JP5510651B2 - 偏心測定方法、偏心測定装置、該偏心測定装置の制御プログラム、回転装置、該回転装置の製造方法 - Google Patents

偏心測定方法、偏心測定装置、該偏心測定装置の制御プログラム、回転装置、該回転装置の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、複数の識別符号が同一円周上に等間隔に配置されて識別符号群が形成されたロータリースケールの回転軸に対する前記識別符号群の偏心量又は偏心位相を測定する偏心測定方法、偏心測定装置、該偏心測定装置の制御プログラム、ロータリースケールを用いて回転体の回転制御を実行する制御装置を備えた回転装置、該回転装置の製造方法に関する。
DCモーター等の駆動力源の駆動力で回転する回転体の回転速度又は回転位相を高精度に制御する技術としては、いわゆるロータリースケールを用いた回転装置が公知である。このロータリースケールは、複数の識別符号(スリット等)が同一円周上に等間隔に配置されて識別符号群が形成されており、回転体又は駆動力源の駆動軸とともに回転するように設けられる。そして、ロータリースケールの識別符号を検出可能な位置にセンサーを配設する。このセンサーからは、ロータリースケールの回転速度に応じた周期のパルス信号(識別符号の検出信号)が回転量に応じた数だけ出力されることになる。したがって、このセンサーの出力信号に基づいて駆動力源に印加する電圧等を調整することによって、回転体の回転速度又は回転位相を制御することができる(例えば特許文献1又は2を参照)。
ところがロータリースケールは、理想的には回転軸の軸心と識別符号群の中心とが一致すべきものであるが、現実的には製造公差の範囲内で回転軸に対して識別符号群が偏心した状態で形成される。そのためロータリースケールを用いた回転装置においては、ロータリースケールの回転軸に対する識別符号群の偏心に起因して回転速度制御又は回転位相制御の精度が低下するという課題が生ずる。
このような課題を解決することを目的とした従来技術としては、例えば、識別符号を検出するためのセンサーを180度対向位置に配置した2個一組のセンサー組を異なる位相で複数組配置し、これらセンサーの出力信号をA−D変換した信号を分周することで得られる一回転当たり1回のパルス信号の周期に基づいて、これらセンサーの各出力信号の利得と位相を個々に調整可能な手段を設け、その利得と位相を調整した出力信号を合算した信号に基づいてモーターの回転速度を制御する回転速度制御装置が公知である(例えば特許文献1を参照)。
また上記課題を解決することを目的とした他の従来技術としては、識別符号を検出するための2つのセンサーを任意の位相差をもって配設し、センサーの出力信号差分の1/2である演算信号に含まれる誤差成分の振幅及び位相と、いずれか一のセンサーの出力信号に含まれる誤差成分の振幅及び位相とを一致させる誤差補正値を演算し、その誤差補正値でセンサー出力信号を補正することによって、ロータリースケールの回転軸に対する識別符号群の偏心及び楕円状配置に起因した位相誤差を除去した回転速度変動成分のみの信号を抽出し、その回転速度変動成分のみの信号に基づいてモーターの回転速度を制御することによりモーターの回転速度変動を低減させる技術が公知である(例えば特許文献2を参照)。
特開昭61−227689号公報 特開2009−183113号公報
しかしながら特許文献1又は特許文献2に開示されている従来技術は、いずれもモーターの回転速度の変動(回転ムラ)を抑制する技術である。すなわち、ロータリースケールの回転軸に対する識別符号群の偏心に起因した回転位相制御の精度の低下を低減する技術は、特許文献1にも特許文献2にも何ら開示されておらず示唆する記載もない。
このような状況に鑑み本発明は成されたものであり、本発明の目的は、ロータリースケールを用いた回転装置において、ロータリースケールの回転軸に対する識別符号群の偏心に起因した回転位相制御の精度の低下を低減させることにある。
また本発明の他の目的は、ロータリースケールの回転軸に対する識別符号群の偏心量又は偏心位相を容易に測定することを可能にすることにある。
<本発明の第1の態様>
本発明の第1の態様は、複数の識別符号が同一円周上に等間隔に配置されて識別符号群が形成されたロータリースケールを駆動力源の駆動力で回転させる回転機構と、前記識別符号を検出可能な位置に配設される第1検出センサーと、前記識別符号を検出可能な位置で前記第1検出センサーに対して位相をずらした位置に配設される第2検出センサーと、演算装置と、を備え、前記演算装置は、前記第1検出センサーによる前記識別符号の検出パルス幅と前記第2検出センサーによる前記識別符号の検出パルス幅との比の最大値又は最小値を演算する手段と、前記検出パルス幅の比の最大値又は最小値から前記第1検出センサー又は前記第2検出センサーが検出する前記識別符号の幅の変動量を演算する手段と、前記識別符号の幅の変動量から前記ロータリースケールの回転軸に対する前記識別符号群の偏心量を演算する手段と、を有する、ことを特徴とした偏心測定装置である。
ここで、第1検出センサーの配設位置と第2検出センサーの配設位置との位相差をα、第1検出センサーによる識別符号の検出パルス幅をT(φ,0)、第2検出センサーによる識別符号の検出パルス幅をT(φ,α)、第1検出センサー又は第2検出センサーが検出する識別符号の幅(センサーの検出点の軌跡上における識別符号の回転方向の長さ)をL、その理論値(偏心が0の場合の値)をLc、第1検出センサー及び第2検出センサーの検出点における識別符号の現実の移動速度をV、その理論値をVc、Vの速度変動量をV(φ)、Lの変動量をΔL、ロータリースケールの回転軸に対する識別符号群の偏心量をeとする。
駆動力源の駆動力でロータリースケールを回転させている状態において、第1検出センサーによる識別符号の検出パルス幅T(φ,0)は、以下の式(1)から得られる。また第2検出センサーによる識別符号の検出パルス幅T(φ,α)は、以下の式(2)から得られる。
Figure 0005510651
つまり、第1検出センサー又は第2検出センサーによる識別符号の検出パルス幅は、いずれもロータリースケールの回転軸に対する識別符号群の偏心に起因した変動が生ずる。しかし、第1検出センサー又は第2検出センサーによる識別符号の検出パルス幅の変動は、同時にコギングや回転負荷変動等に起因した駆動力源の回転変動成分も含んでいる。そのため、第1検出センサー又は第2検出センサーによる識別符号の検出パルス幅の変動からは、ロータリースケールの回転軸に対する識別符号群の偏心量を正確に特定することができない。
そこで本発明においては、まず第1検出センサーによる識別符号の検出パルス幅T(φ,0)と第2検出センサーによる識別符号の検出パルス幅T(φ,α)との比の最大値又は最小値を演算する。つまり、第1検出センサーによる識別符号の検出パルス幅に含まれる駆動力源の回転変動成分と第2検出センサーによる識別符号の検出パルス幅に含まれる駆動力源の回転変動成分は、全く同じはずであるから、両者の比をとることによって、ロータリースケールの回転軸に対する識別符号群の偏心に起因したパルス幅変動成分のみを抽出することができる(式(3))。
Figure 0005510651
しかし第1検出センサー及び第2検出センサーから得られるのは、時刻に対応する信号であることから、これからφをリアルタイムに特定することができない。つまり、ロータリースケールは現実には一定速度で回転していないため、φ=ωtとはならない。そこで時刻とφの非線形性を考慮してφ=g(t)とおくと、第1検出センサーによる識別符号の検出パルス幅と第2検出センサーによる識別符号の検出パルス幅との比r(t)は、以下の式(4)から得られる。
Figure 0005510651
ここでr(t)は、極大値と極小値を交互にとりながら変化する。そこで、まず極大値と極小値を求めるために、r(t)をg(t)で微分してr(t)が極値をとるg(t)を求める(式(5)〜式(7))。
Figure 0005510651
これを満たすg(t)をβとすると、r(t)の最大値r(t)max、最小値r(t)minは、以下の式(8)、式(9)で表される。
Figure 0005510651
したがって、φが分からなくても、第1検出センサー及び第2検出センサーの出力信号から最大値r(t)max又は最小値r(t)minを測定することによって、識別符号の幅の変動量ΔLは以下の式(10)から演算することができる。
Figure 0005510651
そして、ロータリースケールの回転軸心から第1検出センサー及び第2検出センサーによる識別符号の検出点までの距離を半径Rとすると、識別符号の幅の変動量ΔLは以下の式(11)で表される。
Figure 0005510651
よって、識別符号の幅の変動量ΔLからロータリースケールの回転軸に対する識別符号群の偏心量eを求めることができる。
このようにして本発明の第1の態様によれば、ロータリースケールの回転軸に対する識別符号群の偏心量を容易に測定することができるという作用効果が得られる。
<本発明の第2の態様>
本発明の第2の態様は、複数の識別符号が同一円周上に等間隔に配置されて識別符号群が形成されたロータリースケールを駆動力源の駆動力で回転させる回転機構と、前記識別符号を検出可能な位置に配設される第1検出センサーと、前記識別符号を検出可能な位置で前記第1検出センサーに対して180度位相をずらした位置に配設される第2検出センサーと、演算装置と、を備え、前記演算装置は、前記第1検出センサーによる前記識別符号の検出パルス幅と前記第2検出センサーによる前記識別符号の検出パルス幅との比の最大値又は最小値を演算する手段と、前記検出パルス幅の比が最大値又は最小値となるときの前記ロータリースケールの回転位相から前記ロータリースケールの回転軸に対する前記識別符号群の偏心位相を演算する手段と、を有する、ことを特徴とした偏心測定装置である。
第2検出センサーは、識別符号を検出可能な位置で第1検出センサーに対して180度位相をずらした位置に配設されている。したがって前記の式(4)においては、α=πということになる。この場合、第1検出センサーによる識別符号の検出パルス幅と第2検出センサーによる識別符号の検出パルス幅との比r(t)が最大値r(t)maxとなるのは、g(t)=π/2のときであり、このときに式(4)の分母は最小になる。
したがって、第1検出センサーによる識別符号の検出パルス幅と第2検出センサーによる識別符号の検出パルス幅との比r(t)が最大値r(t)maxとなるときは、第1検出センサーによる識別符号の検出パルス幅と第2検出センサーによる識別符号の検出パルス幅は、いずれか一方側で最も密になるとともに、他方側で最も粗になる。つまり、このときにロータリースケールの回転軸に対する識別符号群の偏心位相は、第1検出センサーによる識別符号の検出点又は第2検出センサーによる識別符号の検出点と一致した状態となる。よって、第1検出センサーによる識別符号の検出パルス幅と第2検出センサーによる識別符号の検出パルス幅との比r(t)が最大値r(t)maxとなるときのロータリースケールの回転位相からロータリースケールの回転軸に対する識別符号群の偏心位相を求めることができる。
他方、第1検出センサーによる識別符号の検出パルス幅と第2検出センサーによる識別符号の検出パルス幅との比r(t)が最小値r(t)minとなるときには、ロータリースケールの回転軸に対する識別符号群の偏心位相は、第1検出センサーによる識別符号の検出点又は第2検出センサーによる識別符号の検出点に対して90度位相がずれた状態となる。よって、第1検出センサーによる識別符号の検出パルス幅と第2検出センサーによる識別符号の検出パルス幅との比r(t)が最小値r(t)minとなるときのロータリースケールの回転位相からロータリースケールの回転軸に対する識別符号群の偏心位相を求めることができる。
このようにして本発明の第2の態様によれば、ロータリースケールの回転軸に対する識別符号群の偏心位相を容易に測定することができるという作用効果が得られる。
<本発明の第3の態様>
本発明の第3の態様は、駆動力源と、前記駆動力源の駆動力が伝達されて回転する回転体と、複数の識別符号が同一円周上に等間隔に配置されて識別符号群が形成され、前記回転体又は前記駆動力源の駆動軸とともに回転するロータリースケールと、前記識別符号を検出可能な位置に配設される第1検出センサーと、前記識別符号を検出可能な位置で前記第1検出センサーに対して180度位相をずらした位置に配設される第2検出センサーと、前記第1検出センサー又は前記第2検出センサーの出力信号に基づいて前記駆動力源を制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記第1検出センサーによる前記識別符号の検出パルス幅と前記第2検出センサーによる前記識別符号の検出パルス幅との比の最大値又は最小値を演算する手段と、前記検出パルス幅の比の最大値又は最小値から前記第1検出センサー又は前記第2検出センサーが検出する前記識別符号の幅の変動量を演算する手段と、前記識別符号の幅の変動量から前記ロータリースケールの回転軸に対する前記識別符号群の偏心量を演算する手段と、前記検出パルス幅の比が最大値又は最小値となるときの前記ロータリースケールの回転位相から前記ロータリースケールの回転軸に対する前記識別符号群の偏心位相を演算する手段と、前記偏心量及び前記偏心位相に基づいて前記回転体の回転誤差を補正する手段と、を有する、ことを特徴とした回転装置である。
ここで、N個の識別符号が同一円周上に等間隔に配置されてロータリースケールの識別符号群が形成されているとすると、ロータリースケールをθ→θだけ回転させる場合には、理論的には(ロータリースケールの回転軸に対して識別符号群が偏心していないと仮定した場合)、以下の式(12)から求められる数Sの識別符号を検出するまで駆動力源の駆動軸を回転させれば良いことになる。
Figure 0005510651
しかし現実的には、ロータリースケールの回転軸に対して識別符号群が偏心しているため、式(12)から求められる数Sの識別符号を検出するまで駆動力源の駆動軸を回転させると、実際のロータリースケールの回転角度θは、以下の式(13)で表されることになる。つまり、Δθの回転誤差が生ずることになる(式(14))。
Figure 0005510651
Figure 0005510651
つまり、ロータリースケールの回転軸に対する識別符号群の偏心量e及び偏心位相が特定されていれば、ロータリースケールをθ→θだけ回転させるときの回転誤差Δθを求めることができるので、そのときに生ずる回転体の回転誤差を求めることができる。したがって、回転体の回転位相制御において、ロータリースケールの回転軸に対する識別符号群の偏心に起因した回転体の回転誤差を高精度に補正することができる。
このようにして本発明の第3の態様によれば、ロータリースケールを用いた回転装置において、ロータリースケールの回転軸に対する識別符号群の偏心に起因した回転位相制御の精度の低下を低減させることができるという作用効果が得られる。
<本発明の第4の態様>
本発明の第4の態様は、駆動力源と、前記駆動力源の駆動力が伝達されて回転する回転体と、複数の識別符号が同一円周上に等間隔に配置されて識別符号群が形成され、前記回転体又は前記駆動力源の駆動軸とともに回転するロータリースケールと、前記識別符号を検出可能な位置に配設される識別符号検出センサーと、前記回転体の回転位相制御の基準点となる前記ロータリースケールに付された基準目印を検出可能な位置に配設される基準目印検出センサーと、前記識別符号検出センサーの出力信号に基づいて前記駆動力源を制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記ロータリースケールの回転軸に対する前記識別符号群の偏心量に関する情報及び前記ロータリースケールの回転軸に対する前記識別符号群の偏心位相を前記基準目印から特定するための情報が予め記憶された不揮発性記憶媒体と、前記偏心量及び前記偏心位相に基づいて前記回転体の回転誤差を補正する手段と、を有する、ことを特徴とした回転装置である。
ロータリースケールの回転軸に対する識別符号群の偏心量及び偏心位相を予め測定し、その測定した偏心量及び偏心位相に関する情報を予め不揮発性記憶媒体に記憶させておく。そして本発明の第3の態様と同様に、その偏心量及び偏心位相に基づいて回転体の回転誤差を補正する。それによって、回転体の回転位相制御において、ロータリースケールの回転軸に対する識別符号群の偏心に起因した回転体の回転誤差を高精度に補正することができる。
このようにして本発明の第4の態様によれば、ロータリースケールを用いた回転装置において、ロータリースケールの回転軸に対する識別符号群の偏心に起因した回転位相制御の精度の低下を低減させることができるという作用効果が得られる。
<本発明の第5の態様>
本発明の第5の態様は、複数の識別符号が同一円周上に等間隔に配置されて識別符号群が形成されたロータリースケールの回転軸に対する前記識別符号群の偏心量を測定する偏心測定方法であって、前記識別符号を検出可能な位置に第1検出センサーを配設する工程と、前記識別符号を検出可能な位置で前記第1検出センサーに対して位相をずらした位置に第2検出センサーを配設する工程と、前記回転軸を回転中心として前記ロータリースケールを回転させる工程と、前記第1検出センサーによる前記識別符号の検出パルス幅と前記第2検出センサーによる前記識別符号の検出パルス幅との比の最大値又は最小値を演算する工程と、前記検出パルス幅の比の最大値又は最小値から前記第1検出センサー又は前記第2検出センサーが検出する前記識別符号の幅の変動量を演算する工程と、前記識別符号の幅の変動量から前記偏心量を演算する工程と、を含む、ことを特徴とした偏心測定方法である。
本発明の第5の態様によれば、前述した本発明の第1の態様と同様の作用効果を得ることができる。
<本発明の第6の態様>
本発明の第6の態様は、複数の識別符号が同一円周上に等間隔に配置されて識別符号群が形成されたロータリースケールの回転軸に対する前記識別符号群の偏心位相を測定する偏心測定方法であって、前記識別符号を検出可能な位置に第1検出センサーを配設する工程と、前記識別符号を検出可能な位置で前記第1検出センサーに対して180度位相をずらした位置に第2検出センサーを配設する工程と、前記回転軸を回転中心として前記ロータリースケールを回転させる工程と、前記第1検出センサーによる前記識別符号の検出パルス幅と前記第2検出センサーによる前記識別符号の検出パルス幅との比の最大値又は最小値を演算する工程と、前記検出パルス幅の比が最大値又は最小値となるときの前記ロータリースケールの回転位相から前記偏心位相を演算する工程と、を含む、ことを特徴とした偏心測定方法である。
本発明の第6の態様によれば、前述した本発明の第2の態様と同様の作用効果を得ることができる。
<本発明の第7の態様>
本発明の第7の態様は、駆動力源と、前記駆動力源の駆動力が伝達されて回転する回転体と、複数の識別符号が同一円周上に等間隔に配置されて識別符号群が形成され、前記回転体又は前記駆動力源の駆動軸とともに回転するロータリースケールと、前記識別符号を検出可能な位置に配設される第1検出センサーと、前記第1検出センサーの出力信号に基づいて前記駆動力源を制御する制御装置と、を備えた回転装置の製造方法であって、前記識別符号を検出可能な位置で前記第1検出センサーに対して位相をずらした位置に第2検出センサーを配設する工程と、前記第1検出センサーによる前記識別符号の検出パルス幅と前記第2検出センサーによる前記識別符号の検出パルス幅との比の最大値又は最小値を演算する工程と、前記検出パルス幅の比の最大値又は最小値から前記第1検出センサー又は前記第2検出センサーが検出する前記識別符号の幅の変動量を演算する工程と、前記識別符号の幅の変動量から前記ロータリースケールの回転軸に対する前記識別符号群の偏心量を演算する工程と、前記偏心量が所定範囲内にあるときは前記第2検出センサーを撤去する工程と、を含む、ことを特徴とした回転装置の製造方法である。
ロータリースケールの回転軸に対する識別符号群の偏心量は個体差があることから、ある個体においては、極めて小さな偏心量であるために、それに起因して生ずる回転位相制御の精度の低下を許容できる場合もある。つまり、ロータリースケールの回転軸に対する識別符号群の偏心量が許容可能な範囲内であれば、それに起因して生ずる回転体の回転誤差を補正する必要が生じない場合もある。したがって、そのような場合にはロータリースケールの識別符号を検出するセンサーは1個で足りるため、第2検出センサーを撤去する。すなわち本発明の第7の態様によれば、回転体の回転位相制御の精度を一定水準以上に維持しつつ、回転装置の製造コストを合理的に低減させることができるという作用効果が得られる。
<本発明の第8の態様>
本発明の第8の態様は、駆動力源と、前記駆動力源の駆動力が伝達されて回転する回転体と、複数の識別符号が同一円周上に等間隔に配置されて識別符号群が形成され、前記回転体と同一の回転軸で前記回転体と一体的に回転するロータリースケールと、前記識別符号を検出可能な位置に配設される検出センサーと、前記検出センサーの出力信号に基づいて前記駆動力源を制御する制御装置と、を備えた回転装置の製造方法であって、前記回転軸に対する前記回転体の偏心位相を測定する工程と、前記回転軸に対する前記ロータリースケールの前記識別符号群の偏心位相を測定する工程と、前記回転軸に対する前記回転体の偏心位相と前記ロータリースケールの前記識別符号群の偏心位相とが180度ずれた関係となるように前記ロータリースケールを組み付ける工程と、を含む、ことを特徴とした回転装置の製造方法である。
当該製造方法により製造された回転装置は、回転体と同一の回転軸で回転体と一体的にロータリースケールが回転する構成であり、回転軸に対する回転体の偏心位相とロータリースケールの識別符号群の偏心位相とが180度ずれた関係にある。それによって当該回転装置においては、回転体の偏心に起因した回転誤差とロータリースケールの識別符号群の偏心に起因した回転誤差とが相殺されるので、回転体に生ずる回転誤差を極めて小さくすることができる。したがって本発明の第8の態様によれば、ロータリースケールを用いた回転装置において、ロータリースケールの回転軸に対する識別符号群の偏心に起因した回転位相制御の精度の低下を低減させることができるという作用効果が得られる。
<本発明の第9の態様>
本発明の第9の態様は、前述した第8の態様に記載の回転装置の製造方法において、前記回転軸に対する前記ロータリースケールの前記識別符号群の偏心位相を測定する工程は、前述した第6の態様に記載の偏心測定方法である、ことを特徴とした回転装置の製造方法である。
本発明の第9の態様によれば、前述した第8の態様に記載の回転装置の製造方法において、ロータリースケールの回転軸に対する識別符号群の偏心位相を容易に測定することができるという作用効果が得られる。
<本発明の第10の態様>
本発明の第10の態様は、複数の識別符号が同一円周上に等間隔に配置されて識別符号群が形成されたロータリースケールを駆動力源の駆動力で回転させる回転機構と、前記識別符号を検出可能な位置に配設される第1検出センサーと、前記識別符号を検出可能な位置で前記第1検出センサーに対して位相をずらした位置に配設される第2検出センサーと、を備えた偏心測定装置の制御をコンピューターに実行させる制御プログラムであって、前記第1検出センサーによる前記識別符号の検出パルス幅と前記第2検出センサーによる前記識別符号の検出パルス幅との比の最大値又は最小値を演算する手順と、前記検出パルス幅の比の最大値又は最小値から前記第1検出センサー又は前記第2検出センサーが検出する前記識別符号の幅の変動量を演算する手順と、前記識別符号の幅の変動量から前記ロータリースケールの回転軸に対する前記識別符号群の偏心量を演算する手順と、を実行させる、ことを特徴とした制御プログラムである。
本発明の第10の態様によれば、この制御プログラムを実行可能なコンピューターにより制御される上記構成の偏心測定装置において、前述した本発明の第1の態様と同様の作用効果が得られる。
<本発明の第11の態様>
本発明の第11の態様は、複数の識別符号が同一円周上に等間隔に配置されて識別符号群が形成されたロータリースケールを駆動力源の駆動力で回転させる回転機構と、前記識別符号を検出可能な位置に配設される第1検出センサーと、前記識別符号を検出可能な位置で前記第1検出センサーに対して180度位相をずらした位置に配設される第2検出センサーと、を備えた偏心測定装置の制御をコンピューターに実行させる制御プログラムであって、前記第1検出センサーによる前記識別符号の検出パルス幅と前記第2検出センサーによる前記識別符号の検出パルス幅との比の最大値又は最小値を演算する手順と、前記検出パルス幅の比が最大値又は最小値となるときの前記ロータリースケールの回転位相から前記ロータリースケールの回転軸に対する前記識別符号群の偏心位相を演算する手順と、を実行させる、ことを特徴とした制御プログラムである。
本発明の第11の態様によれば、この制御プログラムを実行可能なコンピューターにより制御される上記構成の偏心測定装置において、前述した本発明の第2の態様と同様の作用効果が得られる。
<本発明の第12の態様>
本発明の第12の態様は、駆動力源と、前記駆動力源の駆動力が伝達されて回転する回転体と、複数の識別符号が同一円周上に等間隔に配置されて識別符号群が形成され、前記回転体又は前記駆動力源の駆動軸とともに回転するロータリースケールと、前記識別符号を検出可能な位置に配設される第1検出センサーと、前記識別符号を検出可能な位置で前記第1検出センサーに対して180度位相をずらした位置に配設される第2検出センサーと、を備えた回転装置の制御をコンピューターに実行させる制御プログラムであって、前記第1検出センサーによる前記識別符号の検出パルス幅と前記第2検出センサーによる前記識別符号の検出パルス幅との比の最大値又は最小値を演算する手順と、前記検出パルス幅の比の最大値又は最小値から前記第1検出センサー又は前記第2検出センサーが検出する前記識別符号の幅の変動量を演算する手順と、前記識別符号の幅の変動量から前記ロータリースケールの回転軸に対する前記識別符号群の偏心量を演算する手順と、前記検出パルス幅の比が最大値又は最小値となるときの前記ロータリースケールの回転位相から前記ロータリースケールの回転軸に対する前記識別符号群の偏心位相を演算する手順と、前記偏心量及び前記偏心位相に基づいて前記回転体の回転誤差を補正する手順と、を実行させる、ことを特徴とした制御プログラムである。
本発明の第12の態様によれば、この制御プログラムを実行可能なコンピューターにより制御される上記構成の回転装置において、前述した本発明の第3の態様と同様の作用効果が得られる。
偏心測定装置の第1実施例の構成図。 ロータリースケールの一部を拡大図示した正面図。 ロータリースケールの偏心量を測定する手順を図示したフローチャート。 偏心測定装置の第2実施例の構成図。 ロータリースケールの偏心位相を測定する手順を図示したフローチャート。 インクジェットプリンターの要部を図示した側断面図。 インクジェットプリンターの概略のブロック図。 第3実施例の回転装置の構成図。 ロータリースケールの偏心量及び偏心位相の測定手順のフローチャート。 搬送駆動ローラーの回転制御の手順を図示したフローチャート。 第4実施例の回転装置の構成図。 回転装置の製造方法のフローチャート(第5実施例)。 回転装置の製造方法のフローチャート(第6実施例)。 第6実施例の製造方法で製造された回転装置の要部構成図。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。尚、本発明は、以下説明する実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれるものであることは言うまでもない。
<第1実施例>
本発明の第1実施例について、図1〜図3を参照しながら説明する。まずロータリースケール2及び偏心測定装置20の構成について、図1及び図2を参照しながら説明する。
図1は、偏心測定装置20の第1実施例の構成図である。
ロータリースケール2は、公知のロータリーエンコーダーに用いられる部材である。具体的にはロータリースケール2は、円板形状の部材であり、回転軸が挿通されて嵌合する円形孔2aが中央に形成されている。またロータリースケール2には、複数の「識別符号」としてのスリットSLが同一円周上に等間隔に配置されて「識別符号群」としてのスリット群が形成されている。このスリットSLは、スリット群の中心Csからの距離にかかわらず、スリット群の中心Csを中心とする同一円周上においてスリットSLの幅とスリットSLの間隔とが常に等しくなるように形成されている。つまりスリットSLは、スリット群の中心Cs側から外側へ向けて放射状に幅が広がっていく形状となっている。
偏心測定装置20は、ロータリースケール2の回転軸に対するスリット群の偏心量eを測定するための装置であり、モーター21、第1検出センサー22、第2検出センサー23及び演算装置24を備えている。
「駆動力源」としてのモーター21は、DCモーターであり、ロータリースケール2を回転させる「回転機構」を構成する。より具体的には、モーター21の回転軸211にロータリースケール2の円形孔2aを嵌合させることが可能であり、その状態でモーター21を回転させることによって、ロータリースケール2を回転させることができる。
第1検出センサー22は、モーター21によって回転するロータリースケール2のスリットSLを検出可能な位置に配設されている。第2検出センサー23は、モーター21によって回転するロータリースケール2のスリットSLを検出可能な位置で、第1検出センサー22に対して位相差αだけ位相をずらした位置に配設されている。この第1検出センサー22及び第2検出センサー23は、ロータリースケール2のスリットSLを非接触で検出可能な光学式センサーであり、スリットSLを検出する度に、スリットSLの幅に応じたパルス信号を出力する。それによって第1検出センサー22及び第2検出センサー23からは、ロータリースケール2の回転速度に応じた周期のパルス信号が回転量に相当する数だけ出力されることになる。
公知のマイコン制御回路を有する演算装置24は、ROM241、RAM242、ASIC(特定用途向け集積回路)243、CPU(中央処理装置)244、不揮発性メモリー245及びモータードライバー246を備えている。ROM241は、後述するロータリースケール2の偏心量eを測定する手順をCPU244に実行させるためのプログラムが格納される。RAM242は、CPU244の作業領域やデーターの格納領域として用いられる。ASIC243は、モーター21の回転制御を行うための制御回路を有し、モーター21の制御信号をモータードライバー246へ送出する。またASIC243は、第1検出センサー22及び第2検出センサー23が出力する信号を入力する。CPU244は、ROM241に格納されているプログラムを実行する。不揮発性メモリー245は、ロータリースケール2の偏心量eの測定に必要な各種データーが記憶されている。
このような構成の偏心測定装置20において、ロータリースケール2の円形孔2aの中心Cは、モーター21の回転軸211の軸心と一致する。つまりロータリースケール2の円形孔2aの中心Cがロータリースケール2の回転中心となる。他方、ロータリースケール2のスリット群の中心Csは、その中心Cに対して製造公差の範囲内で偏心している。そのためロータリースケール2のスリット群は、第1検出センサー22及び第2検出センサー23の検出点の軌跡A(中心Cから半径Rの円。以下、「センサー軌跡A」という。)に対しても偏心することになる。
図2は、ロータリースケール2の一部を拡大図示した正面図である。
ここで、ロータリースケール2の円形孔2aの中心Cとスリット群の中心Csが完全に一致していると仮定した場合におけるセンサー軌跡Aを理想軌跡A1、ロータリースケール2の円形孔2aの中心Cに対してスリット群の中心Csが偏心量eだけ偏心している状態におけるセンサー軌跡Aを偏心軌跡A2とする。また理想軌跡A1におけるスリットSLの幅をLc、偏心軌跡A2におけるスリットSLの幅をLとする。
理想軌跡A1と偏心軌跡A2との差が最大となるとき、その差は偏心量eと一致するはずである。そして、このときのLcとLとの差(スリットSLの幅の変動量)を変動量ΔLとすると、前述したように、以下の式(11)が成立する。
Figure 0005510651
理想軌跡A1におけるスリットSLの幅Lc、センサー軌跡Aの半径Rは、いずれも既知の値である。したがってロータリースケール2のスリット群の偏心量eは、ΔLから求めることができる。
尚、上記式(11)は、スリットSLの幅が充分に小さく、スリットSL間の角度差をθsとしたときに、sinθs=θsが成り立つことを前提とするが、この前提は、一般に実用されているロータリースケール2のほとんどにおいて成立すると考えられる。
図3は、ロータリースケール2の偏心量eを測定する手順を図示したフローチャートである。
まずロータリースケール2の回転を開始する(ステップS1)。このときのロータリースケール2の回転速度は、適当な速度で構わないし、多少の回転変動が生じても問題とならない。つづいて、第1検出センサー22の出力信号のパルス幅と第2検出センサー23の出力信号のパルス幅とを対比し、両者の比の最大値r(t)max又は最小値r(t)minを演算する(ステップS2)。つづいて最大値r(t)max又は最小値r(t)minからスリットSLの幅の変動量ΔLを演算する(ステップS3)。前述したように、変動量ΔLは以下の式(10)により算出することができる。
Figure 0005510651
そして前記の式(11)から、ロータリースケール2の円形孔2aの中心Cに対するスリット群の偏心量eを演算する(ステップS4)。
このようにして本発明の第1実施例によれば、ロータリースケール2の回転軸に対するスリット群の偏心量eを容易に測定することができる。
<第2実施例>
本発明の第2実施例について、図4及び図5を参照しながら説明する。
図4は、偏心測定装置20の第2実施例の構成図である。
当該実施例の偏心測定装置20は、第1検出センサー22に対して180度位相をずらした位置に第2検出センサー23が配設されている点で、第1実施例と装置構成が相違している。それ以外の構成は第1実施例と同じである。
図5は、ロータリースケール2の偏心位相を測定する手順を図示したフローチャートである。
ステップS11及びステップS12の手順は、第1実施例のフローチャート(図3)のステップS1及びステップS2と同じであるため、説明を省略する。
そして、第1検出センサー22の出力信号のパルス幅と第2検出センサー23の出力信号のパルス幅との比が最大値r(t)max又は最小値r(t)minとなるときのロータリースケール2の回転位相から、ロータリースケール2の円形孔2aの中心Cに対するスリット群の偏心位相を演算する(ステップS13)。
前述したように、第1検出センサー22の出力信号のパルス幅と第2検出センサー23の出力信号のパルス幅との比が最大値r(t)maxとなるとき、ロータリースケール2の円形孔2aの中心Cに対するスリット群の偏心位相は、第1検出センサー22によるスリットSLの検出点及び第2検出センサー23によるスリットSLの検出点と一致した状態となる。より具体的には、第1検出センサー22の出力信号のパルス幅と第2検出センサー23の出力信号のパルス幅との比が最大値r(t)maxとなるときには、第1検出センサー22によるスリットSLの検出パルス幅と第2検出センサー23によるスリットSLの検出パルス幅は、いずれか一方側で最も密になるとともに、他方側で最も粗になる。そして、スリットSLの検出パルス幅が最も密になる側のセンサーの検出点において、ロータリースケール2の円形孔2aの中心CからスリットSLまでの距離が最も長くなる。他方、スリットSLの検出パルス幅が最も粗になる側のセンサーの検出点において、ロータリースケール2の円形孔2aの中心CからスリットSLまでの距離が最も短くなる。
他方、第1検出センサー22の出力信号のパルス幅と第2検出センサー23の出力信号のパルス幅との比が最小値r(t)minとなるとき、ロータリースケール2の円形孔2aの中心Cに対するスリット群の偏心位相は、第1検出センサー22によるスリットSLの検出点及び第2検出センサー23によるスリットSLの検出点に対して90度位相がずれた状態となる。したがって、第1検出センサー22によるスリットSLの検出パルス幅と第2検出センサー23によるスリットSLの検出パルス幅との比r(t)が最小値r(t)minとなるときのロータリースケール2の回転位相からも、ロータリースケール2の円形孔2aの中心Cに対するスリット群の偏心位相を求めることができる。
このようにして本発明の第2実施例によれば、ロータリースケール2の回転軸に対するスリット群の偏心位相を容易に測定することができる。
<第3実施例>
本発明の第3実施例について、図6〜図10を参照しながら説明する。まずインクジェットプリンター1の概略構成について、図6及び図7を参照しながら説明する。
図6は、インクジェットプリンター1の要部を図示した側断面図である。
インクジェットプリンター1は、搬送駆動ローラー11、搬送従動ローラー12、記録紙支持部材13、排出駆動ローラー14、排出従動ローラー15、キャリッジ16及び記録ヘッド17を備えている。
搬送駆動ローラー11は、金属軸体の外周面に高摩擦被膜が施されて形成されており、PFモーター31(図7)の回転駆動力が伝達されて回転する。搬送従動ローラー12は、搬送駆動ローラー11に当接する方向へ付勢された状態で従動回転可能に軸支されている。記録紙支持部材13は、記録ヘッド17からインクが噴射される領域で記録紙Pを支持する部材である。排出駆動ローラー14は、PFモーター31(図7)の回転駆動力が伝達されて回転する。排出従動ローラー15は、従動回転可能に軸支されるとともに、排出駆動ローラー14に当接する方向へ付勢されている。
キャリッジ16は、軸受部161に挿通されたキャリッジガイド軸18及び被支持部162が当接するキャリッジ支持フレーム19によって、主走査方向Xへ往復動可能に支持されている。この主走査方向Xは、記録紙支持部材13に支持された状態の記録紙Pの記録面に沿って副走査方向Y(記録紙Pの搬送方向)と交差する方向である。キャリッジガイド軸18及びキャリッジ支持フレーム19は、主走査方向Xに沿って配設されている。キャリッジ16は、CRモーター32(図7)の回転駆動力で双方向回転する無端ベルト(図示せず)が連結されている。当該無端ベルトは、CRモーター32の駆動プーリーと従動プーリー(図示せず)に掛架され、キャリッジガイド軸18及びキャリッジ支持フレーム19に対して略平行に配設されている。キャリッジ16は、CRモーター32の駆動力で当該無端ベルトを双方向回転させることによって主走査方向Xへ往復動させることができる。
記録ヘッド17は、記録紙支持部材13に支持された状態の記録紙Pの記録面にヘッド面が対面するようにキャリッジ16に搭載されている。記録ヘッド17のヘッド面には、記録紙Pの記録面にインクを噴射してドットを形成するための多数の噴射ノズルが設けられている(図示せず)。記録ヘッド17へのインクの供給は、インクジェットプリンター1の本体に設けられたインクタンク(図示せず)からインクチューブ(図示せず)を介して行われる。
以上説明した構成のインクジェットプリンター1において、給送された記録紙Pは、記録紙支持部材13に支持され、主走査方向Xへ往復動する記録ヘッド17のヘッド面からインクが噴射されて記録面にドットが形成される主走査動作と、所定の搬送量で副走査方向Yへ搬送される副走査動作とが繰り返されることによって、記録面に記録が実行される。これらの一連の記録制御は、公知のマイコン制御回路を有する制御装置100により実行される。
図7は、インクジェットプリンター1の概略のブロック図である。
制御装置100は、ROM101、RAM102、ASIC103、CPU104、不揮発性メモリー105、PFモータードライバー106、CRモータードライバー107及びヘッドドライバー108を備えている。
ROM101は、CPU104によるインクジェットプリンター1の制御に必要な記録制御プログラム(ファームウェア)等が格納される。RAM102は、CPU104の作業領域や記録データー等の格納領域として用いられる。ASIC103は、DCモーターであるPFモーター31及びCRモーター32の速度制御、並びに記録ヘッド17のノズル駆動制御を行うための制御回路を有している。ASIC103は、PFモーター31の制御信号をPFモータードライバー106へ、CRモーター32の制御信号をCRモータードライバー107へ、記録ヘッド17の制御信号をヘッドドライバー108へ、それぞれ送出する。さらに、ASIC103は、パーソナルコンピューター200とのインターフェース機能も有している。CPU104は、インクジェットプリンター1の記録制御を実行するための演算処理やその他必要な演算処理を行う。不揮発性メモリー105は、記録制御プログラムの処理に必要なデーター等が記憶されている。
さらにインクジェットプリンター1は、リニアエンコーダー33及びロータリーエンコーダー34を備えている。このリニアエンコーダー33及びロータリーエンコーダー34の出力信号は、ASIC103を介してCPU104へ入力される。公知のリニアエンコーダー33は、キャリッジ16の位置や移動速度等を検出するためのエンコーダーであり、キャリッジ16が主走査方向Xへ往復動することによって、その移動速度に応じた周期のパルス信号が移動量に相当する数だけ出力される。公知のロータリーエンコーダー34は、搬送駆動ローラー11の回転量等を検出するためのエンコーダーであり、搬送駆動ローラー11及び排出駆動ローラー14が回転することによって、その回転速度に応じた周期のパルス信号が回転量に相当する数だけ出力される。
つづいて、インクジェットプリンター1が備える回転装置30の構成について、図8を参照しながら説明する。
図8は、第3実施例の回転装置30の構成図である。
回転装置30は、「回転体」としての搬送駆動ローラー11、「駆動力源」としてのPFモーター31、ロータリーエンコーダー34及び制御装置100で構成される。ロータリーエンコーダー34は、ロータリースケール2、第1検出センサー22及び第2検出センサー23を有する。ロータリースケール2の構成は、第1実施例において説明したものと同じである。ロータリースケール2は、搬送駆動ローラー11の回転軸部111が円形孔2aに挿通されて嵌合した状態で搬送駆動ローラー11に組み付けられており、搬送駆動ローラー11と一体となって回転する。第1検出センサー22及び第2検出センサー23は、ロータリースケール2のスリットSLを検出可能な位置に配設されており、第1実施例において説明したものと同じ構成のセンサーである。また第1検出センサー22及び第2検出センサー23は、第2実施例と同様に、180度位相がずれた位置関係で配設されている。
このような構成の回転装置30において、ロータリースケール2の円形孔2aの中心Cは、搬送駆動ローラー11の回転軸部111の軸心と一致する。つまり搬送駆動ローラー11の回転軸部111がロータリースケール2の回転中心となる。他方、ロータリースケール2のスリット群の中心Csは、その中心Cに対して製造公差の範囲内で偏心している。そのため、ロータリースケール2のスリット群は、センサー軌跡Aに対しても偏心することになる。
図9は、ロータリースケール2の偏心量e及び偏心位相を測定する手順を図示したフローチャートである。
ステップS21〜ステップS24の手順は、第1実施例のフローチャート(図3)のステップS1〜ステップS4と同じであるため説明を省略する。またステップ25の手順は、第2実施例のフローチャート(図5)のステップS13と同じであるため説明を省略する。
尚、当該フローチャートの手順は、例えばインクジェットプリンター1の電源ON時や制御装置100のリセット直後等においてのみ実行すれば良い。
図10は、搬送駆動ローラー11の回転制御の手順を図示したフローチャートである。
制御装置100は、搬送駆動ローラー11の回転軸部111に対するロータリースケール2のスリット群の偏心量e及び偏心位相に基づいて、その偏心に起因した搬送駆動ローラー11の回転誤差を補正する、ここで、ロータリースケール2のスリットSLの総数をNとし、ロータリースケール2をθ→θだけ回転させるとする。
まず、ロータリースケールをθ→θだけ回転させる際に、ロータリースケール2の円形孔2aの中心Cに対するスリット群の偏心に起因して生ずる回転誤差を求め、その回転誤差がロータリースケール2の単位回転角度(スリットSLのピッチに相当する回転角度であり、ロータリースケール2の最小回転角度)に満たないか否かを判定する(ステップS31)。より具体的には、以下の式(15)が成立するか否かにより判定する。
Figure 0005510651
式(15)の左辺は、スリット数Nのロータリースケール2の単位回転角度であり、式(15)の右辺は、前述した式(14)から求めた回転誤差(Δθ)である。
尚、ステップS31においては、回転誤差がロータリースケール2の単位回転角度の1/2に満たないか否かを判定するようにしても良い。この場合には、上記の式(15)の2π/Nの部分をπ/Nに変更すれば良い。
回転誤差がロータリースケール2の単位回転角度に満たない場合には(ステップS31でYes)、回転誤差の補正は行わずに当該手順を終了する。他方、回転誤差がロータリースケール2の単位回転角度以上である場合には(ステップS31でNo)、その回転誤差に相当するスリットSLの数k(以下、「補正スリット数k」という。)を演算する(ステップS32)。より具体的には、以下の式(16)により補正スリット数kを求める。
Figure 0005510651
ここで補正スリット数kは、整数とする必要がある。例えば式(16)による計算値の小数点以下を切り捨て又は切り上げて得た整数を補正スリット数kとしても良いが、式(16)による計算値の小数点以下を四捨五入して得た整数を補正スリット数kとすれば、より近似する整数値を求めることが可能になり、搬送駆動ローラー11の回転誤差の補正をより高精度に行うことができる点で好ましい。
つづいて、補正後の回転量に相当するスリットSLの数(以下、「搬送スリット数S」という。)を演算する(ステップS33)。搬送スリット数Sは、以下の式(17)により求めることができる。
Figure 0005510651
そして、その搬送スリット数SのスリットSLを第1検出センサー22又は第2検出センサー23で検出するまで搬送駆動ローラー11を回転させる。それによって、搬送駆動ローラー11の回転軸部111に対するロータリースケール2のスリット群の偏心に起因した回転誤差を高精度に補正することができる。
このようにして本発明の第3実施例によれば、ロータリースケール2を用いた回転装置30において、ロータリースケール2の回転軸に対するスリット群の偏心に起因した回転位相制御の精度の低下を低減させることができる。
<第4実施例>
本発明の第4実施例について、図11を参照しながら説明する。
図11は、第4実施例の回転装置30の構成図である。
第4実施例の回転装置30は、第3実施例と同様に、インクジェットプリンター1を構成する搬送駆動ローラー11、PFモーター31、ロータリーエンコーダー34及び制御装置100で構成される。そして第4実施例のロータリーエンコーダー34は、ロータリースケール2、「識別符号検出センサー」としての第1検出センサー22及び基準目印検出センサー25を有する。ロータリースケール2及び第1検出センサー22は、第3実施例と同じものである。基準目印検出センサー25は、ロータリースケール2の回転位相制御の基準点となる基準目印Bを検出するために設けられている。この基準目印検出センサー25は、非接触で基準目印Bを検出可能な光学式センサーであり、ロータリースケール2に付されている基準目印Bを検出可能な位置に配設されている。基準目印検出センサー25の出力信号は、制御装置100へ入力される。
第4実施例においては、まずインクジェットプリンター1にロータリースケール2を組み付ける前に、前述した第1実施例の偏心測定装置20により、ロータリースケール2の円形孔2aの中心Cに対するスリット群の偏心量eを測定し、その測定した偏心量eの数値データーを制御装置100の不揮発性メモリー105に記憶させる。さらに前述した第2実施例の偏心測定装置20により、ロータリースケール2の偏心位相を測定し、そのロータリースケール2の偏心位相の目印となる基準目印Bを付す。より具体的には、例えばロータリースケール2の円形孔2aの中心CからスリットSLまでの距離が最も長くなる部分に基準目印Bを付す。そして、そのロータリースケール2をインクジェットプリンター1に組み付ける。
制御装置100は、搬送駆動ローラー11の回転軸部111に対するロータリースケール2のスリット群の偏心量eを不揮発性メモリー105に予め記憶されている偏心量eの数値データーから特定することができる。またロータリースケール2のスリット群の偏心位相は、基準目印検出センサー25で基準目印Bを検出した状態におけるロータリースケール2の回転位相から特定することができる。したがって制御装置100は、第3実施例において説明した図10のフローチャートの手順によって、搬送駆動ローラー11の回転軸部111に対するロータリースケール2のスリット群の偏心に起因した回転誤差を高精度に補正することができる。
このようにして本発明の第4実施例によれば、ロータリースケール2を用いた回転装置30において、ロータリースケール2の回転軸に対するスリット群の偏心に起因した回転位相制御の精度の低下を低減させることができる。
<第5実施例>
本発明の第5実施例について、図12を参照しながら説明する。第5実施例は、回転装置30の製造方法である。
図12は、回転装置30の製造方法の各工程を時系列で図示したフローチャートである。
インクジェットプリンター1(図6及び図7)の製造工程において、まず第3実施例の回転装置30(図8)を完成させた状態とする。つづいて、ステップS41〜ステップ44の手順を実行して、搬送駆動ローラー11の回転軸部111に対するロータリースケール2のスリット群の偏心量eを測定する。ステップS41〜ステップ44の手順は、第1実施例のフローチャート(図3)のステップS1〜ステップS4と同じであるため説明を省略する。
つづいて、その測定した偏心量eが許容範囲内か否かを判定する(ステップS45)。この偏心量eの許容範囲は、例えば、その偏心に起因して生ずる搬送駆動ローラー11の回転誤差により生ずる記録紙Pの搬送誤差がインクジェットプリンター1の仕様上許容できる範囲となるようにすれば良い。換言すれば、インクジェットプリンター1の仕様上許容できる範囲内に記録紙Pの搬送誤差量が維持されるためには、どの程度の偏心量eまで許容されるのかを理論上あるいは実験的に決定すれば良い。
測定した偏心量eが許容範囲内でない場合には(ステップS45でNo)、そのまま当該手順を終了する。この場合のインクジェットプリンター1の回転装置30は、第3実施例の回転装置30と同じ構成となる。
他方、測定した偏心量eが許容範囲内である場合には(ステップS45でYes)、第2検出センサー23を撤去する(ステップS46)。つまり、偏心量eが許容範囲内である場合には、その偏心に起因して生ずる搬送駆動ローラー11の回転誤差の補正は行わないこととし、それに伴って不要となる第2検出センサー23を撤去する。それによって、第2検出センサー23を撤去した分だけ、インクジェットプリンター1の回転装置30の製造コスト(部品コスト)を削減することができる。
また制御装置100は、第2検出センサー23を撤去した場合には、それを識別可能な構成とし、搬送駆動ローラー11の回転軸部111に対するロータリースケール2のスリット群の偏心量e及び偏心位相を測定する手順(図9)及びその偏心量e及び偏心位相に基づく搬送駆動ローラー11の回転誤差を補正する手順(図10)を実行しないようにすれば良い。第2検出センサー23の有無を制御装置100に識別させる方法としては、例えば搬送駆動ローラー11を回転させたときにおける第2検出センサー23からのパルス信号の有無で識別するようにしても良いし、あるいは第2検出センサー23の有無を設定可能な接点入力回路を設けても良い。
このようにして本発明の第5実施例によれば、搬送駆動ローラー11の回転位相制御の精度を一定水準以上に維持しつつ、インクジェットプリンター1の回転装置30の製造コストを合理的に低減させることができる。
<第6実施例>
本発明の第6実施例について、図13及び図14を参照しながら説明する。第6実施例は、回転装置30の製造方法である。
図13は、回転装置30の製造方法の各工程を時系列で図示したフローチャートである。図14は、第6実施例の製造方法で製造された回転装置30の要部構成図である。
インクジェットプリンター1(図6及び図7)の製造過程において、まず搬送駆動ローラー11の回転軸部111に対する偏心位相D1を測定する(ステップS51)。この搬送駆動ローラー11の回転軸部111に対する偏心位相D1は、例えば回転軸部111を回転中心として搬送駆動ローラー11を回転させている状態で、その搬送駆動ローラー11の外周面の変動を公知のレーザー変位計やリアルタイムモニタリング可能な計測器等で測定することによって測定することができる。
つづいて、ロータリースケール2の偏心位相D2を測定する(ステップS52)。ロータリースケール2の偏心位相D2は、例えば、前述した第2実施例の偏心測定装置20により測定することができる。
そして、搬送駆動ローラー11の偏心位相D1とロータリースケール2の偏心位相D2とが180度位相がずれた関係となるようにロータリースケール2を組み付ける(ステップS53)。より具体的には、搬送駆動ローラー11の回転軸部111から外周面までの距離が最も長くなる部分と、ロータリースケール2の円形孔2aの中心CからスリットSLまでの距離が最も長くなる部分とが180度相反する位置関係となるように、搬送駆動ローラー11の回転軸部111にロータリースケール2を組み付ける(図14)。
このような製造方法により製造された回転装置30においては、搬送駆動ローラー11の偏心に起因した回転誤差とロータリースケール2のスリット群の偏心に起因した回転誤差とが相殺されるので、搬送駆動ローラー11に生ずる回転誤差を極めて小さくすることができる。したがって、ロータリースケール2のスリットSLを検出するために設ける検出センサーは、第1検出センサー22だけで良い。
このようにして本発明の第6実施例によれば、ロータリースケール2を用いた回転装置30において、ロータリースケール2の回転軸に対するスリット群の偏心に起因した回転位相制御の精度の低下を低減させることができる。
2 ロータリースケール、2a ロータリースケールの円形孔、11 搬送駆動ローラー、20 偏心測定装置、21 モーター、22 第1検出センサー、23 第2検出センサー、24 演算装置、25 基準目印検出センサー、30 回転装置、34 ロータリーエンコーダー、100 制御装置、111 搬送駆動ローラーの回転軸部、211 モーターの回転軸、A センサー軌跡、A1 理想軌跡、A2 偏心軌跡、B 基準目印、C ロータリースケールの円形孔の中心、Cs スリット群の中心、D1 搬送駆動ローラーの偏心位相、D2 ロータリースケールの偏心位相、e ロータリースケールの偏心量、L 偏心軌跡におけるスリットの幅、Lc 理想軌跡におけるスリットの幅、R センサー軌跡の半径、SL ロータリースケールのスリット、α 検出センサーの位相差、ΔL スリットの幅の変動量

Claims (10)

  1. 複数の識別符号が同一円周上に等間隔に配置されて識別符号群が形成されたロータリースケールを駆動力源の駆動力で回転させる回転機構と、
    前記識別符号を検出可能な位置に配設される第1検出センサーと、
    前記識別符号を検出可能な位置で前記第1検出センサーに対して位相をずらした位置に配設される第2検出センサーと、
    演算装置と、を備え、
    前記演算装置は、前記第1検出センサーによる前記識別符号の検出パルス幅と前記第2検出センサーによる前記識別符号の検出パルス幅との比の最大値又は最小値を演算する手段と、
    前記検出パルス幅の比の最大値又は最小値から前記第1検出センサー又は前記第2検出センサーが検出する前記識別符号の幅の変動量を演算する手段と、
    前記識別符号の幅の変動量から前記ロータリースケールの回転軸に対する前記識別符号群の偏心量を演算する手段と、を有する、ことを特徴とした偏心測定装置。
  2. 複数の識別符号が同一円周上に等間隔に配置されて識別符号群が形成されたロータリースケールを駆動力源の駆動力で回転させる回転機構と、
    前記識別符号を検出可能な位置に配設される第1検出センサーと、
    前記識別符号を検出可能な位置で前記第1検出センサーに対して180度位相をずらした位置に配設される第2検出センサーと、
    演算装置と、を備え、
    前記演算装置は、前記第1検出センサーによる前記識別符号の検出パルス幅と前記第2検出センサーによる前記識別符号の検出パルス幅との比の最大値又は最小値を演算する手段と、
    前記検出パルス幅の比が最大値又は最小値となるときの前記ロータリースケールの回転位相から前記ロータリースケールの回転軸に対する前記識別符号群の偏心位相を演算する手段と、を有する、ことを特徴とした偏心測定装置。
  3. 駆動力源と、
    前記駆動力源の駆動力が伝達されて回転する回転体と、
    複数の識別符号が同一円周上に等間隔に配置されて識別符号群が形成され、前記回転体又は前記駆動力源の駆動軸とともに回転するロータリースケールと、
    前記識別符号を検出可能な位置に配設される第1検出センサーと、
    前記識別符号を検出可能な位置で前記第1検出センサーに対して180度位相をずらした位置に配設される第2検出センサーと、
    前記第1検出センサー又は前記第2検出センサーの出力信号に基づいて前記駆動力源を制御する制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、前記第1検出センサーによる前記識別符号の検出パルス幅と前記第2検出センサーによる前記識別符号の検出パルス幅との比の最大値又は最小値を演算する手段と、
    前記検出パルス幅の比の最大値又は最小値から前記第1検出センサー又は前記第2検出センサーが検出する前記識別符号の幅の変動量を演算する手段と、
    前記識別符号の幅の変動量から前記ロータリースケールの回転軸に対する前記識別符号群の偏心量を演算する手段と、
    前記検出パルス幅の比が最大値又は最小値となるときの前記ロータリースケールの回転位相から前記ロータリースケールの回転軸に対する前記識別符号群の偏心位相を演算する手段と、
    前記偏心量及び前記偏心位相に基づいて前記回転体の回転誤差を補正する手段と、を有する、ことを特徴とした回転装置。
  4. 複数の識別符号が同一円周上に等間隔に配置されて識別符号群が形成されたロータリースケールの回転軸に対する前記識別符号群の偏心量を測定する偏心測定方法であって、
    前記識別符号を検出可能な位置に第1検出センサーを配設する工程と、
    前記識別符号を検出可能な位置で前記第1検出センサーに対して位相をずらした位置に第2検出センサーを配設する工程と、
    前記回転軸を回転中心として前記ロータリースケールを回転させる工程と、
    前記第1検出センサーによる前記識別符号の検出パルス幅と前記第2検出センサーによる前記識別符号の検出パルス幅との比の最大値又は最小値を演算する工程と、
    前記検出パルス幅の比の最大値又は最小値から前記第1検出センサー又は前記第2検出センサーが検出する前記識別符号の幅の変動量を演算する工程と、
    前記識別符号の幅の変動量から前記偏心量を演算する工程と、を含む、ことを特徴とした偏心測定方法。
  5. 複数の識別符号が同一円周上に等間隔に配置されて識別符号群が形成されたロータリースケールの回転軸に対する前記識別符号群の偏心位相を測定する偏心測定方法であって、
    前記識別符号を検出可能な位置に第1検出センサーを配設する工程と、
    前記識別符号を検出可能な位置で前記第1検出センサーに対して180度位相をずらした位置に第2検出センサーを配設する工程と、
    前記回転軸を回転中心として前記ロータリースケールを回転させる工程と、
    前記第1検出センサーによる前記識別符号の検出パルス幅と前記第2検出センサーによる前記識別符号の検出パルス幅との比の最大値又は最小値を演算する工程と、
    前記検出パルス幅の比が最大値又は最小値となるときの前記ロータリースケールの回転位相から前記偏心位相を演算する工程と、を含む、ことを特徴とした偏心測定方法。
  6. 駆動力源と、
    前記駆動力源の駆動力が伝達されて回転する回転体と、
    複数の識別符号が同一円周上に等間隔に配置されて識別符号群が形成され、前記回転体又は前記駆動力源の駆動軸とともに回転するロータリースケールと、
    前記識別符号を検出可能な位置に配設される第1検出センサーと、
    前記第1検出センサーの出力信号に基づいて前記駆動力源を制御する制御装置と、を備えた回転装置の製造方法であって、
    前記識別符号を検出可能な位置で前記第1検出センサーに対して位相をずらした位置に第2検出センサーを配設する工程と、
    前記第1検出センサーによる前記識別符号の検出パルス幅と前記第2検出センサーによる前記識別符号の検出パルス幅との比の最大値又は最小値を演算する工程と、
    前記検出パルス幅の比の最大値又は最小値から前記第1検出センサー又は前記第2検出センサーが検出する前記識別符号の幅の変動量を演算する工程と、
    前記識別符号の幅の変動量から前記ロータリースケールの回転軸に対する前記識別符号群の偏心量を演算する工程と、
    前記偏心量が所定範囲内にあるときは前記第2検出センサーを撤去する工程と、を含む、ことを特徴とした回転装置の製造方法。
  7. 駆動力源と、
    前記駆動力源の駆動力が伝達されて回転する回転体と、
    複数の識別符号が同一円周上に等間隔に配置されて識別符号群が形成され、前記回転体と同一の回転軸で前記回転体と一体的に回転するロータリースケールと、
    前記識別符号を検出可能な位置に配設される検出センサーと、
    前記検出センサーの出力信号に基づいて前記駆動力源を制御する制御装置と、を備えた回転装置の製造方法であって、
    前記回転軸に対する前記回転体の偏心位相を測定する工程と、
    前記回転軸に対する前記ロータリースケールの前記識別符号群の偏心位相を測定する工程と、
    前記回転軸に対する前記回転体の偏心位相と前記ロータリースケールの前記識別符号群の偏心位相とが180度ずれた関係となるように前記ロータリースケールを組み付ける工程と、を含み、
    前記回転軸に対する前記ロータリースケールの前記識別符号群の偏心位相を測定する工程は、請求項に記載の偏心測定方法である、ことを特徴とした回転装置の製造方法。
  8. 複数の識別符号が同一円周上に等間隔に配置されて識別符号群が形成されたロータリースケールを駆動力源の駆動力で回転させる回転機構と、
    前記識別符号を検出可能な位置に配設される第1検出センサーと、
    前記識別符号を検出可能な位置で前記第1検出センサーに対して位相をずらした位置に配設される第2検出センサーと、を備えた偏心測定装置の制御をコンピューターに実行させる制御プログラムであって、
    前記第1検出センサーによる前記識別符号の検出パルス幅と前記第2検出センサーによる前記識別符号の検出パルス幅との比の最大値又は最小値を演算する手順と、
    前記検出パルス幅の比の最大値又は最小値から前記第1検出センサー又は前記第2検出センサーが検出する前記識別符号の幅の変動量を演算する手順と、
    前記識別符号の幅の変動量から前記ロータリースケールの回転軸に対する前記識別符号群の偏心量を演算する手順と、を実行させる、ことを特徴とした制御プログラム。
  9. 複数の識別符号が同一円周上に等間隔に配置されて識別符号群が形成されたロータリースケールを駆動力源の駆動力で回転させる回転機構と、
    前記識別符号を検出可能な位置に配設される第1検出センサーと、
    前記識別符号を検出可能な位置で前記第1検出センサーに対して180度位相をずらした位置に配設される第2検出センサーと、を備えた偏心測定装置の制御をコンピューターに実行させる制御プログラムであって、
    前記第1検出センサーによる前記識別符号の検出パルス幅と前記第2検出センサーによる前記識別符号の検出パルス幅との比の最大値又は最小値を演算する手順と、
    前記検出パルス幅の比が最大値又は最小値となるときの前記ロータリースケールの回転位相から前記ロータリースケールの回転軸に対する前記識別符号群の偏心位相を演算する手順と、を実行させる、ことを特徴とした制御プログラム。
  10. 駆動力源と、
    前記駆動力源の駆動力が伝達されて回転する回転体と、
    複数の識別符号が同一円周上に等間隔に配置されて識別符号群が形成され、前記回転体又は前記駆動力源の駆動軸とともに回転するロータリースケールと、
    前記識別符号を検出可能な位置に配設される第1検出センサーと、
    前記識別符号を検出可能な位置で前記第1検出センサーに対して180度位相をずらした位置に配設される第2検出センサーと、を備えた回転装置の制御をコンピューターに実行させる制御プログラムであって、
    前記第1検出センサーによる前記識別符号の検出パルス幅と前記第2検出センサーによる前記識別符号の検出パルス幅との比の最大値又は最小値を演算する手順と、
    前記検出パルス幅の比の最大値又は最小値から前記第1検出センサー又は前記第2検出センサーが検出する前記識別符号の幅の変動量を演算する手順と、
    前記識別符号の幅の変動量から前記ロータリースケールの回転軸に対する前記識別符号群の偏心量を演算する手順と、
    前記検出パルス幅の比が最大値又は最小値となるときの前記ロータリースケールの回転位相から前記ロータリースケールの回転軸に対する前記識別符号群の偏心位相を演算する手順と、
    前記偏心量及び前記偏心位相に基づいて前記回転体の回転誤差を補正する手順と、を実行させる、ことを特徴とした制御プログラム。
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