圧を発生させる。なお、傍流は、主流に比べて量が少ない。
さらに、一部の第2螺旋形溝7(7’)や他の一部の第2螺旋形溝7(7”)に沿った主流から外れた傍流は、円周方向の流れとなって、第2ランド10及び第1ランド9を乗り越えて膜圧を発生させる。なお、傍流は、主流に比べて量が少ない。
したがって、本実施形態のスラスト軸受1においては、軸受面4b上に形成される潤滑流体からなる潤滑膜の圧力(膜圧)の膜圧分布は、全体的に膜圧が分散した圧力分布となる。
図5は、流体潤滑膜の圧力(膜圧)の分布を示すグラフである。図5のグラフにおける横軸は、軸受面における、中心からの半径方向の距離(径方向位置)を示し(右側に行くほど中心から遠くなる)ている。図5のグラフにおける縦軸は、流体潤滑膜の平均圧力(周方向平均膜圧)を示している(上側に行くほど高くなる)。
図5は、流体潤滑膜の圧力(膜圧)の分布を示すグラフである。図5のグラフにおける横軸は、軸受面における、中心からの半径方向の距離(径方向位置)を示し(右側に行くほど中心から遠くなる)ている。図5のグラフにおける縦軸は、流体潤滑膜の平均圧力(周方向平均膜圧)を示している(上側に行くほど高くなる)。
また、図5のグラフにおける破線は、図2に示した軸受面4bを有するスラスト軸受1の、流体潤滑膜の圧力(膜圧)分布を示している。図5のグラフにおける実線は、図6に示す従来の一般的なポンプイン形スパイラル溝を形成した軸受面を有するスラスト軸受の、流体潤滑膜の圧力(膜圧)分布を、比較のため示している。
図5のグラフにおける破線の(1)は、図2中のランド8の内周縁での圧力を示し、破線の(2)は、同じくランド8の外周縁での圧力を示している。また、破線の(3)は、第1溝群6Aと第2溝群7Aとの間の境界部での圧力を示し、破線の(4)は、軸受面4bの外周縁での圧力を示している。
また、図5のグラフにおける実線の(5)は、図6中のランド12の内周縁での圧力を示し、実線の(6)は、同じくランド12の外周縁での圧力を示している。また、実線の(7)は、軸受面の外周縁での圧力を示している。
また、図5のグラフにおける実線の(5)は、図6中のランド12の内周縁での圧力を示し、実線の(6)は、同じくランド12の外周縁での圧力を示している。また、実線の(7)は、軸受面の外周縁での圧力を示している。
図5における実線で示したように、従来の一般的なポンプイン形スパイラル溝を形成したスラスト軸受においては、軸受面の外周縁(7)からランド12の外周縁(6)までの範囲内で、軸受面の外周側から内周側に行くに連れて流体潤滑膜の圧力(膜圧)が連続的に高くなるように変化している。また、軸受面全体で見ても、ランド12の外周縁(6)、すなわちスパイラル溝が形成された領域の内周端で、流体潤滑膜の圧力(膜圧)が最も高くなっている。したがって、従来では、ランド12の外周縁(6)となる、溝の閉止端付近に膜圧のピークが形成される。
しかしながら、前述したように、ピーク圧発生部位においては理論上のピーク圧が得られなくなってしまうことから、従来ではこの部位において流体潤滑膜が破断し易くなっている。
これに対して、図5における破線で示したように、本実施形態のスラスト軸受1においては、第1溝群6Aと第2溝群7Aとの間の境界部(3)からランド8の外周縁(2)までの範囲内で、流体潤滑膜の圧力(膜圧)が比較的高い圧力を示し、膜圧の圧力分布は全体的に分散した形状となる。また、圧力分布における膜圧のピーク圧(最高膜圧)も従来に比べ低くなっている。
これに対して、図5における破線で示したように、本実施形態のスラスト軸受1においては、第1溝群6Aと第2溝群7Aとの間の境界部(3)からランド8の外周縁(2)までの範囲内で、流体潤滑膜の圧力(膜圧)が比較的高い圧力を示し、膜圧の圧力分布は全体的に分散した形状となる。また、圧力分布における膜圧のピーク圧(最高膜圧)も従来に比べ低くなっている。
本実施形態のスラスト軸受1によれば、従来の膜圧の圧力分布が1箇所で高い膜圧(ピーク圧)を有していたのと異なり、本実施形態の膜圧の圧力分布は、比較的低いピーク圧が広い範囲に分布した圧力分布となる。したがって、従来のスパイラル溝を形成したスラスト軸受と同等の軸受負荷能力を維持しつつ、流体潤滑膜を破断し難くすることができる。このため、より高い軸受荷重が作用しても焼き付けが生じることがなく使用できる軸受が得られる。また、外乱等による突発的な荷重の作用に対しても十分に対応できる軸受が得られる。
また、スラスト軸受1においては、第1溝群6Aの第1螺旋形溝6の本数と第2溝群7Aの第2螺旋形溝7の本数が異なる。したがって、部分連通部11の形成が容易になり、溝部6A、7Aの設計が容易になる。
なお、前記実施形態では、図4Aの模式図で説明したように、第1溝群6Aの第1螺旋形溝6の本数と第2溝群7Aの第2螺旋形溝7の本数とを異ならせ、さらに第1螺旋形溝6の流入角βと第2溝群7Aの第2螺旋形溝7流入角βとを異ならせることにより、部分連通部11を形成した。さらには第1螺旋形溝6に連通しない、独立した第2螺旋形溝7を形成した。しかしながら、本発明はこれに限定されることなく、例えば第1螺旋形溝6と第2螺旋形溝7との間で溝幅を異ならせたり、溝の深さを異ならせることなどにより、高い膜圧を発生する部分連通部11を形成するようにしてもよい。
また、例えば第1螺旋形溝6の本数と第2螺旋形溝7の本数とを同じにするものの、その位相を変えて第1螺旋形溝6と第2螺旋形溝7とを周方向に沿って千鳥状に互い違いに配置することにより、部分連通部11を形成するようにしてもよい。さらに、螺旋形溝6、7と第1ランド9、第2ランド10との幅比を変えることにより、部分連通部11を形成するようにしてもよい。もちろん、第1螺旋形溝6と第2螺旋形溝7との本数、溝幅、深さ、位相、さらには流入角βや溝とランドとの幅比を複数組み合わせて異ならせることにより、部分連通部11を形成し、さらには潤滑流体を引き込む側となる溝群の一部に独立した螺旋形溝を形成するようにしてもよい。
ただし、第1螺旋形溝6及び第2螺旋形溝7は、軸受としての機能上、円周方向においてはパターンが一定の規則性を有してなる必要があるのはもちろんである。
ただし、第1螺旋形溝6及び第2螺旋形溝7は、軸受としての機能上、円周方向においてはパターンが一定の規則性を有してなる必要があるのはもちろんである。
また、前記実施形態では、第1螺旋形溝6及び第2螺旋形溝7をいずれもポンプイン形としたが、本発明はこれに限定されることなく、例えば第1螺旋形溝及び第2螺旋形溝をいずれもポンプアウト形としてもよい。その場合には、流体が引き込まれる側となる外周側に、円環状のランド部を形成する。
また、本発明は、ポンプイン形のスパイラル溝とポンプアウト形のスパイラル溝とを共に形成した一般的なヘリングボーンに対して、適用することもできる。具体的には、一般的なヘリングボーンにおいて、そのポンプイン形のスパイラル溝部分を、本発明の第1螺旋形溝6及び第2螺旋形溝7からなる構造に置き換えてもよい。同様に、ヘリングボーンにおけるポンプアウト形のスパイラル溝を、本発明の第1螺旋形溝及び、第2螺旋形溝からなる構造に置き換えてもよい。さらに、ヘリングボーンにおけるポンプイン形のスパイラル溝及びポンプアウト形のスパイラル溝の両方を、本発明の第1螺旋形溝及び第2螺旋形溝からなる構造に置き換えてもよい。上記構造からなるヘリングボーンタイプのスラスト軸受においても、従来に比べて流体潤滑膜を破断し難くすることができる。
また、前記実施形態では第1溝群と第2溝群とによって溝部を構成したが、本発明はこれに限定されることなく、3つ以上の溝群によって溝部を構成してもよい。
また、前記実施形態では第1溝群の第1螺旋形溝と第2溝群の第2螺旋形溝との境界を、軸受面の半径方向における略中央部、すなわち、この略中央部に位置する同心円上とした。しかしながら、第1螺旋形溝と第2螺旋形溝との境界は、全てが前記略中央部に位置する同心円上にある必要はない。前記境界は、複数の同心円上に分散して位置させられていてもよい。
また、前記実施形態では第1溝群の第1螺旋形溝と第2溝群の第2螺旋形溝との境界を、軸受面の半径方向における略中央部、すなわち、この略中央部に位置する同心円上とした。しかしながら、第1螺旋形溝と第2螺旋形溝との境界は、全てが前記略中央部に位置する同心円上にある必要はない。前記境界は、複数の同心円上に分散して位置させられていてもよい。
本発明のスラスト軸受によれば、潤滑流体からなる潤滑膜の圧力(膜圧)を全体的に分散した圧力分布とし、圧力分布における最高膜圧も従来に比べ低くなる。その結果、従来のスパイラル溝を形成したスラスト軸受と同等の軸受負荷能力を維持しつつ、流体潤滑膜を破断し難くすることができる。したがって、より高い軸受荷重が作用しても使用することができる軸受が得られる。また、外乱等による突発的な荷重の作用に対しても十分に対応できる軸受が得られる。
1…スラスト軸受、2…回転軸、3…スラストカラー、4…軸受板、4b…軸受面、5…溝部、6…第1螺旋形溝、6A…第1溝群、6a、6a’、6a”…溝、7…第2螺旋形溝、7A…第2溝群、7a、7a’、7a”…溝、8…ランド部、9…第1ランド、10…第2ランド、11…部分連通部
Claims (1)
- 回転軸に設けられたスラストカラーに対向して配置されるスラスト軸受であって、
前記スラストカラーに対向して配置される軸受面に溝部が形成され、
前記溝部は、前記軸受面の内周側に形成された複数の第1螺旋形溝からなる第1溝群と、該第1溝群より前記軸受面の外周側に形成され、かつ前記第1螺旋形溝と同方向に周回する複数の第2螺旋形溝からなる第2溝群とを少なくとも有し、
前記第1溝群と前記第2溝群とは、流体を引き込む側の溝群の方が、流体が引き込まれる側の溝群に比べてその螺旋形溝の本数が多く形成され、
前記第1溝群より内周側と前記第2溝群より外周側とのうち、流体が引き込まれる側に、円環状のランド部が設けられ、
前記第1溝群における一部の第1螺旋形溝と前記第2溝群における一部の第2螺旋形溝とは、一方の螺旋形溝がその幅の一部分のみで他方の螺旋形溝に連通し、他方の螺旋形溝がその幅の一部分又は全部で前記一方の螺旋形溝に連通するように構成された部分連通部を介して連続しており、
前記第1溝群と前記第2溝群とのうちの、流体を引き込む側となる溝群における前記一部の螺旋形溝とは異なる他の一部の螺旋形溝は、流体が引き込まれる側となる溝群における螺旋形溝と連通することなく独立して形成されているスラスト軸受。
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