JP5510771B2 - 色素増感型太陽電池 - Google Patents

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Description

本発明は、色素増感型太陽電池に関し、より詳細には、電解液の注入孔を有なさい色素増感型太陽電池に関する。
近年、地球温暖化等の環境問題が世界的にも指摘されており、環境負荷の少ないクリーンエネルギーとして太陽光発電が注目され、太陽電池素子の積極的な研究開発が進められている。太陽電池としては、単結晶シリコン太陽電池、多結晶シリコン太陽電池、アモルファスシリコン太陽電池、化合物半導体太陽電池などが既に実用化されているが、製造コストの問題や、製造段階でのエネルギー消費が大きいといった問題が指摘されている。このような観点から、比較的安価に製造でき、製造段階でのエネルギー消費も低減できる可能性の高い新規な太陽電池として、色素増感型の太陽電池が注目されはじめている。
色素増感型太陽電池は、一般的に、光の入射する側から、透明基板、透明電極(第一電極層)、色素増感剤が担持された酸化物半導体層、電解質からなる電解質層、および第二電極層を備えた対極基板が順に積層されたセル構造を有する。そして、電解質層には、電解液が充填されている。
色素増感型太陽電池において、電解液は、対向電極基板または透明電極基板のいずれかに孔を形成しておいて、第二電極基板と透明電極基板との周縁部を接着剤等で封止した後に、その孔から注入する方法により充填されるのが一般的である(特開2004−319112号公報:特許文献1等)。しかし、太陽電池を長期間使用すると電解液が枯渇する場合があり、電解液の枯渇により光電変換効率が著しく低下してしまう恐れがある。また、太陽電池が破損した時に有機溶剤を含む電解液が太陽電池から漏洩してしまうため、安全性の問題も指摘されている。
このような問題に対して電解液をペースト化し、透明電極上に直接塗布する方法が提案されている(国際公開WO2005/006482号公報:特許文献2)。しかし、電解液をペースト化して塗布する方法を採用した場合、電解液の充填量の厳密なコントロールが困難となる場合がある。
特開2007−335228号公報(特許文献3)には、透明電極基板および対向電極基板の一部を残してその周縁部をヒートシールして袋状とし、非シール部分から電解液を注入した後に、非シール部分を封止することにより、孔を設けずに電解液を注入でき、かつ電解液の漏洩を抑制できる太陽電池が提案されている。
特開2004−319112号公報 国際公開WO2005/006482号公報 特開2007−335228号公報
しかしながら、透明電極基板および対向電極基板の周縁部をシールして袋状とすると、その中に充填された電解液やセパレータ等の厚みのため、電極基板が湾曲して撓みが生じてしまう。特に、透明電極基板は、一般的にITO等の透明電極材料を用いて形成されているため、透明電極基板の撓みや歪みにより、電極にクラックが生じる場合がある。
また、両電極基板の周縁部をヒートシールする際の熱により電極自体が熱劣化し、光電効率の低下を招く場合があった。
したがって、本発明の目的は、製造時に電極基板に負荷がかからず、かつヒートシールの際の熱による劣化を抑制できる、注入孔を有さない色素増感型太陽電池を提供することである。
また、本発明の別の目的は、製造時に電極基板に負荷がかからず、かつヒートシールの際の熱による劣化を抑制できる、色素増感型太陽電池の製造方法を提供することである。
本発明による色素増感型太陽電池は、透明導電膜を備えた支持体上の少なくとも一部に、色素を担持した酸化物半導体層が設けられてなる光電極基板と、前記酸化物半導体層に対向するように対極基板と、が電解液層を介して積層された色素増感型太陽電池であって、
前記光電極基板、前記電解液層、および前記対極基板が、一対の基材シートの周縁部が互いに接着された密閉袋体中に封入されており、
前記光電極基板の少なくとも一部および前記対極基板の少なくとも一部が、前記密閉袋体から突出していることを特徴とするものである。
また、本発明の別の態様による色素増感型太陽電池の製造方法は、一対の基材シートの間に、透明導電膜を備えた支持体上の少なくとも一部に、色素を担持した酸化物半導体層が設けられてなる光電極基板と、前記酸化物半導体層に対向するように対極基板とを重ね合わせること、
前記一対の基材シートの周縁部を、一部を残して互いに接着して非密閉袋体を形成すること、
前記基材シートどうしが接着していない開口部分から、非密閉袋体中に電解液を充填すること、および
前記開口部分の基材シート周縁部を接着して、密閉袋体を形成すること、を含んでなることを特徴とするものである。
さらに、本発明においては、上記色素増感型太陽電池が複数連結された色素増感型太陽電池モジュールであって、一方の色素増感型太陽電池の密閉袋体から突出した光電極基板と、他方の色素増感型太陽電池の密閉袋体から突出した対極基板とが互いに連結している、色素増感型太陽電池モジュールも提供される。
本発明においては、注入孔を有さない電解液密封型の色素増感型太陽電池であるため、電解液が枯渇したり、使用時に電解液が漏洩したりすることがない。また、密封型の色素増感型太陽電池を製造する際にも、電極基板に負荷がかからないため、電極基板が破損することを抑制できる。さらに、基材シートをヒートシールして密閉型の色素増感型太陽電池を製造する際にも、電極基板自体に熱がかからないため、電極基板の熱劣化を抑制できる。
また、光電極基板と対極基板とを直接ヒートシールする場合、特開2007−335228号公報にも示唆されているように、電極基板の耐熱性や熱劣化を考慮すると、ヒートシール温度をできるだけ低温で行う必要があったが、本発明においては、一対の基材シートからなる袋体を形成するために、基材シートの周縁部をヒートシールするため、光電極基板と対極基板に直接熱の影響を及ぼさないため、比較的高温でヒートシールすることができ、高いシール性を持つ袋体を形成できる。その結果、耐久性が高く、かつ電解液の漏洩も防止できる色素増感型太陽電池を実現できる。
<色素増感型太陽電池>
本発明による色素増感型太陽電池を、図面を参照しながら、以下説明する。
図1は、本発明による色素増感型太陽電池の概略断面図を示したものである。本発明による色素増感型太陽電池は、透明導電膜を備えた支持体上の少なくとも一部に、色素を担持した酸化物半導体層が設けられてなる光電極基板3と、前記酸化物半導体層に対向するように対極基板2と、が電解液層4を介して積層された構造を有し、前記光電極基板3、前記電解液層4、および前記対極基板2が、一対の基材シート1,5の周縁部が互いに接着された密閉袋体中に封入された構造を有する。そして、その密閉袋体から、光電極基板の少なくとも一部9および前記対極基板2の少なくとも一部8,9が突出している。この2つの突出部分9,8は、太陽電池からの起電力を外部へ取り出すための電極端子として機能する。
すなわち、本発明による色素増感型太陽電池は、電解液層を含めた光電極基板および対極基板が、一対の基材シートの周縁部を接着した密閉袋体中に配置されており、従来の太陽電池のような電解液注入孔を有していない。したがって、太陽電池を使用するうちに電解液が漏洩したり、枯渇したりすることがなく、長期にわたり安定して光電変換を行うことができる。なお、このような注入孔を有なさい構造の色素増感型太陽電池の、電解液の注入方法については後述する。
また、図1に示すように、光電極基板3の酸化物半導体層および電解液層4が積層された部分は、突出部8,9よりも、厚みを有している。しかし、本発明においては、この厚みのある部分のみが、一対の基材シート1,5によって覆われ、厚みのない突出部9,8は基材シート1,5からなる袋体の外部へと延びた構造としたものである。このような構造とすることにより、色素増感型太陽電池の製造の際に、基材シート周縁部に圧力および熱をかけても、光電極基板や対極基板に歪みがかからないため、基板の破損を防止できる。
図2は、本発明による色素増感型太陽電池の積層構造を模式的に示したものである。光電極基板3は、外部に起電力を取り出すための突出部9を備えた形状を有するものである。この突出部は、一対の基材シート1,5の周縁部を接着して密閉状態とした袋体から外部に向かって突出している必要があるが、突出部自体の形状は図2に示すような矩形のみならず、棒状であってもよく、特に限定されるものではない。
また、この突出部9は、外部に起電力を取り出すための電極として機能するものであり、支持体上に透明電極膜を積層することにより形成される。
上記のように、光電極基板3は支持体上に透明電極膜を積層した構造を有するが、光電極基板3の少なくとも一部に、色素を担持した酸化半導体層が設けられている。好ましくは、光電極基板3上の、突出部9以外の部分に酸化半導体層が設けられる。そして、光電極基板3のうち、酸化物半導体層が設けられた部分は、一対の基材シートからなる袋体中に配置されることになる。
対極基板2は、光電極基板3の酸化物半導体層と対向するように配置されるが、光電極基板3と同様に、外部に起電力を取り出すための突出部8を備えた形状を有するものである。この突出部は、一対の基材シート1,5の周縁部を接着して密閉状態とした袋体から外部に向かって突出している必要があるが、突出部自体の形状は図2に示すような矩形のみならず、棒状であってもよく、特に限定されるものではない。また、突出部の位置は特に限定されるものではないが、短絡を防止するため、光電極基板3の突出部9の位置とは異なる場所に配置することが好ましい。例えば、図2に示すように、一対の基材シート1,5からなる袋体の一辺から、光電極基板3を突出させ、対向する一辺から、対極基板2を突出させることができる。
本発明による色素増感型太陽電池は、光電極基板3と対極基板2とが、電解液層4を介して積層された構造を有する。この電解液層は、電解液のみから構成されてもよいが、光電極基板3と対極基板2とが直接接触して短絡するのを防止するため、電気絶縁層を介して両者を積層することができる。
次に、本発明による色素増感型太陽電池を構成する各部材について説明する。
<支持体>
光電極基板の支持体は、通常、色素増感型太陽電池素子の受光面となるものである。従って、支持体は光の透過性に優れていることが好ましい。本発明において、支持体の種類等は、特に限定されるものではなく、一般的な色素増感型太陽電池素子と同様のものを用いることができる。具体的には、ガラス、可塑性のないリジッド材、フィルム基材等を挙げることができるがこれらに限定されるものではない。リジッド材としては、例えば石英ガラス、パイレックス(登録商標)、合成石英板等を挙げることができる。また、フィルム基材としては、例えば、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体フィルム、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエーテルサルフォン(PES)フィルム、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)フィルム、ポリエーテルイミド(PEI)フィルム、ポリイミド(PI)フィルム、ポリエステルナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)等の樹脂フィルム基材等を挙げることができ、中でも二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)、ポリエステルナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)が好ましい。フィルム基材は加工性に優れ、製造コストの低減ができる。
また、上記支持体は、一種類のみを単独で用いても良く、また、2種以上を積層して用いても良い。
支持体の厚みは、特に限定されるものではないが、支持体の強度、加工性の観点から、12〜200μm程度が好ましい。
<透明電極膜>
透明電極膜は、上記した支持体上に形成され、光照射により生じる電荷を集電する機能を有するものである。従って、上記透明電極膜は光の透過性、導電性に優れていることが好ましい。本発明において、透明電極膜の種類等は、特に限定されるものではなく、一般的な色素増感型太陽電池素子と同様のものを用いることができる。
透明電極膜は、通常、金属酸化物からなるものである。上記金属酸化物としては、例えば、SnO、FTO(フッ素ドープ酸化すず)、ATO(アンチモンドープ酸化すず)、ITO、ZnOを挙げることができ、中でもFTOおよびITOが好ましい。FTOおよびITOは、光の透過性、導電性に優れているからである。
また、上記透明電極膜は、単層構造を有するものであっても良く、複層構造を有するものであっても良い。複層構造の透明電極膜としては、例えば、互いに仕事関数が異なる層を積層したもの、互いに異なる金属酸化物層を積層したもの等を挙げることができる。
上記透明電極膜の厚みとしては、特に限定されるものではないが、例えば5nm〜2000nmの範囲内、中でも10nm〜1000nmの範囲内であることが好ましい。透明電極膜の厚みが小さすぎると、充分な導電性を得ることができない可能性があり、透明電極膜の厚みが大きすぎると、均質な透明電極層を形成することが困難になる可能性があるからである。
<酸化物半導体層>
酸化物半導体層は、上記の透明電極膜上に形成され、一般的に、色素増感剤を含有する多孔質の層である。本発明において、上記酸化物半導体層の種類等は、特に限定されるものではなく、一般的な色素増感型太陽電池素子と同様のものを用いることができる。
酸化物半導体層は、通常、金属酸化物半導体微粒子を含有するものである。上記金属酸化物半導体微粒子としては、例えば、TiO、ZnO、SnO、ITO、ZrO、MgO、Al、CeO、Bi、Mn、Y、WO、Ta、Nb、La等を挙げることができ、中でもTiOが好ましい。これらの金属酸化物半導体微粒子は、多孔質の酸化物半導体層を形成するのに適しているため、好適に用いられる。また、上記金属酸化物半導体微粒子は、コアシェル構造を有するものであっても良い。さらに、上記酸化物半導体層は、上記金属酸化物半導体微粒子を一種用いたものであっても良く、二種以上用いたものであっても良い。
また、上記金属酸化物半導体微粒子の粒径としては、特に限定されるものではないが、例えば1nm〜10μmの範囲内、中でも10nm〜1000nmの範囲内であることが好ましい。金属酸化物半導体微粒子の粒径が小さすぎると、各々の金属酸化物半導体微粒子が凝集し二次粒子を形成する可能性があり、金属酸化物半導体微粒子の粒径が大きすぎると、酸化物半導体層が厚膜化し、膜抵抗が大きくなる可能性があるからである。
一方、上記酸化物半導体層は、通常、色素増感剤を担持するものである。上記色素増感剤としては、特に限定されるものではないが、例えば有機色素または金属錯体色素を挙げることができる。上記有機色素としては、具体的にはアクリジン系色素、アゾ系色素、インジゴ系色素、キノン系色素、クマリン系色素、メロシアニン系色素、フェニルキサンテン系色素等が挙げられ、中でもクマリン系色素が好ましい。一方、上記金属錯体色素としては、具体的には、ルテニウム系色素を挙げることができ、中でもルテニウム錯体であるルテニウムビピリジン色素およびルテニウムターピリジン色素が好ましい。
上記酸化物半導体層の厚みとしては、特に限定されるものではないが、例えば1μm〜100μmの範囲内、中でも5μm〜30μmの範囲内であることが好ましい。酸化物半導体層の厚みが小さすぎると、均一な厚みを有する酸化物半導体層を形成するのが困難になる可能性があり、また、色素吸収量が低減するため光吸収量が低下する。一方、酸化物半導体層の厚みが大きすぎると、酸化物半導体層の膜抵抗が高くなる可能性があるからである。
<電解液層>
電解液層は、上記した酸化物半導体層と後記する対極基板との間に設けられるものである。電解液層は、酸化物半導体層に担持された色素増感剤と対向電極層との間の電荷輸送を担う機能を有する。
電解液としては、一般的な色素増感型太陽電池素子と同様のものを用いることができ、具体的には、プロピレンカーボネートに、ヨウ素、N−メチルベンゾイミダゾール、グアジニウムチオシアネート、ヨウ化リチウムを溶解させた電解液等を好適に用いることができる。
上記電解液層は酸化還元対を含有するものである。上記酸化還元対としては、上記したような色素増感型太陽電池用電解質に用いられるヨウ素−ヨウ素化合物、臭素−臭素化合物等を挙げることができる。
また、上記電解液層の形態としては、電荷輸送を行うことができるものであれば特に限定されるものではなく、液体状のものや固体状または半固体状のものを使用できる。上記電解液層が液体状の電解質からなる場合は、光電極基板と対極基板との接触による短絡を防ぐため、電気絶縁層を酸化物半導体層と対極基板との間に配置することが好ましい。
電気絶縁層は、一般的な色素増感型太陽電池に用いられるものを使用でき、例えばハイポア(旭化成ケミカルズ)等を好適に使用できる。また、リチウムイオン電池に一般的に使用されているセパレータを、電気絶縁層として使用してもよい。
<対極基板>
対極基板は、上記した酸化物半導体層と対向して設けられる。本発明において、上記対極基板の種類等は、特に限定されるものではなく、一般的な色素増感型太陽電池素子と同様のものを用いることができる。また、上記対極基板としては、上記した支持体上に透明電極膜を設けたものと同様の材料を用いることができる。さらに、本発明においては、対極基板が、酸化物半導体層側表面に、触媒層としての働きを有する金属、例えばPt、C、導電性高分子等を有することが好ましい。
本発明に用いられる色素増感型太陽電池素子は、上記の各構成部材を積層することにより形成される。色素増感型太陽電池素子の形状としては、特に限定されるものではないが、例えば、短冊状、円状、渦巻き状等を挙げることができる。
<基材シート>
一対の基材シートのうち、前記光電極基板側の基材シートは透明材料から形成されることが好ましい。光の透過率が高い材料を用いることにより、光電効率が向上するからである。
透明材料としては、無色透明のものに限らず、有色透明材料を使用してもよい。また、半透明材料を使用することもできる。
基材シートは、色素増感型太陽電池の最外層を構成するものであるため、外部からの物理的衝撃から、包装材、内容物を保護するための耐衝撃性、ヒートシールに耐える耐熱性、および印刷適性を有する樹脂のフィルムないしシートを使用することができる。
具体的には、ポリエステル、ポリアミド等の樹脂からなるフィルムやシートを使用することが機械的特性、熱的特性等の点から好ましい。
上記の樹脂フィルムないしシートとしては、一軸方向または二軸方向に延伸した延伸フィルム等のいずれのものでも使用することができるが、特に二軸延伸加工を施したフィルムを用いることが好ましく、包装体の耐熱性、耐衝撃性をさらに向上させることができる。
基材フィルムの厚さは5〜1000μm程度とすることができるが、100〜400μm程度が好ましい。
本発明においては、基材シートはガスバリア性を有していることが好ましい。ガスバリア性を有することにより、電解液の枯渇が抑制できるだけでなく、外部から酸素等の侵入を抑制できるため、色素増感型太陽電池の酸化による劣化を抑制できる。
ガスバリア性を有する基材シート材料としては、例えば、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、その他等の樹脂を挙げることができる。これら樹脂からなる基材シートを用いてもよく、また、これら樹脂からなるシートを積層した透明基材シートを用いてもよい。
上記の樹脂からなる基材シートとしては、未延伸フィルム、あるいは一軸方向または二軸方向に延伸した延伸フィルム等のいずれのものでも使用することができるが、中でも、二軸延伸フィルムが耐熱性に優れる点で好ましい。
本発明においては、基材シートは、ヒートシール性を有することが好ましい。ヒートシール性の基材シートとは、熱によって溶融し相互に融着し得るものであって、かつ透明であればよく、溶融押出し樹脂層か、または、合成樹脂フィルム層を使用できる。具体的には、上記したような熱可塑性樹脂を使用することができる。透明な熱可塑性樹脂であればよく、例えば、低密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、線状低密度ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、アイオノマー樹脂、アクリル系樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体樹脂、エチレン−メタクリル酸共重合体樹脂、エチレン−プロピレン共重合体樹脂、メチルペンテン樹脂、ポリブテン樹脂、酸変性ポリオレフィン系樹脂、ウレタン系樹脂等の樹脂を使用することができる。なお、基材シートのヒートシールされる最表面の材料が上記のようなヒートシール性樹脂から形成されていればよく、上記したようなガスバリア性シートと積層した基材シートを好適に使用できる。
<色素増感型太陽電池の製造方法>
本発明による色素増感型太陽電池の製造方法は、図2に示すように、上記した光電極基板3と、対極基板2とを、一対の基材シート1,5の間に重ね合わせ、一対の基材シート1,5の周縁部6を、一部を残して互いに接着して非密閉袋体を形成し、基材シート1,5どうしが接着していない開口部分7から、非密閉袋体中に電解液を充填し、そして、前記開口部分の基材シート周縁部7を接着して、密閉袋体を形成すること、を含んでなるものである。
基材シートどうしの周縁部を接着して袋体を形成するには、基材シートどうしを、その周縁部を接着することにより行う。接着方法は、特に限定されるものではなく、熱硬化性樹脂や紫外線硬化性樹脂等の接着剤を用いたり、ヒートシール法により接着できるが、本発明においては、ヒートシール法を用いることが好ましい。基材シート1,5の周縁部6をヒートシールするには、通常の包装材料をラミネートする方法、例えば、ウエットラミネーション法、ドライラミネーション法、無溶剤型ドライラミネーション法、押し出しラミネーション法、Tダイ押し出し成形法、共押し出しラミネーション法、インフレーション法、共押し出しインフレーション法、その他等で行うことができる。
本発明においては、ヒートシール面6に、例えば、コロナ処理、オゾン処理、フレーム処理、その他の前処理を施しておいてもよい。このような処理により、より強固な接着を実現できる。
接着層としては、例えば、ポリエステル系、イソシアネート系(ウレタン系)、ポリエチレンイミン系、ポリブタジエン系、有機チタン系等のアンカーコーティング剤、あるいはポリウレタン系、ポリアクリル系、ポリエステル系、エポキシ系、ポリ酢酸ビニル系、セルロース系、その他等のラミネート用接着剤等のアンカーコート剤、接着剤等を使用すること層間密着性に優れる点で好ましい。
アンカーコート層としては、具体的には、例えば、有機チタン系アンカーコーティング剤、イソシアネート系アンカーコーティング剤、ポリエチレンイミン系アンカーコーティング剤、ポリブタジェン系アンカーコーティング剤等を使用することができる。
本発明においては、上記のようなアンカーコーティング剤を使用して、例えば、グラビアコート、ロールコート等の通常のコーティング法でコーティングしてプライマー層を形成することができる。また、そのコート量としては、0.1g/m2〜3g/m2 位が好ましい。また、このような形成面側には、接着力を高めるために、予め、コロナ放電処理を施してもよい。
上記において、ヒートシールの方法としては、例えば、バーシール、回転ロールシール、ベルトシール、インパルスシール、高周波シール、超音波シール等の公知の方法で行うことができる。
袋体の形成は、基材シート二枚を重ね合わせ、更にその外周の周辺端部を、例えば、三方シール型等のヒートシール形態によりヒートシールして、一部に開口を有する非密閉の袋体を先ず形成した後、図3に示すように、その開口部から電解液を注入した後、開口部分の基材シート周縁部を、上記と同様にしてヒートシールすることにより、密閉型の袋体を形成することができる。
<色素増感型太陽電池モジュール>
本発明による色素増感型太陽電池モジュールは、複数の色素増感型太陽電池が配列して接続された構造を有する。各電池の接続は、直列に接続されたものであってもよく、また並列に接続されたものであってもよい。例えば、図4に示すように、一方の色素増感型太陽電池の密閉袋体から突出した光電極基板9と、他方の色素増感型太陽電池の密閉袋体から突出した対極基板8とが互いに連結させることができる。
以下、実施例及び比較例により、本発明を更に詳細に説明するが、本発明がこれら実施例に限定されるものではない。
<光電極基板の作製>
ポリエチレンテレフタレートからなる支持体上に、ITOをスッパッタにて蒸着し、表面抵抗が20Ω/□のITO−PET基板を作製した。この基板上に、酸化チタンペースト(Nanoxide D-L 、Solaronix製)を、膜厚が10μmとなるように、アプリケーターにより塗布し、酸化物半導体層を形成した。その後、酸化物半導体層を設けたITO−PET基板を120℃で10分間、加熱乾燥した。冷却後、色素増感剤としてルテニウム錯体(Soalronix製)を、アセトニトリルとtert-ブチルアルコールとの1:1混合溶液に、濃度3×10−4mol/lとなるように溶解させた吸着用色素溶液を調製し、この溶液中に、上記の酸化物半導体層を設けたITO−PET基板を24時間浸漬させて、増感色素を酸化物半導体層に担持させた。
基板を、図2の光電極基板3のような形状に加工し、突出部のみ、酸化物半導体層をトリミングにより除去してITO層が最表面となるようして電極取り出し口とした、光電極基板を得た。
<対極基板の作製>
上記と同様のITO−PET基板上に、白金をスッパッタ蒸着した基板を、図2の対極基板2のような形状に加工して対極基板を得た。
<電解液の調製>
プロピレンカーボネート(純正化学製)10mlに対して、ヨウ素(メルク製)0.2mol/l、N−メチルベンゾイミダゾール(アルドリッチ製)0.5mol/l、グアニジウムチオシアネート(アルドリッチ製)0.1mol/l、ヨウ化リチウム(和光製)2mol/lを溶解し、電解液を調製した。
<セル組み>
光電極基板側に配置される基材シート1として、厚さ50μmのアイオノマー樹脂を用いた。また、対極基板側に配置される基板シート2として、アルミニウム箔(厚さ40μm)とポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ125μm)とを二液硬化型ポリウレタン系接着剤を介して積層し、次いで、アルミニウム箔を設けていないポリエチレンテレフタレートフィルム面に、厚さ30μmのCPPフィルム(FILAX製)の無延伸ポリプロピレン層側を熱圧着したものを用いた。
基材シート2の周縁部0.5cmがのりしろとなるように、対極基板を基材シート2上に配置した。このとき、対極基板の突出部が、基材シート2からはみ出すように配置した。この対極基板上に、セパレータとして9cm□に加工したハイポア(旭化成ケミカルズ製)を、基材シート2の周縁部から0.5cmののりしろとなるように配置した。このセパレータ上に、上記で得られた光電極基板を配置した後、基材シート1をその上に重ねて配置した積層物を作製した。
次いで、その積層物の、基材シート周縁部の三方を、ヒートシーラーを用いて0.5cm幅にて接着し、一辺の開口部を有する袋体を形成した。この開口部から上記電解液を注入し、真空下で開口部をヒートシールして基材シートどうしを接着することにより、密封袋体状の色素増感型太陽電池を作製した。
<太陽電池セルの性能評価>
得られた太陽電池に、AM1.5、疑似太陽光(入射強度100mW/cm)を光源として、基材シート2側から光を照射したときの光電変換効率を測定した。変換効率の測定は、ソースメジャーユニット(ケースレー2400型)を用い、電圧印可による電流電圧特性を測定することにより行った。その結果、電圧0.6Vであり、変換効率は2.04%であった。
<太陽電池モジュールの作製>
上記で得られた太陽電池と同様の太陽電池を作製し、一方の光電極基板の突出部と、他方の対極基板の突出部とを接合することにより、直列接続した太陽電池モジュールを作製した。
得られた太陽電池モジュールの性能評価を、上記と同様にして行ったところ、1.15Vの電圧であった。
本発明による色素増感型太陽電池の概略断面図を示したものである。 本発明による色素増感型太陽電池の積層構成を示す図である。 本発明による色素増感型太陽電池の製造方法において、電解液を注入する工程の一実施態様を示した図である。 複数の色素増感型太陽電池を連結した構造の色素増感型太陽電池モジュールを示した図である。
符号の説明
1 基材シート
2 対極基板
3 光電極基板
4 電解液層
5 基材シート
6 基材シートの周縁部(シール部分)
7 未ヒートシール部分
8 対極基板の突出部
9 光電極基板の突出部

Claims (8)

  1. 透明導電膜を備えた支持体上の少なくとも一部に、色素を担持した酸化物半導体層が設けられてなる光電極基板と、前記酸化物半導体層に対向するように対極基板と、が電解液層を介して積層された色素増感型太陽電池であって、
    前記光電極基板、前記電解液層、および前記対極基板が、一対の基材シートの周縁部が互いに接着された密閉袋体中に封入されており、
    前記光電極基板の少なくとも一部および前記対極基板の少なくとも一部が、前記密閉袋体から突出していることを特徴とする、色素増感型太陽電池。
  2. 前記光電極基板および前記対極基板が、前記一対基材シートの接着界面から、突出している、請求項1に記載の色素増感型太陽電池。
  3. 前記一対の基材シートのうち、前記光電極基板側の基材シートが、透明である、請求項1または2に記載の色素増感型太陽電池。
  4. 前記一対の基材シートが、ガスバリア性を有するシートからなる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の色素増感型太陽電池。
  5. 前記電解液層が、電解液および電気絶縁層からなる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の色素増感型太陽電池。
  6. 前記一対の基材シートが、ヒートシール性を有するシートからなる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の色素増感型太陽電池。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の色素増感型太陽電池を製造する方法であって、
    一対の基材シートの間に、透明導電膜を備えた支持体上の少なくとも一部に、色素を担持した酸化物半導体層が設けられてなる光電極基板と、前記酸化物半導体層に対向するように対極基板とを重ね合わせること、
    前記一対の基材シートの周縁部を、一部を残して互いに接着して非密閉袋体を形成すること、
    前記基材シートどうしが接着していない開口部分から、非密閉袋体中に電解液を充填すること、および
    前記開口部分の基材シート周縁部を接着して、密閉袋体を形成すること、を含んでなることを特徴とする、方法。
  8. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の色素増感型太陽電池が複数連結された色素増感型太陽電池モジュールであって、一方の色素増感型太陽電池の密閉袋体から突出した光電極基板と、他方の色素増感型太陽電池の密閉袋体から突出した対極基板とが互いに連結している、色素増感型太陽電池モジュール。
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