JP5510771B2 - 色素増感型太陽電池 - Google Patents
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Description
前記光電極基板、前記電解液層、および前記対極基板が、一対の基材シートの周縁部が互いに接着された密閉袋体中に封入されており、
前記光電極基板の少なくとも一部および前記対極基板の少なくとも一部が、前記密閉袋体から突出していることを特徴とするものである。
前記一対の基材シートの周縁部を、一部を残して互いに接着して非密閉袋体を形成すること、
前記基材シートどうしが接着していない開口部分から、非密閉袋体中に電解液を充填すること、および
前記開口部分の基材シート周縁部を接着して、密閉袋体を形成すること、を含んでなることを特徴とするものである。
本発明による色素増感型太陽電池を、図面を参照しながら、以下説明する。
光電極基板の支持体は、通常、色素増感型太陽電池素子の受光面となるものである。従って、支持体は光の透過性に優れていることが好ましい。本発明において、支持体の種類等は、特に限定されるものではなく、一般的な色素増感型太陽電池素子と同様のものを用いることができる。具体的には、ガラス、可塑性のないリジッド材、フィルム基材等を挙げることができるがこれらに限定されるものではない。リジッド材としては、例えば石英ガラス、パイレックス(登録商標)、合成石英板等を挙げることができる。また、フィルム基材としては、例えば、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体フィルム、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエーテルサルフォン(PES)フィルム、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)フィルム、ポリエーテルイミド(PEI)フィルム、ポリイミド(PI)フィルム、ポリエステルナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)等の樹脂フィルム基材等を挙げることができ、中でも二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)、ポリエステルナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)が好ましい。フィルム基材は加工性に優れ、製造コストの低減ができる。
透明電極膜は、上記した支持体上に形成され、光照射により生じる電荷を集電する機能を有するものである。従って、上記透明電極膜は光の透過性、導電性に優れていることが好ましい。本発明において、透明電極膜の種類等は、特に限定されるものではなく、一般的な色素増感型太陽電池素子と同様のものを用いることができる。
酸化物半導体層は、上記の透明電極膜上に形成され、一般的に、色素増感剤を含有する多孔質の層である。本発明において、上記酸化物半導体層の種類等は、特に限定されるものではなく、一般的な色素増感型太陽電池素子と同様のものを用いることができる。
電解液層は、上記した酸化物半導体層と後記する対極基板との間に設けられるものである。電解液層は、酸化物半導体層に担持された色素増感剤と対向電極層との間の電荷輸送を担う機能を有する。
対極基板は、上記した酸化物半導体層と対向して設けられる。本発明において、上記対極基板の種類等は、特に限定されるものではなく、一般的な色素増感型太陽電池素子と同様のものを用いることができる。また、上記対極基板としては、上記した支持体上に透明電極膜を設けたものと同様の材料を用いることができる。さらに、本発明においては、対極基板が、酸化物半導体層側表面に、触媒層としての働きを有する金属、例えばPt、C、導電性高分子等を有することが好ましい。
一対の基材シートのうち、前記光電極基板側の基材シートは透明材料から形成されることが好ましい。光の透過率が高い材料を用いることにより、光電効率が向上するからである。
本発明による色素増感型太陽電池の製造方法は、図2に示すように、上記した光電極基板3と、対極基板2とを、一対の基材シート1,5の間に重ね合わせ、一対の基材シート1,5の周縁部6を、一部を残して互いに接着して非密閉袋体を形成し、基材シート1,5どうしが接着していない開口部分7から、非密閉袋体中に電解液を充填し、そして、前記開口部分の基材シート周縁部7を接着して、密閉袋体を形成すること、を含んでなるものである。
本発明による色素増感型太陽電池モジュールは、複数の色素増感型太陽電池が配列して接続された構造を有する。各電池の接続は、直列に接続されたものであってもよく、また並列に接続されたものであってもよい。例えば、図4に示すように、一方の色素増感型太陽電池の密閉袋体から突出した光電極基板9と、他方の色素増感型太陽電池の密閉袋体から突出した対極基板8とが互いに連結させることができる。
ポリエチレンテレフタレートからなる支持体上に、ITOをスッパッタにて蒸着し、表面抵抗が20Ω/□のITO−PET基板を作製した。この基板上に、酸化チタンペースト(Nanoxide D-L 、Solaronix製)を、膜厚が10μmとなるように、アプリケーターにより塗布し、酸化物半導体層を形成した。その後、酸化物半導体層を設けたITO−PET基板を120℃で10分間、加熱乾燥した。冷却後、色素増感剤としてルテニウム錯体(Soalronix製)を、アセトニトリルとtert-ブチルアルコールとの1:1混合溶液に、濃度3×10−4mol/lとなるように溶解させた吸着用色素溶液を調製し、この溶液中に、上記の酸化物半導体層を設けたITO−PET基板を24時間浸漬させて、増感色素を酸化物半導体層に担持させた。
上記と同様のITO−PET基板上に、白金をスッパッタ蒸着した基板を、図2の対極基板2のような形状に加工して対極基板を得た。
プロピレンカーボネート(純正化学製)10mlに対して、ヨウ素(メルク製)0.2mol/l、N−メチルベンゾイミダゾール(アルドリッチ製)0.5mol/l、グアニジウムチオシアネート(アルドリッチ製)0.1mol/l、ヨウ化リチウム(和光製)2mol/lを溶解し、電解液を調製した。
光電極基板側に配置される基材シート1として、厚さ50μmのアイオノマー樹脂を用いた。また、対極基板側に配置される基板シート2として、アルミニウム箔(厚さ40μm)とポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ125μm)とを二液硬化型ポリウレタン系接着剤を介して積層し、次いで、アルミニウム箔を設けていないポリエチレンテレフタレートフィルム面に、厚さ30μmのCPPフィルム(FILAX製)の無延伸ポリプロピレン層側を熱圧着したものを用いた。
得られた太陽電池に、AM1.5、疑似太陽光(入射強度100mW/cm2)を光源として、基材シート2側から光を照射したときの光電変換効率を測定した。変換効率の測定は、ソースメジャーユニット(ケースレー2400型)を用い、電圧印可による電流電圧特性を測定することにより行った。その結果、電圧0.6Vであり、変換効率は2.04%であった。
上記で得られた太陽電池と同様の太陽電池を作製し、一方の光電極基板の突出部と、他方の対極基板の突出部とを接合することにより、直列接続した太陽電池モジュールを作製した。
2 対極基板
3 光電極基板
4 電解液層
5 基材シート
6 基材シートの周縁部(シール部分)
7 未ヒートシール部分
8 対極基板の突出部
9 光電極基板の突出部
Claims (8)
- 透明導電膜を備えた支持体上の少なくとも一部に、色素を担持した酸化物半導体層が設けられてなる光電極基板と、前記酸化物半導体層に対向するように対極基板と、が電解液層を介して積層された色素増感型太陽電池であって、
前記光電極基板、前記電解液層、および前記対極基板が、一対の基材シートの周縁部が互いに接着された密閉袋体中に封入されており、
前記光電極基板の少なくとも一部および前記対極基板の少なくとも一部が、前記密閉袋体から突出していることを特徴とする、色素増感型太陽電池。 - 前記光電極基板および前記対極基板が、前記一対基材シートの接着界面から、突出している、請求項1に記載の色素増感型太陽電池。
- 前記一対の基材シートのうち、前記光電極基板側の基材シートが、透明である、請求項1または2に記載の色素増感型太陽電池。
- 前記一対の基材シートが、ガスバリア性を有するシートからなる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の色素増感型太陽電池。
- 前記電解液層が、電解液および電気絶縁層からなる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の色素増感型太陽電池。
- 前記一対の基材シートが、ヒートシール性を有するシートからなる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の色素増感型太陽電池。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の色素増感型太陽電池を製造する方法であって、
一対の基材シートの間に、透明導電膜を備えた支持体上の少なくとも一部に、色素を担持した酸化物半導体層が設けられてなる光電極基板と、前記酸化物半導体層に対向するように対極基板とを重ね合わせること、
前記一対の基材シートの周縁部を、一部を残して互いに接着して非密閉袋体を形成すること、
前記基材シートどうしが接着していない開口部分から、非密閉袋体中に電解液を充填すること、および
前記開口部分の基材シート周縁部を接着して、密閉袋体を形成すること、を含んでなることを特徴とする、方法。 - 請求項1〜6のいずれか一項に記載の色素増感型太陽電池が複数連結された色素増感型太陽電池モジュールであって、一方の色素増感型太陽電池の密閉袋体から突出した光電極基板と、他方の色素増感型太陽電池の密閉袋体から突出した対極基板とが互いに連結している、色素増感型太陽電池モジュール。
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