JP5514201B2 - 機能化カーボンナノ材料の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は機能化カーボン(ナノ)材料の製造方法に関する。
現在、カーボン(ナノ)材料の分野に大きな関心が集まっている。この関心は上記材料特有の特性プロファイルに端を発する。例えば、カーボンナノチューブは、極めて高い機械的特性(引張り強度および引張り弾性率)、高い熱伝導性、半導体性から金属性に及ぶ電気伝導性、生体材料への独特な結合特性を有する。カーボン(ナノ)材料、特にカーボンナノチューブ、は、現在、ナノ補強材料、ガスセンサ、熱エミッタ、ガスセンサ、ナノスケール電子デバイス、触媒、塗膜、などの用途での利用が研究されている。
カーボン(ナノ)材料、特にカーボンナノチューブおよびカーボンファイバー、の利用における最大の障害の1つは、多くの興味深い周囲材料との相溶性が本質的に乏しいことである。このような相互作用や相溶性の欠如は主にカーボン(ナノ)材料のグラファイト状の表面構造に起因する。
この障害を克服するため、機能化法を使用して、カーボン(ナノ)材料の表面に周囲との相互作用を改善する部位を生成する。本技術分野で開示された機能化法の大部分は鉱酸やカルベンやナイトレンのような強力な液相試薬を用いた処理を伴い、その後、一連のさらなる誘導体化反応を行うことが多い。しかし、これらの方法には重大な欠点がある。具体的には、これらの方法は多段階の操作や冗長な精製操作を伴い、かつ、大量の化学廃棄物を発生させる。「乾式」アプローチは高反応性のフッ素ガスを用いた処理またはプラズマ処理を伴う。フッ素は使用が困難で危険である一方、プラズマ処理は比較的高価な装置を用いた不均一な方法により容積が制限される。
本技術分野で使用される液相法の一例は、重合反応時にカーボン(ナノ)材料の表面へのポリマーのグラフトを伴う。しかし、この方法はグラフトしていないポリマーを生成し、困難な精製工程(例えば、ポリマーでグラフトされた材料をモノマーおよびグラフトしていないポリマーを含有する溶液から分離する工程)を伴うため、無駄が多い。従来技術で開示される手順はコストおよび時間を浪費する処理を伴い、これらの材料の多くの潜在的用途への使用に適さないカーボン(ナノ)材料を提供する。
本発明が提供するカーボン(ナノ)材料の機能化法は、広範な表面官能基を得るために使用することができる。本発明が提供する機能化カーボン(ナノ)材料は、簡単に分離精製することができる。本方法は、大容量の材料に容易に適用でき、ナノチューブおよび他のカーボンナノ材料の合成によく使われる装置の種類と広く適合する。
したがって、本発明の第一の形態によれば、カーボン(ナノ)材料を不活性雰囲気で加熱して表面活性化カーボン(ナノ)材料を製造する工程と、前記表面活性化カーボン(ナノ)材料と反応可能な化学種を用いて前記表面活性化カーボン(ナノ)材料を処理する工程とを含む機能化カーボン(ナノ)材料の製造方法が提供される。
本発明では、カーボン(ナノ)材料の加熱はカーボン(ナノ)材料の表面でのフリーラジカルの形成によってカーボン(ナノ)材料の表面の活性化を引き起こす。
カーボン(ナノ)材料の活性化は不活性雰囲気(すなわち、酸素および水の存在しない雰囲気)または真空中で実施される。不活性雰囲気にはさらに反応種が何も存在しないことが必要である。
カーボン(ナノ)材料の活性化は500℃以上の温度、好ましくは800℃以上の温度で実施される。本発明のカーボン(ナノ)材料は、熱分解性官能基(例えばC−H結合、特に炭素酸化物のような酸素含有官能基)を、表面に有する。これらの熱分解性官能基はカーボン(ナノ)材料の表面に潜在的に存在するか、または、カーボンナノ材料に一般的に適用される多数の方法(例えば、酸酸化、熱酸化、プラズマ酸化など)により生じたものである。カーボン(ナノ)材料の予備酸化を利用する場合には、フリーラジカルへと分解する表面炭素酸化物の形成を可能とするようにカーボン(ナノ)材料の予備酸化の条件を選択できることを評価すべきであろう。かような表面炭素酸化物の例としてはケトン類が挙げられる。カーボン(ナノ)材料の活性化のためには、カーボン(ナノ)材料を熱分解性官能基が分解する温度まで加熱することにより、カーボン(ナノ)材料の表面にフリーラジカルを生成させる必要がある。このため、活性化の温度はカーボン(ナノ)材料の表面に存在する熱分解性官能基(すなわち、分解してフリーラジカルを形成する熱分解性官能基)の分解温度を超える必要がある。したがって、活性化温度の下限値はカーボン(ナノ)材料の組成によって決定され、後続のグラフト反応の成功度を評価するか、または、特定の分析方法(例えば、質量分析と連結させた昇温脱離法(TPD)を用いることによって、実験的に定めることができる。一般に、800℃以上の活性化温度であれば必要とされる活性化がされるのに十分であることが判明している。ただし、活性化温度を500℃未満とすべきではない。活性化温度は500℃を超えていてもよい(すなわち、600℃、700℃、800℃、900℃、1000℃、1100℃、1200℃などで実施することができる)。ただし、好ましい温度である800℃を超える温度を使用すると本発明の方法のコストが増大することを認識すべきであろう。
活性化温度はカーボン(ナノ)材料の黒鉛化温度に比べて、より高い温度であっても、同じ温度であっても、より低い温度であってもよい。黒鉛化温度はカーボン(ナノ)材料に依存するだろう。ただし、黒鉛化は1200℃付近の温度で開始されうる(1600〜2800℃の範囲の温度がより一般的であるが)。黒鉛化は炭素格子の再組織化を通してカーボン(ナノ)材料の表面欠陥を修復する傾向があり、ナノ材料の品質と固有特性とを向上させるとしばしば考えられている。したがって、本発明の一形態では、活性化と黒鉛化とが同時に起こるように、カーボン(ナノ)材料の黒鉛化温度と同一温度またはより高い温度で活性化が引き起こされる。黒鉛化はカーボン(ナノ)材料の表面の機能化に利用できる部位の数を減少させうることを認識するべきであろう。したがって、本発明の別の形態では、反応性部位の数を最大化するためにカーボン(ナノ)材料の黒鉛化温度未満の温度で活性化を実施する。
表面官能基の熱分解による除去はカーボン表面での表面フリーラジカルの生成をもたらす。この熱活性化は酸素および水の存在しない不活性雰囲気下または超高真空(例えば、10−2〜10−4mbarの真空)下、800℃以上の温度で起こる。続いて、ビニル(例えば(メタ)アクリレート)モノマー、または、表面フリーラジカルと反応可能な他の試薬を熱活性化されたカーボン材料と室温付近の温度で接触させ、機能化、または、カーボン表面から離れたポリマーのグラフトを引き起こす。不活性雰囲気はモノマーとの反応の完了後まで維持する必要がある。
本発明において、化学種は、フリーラジカル重合に利用しうるモノマー(例えば(メタ)アクリレートモノマーもしくはビニルモノマー)、ポリマー、蛍光色素、カップリング剤、界面活性剤、フリーラジカルの標識/トラップ(例えば窒素酸化物、有機ハロゲン化合物(特に1−ヨードドデカンのような有機ヨウ化物))、またはフリーラジカル開始剤(例えばアゾ化合物、過硫酸塩、有機過酸化物)から選択される。ビニルモノマーは好ましくはエチレン、プロピレン、メチルメタクリレート、スチレン、(3,5,5−トリメチル−2−シクロヘキセンイリデン)マロノニトリル、1,1−ジクロロエチレン、1−(3−スルホプロピル)−2−ビニルピリジニウムヒドロキシド、1−ビニル−2−ピロリジノン、ビニルナフタレン 2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−1,3−ジオキソラン、ビニルナフタレン、ビニルピリジン、4−ビニル−1−シクロヘキサン1,2−エポキシド、4−ビニル−1−シクロヘキサン、ビニルアントラセン、ビニルカルバゾール、ジビニルスルホン、エチルビニルスルフィド、N−エチル−2−ビニルカルバゾール、N−メチル−N−ビニルアセトアミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルフタルイミド、トリクロロビニルシラン、臭化ビニル、塩化ビニル、ビニルシクロヘキサン、ビニルシクロペンタン、ビニルホスホン酸、ビニルスルホン酸、ビニルトリメチルシラン、シス−1,3−ジクロロプロペン、酢酸ビニル、アクリル酸、アクリロニトリル、(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、2−(メチルチオ)エチルメタクリレート、トリメチルシリルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、アクリルアミド、オレイン酸、グリシジルメタクリレート(GMA)、および無水マレイン酸から選択される1以上である。その結果得られる機能化カーボン(ナノ)材料を、カーボン(ナノ)材料の向上した分散性および/またはカーボン(ナノ)材料との向上した相互作用が必要とされる多数の用途に容易に使用することができる。
化学種を用いた表面活性化カーボン(ナノ)材料の処理は好ましくは室温または室温よりもやや高い温度、例えば10〜40℃、15〜35℃、25〜30℃、で実施される。この温度範囲は指針のために与えられたものであることを認識すべきであろう。(液体または気体形態でありうる)化学種が相転移を起こして固体またはガラス状にならないならば、化学種を用いた表面活性化カーボン(ナノ)材料の処理を室温未満の温度で実施してもよい。逆に、化学種を用いた表面活性化カーボン(ナノ)材料の処理の上限は、化学種の分解および/または化学種自身との反応が生じる温度である。例えば、この上限はビニルモノマーについては60〜70℃の範囲である。室温付近の温度(例えば±5℃)の使用は本方法のコストを最小化するであろうことを認識すべきであろう。場合によっては、本方法の制御を改善する目的で室温よりわずかに(1〜10℃)高い温度を選択してもよい。
残留モノマーからの精製はモノマーの真空アシスト蒸着、または従来型の濾過および洗浄によって達成できる。その代わりにまたはそれに加えて、ポリマーの自己反応温度未満の温度で加熱する(すなわち、モノマーの重合を回避する)ことにより残留モノマーの蒸発を促進することができる。化学種は好ましくは気体種または揮発性種である。かような気体種または揮発性種であれば機能化材料の容易な精製が可能となる。揮発性の反応性種を使用するとさらなるプロセス面での利点がもたらされる。揮発性液体試薬の容器は非揮発性ラジカル捕捉剤によって安定化されうる。揮発性試薬を蒸気として取り除くため、蒸留すると捕捉剤が残る。活性化炭素質材料を通過した後に、未使用の試薬は再び安定化される容器内へ再濃縮されうる。
ナノコンポジットに使用されるカーボンナノチューブおよびカーボンファイバーの場合、カーボンナノチューブおよびカーボンファイバーの各々とホスト材料との間の界面接着を向上させる目的で、ホストマトリックスに対する既知の親和性を有するモノマー、または反応性相溶化モノマーを重合するという選択を利用してもよい。このような接着の向上により、機能化炭素質(ナノ)材料を含有する複合材料の機械的、電気的、および熱的性能が向上する傾向がある。
本発明の第一の形態の具体例としては、カーボン(ナノ)材料のMMAによる機能化がある。かような機能化カーボン(ナノ)材料はPMMA、ポリカーボネート、またはPVDFにおける補強材として使用することができる。あるいは、カーボン(ナノ)材料、好ましくはカーボン(ナノ)チューブ、はHEMAまたはアクリルアミドを用いて機能化することができる。かような機能化カーボン(ナノ)材料はポリアミドやエポキシ系で使用するために提供されうる。
本発明の第一の形態の方法は、カーボンナノチューブ、カーボンファイバー、カーボンナノチューブ、およびカーボンブラックに特に適用することができる。機能化カーボン(ナノ)材料は分散性、ならびに、溶媒、ポリマー、および生体媒体との相溶性を改善している。特許請求の範囲に記載された方法は、従来型の開始剤、追加の溶媒、時間のかかる精製または分離工程を必要とすることなく、多様な反応性部位(例えばビニルモノマー)をカーボン(ナノ)材料の表面にグラフトさせることにより、炭素質(ナノ)材料の機能化を可能にする。カーボンの表面特性は、任意のホスト材料(すなわちマトリックス)の、単体システム(すなわち炭素質(ナノ)材料の単独使用)、複合システム、生物学的用途、熱デバイスおよび電気デバイスなど(ただしこれらに限定されない)の用途との適合性要求を満たすように調整されうる。
本発明の第二の形態によれば、フリーラジカルがカーボン(ナノ)材料の表面に形成されるように不活性雰囲気で前記カーボン(ナノ)材料を加熱する工程を含む、表面活性化カーボン(ナノ)材料の製造方法が提供される。
本発明において、カーボン(ナノ)材料の活性化は500℃以上の温度、好ましくは800℃以上の温度で実施される。
開示される発明は単純で拡張可能であり、(カーボンナノチューブの成長に通常使用される)現存のCVD装置に完全に統合させることができ、反応条件が穏やかなために高感度試薬に対しても実施することができる。カーボン(ナノ)材料の機能化は周囲との接着および相互作用を最も改善させる必要のある表面に限定される。
本発明の第三の形態によれば、本発明の第一の形態の方法により製造される機能化カーボン(ナノ)材料が提供される。
本発明の第四の形態によれば、本発明の第三の形態に記載される機能化カーボン(ナノ)材料または本発明の第一の形態の方法により製造される機能化カーボン(ナノ)材料と、マトリックスと、を含む複合システムが提供される。本発明において、マトリックスは、本技術分野で複合システムを製造するために従来使用される任意の材料(無水マレイン酸でグラフトされたPVDFなど)であってよい。本発明の第四の形態において、機能化カーボン(ナノ)材料は複合システムの補強材として作用する。
本発明の各形態の好ましい特徴は全て、必要な変更を加えて他の全ての形態に適用される。
本発明は、様々な方法で実施することができ、多数の特定の実施形態が、添付の図面を参照して本発明を説明する実施例を用いて記述されるであろう。
図1は炉煙管の構成の概略図を示し、それぞれ(1)N注入口、(2)酸素洗浄器(Cu粉末、400℃)、(3)管状炉、(4)N排出口およびモノマー注入口である。 図2は3つの異なるナノチューブサンプル、すなわち、「未処理の(as received)」もの、熱処理されて室温の空気にさらされたもの、GMAでグラフトされたもの、の熱重量分析を示す。図Aは、「未処理の」カーボンナノチューブ、熱処理されて室温の空気にさらされたカーボンナノチューブ、GMAでグラフトされたカーボンナノチューブの完全な熱酸化プロファイルを示し、図Bは、GMAでグラフトされたカーボンナノチューブ上でのグラフトポリマーの分解を2つの対照と比較して詳細に示すものであり、実施例1で説明される。 図3は、(3A)「未処理の」カーボンナノチューブ、ならびに(3B)および(3C)GMAでグラフトされたカーボンナノチューブのナノコンポジット引張サンプルに基づく、ナノチューブ−PVdF複合材料の引張破壊表面のSEM顕微鏡写真を示す。図3Bは、GMAでグラフトされたカーボンナノチューブナノコンポジットにのみミクロフィブリルが存在することも示す。図3Cは、ミクロフィブリル内部にGMAでグラフトされたナノチューブが存在することを示す。 図4は、熱化学活性化(操作A)、30℃(操作B)、60℃(操作C)におけるグラフト量を含む、MMAでグラフトされたカーボンナノチューブの熱重量分析を示す。 図5は、それぞれ、HPMA、AAm、およびオレイン酸でグラフトされたカーボンナノチューブの熱重量分析を示す。 図6は、機能性有機モノマーでナノチューブを熱化学的にグラフトするための実験装置を示し、実施例3に記載するように、不活性雰囲気または真空下で行う。 図7は、ラウリルメタクリレート(LMA)でグラフトされたCNTの特性評価を示し、LMAでグラフトされたCNTおよび対応する対照サンプルのTGA重量損失プロファイル(a);母体CNT(b)およびLMAでグラフトされたCNT(d)、酢酸ブチル中への母体CNT()およびLMAでグラフトされたCNT(e)の分散状態のHRTEM画像である。 図8は、それぞれ、(a)真空中で熱処理されたアルケマ社(Arkema)CNTおよび1時間空気にさらされた後に熱処理されたアルケマ社CNTのEPRスペクトル(6Kで測定);(b)熱活性化された市販CNTと未処理のアルケマ社CNTとを真空下で混合した後の純粋なガルビノキシル(GO)のトルエン溶液のUV−Visスペクトルを示す。 図9は、CNTの熱化学活性化およびグラフトの提案メカニズムを示す。 図10は、熱化学グラフトアプローチの汎用性を示す。(a)TGA重量損失プロファイル、および(b)多様な有機化合物(グラフト化合物の略語および構造を表2に示す)でグラフトされた市販CNTおよび内製CNTのグラフト比である。 図11は、両ケースとも、金ナノ粒子の分散物にさらし、完全に洗浄した後の、(a)MTEMAおよび(b)LMAでグラフトされた内製CNTのSEM画像を示す。 図12は、LMAでグラフトされたCNTのTGA分析を示し、グラフトされた有機物の燃焼温度Tcomb、およびグラフト比△の決定法を示す。(a)50〜850℃の温度範囲での完全な重量損失プロファイル;(b)50〜650℃の温度範囲での(a)の拡大図;(c)(b)の重量損失プロファイルの導関数である。 図10におけるTGAプロファイルの導関数を図13に示す。 図14は真空中で熱処理されたアルケマ社(Arkema)CNTおよび1時間空気にさらされた後に熱処理されたアルケマ社CNTのEPRスペクトル(室温で測定)を示す。 図15は、多様な機能性有機化合物でグラフトされた市販CNTについての、IGC測定から得た電子受容体数および電子供与体数(KおよびK)ならびにラマンスペクトルから得たI/I比を示す。 図16は、多様な機能性化合物でグラフトされた市販CNTについての様々な溶媒中での分散状態を示す。
[実施例1]
(グリシジルメタクリレート(GMA)でグラフトされたカーボンナノチューブの作製)
使用直前に、塩基性活性化アルミナおよび中性活性化アルミナから構成される2層クロマトグラフィーカラムによる濾過を通して、市販GMAから阻害物質であるヒドロキノリンを除去した。次いで、精製されたモノマーをアルゴンでパージし、溶存酸素および水を除去した。
熱酸化された多層カーボンナノチューブを、Tran, M., Tridech, C., Alfrey, A., Bismarck, A., Shaffer, M., Thermal oxidative cutting of multiwall carbon nanotubes. Carbon 2007, 45, (12) 2341−2350において既述された切断操作により製造した。
熱酸化された多層カーボンナノチューブの熱化学的活性化およびグラフト反応を、精製された乾燥窒素雰囲気下、管状炉中で実施した(図1)。400℃に加熱した銅粉末の充填層に窒素を通過させ(図1(2))、管状炉に入る前にわずかな酸素および水をも除去した。全実験期間中にわたり、窒素フローを流速50ml/分に一定に保持した。熱酸化された多層カーボンナノチューブ(500g)を室温で管状炉の中央に置かれたアルミナボート中に入れ(図1(3))、1時間カーボンナノチューブに窒素を通した。次いで、管状炉を1.5時間かけて1000℃に加熱した。その後、システム全体を30℃に冷却させた後、窒素向流下で熱活性化カーボンナノチューブ上にGMA(5ml)を直接注入した(図1(4))。カーボンナノチューブ/GMA混合物を少なくとも5時間反応させた。GMAでグラフトされたナノチューブを少なくとも3回アセトンおよびテトラヒドロフランで洗浄し、残留モノマーを除去した。過剰な溶媒を真空除去した。
ビニルポリマーの熱安定性はカーボンナノチューブに比べて有意に低いため、熱重量分析(TGA)はグラフトされたポリマーの量の測定する簡便な手段を提供する。図2は空気中の「未処理の」カーボンナノチューブ、モノマーを添加せずに熱処理されたカーボンナノチューブ、およびGMAでグラフトされたナノチューブの、20℃〜900℃の温度範囲における熱重量プロファイルを示す。アクリルポリマーの分解温度範囲(200℃〜400℃)における1.5重量%の重量損失を、GMAでグラフトされたナノチューブにおいて観測することができる。これに対し、「未処理の」カーボンナノチューブは0.5重量%未満の変化を示し、熱処理されたカーボンナノチューブの重量は200℃〜400℃の温度において質量の微増を示した。質量の微増は、酸化物の脱離処理後にカーボンナノチューブの酸化が生じたためである可能性が高く、これにより室温の空気への暴露後に、塩基性の酸化物を生成することが知られている(Bismarck, A., Richter, D., Wuertz, C., Springer, J., Basic and acidic surface oxides on carbon fiber and their influence on the expected adhesion to polyamide, Colloids and Surfaces, A, Physicochemical and engineering aspects, 1999, 159, (2), 341を参照)。また、GMAでグラフトされたナノチューブは質量損失のピーク速度によって決定される分解温度(T)が705℃であった。この値は「未処理の」カーボンナノチューブ(T=670℃)およびモノマーを添加せずに熱処理されたカーボンナノチューブ(T=680℃)に対して有意に改善されたものである。この事実は、熱化学的グラフト処理により、(不完全な)カーボンナノチューブを構成するグラフェンシートの端に、より熱的に安定な末端がもたらされもすることを示唆する。
(ナノコンポジットの作製)
2.5重量%GMAでグラフトされたカーボンナノチューブを含有する、無水マレイン酸でグラフトされたPVDFをベースとするナノコンポジット(MAH−g−PVDF中のGMA−g−CNT)を製造した。無水マレイン酸でグラフトされたPVDFをジメチルホルムアミド(DMF)中に溶解させた。GMAでグラフトされたカーボンナノチューブのDMF懸濁液を音波処理により調製し、適量をMAH−g−PVDF溶液に添加して、MAH−g−PVDF中2.5重量%GMA−g−CNTを製造した。その後、DMF/水(80/20重量比)またはエタノールなどの非溶媒系を添加することにより、ナノコンポジット粒子の沈殿を誘導した。沈殿を濾過し、120℃で真空乾燥した。ナノコンポジット粉末をホットプレスして0.5mm厚膜とした。比較のため、PVDF中の「未処理の」カーボンナノチューブとPVDFホモポリマーとを含むナノコンポジット配合物も上述した操作により調製した。フィルムを引張試験片(ISO 527−2、5B型)に切断し、該ナノコンポジットの機械特性を試験速度1mm/分の引張試験により評価した。引張サンプルの破壊表面を電子顕微鏡法で観察し、ナノコンポジットの機械特性に対するGMAグラフトの効果を調べた。
(ナノコンポジットの機械特性)
全てのナノコンポジット配合物の引張特性を表1にまとめた。
MAH−g−PVDF中GMA−g−CNTの引張強度およびヤング率は、純粋なPVDに比べて、それぞれ38%および35%だけ増加した。このような向上は、GMAでグラフトされたカーボンナノチューブがポリマーマトリックスの補強に成功することを示している。さらに、GMAでグラフトされたカーボンナノチューブとマトリックスとの間の分散性や相互作用が向上するため(図3Aおよび3B)、GMA−g−CNT/MAH−g−PVDFナノコンポジットは「未処理の」カーボンナノチューブ/PVDFナノコンポジットに比べて、ヤング率が17%増加した。GMAのエポキシ基と(PVDFにグラフトした)無水マレイン酸との反応を通じた、PVDFマトリックスへのカーボンナノチューブの共有結合的組み込みが、機械特性の向上の要因である可能性が高い。GMA−g−CNT/MAH−g−PVDFナノコンポジットの破壊表面は、このナノコンポジット配合物のみの特徴であるミクロフィブリルの形成を示す(図3B)。ミクロフィブリルを綿密に観察すると、ミクロフィブリル内部にカーボンナノチューブらしきものを確認することができる(図3C)。この特徴は明確に、GMAでグラフトされたカーボンナノチューブとマトリックスとの間で接着性が有意に向上したことを示唆する。
[実施例2]
(メチルメタクリレートでグラフトされたカーボンナノチューブの作製)
熱酸化された多層カーボンナノチューブの熱活性化およびグラフト反応を、精製された乾燥窒素雰囲気下、管状炉中で実施した(図1)。400℃に加熱した銅粉末に窒素を通過させ(図1(2))、管状炉に入る前にわずかな酸素および水をも除去した。全実験期間中にわたり、窒素フローを流速50ml/分に一定に保持した。熱酸化された多層カーボンナノチューブ(500g)を室温で管状炉の中央に置かれたアルミナボート中に入れ(図1(3))、1時間カーボンナノチューブに窒素を通した。次いで、管状炉を1.5時間かけて1000℃に加熱した。その後、システム全体を30℃に冷却させた後、窒素向流下で熱活性化カーボンナノチューブ上に精製されたばかりのメチルメタクリレート(MMA)(5ml)を直接注入した(操作A)。MMAでグラフトされたナノチューブを少なくとも3回アセトンおよびテトラヒドロフランで洗浄し、残留モノマーを除去した。過剰な溶媒を真空除去した。
グラフト操作の効率を確認するため、他の2つの熱酸化されたカーボンナノチューブのサンプルを上述した操作で処理した。ただし、カーボンナノチューブ上に精製したばかりのMMAを注入する代わりに、カーボンナノチューブを室温で少なくとも2時間空気にさらした。その後、こうして得た酸化されたカーボンナノチューブに精製したばかりのMMA(5ml)を添加し、該混合物を30℃(操作B)または60℃(操作C)に保持した。全てのカーボンナノチューブ/MMA混合物を少なくとも5時間反応させた。修飾されたカーボンナノチューブを少なくとも3回アセトンおよびテトラヒドロフランで洗浄し、残留モノマーを除去した。過剰な溶媒を真空除去した。
グラフトされたポリマーの収率の測定にTGAを使用した。図4は、操作A、B、またはCを通して修飾されたカーボンナノチューブの20℃〜600℃の温度範囲での熱酸化プロファイルを示す。アクリルポリマーの分解温度範囲(200℃〜400℃)において2.3%の重量損失が操作Aを通してMMAでグラフトされたカーボンナノチューブにおいて観測することができる。これに対して、酸化操作B後に30℃でMMAにさらされた、熱処理されたカーボンナノチューブについては当該温度範囲においてわずかな重量損失が確認された(0.5重量%未満)。操作Bの条件下におけるカーボンナノチューブへの任意のグラフトが、CNT表面へのMMAの強力な吸収やMMAの熱開始重合または光開始重合によるものであると推定して差し支えない。ただし、操作Bの条件下で得られるグラフト度は操作Aに比べて0.5重量%小さい。このため、CNT表面へのMMAの吸収もMMAの熱開始重合または光開始重合もどちらも操作Aの条件下で得られるカーボンナノチューブのグラフトに有意に寄与しないと推定して差し支えない。
60℃でのMMAの熱開始重合(操作C)は、グラフト率の有意な低下をもたらす。わずか1.4重量%の重量損失しか観測することができない。この結果から、MMAのようなビニルモノマーはカーボンナノチューブ表面のフリーラジカルから効果的にグラフトされており、当該フリーラジカルが従来の熱重合経由ではなく操作Aにおける熱化学活性化を通じて生成されることが示唆される。
TGAサーモグラムは、熱化学活性化および開示されたカーボンナノチューブ表面からのビニルモノマーのグラフト法の効率を明確に示す。MMAの場合にはおそらくモノマーの反応性が比較的高いため、比較的高い割合のグラフトされたポリマーをサンプル内部に含有する。
[実施例3]
(ヒドロキシプロピルメタクリレート、アクリルアミド、オレイン酸でそれぞれグラフトされたCNTの作製)
熱酸化された多層カーボンナノチューブの熱活性化およびグラフト反応を、精製された乾燥窒素雰囲気下、管状炉中で実施した(図1)。400℃に加熱した銅粉末に窒素を通過させ(図1(2))、管状炉に入る前にわずかな酸素および水をも除去した。全実験期間中にわたり、窒素フローを流速50ml/分に一定に保持した。熱酸化された多層カーボンナノチューブ(500g)を室温で管状炉の中央に置かれたアルミナボート中に入れ(図1(3))、1時間カーボンナノチューブに窒素を通した。次いで、管状炉を1.5時間かけて1000℃に加熱した。その後、システム全体を30℃に冷却させた後、窒素向流下で熱活性化カーボンナノチューブ上に、精製されたばかりのヒドロキシプロピルメチルメタクリレート(HPMA)(5ml)、または蒸留水(5mL)に溶解させたアクリルアミド(AAm)(2.1g)、またはオレイン酸(5mL)を直接注入した(操作A)。グラフトされたナノチューブを少なくとも3回アセトンまたはクロロホルム(オレイン酸でグラフトされたCNT)で洗浄し、残留試薬を除去した。過剰な溶媒を真空除去した。
グラフトされたポリマーの収率の測定にTGAを使用した。図5は、修飾されたカーボンナノチューブの20℃〜600℃の温度範囲での熱酸化プロファイルを示す。アクリルポリマーの分解温度範囲(200℃〜400℃)での1.5%の重量損失を、HPMAおよびAAmでグラフトされた各ナノチューブにおいて観測することができるが、オレイン酸でグラフトされたカーボンナノチューブにおいては2.5%の重量損失を観測することができる。
[実施例4]
(CNTの作製)
標準的なCVD成長条件(Andrewsら, Chemical Physics Letters, 1999, 303, 467)を使用してCNTを合成し、比較的直線状で整列した大きなMWCNTのマット(外形:80〜100nm、長さ:数百μm)を生成した。市販のCVD成長CNTは、アルケマ社(Arkema SA;Lacq−Mourenx,フランス)とナノシル社(Nanocyl SA;Sambreville,ベルギー)とから入手され、外径がおよそ10〜20nm、長さが少なくとも数μmである絡み合ったCNTの集合体から構成されていた。熱化学処理の前に、絡み合ったCNT集合体を解体し、CNT表面に付加的な酸素含有官能基を導入する目的で、CNTを空気中で加熱(640℃、6×5分)することにより予備酸化した。これらの予備酸化されたCNTを「母体」CNTと称する。
直径30mmの石英管をサンプルフラスコに取り付けて構成した特注の装置でグラフトを実施した(図6)。空気のない条件下で作業するために、装置を不活性ガス源または真空システムに連結した。従来の3ゾーン管状炉(PTF 12/38/500,レントン社(Lenton Ltd),イギリス)中で、無酸素の窒素または真空(5・10−4mbar)下、15K/分で1000℃までCNT(100mg)を加熱し、その温度で2時間保持した。第2工程では、石英管を加熱ゾーンから徐々に除去し室温に冷却させた。重力によってCNTを丸底フラスコに移した。熱活性化サンプルを含むフラスコ(液相装置)またはサンプルフラスコに取り付けられた空容器(気相装置)のどちらかに3mLの反応物を直接注入した。サンプルモノマー混合物を不活性雰囲気または真空下で12時間放置した後、未反応の反応物を濾過により除去した。特性評価の前に、いかなる物理吸着反応物をも除去すべく、生成物を3回徹底的に洗浄した。各洗浄工程は50mLの洗浄剤(表2に多様な反応物を列挙)中での5分間の浴音波処理、濾過、および3×50mLのすすぎ洗いから構成された。洗浄工程は、後述する詳細な基礎的研究のために必要とされたことに留意すべきである。応用目的では、真空蒸発を通して過剰な反応物を簡単に除去および回収すれば、溶媒を全く使用しなくても、十分であろう。
熱重量分析(TGA)をパーキンエルマー社(Perkin−Elmer)のパイリス(Pyris)1 TGAを用いて実施した。(2±0.1)mgのCNT材料に対して、空気フロー(流速10mL/分)下、50〜850℃の温度範囲で一定の傾斜速度(10K/分)を適用して実験を行った。グラフト比△、すなわち、サンプルの全重量に対する、化学吸着した有機モノマーの重量、を、グラフトされたCNTのTGA重量損失プロファイルにおける第1の階段状の特徴の高さから決定した。CNTの表面被覆率ΘをCNTの表面積ACNTとグラフトされる反応分子の単層の表面積Agraftedとの比率から推算した。
式中、Nはアボガドロ数であり、mはCNTの重量であり、SBETはBET測定により測定されたCNTの比表面積である。
表面にグラフトされたモノマーのモル量ngraftedをグラフト比△から算出した。有機反応物の断面積areactを密度ρreactから推算し、その分子量Mreactを下記式を用いて推算した。
GEMINI LEO 1525 FEGSEMにより加速電圧5kVでSEM画像を得た。JEOL 2000FXを200kVで操作し、TEM画像を得た。サンプルをメタノール中に分散し、アルミナ製スタブまたは穴あきカーボンフィルム上にそれぞれ載せた。CNT粉末のラマンスペクトルを1000〜2200cm−1の範囲で、LabRam Infinityラマン分光計で、532nmのレーザーを用いて採集した。I/I比は1580cm−1付近(Gバンド)と1350cm−1付近(Dバンド)とのラマンバンド下側の表面積の比から決定された。I/I比が大きいと、グラファイト状結晶化が顕著であることを示し、欠陥濃度が小さいことを意味する。
分散実験のために、5mgのCNTを5mLの溶媒中で30分間音波処理した後、非分散CNTを沈殿させるために、10000rpmで15分間遠心分離した。浮遊物の吸光度を800nmにおいてLambda950分光計(パーキン社(Perkin)、イギリス)により測定し、35.10mg・mL−1・m−1の減光係数を用いたランベルト−ベールの法則を使用してCNT濃度を決定した。逆ガスクロマトグラフィー(IGC)により、ロンドン力に純粋に由来するCNT表面特性を反映した分散表面エネルギー(γ)の測定、ならびに、CNT表面が電子受容的相互作用や電子供与的相互作用を受ける能力を定量化した受容体数および供与体数(KおよびK)の算出が可能となる。ガスクロマトグラフ(サーフェス・メジャメント・システムズ社(Surface Measurement Systems Ltd.)、イギリス)中で、信頼性のある比較可能な結果が得られるように選択した一定条件のもとでIGC測定を実施した。各測定前にCNTサンプルを120℃で2時間IGCカラム中で前処理し、表面汚染物の除去を確実に行った。IGC試験は100℃のカラム温度、10mL/分の流速、1.125mLの注入容量で実施した。ヘリウムをキャリアガスとして、メタンを不活性対照として使用して全測定を実施した(両ガス共、イギリスのBOC社から購入)。吸着質蒸気を有機層から発生させた(HPLCグレード、シグマルドリッチ(Sigma−Aldrich)から購入)。n−ヘキサン、n−ヘプタン、およびn−オクタンを分散表面エネルギーの定量化に使用し、エタノール、ブタノン、酢酸エチル、および1,4−ジオキサンを受容体数および供与体数の決定に使用した。示されたIGCの結果は3つの測定の平均値である。
ボーム(Bohm)滴定のために、2.5mLの0.05M水酸化ナトリウム水溶液をポリプロピレン製バイアル中で50mgのCNTに添加した。CNT懸濁液を2時間音波処理し、さらに4日間旋回シェーカーで機械撹拌した。次いで、混合物をポリプロピレン製メンブレンフィルター(ポアサイズ:0.2mm)を通して濾過し、窒素下で0.01M塩酸水溶液に対して逆滴定し、あらゆるCOの吸収を制限した。
Xバンド(9GHz)の連続波電子常磁性共鳴法(cw−EPR)スペクトルを、高感度共鳴装置(SHQEW0401)を備えたブルカー(Bruker)製ESP300分光計を用いて記録した。温度を、ヘリウムクライオスタット(オックスフォード(Oxford) ESR 910)を用いて室温〜4Kに調節した。使用条件は次のとおりである;マイクロ波周波数:9.39GHz;マイクロ波出力:20mW;変調周波数:100kHz;変調振幅:0.2mT。
ラジカル消滅実験のために、4.8mgのガルビノキシルを100mLの乾燥トルエン中に溶解し、該溶液10mLを真空下、液相実験装置中で、10mgの熱活性化CNTと未処理の市販CNTとにそれぞれ添加し、放置して1時間反応させた。200μlの反応液を2mLの乾燥トルエンで希釈し、パーキンエルマー社(Perkin Elmer)の950US−Vis分光計で、350〜550nmのUS−Visスペクトルを記録した。2mLメタノール中でおよそ0.5mgのCNTを10分間音波処理した後、20nmの金コロイド(シグマアルドリッチから購入したものを使用)の水分散液1mLを添加し、さらに10分間音波処理することにより、グラフトされた内製CNTを金粒子で標識した。得られた分散液数滴をアルミニウム製スタブ上に載せた。空気中で一晩乾燥した後、CNT付着物を水で繰り返し洗い流し、過剰な金粒子を除去した。
市販CNTを高温活性化し、液相実験装置(図6)を使用して無酸素の窒素中でラウリルメタクリレート(LMA)により処理した後に、トルエンで洗浄した。空気中でのLMA処理サンプルの熱重量分析(TGA)からグラフトの成功を確認した(図7(a))。
600℃付近でCNTが燃焼する前に、微量であるけれど明白な重量損失が355℃付近で観察された(図7(a))、これは微分曲線中の明確なピークと対応しており、グラフトされた有機物の燃焼を示す。2つの対照実験を同一の処理条件下で実施した。対照実験1については、高温処理を行わず、母体CNTを不活性ガス下でLMAモノマーと混合した。対照実験2については、熱処理されたCNTを、1時間空気流にさらし、LMAと混合した。LMAでグラフトされたCNTに適用したものと同じ洗浄処理を生成物に施した。第1の対照は、導関数にもピークがなく、非常に小さくてブロードな重量損失を示した。該特徴は不均一なCNT表面上の少量の物理吸着に起因する可能性があり、スリット孔中のLMAモノマーまたはこれらのCNTに元々存在する鉄不純物のどちらかの吸着によるものある。第2の対照では、CNTのわずかな上昇プロファイルと熱安定性の増大が類似の材料において以前観察された塩基性表面酸化物の存在と一致する。したがって、矛盾なく異なる重量損失プロファイル(図7(a))から、高温活性化および空気の排除はLMAグラフトの成功にとって必須条件であることが確認される。TGA重量損失プロファイル(図7(a))から、LMAグラフト比(すなわち、生成物の全重量に対する化学吸着した有機モノマーの重量)を3.0重量%と推算することができ、これはおよそ20%のCNT表面被覆率にほぼ等しい(式(1))。
図12はLMAでグラフトされたCNTのTGA分析を示し、グラフトされた有機物の燃焼温度Tcomb、およびグラフト比△の決定法を示す。TGA重量損失プロファイルの1次導関数では、グラフトされた有機物およびCNTのそれぞれの燃焼に相当する2つのピークは通常完全に分離されるわけではなく、CNT燃焼の開始時にグラフトされたオリゴマーの酸化が完了していなかったことを示す。したがって、グラフト比△は対応するTGAの階段状の特徴の高さから直接的に決定することはできず、グラフトされた有機物の燃焼温度Tcombにおける重量損失の2倍量として推算した(図12(b))。TcombはTGA軌跡の1次導関数中の対応ピークのピーク最大値で決定した(図12(c))。
LMAグラフトは、既存の欠陥部位を保護することによって、CNTの耐燃焼性を有意に向上させる(図12(a)においてTGA軌跡全体の高温側へのシフトが見られる)ことに注目すべきである。
3回繰り返した後、LMAグラフト反応の再現性が△=2.8±0.8)重量%と推算された。IGCによるサンプルの特性評価から、グラフト後にCNT表面特性の明確な変化が明らかになった。LMAグラフト後、CNTの分散表面エネルギーγは(113±2)mJ/mから(87±2)mJ/mへと有意に減少しており、これはCNT表面の高エネルギー部位の有機モノマーによる占有または置換と一致する。これに加えて、K/K比が2.3±0.1から3.1±0.1へと増加し、このことから、CNT表面へのメタクリル単位の導入により、電子供与性表面特性がより顕著になったことが示される。分散表面特性および比表面特性におけるこれらの変化は分散挙動を顕著に変更するのに十分である。母体材料と比べて、酢酸ブチル中のLMAでグラフトされたCNTの分散性は3mg/Lから35mg/Lへと10倍増加したが(図7(c)および(e))、エタノール中では実質的に5倍減少した(図11(b))。
対照実験(図7(a))から、(対照実験1とは違って)反応部位は熱活性化工程中に生成されるが、空気にさらされると消滅する(対照実験2)ことが示された。不対電子を用いて化学種の検出を可能とするEPR分光法を用いて、これらの反応部位の性質をさらに調査した。真空中の熱処理された市販CNTのEPRスペクトルは室温では特徴のないものだったが(サポート情報)、6Kの測定温度において比較的狭い信号(約2.01のg因子)を示した。信号強度のこのような温度依存性はラジカルや常磁性イオンなどの伝導電子および局在スピン間の交換相互作用を示唆する。EPR信号はCNTが空気に暴露された場合に消滅する。これらの観察結果は、高温での表面酸化物の脱離に伴い、ラジカルがCNT表面に生じるという仮説を支持する。
さらなる消滅調査を実施し、ガルビノキシルという434nmで特有のUV−Vis吸収帯を有する空気中で安定なラジカルを用いてラジカル濃度を推算した。トルエン中のガルビノキシルの吸収強度は未処理のCNTと混合した場合にはほんのわずかしか変化しなかったが、熱活性化CNTに添加した場合には有意に減少し(図8(b))、これは溶液由来のガルビノキシルラジカルがCNT表面のラジカルに結合したためと推定される。1つのガルビノキシルラジカルが1つの表面ラジカルによって消滅すると仮定すると、CNT上の活性部位の濃度はCNT1gあたり31μmolと算出することができる。第2の独立した消滅実験では、熱活性化されたCNTを1−ヨードドデカンと反応させることにより、0.9重量%の有機物のグラフトを生じた(図10)。再度、化学量論的反応を仮定すると、当該グラフト比はラジカル濃度50μmol/gに相当する。2つの独立した消滅実験は、同程度の表面ラジカル濃度を示す。したがって、平均値40μmol/gをCNT表面上のグラフト部位の濃度の推算値として使用する。グラフト部位の濃度は、NaOHを用いたボーム滴定により約150μmol/gであると測定された母体CNT上の酸素含有基の表面濃度に比べて有意に小さい。このような差異から、特定の種類の表面酸化物または他の基のみがラジカルの前駆体であるが、大部分の官能基はヘテロシス方式で脱着するか、高温処置時に移動および再構築過程を経ることが示唆される。2.8重量%LMA、すなわち、CNT1gあたり110μmolのLMA、のグラフト比では、CNT表面に存在するグラフト部位に比べて約3倍のモノマー単位が存在し、メタアクリレートのラジカル重合がアルケマ社CNT表面でラジカルによって開始されたことを意味する(「grafting from」メカニズム)。重合過程の停止は反応系中の微量不純物を通じて、あるいは、増殖鎖と第2のラジカル部位との再結合を通して、起こる可能性があり、CNT表面上にオリゴマーのループをもたらす(図9)。後者の選択枝が速度論的に有利である可能性が高い。これに基づくと、共有結合したLMAオリゴマーは6つのモノマーの繰り返し体から構成されると推定できる。
提案したグラフトメカニズムは、CNT表面上の反応性部位の発生により、もともとの酸化を超えた、グラファイト状のネットワークに対する重大で付加的な損傷は一切生じないことを示唆する。この仮定を確認するラマン測定では、母体材料(0.85±0.7)とLMAでグラフトされた材料(0.81±0.6)とで同じようなI/I比が得られた。
グラフト反応の基本的なラジカルメカニズムは、熱化学処理アプローチがCNTの表面修飾の汎用的方法論であることを提唱する。したがって、異なる次元やモルフォロジーを有するCNTと、メタアクリレート、スチレン、および有機ヨウ化物などの、ラジカルと反応しうる多様な反応物質とを用いてその一般概念を検証した(図10および表3)。図10におけるTGAプロファイルの導関数を図13に示す。
反応性部位がCNTに沿ってどのように分布しているのかを測定するために標識反応を使用した。内製MWCNTをLMAと2−(メチルチオ)エチルメタクリレート(MTEMA)とでグラフトさせた。MTEMA中の硫黄基を金コロイドで標識することにより、2つの修飾サンプルの表面特性が顕著に異なることを確認した(図11)。SEM画像はMTEMAでグラフトされたCNTへの金粒子の結合を示すが、LMAでグラフトされた対照サンプルの標識化は全く観察されていない。図6における金コロイドの位置はCNT表面上でのグラフト部位の分布を可視化する。グラフトはナノチューブの全長にわたって起こり、恐らく、CNTの側壁におけるグラフェン端や欠陥部位の存在と関連しているだろう。
多様な他の機能性ビニル化合物を市販CNT上にグラフトさせた。グラフト比および平均オリゴマー鎖長はモノマーによって大きく異なっており、最も反応性の高い化合物については、それぞれ、8重量%および約70モノマー単位の値にまで達した(表3)。
グラフトされた化合物の官能性によって、CNT分散性が、多様な溶媒中で、広範囲の溶媒極性にわたって、向上した(表3)。例えば、メチルメタクリレート(MMA)オリゴマーの導入により、酢酸ブチル中での分散性が有意に向上したが、より極性の高いエタノール中での分散性は減少した。一方、2−(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート(DMAEMA)によるCNTのグラフトにより酢酸ブチル中での分散性は悪くなったが、酸性水溶液中での分散性はプロトン化アミン基によりCNTが静電気的に安定化されるために顕著に向上した。異なる機能性モノマーのグラフトは、CNTの分散特性や比表面特性の変更を起こし、これらはIGCによって測定される(表3)。分散表面エネルギーはグラフト比に概ね相関しており、高エネルギーのグラファイト状表面の被覆率の増加に伴い、γは減少した。グラフト後のK/K比の変化から、新規な表面官能基の導入により特異的相互作用を受ける能力が変更されたことが示された。例えば、アクリル酸(AA)で修飾したCNTでは母体材料に対してK/K比が減少し、より電子受容性が高いことを示していたが、DMAEMAでグラフトされたCNTでは増加し、より電子供与性の高い表面であることを示唆していた。
本発明の熱化学修飾処理は、従来の湿式化学CNT機能化方法に比べて多数の技術的優位性をもたらす。これは、汎用的かつ無溶媒の「ワンポット」反応アプローチであり、容易に拡張することができる。この処理は化学廃棄物を全く生み出すことなく実施することができ;用途に応じて、過剰なモノマーを最終生成物中に残存させてもよいし、時間のかかる濾過や冗長な洗浄処理を伴う真空蒸発を通して除去してもよい。液相装置中のグラフト効率はMMAでグラフトされた市販CNTについて少なくとも99%であると測定された。すなわち、1%未満の原料モノマーがホモポリマーの形成のために失われた。高いグラフト効率は表面に結合したラジカル中間体を通じたグラフト反応の開始および伝播によるものである可能性がある。MMAやアクリロニトリル(AN)などの比較的揮発しやすいモノマーを真空条件下で使用する場合には、CNTを、気相中で修飾することもできる。このような特定の装置は、阻害物質をモノマー容器から除去する必要がないという長所がある。その結果、未反応のモノマーを自己重合に対して安定な状態に保ち、直接再利用することができる。気相反応アプローチは、反応系全体を高温に保持する場合に、潜在的により低い蒸気圧を有する反応物質に対して拡張することができる。TGAによって測定されるグラフト比およびガスクロマトグラフィによって測定される表面特性は液相装置を用いて得た対応生成物と同程度である(表3)。

Claims (9)

  1. カーボン(ナノ)材料を不活性雰囲気または真空中で加熱して表面活性化カーボン(ナノ)材料を製造する工程と、
    前記表面活性化カーボン(ナノ)材料と反応可能な化学種を用いて前記表面活性化カーボン(ナノ)材料を処理する工程と、
    を含み、
    前記化学種は、ビニルモノマー、(メタ)アクリレートモノマー、ポリマー、蛍光色素、カップリング剤、界面活性剤、フリーラジカルの標識/トラップ、またはフリーラジカル開始剤から選択され、
    前記不活性雰囲気または真空は前記表面活性化カーボン(ナノ)材料と化学種との反応の完了後まで維持する、機能化カーボン(ナノ)材料の製造方法。
  2. 前記カーボン(ナノ)材料の表面でのフリーラジカルの形成によって前記カーボン(ナノ)材料を熱活性化する、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記カーボン(ナノ)材料の活性化を500℃以上の温度で実施する、請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記カーボン(ナノ)材料の活性化を800℃以上の温度で実施する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 前記化学種は、エチレン、プロピレン、メチルメタクリレート、スチレン、酢酸ビニル、アクリル酸、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート(GMA)、無水マレイン酸、ヒドロキシプロピル、メタクリレート、アクリルアミド、オレイン酸、アクリロニトリル、(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、1−ヨードドデカン、ラウリルメタクリレート、および2−(メチルチオ)エチルメタクリレートからなる群から選択される1以上である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 前記化学種を用いた前記表面活性化カーボン(ナノ)材料の処理を室温で実施する、請求項1〜のいずれか1項に記載の製造方法。
  7. 前記化学種は揮発性種または気相である、請求項1〜のいずれか1項に記載の製造方法。
  8. 未反応の化学種が真空の適用および/または前記化学種の自己反応温度未満の温度での加熱により除去される、請求項1〜のいずれか1項に記載の製造方法。
  9. 請求項1〜のいずれか1項に記載の製造方法により製造される機能化カーボン(ナノ)材料と、マトリックスと、を含む、複合システム。
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