JP5511522B2 - 非磁性材を備えたローター及びこのローターを用いた動力伝達装置、ローターの製造方法 - Google Patents

非磁性材を備えたローター及びこのローターを用いた動力伝達装置、ローターの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、非磁性材を備えたローター及びこのローターを用いた動力伝達装置、ローターの製造方法に関する。
従来、特許文献1に記載されている駆動力伝達装置がある。この駆動力伝達装置は、外周側のケースと内周側のシャフトからなる一対の回転部材間に係合する摩擦多板クラッチを電磁石の磁力で制御するものである。この駆動力伝達装置には、一対の回転部材間にシール部材が介在し、内部空間に潤滑オイルが封入されている。
このように制御可能で潤滑オイルが封入された動力伝達装置は、アッセンブリ化されて搭載性が良く、種々の動力伝達経路に搭載されている。
前記動力伝達装置を制御するアクチュエータは、主要構成として、ケース外に配置された電磁石と、この電磁石を支持するヨーク(以下、コア)と、ケースの一部に一体的に結合したリヤ・ハウジング(以下、ローター)と、ケース内に配置されたアーマチャとを備えている。
前記電磁石が励磁されると、磁力線がコアとローターとアーマチャとを周回する磁束ループを形成してアーマチャが吸引され、ローターとアーマチャとの間に配置されたパイロット・クラッチが締結調整される。
このパイロット・クラッチの締結調整によりカム機構が働いてスラスト力に変換され、多板クラッチに所定の締結力を付与する。
前記ローターには、アーマチャに達する磁力線のループの短絡を防止するために、径方向の中間部にステンレス製の環状部(以下、非磁性体部材)が備えられている。
このローターでは、非磁性体部材が、内外周側の主体部(以下、磁性体部材)に形成された環状孔に挿入され、内外周の2箇所の境界部が電子ビーム溶接によって固定されている。
このように潤滑オイルが密封されてアッセンブリ化された動力伝達装置では、潤滑オイルのリークを防止する機能が必要であり、ローターにおける磁性体部材と非磁性体部材との結合部に、高い密封性が要求される。
しかし、ローターは磁性体部材と非磁性体部材とが別部材として形成されているので、密封性を保持するために、それぞれの部材に高い寸法精度と、それぞれの部材を接合する溶接工程が必要であり、製造工数が嵩むという問題があった。
特開平11−153157号公報
解決しようとする問題点は、ローターが磁性体部材と非磁性体部材とが別部材として形成されているので、密封性を保持するために、それぞれの部材に高い寸法精度と、それぞれの部材を接合する溶接工程が必要であり、製造工数が嵩む点である。
本願発明は、密閉性を保持しながら簡単に製造することを可能とするため、磁性体の内周部及び外周部からなり内部空間を外部から区画するための密閉壁に、磁路形成のための非磁性体を設けたローターであって、前記非磁性体は、前記内外周部間に周回状に充填形成され前記内外周部を結合する非磁性の溶接材で形成され、前記溶接材は、端部が既充填形成部分に重ね合わされて開始点を覆い未接合部を密閉する接合部を有し、前記密閉壁は、内外周部の対向する外内周面の幅方向で前記接合部を残すように前記溶接材を含めてカットしたカット面を有し、前記溶接材は、前記密閉壁が前記カット面を有しながら前記密閉壁の内外周部の対向する外内周面の幅内で端部が前記既充填形成部分に対し前記接合部を有して重ね合わされていることをローターの特徴とする。
本発明は、前記ローターが備えられた外側回転部材と、前記外側回転部材の内周側に配置された内側回転部材と、前記外側回転部材と前記内側回転部材との間の内部空間を外部から区画するシール部材と、前記内部空間で前記外側回転部材と前記内側回転部材との間に介設された摩擦クラッチと、前記外部で前記ローターに対向するように配置され固定側に支持された電磁石と、前記空間部内で前記ローターに対向するように配置され前記電磁石が励磁されたときに前記ロータの非磁性体を周回した磁路形成により吸引され前記摩擦クラッチ締結の起因となるアーマチャとを備えたことを動力伝達装置の特徴とする。
本発明は、磁性体の内周部及び外周部からなり内部空間を外部から区画するための密閉壁に、磁路形成のための非磁性体を設けたローターの製造方法であって、前記内周部及び外周部の加工工程と、前記内周部及び外周部の外内周面を径方向に対向配置して前記外内周面間に非磁性の溶接材を周回状に充填形成して前記内外周部を結合する結合工程と、前記結合工程後に前記外内周面の幅方向端部側にカット面を形成する分離工程とを備え、前記結合工程は、前記溶接材の端部を既充填形成部分に重ね合わせて開始点を覆い未接合部を密閉する接合部を形成し、前記分離工程は、内外周部の対向する外内周面の幅方向で前記接合部を残すように前記溶接材を含めてカットするカット面を前記密閉壁に形成し、前記溶接材は、前記密閉壁が前記カット面を有しながら前記密閉壁の内外周部の対向する外内周面の幅内で端部が前記既充填形成部分に対し前記接合部を有した重ね合わせを維持することをローターの製造方法の特徴とする。
本願発明のローターは、磁性体の内周部及び外周部からなり内部空間を外部から区画するための密閉壁に、磁路形成のための非磁性体を設けたローターであって、前記非磁性体は、前記内外周部間に周回状に充填形成され前記内外周部を結合する非磁性の溶接材で形成され、前記溶接材は、端部が既充填形成部分に重ね合わされて開始点を覆い未接合部を密閉する接合部を有し、前記密閉壁は、内外周部の対向する外内周面の幅方向で前記接合部を残すように前記溶接材を含めてカットしたカット面を有し、前記溶接材は、前記密閉壁が前記カット面を有しながら前記密閉壁の内外周部の対向する外内周面の幅内で端部が前記既充填形成部分に対し前記接合部を有して重ね合わされている
このため、別部材としての非磁性体を必要とせず、内外周部を非磁性の溶接材で結合し、内周部及び外周部間の密閉性を保持しながらローターを簡単に製造することができる。
本発明の動力伝達装置は、前記ローターが備えられた外側回転部材と、前記外側回転部材の内周側に配置された内側回転部材と、前記外側回転部材と前記内側回転部材との間の内部空間を外部から区画するシール部材と、前記内部空間で前記外側回転部材と前記内側回転部材との間に介設された摩擦クラッチと、前記外部で前記ローターに対向するように配置され固定側に支持された電磁石と、前記空間部内で前記ローターに対向するように配置され前記電磁石が励磁されたときに前記ロータの非磁性体を周回した磁路形成により吸引され前記摩擦クラッチ締結の起因となるアーマチャとを備えた。
このため、別部材としての非磁性体を必要とせず、ローターの内外周部を非磁性の溶接材で結合し、内周部及び外周部間の密閉性を保持しながら動力伝達装置を簡単に製造することができる。
本発明のローターの製造方法は、磁性体の内周部及び外周部からなり内部空間を外部から区画するための密閉壁に、磁路形成のための非磁性体を設けたローターの製造方法であって、前記内周部及び外周部の加工工程と、前記内周部及び外周部の外内周面を径方向に対向配置して前記外内周面間に非磁性の溶接材を周回状に充填形成して前記内外周部を結合する結合工程と、前記結合工程後に前記外内周面の幅方向端部側にカット面を形成する分離工程とを備え、前記結合工程は、前記溶接材の端部を既充填形成部分に重ね合わせて開始点を覆い未接合部を密閉する接合部を形成し、前記分離工程は、内外周部の対向する外内周面の幅方向で前記接合部を残すように前記溶接材を含めてカットするカット面を前記密閉壁に形成し、前記溶接材は、前記密閉壁が前記カット面を有しながら前記密閉壁の内外周部の対向する外内周面の幅内で端部が前記既充填形成部分に対し前記接合部を有した重ね合わせを維持する
このため、別部材としての非磁性体を用いず、ローターの内外周部を非磁性の溶接材で結合し、内周部及び外周部間の密閉性を保持しながらローターを簡単に製造することができる。
電磁摩擦クラッチの断面図である。(実施例1) ローターの断面図である。(実施例1) 図2のIII矢視側面図である。(実施例1) 中間壁部の概略断面図である。(実施例1) 非磁性体の重なりを示す中間壁部の側面図である。(実施例1) ローターの製造方法を示す工程図である。(実施例1) 中間壁部の結合を示す断面模式図である。(実施例1) 溶接ビードの端部の重なりを示し、(a)は、カット前の断面模式図、(b)は、カット後の断面模式図、(c)は、比較例の断面模式図である。(実施例1) 溶接ワイヤーの融点を示すグラフである。(実施例1) 未接合部の発生を示す断面模式図である。(実施例1) ローターの断面図である。(実施例2) 非磁性体の重なりを示す中間壁部の側面図である。(実施例2) 非磁性体の重なりを示す断面図である。(実施例2) 非磁性体の重なりを示す中間壁部の側面図である。(実施例3) ローターの断面図である。(実施例4) 要部の拡大断面図である。(実施例4) ローターの断面図である。(実施例4)
密閉性を保持しながら簡単に製造することを可能とするという目的を、非磁性の溶接材の充填により実現した。
[動力伝達装置]
図1は、本発明の一実施例に係る動力伝達装置としての電磁摩擦クラッチの断面図である。
図1の電磁摩擦クラッチ1は、例えば四輪駆動車のリヤ側に配置され、終減速装置に備えられてプロペラシャフトに結合される。
そして、プロペラシャフトへ伝達されたトルクは、電磁摩擦クラッチ1を介して終減速装置に入力され、リヤ・デファレンシャル、アクスル・シャフトを介して後輪へ伝達される。
電磁摩擦クラッチ1は、クラッチ・ハウジング3及びローター5と、ハブ・シャフト7と、メイン・クラッチ9と、締結機構11とを備えている。
クラッチ・ハウジング3は、一端に開口部15が形成された外側回転部材であり、他端に結合部17を備えている。クラッチ・ハウジング3の内周には、インナー・スプライン19が形成され、インナー・スプライン19の端部側でクラッチ・ハウジング3に受圧面21が形成されている。
開口部15には、クラッチ係合部23が形成され、クラッチ・ハウジング3の一端外周部には、雄ねじ部25が形成されている。この雄ねじ部25に隣接して嵌合外周面27が形成され、嵌合外周面27の端部に突当部29が形成されている。嵌合外周面27には、オー・リング収容凹部30形成されている。
なお、結合部17には、オイル注入孔31が形成され、カシメ・ボール33が取り付けられている。
ローター5は、中間壁部35と外周壁部37と内周ボス部39とからなる閉鎖部材であり、軸方向外部の電磁石41による磁路を形成する。中間壁部35には、前記磁路形成のための非磁性体43が形成されている。
外周壁部37の一端内周は、嵌合内周面45となっている。嵌合内周面45に隣接して雌ねじ部47が形成されている。内周ボス部39には、中間部にシール収容凹部49が形成され、端部側に軸受支持部51が形成されている。内周ボス部39の当接面には、後述するスラスト・ワッシャと軸方向に対向する複数の放射溝52が設けられている。
このローター5は、雌ねじ部47がクラッチ・ハウジング3の雄ねじ部25に螺合結合されている。嵌合内周面45は、嵌合外周面27に嵌合し、オー・リング収容凹部30に収容されたオー・リング53が嵌合内周面45に密接している。
したがって、クラッチ・ハウジング3は、ローター5が備えられた外側回転部材を構成している。
ハブ・シャフト7は、外側回転部材の内周側に配置された内側回転部材であり、クラッチ・ハウジング3及びローター5の内周側に配置されている。このハブ・シャフト7は、中空に形成され、中間部に隔壁55が設けられている。ハブ・シャフト7には、隔壁55を挟んで、一側にスプライン57が設けられ、 同他側には、インナー・スプライン59が設けられている。
このハブ・シャフト7は、ベアリング61によってクラッチ・ハウジング3に回転自在に支持され、ブッシュ63によってローター5の内周ボス部39に回転自在に支持されている。内周ボス部39のシール収容凹部49にXリング65が支持され、このXリング65は、ハブ・シャフト7の外周面に密接している。
このXリング65と前記オー・リング53及びカシメ・ボール33とは、ローター5を備えたクラッチ・ハウジング3とハブ・シャフト7との間の内部空間を外部から区画するシール部材を構成している。
メイン・クラッチ9は、クラッチ・ハウジング3とハブ・シャフト7との間の内部空間に介設された摩擦クラッチであり、アウター・プレートがクラッチ・ハウジング3のインナー・スプライン19に係合し、インナー・プレートがハブ・シャフト7のスプライン57に係合している。
締結機構11は、メイン・クラッチ9をローター5とクラッチ・ハウジング3の受圧面21との間で締結させるものである。この締結機構11は、カム機構67と押圧プレート69とアーマチャ71とパイロット・クラッチ73とからなっている。
カム機構67は、ボール・カムで構成され、カム・プレート75の背面側がニードル
・ベアリング77及びスラスト・ワッシャ79を介してローター5側に当接している。
スラスト・ワッシャ79と軸方向に対向するローター5の複数の放射溝52は、ブッシュ63と締結機構11側の空間とを連通させ、オイルの流通が促がされる。
カム・プレート75と押圧プレート69との間には、カム機構67のボール81が介設されている。押圧プレート69とスプライン57端部のストッパー・リング83との間には、リターン・スプリング85が介設されている。
押圧プレート69は、内周側がカム機構67に連繋し、外周側がメイン・クラッチ9に対向している。押圧プレート69は、ハブ・シャフト7側にスプライン係合してカム機構67の働きによりメイン・クラッチ9に対し軸方向に押圧移動する。
軸方向に移動可能なアーマチャ71は、パイロット・クラッチ73を挟んでローター5の中間壁部31に対向し電磁石36の磁力によって引き付けられ、パイロット・クラッチ71を中間壁部35に対して締結するように移動する。
パイロット・クラッチ73は、アーマチャ71と中間壁部35との間に介設され、アウター・プレートがクラッチ・ハウジング3のクラッチ係合部23に係合し、インナー・プレートがカム・プレート75にスプライン係合している。
電磁石41は、クラッチ・ハウジング3、ローター5、及びハブ・シャフト7で囲まれた内部空間に対し、外部で前記ローター5に軸方向に対向するように配置されている。電磁石41は、電流制御に応じた電磁力を発生するもので、ヨーク87に固定されている。ヨーク87は、ベアリング89を介して、ローター5の軸受支持部51を相対回転自在に支持している。ヨーク87は、車体の固定側に回転不能に係合支持されている。電磁石41は、車体側の電源及びコントローラに対してハーネス91を介し電気的に接続されている。
なお、スラスト・ワッシャ79は、その肉厚が複数設定、準備されており、ニードル・ベアリング77、カム・プレート75、ボール81、押圧プレレート69、メイン・クラッチ9が介在するクラッチ・ハウジング3の受圧面21とローター5の内壁面との間に軸方向隙間がスラスト・ワッシャ79の選定、組付けにより所定値に設定されている。
[トルク伝達]
電磁石41への通電制御によって、ローター5、ヨーク87、アーマチャ71間で周回状の磁路が形成される。この磁路の形成によって、アーマチャ71がローター5側へ引き付けられる。
アーマチャ71は、周回状の磁路の形成により吸引され、パイロット・クラッチ73がローター5に対して締結される。この締結によって、カム・プレート75がクラッチ・ハウジング3側に回転方向に係合する。
一方、ハブ・シャフト7側にスプライン係合する押圧プレート69は、カム・プレート75に対して回転変位し、カム・ボール81がカム面に乗り上げる。このカム・ボール81の乗り上げによりカムが働き、ニードル・ベアリング77及びスラスト・ワッシャ79を介したローター5側に対する反力として推力を発生する。
この推力は押圧プレート69に作用し、押圧プレート69がリターン・スプリング85に抗して移動し、メイン・クラッチ9を締結する。メイン・クラッチ9は、締結力に応じ、例えばクラッチ・ハウジング3からハブ・シャフト7へトルク伝達を行う。
電磁石41への通電制御が解除されると、パイロット・クラッチ73のインナー・プレート及びアウター・プレート間が滑り、カム機構67が働かなくなる。このため、押圧プレート69による押圧移動もなくなり、メイン・クラッチ9の締結が解除され、フリー状態となる。
リターン・スプリング85は、その押圧力により押圧プレート69を初期位置に付勢しているのでメイン・クラッチ9の各プレート間の隙間が保持され、ドラグ・トルクが生じるのを防止されている。
[ローター]
図2は、ローターの断面図、図3は、図2のIII矢視側面図、図4は、中間壁部の概略断面図、図5は、非磁性体の重なりを示す中間壁部の側面図である。
図4において、密閉壁である中間壁部35の外内周面35aa,35baの幅をH、外内周面35aa,35ba間の径方向の間隔をB、ローター5の回転中心をCとする。
図1〜図4のように、ローター5の中間壁部35は、電磁摩擦クラッチ1の内部空間を外部から区画するための密閉壁となっている。このローター5は、図2〜図4のように、中間壁部35で径方向に分離され、磁性体である中間壁部35の内周部35aと外周部35bとが溶接材(溶接ビード)で形成された非磁性体43で結合されている。非磁性体43は、前記外内周面35aa,35baに融合し、密閉性を高めている。
ローター5は、磁性を有する低炭素鋼材により形成されている。一方、非磁性体43である溶接材は、アーク溶接にて用いられるワイヤーが溶融した溶接ビードである。実施例のワイヤーは銅系材料であり、銅にアルミを混入させた材料や、シリコンを混入させた材料を用いている。これらの材料の溶融点は、低炭素鋼材>純銅材料>アルミ混入材料>シリコン混入材料である。なお、銅系材料の他に、ステンレス系材料、アルミ系材料、その他の非磁性材も適用可能である。
図2〜図5のように、溶接ビードの非磁性体43は、内外周部35a,35bの対向する外内周面35aa,35baの幅H内、間隔B間で全体に亘って周回状に連続充填形成されている。溶接ビードの非磁性体43は、幅H内、間隔B間で周方向の端部43aが既充填形成部分に対し後述のように重ね合わされている。
溶接材は、外内周面35aa,35ba間に、ロータ−5の軸方向磁路長さ内の空間に、少なくとも一つのラップ部を持つ。すなわち、ワイヤーが溶融後にビード開始点Pで固化し、その上面に次のビードが周転Qまで重なり合いラップ部を形成する。ラップ部は、ビード開始点Pよりさらに外内周面35aa,35ba間で、周方向にラップさせると、ビード開始点Pで生じやすい欠肉や断層が覆い尽くされ、密着性が確保される。
[ローターの製造方法]
図6は、ローターの製造方法を示す工程図、図7は、中間壁部の結合を示す断面模式図である。なお、図7では、図上上下方向が図4の回転中心C方向である。
図6のように、本実施例のローターの製造方法は、加工工程S1と結合工程S2と分離工程S3とを備えている。
加工工程S1は、切削加工等により磁性体の母材から内周部35b及び外周部35aを所定形状に切削加工する。
本実施例では、加工工程S1において、外周部35a及び内周部35bに、結合工程S2での外内周面35aa,35baの対向配置を径方向の突き当てにより位置決める周回縁部35ab,35bbを設けている。この周回縁部35ab,35bbの突き当てにより外内周面35aa,35baの間隔B(図4)を正確に配置決めることができる。
結合工程S2は、径方向に対向配置された外内周面35aa,35ba間に非磁性の溶接ビード43aを周回状に連続充填形成して前記内外周部35a,35bを結合する。
前記結合工程S2は、前記非磁性体43の端部43b(2週目)を既充填形成部分43c(1周目)に対し重ね合わせている。すなわち、溶接ビード43aの端部43bを既充填形成部分43cに対し周方向の1箇所で重ね合わせている。
分離工程S3は、前記結合工程S2後に、前記外内周面35aa,35baの幅方向端部側を切削して周回縁部35ab,35bbを除去する。本実施例では、外内周面35aa,35baの幅方向両端部側が、加工前形状35c,35dに対しカット面35e,35fによりカットされ、溶接ビード43aの端部43bを中間壁部35の表面と面一に形成している。
非磁性体43は、外内周面35aa,35baに溶融部43dで融合している。
図8は、溶接ビードの端部の重なりを示し、(a)は、カット前の断面模式図、(b)は、カット後の断面模式図、(c)は、比較例の断面模式図である。なお、図8では、図上上下方向が図4の回転中心C方向である。
図8(a)のように、溶接ビード43aが周回状に連続充填形成され、端部43bが既充填形成部分43cに重ね合わされる。この重ね合わせにより、端部43bが既充填形成部分43cに接合部43eにより接合される。この接合により、断層のために溶融しにくい未接合部43fが生じても、この未接合部43fを接合部43eにより確実に密閉することができる。
図8(b)のように、カット面35eは、接合部43eを残して形成され、未接合部43fの接合部43eによる密閉が維持される。
これに対し、図8(c)の比較例では、溶接ビード43aの端部の重なりをカット面35eにより除去したため、接合部が存在しなくなり、未接合部43fがカット面35eに露出して密閉ができなくなっている。
したがって、溶接ビード43aにより非磁性体43を形成するときは、端部43bを既充填形成部分43cに重ね合わせ、カット面35eにより加工する際にも、接合部43eを残すことが肝要である。
図9は、溶接ワイヤーの融点を示すグラフである。
本実施例では、溶接ワイヤーとして非磁性の銅合金、例えばCuAl8を用いている。CuAl8は、図9のようにローター5の母材の炭素鋼に融点が近くなり、溶接により図7の微細な層厚の溶融部43dが形成され易く、外内周面35aa,35baの境界部における密閉性を高めることができる。
図10は、未接合部の発生を示す断面模式図である。
本発明実施例では、非磁性体43をアーク溶接の電流値及び溶接速度の設定により形成する。電流値及び溶接速度の設定が範囲を超えていると、図10のように未接合部43gを生じ、密閉性の低下を招く。このため、アーク溶接の電流値及び溶接速度は、未接合部43gを生じないように設定することが肝要である。
外内周面35aa,35ba間に溶融する溶接材の形成条件は、電圧(V)、ワイヤーの送給量(m/min)、電流(A)、溶接速度(mm/min)、溶接時間(周回数)、溶接トーチ位置などで設定できる。
アーク溶接機を用いる場合、電圧(V)、ワイヤーの送給量(m/min)については、ワイヤーの線種や線径の選択で、自動制御される。トーチ位置は、垂直方向(ロータの回転軸方向)などのワーク形状を考慮して、所定方向に固定される。溶接時間は、外内周面35aa,35ba間の環状経路を溶接材すなわち溶接ビード43aが所定角度周回する時間である。よって、溶接ビード43aの外内周面35aa,35ba間の幅方向長さ(溶接高さ=溶接ビード高さ)は、電流(A)、溶接速度(mm/min)で決定される。
アーク溶接機は、公知のMIG溶接機、或いはTIG溶接機を用いることができる。
溶接材の溶融盛り量に関して、電流(A)と溶融盛り量とは比例関係をなし、溶接速度(mm/min)と溶融盛り量とは反比例関係をなす。
溶接材の溶融開始端部と溶融終了端部の形成条件については、特別に気遣って設定することはない。しかし、上述した形成条件を連続的、或いは段階的に設定調節すれば、外内周面35aa,35baと溶接材との密着性をさらに向上させることや、溶接材の周方向端部の欠肉,断層部をより縮小させることも可能である。
溶接材と外内周面35aa,35baとの間の境界部に形成される融合組織は、低炭素鋼材のロータにおける鉄(Fe)成分と、銅系材などの溶接材の銅(Cu)成分とによる微細な厚さの合金層である。
外内周面35aa,35baの間隔Bと、外内周面35aa,35baの幅H方向長さ(溶接高さ)については以下のとおりである。
第1に「間隔B」については、2mm以上4mm以下に設定する。その理由は、2mm未満であると、磁性体である内周部35aと外周部35bとの間で磁力線の短絡を生じる。また、外内周面35aa,35ba間に溶接ワイヤーの配置スペースが確保できず、欠肉や断層が溶接材の周方向端部以外でも生じる。
一方、4mmを超過すると、ロータ−5自体の大きさが大型化し、溶接材の使用量が嵩むことになる。また、溶接ワイヤーから外内周面35aa,35baまでの間隔が大きすぎて、逆に放電機能が不安定となり、欠肉や断層が溶接材の周方向端部以外でも生じる。
なお、より好ましい「間隔B」としては、3mm程度である。
第2に、「幅H方向長さ(溶接高さ)」については、3mm以上7mm以下に設定する。その理由は、3mm未満であると、外内周面35aa,35baと溶接材との接合強度が得られず、外力による不可逆性の変形を生じる。また、少なくとも周方向の端部を2層構造にするための溶接材のラップ代が確保できない。一方、7mmを超過すると、ロータ−5自体の大きさが大型化し、溶接材の使用量が嵩むことになる。溶接ワイヤーが外内周面35aa,35baに沿って深く入り込む必要があり、放電機能が不安定となり、欠肉や断層が溶接材の周方向端部以外でも生じることになる。なお、より好ましい「幅方向長さ(溶接高さ)」としては、3.5mm〜6mm程度である。
[実施例1の効果]
本願発明実施例のローター5は、磁性体の内周部35a及び外周部35bからなり内部空間を外部から区画するための中間壁部35に、磁路形成のための非磁性体43を設けたローター5であって、非磁性体43は、内外周部35a,35b間に周回状に連続充填形成され内外周部35a,35bを結合する非磁性の溶接ビード43aで形成され、溶接ビード43aは、端部43bが既充填形成部分43cに対し重ね合わされている。
このため、別部材としての非磁性体を必要とせず、内外周部35a,35bを非磁性の溶接ビード43aで結合し、内周部35b及び外周部35a間の密閉性を保持しながらローター5を簡単に製造することができる。
すなわち、溶接材を内外周部35a,35b間に溶融させ溶接ビード43aを連続形成させることで、非磁性体43を固体部材として別に設けて接合する必要がなく、煩雑な部品点数の管理,加工による製造工数を削減できる。
また、溶接材を内外周部35a,35b間で周方向に溶融して連続形成するので、ロータ−5の形成工程と形成時間が削減できる。
従来構造は、磁性体と非磁性体とを内外周端部で2箇所溶接しており、溶接部が必然的に幅広になり、磁束ループを形成する磁性体部分の磁路断面積を低下させていた。これに対し、本願発明実施例の構造は、内外周部35a,35b間を溶接材で接合するので、内外周部35a,35b間で広く接合され、磁性体43部分の磁路断面積の低下を抑制することができる。
溶接材の周方向端部を2層構造とすることで、周方向端部の欠肉,断層がラップされ、ロータ−5の磁性体部分と非磁性体43部分、及び非磁性体43部分自体の密着性を確保し、ロータ−5の密封性が確実に得られる。
溶接ビード43aは、中間壁部35の内外周部35a,35bの対向する外内周面35aa,35baの幅H内で端部43bが既充填形成部分43cに対し重ね合わされている。
外内周面35aa,35baの幅H内で、溶接材の接合開始端と接合終了端部とを2層構造にラップさせることで、ロータ−5を大型化せずにロータ−5の磁性体部分と非磁性体43部分、及び非磁性体43部分自体の密着性を確実に確保することができる。
溶接ビード43aは、外内周面35aa,35baの幅H内全体に亘って連続充填形成されている。
このため、磁性体部分と非磁性体43部分との密封性を十分に得ることができる。
溶接ビード43aは、外内周面35aa,35baに融合している。
磁性体部分と非磁性体43部分との境界部の融合組織は、磁性体部分と非磁性体43部分との密封性と接合強度を向上させることができる。
本発明実施例の電磁摩擦クラッチ1は、ローター5が備えられたクラッチ・ハウジング3と、クラッチ・ハウジング3の内周側に配置されたハブ・シャフト7と、クラッチ・ハウジング3とハブ・シャフト7との間の内部空間を外部から区画するXリング65、オー・リング53、及びカシメ・ボール33と、内部空間でクラッチ・ハウジング3とハブ・シャフト7との間に介設されたメイン・クラッチ9と、外部でローター5に対向するように配置され固定側に支持された電磁石41と、空間部内でローター5に対向するように配置され電磁石41が励磁されたときにローター5の非磁性体43を介した磁路形成により吸引されメイン・クラッチ9締結の起因となるアーマチャ71とを備えた。
このため、別部材としての非磁性体を必要とせず、ローター5の内外周部を非磁性の溶接ビード43aで結合し、内周部35a及び外周部35b間の密閉性を保持しながら電磁摩擦クラッチ1を簡単に製造することができる。
内外周部35a,35b間に溶接材を周方向に溶融形成させるので、外内周面35aa,35ba間で広く接合され、磁性体部分の磁路断面積の低下を抑制することができる。
溶接材の溶融終了端部が溶融開始端部を超えて2層に溶融させることで、周方向端部の欠肉,断層部がラップによりカバーされ、ロータ−5の磁性体部分と非磁性体43部分、及び非磁性体43部分自体の密着性を確保し、ロータ−5の密封性を確実に得ることができる。
本発明実施例のローター5の製造方法は、磁性を有する内周部35a及び外周部35bからなり内部空間を外部から区画するための中間壁部35に、磁路形成のための非磁性体43を設けたローター5の製造方法であって、内周部35a及び外周部35bの加工工程S1と、内周部35a及び外周部35bの外内周面35aa,35baを径方向に対向配置して外内周面35aa,35ba間に非磁性の溶接ビード43aを周回状に連続充填形成して内外周部35a,35bを結合する結合工程S2とを備え、結合工程S2は、溶接ビード43aの端部43bを既充填形成部分43cに重ね合わせた。
このため、別部材としての非磁性体を用いず、ローター5の内外周部35a,35bを非磁性の溶接ビード43aで結合し、内周部35a及び外周部35b間の密閉性を保持しながらローター5を簡単に製造することができる。
すなわち、溶接材を内外周部35a,35b間に周方向に溶融させることで、非磁性体43部分を非磁性の固体部材として別に設けて接合する必要がなく、ロータ−5の形成工程と形成時間を短縮することができ、ロータ−5の製造工数を削減できる。
結合工程S2は、溶接材の端部43bを既充填形成部分43cに対し周方向の1箇所で重ね合わせた。
このため、周回状に溶融される溶接材の途中の欠肉,断層が生じるのを防止することができる。
結合工程S2は、溶接材をアーク溶接の電流値及び溶接速度の設定により形成する。
このため、外内周面35aa,35ba間の限られた幅Hの範囲内で、溶接材を確実に2層に溶融させることができる。
加工工程S1では、内周部35a及び外周部35bに結合工程S2での外内周面35aa,35baの対向配置を径方向の突き当てにより位置決める周回縁部35ab,35bbを設け、結合工程S2後に、外内周面35aa,35baの幅方向端部側を切削して周回縁部35ab,35bbを除去する分離工程S3を備えた。
この切削する分離工程S3により、外内周面35aa,35baの幅方向厚さを整え、ロータ−5の回転方向のアンバランスを抑制することができる。また、外内周面35aa,35baの端部における溶融接合端部の縁ダレを切除し、磁路断面積の低下を抑制することができる。
図11〜図13は、本発明の実施例2に係り、図11は、ローターの断面図、図12は、非磁性体の重なりを示す中間壁部の側面図、図13は、非磁性体の重なりを示す断面図である。なお、基本的な構成は実施例1と同様であり,同一又は対応する構成部分には同符号又は同符号にAを付し、重複した説明は省略する。
図11〜図13のように、本実施例のローター5Aは、溶接ビード43aAのほぼ全体が周回状に重ね合わされ、2層をなしている。
本実施例でも切削加工によりカット面35eA,35fAでカットされ、3層に重ねられた端部43bAもカットにより2層となる。
したがって、本実施例でも実施例1と同様な作用効果を奏するほか、溶接材は、全体が周回状に重ね合わされて溶接ビード43aAのほぼ全体が2層をなすことにより、密閉性の信頼性を向上させることができる。
図14は、本発明の実施例3に係り、非磁性体の重なりを示す中間壁部の側面図である。なお、基本的な構成は実施例1と同様であり,同一又は対応する構成部分には同符号又は同符号にBを付し、重複した説明は省略する。
図14のように、本実施例のローターの中間壁部35Bは、一対の溶接ビード43aBa,43aBbの端部43bBa,43bBbが既充填形成部分43cBa,43cBbに対して重ね合わされている。
この実施例の結合工程S2は、溶接ビード43aBa,43aBbを周方向複数個所で同時に形成し、各溶接ビード43aBa,43aBbの端部43bBa,43bBbを既充填形成された他の溶接ビード43aBb,43aBaに重ね合わせた。
この場合、180°位相をずらせて配置した溶接トーチを用い、同時に周方向へ180°を超えて走査し、端部43bBa,43bBbを重ね合わせる。重ね合わせ箇所は180度配置の2か所となる。
なお、溶接トーチを用い、同時に周方向へ360°を超えて走査し、溶接ビード43aBa,43aBbの全体が周回状に重ね合わされる構成にすることもできる。
したがって、本実施例でも、実施例1と同様な作用効果を奏することができるほか、溶接トーチの走査時間を短縮することができ、作業効率を向上させることができる。
すなわち、溶接材を、位相をずらした複数の円弧状にして同時に溶融させることで、ロータ−5の形成工程と形成時間を短縮することができる。
図15,図16,図17は、本発明の実施例4に係り、図15は、ローターの断面図、図16は、要部の拡大断面図、図17は、ローターの断面図である。なお、基本的な構成は実施例1と同様であり,同一又は対応する構成部分には同符号又は同符号にCを付し、重複した説明は省略する。
図15、図16のように、本実施例のローター5Cは、分離工程S3での分離をカット面によらず、カッターによる周回状のカット溝35fCの形成により行い、周回縁部35abC,35bbCを除去している。カット溝35fCの径方向の幅は、外内周面35aa,35ba間の径方向の間隔Bに等しくなっている。
但し、カット溝35fCの径方向の幅は、図17のように、間隔Bよりも狭いB1で形成することもできる。
したがって、本実施例でも、実施例1と同様な作用効果を奏することができる。
[その他]
本願発明の動力伝達装置については、上記電磁摩擦クラッチ1以外にも適用可能であり、例えば、特開2001-213186号に記載のカップリング装置などにも適用でき、その他の機構を用いた動力伝達装置にも適用することができる。
ローターの製造方法においては、一部材の第1の磁性部分と第2の磁性部分に、内外周面を備えた凹部を形成し、その凹部に溶接材を溶融させた後、凹部の底面を切削加工し、第1の磁性部分と第2の磁性部分を分離させることができる。この一部材の製造によれば、製造工程をより簡易化できると共に、溶接による変形を防止し易い。また、それぞれ異なる部材の第1の磁性部分と第2の磁性部分を直接または治具を介して組合せ、内外周面を対向させて溶接材を溶融形成することもできる。これらのそれぞれ異なる部材としての第1の磁性部分と第2の磁性部分との組み合わせにおいては、凹部の底面を第1、第2の磁性部分のいずれかの延長部で形成し、底面を内径側又は外形側に延長して第1、第2の磁性部材間にインロー係合するセンタリング機能を持たせると、本願発明の溶接接合をより高い精度で行わせることができる。
1 電磁摩擦クラッチ(動力伝達装置)
3 クラッチ・ハウジング(外側回転部材)
5 ローター
7 ハブ・シャフト(内側回転部材)
9 メイン・クラッチ(多板クラッチ)
33 カシメ・ボール(シール部材)
35a 内周部
35aa 内周面
35b 外周部
35ba 外周面
41 電磁石
43 非磁性体
43a 溶接ビード
43b 端部
43c 既充填形成部分
53 オー・リング(シール部材)
65 Xリング(シール部材)
71 アーマチャ
S1 加工工程
S2 結合工程
S3 分離工程
B 外内周面の径方向の間隔
H 外内周面の幅

Claims (11)

  1. 磁性体の内周部及び外周部からなり内部空間を外部から区画するための密閉壁に、磁路形成のための非磁性体を設けたローターであって、
    前記非磁性体は、前記内外周部間に周回状に充填形成され前記内外周部を結合する非磁性の溶接材で形成され、
    前記溶接材は、端部が既充填形成部分に重ね合わされて開始点を覆い未接合部を密閉する接合部を有し、
    前記密閉壁は、内外周部の対向する外内周面の幅方向で前記接合部を残すように前記溶接材を含めてカットしたカット面を有し、
    前記溶接材は、前記密閉壁が前記カット面を有しながら前記密閉壁の内外周部の対向する外内周面の幅内で端部が前記既充填形成部分に対し前記接合部を有して重ね合わされている、
    ことを特徴とするローター。
  2. 請求項1記載のローターであって、
    前記溶接材は、全体が周回状に重ね合わされている、
    ことを特徴とするローター。
  3. 請求項1又は2に記載のローターであって、
    前記溶接材は、前記外内周面の幅内全体に亘って連続充填形成されている、
    ことを特徴とするローター。
  4. 請求項1〜の何れかに記載のローターであって、
    前記溶接材は、前記外内周面に融合している、
    ことを特徴とするローター。
  5. 請求項1〜4の何れかに記載のローターを用いた動力伝達装置であって、
    前記ローターが備えられた外側回転部材と、
    前記外側回転部材の内周側に配置された内側回転部材と、
    前記外側回転部材と前記内側回転部材との間の内部空間を外部から区画するシール部材と、
    前記内部空間で前記外側回転部材と前記内側回転部材との間に介設された摩擦クラッチと、
    前記外部で前記ローターに対向するように配置され固定側に支持された電磁石と、
    前記空間部内で前記ローターに対向するように配置され前記電磁石が励磁されたときに前記ローターの非磁性体を周回した磁路形成により吸引され前記摩擦クラッチ締結の起因となるアーマチャと、
    を備えたことを特徴とする動力伝達装置。
  6. 磁性体の内周部及び外周部からなり内部空間を外部から区画するための密閉壁に、磁路形成のための非磁性体を設けたローターの製造方法であって、
    前記内周部及び外周部の加工工程と、
    前記内周部及び外周部の外内周面を径方向に対向配置して前記外内周面間に非磁性の溶接材を周回状に充填形成して前記内外周部を結合する結合工程と
    前記結合工程後に前記外内周面の幅方向端部側にカット面を形成する分離工程とを備え、
    前記結合工程は、前記溶接材の端部を既充填形成部分に重ね合わせて開始点を覆い未接合部を密閉する接合部を形成し、
    前記分離工程は、内外周部の対向する外内周面の幅方向で前記接合部を残すように前記溶接材を含めてカットするカット面を前記密閉壁に形成し、前記溶接材は、前記密閉壁が前記カット面を有しながら前記密閉壁の内外周部の対向する外内周面の幅内で端部が前記既充填形成部分に対し前記接合部を有した重ね合わせを維持する、
    ことを特徴とするローターの製造方法。
  7. 請求項記載のローターの製造方法であって、
    前記結合工程は、前記溶接材を周回状に重ね合わせた、
    ことを特徴とするローターの製造方法。
  8. 請求項記載のローターの製造方法であって、
    前記結合工程は、前記溶接材の端部を既充填形成部分に対し周方向の1箇所で重ね合わせた、
    ことを特徴とするローターの製造方法。
  9. 請求項記載のローターの製造方法であって、
    前記結合工程は、前記溶接材を周方向複数個所で同時に形成し、各溶接材の端部を既充填形成された他の溶接材に重ね合わせた、
    ことを特徴とするローターの製造方法。
  10. 請求項6〜9の何れかに記載のローターの製造方法であって、
    前記加工工程は、前記内周部及び外周部に前記結合工程での外内周面の対向配置を径方向の突き当てにより位置決める周回縁部を前記内周部及び外周部に一体に設け、
    前記結合工程後に、前記外内周面の幅方向端部側を切削して前記周回縁部を除去する分離工程を備えた、
    ことを特徴とするローターの製造方法。
  11. 請求項6〜10の何れかに記載のローターの製造方法であって、
    前記結合工程は、前記溶接材をアーク溶接の電流値及び溶接速度の設定により形成する、
    ことを特徴とするローターの製造方法。
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