以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態の画像形成装置の概略を説明するための図の一例である。画像形成装置(以下、複合機という)のADF(auto document feeder)には1枚以上の原稿がセットされる。原稿の枚数は1枚以上であればよいが、本実施形態の複合機の効果が顕著に表れるのは原稿が複数枚の場合、又は、原稿が1枚でも原稿の両面を読み取る場合の場合である。図1では、複合機が原稿の片面を読み取るものとして説明する。
スキャナは1枚ずつ原稿を読みとり画像データを生成する。複合機は、画像データを縮小するなどして操作部デバイスの液晶表示部に表示する。表示された画像データがプレビューであり、プレビューを表示する画面をプレビュー画面という。この間、スキャナは次の原稿を次々と読み取っていく。
また、複合機は、操作部デバイスの液晶表示部にプレビュー表示した後、プレビュー表示された画像データを印刷部に送出し印刷する。複合機はこのような手順を繰り返すので、読み取り、プレビュー表示、印刷を、繰り返す。
例えば、スキャナが3枚目を読み取り中に用紙詰まり(スキャナでも印刷部でもよい)が発生した場合、液晶表示部には2枚目又は1枚目の原稿等、用紙詰まりした原稿よりも前の原稿のプレビューが表示されていることになる。
本実施形態の複合機は、用紙詰まりのようなエラーを検出した場合、「エラー画面」を表示すること又は「エラー画面への切り替え」を受け付けることを特徴とする。
「エラー画面」を表示した場合には、複合機がプレビュー表示とエラー画面を自動的に切り替えるので、エラーの解消にユーザ操作が必要な場合に、プレビュー表示とエラー画面のバッティングを避けることができる。また、エラーが生じなければ、原稿の読み取り直後からプレビュー表示することができるので、原稿の全ページが読み取り完了する前に、ユーザに仕上がりイメージをプレビュー表示することができる。
「エラー画面への切り替え」を受け付けることを可能にした場合、ユーザがプレビュー画面とエラー画面の切り替えることができるため、仕上がりイメージを確認中にエラーが発生しても、ユーザが意図しないタイミングで画面が切り替わってしまうことを防止できる。したがって、いずれの場合も、プレビューの表示中にエラーが発生しても操作性を低下させることなく、ユーザがエラーに対応することができる。
〔複合機100〕
図2は、複合機100のハードウェア構成図の一例を示す。複合機100は、例えば、プリンタ、ファクシミリ、複写機、スキャナ、又は、これらのうち複数の機能を備えた装置で、MFP(Multifunction Peripheral)と呼ばれることもある。
複合機100は、コントローラ80、スキャナエンジン73,プリントエンジン74、PSU(Power Supply Unit)75、及び、操作部デバイス200を有する。コントローラ80は、バスで相互に接続された、CPU61、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)62、スキャナ処理部63、プリント処理部64、HDD(Hard Disk Drive)66、メモリ67、ネットワークI/F68、FAX I/F69及び記憶媒体I/F70を有する。
スキャナエンジン73は、原稿を光学的に読み取る読み取り部であり、図1のスキャナの主要部である。プリントエンジン74は、用紙に画像を印刷する図1の印刷部の主要部である。
操作部デバイス200は、LCD(Liquid Crystal Display)をタッチパネルと一体に有する。操作部デバイス200については図3にて説明する。
CPU61は、複合機100の全体を統括的に制御する。ASIC62は、スキャナ処理やプリント処理において必要な各種の画像処理、モータの回転数制御等を提供する画像処理用途向けのLSIである。なお、ASIC62には、この他、各種のクラッチ、ソレノイド、及び、紙詰まり等を検出するセンサ類が接続されている。
メモリ67は、CPU61が実行する各種アプリケーションや当該アプリケーションの実行の際に用いられる種々のデータを記憶する。また、HDD66は、画像データ、各種のプログラム59、フォントデータ、各種のファイル等を記憶するための不揮発メモリである。HDD66の一部又は全てにSSD(Solid State Drive)を実装してもよい。
なお、ネットワークI/F68はLANに接続されている。ネットワークI/F68は例えばNIC(Network Interface Card)であり、所定のプロトコルにより、複合機100とサーバ等との通信を実現する。また、FAX I/F69は電話回線に接続されている。FAX I/F69は電話回線からのファクシミリデータを復調して画像データを生成し、FAXアプリ44が起動している際はスキャナエンジン73で読み取った画像データをファクシミリ用に処理して変調して電話回線に出力する。また、PSU75は、コントローラ80,操作部デバイス200,スキャナエンジン73及びプリントエンジン74への電力の供給を制御する。
プログラム59は、記憶媒体72に記憶した状態で配布されてもよいし、ネットワークI/F68を介してHDD66にインストールされてもよい。
図3は、操作部デバイス200の一例を示す図である。操作部デバイス200は、固定されたハードキーである、初期設定キー111、コピーキー112、スキャナキー113、プリンタキー114、ファクシミリキー115、データ蓄積キー116、テンキー121、リセットキー118、プログラムキー119、クリア/ストップキー123、スタートキー122、及び、液晶表示部117を有する。
初期設定キー111は、各アプリ毎にユーザが操作画面のアイコンの表示/非表示を設定したり、認証機能のオン/オフなど各種設定をするために使用される。液晶表示部117は、ユーザが押下した場所の位置情報を図4のユーザインターフェイス層210に通知するなどして、ユーザの操作内容を複合機100側に通知する。
コピーキー112、スキャナキー113、ファクシミリキー115、データ蓄積キー116は、各アプリケーションを切り替えるためのキーである。テンキー121は印刷枚数やFAX番号をユーザが入力するためのキーである。リセットキー118は、各アプリケーションの操作のために設定された設定値を初期値に戻すためのキーである。プログラムキー119は、複合機100にプログラムを登録、呼び出し又は消去するためのキーである。クリア/ストップキー123は、入力した数値を取り消したり、読み取りや印刷を中断するためのキーである。スタートキー122は、コピーの実行や、ファクシミリ送信を開始するための実行キーである。
液晶表示部117は、タッチパネルを一体に有し、タッチパネルには各種の画面に応じてソフトキー(ソフトボタン)としての操作キーが形成される。液晶表示部117に、エラー画面やプレビュー画面が表示される。
図4は、複合機100の機能ブロック図の一例を示す。図4の機能ブロックは、CPUがプログラム59を実行することで実現されるが、プログラム59は操作部デバイス200などのハードウェア資源と協働して、読み取り、プレビュー表示、エラー表示、印刷等を実行する。
複合機100は、操作部デバイス200、ユーザインターフェイス層210、及び、アプリケーション層220を有する。操作部デバイス200は、上記のとおり液晶表示部117等を有し、ユーザに種々の情報を提供しかつユーザの操作を受け付けるユーザインターフェイス(UI)である。
ジョブ制御手段18は、複合機100内で入力手段15と出力手段16を組み合わせて、原稿や画像データを処理する制御手段である。すなわち、本実施形態のプレビュー表示やエラー表示は、ジョブ制御手段18により制御される。なお、入力手段15とは、スキャナによる原稿の読み取りの場合はスキャナであり、PC(パーソナルコンピュータ)から複合機100が印刷データを受信した場合は、NICである。また、出力手段16とは、印刷部による印刷の場合は印刷部であり、画像データの蓄積(記憶)の場合はHDD等の記憶手段であり、FAXによる送信の場合はFAX I/F69等である。ジョブ制御手段18の実体は、例えば、コピーアプリ、スキャナアプリ(送信アプリ)、ファックスアプリ、プリントアプリ等の各アプリケーションである。複合機100は、各アプリケーションにより、入力手段15と出力手段16を組み合わせてユーザに種々のサービスを提供する。
アプリUI14は、文書操作の進捗を液晶表示部117に表示したり、エラー画面を表示したり、また、ユーザの実行指示を受け付ける等のUI(User Interface)を提供する。
プレビューUI13は、プレビュー画面を表示したり、ユーザによるページ送り等のプレビュー操作指示を受け付ける等、プレビュー画面におけるUIを提供する。
入力UI11は、入力手段15の進捗を表示したり、エラー表示するなど、実行結果や実行に必要な指示を受け付けるUIを提供する。
出力UI12は、出力手段16の進捗を表示したり、エラー表示するなど、ユーザの実行指示を受け付けるUIを提供する。
プレビュー出力手段17は、複合機100のIPU(Image Processing Unit)を制御することで、画像データをプレビュー用に加工させ、プレビューUI13にプレビュー画像を提供する。
出力手段16は、複合機100のプロッタデバイスを制御することで、印刷用に加工された画像データを記録紙などの媒体に転写・定着させ、機器外に排出するまでの印刷機能を提供する。出力に伴うエラー検出は出力手段16が行う。
入力手段15は、複合機100のスキャナデバイスを制御することで原稿の読み取りを行い、機器内で取り扱い可能な画像データを生成する。入力に伴うエラー検出は入力手段15が行う。入力手段15や出力手段16のエラーは、紙詰まりを検出するセンサS1,S2等から検出される。
〔プレビューを表示しない場合の動作手順〕
次に、複合機100がプレビューを表示しないで原稿の読み取り、印刷を実行する手順を説明する。図5は、複合機100が原稿を読み取り、記録紙に印刷する手順を示すシーケンス図の一例である。
なお、本実施形態では、複合機100は、パイプ&フィルタというメカニズムを用いて入力と出力を制御するものとする。フィルタとは、入力、加工、出力の各処理を行うプログラムであり、パイプとは各フィルタを接続するパスでありフィルタの処理結果を一時的に保存して次のフィルタに受け渡すものである。パイプ&フィルタの概念を用いることで、パイプを介在させてフィルタにおける処理を連続したものとすることができる。
パイプ&フィルタには、単入力単出力と単入力多出力がある。本実施形態の複合機100は、印刷という出力とプレビューの表示という出力の2つの出力を有するので、単入力多出力に相当する。図5においても、入力手段15及び出力手段16は、それぞれフィルタである。また、後述するプレビュー出力手段17もフィルタである。
各フィルタは、条件生成を受け付けることが可能になっている。各フィルタは、生成された条件に基づき処理を提供する。したがって、この条件は機能とほぼ同義である。各フィルタは、条件生成を受け付けるために条件(機能)を保持している。この条件により画面表示や処理内容の設定が可能になる。
例えば、複合機100の起動直後、操作部デバイス200は、画面を表示するためにジョブ制御手段18に条件生成を要求する(S11)。
ジョブ制御手段18は、画面生成のために入力手段15、出力手段16にそれぞれ条件生成を行う(S12、S14)。この条件生成は、プログラムとして実装される機能を実現すること(例えば、インスタンスやオブジェクトを生成すること)である。出力手段16に生成される条件は、例えば、印刷機能、FAX(送信)機能、蓄積機能等である。また、入力手段15に生成される条件は、例えば、読み取り機能、印刷データ受信機能等である。
入力手段15と出力手段16は、条件生成の応答として、生成した条件をジョブ制御手段18に送出する(S13,S15)。ジョブ制御手段18は、条件生成の完了を操作部デバイス200に通知すると共に、条件を通知する(S16)。これにより、操作部デバイス200は、ユーザが選択可能な画面を生成するための条件(機能)を取得する。
操作部デバイス200は、ユーザが選択可能な機能を含む画面を描画してアプリUI14、入力UI11、及び、出力UI12、に送信する(S17,S18、S19)。アプリUI14、入力UI11、及び、出力UI12はそれぞれ液晶表示部117に表示するための画面データを取得した。この画面データには、ユーザによる画面の押下位置から、押下により選択された機能を求める情報が含まれるので、アプリUI14、入力UI11、及び、出力UI12はユーザの操作を受け付けることができる。
ユーザが液晶表示部117に表示された画面から機能を設定し、スタートキーを押下すると、操作部デバイス200はキーイベントを検出し、アプリUI14にキーイベントを通知する(S1)。アプリUI14は、キーイベントを、ユーザが選択した機能を実行可能な設定に変換する。そして、アプリUI14は、ジョブ制御手段18にユーザが選択した機能の実行を要求する(S2)。
<ジョブ生成処理>
次に、ジョブ制御手段18は、ユーザが選択した機能に基づき生成すべきジョブを判断する(S21)。ユーザがコピーアプリからコピーを選択した場合、ジョブ制御手段18が生成すべきジョブはコピージョブである。コピージョブでは、入力手段15の処理と出力手段16の処理が必要なので、ジョブ制御手段18は、入力手段15と出力手段16にジョブの生成を要求する(S22、S23)。入力手段15では、画像データを読み取るジョブが生成され、出力手段16では、画像データを印刷するジョブが生成される。また、図示を省略したが、加工手段では画像データを印刷するために必要となる加工を行うジョブが生成される。
<入出力接続処理>
つぎに、ジョブ制御手段18は、要求された機能を実現させるために、ユーザが設定した内容に応じてフィルタ同士の接続を決定する(S31)。なお、フィルタの接続とは、ジョブ同士の関連づけである。コピージョブの場合、入力手段15と出力手段16が接続されることになる。なお、必要な加工処理があればこの段階で入力手段15と出力手段16の間に接続される。
ジョブ制御手段18は、入力手段15(を引数にして)とのリンク指示を出力手段16に送出する(S32)。出力手段16は、生成した入力手段15と接続を行う。
<実行処理>
ジョブ制御手段18は、ジョブの生成及び入力手段15と出力手段16の接続が完了したこと、すなわち進捗状態をアプリUI14に通知する(S41)。アプリUI14は、進捗状態の通知を取得すると、例えば、ジョブの状態を液晶表示部117に表示することができる。
つぎに、ジョブ制御手段18は、入力手段15に処理の実行を要求する(S42)。入力手段15は進捗状態を入力UI11に通知する(S43)。何らかのエラーがあれば、入力UI11はその旨をユーザに通知できる。
次に、ジョブ制御手段18は、出力手段16に処理の実行を要求する(S44)。出力手段16は、進捗状態を出力UI12に通知する(S45)。何らかのエラーがあれば、出力UI12はその旨をユーザに通知できる。
出力手段16は、ステップS31の接続によりリンクされた入力手段15に画像データを要求する(S46)。
入力手段15は、原稿を読み取って画像データを生成する(S47)。入力手段15は、ステップS31の接続により得られたパイプに画像データを書き出す。入力手段15は進捗状態を入力UI11に通知するので(S48)、入力UI11は、例えば読み取り中の原稿の原稿枚数を操作部デバイス200に表示できる。入力手段15は進捗状態をジョブ制御手段18に通知する(S49)。
つぎに、入力手段15は、出力手段16に画像データを送出する(S50)。具体的には、出力手段16は、パイプから画像データを読み出す。
出力手段16は、不図示のフィルタが加工を施した画像データを印刷する(S51)。出力手段16は、出力UI12に進捗状態を通知する(S52)。これにより、出力UI12は、例えば、印刷中に既に印刷した印刷枚数を表示することができる。
また、出力手段16は、ジョブ制御手段18に進捗状態を通知する(S53)。ジョブ制御手段18は、進捗状態をアプリUI14に通知する(S54)。これにより、アプリUI14は、ジョブの終了やエラー等を表示することができる。
全ての原稿を処理し、入力手段15と出力手段16の処理対象がなくなるとジョブ終了となる。
本実施例では、原稿を1ページ読み取る毎にページ単位でプレビュー表示することを可能にすると共に、さらに、エラーが発生すると自動的にエラー画面を表示する複合機100について説明する。
〔プレビュー画面1160〕
図6は、プレビュー画面1160の一例を示す図である。プレビュー画面1160は、プレビュー部1171と、現在ページ表示欄1172と、ページ送りボタン1173と、ページ戻りボタン1174と、拡大ボタン1176と、縮小ボタン1175と、削除ボタン1177と、印刷ボタン1178とを有する。これらのボタンは、タッチパネル上のソフトキーである。
プレビュー部1171は、画像データを表示する欄で、ここに入力手段15が読み取った原稿の画像データが表示される。画像データのうちプレビュー部1171に入り切らない部分をユーザが確認する場合、ユーザはスクロールバー1179を操作して、画像データのうちプレビュー部1171に表示される部分を調整できる。
現在ページ表示欄1172は、プレビュー部1171に原稿の何ページ目を表示しているかを示す欄である。ユーザはページ送りボタン1173を操作して、プレビュー部1171に表示されるページを進めることができ、ページ戻りボタン1174を操作して、プレビュー部1171に表示されるページを戻すことができる。
また、拡大ボタン1176は、プレビュー部1171の画像データを拡大するためのボタンであり、拡大することでユーザは画像データの細部の状態を確認することができる。縮小ボタン1175は、プレビュー部1171の画像データを縮小するためのボタンであり、縮小することでユーザは画像データの全体を一目で確認することができるようになる。
削除ボタン1177は、画像データを印刷せずに削除するためのボタンであり、削除ボタン1177によりユーザは読み取りがうまくいかなった原稿の画像データを印刷することなく破棄できる。印刷ボタン1178は、画像データの印刷を許可するためのボタンである。
図7、図8は、複合機100が原稿を読み取り、ページ単位でプレビュー表示し、その後、印刷する手順を示すシーケンス図の一例である。図7、図8は一連の処理であるが紙面の都合上、2つに分けた。
図7は、条件生成処理、ジョブ生成処理、入出力接続処理、及び、実行処理の手順を示すシーケンス図である。なお、条件生成処理、ジョブ生成処理、及び、入出力接続処理については、図5と一部共通する。実行処理に本実施例の特徴が含まれる。
上記のように、入力手段15と出力手段16はそれぞれセンサS1、S2を有する。センサS1、S2は、紙詰まりなど、エラーを検出するセンサである。
<条件生成処理>
例えば、複合機100の起動直後、操作部デバイス200は、画面を表示するためにジョブ制御手段18に条件生成を要求する(S11)。
ジョブ制御手段18は、画面生成のために入力手段15、出力手段16及びプレビュー出力手段17にそれぞれ条件生成を行う(S12、S14、S101)。この条件生成は、プログラムとして実装される機能を実現すること(例えば、インスタンスやオブジェクトを生成すること)である。出力手段16に生成される条件は、例えば、印刷機能、FAX(送信)機能、蓄積機能等である。また、入力手段15に生成される条件は、例えば、読み取り機能、印刷データ受信機能等である。プレビュー出力手段17に生成される条件は、例えば、プレビュー表示機能である。
入力手段15、出力手段16及びプレビュー出力手段17は、条件生成の応答として、生成した条件をジョブ制御手段18に送出する(S13,S15、S102)。ジョブ制御手段18は、条件生成の完了を操作部デバイス200に通知すると共に、条件を通知する(S16)。これにより、操作部デバイス200は、ユーザが選択可能な画面を生成するための条件(機能)を取得する。
操作部デバイス200は、ユーザが選択可能な機能を含む画面を描画してアプリUI14、入力UI11、出力UI12及びプレビュー出力UI12、に送信する(S17,S18、S19、S103)。アプリUI14、入力UI11、出力UI12及びプレビュー出力UI12はそれぞれ液晶表示部117に表示するための画面データを取得した。この画面データには、ユーザによる画面の押下位置、又は、押下により選択された機能を求める情報が含まれるので、アプリUI14、入力UI11、出力UI12及びプレビュー出力UI12はユーザの操作を受け付けることができる。
<キーイベント>
ユーザがプレビュー表示を所望する場合、ユーザは液晶表示部117に表示された画面又はハードキーから機能を設定する。操作部デバイス200はキーイベントを検出し、アプリUI14にキーイベントを通知する(S104)。アプリUI14はジョブ制御手段18にプレビューがONであることを通知する(S105)。ジョブ制御手段18は、ユーザが設定したプレビュー表示の条件をプレビュー出力手段17に設定する(S106)。プレビュー表示の条件は、例えば、解像度、白黒・カラー表示の選択等である。
つぎに、ユーザがスタートキーを押下すると、操作部デバイス200はキーイベントを検出し、アプリUI14にキーイベントを通知する(S1)。アプリUI14は、キーイベントを、ユーザが選択した機能を実行可能な設定に変更する。そして、アプリUI14は、ジョブ制御手段18にユーザが選択した機能の実行を要求する(S2)。
<ジョブ生成処理>
次に、ジョブ制御手段18は、ユーザが選択した機能に基づき生成すべきジョブを判断する(S21)。ユーザがコピーアプリからコピーを選択した場合、ジョブ制御手段18が生成すべきジョブはコピージョブである。コピージョブでは、入力手段15の処理と出力手段16の処理が必要なので、ジョブ制御手段18は、入力手段15と出力手段16にジョブの生成を要求する(S22、S23)。入力手段15では、画像データを読み取るジョブが生成され、出力手段16では、画像データを印刷するジョブが生成される。また、図示を省略したが、加工手段では画像データを印刷するために必要となる加工を行うジョブが生成される。
また、ジョブ制御手段18は、プレビューがONであることからプレビュー出力手段17にジョブの生成を要求する(S201)。プレビュー出力手段17では、画像データのプレビューを出力するジョブが生成される。
<入出力接続処理>
つぎに、ジョブ制御手段18は、要求された機能を実現させるために、ユーザが設定した内容に応じて接続させるフィルタ同士を決定する(S31)。プレビュー表示するコピージョブの場合、入力手段15とプレビュー出力手段17とが接続され、入力手段15と出力手段16が接続されることになる。なお、必要な加工処理があればこの段階で入力手段15と出力手段16の間に接続される。
ジョブ制御手段18は、入力手段15とのリンク指示を出力手段16に送出する(S32)。また、ジョブ制御手段18は、入力手段15とのリンク指示をプレビュー出力手段17に送出する(S301)。
<実行処理>
ジョブ制御手段18は、ジョブの生成、入力手段15と出力手段16の接続、及び、入力手段15とプレビュー出力手段17の接続、が完了したこと、すなわち進捗状態をアプリUI14に通知する(S41)。アプリUI14は、進捗状態の通知を取得すると、例えば、ジョブの状態を液晶表示部117に表示することができる。
つぎに、ジョブ制御手段18は、入力手段15に処理の実行を要求する(S42)。入力手段15は進捗状態を入力UI11に通知する(S43)。何らかのエラーがあれば、入力UI11はその旨をユーザに通知できる。
次に、ジョブ制御手段18は、プレビュー出力手段17に処理の実行を要求する(S401)。プレビュー出力手段17は、進捗状態をプレビューUI13に通知する(S402)。この進捗状態は、プレビューしている原稿枚数等である。
プレビュー出力手段17は、ステップS301の接続によりリンクされた入力手段15に画像データを要求する(S403)。
入力手段15は、原稿を読み取って画像データを生成する(S47)。入力手段15は、ステップS301の接続により得られたパイプに画像データを書き出す。入力手段15は進捗状態を入力UI11に通知するので(S48)、入力UI11は、例えば読み取り中の原稿の原稿枚数を操作部デバイス200に表示できる(S481)。入力手段15は進捗状態をジョブ制御手段18に通知する(S49)。
つぎに、入力手段15は、プレビュー出力手段17に画像データを送出する(S404)。具体的には、プレビュー出力手段17は、パイプから画像データを読み出す。
プレビュー出力手段17は、不図示のフィルタが加工を施した画像データからプレビュー画像を生成する(S405)。プレビュー出力手段17は、プレビューUI13に進捗状態を通知する(S406)。
これにより、プレビューUI13は、例えば、印刷前に、スキャンした画像データや現在の原稿枚数を含むプレビュー画面1160を操作部デバイス200に表示することができる(S407)。また、プレビュー出力手段17は、ジョブ制御手段18に進捗状態を通知する(S408)。
ページ単位で仕上がりイメージを表示できるので、全ての原稿の読取り完了をユーザに待たせることなく、ユーザが仕上がりイメージを確認することができる。
図9は、操作部デバイス200に表示される操作画面、プレビュー画面1160の遷移を説明する図の一例である。図9(a)は操作画面でありユーザが条件を設定する画面である。図9(b)は、ジョブの実行中の画面を模式的に説明する図である。ジョブの実行中、操作部デバイス200には、プレビュー画面1160(前面)が操作画面(裏面)に優先して表示される。また、エラーが発生すると、プレビュー画面1160に優先して操作画面が表示されるため、ユーザがエラーメッセージを目視可能になる。ステップS53の実行時点では、操作部デバイス200には図9(b)のプレビュー画面1160(前面)が表示されている。
図9(b)のエラー画面1170には、エラーの原因の解消をユーザに促すため「原稿詰まり 下記の箇所に用紙が詰まっています。手順に従い、取り除いてください」というメッセージが表示されている。
次に、図8に移る。プレビューが表示された状態で、入力手段15は、次の原稿を読み取って画像データを生成する(S409)。しかしながら、ステップS409の読み取り途中で、原稿のジャムなどエラーが発生し、センサS1がこれを検出したものとする。
入力手段15は、このエラー発生という進捗状態を入力UI11に通知する(S410)。この通知を受けて、入力UI11は、例えばエラーの内容に応じたエラーメッセージ等を含むエラー画面1170を生成する(S411)。なお、入力手段15は進捗状態をジョブ制御手段18に通知する(S412)。
・・・表示手順A
ジョブ制御手段18は、エラー発生という進捗状況の通知を受けて、アプリUI14に画面の切り替え内容を通知する(S413)。画面の切替内容は、例えば、操作部デバイス200に優先的に表示する画面の指示である。
画面の切り替え内容に基づいて、アプリUI14は、プレビューUI13に画面の切り替え指示を通知する(S414)。この切り替え指示は、プレビュー画面1160を裏面扱いとすることの要求になる。
また、アプリUI14は、画面の切り替え内容に基づいて、入力UI11に画面の切り替え指示を通知する(S415)。この切り替え指示は、エラー画面1170を前面扱いとすることの要求になる。この切り替え指示を受けて、入力UI11は、エラー画面1170を操作部デバイス200に表示する(S416)。すなわち、操作部デバイス200の画面は、プレビュー画面1160からエラー画面1170に更新される。
図9(c)は、ジョブの実行中、エラー画面1170が前面に、プレビュー画面1160が裏面に表示された状態を模式的に示す図の一例である。このように、プレビュー画面1160を表示していても、エラーが発生すると自動的に(ユーザが操作しなくても)エラー画面1170に切り替えることができる。
ユーザがジャムの原因となった原稿を取り除くと、入力手段15がエラーが解消したことを検出する。ユーザが再度、スタートキーを押下すると、入力手段15が原稿の読み取りを再開する。複合機100は、これまで説明した手順に従い原稿を読み取り、読み取った原稿のプレビュー画面1160を生成していく。これにより、操作部デバイス200は、図9(b)のように、プレビュー画面1160を前面にする。
ここで、プレビュー画面1160の表示には大きく次の2つの態様がある。
(1)入力手段15が原稿を読み取った枚数に関係なく、プレビューUI13が1ページ目の原稿のプレビュー画面1160を表示したままとする。
(2)入力手段15が1ページの原稿を読み取る毎に、プレビューUI13がプレビュー画面1160を更新する。
(1)の態様の場合、ユーザは、ページ送りボタン1173を押下することで、次ページ以降の原稿のプレビュー画面1160を見ることができる。(2)の態様の場合、ユーザは、操作部デバイス200を見ているだけで、スキャンされた全ての原稿のプレビュー画面1160を見ることができる。本実施例の複合機100は、プレビュー画面1160とエラー画面1170が自動的に切り替わるので、いずれの態様でもよい。
ユーザがプレビューを確認して、印刷ボタン1178を押下すると、複合機100はこのキーイベントから「プレビュー確定」を受け付け、印刷を開始する。
・・・表示手順A 終了
図8に戻り、操作部デバイス200はキーイベントをプレビューUI13に通知する(S417)。プレビューUI13はプレビューが確定されたことをプレビュー出力手段17に通知する(S418)。プレビュー出力手段17は、進捗状態をジョブ制御手段18に通知する(S419)。この進捗状態は特に異常がないことを通知するものである。
ジョブ制御手段18は、進捗状態をアプリUI14に通知する(S420)。アプリUI14は、進捗状態の通知を取得すると、操作画面を表示することがある場合に、操作画面の進捗状態を更新することが可能となる。
次に、ジョブ制御手段18は、出力手段16に処理の実行を要求する(S44)。出力手段16は、進捗状態を出力UI12に通知する(S45)。何らかのエラーがあれば、出力UI12はその旨をユーザに通知できる。
出力手段16は、ステップS31の接続によりリンクされた入力手段15に画像データを要求する(S46)。入力手段15は、出力手段16に画像データを送出する(S50)。具体的には、出力手段16は、パイプから画像データを読み出す。
出力手段16は、不図示のフィルタが加工を施した画像データを印刷する(S51)。出力手段16は、出力UI12に進捗状態を通知する(S52)。これにより、出力UI12は、例えば、印刷中に既に印刷した印刷枚数を表示することができる。
また、出力手段16は、ジョブ制御手段18に進捗状態を通知する(S53)。ジョブ制御手段18は、進捗状態をアプリUI14に通知する(S54)。これにより、アプリUI14は、印刷完了枚数を、ジョブの終了やエラー等を表示することができる。
以上説明したように、本実施例の複合機100は、プレビュー画面1160とエラー画面1170が、ユーザの操作なしに切り替えられるので、いち早くユーザに仕上がりイメージをプレビュー表示することができる。また、操作部デバイス200がエラー等の解消にユーザ操作を伴うエラー画面1170を表示する場合、プレビュー画面1160よりエラー画面を優先するので、プレビュー画面1160がエラー画面1170を阻害することもない。
本実施例では、図1の「エラー画面への切り替え」を受け付けることができる複合機100について説明する。ユーザ自身が画面の切り替えの是非を選択することで、プレビュー画面1160により仕上がりイメージを確認している最中に、ユーザが意図しないタイミングでエラー画面1170が変わってしまうことを防ぐことができる。
図10は、複合機100が原稿を読み取り、ページ単位でプレビュー表示し、その後、印刷する手順を示すシーケンス図の一例である。図10では、実施例1の図7に相当する処理である、条件生成処理、ジョブ生成処理、入出力接続処理、及び、実行処理の一部を省略した。
したがって、図10のステップS409では、操作部デバイス200にはすでにプレビュー画面1160が表示された状態である。
プレビューが表示された状態で、入力手段15は、次の原稿を読み取って画像データを生成する(S409)。しかしながら、ステップS409の読み取り途中で、原稿のジャムなどエラーが発生したものとする。
入力手段15は、このエラー発生という進捗状態を入力UI11に通知する(S410)。この通知を受けて、入力UI11は、例えばエラーの内容に応じたエラーメッセージ等を含むエラー画面1170を生成する(S411)。なお、入力手段15は進捗状態をジョブ制御手段18に通知する(S412)。
・・・表示手順B
ジョブ制御手段18は、エラー発生という進捗状況の通知を受けて、アプリUI14に画面の切り替え内容を通知する(S413)。
以下のステップS4131とS4132が本実施例の特徴部である。
操作部デバイス200に優先的に表示する画面の指示である、画面の切り替え内容に基づいて、アプリUI14は、画面切り替えボタンを操作部デバイス200に表示する(S4131)。画面切り替えボタンについては、後述するが、例えば、プレビュー画面1160に重畳する形で表示すること、又は、プレビュー画面1160の目視を阻害しない形で表示することが可能になる。
ユーザが、エラー画面1170を表示するボタン及びプレビュー画面1160を継続して表示するボタンを押下すると、操作部デバイス200がキーイベントをアプリUI14に通知する(S4132)。図10のシーケンス図は、エラー画面1170を表示するボタンが押下された場合を示す。
したがって、キーイベントにより、アプリUI14はプレビューUI13に画面の切り替え指示を通知する(S414)。この切り替え指示は、プレビュー画面1160を裏面扱いとすることの要求になる。
また、アプリUI14は、画面の切り替え内容に基づいて、入力UI11に画面の切り替え指示を通知する(S415)。この切り替え指示は、エラー画面1170を前面扱いとすることの要求になる。この切り替え指示を受けて、入力UI11は、エラー画面1170を操作部デバイス200に表示する(S416)。すなわち、操作部デバイス200の画面は、プレビュー画面1160からエラー画面1170に更新される。
・・・表示手順B 終了
なお、ユーザがプレビュー画面1160を継続して表示するボタンを押下した場合、プレビューUI13は、すでに前面にプレビュー画面1160を表示しているので、アプリUI14がエラー画面1170を表示するボタン及びプレビュー画面1160を継続して表示するボタンを操作部デバイス200から消去すればよい。以降のステップS417〜S54の処理は実施例1と同様なので説明を省略する。
図11は、スキャンされる原稿と、操作部デバイス200に表示される画面の遷移を模式的に説明する図の一例である。図11において、上の矢印線は入力手段15の処理の時系列を、下の矢印線は操作部デバイス200の処理の時系列を、それぞれ表す(左から右に時間経過を表している)。
図11では、入力手段15は、原稿の1ページ目を読み取り、2ページ目の読み取り中に、入力手段15に原稿のジャムが発生したことを表している。入力手段15にて、原稿のジャムが発生した場合、ユーザによりジャムが解消されるまで、入力手段15はその後の原稿読み取りは行わない。
なお、図11では入力手段15における原稿のジャムを例にしたが、原稿サイズ検知エラーなどユーザ操作を必要とする読み取り時エラーも同様である。
操作部デバイス200は、原稿の1ページ目の読み取り時は、"読み取り中"画面を表示しており、1ページ目の読み取り完了後に1ページ目のプレビュー画面1160を表示する。
その後、2ページ目の読み取り時に原稿のジャムが発生した。このため、上述したように、アプリUI14は、エラー画面1170を表示するボタンである「ユーザ操作画面」表示ボタン1182及びプレビュー画面1160を継続して表示するボタンである「プレビュー継続」ボタン1181を選択する画面を表示する。図11では、プレビュー画面1160と共に、「ユーザ操作画面」表示ボタン1182及び「プレビュー継続」ボタン1181が表示されている。
ユーザが「ユーザ操作画面」表示ボタン1182を押下した場合、上記のとおり、入力UI11がエラー画面1170を表示する。一方、ユーザが「プレビュー継続」ボタン1181を押下した場合、プレビューUI13は継続してプレビュー表示画面を表示する。
以上のように、本実施例の複合機100は、ユーザがプレビュー画面1160を表示するか、エラー画面1170に切り替えるかを選択できるので、仕上がりイメージを確認中にエラーが発生しても、ユーザが意図しないタイミングで画面が切り替わってしまうことを防止できる。
実施例1や実施例2において、ユーザがエラーの原因が解消した後、操作部デバイス200が、エラー画面1170からプレビュー画面1160に自動的に切り替われば便利である。本実施例では、ユーザがエラーの原因が解消した後、自動的に操作部デバイス200がプレビュー画面1160に切り替わる複合機100について説明する。
図12は、複合機100が原稿を読み取り、ページ単位でプレビュー表示し、その後、印刷する手順を示すシーケンス図の一例である。図12では、条件生成処理、ジョブ生成処理、入出力接続処理、実行処理の一部(S416までの処理)を省略した。なお、本実施例の処理は、実施例1及び2のどちらにも好適に適用できる。
ユーザはエラー画面1170に表示されたメッセージに従い、エラーの原因を解消する。そして、ユーザはジョブの実行を再開するため、例えばスタートキーを押下する。操作部デバイス200はこのキーイベントを、入力UI11に通知する(S4161)。
入力UI11は、このキーイベントに基づくユーザ操作処理を実行する(S4162)。ユーザ操作処理は、例えばジョブの再開に必要な処理(エラー発生前の状態に復帰する処理等)である。
次いで、入力UI11は設定変化をジョブ制御手段18に通知する(S4163)。ジョブ制御手段18は、エラー発生という進捗状況の通知を受けているので、設定変化の通知を受けることで、エラーが解消したことを検出する。
ジョブ制御手段18は、プレビューUI13にプレビュー画面1160の表示を要求する(S4164)。また、ジョブ制御手段18は、入力UI11にエラー画面1170を閉じるよう要求する(S4165)。これにより、プレビューUI13は、操作部デバイス200にプレビュー画面1160を表示することができる(S4166)。また、プレビュー出力手段17は、ジョブ制御手段18に進捗状態を通知する(S4167)。
したがって、ユーザはエラーを解消しスタートキー等を押下するだけで、プレビュー画面1160により仕上がりを確認することができる。なお、この後、入力手段15は読み取りを再開する(図7のS47以降の処理)。ユーザが、印刷ボタン1178を押下してプレビュー確認のキーイベントを発生させると、複写機は印刷を開始する。
図13は、スキャンされる原稿と、操作部デバイス200に表示される画面の遷移を模式的に説明する図の一例である。図13において、上の矢印線は入力手段15の処理の時系列を、下の矢印線は操作部デバイス200の処理の時系列を、それぞれ表す(左から右に時間経過を表している)。
入力手段15は、原稿の1ページ目を読み取り、2ページ目の読み取り中に原稿が、入力手段15にてジャムを発生させた。入力手段15にてジャムが発生した時、ユーザによりジャムが解消されるまで、その後の原稿読み取りは行われない。なお、本実施例では入力手段15における原稿のジャムを例にしているが、原稿サイズ検知エラーなどユーザ操作を必要とする読み取り時エラーも同様である。
ユーザにより入力手段15のジャムが解除されると、入力手段15は原稿の2ページ目より読み取りを再開し、例えば、原稿の3ページ目まで読み取りを完了する。
これに対し、操作部デバイス200は、原稿の1ページ目読み取り時は"読み取り中"画面を表示しており、1ページ目の読み取り完了後に1ページ目のプレビュー表示画面を表示する。
その後、2ページ目の読み取り時に原稿のジャムが発生した時、操作部デバイス200は、エラー画面1170を表示する。
その後、ユーザが入力手段15のジャムを解除すると、操作部デバイス200はジャムが解除されたことを検出し、再度、ジャム発生前に表示していたプレビュー画面1160を自動的に表示する。
このように、本実施例の複合機100は、自動的にプレビュー画面1160に切り替えることで、ユーザが再度プレビュー画面1160表示の操作を実施することなく、操作性を向上させることができる。
実施例1では、エラーが発生すると自動的にエラー画面1170が表示され、実施例2では「ユーザ操作画面」表示ボタン1182及び「プレビュー継続」ボタン1181が表示された。エラーの発生の直前には、プレビュー画面1160が表示されている。したがって、エラーが発生した際に、仮にユーザがプレビュー画面1160を操作している(キーイベント)を発生させていると、ユーザがエラー画面1170の一部を押下したり、「ユーザ操作画面」表示ボタン1182及び「プレビュー継続」ボタン1181を誤って押下するおそれがある。
そこで、本実施例では、プレビュー画面1160に対するユーザの最後の操作から、所定時間が経過したタイミングで、エラー画面1170を表示する複合機100について説明する。
図14は、複合機100が原稿を読み取り、ページ単位でプレビュー表示し、その後、印刷する手順を示すシーケンス図の一例である。図14では、図10では、実施例1の図7に相当する処理である、条件生成処理、ジョブ生成処理、入出力接続処理、及び、実行処理の一部を省略した。
したがって、図14のステップS409では、操作部デバイス200にはすでにプレビュー画面1160が表示された状態である。
プレビューが表示された状態で、入力手段15は、次の原稿を読み取って画像データを生成する(S409)。しかしながら、ステップS409の読み取り途中で、原稿のジャムなどエラーが発生したものとする。
入力手段15は、このエラー発生という進捗状態を入力UI11に通知する(S410)。この通知を受けて、入力UI11は、例えばエラーの内容に応じたエラーメッセージ等を含むエラー画面1170を生成する(S411)。なお、入力手段15は進捗状態をジョブ制御手段18に通知する(S412)。
この後、入力UI11は、エラー画面1170に切り替えない。したがって、操作部デバイス200には、プレビュー画面1160がそのまま表示される。
図14のジョブ制御手段18は、タイマ21を有する。このタイマ21は、エラー発生又はプロビュー画面をユーザが最後に操作してからの時間を計測する。タイマ21は、例えば、ソフト的に実装されたものである。ジョブ制御手段18は、エラー発生を検出するとタイマ21を起動し、また、初期化する。タイマ21は、所定時間が経過するとジョブ制御手段18に通知する。この所定時間は、複合機100の例えば初期設定画面からユーザが所望の値を設定しておくことができる。ユーザは、テンキー等を使用して数秒〜数分程度の時間を設定できる。
図14で、ジョブ制御手段18が、エラー発生という進捗状況の通知を受けると、タイマ21がスタートする。この間、ユーザが、プレビュー画面1160を操作した場合、キーイベントが発生し、プレビューUI13に通知する(S4121)。このキーイベントは、例えば、ページ送りボタン1173、ページ戻りボタン1174、拡大ボタン1176、縮小ボタン1175、削除ボタン1177又は印刷ボタン1178に基づくものである。
プレビューUI13は、キーイベントに基づく設定変更を行い、出力手段16に通知する(S4122)。この通知は、削除ボタン1177がキーイベントとなった場合の画像データの削除、又は、印刷ボタン1178がキーイベントとなった場合の画像データの印刷である。したがって、ユーザが望めば、エラーが発生した後、エラーの原因を解消することなく、印刷することができる。
出力手段16は、設定変更を受け付けたことをジョブ制御手段18に通知する(S4123)。ジョブ制御手段18は、設定変更の通知を受けると、タイマ21を初期化し、タイマ21は、再度、ゼロからカウントを始める(S4124)。
タイマ21が、所定時間を計測するまでに、ユーザがプロビュー画面を操作すると、ジョブ制御手段18は、設定変更の通知を受けるので、タイマ21はさらにゼロから計測する。
タイマ21が所定時間を計測するとジョブ制御手段18に通知するので、ジョブ制御手段18は、アプリUI14に画面の切り替え内容を通知する(S4125)。画面の切替内容は、例えば、操作部デバイス200に優先的に表示する画面の指示である。
画面の切り替え内容に基づいて、アプリUI14は、プレビューUI13に画面の切り替え指示を通知する(S414)。この切り替え指示は、プレビュー画面1160を裏面扱いとすることの要求になる。
また、アプリUI14は、画面の切り替え内容に基づいて、入力UI11に画面の切り替え指示を通知する(S415)。この切り替え指示は、エラー画面1170を前面扱いとすることの要求になる。この切り替え指示を受けて、入力UI11は、エラー画面1170を操作部デバイス200に表示する(S416)。すなわち、操作部デバイス200の画面は、プレビュー画面1160からエラー画面1170に更新される。
以降は、ユーザがエラー画面1170に従い、エラーを解消すると、ステップS417以降の処理が実行される。
図15は、スキャンされる原稿と、操作部デバイス200に表示される画面の遷移を模式的に説明する図の一例である。図15において、上の矢印線は入力手段15の処理の時系列を、下の矢印線は操作部デバイス200の処理の時系列を、それぞれ表す(左から右に時間経過を表している)。
入力手段15は原稿の1ページ目を読み取るが、2ページ目の読み取り中に原稿が入力手段15にてジャムを発生させた。
操作部デバイス200は、原稿の1ページ目の読み取り時は"読み取り中"画面を表示しており、1ページ目の読み取り完了後に1ページ目のプレビュー画面1160を表示している。
その後、2ページ目の読み取り時に原稿のジャムが発生した場合、本実施例ではプレビュー画面1160を継続して表示している。
したがって、ユーザは、2ページ目以降に発生したエラーを気にすることなく、1ページ目のプレビュー画像への指示を行うことができる。
そして、プレビュー画面1160に対し、ユーザ操作が一定時間ないまま時間が経過すると、操作部デバイス200はユーザ操作画面に切り替わる。
したがって、本実施例の複合機100は、エラーが発生しても、すぐにはエラー画面1170を表示しないことで、ユーザの自由な操作を確保し、また、誤操作も防止できる。
なお、本実施例では、エラー画面1170の表示を例に説明したが、実施例2の「ユーザ操作画面」表示ボタン1182及び「プレビュー継続」ボタン1181に対しても、同様に適用することができる。
本実施例は、エラー発生の有無に関係なく、特定条件下でプレビュー画面1160を表示しない複合機100について説明する。
例えば、圧板(冊子状の原稿を押さえる板。ADFと一体の場合が多い)。を開いた状態で、ユーザが原稿をスキャンさせる場合、操作画面が頻繁に表示される。これは、ユーザが圧板を操作するとユーザが操作画面から設定を行う場合が多いことを考慮した複合機100の仕様である。したがって、圧板が開いた状態で、プレビュー画面1160を表示するようにすると、操作画面とプレビュー画面1160が頻繁に切り替わるおそれがある。
そこで、本実施例では、圧板が開いているような特定条件下では、プレビュー画面1160を表示させないことで、画面が頻発に切り替わることを防止する。
図16は、複合機100が特定条件下で原稿を読み取るシーケンス図の一例である。図16では、条件生成処理、ジョブ生成処理及び入出力接続処理を省略した。
図16において、実行処理は、図7の実行処理とほぼ同様である。しかしながら、本実施例では、プレビュー画面1160を表示しない。
ジョブ制御手段18は、ジョブの生成及び入力手段15と出力手段16の接続が完了したこと、すなわち進捗状態をアプリUI14に通知する(S41)。アプリUI14は、進捗状態の通知を取得すると、例えば、ジョブの開始状態を液晶表示部117に表示することができる。
つぎに、ジョブ制御手段18は、入力手段15に処理の実行を要求する(S42)。入力手段15は進捗状態を入力UI11に通知する(S43)。何らかのエラーがあれば、入力UI11はその旨をユーザに通知できる。
次に、ジョブ制御手段18は、出力手段16に処理の実行を要求する(S44)。出力手段16は、進捗状態を出力UI12に通知する(S45)。何らかのエラーがあれば、出力UI12はその旨をユーザに通知できる。
出力手段16は、ステップS31の接続によりリンクされた入力手段15に画像データを要求する(S46)。
入力手段15は、原稿を読み取って画像データを生成する(S47)。入力手段15は、ステップS31の接続により得られたパイプに画像データを書き出す。入力手段15は進捗状態を入力UI11に通知する(S48)。入力手段15は、ジョブ制御手段18に進捗状態を通知する(S49)。
つぎに、入力手段15は、プレビュー出力手段17に画像データを送出する(S404)。具体的には、プレビュー出力手段17は、パイプから画像データを読み出す。
プレビュー出力手段17は、不図示のフィルタが加工を施した画像データからプレビュー画像を生成する(S405)。プレビュー出力手段17は、プレビューUI13に進捗状態を通知する(S406)。
これにより、プレビューUI13は、アプリUI14に、スキャンした画像データや現在の原稿枚数を含む進捗状況を通知することができる(S4061)。アプリUI14は、操作部デバイス200に進捗状況を通知する(S4062)。これにより、アプリUI14は、スキャンした枚数やプレビュー画面1160の生成の完了を操作画面に表示することができる。したがって、プレビュー画面1160を表示することなく、操作画面が表示される。
次に、入力手段15は、ここでジョブ制御手段18に待機を要求する(S61)。入力手段15は、ページを1枚読み取り完了するとジョブ制御手段18に待機を要求するように設定されている。待機要求を受け付けると、ジョブ制御手段18は、プレビュー画面1160の表示を中断することが必要かどうかを判定する(S62)。すなわち、ページを1枚読み取り完了する毎に、ユーザ操作が必要かどうかの判定を行う。
この判定基準は予め決まっており、本実施例では、例えば、圧板が空いている場合を特定条件として、プレビュー画面1160の表示を中断する必要があると判定する。
また、この判定基準は、ユーザが設定可能であることが好ましい。ユーザは例えば初期設定画面を開いて、プレビュー画面1160の表示を中断する動作を、選択して登録することができる。判定基準の動作は、例えば、圧板が開放状態であることの他、手差しトレイが開いていること、給紙トレイが開いていること、等である。
1つでも判定基準が登録されていると、ステップS61の入力手段15は、ジョブ制御手段18に待機を要求する。ジョブ制御手段18は、登録された判定基準を参照すると共に、複合機100の状態を検出して、プレビュー画面1160の表示を中断することが必要かどうかを判定する。
必要があると判定した場合、ジョブ制御手段18は、プレビュー出力手段17にプレビュー画面1160の表示の中断を要求する(S63)。
プレビュー出力手段17は、中断したという進捗状況をプレビューUI13及びジョブ制御手段18に通知する(S64、S65)。
ジョブ制御手段18は、アプリUI14にプレビュー画面1160の表示が中断されたという進捗状況を通知する(S66)。
そして、ジョブ制御手段18は、次原稿の条件を設定する操作画面に切り替えるよう、入力UI11に通知する(S67)。入力UI11は操作画面を生成し(S68)、操作部デバイス200の画面を読み取り中画面から操作画面に切り替える(S69)。以降、複合機100はステップS47からの処理を繰り返す。
なお、エラーが発生した場合、本実施例ではプレビュー画面が表示されていないので、エラー画面を表示すればよい。
図17は、スキャンされる原稿と、操作部デバイス200に表示される画面の遷移を模式的に説明する図の一例である。図17において、上の矢印線は入力手段15の処理の時系列を、下の矢印線は操作部デバイス200の処理の時系列を、それぞれ表す(左から右に時間経過を表している)。
入力手段15は原稿の1ページ目を読み取る。操作部デバイス200は、原稿の1ページ目の読み取り時は"読み取り中"画面を表示している。そして、操作部デバイス200は、プレビュー画面1160を中断するという判定の結果に基づき、1ページ目の読み取り完了後に、操作画面を表示している。その後、2ページ目の原稿、3ページ目の原稿、についても同様である。
したがって、本実施例の複合機100は、プレビュー画面1160を表示することによる、操作画面とプレビュー画面1160の頻繁な切り替わりを防止することができる。
実施例1では、エラーが発生すると自動的にエラー画面1170が表示され、実施例2では「ユーザ操作画面」表示ボタン1182及び「プレビュー継続」ボタン1181が表示された。しかし、このように複合機100の動作を固定化するのでなく、ユーザが実施例1と実施例2の態様を設定により選択できれば便利である。
そこで、プレビュー画面1160の表示中に、エラーが発生した場合に(ユーザ操作の必要が生じた場合)、エラー画面1170と、「ユーザ操作画面」表示ボタン1182及び「プレビュー継続」ボタン1181のどちらを表示するかを、ユーザが、予め設定しおくことができる複合機100について説明する。
図18は、エラー画面1170と、「ユーザ操作画面」表示ボタン1182及び「プレビュー継続」ボタン1181、のどちらを表示するかを、ユーザが、予め設定しておく初期設定画面の一例を示す。ユーザは、ジョブの実行前に、操作部デバイス200を操作して「プレビュー画面の表示中の設定」画面を開く。なお、ユーザが設定しなくても、デフォルトの内容が設定されている。
そして、ユーザは、排他的に選択可能な「自動的にエラー画面を表示」又は「選択するボタンを表示」の右側のチェック欄を選択する。ユーザが選択した設定条件が、ジョブ制御手段18に登録されるか、ジョブ制御手段18が参照可能なメモリに記憶される。
図19は、複合機100が特定条件下で原稿を読み取るシーケンス図の一例である。図19では、図7の条件生成処理、ジョブ生成処理及び入出力接続処理を省略した。
ステップS412までの処理は実施例1及び実施例2と同様である。すなわち、入力手段15は、次の原稿を読み取って画像データを生成する(S409)。しかしながら、ステップS409の読み取り途中で、原稿のジャムなどエラーが発生したものとする。
入力手段15は、このエラー発生という進捗状態を入力UI11に通知する(S410)。この通知を受けて、入力UI11は、例えばエラーの内容に応じたエラーメッセージ等を含むエラー画面1170を生成する(S411)。なお、入力手段15は進捗状態をジョブ制御手段18に通知する(S412)。
ジョブ制御手段18は、ユーザが、初期設定画面にて設定した設定条件に基づき、エラー画面1170と、「ユーザ操作画面」表示ボタン1182及び「プレビュー継続」ボタン1181、のどちらを表示するかを判定する(S4121)。
ジョブ制御手段18は、エラー画面1170を表示すると判定した場合、アプリUI14に、エラー画面1170を表示するという画面の切り替え内容を通知する(S413)。この場合は実施例1の表示手順Aが実行される。
また、ジョブ制御手段18は、「ユーザ操作画面」表示ボタン1182及び「プレビュー継続」ボタン1181を表示すると判定した場合、アプリUI14に、「ユーザ操作画面」表示ボタン1182及び「プレビュー継続」ボタン1181を表示するという画面の切り替え内容を通知する(S413)。この場合は実施例1の表示手順Bが実行される。
したがって、本実施例の複合機100によれば、ユーザが、プレビュー画面1160の表示中に、エラーが発生した場合に(ユーザ操作の必要が生じた場合)、エラー画面1170と、「ユーザ操作画面」表示ボタン1182及び「プレビュー継続」ボタン1181のどちらを表示するかを設定しておくことができる。したがって、複合機100は、ユーザの好みに応じて柔軟な動作が可能になる。
以上説明したように、本実施形態の複合機100は、読み取り処理と並行してプレビュー表示を可能であり、プレビュー画面の表示中にエラーが発生しても、エラー画面を表示することができる。よって、ユーザは、プレビュー画面で仕上がりを確認した後、エラー発生までの画像を印刷することもできる。