JP5511910B2 - 直流モータのリップル検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、直流モータの電機子電流に含まれる電流リップルを検出する装置に関する。
直流モータの一種に、回転電機子にコンミテータを備えてブラシから通電方向を切り換える方式の直流ブラシモータがあり、例えば車両用シート装置のシートスライド用やリクライニング角度調整用などに適用されている。直流ブラシモータでは、回転電機子が回転してブラシとコンミテータの接触が切り替わることに起因して電流リップルが発生し、電機子電流に重畳する。したがって、直流の電機子電流に含まれる交流分の電流リップルを抽出して波形整形し、極大点、極小点、ゼロクロス点などの特異点を検出することにより、回転電機子の回転位相を知ることができ、回転位相センサや累積回転量センサの代わりになる。つまり、これらのセンサを別途設ける必要がなくなり、上記例では車両用シート装置が簡素となり、製作コストを低減できる。
しかしながら、電機子電流には電流リップルだけでなく低周波ノイズや高周波ノイズも重畳する場合が多い。例えば、4極10スロットの直流モータにおいては、電気角の360°ではなく720°で構造上のトポロジーをもつため、720°を周期とする電流成分が重畳する。換言すれば、リップル周波数の1/2の周波数をもつ低周波ノイズ(1/2周波数ノイズ)が電機子電流に重畳する。また、リップル周波数の2倍や4倍の周波数をもつ高周波ノイズ(n倍周波数ノイズ)が電機子電流に重畳することも往々にしてある。本願出願人は、このようなノイズの影響を受けずに電流リップルを検出する装置の例を特許文献1および2に開示している。
特許文献1の直流モータのリップル検出装置は、第1および第2のローパスフィルタ、第1および第2のリップル信号生成部、遮断周波数制御部、およびリップル検出部を備えている。遮断周波数制御部は、検出対象のリップル周波数と除去対象のノイズのノイズ周波数との比に対応するように、第2および第1のローパスフィルタの遮断周波数比を設定し、リップル検出部は、第1および第2のリップル信号生成部が生成したリップル信号のリップル周期の比を前記の遮断周波数比と比較して、一方のリップル信号を選択するように構成されている。これにより、第1および第2のリップル信号生成部が生成したリップル信号のいずれに検出対象のリップルが含まれるかを判断して、リップルを高精度に検出することができる、とされている。
また、特許文献2の直流モータの回転状態検出装置は、遮断周波数演算手段、遮断周波数設定手段、フィルタ手段、回転状態検出手段、回転状態判定手段、および遮断周波数更新手段を備え、直流モータが定常回転をしていないときにのみフィルタ手段の遮断周波数の変更を許可するようにしている。したがって、回転状態に応じて遮断周波数の変更可否を制御し、また、定常回転状態ではノイズ成分を遮断して正確にリップルを検出できる。これにより、フィルタ手段の遮断周波数がリップル周波数よりも低周波側へ誤って設定され、最終的に低周波ノイズの周波数に設定されてしまうおそれを解決できる、とされている。
特開2008−228452号公報 特開2007−124865号公報
ところで、特許文献1のリップル検出装置では、除去対象とするノイズ周波数を予め想定して第2および第1のローパスフィルタの遮断周波数比を設定するので、想定外の周波数のノイズが重畳すると不具合が生じ得る。また、ローパスフィルタを用いるため、電機子電流の直流分に応じた広いダイナミックレンジが必要となり、加えて、頻発しあるいは常在する低周波領域のノイズへの対策が必要となって、回路規模が大きくなりコストが上昇する。
また、特許文献2の実施形態では、リップルパルス整形回路出力のパルス間時間の逆数を実リップル周波数として、フィルタ手段の遮断周波数を演算している。この方法によると、例えばノイズが重畳してこれをフィルタ手段で除去しきれない場合、実リップル周波数を誤って検出し、ノイズが消えても元の正しい遮断周波数に復帰できなくなるおそれがある。例えば、一過性のノイズにより、実リップル周波数を誤って1/2に検出すると、遮断周波数を1/2周波数に合わせて制御してしまう。すると、フィルタは、本来のリップル周波数を有する信号を遮断して1/2周波数ノイズだけを通過させるので、一過性のノイズが消えた後もリップル周波数を検出できなくなってしまう。つまり、1/2周波数ロックしてしまうおそれが皆無でない。このため、ノイズ対策をフィルタ手段の遮断周波数の制御だけに頼るのでなく、リップル検出ロジックを改良することが肝要と考えられる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、リップル検出ロジックを改良して、精度の高いリップル周期を利用に供することができる直流モータのリップル検出装置を提供することを解決すべき課題とする。
上記課題を解決する請求項1に係る直流モータのリップル検出装置の発明は、直流モータの電機子電流に含まれる電流リップルを抽出してリップル波形を求める遮断周波数可変のフィルタ部と、前記リップル波形に基づいてリップル周期を求めるリップル周期検出部と、前記リップル周期から前記直流モータの回転量を求めるモータ制御部と、を備える直流モータのリップル検出装置であって、前記リップル周期検出部は、前記リップル波形の振幅に基づいた閾値を保持し、前記リップル波形の極小点に前記閾値を加算した閾値レベルを前記リップル波形がクロスするタイミングを示す信号を出力する処理、および、前記リップル波形の極大点から前記閾値を減算した閾値レベルを前記リップル波形がクロスするタイミングを示す信号を出力する処理の一方を順次繰り返し、隣接する前記タイミングを示す信号の発生間隔を検出して前記リップル周期とする、ことを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1において、前記閾値は、前記直流モータの一定回転状態における前記リップル波形の振幅の平均値、または、前記振幅の平均値に所定の倍率を乗じた値である、ことを特徴とする。
請求項1に係る直流モータのリップル検出装置の発明では、リップル周期検出部は、リップル波形の振幅に基づいた閾値を保持し、リップル波形の極小点に閾値を加算した閾値レベルをリップル波形がクロスするタイミングを示す信号を出力する処理、および、リップル波形の極大点から閾値を減算した閾値レベルをリップル波形がクロスするタイミングを示す信号を出力する処理の一方を順次繰り返し、隣接するタイミングを示す信号の発生間隔を検出してリップル周期とする。この振幅検出ロジックによれば、仮にノイズの重畳などによりリップル波形に微少な増減振動が重畳しても、閾値に達する程の増減とはならず、リップル周期の精度を確保できる。代わりにゼロクロス点検出ロジックや、極大点検出ロジックまたは極小点検出ロジックを用いた場合、微少な増減振動により多数のゼロクロス点や、極大点または極小点が発生し、そのたびに誤ってリップル周期を求めてしまうおそれがある。
請求項3に係る発明では、遮断周波数制御部は、リップル周期の逆数であるリップル周波数を演算して基本周波数とし、バンドパスフィルタの下側遮断周波数を基本周波数の0.5倍を越え1倍以下に制御し、上側遮断周波数を基本周波数の2倍以上に制御する。さらに、請求項4に係る発明では、遮断周波数制御部は、バンドパスフィルタの下側遮断周波数を基本周波数に近い周波数に制御る。
これにより、バンドパスフィルタは、リップル波形が有する基本周波数の信号成分を減衰させず、1/2周波数のノイズ成分を大きく減衰させるので、S/N比を大幅に改善できる。また、一過性のノイズなどにより誤って基本周波数が1/2となっても、上側遮断周波数は正規の基本周波数以上に制御され、正規の基本周波数を通過させるので、リップル検出を正しく行える。
請求項5に係る発明では、リップル周期検出部は複数のリップル周期を平均した平均リップル周期を演算し、遮断周波数制御部は平均リップル周期の逆数を基本周波数とする。このため、個々のリップル周期がジッタ成分などの原因でばらつき、あるいは電流リップルを検出できないリップル抜けが発生したり、ノイズを電流リップルと誤って検出するリップル増しが発生したりしても、平均リップル周期の変動は小さい。したがって、ばらつきやノイズの影響を低減して基本周波数を高精度に検出できる。
本発明の実施形態の直流モータのリップル検出装置を説明するブロック図である。 実施形態において、第1リップル周期検出部で振幅検出ロジックにより第1リップル周期を求める方法を説明する図である。 実施形態において、第2リップル周期検出部でゼロクロス点検出ロジックにより第2リップル周期を求める方法を説明する図である。 図1中の第1バンドパスフィルタのフィルタ特性を説明する図である。 図1中の第2バンドパスフィルタのフィルタ特性を説明する図である。 実施形態において、第1バンドパスフィルタおよび第1リップル周期検出部の作用を説明する実測波形例の図である。 実施形態において、第2バンドパスフィルタおよび第2リップル周期検出部の作用を説明する実測波形例の図である。
本発明を実施するための実施形態を、図1〜図7を参考にして説明する。図1は、本発明の実施形態の直流モータのリップル検出装置1を説明するブロック図である。直流モータ91は、図略の車両用シート装置のシートスライド用に適用されており、通常一定の直流電圧を印加して一定回転速度で用いるものである。リップル検出装置1は、直流モータ91を制御する制御装置の一部としてカスタムICの形態で構成され、モータ制御CPU99の制御で動作するようになっている。リップル検出装置1は、第1バンドパスフィルタ2、第1リップル周期検出部3、第2バンドパスフィルタ4、第2リップル周期検出部5、遮断周波数制御部7、およびモータ制御CPU99などの機能ブロックを備えている。
このうち、第1リップル周期検出部3は、本発明の請求項1および請求項2で特徴付けられたリップル周期検出部の一形態である。また、第1バンドパスフィルタ2は、請求項1で特徴付けられたフィルタ部の一形態である。さらに、モータ制御CPU99は、請求項1で特徴付けられたモータ制御部の一形態である。
リップル検出装置1において、第1バンドパスフィルタ2および第1リップル周期検出部3は、直流モータ91の電機子電流Imに含まれる電流リップルから第1リップル周期Tr1を検出してモータ制御CPU99に受け渡す機能を担っている。また、第2バンドパスフィルタ4以降の機能ブロックは、電流リップルからリップル周波数を検出して基本周波数f0とし、基本周波数f0を基にして第1バンドパスフィルタ2の遮断周波数f1CL、f1CHを正確にフィードバック制御する機能を担っている。
第1バンドパスフィルタ2は、遮断周波数制御部7からの制御により遮断周波数が可変とされるディジタルフィルタである。第1バンドパスフィルタ2は、下側遮断周波数f1CLのハイパスフィルタHPF1、および上側遮断周波数f1CHのローパスフィルタLPF1の組み合わせにより構成され、通過周波数帯域f1は下側遮断周波数f1CLと上側遮断周波数f1CHの間に制限されている(f1CL≦f1≦f1CH)。第1バンドパスフィルタ2の低周波数側遮断特性は1次フィルタで実現され、20db/decの減衰特性を有する。また、高周波数側遮断特性は4次フィルタで実現され、−80db/decの減衰特性を有する。
同様に、第2バンドパスフィルタ4も、下側遮断周波数f2CLのハイパスフィルタHPF2、および上側遮断周波数f2CHのローパスフィルタLPF2の組み合わせにより構成され、通過周波数帯域f2は下側遮断周波数f2CLと上側遮断周波数f2CHの間に制限されている(f2CL≦f2≦f2CH)。第2バンドパスフィルタ4の遮断特性は第1バンドパスフィルタ2と同様であり、低周波数側で20db/dec、高周波数側で−80db/decの減衰特性を有する。
第1バンドパスフィルタ2および第2バンドパスフィルタ4には、それぞれ直流モータ91の電機子電流Imに相当する波形が入力され、フィルタリング後の第1リップル波形Ir1および第2リップル波形Ir2が出力される。
第1リップル周期検出部3は、第1バンドパスフィルタ2から出力された第1リップル波形Ir1に基づいて第1リップル周期Tr1を求めるものである。図2は、第1リップル周期検出部で振幅検出ロジックにより第1リップル周期Tr1を求める方法を説明する図である。図中の横軸は共通の時間tを示し、上側のグラフの(1)は直流モータ91の電機子電流Im、(2)は第1パルス信号IP1を示し、下側のグラフの(3)は第1リップル波形Ir1、(4)は閾値レベルYを示している。閾値レベルYは、第1リップル波形Ir1の振幅に基づいた閾値Wを反映するパラメータ量である。電流リップルは一定回転状態においても或る程度のばらつきを有するため、本実施形態では一定回転状態における第1リップル波形Ir1の振幅の平均値を閾値Wとしている。なお、振幅の平均値に所定の倍率を乗じて閾値Wとすることもできる。
図2において、まず、第1バンドパスフィルタ2により電機子電流Imから直流分およびノイズが除去されて第1リップル波形Ir1が出力される。次に、第1リップル周期検出部3内において、時刻t1で第1リップル波形Ir1が減少して閾値レベルYの正側から負側にクロスすると、閾値レベルYに閾値Wを加算する。この後、第1リップル波形Ir1がさらに減少して時刻t2で極小点Pminに達するまで、閾値レベルYを平行して減少させる。そして、時刻t2で第1リップル波形Ir1が増加に転じても、閾値レベルYを変化させず一定レベルに保つ。時刻t3で第1リップル波形Ir1が閾値レベルYの負側から正側にクロスすると、閾値レベルYから閾値Wを減算するとともに、第1パルス信号IP11を出力する。この後、第1リップル波形Ir1がさらに増加して時刻t4で極大点Pmaxに達するまで、閾値レベルYを平行して増加させる。そして、時刻t4で第1リップル波形Ir1が減少に転じても、閾値レベルYは変化させず一定レベルに保つ。時刻t5で第1リップル波形Ir1が閾値レベルYの正側から負側にクロスすると、再び閾値レベルYに閾値Wを加算する。
この後、時刻t1〜t5と同様の処理を繰り返す。これにより、時刻t6で次の第1パルス信号IP12を出力し、時刻t7でさらに次の第1パルス信号IP13を出力する。第1リップル周期検出部3は、隣接する第1パルス信号IP11、IP12、IP13の発生間隔を逐次検出して第1リップル周期Tr1とする(Tr1=t6−t3、Tr1=t7−t6)。
この振幅検出ロジックによれば、時刻t1で第1リップル波形Ir1が閾値レベルYよりも小さくなった後、第1リップル波形Ir1が閾値W分だけ増加した時点で初めて第1パルス信号IP11を出力する。したがって、時刻t1以降に第1リップル波形にノイズが重畳して微少な増減振動が発生しても、誤って第1パルス信号IP11を出力するおそれがない。閾値レベルYに代えて単純なゼロレベルの閾値を用いた場合、時刻t1以降に第1リップル波形に微少な増減振動が発生すると、ゼロクロス点が多数発生するおそれがある。また、極大点検出ロジックまたは極小点検出ロジックを用いた場合、増減振動により多数の極大点または極小点が発生するおそれがある。このように、振幅検出ロジックは、ノイズに起因する微少な増減振動のおそれがある第1リップル波形に対して高い検出精度を有する。
一方、第2リップル周期検出部5は、第2バンドパスフィルタ4から出力された第2リップル波形Ir2に基づいて個々の第2リップル周期Tr2を求め、さらに平均リップル周期Tavを求めるものである。図1に示されるように、第2リップル周期検出部5は、リップル周期演算手段51および中央選択平均値演算手段56を有している。図3は、第2リップル周期検出部5のリップル周期演算手段51でゼロクロス点検出ロジックにより第2リップル周期Tr2を求める方法を説明する図である。図中の横軸は共通の時間tを示し、上側のグラフの(1)は直流モータ91の電機子電流Im、(2)は第2パルス信号IP2を示し、下側のグラフの(3)は第2リップル波形Ir2、(4)はゼロ点閾値レベルZを示している。ゼロ点閾値レベルZは、閾値をゼロレベルから±△Z分だけ微調整するパラメータ量である。
図3において、まず、第2バンドパスフィルタ4により電機子電流Imから直流分およびノイズが除去されて第2リップル波形Ir2が出力される。次に、リップル周期演算手段51内において、時刻t11で第2リップル波形Ir2が減少してゼロ点閾値レベルZの正側から負側にクロスすると、ゼロ点閾値レベルZをゼロよりもわずかに高いレベル+△Zに設定する。この後、第2リップル波形Ir2は、さらに減少したのち増加に転じる。時刻t12で、第2リップル波形Ir2がゼロ点閾値レベルZの負側から正側にクロスすると、ゼロ点閾値レベルZをゼロよりもわずかに低いレベル−△Zに設定するとともに、第2パルス信号IP21を出力する。この後、第2リップル波形Ir2は、さらに増加したのち減少に転じる。時刻t13で、第2リップル波形Ir2がゼロ点閾値レベルZの正側から負側にクロスすると、ゼロ点閾値レベルZを+△Zに設定する。
この後、時刻t11〜t13と同様の処理を繰り返す。これにより、時刻t14で次の第2パルス信号IP22を出力し、時刻t15でさらに次の第2パルス信号IP23を出力する。リップル周期演算手段51は、隣接する第2パルス信号IP21、IP22、IP23の発生間隔を逐次検出して第2リップル周期Tr2とする(Tr2=t14−t12、Tr1=t15−t14)。
上述のゼロ点閾値レベルZを±△Z分だけ微調整するゼロクロス点検出ロジックによれば、第2リップル波形にノイズが重畳して微少な増減振動が発生しても、誤って第2パルス信号IP2を出力するおそれがない。第2リップル波形は、第2バンドパスフィルタで基本周波数f0の信号成分が減衰するので、その振幅は小さい。したがって、振幅検出ロジックや極大点検出ロジック、極小点検出ロジックよりもゼロクロス点検出ロジックのほうが検出の確実性が高い。
また、中央選択平均値演算手段56は、一定数の第2リップル周期Tr2のうち、大きな側と小さな側からそれぞれ所定数を取り除いて、中央の第2リップル周期Tr2の平均値を求め、平均リップル周期Tavとする。具体的には、12個の第2リップル周期Tr2のうち、大きな側と小さな側からそれぞれ4個を取り除いて、中央の4個の第2リップル周期Tr2の平均値を求め、平均リップル周期Tavとする。中央選択平均値演算手段56は、求めた平均リップル周期Tavを遮断周波数制御部7の基本周波数演算手段71に送る。
遮断周波数制御部7は、基本周波数演算手段71、第1遮断周波数制御手段72、第2遮断周波数制御手段73、および遮断周波数確認手段74を有する。基本周波数演算手段71は、平均値演算手段56から送られた平均リップル周期Tavの逆数を求めて基本周波数f0とする。
第1遮断周波数制御手段72は、基本周波数f0が第1バンドパスフィルタ2の通過周波数帯域f1に入るように、下側遮断周波数f1CLおよび上側遮断周波数f1CHを制御する。具体的には、図4に示されるように、下側遮断周波数f1CL=基本周波数f0、上側遮断周波数f1CH=2.4×基本周波数f0、に制御する。また、第2遮断周波数制御手段73は、基本周波数f0が通過周波数帯域f2の下側となるように、第2バンドパスフィルタ4の下側遮断周波数f2CLおよび上側遮断周波数f2CHを制御する。具体的には、図5に示されるように、下側遮断周波数f2CL=2×基本周波数f0、上側遮断周波数f2CH=4.8×基本周波数f0、に制御する。ここで、上側遮断周波数f2CHは、基本周波数f0の2倍以上となっている。したがって、誤って基本周波数f0が1/2となった場合に正規の基本周波数を通過させ、1/2周波数を減衰させるので、1/2周波数ロックに陥ることなく確実に復帰でき、好適である。
図4および図5はそれぞれ、上述した第1バンドパスフィルタ2および第2バンドパスフィルタ4のフィルタ特性を説明する図である。第1バンドパスフィルタ2は、第1リップル波形Ir1が有する基本周波数f0の信号成分を減衰させず、1/2周波数のノイズ成分を大きく減衰させて、S/N比を大幅に改善する。この目的のため、下側遮断周波数f1CLを基本周波数f0に一致させることは当然である。
一方、第2バンドパスフィルタ4は、第2リップル波形Ir2が有する基本周波数f0の信号成分を減衰させるが、1/2周波数のノイズ成分をさらに減衰させることができる。加えて、第2リップル波形Ir2のゼロ点閾値Z付近における微少な増減振動が減衰されるので、ゼロクロス点検出ロジックとの相乗的な効果により、第2リップル周期Tr2を高精度に求めることができる。
なお、直流モータ91の起動時には、第1および第2遮断周波数制御手段72、73は、基本周波数演算手段71が求めた基本周波数f0ではなく、リップル周波数マップから求めた基本周波数f0に基づいて各遮断周波数f1CL、f1CH、f2CL、f2CHを制御する。リップル周波数マップは、直流モータ91に印加する電圧と流れる電流からリップル周波数を求めるようしたものである。したがって、起動時の実際の印加電圧と流れている電流を考慮してリップル周波数を求め、これを基本周波数f0とすることができる。
遮断周波数確認手段74は、第1バンドパスフィルタ2および第2バンドパスフィルタの遮断周波数制御が適正に行われているか否かを確認する手段である。図1に示されるように、遮断周波数確認手段74は、第1リップル周期検出部3から第1リップル周期Tr1の情報を含む第1パルス信号IP1を受け取り、基本周波数演算手段71から基本周波数f0を受け取る。そして、第1リップル周期Tr1の逆数である第1リップル周波数fr1を演算し、基本周波数f0と比較する。その結果、両者が概ね一致していれば遮断周波数制御が良好に機能していると判断し、そうでないときにはモータ制御CPU99に警報ALを通知する。警報ALの通知を受けたモータ制御CPU99は、警報ALに対応した制御シーケンス、例えばリップル検出装置1のリセット等を実施する。
最終的に、リップル検出装置1は、第1リップル周期Tr1の情報を含む第1パルス信号IP1と、第2リップル周期Tr2の情報を含む第2パルス信号IP2とをモータ制御CPU99に送出する。モータ制御CPU99は、第1パルス信号IP1の情報から直流モータ91の累積回転量を求め、シートのスライド移動量を把握する。
次に、実施形態のリップル検出装置1の動作について説明する。リップル検出装置1は、モータ制御CPU99からのリセット信号を受け付けて動作を開始し、まず装置内を初期化する。次に装置1全体が動き出すが、第2リップル周期Tr2を40個検出するまでは起動時として、リップル周波数マップから基本周波数f0を求めて遮断周波数制御を行う。第2リップル周期Tr2が40個以上になると通常の動作状態となり、平均リップル周期Tavから求めた基本周波数f0を基にして遮断周波数制御を行う。
次に、上述のように機能構成された実施形態のリップル検出装置1の作用について、図6および図7の実測波形例を参考にして説明する。図6は、リップル検出装置1の第1バンドパスフィルタ2および第1リップル周期検出部3の作用を説明する実測波形例の図である。図6の横軸は共通の時間tを示し、上側のグラフの(1)は直流モータ91の電機子電流Im、(2)は第1パルス信号IP1を示し、中央のグラフの(3)は第1リップル波形Ir1、(4)は閾値レベルYを示し、下側のグラフの(5)は下側遮断周波数f1CL(すなわち基本周波数f0)を示している。また、図7は、リップル検出装置1の第2バンドパスフィルタ4および第2リップル周期検出部5の作用を説明する実測波形例の図である。図7の横軸は図6と共通の時間tを示し、上側のグラフの(1)は直流モータ91の電機子電流Im、(2)は第2パルス信号IP2を示し、下側のグラフの(3)は第2リップル波形Ir2、(4)はゼロ点閾値レベルZを示している。
図6および図7において、直流モータ91は時刻t0で起動され、電機子電流Imは増加した後一旦減少し再度増加して概ね一定値の定常状態に落ち着いている。起動時の電機子電流Imの過渡的変化を避けるために、リップル検出装置1は、第2リップル周期Tr2を40個検出した時刻t40以降に、平均リップル周期Tavを有効とするようになっている。また、電機子電流Imの波形は、電流リップルが重畳して小さく波打っている。電機子電流Imの波形は第1および第2バンドパスフィルタ2、4に入力され、フィルタリング後の第1および第2リップル波形Ir1、Ir2が出力される。
続いて、第1および第2リップル波形Ir1、Ir2から、第1および第2パルス信号、IP1、IP2が求められる。図7の第2パルス信号IP2に注目すると、図中X1の箇所でリップル抜けが発生し、図中Y1〜Y3の3箇所でリップル増しが発生している。また、時刻t40以降の定常状態においても、第2パルス信号IP2の発生間隔すなわち第2パルス周期Tr2は、ばらつきを有している。それでも、第2リップル周期検出部5のゼロクロス点検出ロジックと中央選択平均値演算の作用により、平均リップル周期Tavは安定している。
その結果、図6の下側遮断周波数f1CL(すなわち基本周波数f0)が時刻t40以降の定常状態で安定し、1/2周波数ロックは生じていない。図には略されているが、上側遮断周波数f1CHも当然安定する。これにより、良好にフィルタリングされた第1リップル波形Ir1が得られ、高精度な第1パルス信号IP1が得られる。図6に示されるように、第1パルス信号IP1にはリップル抜けやリップル増しは認められない。また、第1パルス信号IP1の第1リップル周期Tr1は、第2リップル周期Tr2よりもばらつきが小さく高精度である。
実施形態のリップル検出装置1は、第1リップル周期検出部3の振幅検出ロジックにより、ノイズに起因する微少な増減振動のおそれがある第1リップル波形Ir1に対して高い検出精度を有する。加えて、1/2周波数ノイズの影響を受けずに基本周波数f0を高精度に検出でき、1/2周波数ロックが生じることもなく、第1バンドパスフィルタ2の下側および上側遮断周波数f1CL、f1CHを正確にフィードバック制御できる。また、常に高精度にフィードバック制御された第1バンドパスフィルタ2から高精度な第1リップル波形Ir1が出力されるため、正確な第1リップル周期Tr1を確実に求めて利用に供することができ、直流モータの累積回転量を高精度に演算できる。

特に、遮断周波数のフィードバック制御側では、第2バンドパスフィルタ4の通過周波数帯域f2を基本周波数f0の2〜4.8倍とし、第2リップル周期検出部5でゼロクロス点検出ロジックおよび中央選択平均値演算を併用している。これらの組み合わせによる相乗効果により、基本周波数f0の検出精度をより一層高めることができる。
また、第1リップル周期Tr1の検出側では、第1バンドパスフィルタ2の通過周波数帯域f1を基本周波数f0の1〜2.4倍とし、第1リップル周期検出部3で振幅検出ロジック用いている。これらの組み合わせによる相乗効果により、第1リップル周期Tr1の検出精度をより一層高めることができる。
さらに、遮断周波数確認手段74は、第1リップル周波数fr1を基本周波数f0と比較することにより、各遮断周波数の制御状況を確認している。これにより、リップル検出装置1の動作信頼性が高められている。
なお、第1および第2バンドパスフィルタ2、4の各遮断周波数f1CL、f1CH、f2CL、f2CHや遮断特性は実施形態の例に限定されず、実際の電流リップルが有する周波数分布を参考にして設定できる。また、中央選択平均値演算手段56での平均化の際の母集団の設定なども自由である。
1:リップル検出装置
2:第1バンドパスフィルタ
HPF1:ハイパスフィルタ LPF1:ローパスフィルタ
3:第1リップル周期検出部
4:第2バンドパスフィルタ
HPF2:ハイパスフィルタ LPF2:ローパスフィルタ
5:第2リップル周期検出部
51:リップル周期演算手段 56:中央選択平均値演算手段
7:遮断周波数制御部
71:基本周波数演算手段 72:第1遮断周波数制御手段
73:第2遮断周波数制御手段 74:遮断周波数確認手段
91:直流モータ 99:モータ制御CPU
Im:電機子電流
f1CL、f1CH:第1バンドパスフィルタの下側および上側遮断周波数
f2CL、f2CH:第2バンドパスフィルタの下側および上側遮断周波数
Ir1:第1リップル波形 Ir2:第2リップル波形
IP1:第1パルス信号 IP2:第2パルス信号
Tr1:第1リップル周期 Tr2:第2リップル周期
Tav:平均リップル周期 f0:基本周波数

Claims (2)

  1. 直流モータの電機子電流に含まれる電流リップルを抽出してリップル波形を求める遮断周波数可変のフィルタ部と、前記リップル波形に基づいてリップル周期を求めるリップル周期検出部と、前記リップル周期から前記直流モータの回転量を求めるモータ制御部と、を備える直流モータのリップル検出装置であって、
    前記リップル周期検出部は、
    前記リップル波形の振幅に基づいた閾値を保持し、
    前記リップル波形の極小点に前記閾値を加算した閾値レベルを前記リップル波形がクロスするタイミングを示す信号を出力する処理、および、前記リップル波形の極大点から前記閾値を減算した閾値レベルを前記リップル波形がクロスするタイミングを示す信号を出力する処理の一方を順次繰り返し、
    隣接する前記タイミングを示す信号の発生間隔を検出して前記リップル周期とする、
    ことを特徴とする直流モータのリップル検出装置。
  2. 請求項1において、前記閾値は、前記直流モータの一定回転状態における前記リップル波形の振幅の平均値、または、前記振幅の平均値に所定の倍率を乗じた値である、ことを特徴とする直流モータのリップル検出装置。
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