JP5515293B2 - カーボンナノ材料の壁面開孔方法およびカーボンナノ材料の開孔への酸素含有基導入方法 - Google Patents

カーボンナノ材料の壁面開孔方法およびカーボンナノ材料の開孔への酸素含有基導入方法 Download PDF

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Description

本発明は、グラファイト質カーボンナノ材料の開孔方法および開孔への酸素含有基導入方法に関するものである。
カーボンナノチューブ、カーボンナノホーンなどのグラファイト質カーボンナノ材料は、規則正しい六員環配列構造を大部分の構造とするグラファイトシートで構成されており、その特異な電気的性質とともに、化学的、機械的および熱的に安定した性質を持つ材料として、エネルギー分野を始め、情報通信、航空・宇宙、生体・医療等の幅広い分野において様々な視点から研究および開発が活発に行われている。
この出願の発明者らは、カーボンナノチューブの発見後、カーボンナノチューブを含むサンプルの酸化反応を研究し、ナノチューブがその先端部分から最初に反応を起こし、ナノチューブが開孔することを発見した(非特許文献1)。そしてまた、カーボンナノチューブやカーボンナノホーン集合体等のグラファイト質カーボンナノ材料の壁面を開孔する方法を既に提案している(特許文献1〜4)。
特許文献1の方法は、単層カーボンナノチューブを200〜600℃の温度範囲の乾燥反応性ガス中に1分以上保持することで、単層カーボンナノチューブの終端のキャップを取るのみならず、管壁にも直径1〜2nmの孔を開孔するものである。
特許文献2の方法は、単層カーボンナノホーン集合体を空気中で酸化処理することでその管壁に孔を開けるものである。
特許文献3の方法は、グラファイト質カーボンナノ材料を液媒体に分散させて超音波を照射することでその壁面に孔を開けるものである。
特許文献4の方法は、グラファイト質カーボンナノ材料を水蒸気および/または二酸化炭素と不活性ガスとを含む気流中で加熱することで、汚染、欠陥、燃焼などのダメージを与えることなく、その壁面に大きさを簡便に制御して孔を開けるものである。
特開2002−097008号公報 特開2002−326032号公報 特開2003−205499号公報 特開2006−188393号公報 Nature, Vol. 361, No. 6410, pp. 333-334, (1993)
しかしながら、上記の開孔方法によると、開孔速度が遅く、たとえば単層カーボンナノチューブの管壁に開孔する場合では、条件にもよるが、たとえば1週間程度の長時間を要する場合もあった。
また、開孔されたグラファイト質カーボンナノ材料の開孔縁には、たとえばカルボキシル基、カルボニル基、フェノール基、ラクトン基などの酸素含有基を導入できることが知られているが、上記の開孔方法では、開孔縁に導入される官能基の量はさほど多くなく、またその量を制御することはできなかった。特に、高温で酸化開孔する方法では、官能基の種類までもが限定されてしまうという欠点があった。
本発明は、以上のとおりの事情に鑑みてなされたものであり、従来技術の問題点を解消し、グラファイト質カーボンナノ材料の壁面を開孔する速度を高めることが可能であり、さらに、酸素含有基の導入量、特にカルボキシル基の導入量を大幅に増加させることが可能なグラファイト質カーボンナノ材料の開孔方法および開孔への酸素含有基導入方法を提供することを課題としている。
本発明は、上記の課題を解決するものとして、以下のことを特徴としている。
第1:酸化処理剤の存在下、酸化処理剤を活性化させる波長の光を含む光源からの光を照射しながら、グラファイト質カーボンナノ材料の壁面を開孔することを特徴とするグラファイト質カーボンナノ材料の開孔方法。
第2:酸化処理剤は、光源からの光を吸収したグラファイト質カーボンナノ材料に接触することにより活性化されることを特徴とする上記第1のグラファイト質カーボンナノ材料の開孔方法。
第3:酸化処理剤を活性化させる光の波長が250〜500nmの範囲内であることを特徴とする上記第1または第2のグラファイト質カーボンナノ材料の開孔方法。
第4:酸化処理剤は、過酸化水素、酸素ガス、一酸化炭素ガス、または二酸化炭素ガスであることを特徴とする上記第1から第3のいずれかのグラファイト質カーボンナノ材料の開孔方法。
第5:酸化処理剤は、過酸化水素であることを特徴とする上記第4のグラファイト質カーボンナノ材料の開孔方法。
第6:グラファイト質カーボンナノ材料は、カーボンナノチューブまたはカーボンナノホーンであることを特徴とする上記第1から第5のいずれかのグラファイト質カーボンナノ材料の開孔方法。
第7:過酸化水素の存在下、過酸化水素を活性化させる波長の光を含む光源からの光を照射しながら、グラファイト質カーボンナノ材料の壁面を開孔すると共に、開孔縁に酸素含有基を導入することを特徴とするグラファイト質カーボンナノ材料の開孔への酸素含有基導入方法。
第8:過酸化水素は、光源からの光を吸収したグラファイト質カーボンナノ材料に接触することにより活性化されることを特徴とする上記第7のグラファイト質カーボンナノ材料の開孔方法。
第9:過酸化水素を活性化させる光の波長が250〜500nmの範囲内であることを特徴とする上記第7または第8のグラファイト質カーボンナノ材料の開孔方法。
第10:酸素含有基は、少なくともカルボキシル基を含むことを特徴とする上記第7から第9のいずれかのグラファイト質カーボンナノ材料の開孔への酸素含有基導入方法。
第11:グラファイト質カーボンナノ材料は、カーボンナノチューブまたはカーボンナノホーンであることを特徴とする上記第7から第10のいずれかのグラファイト質カーボンナノ材料の開孔への酸素含有基導入方法。
本発明の開孔方法によれば、酸化処理剤を活性化させる波長の光を含む光源からの光を照射しながらグラファイト質カーボンナノ材料の壁面を開孔することで、グラファイト質カーボンナノ材料の壁面を開孔する速度を高めることができ、たとえば、従来よりも2倍以上の速度で開孔することができる。
さらに本発明の開孔方法および酸素含有基導入方法によれば、酸化処理剤として過酸化水素を用いることで、酸素含有基の導入量、特にカルボキシル基の導入量を大幅に増加させることができる。
開孔されたカーボンナノホーン集合体の室温におけるキシレン吸着量を示したグラフである。 開孔されたカーボンナノホーン集合体の赤外吸収スペクトルである。 開孔されたカーボンナノホーン集合体の熱重量分析(TGA)の結果を示したグラフである。 BSAを反応させたカーボンナノホーン集合体の(a)透過型電子顕微鏡像と(b)熱重量分析(TGA)結果を示した図である。 BSAを反応させたカーボンナノホーン集合体の粒径分布を示したグラフである。 (a)はLAOx−NH(2h)−BSA、(b)はヒト肺癌細胞H460、(c)はLAOx−NH(2h)−BSAがH460細胞内に取り込まれている様子を示した図である。
本発明は上記のとおりの特徴をもつものであるが、以下にその実施の形態について説明する。
本発明において開孔の対象とされるグラファイト質カーボンナノ材料としては、六員環配列構造を主構造とするグラファイトシートを含む物質を挙げることができ、その具体例としては、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、グラファイトナノファイバー、カーボンナノコーン、フラーレン、ナノカプセルなどが挙げられる。
カーボンナノチューブには、チューブを形成するグラファイトシートが一層であるいわゆる単層カーボンナノチューブや、グラファイトシートの円筒が多数入れ子状に重なった多層カーボンナノチューブなどがあるが、本発明ではそのいずれを用いるようにしてもよい。カーボンナノチューブとして、たとえば外径1μm以下、内径0.4nm以上のものを用いることができ、また、1本ずつがバラバラになっている形態のものであってもよく、多数のものが束状になっている形態のものであってもよい。
カーボンナノホーンは、あたかも一枚のグラファイトシートを中空円錐状に丸めたようなホーン状の構造であって、カーボンナノチューブのようにチューブ径が一定ではなく、閉鎖先端部を頂点として径が連続的に徐々に増加しており、壁面が折れ曲がっているものやそうでないものなど多様な構造を有するものが含まれる。
カーボンナノホーンは、多数のカーボンナノホーンが円錐形状の閉鎖先端部が中心部から外方へと向かうように集合した球状粒子であるカーボンナノホーン集合体の形態を有するものであってもよい。
カーボンナノコーンは、一枚のグラファイトシートを中空円錐状に丸めた構造を有しており、各種の先端角を持つものであってよい。
本発明において開孔の対象とされるグラファイト質カーボンナノ材料は、BやN等の炭素以外の元素を含有していてもよく、また、他の物質に内包されている形態であってもよい。
本発明において用いられる酸化処理剤の具体例としては、過酸化水素、酸素ガス、一酸化炭素ガス、二酸化炭素ガスなどが挙げられる。これらの酸化処理剤は、紫外〜可視領域の光源光を吸収したグラファイト質カーボンナノ材料からのエネルギー移動または電子移動により活性化して分解し、この分解成分がグラファイト質カーボンナノ材料の酸化開孔を促進する。
たとえば酸化処理剤として過酸化水素を用いた場合には、光源からの光照射による上記の機構によって、HOO・やHO・などの非常に反応性の高いラジカルが発生する。この反応性ラジカルは、グラファイト質カーボンナノ材料の壁面(先端を含む)における欠陥等と反応し、OやCOを分解放出しながら壁面を開孔する。
そして過酸化水素を用いた場合には、当該壁面を開孔すると同時に、開孔縁に大量の酸素含有基を導入する。この酸素含有基には、特にカルボキシル基が多く含まれている。
一方、従来のように光照射を行わずに酸化開孔する場合、グラファイト質カーボンナノ材料とHOO等のイオンの間で主に反応が起こると考えられるが、ラジカルの活性はイオンの活性よりもはるかに強いため、本発明では反応速度、すなわち開孔速度が大幅に高められる。
なお、酸化処理剤として酸素ガスを用いた場合には、光照射による酸素分子の活性化により開孔速度は増加するが、後述の実施例にも示されるように、酸素含有基、特にカルボキシル基の導入量は酸化処理剤として過酸化水素を用いた場合に比較して少なくなる。
酸化処理剤として過酸化水素などの酸化性試薬を用いた場合、酸化開孔処理は、たとえば−20〜200℃の液体媒体中において、光照射しながら酸化処理剤をグラファイト質カーボンナノ材料に接触させることで行うことができる。
酸化処理剤として酸素ガス、一酸化炭素ガス、二酸化炭素ガスなどの酸化性ガスを用いた場合、酸化開孔処理は、たとえば酸素ガスの場合は200〜600℃、一酸化炭素ガスまたは二酸化炭素ガスの場合は500〜1200℃の温度範囲とし、圧力を適切に調整した条件下にて、光照射しながら酸化性ガスをグラファイト質カーボンナノ材料に接触させることで行うことができる。
光照射は、酸化処理剤を活性化させる波長の光を含む光源を用いて行う。酸化処理剤を活性化させる光の波長は、上記したように光吸収したグラファイト質カーボンナノ材料からのエネルギー移動または電子移動により酸化処理剤の活性化が起こるため、グラファイト質カーボンナノ材料の光吸収領域である紫外〜可視領域、好ましくは250〜500nmの範囲内である。
このような波長の光を含む光源の具体例としては、水銀ランプ、キセノンランプ、レーザーなどを挙げることができるが、当該波長範囲の光強度や照射量が十分なものであれば、白色光源や単色光源など特に制限なく各種の光源を用いることができる。
このような光照射によって、たとえば光照射をしない場合に比べて2倍以上の速度でグラファイト質カーボンナノ材料の壁面を開孔することができ、条件にもよるが、1ミリ秒〜3日程度の照射時間で所望の開孔を形成することが可能となる。
光照射は、酸化処理の全時間に渡って行うようにしてもよく、あるいは酸化処理の間における任意の時間だけ行うようにしてもよい。
また上記したように、過酸化水素を用いた場合には、光照射によってグラファイト質カーボンナノ材料の開孔縁にカルボキシル基等の酸素含有基を多量に導入することができる。さらに、光照射の条件を制御することで、グラファイト質カーボンナノ材料に多彩な機能を付与できる可能性がもたらされる。
そこで以下に実施例を示し、さらに詳しく説明する。もちろん、以下の例示によって発明が限定されることはない。
グラファイト質カーボンナノ材料としてカーボンナノホーン集合体(SWNH)を用い、以下の3通りの方法で開孔し、その様子を比較した。
(1)酸素ガス中、所定の温度で15分間加熱する(NH(O2))。
(2)過酸化水素水溶液中、100℃で所定の時間加熱する(Ox−NH)。
(3)過酸化水素水溶液中、100℃で所定の時間加熱すると同時に、光を照射する(LAOx−NH)。
なお、光照射の条件は、光源:キセノンランプ(250W)、光強度:〜3W、照射時間1〜5時間とした。
<A> キシレン吸着量
これらの処理で得られた開孔カーボンナノホーン集合体を用い、室温におけるキシレン吸着量を測定した。その結果を図1に示した。図1より、上記の方法(1)に従い500℃の酸素ガス中で15分間加熱したカーボンナノホーン集合体[NH(O2、500℃)]と、方法(3)に従い100℃の過酸化水素水溶液中で2時間の加熱および光照射をしたカーボンナノホーン集合体[LAOx−NH(2h)]によるキシレン吸着量が最も大きくなることが分かった。未処理のカーボンナノホーン集合体に比べて、これらのカーボンナノホーン集合体の内容積が最も大きくなることが分かる。また、同程度の開孔は、光照射によって、2倍以上の速度で開孔できることが分かった。
<B> 置換基の導入
上記の3通りの開孔処理ごとに、内容積が最も大きくなったカーボンナノホーン集合体の赤外吸収スペクトルを測定し、その結果を図2に示した。その結果、方法(2)による[Ox−NH(4h)]と方法(3)による[LAOx−NH(2h)]に、カルボキシル基特有のピーク(1585cm-1(C=O)、1725cm-1(−COO))がみられた。未処理のカーボンナノホーン集合体と方法(1)による[NH(O2、500℃)]には、カルボキシル基のピークは明確には現れなかった。このことから、方法(2)および(3)によりカーボンナノホーン集合体を開孔することで、開孔縁にカルボキシル基等の官能基が導入されることが確認された。
また、このカルボキシル基の量を見積もるために、He中で熱重量分析(TGA)を行った。その結果を図3に示した。同時に質量スペクトルを観察した結果、カルボキシル基や他の酸素含有基の量は、本発明の方法(3)の場合に最も多く、光照射を併用した開孔方法により開孔部におけるカルボキシル基などの置換基の量が増えることがわかった。
<C> 化学修飾
上記のカーボンナノホーン集合体に導入されたカルボキシル基などの酸素含有基に対して、たんぱく質の一種であるBSA(bovine serum albumin)を反応させた。カーボンナノホーン集合体に付着したBSAの粒子(2〜3nm)あるいはそれらが連なったものを、透過型電子顕微鏡(TEM)観察にて確認し、その結果を図4(a)に示した。また、付着したBSAの量をHe中でのTGAによる重量減少で見積もり、その結果を図4(b)に示した。その結果、上記方法(3)で開孔したカーボンナノホーン集合体に付着したBSAの量が最も多いことが確認された。この結果は、光照射により、カルボキシル基が最多となる結果(図3)ともよく一致している。
なお、方法(3)で開孔しBSAを付着させたカーボンナノホーン集合体(LAOx−NH(2h)−BSA)は、BSAが親水性であるために、図5に示したように、PBS(phosphate buffered saline)中で均一に分散された。またこの分散液を用い、光散乱法で測定したナノホーン集合体の粒子径は、裸のナノホーン集合体の粒子径(80〜100nm)より、やや大きいものであった。これは、ナノホーン集合体にBSAあるいはその多量体が付着した分だけ粒子径が大きくなるものの、BSAが付着したナノホーン集合体同士はほとんど会合せずに分散していることを反映している。
また、PBS中によく分散させたLAOx−NH(2h)−BSAの細胞親和性を、ヒト肺癌細胞H460を用いて調べたところ、LAOx−NH(2h)−BSAがH460細胞内に取り込まれることが分かった。図6の(a)はLAOx−NH(2h)−BSA、(b)はヒト肺癌細胞H460、(c)はLAOx−NH(2h)−BSAがH460細胞内に取り込まれている様子を示したものである。カーボンナノホーン集合体は、その集合体サイズが80〜100nm程度であるために癌組織に特異的蓄積される(受動的標的効果)と期待されるが、さらに、BSA等を付加して個々の癌細胞に取り込ませることで、ドラッグキャリアーとしての効果が増大すると期待できる。
以下、参考形態の例を付記する。
1.
酸化処理剤の存在下、酸化処理剤を活性化させる波長の光を含む光源からの光を照射しながら、グラファイト質カーボンナノ材料の壁面を開孔することを特徴とするグラファイト質カーボンナノ材料の開孔方法。
2.
酸化処理剤は、光源からの光を吸収したグラファイト質カーボンナノ材料に接触することにより活性化されることを特徴とする1.に記載のグラファイト質カーボンナノ材料の開孔方法。
3.
酸化処理剤を活性化させる光の波長が250〜500nmの範囲内であることを特徴とする1.または2.に記載のグラファイト質カーボンナノ材料の開孔方法。
4.
酸化処理剤は、過酸化水素、酸素ガス、一酸化炭素ガス、または二酸化炭素ガスであることを特徴とする1.から3.のいずれか1つに記載のグラファイト質カーボンナノ材料の開孔方法。
5.
酸化処理剤は、過酸化水素であることを特徴とする4.に記載のグラファイト質カーボンナノ材料の開孔方法。
6.
グラファイト質カーボンナノ材料は、カーボンナノチューブまたはカーボンナノホーンであることを特徴とする1.から5.のいずれか1つに記載のグラファイト質カーボンナノ材料の開孔方法。
7.
過酸化水素の存在下、過酸化水素を活性化させる波長の光を含む光源からの光を照射しながら、グラファイト質カーボンナノ材料の壁面を開孔すると共に、開孔縁に酸素含有基を導入することを特徴とするグラファイト質カーボンナノ材料の開孔への酸素含有基導入方法。
8.
過酸化水素は、光源からの光を吸収したグラファイト質カーボンナノ材料に接触することにより活性化されることを特徴とする7.に記載のグラファイト質カーボンナノ材料の開孔への酸素含有基導入方法。
9.
過酸化水素を活性化させる光の波長が250〜500nmの範囲内であることを特徴とする7.または8.に記載のグラファイト質カーボンナノ材料の開孔への酸素含有基導入方法。
10.
酸素含有基は、少なくともカルボキシル基を含むことを特徴とする7.から9.のいずれか1つに記載のグラファイト質カーボンナノ材料の開孔への酸素含有基導入方法。
11.
グラファイト質カーボンナノ材料は、カーボンナノチューブまたはカーボンナノホーンであることを特徴とする7.から10.のいずれか1つに記載のグラファイト質カーボンナノ材料の開孔への酸素含有基導入方法。

Claims (11)

  1. 酸化処理剤の存在下、六員環配列構造を主構造とするグラファイトシートを含むカーボンナノ材料の光吸収領域にある波長の光を照射しながら、前記カーボンナノ材料の壁面を開孔する工程、を含むことを特徴とするカーボンナノ材料の壁面開孔方法。
  2. 前記酸化処理剤は、前記波長の光を吸収した前記カーボンナノ材料に接触することにより活性化されることを特徴とする請求項1に記載のカーボンナノ材料の壁面開孔方法。
  3. 前記酸化処理剤を活性化させる光の波長が250〜500nmの範囲内であることを特徴とする請求項1または2に記載のカーボンナノ材料の壁面開孔方法。
  4. 前記酸化処理剤は、過酸化水素、酸素ガス、一酸化炭素ガス、または二酸化炭素ガスであることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のカーボンナノ材料の壁面開孔方法。
  5. 前記酸化処理剤は、過酸化水素であることを特徴とする請求項4に記載のカーボンナノ材料の壁面開孔方法。
  6. 前記カーボンナノ材料は、カーボンナノチューブまたはカーボンナノホーンであることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のカーボンナノ材料の壁面開孔方法。
  7. 過酸化水素の存在下、六員環配列構造を主構造とするグラファイトシートを含むカーボンナノ材料の光吸収領域にある波長の光を照射しながら、前記カーボンナノ材料の壁面を開孔する工程を行うと共に、開孔縁に酸素含有基を導入する工程を行うことを特徴とするカーボンナノ材料の開孔への酸素含有基導入方法。
  8. 過酸化水素は、前記波長の光を吸収した前記カーボンナノ材料に接触することにより活性化されることを特徴とする請求項7に記載のカーボンナノ材料の開孔への酸素含有基導入方法。
  9. 過酸化水素を活性化させる光の波長が250〜500nmの範囲内であることを特徴とする請求項7または8に記載のカーボンナノ材料の開孔への酸素含有基導入方法。
  10. 前記酸素含有基は、少なくともカルボキシル基を含むことを特徴とする請求項7から9のいずれか一項に記載のカーボンナノ材料の開孔への酸素含有基導入方法。
  11. 前記カーボンナノ材料は、カーボンナノチューブまたはカーボンナノホーンであることを特徴とする請求項7から10のいずれか一項に記載のカーボンナノ材料の開孔への酸素含有基導入方法。
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