JP5516331B2 - 金属化フィルムコンデンサ - Google Patents

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本発明は、巻回し型もしくは積層型の金属化フィルムコンデンサに関するものである。
従来の金属化フィルムを巻き回してなる巻回し型、もしくは金属化フィルムを積層してなる積層型の金属化フィルムコンデンサは、巻き回しもしくは積層してなる金属化フィルム柱体の両端の2つの電極取り出し面に金属溶射部(もしくはメタリコン、メタリコン電極)が形成され、これら2つの金属溶射部に外部引き出し端子をはんだ接合することで製造されている。
このはんだ接合においては、はんだを融点以上で溶融させることからはんだ接合時の熱によってフィルムの一部が溶融するといった課題がある。そして、昨今の環境影響負荷低減の高まりの中ではんだの鉛フリー化が進んでおり、鉛はんだに比して鉛フリーはんだの融点が高いことから、はんだ接合時にフィルムが溶融するという課題はより顕著なものとなっている。ちなみに、Sn−Pb系の鉛はんだの融点が170℃程度であるのに対して、Sn−Cu系やSn−Ag系の鉛フリーはんだの融点は220〜230℃程度である。
フィルムにはたとえばポロプロピレン(融点が170℃程度)が使用され、金属溶射部は亜鉛溶射から形成され、外部引き出し端子は導電性の高い銅から形成されるのが一般的であるが、はんだ溶融熱がポリプロピレンの融点を超えていることからはんだ接合時にフィルムの一部が溶融し、その絶縁抵抗や耐圧が低下することは否めない。
そこで、特許文献1には、金属溶射部とバスバーをはんだ接合する代わりに、金属溶射部内にバスバーの一部を埋設して双方を接合する構造が開示されている。この接合構造によれば、はんだ接合をおこなわないことから上記するはんだ接合時にフィルムが損傷するといった課題は解消されるものの、金属溶射部とバスバーは金属接合されることなくバスバーが金属溶射部に単に埋設された接合構造であることから、接合強度不足からバスバーが金属溶射部から抜け易くなるといった新たな問題が生じる。
そこで、上記文献では、孔を有するバスバーや網状のバスバーを適用することで金属溶射部の一部が孔に入りこみ、アンカー効果によってバスバーを抜け難くする構造形態も開示している。
しかし、溶射される亜鉛の線膨張係数が31ppm/K程度、バスバーを形成する銅のそれが17ppm/K程度であることから、この金属化フィルムコンデンサにΔT=100℃で繰り返される冷熱試験を実施した際の熱変形差(熱ひずみ)は14μmにも及び、繰り返しの熱変形(もしくは熱応力)によって電極である金属溶射部にクラックが生じ得るといった別の課題がある。
特開2007−250923号公報
本発明は上記する問題に鑑みてなされたものであり、金属溶射部と外部引き出し端子がはんだ接合によって接合される際のフィルム溶融といった課題が解消され、金属溶射部に熱変形によるクラックが生じ難い金属化フィルムコンデンサを提供することを目的とする。
前記目的を達成すべく、本発明による金属化フィルムコンデンサは、金属化フィルムを巻き回し、もしくは積層させてなる金属化フィルム柱体の2つの電極取り出し面に金属溶射部が形成され、該金属溶射部に外部引き出し端子の一部が埋設されてなる金属化フィルムコンデンサであって、前記外部引き出し端子のうち、金属溶射部に埋設される箇所には導電性樹脂層が形成されており、該導電性樹脂層の線膨張係数が金属溶射部および外部引き出し端子それぞれの線膨張係数の間の係数値となっているものである。
金属化フィルム柱体は、ポリプロピレン(PP)やポリフェニレンサルファイド(PPS)などからなる誘電体フィルムの表面にアルミニウムや亜鉛などからなる金属蒸着膜が形成されてなる金属化フィルムを2枚積層して一組とし、双方の金属化フィルムが異なる端部に絶縁マージンを有することでそれぞれが固有の金属溶射部(メタリコン電極)に接触するようになっている。さらに、金属蒸着膜のうち、絶縁マージンと反対側の端部であって金属溶射部と接触する端部は電極接触を保証するために他の部位よりも厚めのいわゆゆるヘビーエッジとなっており、たとえば、金属蒸着膜の一般部が30nm程度である場合に、ヘビーエッジは倍の60nm程度に調整されている。
巻回し型もしくは積層型の金属化フィルム柱体の両端に亜鉛などからなる金属溶射部が配設され、この金属溶射部内に銅などからなる外部引き出し端子の一部が埋設された構造を呈しており、この構造によってはんだ接合が解消され、さらに、上記する金属蒸着膜のヘビーエッジと金属溶射部の接着性も良好となる。
そして、本発明の金属化フィルムコンデンサにおいては、外部引き出し端子の金属溶射部に埋設される箇所に導電性樹脂層が形成されているのが最大の特徴であり、この導電性樹脂層の線膨張係数は、金属溶射部および外部引き出し端子それぞれの線膨張係数の間の係数値に設定されている。
たとえば、外部引き出し端子の線膨張係数が金属溶射部のそれよりも小さな場合には、外部引き出し端子の線膨張係数よりも大きく、金属溶射部の線膨張係数よりも小さな線膨張係数の導電性樹脂層が形成される。
ここで、導電性樹脂層は、耐熱性の観点から好ましくは、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂を使用し、この熱硬化性樹脂内に銀や銅、アルミニウムなどの導電性金属粉末もしくはフィラーを混入した素材内に、外部引き出し端子の一部を浸漬させたり、外部引き出し端子の一部に当該素材を塗布もしくは散布等することで形成される。
そして、導電性樹脂層の線膨張係数の調整は、熱硬化性樹脂等のマトリックス樹脂の素材の選定や混入される導電性フィラー等の素材やその混合割合を調整することでおこなわれる。
導電性樹脂層の線膨張係数が金属溶射部および外部引き出し端子それぞれの線膨張係数の間の係数値に設定されていることで、金属溶射部と外部引き出し端子の異なる変形量の熱変形が繰り返されること(もしくは繰り返しの熱応力)で生じ得る金属溶射部におけるクラックを効果的に抑制することができる。
さらに、本発明による金属化フィルムコンデンサの好ましい実施の形態は、金属溶射部および外部引き出し端子双方のヤング率のうちで少なくとも大きい方のヤング率よりも前記導電性樹脂層のヤング率が小さいものである。
上記する線膨張係数の調整に加えて、さらに金属溶射部および外部引き出し端子それぞれのヤング率(弾性率)のうちで少なくとも大きな方のヤング率よりも導電性樹脂層のヤング率を小さく設定しておくことにより、金属溶射部と外部引き出し端子の間に少なくともこれらのうちのいずれか一方よりも相対的に軟らかい層が設けられ、もって応力緩和性能に優れた金属化フィルムコンデンサとなる。たとえば、外部引き出し端子のヤング率(Yg)が金属溶射部のヤング率(Yk)よりも大きな場合(Yg>Yk)は、これらと導電性樹脂層のヤング率(Yd)の間で、Yg>Yd>Ykなる関係式、もしくは、Yg>Yk>Ydなる関係式を満足するようにそれぞれの構成材の素材が決定される。なお、この応力緩和性能の観点で言えば、低ヤング率であるウレタン樹脂やシリコーン樹脂を上記するマトリックス樹脂に適用するのがよい。
ここで、外部引き出し端子としては、以下で例示する実施の形態を適用するのが好ましい。
その一つの実施の形態は、外部引き出し端子が板状のバスバーからなり、該バスバーの少なくとも前記埋設される箇所に孔が形成されているものである。
バスバーに形成された孔に金属溶射部の一部が入り込むことで、アンカー効果によって金属溶射部からのバスバーの抜け防止が保証される。
また、外部引き出し端子の他の実施の形態は、外部引き出し端子が板状のバスバーからなり、該バスバーの少なくとも前記埋設される箇所が少なくとも2方向に枝分かれした板状を呈しているものである。
バスバーが少なくとも2方向に枝分かれした状態で金属溶射部内に埋設されることで、上記実施の形態と同様にアンカー効果を期待することができ、金属溶射部からのバスバーの抜け防止が保証される。
さらに、本発明による金属化フィルムコンデンサは、前記金属化フィルム柱体がケース内に収容され、ケース内のモールド樹脂体に埋設された形態であってもよい。
金属化フィルム柱体がケース内のモールド樹脂体に埋設されていることで、金属化フィルム柱体への水分の浸入を阻止することができる。
以上の説明から理解できるように、本発明の金属化フィルムコンデンサによれば、外部引き出し端子の金属溶射部に埋設される箇所に導電性樹脂層が形成され、この導電性樹脂層の線膨張係数が金属溶射部および外部引き出し端子それぞれの線膨張係数の間の係数値に設定されていることにより、金属溶射部と外部引き出し端子の異なる変形量の熱変形が繰り返されることで生じ得る金属溶射部におけるクラック等を効果的に抑止することができ、高耐久な金属化フィルムコンデンサを得ることができる。
本発明の金属化フィルムコンデンサの一実施の形態を示した斜視図である。 図1のII−II矢視図である。 (a)、(b)はそれぞれ、外部引き出し端子の実施の形態を導電性樹脂層とともに示した斜視図である。 (a)、(b)、(c)の順で、図3aで示す外部引き出し端子を使用して金属化フィルムコンデンサの製造方法を概説したフロー図である。 本発明の金属化フィルムコンデンサの他の実施の形態を示した斜視図である。 気相冷熱試験結果を示すグラフである。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の金属化フィルムコンデンサの一実施の形態を示した斜視図であり、図2は図1のII−II矢視図である。
図示する金属化フィルムコンデンサ10は、金属化フィルム1cが巻装されてなる金属化フィルム柱体1と、その両端の2つの電極取り出し面に形成された金属溶射部2,2(メタリコン電極)と、この金属溶射部2,2のそれぞれにその一部が埋設されてなる外部引き出し端子3(バスバー)と、外部引き出し端子3の埋め込み部の周りに形成された導電性樹脂層4とから大略構成されている。
金属蒸着膜1bが誘電体フィルム1aの一側面に形成されて金属化フィルム1cが構成され、この金属化フィルム1cを2枚積層して一組とし(2枚一対の金属化フィルム1d)、この2枚一対の金属化フィルム1dを巻き回すことで金属化フィルム柱体1が製造される。
ここで、一組の金属化フィルム1cの一方の誘電体フィルム1aの一側面に形成された金属蒸着膜1bは、その長手方向に沿う一方端が一方の金属溶射部2に密着しており、その長手方向に沿う他方端には、他方の金属溶射部2から絶縁されるべく、たとえば2mm程度の隙間領域(絶縁マージンmg)が設けられている。また、金属蒸着膜1bのうちで上記金属溶射部2に密着している端部は、電極接触を保証するために他の部位よりも厚めのいわゆるヘビーエッジとなっており、たとえば、金属蒸着膜の一般部が30nm程度である場合に、ヘビーエッジは倍の60nm程度に調整される。
ここで、誘電体フィルム1aは、ポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)などから形成でき、金属蒸着膜1bは、アルミニウムや亜鉛、銅などを誘電体フィルム表面に蒸着することで形成される。さらに、金属溶射部2は、金属化フィルム柱体1の端面に導電性樹脂層4が被膜された外部引き出し端子3を配設し、これに側方からアルミニウムや亜鉛などを溶射することで形成される。
一方、外部引き出し端子3が金属溶射部2内に埋設される箇所を被覆する導電性樹脂層4は、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂などの熱硬化性樹脂からなるマトリックス樹脂に、銀や金、銅、アルミニウム、ニッケル、カーボン等の導電性粉末(フィラー)を混合した素材であり、この素材内に外部引き出し端子3を浸漬させ、取り出して乾燥させることで導電性樹脂層4が形成される。なお、外部引き出し端子3が浸漬されるディップ素材の粘度は150Pas以下に調整されているのが好ましい。
さらに、導電性樹脂層4は、その線膨張係数が金属溶射部2および外部引き出し端子3それぞれの線膨張係数の間の係数値に設定されている。この導電性樹脂層4の線膨張係数の調整は、熱硬化性樹脂等のマトリックス樹脂の素材の選定や混入される導電性フィラー等の素材やその混合割合を調整することで容易におこなうことができる。
導電性樹脂層4の線膨張係数が金属溶射部2および外部引き出し端子3それぞれの線膨張係数の間の係数値に設定されていることで、金属溶射部2と外部引き出し端子3で異なる変形量の熱変形が繰り返されることで生じ得る金属溶射部2におけるクラックを効果的に抑制することができる。
また、より好ましくは、導電性樹脂層4の線膨張係数が金属溶射部2および外部引き出し端子3それぞれの線膨張係数の間の係数値に設定されていることに加えて、導電性樹脂層4のヤング率が金属溶射部2および外部引き出し端子3双方のヤング率のうちで少なくとも大きな方のヤング率よりも小さくなっているのがよい。
金属溶射部2および外部引き出し端子3双方のヤング率のうちで少なくとも大きな方のヤング率よりも導電性樹脂層4のヤング率を小さく設定しておくことにより、金属溶射部2と外部引き出し端子3の間に少なくともこれらのいずれか一方よりも軟らかい層を介在させることで応力緩和性能に優れた金属化フィルムコンデンサ10となる。なお、たとえば、外部引き出し端子3のヤング率(Yg)が金属溶射部2のヤング率(Yk)よりも大きな場合(Yg>Yk)は、これらと導電性樹脂層4のヤング率(Yd)の間で、Yg>Yd>Ykなる関係式、もしくは、Yg>Yk>Ygなる関係式を満足するようにそれぞれの構成材の素材が決定される。
図3a、bはそれぞれ、外部引き出し端子の実施の形態を導電性樹脂層とともに示した斜視図であり、図4は、図4a〜図4cの順で、図3aで示す外部引き出し端子を使用して金属化フィルムコンデンサの製造方法を概説したフロー図である。
図3aで示す外部引き出し端子3Aは板状のバスバーからなり、バスバーの少なくとも金属溶射部2で埋設される箇所に孔3aが形成されているものである。
一方、図3bで示す外部引き出し端子3Bは、板状のバスバーの少なくとも金属溶射部2で埋設される箇所が少なくとも2方向に枝分かれした形状を呈しているものである。
外部引き出し端子3A,3Bはいずれも、孔3aや枝分かれ形状によって金属溶射部2内でアンカー効果を期待することができ、金属溶射部2からの外部引き出し端子3A,3Bの抜け防止を保証することができる。なお、孔3aの形状や基数、枝分かれの形状形態などは図示例以外にも多様に存在する。
図3aで示す外部引き出し端子3Aを使用して金属化フィルムコンデンサを製造する方法を図4を参照して概説する。
図4aで示すように用意された外部引き出し端子3Aを、熱硬化性樹脂内に導電性フィラー等が混入されてなる素材中に浸漬し、取り出して乾燥させることによって図4bで示すように導電性樹脂層4が外部引き出し端子3Aの一部の周りに形成される。
導電性樹脂層4が形成された外部引き出し端子3Aを、図4cで示すように金属化フィルム柱体1の端部に配設し、その側方からアルミニウムや亜鉛などを溶射することで金属溶射部2が外部引き出し端子3Aの一部を埋設するようにして形成される。
図4cで示す金属溶射部2が形成された状態においては、金属溶射部2の一部が外部引き出し端子3Aの孔3a内に入り込んで硬化していることでアンカー効果が期待できる接続構造となっており、外部引き出し端子3Aの抜けが効果的に防止される。
さらに、孔3aを介して溶射金属を外部引き出し端子3Aの背面に回り込ませることができるため、外部引き出し端子3Aと金属化フィルム柱体1の端部の間に金属溶射部2を形成することができ、金属蒸着膜1bと金属溶射部2との密着性が保証される。
図5は、本発明の金属化フィルムコンデンサの他の実施の形態を示した斜視図である。
図示する金属化フィルムコンデンサ10Aは、金属化フィルム柱体1がアルミニウムや樹脂製のケース5内に収容され、ケース5の内側に充填硬化されたモールド樹脂体6で金属化フィルム柱体1が埋設されたものである。
金属化フィルム柱体1がケース5内のモールド樹脂体6に埋設されていることで、金属化フィルム柱体1への水分の浸入を阻止することができる。
[気相冷熱試験とその結果]
本発明者等は、以下の表1で示す3種類の導電性樹脂層を具備する金属化フィルムコンデンサ(実施例1,2,3)と、導電性樹脂層を具備せず、金属溶射部に外部引き出し端子の一部が直接埋設されてなる特許文献1に開示の構造を有する金属化フィルムコンデンサ(比較例)をそれぞれ試作し、各金属化フィルムコンデンサを−40℃と90℃の冷熱雰囲気槽内でそれぞれ30分載置する気相冷熱繰返し試験をおこない、冷熱サイクルごとのクラック率を測定する実験をおこなった。このクラック率の測定法は、金属化フィルムコンデンサの表面に到達したクラックを撮像し、この外観写真を二値化処理することでクラックの特定をおこなったものである。気相冷熱試験結果を図6に示している。
Figure 0005516331
図6より、比較例の金属化フィルムコンデンサでは、50cyc時でクラックの発生を確認することができたが、実施例1〜3の金属化フィルムコンデンサではいずれも、400cyc時点でクラックが発生していないことが確認されている。
実施例1,2の実験結果より、バスバーとメタリコンの各線膨張係数の間の線膨張係数を有する導電性樹脂層でバスバーのメタリコン埋設箇所を被覆することにより、バスバーとメタリコンが変形量の異なる熱変形を繰返した場合であっても、メタリコンに生じ得るクラックを効果的に抑止できることが実証されている。なお、表1より、実施例1,2はともに、バスバーのヤング率がメタリコンのヤング率よりも大きく、双方の導電性樹脂層のヤング率はバスバーとメタリコン双方のヤング率よりも小さなものとなっている。
また、実施例3の実験結果より、バスバーとメタリコンのヤング率に比して導電性樹脂層のヤング率を格段に低く設定しておくことで、その優れた応力緩和性能により、同様にメタリコンに生じ得るクラックを効果的に抑止できることが実証されている。
なお、実施例1〜3の金属化フィルムコンデンサはいずれも、メタリコンと各金属蒸着膜が確実に接触していることが確認されている。
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
1…金属化フィルム柱体、1a…誘電体フィルム、1b…金属蒸着層、1c…一対の金属化フィルム、1d…2枚一対の金属化フィルム、2…金属溶射部(メタリコン電極)、3,3A,3B…外部引き出し端子(バスバー)、3a…孔、4…導電性樹脂層、5…ケース、6…モールド樹脂体、10,10A…金属化フィルムコンデンサ、mg…絶縁マージン

Claims (5)

  1. 金属化フィルムを巻き回し、もしくは積層させてなる金属化フィルム柱体の2つの電極取り出し面に金属溶射部が形成され、該金属溶射部に外部引き出し端子の一部が埋設されてなる金属化フィルムコンデンサであって、
    前記外部引き出し端子のうち、金属溶射部に埋設される箇所には導電性樹脂層が形成されており、該導電性樹脂層の線膨張係数が金属溶射部および外部引き出し端子それぞれの線膨張係数の間の係数値である金属化フィルムコンデンサ。
  2. 金属溶射部および外部引き出し端子双方のヤング率のうちで少なくとも大きい方のヤング率よりも前記導電性樹脂層のヤング率が小さい請求項1に記載の金属化フィルムコンデンサ。
  3. 前記外部引き出し端子が板状のバスバーからなり、該バスバーの少なくとも前記埋設される箇所に孔が形成されている請求項1または2に記載の金属化フィルムコンデンサ。
  4. 前記外部引き出し端子が板状のバスバーからなり、該バスバーの少なくとも前記埋設される箇所が少なくとも2方向に枝分かれした板状を呈している請求項1または2に記載の金属化フィルムコンデンサ。
  5. 前記金属化フィルム柱体がケース内に収容され、ケース内のモールド樹脂体に埋設されている請求項1〜4のいずれかに記載の金属化フィルムコンデンサ。
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