JP5514481B2 - 逆流防止構造 - Google Patents

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本発明は、逆流防止構造に関するものである。
近年、地球の温暖化やヒートアイランド現象などにより、特に都市部において下水管の排水能力の限界近くまで水位が上昇するような局地的な集中豪雨が多発している。
このような集中豪雨でも、通常の建物では、マンホールからあふれる程度まで水位が上昇しない限り浸水は生じない。
しかし、都市部には容積を確保するために1階部分がマンホールより下に位置する半地下部分を有する建物がある。そして、この半地下部分にトイレや風呂などの排水口があると、浸水を起こすほどの豪雨でなくても半地下部分から下水が逆流することがあった。
この問題を解決するために、例えば、特許文献1では、流入する排水によって公共マス本体内に向かって開口する弁体と、流入側接続口に差込み接続する取り付け部と、を設けた逆流防止装置が開示されている。
この構成によれば、逆流する下水は流入側接続口に浸入することはないため、下水が排水設備まで逆流して噴出すことがなくなる。
特開2006−283547号公報
しかしながら、前記した特許文献1の逆流防止装置は、弁体が破損した場合に交換や修理に手間がかかるという問題があった。加えて、弁体と汚水が接触するため弁体が汚れてしまって止水性能が低下しやすいという問題があった。
そこで、本発明は、メンテナンス性が良好で止水性能の低下しにくい逆流防止構造を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明の逆流防止構造は、排水が流入する流入口と、排水が流出する流出口と、前記流入口から前記流出口への流路を有するインバート部と、を備えており、前記流入口への下水の逆流を防止する逆流防止構造であって、前記インバート部には移動可能に球状体が載置されており、前記球状体は、通常時には前記流入口から流入する排水に押されて前記流路の横に移動するとともに、逆流時には前記流出口から逆流する下水に押されて前記流入口に当接して塞ぐことを特徴とする。
また、前記流路の上方には前記球状体を前記流路の横へ誘導するガイド部材が設けられるとともに、前記流路の横には前記球状体を退避させる退避領域が設けられる構成とすることができる。
さらに、前記インバート部の前記退避領域には、前記球状体が前記流路から退避する際に登る傾斜面と、前記球状体が退避した状態で保持される保持面と、が形成される構成とすることができる。
さらに、前記流入口の管底高さと前記流出口の管底高さは、略同一又は排水勾配に相当する差を有して形成されている構成とすることができる。
そして、前記球状体の比重は、1.0以上1.05以下に形成される構成とすることができる。
また、前記流入口の管軸と前記流出口の管軸は水平方向にずれている構成とすることができる。
そして、前記インバート部の前記流路の底面からの高さは、前記球状体の直径よりも大きく形成される構成とすることができる。
また、前記流入口の管軸と前記流出口の管軸は水平方向にずれており、前記流出口にはS字管が接続されて流入側と流出側の管軸を一致させる構成とすることができる。
このように、本発明の逆流防止構造は、流入口と流出口とインバート部とを備えており、インバート部には移動可能に球状体が載置されており、球状体は、通常時には流入口から流入する排水に押されて流路の横に移動するとともに、逆流時には流出口から逆流する下水に押されて流入口に当接して塞ぐことを特徴とする。
したがって、通常時には球状体は流路の横に移動することで排水の流れを堰き止めることはなく、逆流時には球状体は流入口に当接して塞ぐことで逆流を防止できる。
さらに、球状体はインバート部に載置されているだけであるため上方から容易に取り出すことができるうえに、球状体は排水に押されて横に移動するため汚れによって止水性能が低下することもない。
また、流路の上方には球状体を流路の横へ誘導するガイド部材が設けられるとともに、流路の横には球状体を退避させる退避領域が設けられることで、ガイド部材によって球状体を流路の横に確実に誘導して、流路から退避させることができる。
さらに、インバート部の退避領域には、球状体が流路から退避する際に登る傾斜面と、球状体が退避した状態で保持される保持面と、が形成されることで、退避した球状体が流路に戻ることを防止できる。
さらに、流入口の管底高さと流出口の管底高さは、略同一又は排水勾配に相当する差を有して形成されていることで、埋設深さが浅い場合にも逆流防止構造を設置することができる。
そして、球状体の比重は、1.0以上1.05以下に形成されることで、通常時に流路の横に移動しやすいとともに、逆流時に流入口に当接しやすい球状体となる。
また、流入口の管軸と流出口の管軸は水平方向にずれていることで、通常時の排水の流路と逆流時の下水の流路が相違するため、この流路の相違を利用して少ない水流でも球状体を移動させることができる。
そして、インバート部の流路の底面からの高さは、球状体の直径よりも大きく形成されることで、逆流時に逆流防止構造内の下水の流速をより高い水位まで保持できるため、球状体が下水に押されて流入口に当接しやすくなる。
また、流入口の管軸と流出口の管軸は水平方向にずれており、流出口にはS字管が接続されて流入側と流出側の管軸を一致させることで、逆流防止構造を既存の配管の途中に設置しやすくなるうえに、逆流時の下水の流れを球状体に向けることができる。
本発明の逆流防止構造の構成を説明する斜視図である。 本発明の逆流防止構造を有する排水システムの全体構成を説明する説明図である。 逆流防止構造の構成を説明する平面図である。 逆流防止構造の構成を説明する図3のA−A断面図である。 逆流防止構造の構成を説明する図3のB−B断面図である。 逆流防止構造の構成を説明する図3のC−C断面図である。 通常時の球状体の移動を説明する説明図である。(a)は移動前であり、(b)は移動後である。 逆流時の球状体の移動を説明する説明図である。(a)は移動前であり、(b)は移動後である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
まず、図2を用いて本発明の逆流防止構造1(逆流防止マス)を備える排水システムSの全体構成を説明する。
本実施の形態の排水システムSは、図2に示すように、建物6の半地下部分61にトイレ62と風呂63とを備えるとともに、このトイレ62や風呂63には宅地内マス51,52が接続されて、排水管531,532,533,534によって公共マス55を経て下水本管54に接続されている。
そして、本実施例の排水システムSでは、宅地内マス51,52と公共施設である下水本管54との間に、逆流防止構造1が配置されている。すなわち、宅地内マス51の下流側の排水管532に逆流防止構造1の流入口11が接続されるとともに、公共マス55の上流側の排水管533に逆流防止構造1の流出口12が接続されている(図1参照)。
この逆流防止構造1(逆流防止マス)は、塩化ビニルなどの合成樹脂によって形成されるもので、図1,3に示すように、円筒容器状の本体筒10と、この本体筒10の上端の開口部を塞ぐ点検蓋13と、通常時に排水が流入する流入口11と、通常時に排水が流出する流出口12と、を備えている。なお、この図1では、説明の便宜のために、本体筒10の一部を破断して説明している。
この流入口11は、上流側の宅地内マス51に接続されており、通常時にはこの流入口11を介して宅地内マス51から流下した排水が逆流防止構造1内に流入するとともに、逆流時にはこの流入口11を介して下水本管54から逆流した下水が逆流防止構造1内から流出する。
また、流出口12は、公共マス55を介して下流側の下水本管54に接続されており、通常時にはこの流出口12を介して宅地内マス51から流下した排水が逆流防止構造1内から流出するとともに、逆流時にはこの流出口12を介して下水本管54から逆流した下水が逆流防止構造1内に流入する。
さらに、この流出口12の管底の高さは、図4に示すように、流入口11の管底の高さと略同一となるように形成されている。なお、この流入口11と流出口12との高低差は略同一でなくてもよく、排水の滞留を防止するために所定の排水勾配に相当する程度の差を有して形成することもできる。
加えて、この流入口11の管軸D1と流出口12の管軸D2とは、図3に示すように、逆流時の下水の流れが球状体20に当たりやすいように水平方向に互いにずれて形成されている。
つまり、流入口11は通常時に排水を流す流路14に向くように偏心して配置されているとともに、流出口12は逆流時に下水を流す退避領域40に向くように配置されている。
さらに、流入口11の管軸D1から平行にシフトしている流出口12の管軸D2のずれを戻して管軸を一致させるために、流出口12にはS字管82が接続されている。
すなわち、流入口11の管軸D1と流出口12の管軸D2のシフト量分だけS字管82が屈曲して形成されているため、流入口11に接続された直管81の管軸と流出口12に接続されたS字管82の下流側の管軸とは一致するようになっている。
そして、本実施の形態の逆流防止構造1は、図3,4,5,6に示すように、円筒容器状の本体筒10の下部に、大雨時などに下水本管54から逆流してきた下水を封止する逆流防止構造Cを備えている。
この逆流防止構造Cは、インバート部15の底面に沿って移動可能に載置される球状体20と、流路14と退避領域40とを有するインバート部15と、球状体20を流路14から退避領域40へ誘導するガイド部材30と、よって主に構成されている。
この球状体20は、合成樹脂、ステンレス又はアルミなどによって、流入口11の内径よりも大きい外径を有する球状に形成されるもので、ガイド部材30よりも流入口11側の領域に移動可能かつ取り出し可能に配置されている。
なお、この球状体20の外径は、流入口11に対する密着性や移動性を考慮すると、流入口11に接続された直管81の内径の1.05倍〜1.3倍程度に形成されることが好ましい。
また、球状体20は、浮力と重力とのバランスを考慮して、比重が1.00以上1.05以下の範囲に調整されている。すなわち、通常時には排水の流れ抵抗を受けて移動しやすく、かつ、逆流時には下水の流れ抵抗を受けて移動しやすいうえに、浮力を受けても完全には浮き上がらないような範囲に調整されている。
したがって、この球状体20は、通常時には、排水の流れ抵抗を受けて流路14の横に設けた退避領域40に移動する。他方、この球状体20は、大雨時などの逆流時には、浮力と下水の逆流の流れ抵抗を受けて退避領域40から流路14へ移動し、さらに流入口11に隙間なく密着して流れを封止する。
また、インバート部15は、塩化ビニルなどの合成樹脂によって本体筒10と一体に形成されるもので、全体として変形した容器状に形成されて本体筒10の下部に配置されている。
そして、本実施例のインバート部15には、流入口11から流出口12へ通常時の排水が流れる経路となる流路14と、通常時に球状体20が移動して退避する退避領域40と、が設けられている。
この流路14は、図3,4に示すように、通常時に排水が流れる経路であり、水平方向には流入口11と流出口12を結ぶ経路を流出口12側で屈曲するように形成されるとともに、鉛直方向には略水平又は流入口11から流出口12へ所定の排水勾配を有して形成される。
また、退避領域40は、通常時に球状体20を退避させて排水の流れを妨げず、逆流時に逆流した下水が流れる領域であり、流路14から離れる方向に円弧状に膨らむように形成される。
すなわち、流入口11側から流出口12側へ流路14からインバート部15の直立面までの距離が大きくなるように、外側に向かって大きく膨らむように形成されている。なお、この退避領域40は、鉛直方向には略水平又は流入口11から流出口12へ所定の排水勾配を有して形成される。
ここで、上記した流路14と退避領域40とは、別の機能を有するため便宜上分けて説明したが、実際にはこれらは一体的かつ連続的に設けられるものである。
そして、本実施例の退避領域40の中央付近には、図3,5,6に示すように、球状体20の移動と位置を調整する保持片70が、ガイド部材30の設置方向に沿うように設置されている。
この保持片70は、球状体20が流路14から退避する際に登る傾斜面71と、球状体20が退避した状態で保持される保持面72と、を備えている。
また、保持面72は、球状体20が退避した状態で流路14を流れる排水が当たらないように流路14から離れた位置に設けられている。なお、この保持面72は水平面であってもよいし、本体筒10の外側に向いて下り勾配のついた傾斜面であってもよい。
そして、本実施のインバート部15の底面からの高さは、逆流時に下水が貯留されやすいうえに球状体20に浮力が作用するように、球状体20の直径よりも大きく形成されている。
さらに、ガイド部材30は、樹脂などによって円柱状に形成されるもので、図1,3に示すように、流入口11の上部と流出口12の上部とに架け渡すように、インバート部15の上部に接着剤などによって取り付けられている。
そして、ガイド部材30は、通常時に排水の流れを受けて移動する球状体20が退避領域40側へ斜めに流路14を横切って移動するように、流路14方向から略45度の角度をもって傾斜して設置されている。
加えて、このガイド部材30は、移動する球状体20に略同じ高さで接するように、流入口11側と流出口12側の取り付け位置が略同一高さにされることで略水平に設置されている。
次に、本実施の形態の逆流防止構造1の作用について説明する。
まず、通常時について説明すると、図7(a)(b)に示すように、球状体20は排水の流れを受けて、退避領域40の保持片70の傾斜面71を登り、保持面72の上に載置されて停止する。
すなわち、排水の流れを受けた球状体20は、流入口11側から流出口12側へと移動しようとするが、球状体20の上部にはガイド部材30が接するため、ガイド部材30に沿って流出口12側へ斜めに移動する。
そして、球状体20は、傾斜面71を登って保持面72に載置されると、この位置でほぼ静止した状態となり、反対側から下水などの流れを受けないかぎり静止した状態を保持する。
この場合、球状体20は、保持面72上に載置された状態では、流路14から離れているために排水の流れを妨げることはないうえ、排水の流れによって流路14に戻ることもない。
そうすると、流入口11から流入した排水は、球状体20によって流れを妨げられることなく流路14を通って流出口12から流出して、下水本管54まで自然流下する。
次に、逆流時について説明すると、図8(a)(b)に示すように、球状体20は逆流する下水の流れと浮力とを受けて退避領域40の保持面72から傾斜面71を下り、流路14を経由して流入口11に近い位置まで移動する。
このように球状体20が流入口11に近づくと、流入口11の開口面の一部を塞ぐようになることで、流入口11を通じて逆流できなかった下水はインバート部15に貯留される。
下水が貯留されれば、浮力が大きくなるとともに流入口11に逆流する下水の流速も増すため、球状体20は流入口11に吸い寄せられるようにして流入口11に密着して逆流する下水を封止する。
そして、いったん球状体20が流入口11を封止するようになると、本体筒10内にさらに下水が貯留されても、球状体20を流入口11に押し付ける力が大きくなるだけであるため、球状体20が流入口11から脱落することはない。
次に、本実施例の逆流防止構造1の効果を以下に列挙して説明する。
(1)このように、本発明の逆流防止構造1は、流入口11と流出口12とインバート部15とを備え、インバート部15には移動可能に球状体20が載置されており、球状体20は、通常時には流入口11から流入する排水に押されて流路14の横に移動するとともに、逆流時には流出口12から逆流する下水に押されて流入口11に当接して塞ぐことを特徴とする。
したがって、通常時には球状体20は流路14の横に移動することで排水の流れを堰き止めることはなく、逆流時には球状体20は流入口11に当接して塞ぐことで逆流を防止できる。
すなわち、従来は、地表56よりも低い半地下部分61を備える建物6では、大雨時に下水本管54の容量を超えた下水が逆流して、半地下部分61に下水が溢れたり、下水と共にエアーが逆流したりすることがあった。
つまり、大雨時に、排水を下水本管54に流しきれなくなると、公共マス55などから地表56に溢れ出ることになるが、地表56よりも水頭が低い半地下部分61があると、まずこの半地下部分61に溢れるように逆流することになる。
そこで、下水本管54と宅地内マス51との間に逆流防止構造Cを備える逆流防止構造1が配置されていれば下水の逆流を防止できる。
さらに、この球状体20はインバート部15に載置されているだけであるから上方から容易に取り出すことができるうえに、球状体20は排水に押されて横に移動するため汚れによって止水性能が低下することもない。
つまり、地上にいる作業者は、点検蓋13を開けて上方から網などによって球状体20を取り出せば、容易に球状体20を清掃できるうえにインバート部15は障害物のない平坦な状態となっているため清掃がしやすくなる。
加えて、球状体20は、通常時には排水の流れからみて水平方向で横方向にずれて位置するため、排水の流れを妨げないうえに、排水によって球状体20自体が汚れることもない。そうすると、逆流時には、球状体20の流入口11に対する密着性が向上するようになる。
(2)また、流路14の上方には球状体20を流路14の横へ誘導するガイド部材30が設けられるとともに、流路14の横には球状体20を退避させる退避領域40が設けられることで、ガイド部材30によって球状体20を流路14の横に確実に誘導して、流路14から退避させることができる。
すなわち、ガイド部材30によって通常時に排水の流れる方向と球状体20が移動する方向とを分離することで、球状体20を排水の流れを妨げないような位置まで退避させることができる。
この場合、球状体20は、鉛直方向にはほとんど移動せずに、主として水平方向に移動するため、位置エネルギーに相当する分のエネルギーを要することなく容易に退避領域40まで移動できる。
(3)さらに、流入口11の管底高さと流出口12の管底高さは、略同一又は排水勾配に相当する差を有して形成されていることで、埋設深さが浅い場合にも逆流防止構造1を設置することができる。
つまり、半地下部分61を有する建物6の場合には、トイレ62や風呂63などの排水設備の設置高さも低くなるため、下水本管54との落差が小さくなることが多く、流入口11と流出口12の落差をとるように構成することが困難となる。
そこで、本実施例のように逆流防止構造1の流入口11と流出口12の管底高さが略同一又は排水勾配程度に形成されていれば、下水本管54までの落差が小さくても逆流防止構造1を設置できる。
(4)そして、球状体20の比重は、1.0以上1.05以下に形成されることで、通常時に流路14の横に移動しやすいとともに、逆流時に流入口11に当接しやすい球状体20となる。
すなわち、通常時には、排水の流れを受けて退避領域40に移動しやすいようにある程度軽くなっているうえに、逆流時にも完全に浮き上がってしまうことなく流入口11に当接できる。
(5)また、流入口11の管軸D1と流出口12の管軸D2は水平方向にずれていることで、通常時の排水の流路と逆流時の下水の流路が相違するため、この流路の相違を利用して少ない水流でも球状体20を移動させることができる。
つまり、流入口11の管軸D1と流出口12の管軸D2が一致していれば、逆流時には退避領域40にある球状体20に下水が当たりにくくなるが、流出口12の管軸D2が退避領域40側にシフトしていれば、球状体20に下水が当たりやすくなって少ない流量でも球状体20を移動させやすくなる。
さらに、流路をシフトさせることで通常時の流路として溝を設ける必要がなくなり、インバート部15をほぼ平坦に形成することができるため、汚物等が蓄積されにくくなる。
(6)さらに、インバート部15の退避領域40には、通常時に球状体20が流路14から退避する際に登る傾斜面71と、球状体20が退避した状態で保持される保持面72と、が形成されることで、退避した球状体20が流路14に戻ることを防止できる。
一方、逆流時には流出口12側からの下水の流れを受けて球状体20が少し移動すると、傾斜面71を下るようにして球状体20が流入口11に容易に近づくことになる。
(7)そして、インバート部15の流路14の底面からの高さは、球状体20の直径よりも大きく形成されることで、逆流時に逆流防止構造1内の下水の流速をより高い水位まで保持できるため、球状体20が下水に押されて流入口11に当接しやすくなる。
つまり、逆流時にはインバート部15を下水が逆流して球状体20を移動させるが、インバート部15の貯留部の体積が大きいと下水の流速が遅くなってしまう。
そこで、インバート部15の直立壁の底面からの高さを高くし、インバート部15の貯留部の体積を小さくすることで、下水の流速が速くなるように形成されている。
(8)また、流入口11の管軸D1と流出口12の管軸D2は水平方向にずれており、流出口12にはS字管82が接続されて流入側と流出側の管軸を一致させることで、逆流防止構造1を既存の配管の途中に設置しやすくなるうえに、逆流時の下水の流れを球状体20に向けることができる。
以上、図面を参照して、本発明の実施例を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施例に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、ガイド部材30が円柱状に形成される場合について説明したが、これに限定されるものではなく、板状であってもよいし、球状体20を誘導できるものであればどのような構成であってもよい。
また、前記実施例では、流入口11の管軸D1と流出口12の管軸D2がずれている場合について説明したが、これに限定されるものではなく、管軸が偏心せずに一致しているものであってもよい。
さらに、前記実施例では、流出口12にS字管82が接続される場合について説明したが、これに限定されるものではなく、新設の場合などでS字管82が接続されないものであってもよい。
そして、前記実施例では、保持片70がインバート部15とは別部材として構成される場合について説明したが、これに限定されるものではなく、インバート部15と一体に形成されるものであってもよい。
S 排水システム
C 逆流防止構造
D1,D2 管軸
1 逆流防止構造(逆流防止マス)
11 流入口
12 流出口
14 流路
15 インバート部
20 球状体
30 ガイド部材
40 退避領域
70 保持片
71 傾斜面
72 保持面
81 直管
82 S字管

Claims (8)

  1. 排水が流入する流入口と、排水が流出する流出口と、前記流入口から前記流出口への流路を有するインバート部と、を備えており、前記流入口への下水の逆流を防止する逆流防止構造であって、
    前記インバート部には移動可能に球状体が載置されており、
    前記球状体は、通常時には前記流入口から流入する排水に押されて前記流路の横に移動するとともに、逆流時には前記流出口から逆流する下水に押されて前記流入口に当接して塞ぐことを特徴とする逆流防止構造。
  2. 前記流路の上方には前記球状体を前記流路の横へ誘導するガイド部材が設けられるとともに、前記流路の横には前記球状体を退避させる退避領域が設けられることを特徴とする請求項1に記載の逆流防止構造。
  3. 前記インバート部の前記退避領域には、前記球状体が前記流路から退避する際に登る傾斜面と、前記球状体が退避した状態で保持される保持面と、が形成されることを特徴とする請求項に記載の逆流防止構造。
  4. 前記流入口の管底高さと前記流出口の管底高さは、略同一又は排水勾配に相当する差を有して形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の逆流防止構造。
  5. 前記球状体の比重は、1.0以上1.05以下に形成されることを特徴とする請求項1請求項のいずれか一項に記載の逆流防止構造。
  6. 前記流入口の管軸と前記流出口の管軸は水平方向にずれていることを特徴とする請求項1請求項のいずれか一項に記載の逆流防止構造。
  7. 前記インバート部の前記流路の底面からの高さは、前記球状体の直径よりも大きく形成されることを特徴とする請求項1請求項6のいずれか一項に記載の逆流防止構造。
  8. 前記流入口の管軸と前記流出口の管軸は水平方向にずれており、前記流出口にはS字管が接続されて流入側と流出側の管軸を一致させることを特徴とする請求項1請求項7のいずれか一項に記載の逆流防止構造。
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